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研究報告第45号-抄録002

ページID:0069983 掲載日:2015年6月2日更新 印刷ページ表示

愛知県における水稲品種コシヒカリの外観品質低下要因及びその対策について

著者:杉浦和彦 1)・本庄弘樹 1)・林 元樹 1)・野々山利博 1)・山下和巳 1)・虎澤明広 1)・山内 章 2)

出典:日本作物学会紀事82(3):262-269

摘要:愛知県における水稲品種コシヒカリの品質低下要因を現地調査から解析した。2006~2009年の4年間に延べ68ほ場で調査を実施した結果、高温により発生する白未熟粒のうち基部未熟粒の発生割合が最も多かった。乳白粒は出穂後寡照となった2009年をはじめ、全ての年次で基部未熟粒より発生が少なかった。したがって愛知県のコシヒカリにおける外観品質低下要因は、主に基部未熟粒の多発によるものと考えられた。基部未熟粒の発生は、出穂後20日間の平均気温、日照時間との間に有意な正の相関が認められたことから、気象の影響が大きいことがうかがわれた。一方、基部未熟粒は穂揃期の葉身窒素含量、玄米タンパク質含量と有意な負の相関が認められた。また、土壌窒素発現量と施肥窒素量をあわせた窒素供給量と基部未熟粒の間に有意な負の相関が認められた。調査ほ場の施肥窒素量は、目標収量から推定した最適施肥量に比べ平均1.47 g m-2不足していた。以上のことから、本県では窒素供給量が不足している傾向があり、基部未熟粒の発生を抑制するためには、窒素供給量を増やすことが必要であると結論づけられた。

キーワード:基部未熟粒、高温、コシヒカリ、葉身窒素含量、土壌窒素発現量、施肥窒素量、窒素供給量

1)作物研究部  2)名古屋大学大学院生命農学研究科

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