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研究報告第46号-抄録002

ページID:0081384 掲載日:2015年6月2日更新 印刷ページ表示

米の澱粉組成タイプと製粉特性、吸水特性ならびに胚乳細胞組織の形態との関係

著者:中村 充1)・水上優子2)・青木法明3)・梅本貴之4)・日渡美世5)・池田達哉6)・荒木悦子7)・船生岳人8)・加藤 満8)・城田雅毅9)


出典:日本作物学会紀事83(2):126-135


摘要:米の澱粉組成タイプとその製粉特性および吸水特性との関係を解明するために、澱粉組成が異なる 「日本晴」 の準同質遺伝子系統を含む水稲27品種・系統の澱粉組成と製粉特性の米粉粒径、澱粉損傷度、米粉および精米の吸水性を調査し、さらに胚乳細胞組織の形態との関係を検討した。
 その結果、澱粉組成はDNAマーカー分析も併用して、アミロペクチン超長鎖比率による3タイプ(K、H、Y)と短鎖比率による2タイプ(S、L)の組合せから、KS、KL、HS、HL、YS、YL の6グループに大別された。米粉粒径中央値はアミロペクチン超長鎖比率の低いKタイプが、同比率の高いYタイプより有意に大きく、同比率が米粉粒径に関連していた。澱粉損傷度はYL<(HL、YS)<(KS、HS)のタイプ間で有意差が認められ、アミロペクチン短鎖比率が低くアミロペクチン超長鎖比率が高いと、澱粉損傷度が低くなることが明らかとなった。米粉の飽和吸水率は澱粉損傷度と正の相関があるだけではなく、アミロース含有率と負の相関のあることが精米の吸水性から確認された。澱粉組成の異なる 「日本晴」 の準同質遺伝子系統 (KL、HS、HLタイプ)の玄米白色度を調査し、胚乳細胞組織の形態を走査型電子顕微鏡で観察したところ、KLおよびHLタイプの玄米白色度が高く、アミロプラストや澱粉粒の形態がタイプ間で異なっていた。このため、澱粉組成タイプによって澱粉の蓄積様式が異なり、それが製粉特性に影響している可能性が示唆された。


キーワード:吸水特性、米粉、水稲、製粉特性、走査型電子顕微鏡、損傷澱粉、澱粉

1)作物研究部(現山間農業研究所) 2)環境基盤研究部(現農業経営課) 3)農研機構作物研究所(現農研機構本部) 4)農研機構作物研究所(現農研機構北海道農業研究センター) 5)愛知県産業技術研究所食品工業技術センター 6)農研機構近畿中国四国農業研究センター 7)農研機構近畿中国四国農業研究センター(現農研機構作物研究所) 8)作物研究部 9)作物研究部(現食育推進課)

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