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2018年愛知県農業総合試験場の10大成果

ページID:0338709 掲載日:2021年4月1日更新 印刷ページ表示

2018

  農業総合試験場では、新品種や技術の開発などの試験研究について、広く県民の皆様に理解を深めていただくため、研究成果の中から、特に優れたものや社会的関心の高いものを各界からの選定委員に選んでいただき、10大成果として公表しております。

 2018年の10大成果は以下のとおりです。

2018年愛知県農業総合試験場の10大成果一覧
順 位 課  題  名
第1位 餅の柔らかさが持続する水稲「愛知糯126号」を開発
第2位 感染性クローンを作出しトマト黄化葉巻病抵抗性トマトの評価法を開発
第3位 アオジソ新品種「愛経3号」を開発
第4位 肉用名古屋コーチンへのみりん粕給与技術を開発
第5位 頭上散水によるキクの高温対策技術を開発
第6位 モモ優良品種「さくひめ」の果実品質向上技術を開発
第7位 シソサビダニが媒介するシソモザイク病の総合的な防除技術を開発
第8位 パン用小麦品種「ゆめあかり」の省力施肥技術を開発
第9位 土壌残留農薬の分解促進技術を開発
第10位 環境制御機器導入効果試算シートを作成
選定委員名簿
氏 名 職  名
伊藤 博康 株式会社CBCテレビ報道局報道部 参事
柴田 智子 公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 消費生活アドバイザー
山内 章 名古屋大学大学院生命農学研究科 教授
吉澤 一幸 東海漬物株式会社漬物機能研究所 所長
今井 克彦 愛知県農業総合試験場長
各成果の概要と詳しい内容は以下を御覧ください。
2018年愛知県農業総合試験場の10大成果の概要
順 位 課 題 名 概     要
第1位

餅の柔らかさが持続する水稲「愛知糯126号」を開発

(農林水産省 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業)

 餅を原料とした和菓子では製品の柔らかさを保持するため、生地に酵素や糖類を添加する場合があり、実需者からは、無添加でも柔らかさが持続する品種の開発が望まれていました。米のデンプンは直鎖状のアミロースと枝分かれ構造を持つアミロペクチンでできています。これまでに、アミロペクチンの枝が短いと餅などの加工食品の柔らかさが長期間保持されることを明らかにしています。そこで、この「短鎖アミロペクチン」を持った画期的な水稲糯新品種「愛知糯126号」を開発しました。本品種で作った餅や求肥(ぎゅうひ)は、従来の品種で作ったものよりも柔らかさが持続するため、新たな需要拡大が期待できます。(平成30年3月20日記者発表済み) 詳しい内容はこちらから [PDFファイル/179KB]
第2位 感染性クローンを作出しトマト黄化葉巻病抵抗性トマトの評価法を開発  トマト栽培で問題となるトマト黄化葉巻病は、黄化葉巻ウイルス(4系統)に感染したコナジラミの媒介により広がります。これまでは、この病気の抵抗性を評価するには、ウイルスに感染したコナジラミによる接種が必要で、コナジラミの準備から接種までに約1ヶ月を要していました。しかし、農研機構※が開発した「感染性クローン接種法」は、コナジラミを用いず、トマト黄化葉巻病ウイルスを植物に感染させることができます。この方法を活用して、農研機構未開発の2系統の感染性クローンを作出し、トマトの抵抗性評価法を開発しました。感染性クローン接種法は接種に要する期間が3日であるため、この接種法とLAMP法による遺伝子検査を組み合わせることで、トマト黄化葉巻病の抵抗性品種の選抜を従来よりも効率的に行うことができます。 詳しい内容はこちらから [PDFファイル/156KB]
第3位

アオジソ新品種「愛経3号」を開発

(愛知県経済農業協同組合連合会との共同研究)

 本県は全国一のアオジソ生産県です。現在栽培されている品種・系統は、低温期に葉が波打ったり、葉裏が赤色に着色しやすい点が問題となっており、生産者から改善が求められていました。今回開発した新品種「愛経3号」は、波打ちが少ないため出荷調整が容易で、着色が少なく品質が向上しました。また、従来品種に比べ、収量が1割増加するとともに、重要病害であるシソ斑点病に抵抗性を持つことが特長です。
(平成30年3月20日記者発表済み) 詳しい内容はこちらから [PDFファイル/147KB]
第4位 肉用名古屋コーチンへのみりん粕給与技術を開発  本県のみりん生産量は全国第2位で、その製造残さであるみりん粕も多く発生しています。そこで、このみりん粕を有効利用するため、肉用名古屋コーチンへのみりん粕給与技術を開発しました。みりん粕を配合飼料と同時に肉用名古屋コーチンに給与したところ、配合飼料のみの給与に比べ増体量と飼料要求率に改善がみられました。鶏肉の官能評価でもみりん粕を給与した方が食味が優れました。さらに、飼料費が低減でき、収益増加も期待できます。 詳しい内容はこちらから [PDFファイル/162KB]
第5位 頭上散水によるキクの高温対策技術を開発  キク栽培では、夏季の高温による開花遅延や生育抑制が多発し問題となっています。この対策として、ハウス上部に配管されたパイプにノズルを取り付けてかん水を行い、気化冷却によりハウス内温度を下げる「頭上散水」技術を開発しました。頭上散水を8時から15時の間に少量多頻度(40分間隔で30秒~1分)で行うことで、ハウス内温度を4~5℃低下させることができました。その結果、開花遅延が抑制され、草丈が伸び、切り花重が重くなるとともに、高温条件で発生しやすい黄斑点を抑制することができました。これにより、高温時でも、高品質なキクの出荷が期待できます。 詳しい内容はこちらから [PDFファイル/168KB] 
第6位 モモ優良品種「さくひめ」の果実品質向上技術を開発  農研機構※が開発したモモ品種「さくひめ」は、6月下旬から収穫でき、果実品質に優れるため、県内生産者から注目されています。しかし、果皮の着色割合が少なく、年によっては果皮に果点が発生し、程度が激しい場合は裂果する場合もあります。樹冠下に光反射シ-トを設置し、果実に2重袋を被覆することで、果実の着色向上や、果点、裂果の発生軽減が可能となり、果実品質を向上させることができます。 詳しい内容はこちらから [PDFファイル/229KB]
第7位

シソサビダニが媒介するシソモザイク病の総合的な防除技術を開発

(農林水産省 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業)

 アオジソ栽培で問題となるシソモザイク病を抑えるためには媒介虫であるシソサビダニの防除を行うことが重要です。そこで、シソモザイク病の総合的な防除技術を開発しました。簡易で迅速に検出できるLAMP法を活用し、シソモザイクウイルスとシソサビダニを現場で診断できる技術を開発しました。さらに、シソサビダニに効果のある農薬を明らかにするとともに、耕種的防除及び農薬散布を組み合わせた防除マニュアルを作成しました。本防除マニュアルを活用することで、シソモザイク病の発生を抑えることができます。 詳しい内容はこちらから [PDFファイル/196KB] 愛知県版シソサビダニ・シソモザイク病防除マニュアル シソサビダニ・シソモザイク病防除対策チラシ

第8位 パン用小麦品種「ゆめあかり」の省力施肥技術を開発

(愛知県経済農業協同組合連合会との共同研究)

 小麦は出穂前の追肥に加え、出穂期に実肥を行うことにより、実需者が求める高い子実蛋白質含量を確保できます。しかし、実肥実施時期は水稲栽培の春作業と重なることから、生産者は実肥作業が大きな負担となっていました。そこで、現在作付が広がっている本県開発のパン用小麦品種「ゆめあかり」について、実肥作業を省略できる省力施肥技術を開発しました。肥効調節型肥料を配合した「ゆめあかり専用肥料」を基肥として施用し、追肥を2回行うことにより、実肥作業を省略でき、かつ高い収量と蛋白含量を確保できました。本技術により、「ゆめあかり」の省力的な生産が可能となり、更なる生産の拡大が期待できます。 詳しい内容はこちらから [PDFファイル/154KB]
第9位 土壌残留農薬の分解促進技術を開発  作物に散布された農薬の一部は、土壌に残留します。この残留した農薬は土壌中で、徐々に分解しますが、後作物への吸収による残留リスクが懸念されています。そこで、県内で使用量の多いネオニコチノイド系農薬の分解促進技術を開発しました。土壌中の農薬の分解には土壌微生物が関与しており、有機物(緑肥やフスマ)とかん水が微生物の働きを高め、農薬分解を促進することを明らかにしました。施設栽培では、収穫後に土壌の乾燥を防ぎ、緑肥やフスマをすき込むことで残留リスクの低減が期待できます。 詳しい内容はこちらから [PDFファイル/193KB]
第10位 環境制御機器導入効果試算シートを作成

 トマト栽培の施設園芸では多様な環境制御機器の導入が進んでいます。そこで、トマト生産者が事前に経営的な導入効果を知ることができる「環境制御機器導入効果試算シート(トマト)」を作成しました。このシートに経営状況や導入機器等に関する条件を入力するだけで、導入後の所得を推定することができます。これを活用し、生産者が導入したい環境制御機器に合わせて入力することで、推定所得が簡単に試算できるため、導入判断の一助になります。 詳しい内容はこちらから [PDFファイル/171KB] 環境制御機器導入試算シート(トマト)

※(国研)農業・食品産業技術総合研究機構

問合せ先

愛知県農業総合試験場
研究戦略部 企画調整室
電話: 0561-62-0085 内線322
E-mail: nososi@pref.aichi.lg.jp

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