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研究報告第47号-004

ページID:0122569 掲載日:2016年3月23日更新 印刷ページ表示

稲わら堆肥の89年間の連用がイネの収量、リン収支に及ぼす影響

著者:大橋祥範1)・伴 佳典2)・尾賀俊哉3)・加藤恭宏2)・糟谷真宏1)

摘要:愛知県農業総合試験場では、1926年から水田での稲わら堆肥連用試験を継続している。本研究では89年間の稲わら堆肥施用の有無と施用量の違いがイネの収量、リン収支に及ぼす影響を調査した。堆肥の施用により収量が増加し、その効果は施用量75 kg a-1と比べて225 kg a-1で高かった。この要因として、堆肥連用による土壌肥沃度の向上が考えられた。イネのリン吸収量は投入量より常に少なく、毎年、多量の余剰リンが発生した。堆肥無施用と施用量75 kg a-1では土壌の全リン含量が増加する傾向が認められたが、施用量225 kg a-1では余剰リン量が極めて多いにもかかわらず、土壌にリンが蓄積する傾向は認められなかった。堆肥施用量の増加により土壌の還元が速やかに進行し、土壌酸化還元電位が-200 mV程度まで低下すると土壌間隙水の溶存態リン濃度が上昇することが確認された。このことから、施用量225 kg a-1でリンの蓄積が進まなかった要因の一つとして、他の試験区と比べて還元の進行の程度が大きいことによるリンの溶脱が考えられた。

キーワード:長期肥料試験水田、稲わら堆肥、イネ収量、リン収支、リン溶脱


1)環境基盤研究部 2)作物研究部 3)環境基盤研究部(現尾張農林水産事務所)

 

全文ダウンロード稲わら堆肥の89年間の連用がイネの収量、リン収支に及ぼす影響 [PDFファイル/538KB]

 

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