【2020年度 自動運転社会実装プロジェクト推進事業】西尾市において自動運転タクシーのコンセプト車両を走行~自動運転が創る地域の新たな「移動」と「活力」~
愛知県では、将来の自動運転サービスの実現を目指し、全国に先駆けて、2016年度から自動運転の実証実験を開始しています。2019年度からは、内閣府の未来技術社会実装事業*1を活用し、地域ごとに想定されるビジネスモデルを踏まえた実証テーマを設定することにより、自動運転の社会実装を見据えた実証実験を実施してきました。
今年度は、自動運転の実用化に向けた取組を更に加速するため、社会実装のあり方を技術面、運用面の両面から検証する実証実験に取り組んでいます。(2020年6月15日記者発表済)
こうした取組の一環として、12月11日(金)から3日間にわたり、「生活・観光混在エリアにおけるMaaS*2」をテーマとして、名鉄西尾駅~西尾市歴史公園において、自動運転タクシーのコンセプト車両を運行(乗車無料)するほか、同タクシー等や周辺店舗等の利用時に共通ポイントを付与することで地域の交通利便性と観光客の回遊性の向上を図る実証実験を行います。
1 実証実験の概要
(1)実施日程
2020年12月11日(金曜日)から12月13日(日曜日)
※12日、13日の一般の方の受付は、午前9時から試乗枠の受付を開始し、試乗時間の30分前から顔認証情報の登録等を実施します。
日程 | 時間 | ルート | 試乗者 |
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12月11日(金曜日) | 10時00分~10時40分 | 西尾駅~西尾市歴史公園 950m | 大村愛知県知事 |
発車時刻 11時00分/11時30分/13時30分/14時00分/14時30分/15時00分 | 報道機関 受付は、西尾コンベンションホール(西尾市花ノ木町4丁目64番地)1階 | ||
12月12日(土曜日)
| 発車時刻 9時30分/10時00分 | 一般の方 ・予約なしで受付順に乗車いただけます ・18歳以上65歳未満の方に限ります ・介助なしで車両に乗車できる方に限ります 受付は、西尾コンベンションホール(西尾市花ノ木町4丁目64番地)1階
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12月13日(日曜日) | 発車時刻 9時30分/10時00分/10時30分/11時00分/11時30分/13時30分/14時00分/14時30分/15時00分 |
※ルートの内容は、1-(3)ルート等詳細を御覧下さい。
※天候等により走行の一時中断、中止又はスケジュールの変更が生じる場合があります。
※乗車時間は10分程度です。
(2)ルート等詳細
起点:名鉄西尾駅(西口ロータリータクシー乗り場)(西尾市花ノ木町4丁目18)
終点:西尾市歴史公園駐車場(西尾市錦城町231-1)
ルート地図
(3)車両概要
車両は、タクシー車両をベースとし、株式会社ティアフォーが開発した自動運転システムを搭載しています。
車両 | 「JPN TAXI(ジャパン タクシー)」 |
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仕様 | ・自動運転システム「Autoware※3」および事前に取得する「高精度3Dマップ(3次元地図)」を使用して走行 ・AutowarePC※4搭載、3D-Lidar※5を6台搭載 ・自己位置推定、障害物認識(停止)、信号認識(カメラ・通信等)の機能を実装 ・試乗モニターは1運行当たり1名~2名 ※AutowareはThe Autoware Foundation の登録商標 |
(4)実証実験のハイライト(見所)
○交通量の多い幹線と生活道路を織り交ぜた一般公道において自動運転車両を定期運行
駅周辺市街地の回遊性・利便性をより向上させることを目的に、名鉄西尾駅(西口)~西尾歴史公園まで自動運転タクシーのコンセプト車両を運行します。
このルートは、中心市街地の主要道路と一方通行の幅員の狭い生活道路から構成されており、見通しが悪い左右交差点から合流してくる他車両等の検知、加速減速の繰り返し、右左折時や狭隘道路走行時の緻密な経路設定など、単一環境の道路に比べて高度な制御が求められます。今回の実証実験を通じて、更なる自動運転車両制御の高度化を目指します。
○交通事業者(名鉄東部交通)の乗務員による運行
交通事業者である名鉄東部交通株式会社が、社会実装の可能性を見据えて運行を担います。
なお、運行時は、同社の乗務員(第二種免許の保持者・事前教習修了者)が、車両の運転席と遠隔監視室(西尾市役所内)から監視を行います。
遠隔監視システムは、将来的に数多くの無人自動運転車両が走行する社会が到来した場合、少人数で複数車両を運行するビジネスモデルの可能性を探るものであり、公共交通の担い手不足の緩和につながるものです。
○生活と観光が共存するエリアにおけるMaaS※2を想定した取り組み
住民・観光客に多様な行き先への継ぎ目のない移動を実現するMaaS※2モデル構築を目指し、自動運転車両、レンタサイクル、パーソナルモビリティ※6を提供します。
さらには、特設ホームページにおいて、これらの交通手段の利用案内のほか、名鉄主要駅から西尾駅までの経路検索情報、周辺店舗や地域情報などを一元的に提供することにより、モビリティ(移動手段)を軸とした人々の回遊性向上を目指します。
*パーソナルモビリティ※6は、歴史公園駐車場内において模擬的に運行
○共通ポイント(株式会社NTTドコモのdポイントを活用)と顔認証システム※7の活用
自動運転車両の乗車時にあらかじめ登録された顔認証情報に対応してポイントを付与するとともに、周辺店舗を利用する際にも共通のポイントを付与し、モビリティ・店舗両方の利用意欲を高め、観光客等の回遊性を向上させることで、地域経済への波及効果を高めるモデルを提示します。
今回はポイントの「付与」のみを行いますが、このような取組を更に発展させることで、自動運転車等のモビリティ(移動手段)の利用料を利用者だけでなく、ポイントのやりとりを通じて店舗或いは地域全体で負担する仕組みづくりにもつなげることを想定しています。
こうした仕組みづくりを通じて、店舗・地域は人々の回遊性向上による経済メリットを受けるとともに、旅客に加えて地域住民の移動の利便性も高めることを目指します。
また、顔認証システムを更に活用することで、自動運転タクシーや店舗の予約、利用から決済までの自動化や、技術革新により運行コストが低減した自動運転車両を使用した移動サービスが、地域全体でのポイント連携を通じて店舗(レストラン等)の無償付帯サービスとして提供されるなど、将来的な地域のさらなる利便性向上ひいては、スマートシティ化をも見据えています。
こうした自動運転の採算面にも着目し、共通ポイントを用いる実証実験は全国でも稀有な取組となります。
(5)ポイントが付与される周辺店舗(12店舗)
店舗名 | 営業内容 |
---|---|
アリス(西尾市桜木町3丁目51-3) | カフェ・喫茶 |
カテキン堂(西尾市鶴ケ崎町4-11) | カフェ・喫茶 |
カフェ竹庵(西尾市本町6) | カフェ・喫茶 |
CAFE HOTCH POTCH(西尾市住吉町3-31-1 第16オーシャンプラザ1号) | カフェ・喫茶 |
旬彩石川(西尾市桜木町4-34) | 割烹・小料理 |
中央ふれあいセンター喫茶室(西尾市錦城町162番地14) | カフェ・喫茶 |
とんかつ錦(西尾市塩町18) | 和食レストラン |
パティスリーツタヤ(西尾市幸町3) | 洋菓子小売 |
はと屋(西尾市塩町1) | 醸造品小売 |
抹茶ラボ 西尾伝想茶屋店(西尾市錦城町122) | カフェ・喫茶 |
夢菓笑おきなや(西尾市吾妻町239) | 和菓子小売 |
和遊膳 山味(西尾市吾妻町285) | 割烹・小料理 |
(6)事業実施体制
株式会社NTTドコモを幹事会社とする共同体で事業実施
株式会社NTTドコモ、名古屋鉄道株式会社、名鉄東部交通株式会社、株式会社メイテツコム、アイサンテクノロジー株式会社、株式会社ティアフォー※、岡谷鋼機株式会社※、損害保険ジャパン株式会社
※はアイサンテクノロジーの外注先として参画
協力:アイシン精機株式会社、西尾市
2 一般試乗車の試乗について
(1)試乗車の条件
・18歳以上65歳未満の方に限ります。
・介助なしで車両に乗車できる方に限ります。
(2)受付
・当日、午前9時から西尾コンベンションホール(西尾市花ノ木町4丁目64)1階で受付けます。
・受付先着順での試乗となるため、満席になった場合は試乗いただけません。
(3)試乗時のお願い
・問診票及び試乗同意書に署名いただきます。
・試乗後にアンケート記入への御協力をお願いします。
(4)天候等による走行中断や中止
・天候等による理由により、走行を一時中断又は中止する場合があります。その場合、試乗できない場合があります。
3 取材について
(1)取材を希望される場合は、報道機関名、代表者の氏名、連絡先、TVカメラの有無、人数、希望する取材時間等を、別紙「取材連絡票」に記載の上、12月9日(水曜日)までに以下までご連絡ください。
株式会社NTTドコモ東海支社企画総務部広報室
FAX(052)954-1508 メールevent_tokai-ml@nttdocomo.com
(2)当日、天候等の影響により中止になった場合は、個別に連絡します。
(3)取材当日は、9時00分までに「西尾コンベンションホール1階」のメディア受付にお越しください。取材の受入れが可能な時間・内容は、別添取材連絡票を御覧下さい。
(4)知事の試乗当日(12月11日(金曜日))に、報道機関の皆様向けで自動運転車両に御試乗いただく機会を設けます。(運行時間:11時00分発、11時30分発、13時30分発、14時00分発、14時30分発、15時00分発の6便12名、所要時間:10分程度)
ただし、乗車枠は各便2名ずつのため、応募者多数の場合は、人数・時間帯を調整させていただきます。(極力、各社1名でお願いします)
4 新型コロナウイルス感染防止について
・コロナ感染症対策のため、試乗時に検温を実施します。37.5度以上の発熱がある方の試乗はお断りする場合があります。
・新型コロナウイルス接触アプリCOCOAの利用をお願いします。
・マスクの着用と手指消毒に御協力ください。
*1 未来技術社会実装事業 | 内閣府が、地方自治体を対象に、AIや自動運転、ロボット、ドローンなどの近未来技術等を活用した地方創生に関する事業を募集し、優れた取組について関係府省庁が総合的に支援する事業。本県は、2018年8月に採択。 |
*2 MaaS | Mobility As A Seviceの略。自家用自動車に依存しないで、人が移動できるよう、公共交通を含む移動サービスを組合せ、接続性を高めたり、経済効果をもたらそうとする取組み。 |
*3 Autoware | 株式会社ティアフォーが開発した自動運転のオペレーティング・システム(OS)。 |
*4 Autoware PC | Autowareを動かすためのコンピューター。高精度3D地図もAutowarePCに保存される。 |
*5 3D LiDAR | LiDARはレーザー光によって景色を立体的に映し出すことができるセンサであり、その反射によって得られる点群データを活用して3Dマップを作成する。 |
*6 パーソナルモビリティ | センサーや制御装置を備えた少人数用の乗り物の総称。 |
*7 顔認証システム | 生体認証のひとつ。個々人の顔の情報を「特徴量」としてコンピューターが記憶することで、同一の顔を検出することができる。そのため、個人認証のツールとしての活用が広まっている。 |