
企画展
煎茶
―山本梅逸と尾張・三河の文人文化―
SENCHA Literati Painter Yamamoto Baiitsu and Bunjin Culture in Owari Province and Mikawa Province
2016年1月16日(土)~3月27日(日)
毎週月曜日休館(ただし3月21日(月)は開館、3月22日(火)は休館)
当日割引券付のチラシをダウンロードできます。PDFをA4で印刷し、当日券をお買い求めの際、
表面下の当日割引券部分をチケット受付にてご提示いただくと、当日割引券として使用できます。
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展覧会の概要
日本における煎茶は、黄檗僧であった売茶翁・高遊外(1675-1763)によって、京都を中心とした知識人の間に広められました。そして、江戸時代後期には、煎茶は抹茶を喫する伝統的な「茶の湯」の形式化が進んでいたことへの反発に加え、同時代の中国文化への憧れを基調とした文人趣味の勃興によって急速に普及し、明治時代前期頃までは煎茶文化の大流行が続きました。
本展覧会は、売茶翁・高遊外所持を含む数々の煎茶道具を紹介するとともに、江戸時代後期から明治に華開いた尾張・三河の煎茶文化を、名古屋出身の文人画家・山本梅逸(1783-1856)と三河の八橋売茶翁・方巌(1760-1828)、中国から渡来し常滑に朱泥急須の技術を伝えた金士恒(生没年不詳)などにスポットを当てて紹介するものです。
展覧会のみどころ
◆《朱泥茶銚 銘紅顔少年》をはじめとする煎茶具の数々を一堂に紹介します。
中国の文人文化と密接に関係する煎茶では、道具は、茶銚(急須)や煎茶碗のほか、火をおこすための涼炉、香炉、香盆、棚など工芸品が一堂に介します。展覧会では、明治の日本の文人としてよく知られた奥蘭田が美少年の趣があるとして高く評価した《朱泥茶銚 銘紅顔少年》や煎茶中興の祖として知られる売茶翁・高遊外所持の道具など、魅力的な煎茶具の数々を紹介します。
◆名古屋出身の文人画家・山本梅逸の作品などを通じて、愛知の文人文化を紹介します。
山本梅逸は、画家としての名声はもちろんのこと、煎茶を嗜んだ文人としてもよく知られています。本展では、山本梅逸、愛知の煎茶文化形成に大きな役割を果たした八橋売茶翁、常滑の朱泥急須作りに影響をもたらした金士恒のほかに、瀬戸や常滑で制作された煎茶具、渡辺崋山ら愛知にゆかりのある文人の作品を紹介します。
展覧会関連イベント
煎茶会
日時:
・1月16日(土)
会場:本館 展示説明室
・17日(日)、23日(土)、24日(日)
・2月6日(土)、7日(日)、13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)、27日(土)
・3月12日(土)、13日(日)、19日(土)、21日(月・祝)、27日(日)
会場:本館 ロビー
*呈茶券500円・先着50名
*各日午前11時から
*煎茶会は会期中に追加で開催する予定です。予定が決まり次第、当館公式HPにてご案内いたします。
記念講演会①
「煎茶文化の展開 ―幕末~明治初期を中心に―」
日時:1月23日(土) 午後1時30分~3時
講師:守屋雅史氏(大阪市立美術館 学芸課長)
記念講演会②
「時代の煎茶器」
日時:2月6日(土) 午後1時30分~3時
講師:高取友仙窟氏(煎茶道売茶流家元)
記念講演会③
「唐物煎茶器の展開」
日時:3月5日(土) 午後1時30分~3時
講師:森達也氏(沖縄県立芸術大学教授)
*講演会の会場は、当館本館 地下講堂
*参加費無料、予約不要
担当学芸員による展示解説(3回)
日時:1月30日(土)、2月20日(土)、3月12日(土)
*各日午後1時30分~1時間程度
*参加費無料(ただし観覧券が必要)、予約不要
展覧会図録のご案内
本館1階ミュージアムショップにて、展覧会開催初日より販売します。
価格:2200円(税込)
※こちらの図録は、好評につき完売いたしました。

出陳作品の図版・解説の他、専門家による論文を収録しています。
展示作品
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朱泥茶銚 銘紅顔少年
中国・宜興窯(玉川珍銘)
清時代後期
個人蔵
明治時代を代表する文人の奥蘭田が自身の著『茗壺図録』において紹介した中国・宜興窯の作品。たたずまいの美しさから、美少年になぞらえて紅顔少年と名付けられている。 -
竹編提梁式提籃
(伝)売茶翁・高遊外所持
個人蔵
煎茶中興の祖として、今日の煎茶道の礎を築いた売茶翁・高遊外が所持していたとされる提籃。この中に種々の煎茶具を入れて持ち歩き、煎茶の手前に用いた。非常に精巧な造りであり、さりげなさの中に工芸の粋が凝縮している。 -
桐陰煎茶図 山本梅逸
江戸時代
個人蔵
名古屋出身の文人画家、山本梅逸の画。梅逸は、その絵が煎茶界の中で高く評価されただけでなく、自らも煎茶に造詣が深く、煎茶を語るうえで欠かせない一人。本図は、煎茶を嗜む中国の文人の姿が描かれたもので、梅逸の煎茶趣味を窺い知ることのできる一点。 -
涼炉 霞傾宝鼎
八橋売茶翁遺愛
江戸時代
個人蔵
八橋売茶翁は、福岡に生まれ、京都で参禅、売茶流煎茶の奥義を相国寺の大典禅師から伝授された。その後、江戸に出たのち、愛知県の八橋で在原寺を再興、次いで無量寿寺を再建した。 この涼炉は、八橋売茶翁が愛用したものである。舌のように突き出た灰受は、煎茶が屋外から屋内で嗜まれるようになったために設けられたものである。
会期 | 2016年1月16日(土)-3月27日(日) |
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会場 | 愛知県陶磁美術館 本館 第1・2展示室 |
開館時間 | 午前9時30分から午後4時30分まで(入館は午後4時まで) ※1月16日(土)は開会式のため、観覧は午前11時より |
休館日 | 毎週月曜日(ただし3月21日(月)は開館、3月22日(火)は休館) |
観覧料 | 一般600円(480円)・高大生500円(400円)・中学生以下無料 ※( )内は20名以上の団体料金 ※上記観覧料で常設展示も併せてご観覧いただけます。 ※各種割引制度あり。詳しくは下記をご確認ください |
割引制度 | 《割引制度》 |
主催 | 愛知県陶磁美術館 |
共催 | 中日新聞社 |
後援 | 愛知県教育委員会、愛知高速交通株式会社(リニモ)、一般社団法人 全日本煎茶道連盟 |
問い合わせ先 | 愛知県陶磁美術館 学芸課 〒489-0965 愛知県瀬戸市南山口町234番地 TEL : 0561-84-7474 FAX : 0561-84-4932 担当:大長智広、田畑潤 |
報道機関の皆様へ | 2015年12月10日(木)県政・中部芸術文化・瀬戸市政各記者クラブ発表 プレス・リリース資料(2015年12月10日付)のダウンロードはこちら |