主な展示作品
主な展示作品

愛知県指定文化財 鬼面文鬼瓦
(きめんもんおにがわら)
尾張国分寺跡出土
奈良時代(8世紀) 妙興寺
愛知県内で最も良好な状態で残存する古代の鬼瓦で、愛知県指定文化財となっている貴重な作例です。後世の作例と比べ全体に起伏の少ない古代的な造形を特徴としつつも、高い鼻や険しい形相に、当時の国分寺の権威の一端がうかがえます。尾張国分寺跡は稲沢市に所在し、多くの瓦が発掘されていますが、これらの瓦もこの鬼瓦とともに紹介します。

金箔桐文鬼瓦
(きんぱくきりもんおにがわら)
清須城跡出土 安土桃山時代
(16世紀) 清須市教育委員会
安土桃山時代から江戸時代初期に生み出された金箔瓦は、この時期の城郭建築に用いられた瓦の極みといえます。本作品は愛知県内でも最も良好な状態で残存している金箔瓦で、金箔が貼られた豪華な様子は当時の清須城の荘厳さを伝えています。清須城跡・清洲城下町遺跡では、多くの金箔瓦や家紋瓦が発掘されていますが、それらの瓦も合わせて紹介します。

鉄釉三葉葵文胴板瓦
(てつゆうみつばあおいもんどうばんがわら) 名古屋城三の丸遺跡御霊屋
江戸時代(18世紀)
名古屋市教育委員会
名古屋城三の丸遺跡内にある、徳川二代将軍以降の代々の御霊屋跡地で出土したもので、徳川家の家紋である三葉葵文を配し、鉄釉が施された立派な作りをしています。名古屋城下の瓦師や瀬戸の窯屋が製作に携わったことがわかっています。江戸時代の瀬戸では、全国的にも珍しい釉薬瓦が作られており、本展ではこうした釉薬瓦も紹介します。

鬼瓦「菊」影盛(おにがわらきくかげもり)
初代鬼源(神谷春義)
昭和12年(1937年)
個人蔵
影盛とは、もとは鬼瓦を据える時、背面に漆喰を塗り、盛り上げた形状を呼び、鬼瓦と一体型で本体の裏に雲状の盛り上がりを付けた鬼瓦を呼びます。特に本作品は、鬼瓦の背面となる影盛が三重となっており、中央には台座がつき、菊の花などの細工が緻密にあらわされています。昭和12年に開催された汎太平洋平和博覧会に出品し、銅牌を受賞した傑作です。