ホーム年間スケジュール黄金の地と南の海からの主な展示作品

主な展示作品

主な展示作品

黒褐釉人形瓶

黒褐釉人形瓶
タイ東北部ブリラム県
クメール王国(11世紀~12世紀)
高19.5cm 胴径14.9cm
山田義雄氏寄贈



神に祈りをささげる人の姿を瓶に作った特異な器は、クメール陶磁の代表的な器種の一つである。頸から上を故意に打ち欠いて破棄されている例が知られており、宗教的儀式に使われた後に、器物に宿った霊力を開放してから遺棄されたと推測されている。

黒褐釉象形壺

黒褐釉象形壺
タイ東北部ブリラム県
クメール王国(12世紀~13世紀)
高15.3cm 長径16.2cm
中村三四郎氏寄贈



クメール陶磁の象は鼻も尻尾もゆるく下げている。球形の壺の形を活かすためであろうか。壺の中に石灰が残っていることが多い。石灰は、古くから嗜好品として南アジアで広くたしなまれてきたキンマ噛みに使われた。その容器と考えられる。本来は塔形の蓋で口を閉じたものとみられる。

青花山水文盤

青花山水文盤
ベトナム北部
大越国・黎朝(15世紀)
高6.7cm 口径33.6cm



1997年に引き揚げ調査されたホイアン沖ク・ラオ・チャム島沈没船から大量に引き揚げられた青花の中に本作と同じ作風の山水文盤がある。見込みを一つの画面に見立てて山水画風の文様を描き、側面に巡らせた蓮弁文にはていねいに濃淡をつけたぼかしを入れている。

青磁刻花花文盤

青磁刻花花文盤
シーサッチャナーライ窯(タイ中北部)
アユタヤ王朝(15世紀)
高8.8cm 口径30.6cm



シーサッチャナーライ窯は15世紀に入ると急速に美しい青磁を完成させた。精製した素地に美しい青磁釉を掛け、高温で硬く焼成している。形や装飾は中国の龍泉窯青磁に倣ったものが多いが、釉調は透明感と青みが強く、珊瑚礁の海の色のようである。

赤地白象嵌浄瓶

赤地白象嵌浄瓶
タイ北部
ランナー・タイ王国(15世紀~16世紀)
高19.5cm 胴径15.3cm
木内知美(宗久)氏寄贈



タイ族が定住する以前に繁栄し、その後もタイ北部に命脈を保っていたハリプンチャイ王国の土器の特徴を備えているが、詳細は不明である。焼成温度の低い土器であるがロクロ成形で、非常に薄く仕上げられている。表面には細かい文様を彫りつけたあと、白土を刷り込んでいる。クンディと呼ばれる水注の一種である。

白釉緑彩花文盤

白釉緑彩花文盤
ミャンマー バゴー周辺
ペグー王国~タウングー王国(15世紀~16世紀)
高5.5cm 口径28.2cm



白釉緑彩陶は、錫白釉を掛けた上に緑錫釉で文様を描き、低火度で焼成したため、緑の文様が白地ににじんでいる。高台の側面に線が数条めぐっている点、高台内に筋状の糸切の痕が円盤形に残っている点など、いくつか成形上の目立った特徴がある。