ホーム年間スケジュール酒のうつわの主な展示作品

主な展示作品

主な展示作品

染付大根文銚子

染付大根文銚子
江戸時代末期(19世紀)
瀬戸
愛知県陶磁美術館



美しい大根の模様に、視線が釘付け


白に青い絵付けが魅力的な瀬戸染付 にみられる繊細な筆致は、当時流行した南画(文人画)の影響を受けたと言われます。銚子とよばれる形の酒器で、元来は漆の器で作られていました。江戸時代には、加工がしやすく、色鮮やかで美しい造形のやきもの製銚子が登場しました。

栗皮釉傘形徳利

栗皮釉傘形徳利
江戸時代末期(19世紀)
丹波
兵庫陶芸美術館



閉じた傘みたいなスタイリッシュな徳利


日本六古窯のひとつ丹波焼(現:兵庫県丹波篠山市)は、平安時代末期を発祥とするやきものです。江戸時代中期以降に徳利が主産品となりました。近隣の灘や伊丹で清酒づくりが本格化すると、酒のうつわにも変化が現れ、多種多様な造形・大小の徳利が作られました。

色絵亀甲文酒次

色絵亀甲文酒次
江戸時代初期(17世紀)
有田
愛知県美術館 木村定三コレクション



名古屋の文化人、木村定三氏の眼


熊谷守一のパトロンとして著名な茶人・木村定三氏。木村氏自ら確立した、美の基準をもとに選定されたやきものの酒器 の世界観をお楽しみください。本作は、江戸時代に伊万里港から出荷されたため「IMARI」と親しまれる、現:佐賀県有田町で作られた瓶。上部に付けられた老松のつまみや、側面を彩る亀甲文には、吉祥の意味が込められています。

金襴手雲鶴藻魚文盃・盃台

金襴手雲鶴藻魚文盃・盃台
江戸時代後期(19世紀)
永楽保全
豊橋市美術博物館 司コレクション



豊橋市名誉市民の企業人・司忠氏の盃


金襴緞子のような輝きを放つ、華やかなうつわ。江戸時代末の京焼の名工・ 永楽保全(1795~1854) によってつくられました。 盃を載せて引き寄せる台である「盃台」を伴っています。

色絵ブーケ文本形酒器

色絵ブーケ文本形酒器
18世紀
ハンガリー
愛知県陶磁美術館 辻清明コレクション



本棚に潜ませて、こっそり飲もうかしら。


陶芸家・辻清明氏(1927~2008 )のコレクションより、ハンガリーの酒器。辻氏は4、5歳から骨董に触れ、その審美眼を磨いてきました。蒐集について、「自分の道の大いなる精神の師」であり、また「身近に実用の美のエキスを必要とした」と語っています。

交趾釉瓢形袋盃

交趾釉瓢形袋盃
江戸時代後期(19世紀)
梅林
滋賀県立陶芸の森 陶芸館



思いがけず、おかわり酒がいただける盃


色鮮やかなこの盃は、19世紀に膳所城下(現:滋賀県大津市)でつくられた梅林焼です。瓢箪部分が袋状になっており、下の部分で盃とつながっています。盃の酒を飲み干すと、さらに瓢箪から酒が流れ込むという仕組みのからくり盃です。宴の席を盛り上げたことでしょう。

白磁染付瓢箪に鼠酒次

白磁染付瓢箪に鼠酒次
明治時代(19世紀末〜20世紀初)
平戸
個人蔵



かわいい細工。でもたっぷり入ります。


多産の鼠は子孫繁栄、仙人の持ち物である瓢箪は不老長生の吉祥として知られ、また古来より酒を容れる器として用いられたことから、酒器にはたびたび登場するモチーフです。平戸焼は平戸藩内(現:佐賀県長崎市)で焼かれた陶磁器で、良質の白い磁土で繊細な細工物を得意としました。