
特別展
平安のやきもの
―その姿、うつろいゆく
The Heian Ceramics:
Their Transformation Through Late 8th to 12th Centuries
2022年10月29日(土)から2023年1月15日(日)まで
毎週月曜日休館(ただし、12月27日(火)~1月4日(水)休館、1月9日(月)開館、1月10日(火)休館)
当日割引券付のチラシをダウンロードできます。PDFをA4で印刷し、当日券をお買い求めの際、
裏面下の当日割引券部分をチケット受付にてご提示いただくと、当日割引券として使用できます。
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展覧会の概要
平安時代 (8世紀末~12世紀)には、古代日本で最も豊かなやきもの文化が花開きました。平安のやきものは、奈良時代までに発達した技術と造形、それに珍重された金属器や中国陶磁の形が融合、さらに仏教文化の変遷のなかで、重層的なデザインの移り変わりをみせました。
本展では、緑釉・灰釉陶器という当時の二大陶器と、その系譜を引く国産陶器に焦点をあて、関連する須恵器や金属器、中国陶磁を交えつつ、平安のやきもの400年の魅力に迫ります。
展覧会のみどころ
◆古代と中世の転換期である平安時代において、目まぐるしい発展、変化を見せたやきものの魅力に迫ります。
◆平安の陶器の優品が一堂に会し、関連する金属器や中国陶磁等とともにそのデザインの変遷をたどります。
◆記念講演会やギャラリートーク、制作体験などの各種イベントを多数開催します。
展示構成
プロローグ 平安のやきもの各種
奈良時代から大きくバリエーションを拡大した平安時代のやきものの種類を紹介します。
第1章 奈良時代からの潮流
釉薬、器形等、奈良時代までの伝統の延長にある平安のやきものについて、奈良時代のやきものや金属器と合わせて紹介します。
第2章 中国陶磁への憧れの中で
平安時代前期、唐風文化への憧れと傾倒が絶頂の中で、中国陶磁のデザインを大々的に取り入れた平安のやきものについて、中国陶磁とともに紹介します。
第3章 施釉陶器のさまざまな変容
平安時代前期に大いに発展した緑釉・灰釉陶器が、平安時代中期以降変容し、中世的局面へ向かっていく様子について紹介します。
第4章 末法の世の中で
平安時代後期以降、仏教における末法思想の高まりとともに、各地に経典を埋めた経塚が作られます。経塚と関連して発展した平安末期のやきものを紹介します。
エピローグ 新時代への接点
平安時代末期から鎌倉時代前期まで、一連の動きとして捉えられる中国陶磁のデザインを新たに取り入れたやきものを紹介します。
展覧会関連イベント
記念講演会 ~平安のやきものをより深く知る~
①「猿投―古代の青瓷と白瓷」
日時:11月27日(日)午後1時30分から午後3時まで
講師:井上 喜久男 氏(愛知県陶磁資料館元館長補佐)
②「三彩から緑釉陶器・白色土器へ―平安京を彩ったやきもの」
日時:12月18日(日)午後1時30分から午後3時まで
講師:高橋 照彦 氏(大阪大学大学院人文学研究科教授)
いずれも
会場:本館地下1階講堂
定員:100名(事前申込不要、当日先着順、聴講無料)
連続講座&ギャラリートーク ~担当学芸員による平安のやきものへのいざない~
①「平安のやきものの幕開け」
日時: 11月12日(土)・20日(日)午後1時30分から午後3時まで
②「平安時代における中国のやきもの」
日時: 12月3日(土)・10日(土)午後1時30分から午後3時まで
③「中国陶磁への憧れ、その行方」
日時: 12月17日(土)・24日(土)午後1時30分から午後3時まで
④「仏教の移ろいの中で」
日時:2023年1月7日(土)・14日(土)午後1時30分から午後3時まで
※各回同じ内容を2日行います。
いずれも
会場:本館 地下講堂集合
担当:大西 遼・田畑 潤(当館学芸員)
定員:100名(事前申込不要、先着順)、要当日観覧券
制作体験「花の器―陰刻花文」 ~ホンモノを見て、形を作り、文様を考え、花を彫る~(全2回)【要申込・有料】
お申し込みは2日間ともに参加できる方に限らせていただきます。
日時:
①11月19日(土)
②11月26日(土)
講師:梅本 孝征 氏(愛知県立芸術大学 教授)
会場:陶芸館
定員:20名(応募者多数の場合は抽選)(要申込・有料)
参加料やお申し込み方法は、イベント情報ページでお知らせします。
展覧会図録ご案内
本館1階チケットブース横にて、展覧会開催初日より販売します。
価格:2200円(税込み)
郵送販売分は完売しました。
「もう1回展覧会を観たい!」―リピーターにお得な割引をご利用ください
本展を再度観覧いただく場合に通常の観覧料から2割引になる、「同一展リピート割」(本展使用済観覧券を持参により適用)をぜひご利用ください!
詳細はこちらのページでご確認またはお問合せください。
※各割引制度の併用はできません。
無料音声ガイド
新型コロナウイルス感染症予防のため、本展では音声ガイド貸出は見合わせます。
主な展示作品
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灰釉花文飛雲文浄瓶
市原市指定文化財 猿投窯 荒久遺跡出土
平安時代前期(9世紀)
市原市教育委員会蔵
もとは金属器
浄瓶は肩についた口から水を入れ、頂部の口から直接水を飲むという、仏教で用いられる器物です。もとは金属器で作られましたが、仏教が広まるにつれ金属器のみではまかないきれず、やきもので作られるようになります。
本作は器面に花、雲の文様が刻まれ、灰釉がかけられた珍しい作例です。 -
緑釉透彫花蝶文香炉
猿投窯 平安京西市跡出土
平安時代前期 (9世紀)
京都市考古資料館蔵
中国生まれの器形、見事な透彫りと文様
本器のような形の香炉は、中国陶磁の形を日本陶磁に取り入れたものです。蓋には透彫りと花・蝶の文様が刻まれた、平安の陶器の中でも屈指の技工が凝らされた作品です。
実際に香炉として用いたかは不明ですが、平安貴族の調度品として愛玩されたと考えられます。 -
緑釉手付水注
重要文化財 美濃窯 山王廃寺出土
平安時代中期(10世紀)
群馬県立歴史博物館蔵
仏教祭祀に使用された緑釉陶器
本器は、平安時代の緑釉水注屈指の優品で、把手や注口等バランスの取れた造形と、濃緑の重厚感のある緑釉が見どころです。平安前期に大きく発展した愛知県の猿投窯の技術を受け、岐阜県の美濃窯で焼かれたものです。
本器は複数の椀・皿類とセットになって出土し、寺院の一角で密教祭祀に用いられていました。 -
牡丹文経筒外容器
愛知県指定文化財 猿投窯
平安時代末期 (11世紀末~12世紀前葉)
愛知県陶磁美術館蔵
優美な牡丹を配した経典タイムカプセル
仏教では1052年に「末法の世」に入るとされています。末法の世を迎えた平安時代末期には、遠い未来に経典を伝えようと、各地で経典を埋めた経塚が作られました。
経典は金属製の経筒に収められ、更に本器のような経筒外容器に収められて、地中に埋められます。器面には7つの牡丹の花が軽快かつ力強いタッチで刻まれています。 -
灰釉四耳壺
一宮市指定文化財
瀬戸窯 法圓寺中世墓出土
鎌倉時代初期(12世紀末)
一宮市博物館蔵
中国陶磁を意識した新世代の名窯
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、積極的に中国陶磁の器形が取り入れられ、鎌倉時代以降の重要器形になっていきます。その代表格が四耳壺です。
当初は複数産地で四耳壺が作られますが、鎌倉時代には瀬戸窯がほぼ独占的に生産を担います。本器は、瀬戸窯の四耳壺の最初期の作例です。
第1章 奈良時代からの潮流
第2章 中国陶磁への憧れの中で
第3章 施釉陶器のさまざまな変容
第4章 末法の世の中で
エピローグ 新時代への接点
会期 | 2022年10月29日(土)から2023年1月15日(日)まで |
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会場 | 愛知県陶磁美術館 本館1階 第1・第2展示室 |
開館時間 | 午前9時30分から午後4時30分まで(入館は午後4時まで) ※ただし、10月29日(土)は開会式のため観覧は午前11時から |
休館日 | 毎週月曜日(ただし、12月27日(火)~1月4日(水)休館、 1月9日(月)開館、1月10日(火)休館) |
観覧料 | 一般900円(720円)・高校・大学生700円(560円)・中学生以下無料 ※( )内は20名以上の団体料金 ※上記観覧料で常設展も併せてご観覧いただけます。 ※各種割引制度あり。詳しくは下記をご確認ください |
割引制度 |
さまざまな割引制度がございます。割引一覧はこちらのページの下部にある一覧をご覧ください。 ※各割引制度の併用は不可。 |
主催 | 愛知県陶磁美術館、中日新聞社 |
後援 | 愛知県教育委員会、愛知高速交通株式会社(リニモ) |
文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業 | 本展は文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業です。![]() |
問い合わせ先 | 愛知県陶磁美術館 学芸課 〒489-0965 愛知県瀬戸市南山口町234番地 TEL : 0561-84-7474 FAX : 0561-84-4932 担当:大西 遼・田畑 潤 |
報道機関の皆様へ | 2022年8月18日(木)県政・中部芸術文化・瀬戸市政各記者クラブ発表 プレス・リリース資料(2022年8月18日(木)付)のダウンロードはこちら |