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特別展・企画展・テーマ展

未来へつなぐ陶芸

特別展/日本工芸会陶芸部会50周年記念展

未来へつなぐ陶芸
―伝統工芸のチカラ―

Ceramics of the Past and of the Future:
The Timelessness of Traditional Japanese Craft Arts

2023年4月15日(土)から6月18日(日)まで

毎週月曜日休館(ただし5月1日(月)は開館)

 

こちらからチラシをダウンロードできます。
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展覧会の概要

本展は日本工芸会陶芸部会50周年を記念し、同会で活躍した作家の秀作とともに、その活動の歴史を振り返るものです。歴代の重要無形文化財保持者(人間国宝)作品をはじめ、窯業地ならではの素材と伝統を受け継いだ作家らによる作品、未来を担う若手作家らの作品など、137名の作家による名品139点を展覧いたします。


展覧会のみどころ


◆歴代の人間国宝の名品をはじめ、全国各地の優れた伝統陶芸が一堂に会する展覧会です。


◆本展監修者の唐澤昌宏氏(国立工芸館館長)による講演会を開催します。


◆瀬戸を代表する絵付技法「染付(そめつけ)」が見られる実演イベントもあります!



展示構成および参加作家


第Ⅰ章 「伝統工芸(陶芸)の確立」

日本工芸会の初期の活動を支え、その存在を知らしめるきっかけとなった陶芸家の優品を展示し、伝統陶芸の神髄を紹介します。
(出品作家/金重陶陽、加守田章二、藤本能道、松井康成、三輪休和ほか)


第Ⅱ章 「 伝統工芸(陶芸)のわざと美」

多彩な展開をみせてきた伝統陶芸の技と美の広がりを紹介します。
(出品作家/井上萬二、十三代今泉今右衛門、中島宏、𠮷田美統ほか)


第Ⅲ章 「未来へつなぐ伝統工芸(陶芸)」

伝統的な技術・技法を駆使しつつ現代という時代を意識して作品をつくり上げている 陶芸家の作品を紹介します。
(出品作家/井戸川豊、十四代今泉今右衛門、鈴木徹、前田昭博ほか)


(章ごと50音順、敬称略)

展覧会関連イベント

記念講演会①「日本の伝統陶芸の歴史的展開と未来への展望」

講師:唐澤昌宏氏(国立工芸館館長/本展監修者)
日時:4月15日(土)午後1時30分から午後3時まで
会場:本館地下1階講堂
定員:100名(事前申込不要、当日先着順、聴講無料)

記念講演会②「東海陶芸の伝統を語る〜つくり手の視点から〜」

講師:梅本孝征氏、鈴木徹氏(いずれも本展出品作家)
聞き手:伊藤嘉章(愛知県陶磁美術館総長)
日時:5月14日(日)午後1時30分から(1時間程度)
会場:本館地下1階講堂
定員:100名(事前申込不要、当日先着順、聴講無料)

レクチャー&実演イベント「技をみる〜染付の世界〜」

日時:4月29日(土・祝)午後1時30分から3時30分まで
講師:小枝真人氏(本展出品作家)
会場:本館1階 展示説明室
定員:50名(事前申込不要、参加費無料)

連続講座「もっと知りたい!伝統工芸」

会場:本館地下1階 講堂
時間:各回 午後1時30分から1時間程度
定員:100名(事前申込不要、当日先着順、参加費無料)

①「中国陶磁と伝統工芸」
日時:2023年4月30日(日)
担当:田畑潤(当館学芸員)
②「日本中世陶磁と伝統工芸」
日時:2023年5月7日(日)
担当:小川裕紀(当館主任学芸員)
③「日本近世陶磁と伝統工芸」
日時:2023年6月3日(土)
担当:佐久間真子(当館学芸員)
④「現代陶芸のなかでの伝統工芸」
日時:2023年6月10日(土)
担当:入澤聖明(当館学芸員)

学芸員のギャラリーツアー「伝統工芸のここがすごい!」

日時:2023年4月22日(土)、5月5日(金・祝)、5月27日(土)、6月18日(日)
時間:午後1時30分から1時間程度
会場:本館 第1・第2・第7展示室
定員:定員:50名
参加料:無料(ただし、本展観覧券が必要です。)
※参加受付は、本館1階第1展示室前で行います。

展覧会図録ご案内


図録表紙

価格:2,200円(税込み)


出陳作品の図版・解説等を収録しています。


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本展を再度観覧いただく場合に通常の観覧料から2割引になる、「同一展リピート割」(本展使用済観覧券を持参により適用)をぜひご利用ください!
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※各割引制度の併用はできません。

主な展示作品

志野茶碗
《志野茶碗》
荒川豊蔵
1957年
東京国立近代美術館蔵
腰部の丸い椀形の器形が、荒川豊蔵が生み出す茶碗の特徴をよく表している。荒川は、長石釉(志野釉)の見どころとして、細かなヒビ割れのような梅花皮や、ほのかに赤く発色する緋色などを大切した。この茶碗では、梅花皮に沿って鉄が滲み出ており、模様のような景色をつくり出している。また、施釉の際の指跡も残されており、制作の様子を窺い知ることもできる。第4回日本伝統工芸展出品作。

色絵金銀彩四弁花染付風景文字模様壺"
《色絵金銀彩四弁花染付風景文字模様壺》
富本憲吉(重要無形文化財「色絵磁器」保持者)
1957年
東京国立近代美術館蔵
胴部に染付で四つの丸の中に文字と絵柄が描かれた轆轤成形の磁器の壺。丸の外側には、植物のテイカカズラをもとにした、四弁花模様が連なっている。富本憲吉は本来五弁ある花びらを四弁の十字形に創作し、連続模様として用いた。模様の地を埋める銀泥には白金が混ぜられ、その上から赤絵の具、金彩・銀彩が施されている。初期の模様「竹林月夜」や後期の模様「白雲悠々」と、金銀彩四弁花を絶妙な配置と彩色で形作った優品である。

志野茶碗
《志野茶碗》
鈴木藏(重要無形文化財「志野」保持者)
2019年
個人蔵
口づくりの動きの激しさが、この茶碗を知る上で重要な要素となる。成形は轆轤ではなく、土を板状にしたタタラを貼り合わせている。そして、縦方向の箆削(へらけず)りで抑揚をつけるが、場所によっては段差による凹凸も生まれている。この茶碗では鉄絵の具による絵付け、さらには焼成時による緋色が出ている。成形、絵付け、焼成のそれぞれのプロセスが一体となることで、現時点での鈴木藏の志野茶碗に対する考えが映し出されている。

染付金魚鉢
《染付金魚鉢》
小枝真人
2018年
個人蔵
鉢の見込みに悠々と泳ぐ金魚が目を引く作である。ゆったりとした余白のなかに金魚を描き、豊かな空間と時間を紡ぎ出している。器形は素直な碗形に仕上げられており、見込みが静かな水面を思わせる一方、胴部には水のゆらぎを感じさせる稜線を削り出すことで全体に心地よい動きと緊張感を与えている。染付は多彩な絵付と比較すれば、白い素地に藍のみで描くという簡素な技法であるが、かくも洗練された奥深い世界を見せている。第65回日本伝統工芸展出品作。

緑釉花器
《緑釉花器》
鈴木 徹
2019年
個人蔵
作者は緑釉の流れやすい性質を見極めて、現代の表現として確立している。本作ではその流れ落ちた様相を素直に見せるため、質朴な器形が選択されている。また2種類の緑釉の掛け分けによって表面に現れる無数の流紋は、「焼く」という行為が導き出す魅力を感じさせる。胴部中央には節を設けたことで流れ落ちた緑釉が溜まって帯となり、作品全体の印象を引き締める役割を果たしている。第66回日本伝統工芸展出品作。

Nerikomi Porcelain Sparkle
《Nerikomi Porcelain Sparkle》
室伏英治
2013年
東京国立近代美術館蔵
練込とは、色の違う二つ以上の素地土を交互に重ね合わせたり、練り合わせたりすることで 模様を作る技法。合わせ方や練り方などによって木目や鶉手など複雑な模様ができる。室伏英治は透光性の高い磁土を用いた練込技法を中心に作品を制作しており、本作も一見するとわかりにくいが練込の鉢である。光にかざすと模様が浮かび上がるという不思議な加飾で、螺鈿のように輝いている。
会期 2023年4月15日(土)から6月18日(日)まで
会場 愛知県陶磁美術館 本館 第1・第2・第7展示室
開館時間 午前9時30分から午後4時30分まで(入館は午後4時まで)
※ただし、4月15日(土)は開会式のため本館の観覧は午前11時から
休館日 毎週月曜日(ただし5月1日(月)は開館)
観覧料 一般900円(720円)・高校・大学生700円(560円)・中学生以下無料 
※( )内は20名以上の団体料金
※上記観覧料で常設展も併せてご観覧いただけます。
※各種割引制度あり。詳しくは下記をご確認ください
割引制度 さまざまな割引制度がございます。割引一覧はこちらのページの下部にある一覧をご覧ください。
※各割引制度の併用は不可。
主催 愛知県陶磁美術館、公益社団法人日本工芸会、NHKエンタープライズ中部
後援 愛知県教育委員会、愛知高速交通株式会社(リニモ)
問い合わせ先 愛知県陶磁美術館 学芸課 〒489-0965 愛知県瀬戸市南山口町234番地
TEL : 0561-84-7474 FAX : 0561-84-4932
担当:入澤聖明
報道機関の皆様へ 2023年3月16日(木)県政・中部芸術文化・瀬戸市政各記者クラブ発表
プレス・リリース資料(2023年3月16日(木)付)のダウンロードはこちら