県議会だより 令和7年9月定例議会 パーキング・パーミット制度の開始に向けた準備を進めるためなどの補正予算を可決  令和7年9月定例愛知県議会は、9月22日に開会し、24日間の会期を経て10月15日に閉会しました。その概要をお知らせします。 議員提出議案 デジタル技術の活用による豊かで便利な社会づくり条例を制定  各会派から選任された政策条例策定検討会の構成員が中心となり検討を重ねてきた「デジタル技術の活用による豊かで便利な社会づくり条例について」が、10月7日に提出され、10月15日の本会議において原案のとおり可決されました。  この条例は、デジタル社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって全ての県民の豊かな生活の実現に寄与することを目的としています。 議員提出議案(意見書)  議会の意思を国政に反映させるため、次の4件の意見書が可決され、衆参両院議長及び内閣総理大臣始め関係大臣等に提出されました。 ●いわゆるガソリンの暫定税率の廃止を補う恒久的な地方財源の確保について ●地方財政の充実・強化について ●ゲノム編集技術応用食品の表示に係る更なる検討について ●ウナギのワシントン条約附属書への掲載提案に対する適切な対応について 委員会提出議案 委員会等において、参考人等からの意見聴取をオンラインでも行えるようにするため、議会運営委員会から「愛知県議会委員会条例の一部改正について」が提出され、原案のとおり可決されました。 知事提出議案  知事から、9月22日に「令和7年度愛知県一般会計補正予算(第4号)」など25件の議案(予算:3、条例:5、その他議案:17)並びに令和6年度一般会計・特別会計決算12件、公営企業会計決算5件が提出されました。提出された25件の議案は、本会議の審議、委員会の審査を経て、すべて原案のとおり可決又は同意されました。 代表質問 9月26日、次の2人の議員が県政各般にわたる問題について、それぞれの会派を代表して質問しました。 □自由民主党  今井 隆喜 1 行財政運営 (1)米国関税措置による県内企業への影響と今後の本県の取組(詳細は下記にて) (2)県税収入の見通し (3)今後の財政運営 2 活力と魅力あふれる愛知の実現 (1)愛知万博20周年記念事業 (2)2028年技能五輪国際大会の開催 (3)「あいち観光戦略2024-2026」に基づく観光誘客に向けた取組 3 新しい時代に飛躍する愛知づくり (1)社会資本整備の今後の進め方 (2)リニア開業を見据えた県内各地域の駅周辺まちづくり (3)アジア競技大会・アジアパラ競技大会 4 安全・安心な暮らしの実現 (1)防災庁の地方拠点の設置と本県の防災力の強化 (2)農業水利施設の老朽化対策 (3)治安対策 5 次代を担う人づくり (1)不妊治療に対する支援 (2)子どもの権利が尊重される社会づくりに向けた取組 (3)中学校の少人数学級 主な質問及び答弁内容 米国関税措置による県内企業への影響と今後の本県の取組 質問 日本政府関係者の努力の結果、相互関税等の税率を15%とすることに合意し、自動車等に対する税率が発効している。一方、鉄鋼やアルミ等は、自動車等に関する追加関税等の対象部品を除き、50%の追加関税率が維持されるほか、半導体等は、動向が不透明であり、関税の影響をしっかりと把握する必要がある。 県では、現在、資金繰り支援の拡充に加え、新事業展開や販路拡大支援等を集中的に実施する「緊急対策パッケージ」を進めており、今般の合意を機に、県内中小・中堅企業等に調査をしたと聞いている。 県内企業への影響をどのように認識し、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺う。 答弁 今般の合意では、一定の関税率が残ることから、本県産業全体への影響が今後顕在化していくことが懸念される。 県では8月、県内中小・中堅企業等10,000社を対象に影響調査を実施し、2,216社から回答を得た。回答した約2割の企業が、「マイナスの影響が出ている又は今後出る見込み」とし、県に対して支援を期待する声が多くあった。調査結果を踏まえ、相談対応の拡充、無料専門家派遣の利用促進、SNSを活用した情報発信の強化に新たに取り組むこととし、これまでに「緊急対策パッケージ」に位置付けた事業の着実な実施と併せ、引き続き、総合的かつ迅速な支援に全力で取り組んでいく。 □あいち民主   朝倉 浩一 1 魅力的な地域づくりと更なる愛知の発展 (1)アジア競技大会及びアジアパラ競技大会 (2)地域交通の確保に向けた取組 2 カーボンニュートラルあいちの実現 (1)あいち環境イノベーションプロジェクトの推進 3 持続的な本県産業の振興 (1)中小企業のデジタル化・DXの推進 (2)本県における水田農業 4 安全・安心な地域づくり (1)南海トラフ地震防災対策推進基本計画の見直しへの対応 (2)インターネットを介した犯罪やトラブルから青少年を守る取組 (3)交通事故防止に向けた取組 5 誰もが活躍できる社会の実現 (1)結婚支援の取組 (2)中小企業における働き方改革の推進(詳細は下記にて) (3)聴覚障害者施策 (4)児童生徒の自殺予防 主な質問及び答弁内容 中小企業における働き方改革の推進 質問 日本の総企業数の99.7%を占め、雇用の約7割を支える中小企業は、地域経済の基盤を形成し、経済成長を牽引する原動力となっており、地域経済・社会の維持・再生には、中小企業の更なる発展が不可欠である。 中小企業の事業の継続・発展には、働く場としての魅力を高めていくとともに、生産性向上が欠かせない。有給休暇取得促進や勤務間インターバル制度導入などの働き方改革は、その双方に対して極めて効果的な取組であると考える。しかしながら、中小企業では、人員や資金面の制約もあり、取組を十分に進められない事例も少なくない。 県としてどのように支援し、取り組んでいくのか、知事の所見を伺う。 答弁 働き方改革の推進に中小企業が積極的に取り組めるよう、様々な支援施策を実施している。 具体的には、年次有給休暇の取得率の高い中小企業等を「休み方改革マイスター企業」として認定し、各種の優遇措置を講じている。 また、「勤務間インターバル制度」は、健康維持のほか、生産性を向上させる効果も大きいため、本年1月、本県として「勤務間インターバル宣言」を行うとともに、7月にはフォーラムを開催するなど、制度導入拡大に向け普及啓発を展開している。 さらに、男性従業員による育児休業取得の促進に積極的な中小企業等を支援するなど、今後も中小企業の働き方改革を力強く支援していく。 一般質問 9月29日、30日及び10月1日の3日間にわたり一般質問が行われ、次の22人の議員が県政の課題について質問しました。 □ 中村 貴文(自民) 1 本県の歴史的観光資源を活用した周遊観光 2 尾張北部の幹線道路ネットワーク整備  (1) 国道41号の機能強化に向けた渋滞対策  (2) (仮称)新愛岐大橋の整備  (3) 善師野西北野線の整備 3 県立学校の体育施設整備 □ 村瀬 正臣(自民) 1 訪問介護サービス事業所と高齢者の孤独死の対策 2 医療機関の安定的な運営 □ 長江 正成(民主) 1 瀬戸市で計画される廃棄物処分場 2 子どもたちへのオーバードーズ対策 3 陶磁器産業に訪日客の心をつかむ視点 □ 林 文夫(自民) 1 担い手へ農地を集積・集約するための取組 2 自主防犯活動の推進 3 南海トラフ地震対策 □ 山田 たかお(自民) 1 消防団員の加入促進 2 北浜川水系の河川整備 3 中高一貫教育の現状と課題 □ 藤原 聖(民主) 1 水産業振興 2 「あいちの茶」振興 3 繊維・製網業の資源循環への取組 4 野犬対策 □ 杉浦 友昭(自民) 1 養豚農業の振興 2 DXによる現場支援の推進 □ 神谷 和利(自民) 1 本県花きの需要拡大 2 林業の担い手の確保と育成 3 県立高校における女子生徒への配慮 □ 日比 たけまさ(民主) 1 中小企業の人材確保支援 2 カーボンニュートラル実現に向けた住宅分野の取組 3 県立高校の魅力化 4 投票困難者への投票支援 □ 増田 成美(自民) 1 天白川の地震・津波対策 2 ストーカー対策 3 県営都市公園大高緑地の将来構想の検討 □ 中村 竜彦(自民) 1 東三河の津波対策  (1) 外国人に対する防災の啓発  (2) 県外からの海岸利用者が適切に避難行動をとれるようにするための取り組み 2 自殺対策 □ 阿部 洋祐(民主) 1 定年年齢引き上げに伴う県職員への「孫休暇」制度の導入 2 防災・減災への取り組み  (1) 住宅の耐震化  (2) 家下川の整備 □ 杉江 繁樹(自民) 1 MICEを核とした国際観光都市 2 西知多道路の整備 □ 神戸 健太郎(自民) 1 イノベーションの創出 2 道路の効率的な維持管理 3 農作物における夏季の高温対策 □ 浦野 隼次(自民) 1 あいちトップアスリートアカデミー事業 2 県立高校の再編 3 県立工科高校の魅力化 4 東三河地域の幹線道路整備  (1) 国道151号宮下立体の現状と今後の取組  (2) 国道151号一宮バイパスの現状と今後の取組 □ 大久保 真一(公明) 1 農作物に対する鳥獣被害防止対策とジビエ振興 2 誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に向けた取り組み  (1) 聴覚障がい者の方への交通安全確保  (2) 発達性読み書き障がい(発達性ディスレクシア)を抱える方が自動車運転免許の学科試験を受験する際の合理的配慮の取り組みと、相談窓口の広報  (3) パーキング・パーミット制度 3 有料道路衣浦豊田道路の利便性向上 □ 古林 千恵(減税) 1 アドバンス・ケア・プランニングの理解促進の取組 2 看護師の特定行為研修の受講促進及び研修修了者を増やすための取組 3 地域コミュニティの活性化に対する県の支援 4 自転車の交通事故抑止 □ 島 孝則(民主) 1 工業用水の安定供給の取り組み 2 無電柱化の取り組み 3 モノづくり産業の技能の継承と次代の産業人材の育成 □ 宮島 謙治(自民) 1 知多市における低炭素水素モデルタウン事業 2 高齢者の消費者被害防止の取組 3 障害者への虐待や犯罪等の被害防止 □ 高木 ひろし(民主) 1 旧優生保護法による強制不妊手術被害者等への補償 2 30年目を迎える長良川河口堰の最適運用 3 愛知県立高校のバリアフリー化 4 令和6年度包括外部監査報告 □ 新海 正春(自民) 1 砂川の河川整備 2 高等技術専門校等における産業人材の育成 3 総合教育センターの機能強化 □ 永田 敦史(無所属) 1 共感して選んでもらえる愛知県のふるさと納税 2 子どもの自殺対策 3 高校生への奨学金の貸付け 議案質疑 10月15日、1人の議員が10月7日に提出された議員提出議案について質疑を行いました。 決算特別委員会  一般会計・特別会計決算特別委員会、公営企業会計決算特別委員会が設置され、令和6年度一般会計・特別会計決算12件及び公営企業会計決算5件が付託されました。決算は議会閉会中に継続して審査が行われることとなりました。 〈 〉内数字は委員数、◎は委員長、○は副委員長 □一般会計・特別会計決算特別委員会〈12名〉 ◎富田昭雄(民主) ○新海正春(自民)  直江弘文(自民)  須崎かん(自民)  近藤裕人(自民)  辻 秀樹(自民)  中村貴文(自民)  安井伸治(民主)  小木曽史人(民主)  細井真司(民主)  しまぶくろ朝太郎(減税)  喚田孝博(無所属) □公営企業会計決算特別委員会〈12名〉 ◎坂田憲治(自民) ○鈴木まさと(民主)  水野富夫(自民)  藤原ひろき(自民)  神谷和利(自民)  朝日将貴(自民)  柳沢英希(自民)  伊藤貴治(自民)  朝倉浩一(民主)  江原史朗(民主)  岡 明彦(公明)  柴田高伸(無所属) 委員会  10月3日、6日、7日及び8日に各常任委員会が開催され、それぞれ付託された知事提出議案の審査や一般質問が行われました。 請願  28件の請願が提出され、所管の常任委員会及び議会運営委員会で審査された後、本会議で審議され、次の1件の請願が閉会中に継続して審査が行われることになりました。 ●「愛知県議会議員選挙の選挙区」について。 ※会派は次のとおり略称としました。 (自民)=自由民主党愛知県議員団 (民主)=あいち民主県議団 (公明)=公明党愛知県議員団 (減税)=減税日本愛知県議員団 お知らせ 令和7年12月定例愛知県議会(予定) [会期:12月1日(月)〜18日(木)] ●代表質問:12月3日(水) ●一般質問:12月4日(木)、5日(金) ●委 員 会:12月9日(火)〜12日(金) ホームページ ●本会議等の日程や質問通告、結果概要などの情報を掲載しています。 ●本会議及び委員会の会議録について順次掲載しています。 ●本会議中継や、おおむね過去1年分の録画映像を提供しており、スマートフォン、タブレット端末等からもご覧いただけます。 ぜひ、ご覧ください。 https://www.pref.aichi.jp/site/gikai/ 問い合わせ先:愛知県議会事務局調査課 【電話】(052)954-6742(ダイヤルイン) 〒460-8501 名古屋市中区三の丸三丁目1番2号 令和7(2025)年11月8日発行