農業用ため池における防災対策の推進についての意見書  ため池は、農業用水を確保する設備であり、全国に約15万か所存在するが、江戸時代以前に造られたものなど古いものが多く、老朽化が進行しているほか、管理者の大半を占める農家の減少や高齢化による維持管理能力の低下が課題となっている。 平成30年7月豪雨において、農業用ため池が決壊する事例が全国で相次いだことを契機として、国は、防災重点ため池の新たな選定基準を策定し、国の支援による防災工事等の集中的な推進を目指し、防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法を令和2年に施行した。 本県においては、令和7年度時点で1,891か所の農業用ため池があり、そのうち特別措置法に基づき防災重点農業用ため池として指定した1,012か所を調査したところ、その約7割のため池が、老朽化対策または豪雨・地震対策を行う必要があり、順次対策を進めているものの、予算や技術職員の不足により、計画の進捗に支障をきたしている。 また、ため池の維持管理能力の低下は、豪雨や地震の際に決壊・事故につながるおそれがあることから、平時からの効率的な管理保全の推進に向け、ICT技術を活用した設備の導入が期待されているが、高額な設置費用などが障壁となり、導入が進んでいない。 よって、国におかれては、農業用ため池における防災対策の推進を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 地方自治体が物価高騰などの影響によることなく継続的・安定的に防災工事等を実施できるよう更なる財政措置を講じること 2 ため池管理者による効率的な管理保全を促進するため遠隔監視機器等の設置や運用に係る財政支援を更に拡充すること  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和8年7月2日             殿 愛知県議会議長     島倉 誠 (提 出 先)    衆議院議長        参議院議長    内閣総理大臣       財務大臣    農林水産大臣       国土交通大臣    内閣府特命担当大臣(防災)