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食と緑の基本計画2015 新城設楽地域推進プラン

ページID:0251768 掲載日:2011年7月5日更新 印刷ページ表示
食と緑の基本計画2015 新城設楽地域推進プラン 

 

食と緑の基本計画2015 新城設楽地域推進プラン

1 推進プランの性格

 新城設楽地域推進プランは、「食と緑の基本計画2015」の基本目標の実現に向け、新城設楽地域として、その現状と特徴を踏まえて、重点的に取り組んでいく施策を掲げた基本的な方針です。

2 新城設楽地域の特徴

 新城設楽地域は県総面積の20%を有しており、このうち約90%は森林で占められています。人口は県全体の0.8%で、地域差はあるものの過疎化、高齢化が進んでおり、特に若年層の流出が著しく、生活基盤の整備等が早急の課題となっています。

 当地域の農業は、一戸当たりの平均耕地面積が20a程度ですが、標高50mから1,000mまでの標高差を生かし、稲作を主体として、地域に適合した野菜、花き、茶、果樹などの栽培及び畜産が行われています。
 また、高齢化、過疎化に伴い農業の担い手が減少し、近年は生産者自身の高齢化も著しく進行していることから、一部の集落では農地の管理が不十分となっています。さらに鳥獣被害の拡大も生産意欲を減退させる要因となっています。
 農地を保全し、地域農業を活性化させるためには、引き続き専業的農家の育成と意欲ある農家への農地の利用集積を図る必要があります。また、新規就農者については従来に増してUターン、Iターンを積極的に受け入れていく他に、企業、NPOなど幅広い分野からの参入を地域との調和を図りながら確保していく必要があります。専業的農家等への農地集積が難しい地区では、集落営農組織の育成も行う必要があります。鳥獣被害対策については、個々の農家の取組に加えて、市町村、関係団体と連携して地域ぐるみの取組を進めていくことが重要課題です。
 当地域の林業は、広い森林面積を有し、森林資源も充実しており東三河の上流域にあることから環境保全、防災の上からも重要な地域となっています。
 しかし、依然として国産材の価格が低迷しているため、森林所有者の経営意欲は低く、過疎化に伴って不在村森林所有者が増えていることもあり、森林の適正管理に支障が生じています。
 林業を活性化させ、森林の適正な管理を図るためには、地域の森林組合や林業事業体が核となり、高性能林業機械等を活用した低コスト林業の推進、団地化による施業の集約化などにより林業の採算性を向上させる必要があります。また、広く県民に森林保全に対する理解が一層深まるよう「あいち森と緑づくり事業」を活用した間伐等を進め、適正な森林整備を推進していくことが重要です。

 当地域の水産業は、清流が多いことから淡水魚の養殖に適しており、にじます、あまご等を中心とした内水面養殖漁業が行われています。また、豊川などを始めとする河川では、内水面漁業協同組合が、あゆ、あまご等の放流や清掃活動を行うなどして河川環境の維持に努めています。

 当地域の自然資源である森林、農地、河川は、多面的な機能を有しており、環境や防災の面で安全、安心な暮らしを支えていることを、なお一層県民に理解を深めてもらうことが重要です。このため、生物の多様性にも配慮した農林業生産基盤の整備や間伐の実施、CO2削減への取組等農林水産分野における環境保全対策を、県民との協働連携による取組や関係者、関係団体との協力を通じて幅広く展開し、多面的機能の維持、向上を計画的に推進していく必要があります。

 当地域は標高差が大きい上、自然が豊かであり、茶臼山、湯谷温泉などを始めとする観光資源にも恵まれています。これらの資源を生かした各種体験イベント等を実施することにより、都市部から多くの人に農山村部を訪れてもらい、豊かな自然、歴史、文化等、農山村の魅力にふれてもらえる環境づくりを行うことで農林水産の振興ひいては地域の活性化を図っていくことが重要です。

高性能林業機械

高性能林業機械による伐倒、玉切り、積込、搬出

急ピッチで進む広域農道の橋梁工事

急ピッチで進む広域農道の橋梁工事

3 新城設楽地域における重点的な取組

1 安全で良質な農林水産物の生産と供給の確保

(1) “活かす”あいちの農林水産業

【目標】《「生産者と消費者の思いを伝える農林水産業」のモデル事例の育成  *5モデル以上を育成 》
○生産者組織と消費者団体が共催で開催する交流イベント等を捉えてお互いの思いをつなげるよう支援します。
○花のイベントなどを通じて消費者が求めるニーズに適切に応えるための取組を支援します。
○体験農園ビジネスとして、豊根村の農家によるブルーベリーの摘み取り園や農産物直売所の生産者組織による貸し農園の開設などを支援します。
○道の駅「アグリステーションなぐら」内の地元農家レストラン「お母さんの店」 の人気商品(エゴマだれ五平もち、エゴマ大福、名倉高原米使用カレーなど)に使用するエゴマや米などを始めとした地元農産物の栽培支援を行います。
    また、このような取組がさらに広がるよう女性起業の支援を行っていきます。
○ぶどうのワーキングホリデー、柿のオーナー制度の取組支援により交流活動を推進します。
農産物直売所「アグリステーションなぐら」の「あぐり感謝祭」

農産物直売所「アグリステーションなぐら」の「あぐり感謝祭」

生産者の顔が見える産地直売所

生産者の顔が見える産地直売所

(2) 意欲ある人が伸びる農業の実現

【目標】《基幹経営体の育成    *60経営体育成充実》
○所得や規模に応じた補助事業や制度資金の活用などの総合的な育成指導事業により、多様な経営体の経営改善を支援します。
○雇用労力を積極的に導入した大規模経営に見合った農業技術指導等により企業的経営体を育成します。
○役割分担や目標設定等の経営管理や家族労力に見合った農業技術指導等により家族経営体を育成します。
農家の経営改善指導

農家の経営改善指導

【目標】《産地直売所への出荷農家数の増大     *延べ4,700戸(延べ4,152戸)》
     注:目標の(  )内は、推進プラン策定時の現況値(以下同じ)

○産地直売所の農産物の多様化、周年出荷のため、栽培講習会を開催し、出荷農家の栽培技術の向上支援や出荷回数を増やすよう誘導します。併せて新規出荷者の掘り起こしを行います。
【目標】《耕作放棄地の再生           *農用地区域を中心に62haを再生》
○耕作放棄地解消のための各種助成制度が有効に活用されるよう、市町村等に他の地域の取組事例などを情報提供し、導入の検討を促します。
○企業、農業生産法人、NPO等の参入が地域と調和が図られた取組として拡大するよう支援し、浸透を図ります。
○和牛放牧や菜の花等景観作物の栽培の取組を支援します。
和牛放牧(設楽町)

和牛放牧(設楽町)

(3) 持続可能な林業の実現

【目標】《県産木材の生産量の拡大     61千m3(2009年度)から74千m3へ増加》
○森林組合等の林業事業体による森林施業の集約化、林内路網の整備及び高性能林業機械の活用により効率的な木材生産の取組を支援します。
○森林所有者や森林組合等の林業事業体に働きかけて、造林事業やあいち森と緑づくり事業で伐採された間伐材を搬出し、利用間伐を進めます。
○森林所有者に対して林業経営相談会・現地説明会の開催や営業活動のアプローチ及び施業区域の明確化を支援し、森林情報の整備を進めます。
○川上(林業の現場)と川下(木材産業)とが連携して、住宅メーカー等のニーズに応じた木材の安定供給を行う取組を支援するなど産地~加工~供給の効率的な木材流通システムの構築に取り組みます。
大型トラックによる工場への直送

大型トラックによる工場への直送

県産材利用の机と椅子の導入

県産材利用の机と椅子の導入

【目標】《中核森林組合の育成       *2組合(1組合) 》
○林業の担い手として中心的役割を果たしている森林組合の経営基盤の強化を促進します。
○森林組合振興対策会議等を開催し、経営の強化と効率的な森林施業を実施するための検討を行います。
【目標】《林内路網の整備     *22.9m/ha(22.2m/ha) 》
○林道を始めとして、施工単価が安価な林業専用道の開設を推進・支援します。
○奥地林の森林施業を推進するため、路網の整備を図ります。

(4) 食品の安全・安心の確保

【目標】《農産物環境安全推進マニュアルを始めとしたGAP手法導入組織
                                                                  
   ・法人等数の増大 *7産地(5産地) 》

○農業協同組合と連携して生産組織に対しGAP手法の導入を推進します。また、トマト、ミニトマト栽培での愛知県環境安全推進マニュアル「やらまいシート」の実践と記帳指導を行います。

2 県産農林水産物の適切な消費と利用の促進

(1) 食や農林水産物に対する県民の理解と活動の促進

【目標】《農林漁業体験に取り組む小学校の割合の増加  *86%(71%) 》
○自然に恵まれた地域特性を活かして、自然環境に恵まれて育まれる食と命の大切さをわかりやすく、正確に子供達に伝えていくことが必要です。このため、学校教育、推進地域の農林業者、関係団体及び食育推進ボランティア等と連携して、小学生が農林業体験、食文化の伝承など食と農林業に関わる一連の内容を計画的に学ぶことができる体制整備を推進します。
○農村生活アドバイザー、農村輝きネット会員等の女性農業者が農業体験を子供達に伝えるために活躍できる場づくりや食農教育に参画できるように支援します。
農業への理解促進

農業への理解促進

3 自然災害から守られ、緑と水に恵まれた生活環境の確保

(1) 森林、農地等が有する多面的機能の適切かつ十分な発揮

【目標】《あいち森と緑づくり事業の推進》
○森や緑の多面的機能を発揮させるため、市町村・森林組合等と連携して森林施業の集約化を図り、奥地や公道・河川沿いなど作業性が悪い人工林の間伐を行い、健全な森づくりを進めます。
○一般県民の理解を得るため、各種イベント等を通して「あいち森と緑づくり事業」の普及啓発を行います。
【目標】《県民との協働連携により生物多様性の保全活動の推進 *11組織(10組織) 》

○COP10を契機とした生物多様性に対する県民意識の高まりを活かし、多面的機能を持つ農地等の重要性について広く啓発することにより、ため池や用排水路などの農業用施設等における県民参加型の生物多様性保全などの環境保全活動を支援します。

新城市 四谷千枚田

新城市 四谷千枚田

(2) 災害に強く安全で快適な生活環境の確保と農山漁村の活性化

【目標】《治山施設の整備により山地災害に対する防災機能の向上   *新たに820ha 》
○この地域は、地形が急峻で山地災害が発生しやすい条件下にあり、また、重要な水源地域であることから、災害の防止、水源のかん養や生活環境の保全等の面から治山事業による治山施設の計画的な整備を図ります。
○施設を計画的に整備するため、関係市町村と連携して地元調整を図り、水源地域整備事業や地域防災対策総合治山事業などの、地区指定事業の積極的な導入を図ります。
○現在の地区指定事業6地区に加え、毎年8地区での事業実施を目標とし、その他の事業もあわせて計画的な施設整備により、新たに820haの森林の機能向上を図ります。
○パンフレットやポスター等を市町村に配布し、治山施設の災害防止を果たす役割をPRします。
大規模な山腹崩壊地の復旧治山事業

大規模な山腹崩壊地の復旧治山事業

【目標】《鳥獣被害防止対策の拡充》

○鳥獣被害防止総合対策事業など各種助成制度を活用して市町村、地域が取り組む事業を支援します。
○獣による農作物の被害面積、被害額の削減のために、集落を対象とした研修会の開催、モンキードッグの取組、わなを活用したニホンジカ等の捕獲、サルの接近警戒態勢の整備及び集落環境の整備等を推進します。

先進地の棲み分け柵設置の様子(三重県)

先進地の棲み分け柵設置の様子(三重県)

竹による檻の設置(新城市)

竹による檻の設置(新城市)

【目標】《産地直売所等の交流施設を利用する人数の増大     *2,779千人/年(2,549千人/年) 》

○事務所ページの「しんせつネット」などに、交流体験施設や地域で行われる各種イベント等の紹介を掲載するなどして、情報発信機能の充実を図ります。
○消費者ニーズに応える農産物直売所を目指して、組織のリーダー育成や農産物の栽培講習会を開催します。
○生産者と消費者が中山間地域の地域農産物等の価値を共有できるよう農業体験や交流活動などを通じて、地元産の安全・安心の取組等を、コミュニケーションの促進及び情報発信を充実し、支援します。
○豊かな自然や食文化、伝統文化といった地域資源を都市住民に対して積極的にPRし、森林観光、グリーンツーリズムなど観光産業と結びついた取組を支援します。

(3) 環境への配慮と資源の再生・循環利用を図る取組の強化

【目標】《エコファーマーとして環境保全型農業に取り組む農業者の拡充  *120人(106人) 》

○水稲、トマト農家等へのエコファーマー取得を推進します。推進に当たっては農業協同組合と連携し、生産部会等の合意の基に進めます。
○エコファーマーに認定されている愛知東農協やまびこミニトマト生産部会始め、水稲、茶、トマト、果樹農家には、さらに環境負荷の少ない技術導入を進め、再認定の取組を支援します。

 

4 新城設楽地域推進プランの達成に向けた推進体制

 県地方機関、市町村、農林水産業や商工関係団体、地域消費者団体等を構成員とする「食と緑の基本計画新城設楽地域推進会議」において、重点的な取組の総合的な連絡・調整を進めるとともに、別途策定した「新城設楽農林水産振興指針」を活用して、計画的な推進を図ります。


                            平成23年6月

 

「食と緑の基本計画2015 新城設楽地域推進プラン」の印刷用ファイルはこちらからご覧いただけます。

問合せ

愛知県 新城設楽農林水産事務所
E-mail: shinshiroshitara-nourin@pref.aichi.lg.jp
農政課 企画・食品表示・農地調整・農村対策グループ
電話 0536-62-0545

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