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平成24年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果について

ページID:0063411 掲載日:2013年8月8日更新 印刷ページ表示

平成25年8月8日(木)発表

 愛知県は、国が行った生態系への内分泌かく乱作用による影響に関する試験結果で、魚類に対して内分泌かく乱作用を有することが推察された物質等について、環境中の状況を把握するため、平成10年度から環境調査を行っています。

 平成24年度は、県内河川7地点、海域3地点において、水質9物質、底質1物質、水生生物(魚類)1物質を対象として調査を実施しました。

 その結果は、次のとおりです。

【用語】

内分泌かく乱化学物質:環境省は「動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質」を「内分泌かく乱化学物質」としています。

1 調査の概要

調査対象物質

調査物質

使用用途

調査

地点数

調  査  方  法

4-t-オクチルフェノール

界面活性剤の原料

1

要調査項目等調査マニュアル(平成22年10月) 準拠

ノニルフェノール

界面活性剤の原料

ビスフェノールA

樹脂の原料

外因性内分泌攪乱化学物質調査暫定マニュアル(平成10年10月 環境庁)

フェニトロチオン

農薬(殺虫剤)

10

平成17年度化学物質分析法開発調査報告書

ジウロン

農薬(除草剤)

シアナジン

農薬(除草剤)

ジクロルボス

農薬(殺虫剤)

ダイアジノン

農薬(殺虫剤)

2,4,6-トリブロモフェノール

難燃剤

平成7年度化学物質分析法開発調査報告書

図 調査地点

2 調査結果の概要

(1)水質

・ 4-t-オクチルフェノール、ノニルフェノール及びビスフェノールA

  調査を実施した1地点において、いずれの物質も国が示した「内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度*1」(以下、「内分泌かく乱予測無影響濃度」といいます。)を下回りました。

  4-t-オクチルフェノール及びビスフェノールAは、国が示した「生態リスク初期評価における予測無影響濃度*2」(以下、「生態リスク予測無影響濃度」といいます。)を下回りましたが、ノニルフェノールは、生態リスク予測無影響濃度を上回りました。

・ 2,4,6-トリブロモフェノール

  調査を実施した10地点のすべてにおいて、生態リスク予測無影響濃度を下回りました。なお、この物質については、内分泌かく乱予測無影響濃度は設定されていません。

・ フェニトロチオン、ジクロルボス、ダイアジノン

  調査を実施した10地点のうち、フェニトロチオンは8地点で、ジクロルボスは2地点で、ダイアジノンは3地点で、生態リスク予測無影響濃度を上回りましたが、いずれの物質についても「水質汚濁に係る要監視項目の指針値*3」(以下、「指針値」といいます。)を下回りました。

  なお、この3物質については、内分泌かく乱予測無影響濃度は設定されていません。

・ ジウロン、シアナジン

  調査を実施した10地点すべてにおいて検出されました。なお、この2物質については、内分泌かく乱予測無影響濃度、生態リスク予測無影響濃度及び指針値は、いずれも設定されていません。

(2)底質

・ ノニルフェノールについて、調査を実施した1地点において検出されました。

(3)水生生物(魚類)

・ ノニルフェノールについて、調査を実施した1地点において検出されました。

*1 内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度:

 生態系影響評価のための試験により、メダカの性分化に影響を与えなかった最大濃度に安全係数(1/10)を乗じることにより求めた魚類を中心とする生態系に影響を及ぼす可能性はないと予測される濃度。

*2 生態リスク初期評価における予測無影響濃度:

 水生生物の急性毒性値及び慢性毒性値のそれぞれについて、信頼できる知見のうち生物群ごとに値の最も低いものを整理し、そのうち最も低い値に対して情報量に応じたアセスメント係数を適用することにより求めた濃度。

*3 水質汚濁に係る要監視項目の指針値:

 長期間摂取に伴う健康影響を考慮して算出された値。

平成24年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果のまとめ

水 質

調 査 物 質

調査結果

(μg/ℓ)

調査

地点数

内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度 *1

(μg/ℓ)

生態リスク初期評価における予測無影響濃度 *2

(μg/ℓ)

指針値*3

(μg/ℓ)

全国調査結果

(μg/ℓ)

4-t-オクチルフェノール

<0.01

1

0.992

0.48

<0.01~0.15 *4

ノニルフェノール

0.28

1

0.608

0.21

<0.1~6.4 *4

ビスフェノールA

0.02

1

24.7

または47

11

<0.01~0.92 *4

フェニトロチオン

0.00017~0.0072

10

0.00021

3以下

<0.000011~0.0048 *5

ジウロン

0.0014~0.058

10

<0.0006~0.23 *5

シアナジン

0.0005~0.11

10

<0.0004~0.0025 *5

2,4,6-トリブロモフェノール

<0.00087~0.015

10

1

<0.00087~0.080 *5

ジクロルボス

<0.0003~0.0040

10

0.0013

8以下

<0.0003~0.020 *5

ダイアジノン

<0.001~0.010

10

0.00026

5以下

<0.0010~0.019 *5

底 質

調 査 物 質

調査結果

(μg/kg-dry)

調査

地点数

内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度 *1

(μg/ℓ)

生態リスク初期評価における予測無影響濃度 *2

(μg/ℓ)

指針値*3

(μg/ℓ)

全国調査結果

(μg/ℓ)

ノニルフェノール

260

1

<10~5,000 *4

水生生物(魚類)

調 査 物 質

調査結果

(μg/kg-wet)

調査

地点数

内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度 *1

(μg/ℓ)

生態リスク初期評価における予測無影響濃度 *2

(μg/ℓ)

指針値*3

(μg/ℓ)

全国調査結果

(μg/ℓ)

ノニルフェノール

30~86

1

<15~780 *6

*1 内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度:

 生態系影響評価のための試験により、メダカの性分化に影響を与えなかった最大濃度に安全係数(1/10)を乗じることにより求めた魚類を中心とする生態系に影響を及ぼす可能性はないと予測される濃度。

*2 生態リスク初期評価における予測無影響濃度:

 水生生物の急性毒性値及び慢性毒性値のそれぞれについて、信頼できる知見のうち生物群ごとに値の最も低いものを整理し、そのうち最も低い値に対して情報量に応じたアセスメント係数を適用することにより求めた濃度。

*3 水質汚濁に係る要監視項目の指針値:

 長期間摂取に伴う健康影響を考慮して算出された値。

*4 「平成16 年度内分泌攪乱化学物質における環境実態調査結果(水環境)(環境省水・大気環境局水環境課)」における検出濃度範囲。

*5 平成17 年度から平成21 年度の「化学物質環境実態調査結果(環境省環境保健部環境安全課)」のうち、直近のデータにおける検出濃度範囲。

*6 「平成10 年度環境ホルモン緊急全国一斉調査(環境庁水質保全局水質管理課)」における検出濃度範囲。

3 今後の対応

 国は、平成22年7月に策定された「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について-EXTEND2010-」の中で、化学物質の内分泌かく乱作用に伴う環境リスクを適切に評価し、必要に応じ管理していくことを目標として、評価手法の確立と評価の実施を加速化することをねらいとしています。

 本県においても、国による評価の結果に迅速に対応するために、引き続き適切な環境調査を実施していくとともに、国等からの情報収集、科学的知見の集積に努めます。

※ 調査結果の詳細は別添のとおり。

調査結果の詳細

問合せ

愛知県環境部環境活動推進課
環境リスク対策グループ
担当:塚本、日下
電話:052-954-6212(ダイヤルイン)
E-mail: kankyokatsudo@pref.aichi.lg.jp

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