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婦人科部

婦人科部紹介

 当婦人科では、女性生殖器に発生する悪性腫瘍、主に外陰がん、腟がん、子宮頸がん、子宮体がん(子宮内膜がん、子宮肉腫)、卵巣がん、卵管がん、腹膜がんの診断・治療を行っています。また、現在、治療成績がもっとも良いとされる標準治療以外に、その他の手段となる新たな治療戦略をめざし、臨床研究も行っております。

スタッフ紹介

水野 美香
水野 美香
(みずの みか)
部長

患者さんへのことば

 患者さんに寄り添う医療、質の高い医療の提供を目指しております。より良い医療を行うため、病院スタッフが団結したチーム医療を大切にしております。婦人科がんの治療にあたり、標準治療、及びそれ以外の代替療法や臨床試験も説明いたします。そのうえで、患者さん自身が納得し、治療を受けていただく事をお願いしております。がんは2人に1人が罹患する時代となりました。早期がんは、的確に治療すれ完治する確率が高くなります。しかし、進行がんや再発がんは難治性でもあります。患者さんに、多くの情報提供し、病気を理解・受容していただき、前向きな姿勢で最良の治療に臨めるようにサポートしたいと思っています。
 2015年4月名古屋大学より、当病院へ再度赴任となり、新メンバーによる体制の建て直しを行いました。2016年からは、子宮体がんの腹腔鏡手術も本格的に開始し、現在は、新規取り組み(予防的卵巣卵管切除、子宮頸がんのロボット手術など、*下記 参照)準備中です。婦人科がんの手術療法や化学療法、放射線療法による集学的治療はもちろんの事、新薬の治験も行っております。大学で自身が主導で行っていた子宮頸部異形成(子宮頸がんの前がん状態)の新たな治療(臨床試験)も準備中です。
 子宮頸がんにおいては、早期発見のためにも、地域検診や人間ドッグでのがん検診をお勧めします。自覚症状がある方は、躊躇せず、後回しにせず、まずはお近くのクリニックや婦人科で、診察を受けてください。がんの診断を受け、当院での治療をご希望の方は紹介状をもってお越しください。また、セカンドオピニオン外来(要予約)を行っております。病気や治療につい て、相談されたい方、治療を迷っていらっしゃる方は、お気軽にご相談ください。 (各受診の紹介は下記参照)

資格

【学位・資格など】
医学博士、日本産科婦人科学会(産婦人科専門医・指導医)、日本臨床細胞学会(細胞診専門医・指導医、評議員)、日本婦人科腫瘍学会(専門医・評議員・指導医)、日本がん治療認定機構(がん治療認定医)、母体保護法指定医、難病指定医、臨床研修指導医、小児慢性得的疾病指定医
【その他所属学会】
日本がん学会会員、日本産科婦人科内視鏡学会会員、日本人類遺伝学会会員、日本東洋医学学会員、ポルフィリンALA学会会員

近藤 紳司
近藤 紳司
(こんどう しんじ)
医長

患者さんへのことば

 患者さんの生活を第一に考え、最適な治療を提供できるよう努力しています。 

資格

日本産科婦人科学会専門医

森 正彦
森 正彦
(もり まさひこ)
医長

患者さんへのことば

 十分な説明の上で患者さんの病状に合った最適な治療手段を提案していきたいと思います。特に、腹腔鏡下手術や子宮鏡下手術、ロボット支援下手術など、低侵襲手術に対して前向きに取り組み、最善の治療を提供できるよう努力します。

資格

【専門医など】
日本産科婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医
【所属学会】
日本産科婦人科学会、日本婦人科腫瘍学会、日本産科婦人科内視鏡学会、日本内視鏡外科学会、日本生殖医学会、日本婦人科手術学会、日本臨床細胞学会

宇野 あす香
宇野 あす香
(うの あすか)
医長

患者さんへのことば

 婦人科腫瘍の治療に従事しております。患者さん一人一人と丁寧に誠実に向き合い、不安なく治療を受けていただけるよう努力致します。   

資格

【専門医など】
日本産婦人科学会専門医
【所属学会】
日本産婦人科学会、日本婦人科腫瘍学会、日本産科婦人科内視鏡学会、日本がん治療学会、日本臨床細胞学会

清水 裕介
清水 裕介
(しみず ゆうすけ)
医長

患者さんへのことば

 がんという病気に立ち向かうには様々な思いが巡らされ、時には答えが得られないことがあります。その様な状況の中でもベストな治療の選択肢、新しい可能性のある治療法について提案させていただくため、積極的な臨床研究と学会活動を通じて医療を提供させて頂く努力をいたします。

資格

【専門医など】
日本産科婦人科学会専門医、がん治療認定医
【所属学会】
日本産科婦人科学会、日本婦人科腫瘍学会、日本婦人科手術学会、日本産科婦人科内視鏡学会、日本がん治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本臨床細胞学会

 当科では婦人科腫瘍や手術に興味がある医師の皆様に是非勤務して頂きたく、常勤医やレジデントを募集しております。御興味があるかたは当院へ御連絡ください。

診療内容

 婦人科部では女性性器に発生する悪性腫瘍の診断・治療を行っており、詳細は「がんの知識」の「いろいろながん」を御参照ください。
 当院ではがん患者さんに対するインフォームド・コンセントを、十分に行うよう心掛けています。まず患者さんが御理解頂いてから治療方針を検討するのが基本で、病名を理由に治療を急がせることはなく、個々の患者さんが十分に納得して、最良の選択ができる様努力します。
 手術では合併症を最小にし、治療効果を最大にすることを念頭に行っています。例えば子宮頸がんに対する広汎子宮全摘術では、術後放射線治療を回避するために十分な手術を行い、排尿障害軽減のための骨盤神経温存を標準的に行い、対象となる場合には卵巣も温存しています。また、頸がん手術を希望されない方は、放射線治療を行えるように采配します。
 診療にあたり、看護師や薬剤師など他のスタッフと連携し、また十分な説明機会を設けるなどして、患者さんとの意志の疎通が十分はかれる様努力しています。
 当院は、他院から治療の難しい症例を多数紹介して頂いており、これらも積極的に治療しておりますが、治療成績は別に示すとおりで良好な成績が得られています。

腹腔鏡下手術

 婦人科部では、平成2015年より、腹腔鏡下手術を本格的に開始しました。2016年4月より早期子宮体がんに対する腹腔鏡下子宮悪性手術を行っております。当院の特徴として良性疾患の腹腔鏡下手術件数は非常に少ないですが、早期子宮体がんのため受診された患者さんには、腹腔鏡下手術の選択肢を提示し、適応が合致し、患者さんの希望があれば実施しております。

ロボット支援下腹腔鏡下手術 〜 準備中 〜

 当院では、2015年7月に最新式ロボット(ダビンチXi)が導入されており、泌尿器科部を中心にロボット手術が行われています。婦人科部においても 、本年度より、子宮頸がんの患者さんを対象に、ロボット支援下腹腔鏡下手術を開始する予定です。〜開始次第詳細はホームページ上に掲載します〜

リスク低減手術(予防的卵巣卵管切除)〜 準備中 本年度内に開始予定 〜

 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(hereditary breast and ovarian cancer;HBOC)はBRCA1あるいはBRCA2遺伝子のどちらかに病的変異がある場合に診断されます。親のどちらかが病的変異の遺伝子を持っている場合、その変異が子供に受け継がれる確率は性別に関係なく50%と言われています。HBOCの方は、乳がんと卵巣がん(卵管がん、腹膜がんを含む)の発症のリスクがあります。乳がんにかかる可能性が40〜90%、卵巣がんにかかる可能性が10〜60%と報告されています。BRCA遺伝子変異が見つかった場合でも、実際にがんを発症するかどうかは 発症時期までは予測することはできません。欧米では、@卵巣がんの検診とA予防としてはリスク低減卵巣卵管切除(risk-reducing salpingo-oophorectomy; RRSO)がすでに行われています。卵巣がんのリスクを下げるために、予め、左右両方の卵巣及び卵管を切除する手術です。現時点で本邦でのRRSOは、倫理委員会の承認のもとに行われることが適切です。リスク低減手術によってのみ卵巣がんのリスクや卵巣がんによる死亡率を減らすことが報告されています。
〜 当院でも2016年度中にリスク低減手術(予防的卵巣卵管切除)開始予定です 〜 (詳細は決定次第ホームページ上でお知らせします)
 手術を選択しない場合は、婦人科の医師の相談し、半年に1回の頻度で経腟超音波、腫瘍マーカー(血液検査)を考慮しますが、検査は積極的に推奨されるほどの精度は示されていません。現在はHBOCに関する遺伝カウンセリング、遺伝子検査、検診、予防について保険診療は認められておらず、それらにかかる費用に関しては全額自己負担となります。

外来診療

 外来診療は、診察や検査などにより必要な情報を収集するとともに、患者さんや御家族の御意見や御希望をうかがい、治療方針を相談する非常に重要な場です。当科では主に以下の項目に留意の上でお話しています。

1) IC(インフォームド・コンセント)

 当科ではIC(インフォームド・コンセント)の精神に基づき、当科で治療を受けられる全てのがんの患者さんについて、御本人に「がんの告知」を行っております。告知を行う以上、当科では患者さん御本人や御家族にがんの診断や治療・予後についての多くの情報を御提供し、御相談し納得して頂いた上で治療方針を決めております。このため、患者さんにすぐに御提供できるよう多くの情報を準備し、その中でも患者さん御本人の御希望に沿うような、がんの診断や治療に関するお話しができるよう努力しております。

2) 治療法の選択

 当科では、治療法を選択する際には治療効果と共に副作用や合併症(有害事象)にも十分配慮しております。一般に「がん治療の柱」といえば手術、放射線治療、抗がん剤による化学療法ですが、がんの種類により各治療法の効果には違いがあり、また各治療法や投与する抗がん剤により副作用・合併症(有害事象)にも大きな違いがあります。例えば子宮頚がんを治療する場合には手術か放射線治療を選択することになるのですが、手術では排尿障害や下肢の浮腫(むくみ)、放射線治療では血尿や血便・下痢(放射線性膀胱・直腸障害)と、治療法により生じる合併症に違いがあります。また卵巣がんに対する化学療法は、投与する抗がん剤により吐気・脱毛・末梢神経障害(しびれ)等の副作用が異なります。当科では、患者さん御本人の御希望を伺った上で、その患者さんに最も適した治療法が選択できるよう努力しております。

3) 相談・セカンドオピニオンでの受診について

 当科では相談のみ(セカンドオピニオン)の受診について応対しております。よく受診されるのは、他の病院でがんの診断を受けられた治療前、再発がんの治療、診断や説明に納得がいかない場合、治療方針について不安がある場合、等です。がんの診断についてはがん専門医として意見をお話しさせて頂きますし、治療についてはがんの種類や進行度によって病院により治療方針が異なる場合もありますので、当科での治療に関する考え方から方針までお話しさせて頂きます。
 相談受診される場合には、病院間での連携システムを介してご予約ください。診断された病院の紹介状や画像写真・病理標本等をお持ちいただきたいと思います。受診される時間をできるだけ有意義にするためには、可能な限り多くの情報を持参していただくことをお勧めします。予約なしの受診や資料がない状況での受診でも、診察はいたしますが、待ち時間が長くなること、曖昧な内容になる可能性がありますので、ご了承ください。  

診療実績

 2015年度の子宮頸がん(上皮内腫瘍)・子宮体がん・卵巣がんの初回治療症例数は各々115例・60例・33例で、これ以外に外陰がんや腟がん3例を治療しました。また手術施行数は子宮頚部円錐切除術が68例、広汎子宮全摘術が36例、準広汎子宮全摘術が65例、卵巣がん根治手術が33例でした。他にも良性〜境界悪性卵巣腫瘍に対する附属器摘出術3例、初期の子宮がんや子宮肉腫に対する腹式子宮全摘術9例、子宮頸部上皮内腫瘍に対する腹腔鏡下子宮全摘術5例、外陰がんに対する外陰腫瘍切除1例、腹腔内再発に対する再発腫瘍切除を7例、進行癌、再発腫瘍に対する骨盤内蔵全摘術を3例施行しています。この様に当院には国内有数の症例数があり、東海地方の婦人科悪性腫瘍の中核病院となっています。

研究・学会活動

 当科では東海地方の婦人科がん治療の中核として、患者さんにより効果のある、より副作用や合併症の少ない、よりQOL(生活の質)を維持した、そしてより患者さんの御希望にあった治療を考え、御提供できるよう努力しております。研究はより早く、より正確な情報を患者さんに御提供する上で重要な資料になるので、当科でもできる限りの努力をしております。
 当科では医師数の関係で実施可能な研究は臨床研究がほとんどで、いわゆる実験による研究や、遺伝子治療や免疫治療等の療等の新規治療については、残念ながら行えておりません。
 2015年度の当婦人科からの学会報告を6件、論文報告5件を行いました。

治験・臨床試験

 当科では日本産科婦人科学会や日本がん治療学会、日本婦人科腫瘍学会などの学会の他、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)や婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構(JGOG)などの主催する臨床試験や新規薬剤の治験にも積極的に参加しているため、治療を受けられる患者さんに臨床試験への御参加や、研究へ血液やがん組織他の検体の御提供を御願いする場合があります。
 臨床試験は新しいより効果のある治療法を開発する目的で行われ、手術や抗がん剤、放射線治療について数多く行われています。また研究のために血液やがん組織の御提供をお願いする場合には、がんの原因究明や新たな検査法や治療法の開発に、貴重な資料として使わせて頂いております。これらの臨床試験や検体を使った研究は、がん治療の進歩には必要不可欠であることから、患者さんには御迷惑をおかけしますが御協力をお願いしております。
 新薬の試験については、現在、免疫療法(抗PD1−抗体)は再発子宮頸がん、再発体がん、再発卵巣がん患者さんで進行中ですが、新規エントリーは終了しました。再発・進行外陰癌(扁平上皮癌)は受け付けております。進行漿液性卵巣がんの初回治療においても標準治療に加えた新薬の治験を進行しております。(詳細はトップページ "現在実施中の治験"を参照ください)
 このような臨床試験や治験に関しては、任意ですので、自由意志の下で是非ご協力ください。

 

平成28年10月改訂

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