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県議会知事提案説明

令和5年6月定例県議会 知事提案説明要旨


 このたびの定例県議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ち、まず、6月2日の大雨による災害への対応について申し上げます。
 この大雨では、県東部において2度にわたり線状降水帯が発生し、降り始めである6月1日午後10時から3日午前5時にかけまして、田原市で460ミリ、豊橋市で426ミリ等の猛烈な雨が観測され、平成12年の東海豪雨や平成20年8月末豪雨に匹敵する記録的な大雨となりました。
 また、豊橋市、豊川市において、直ちに命を守る行動が求められる「緊急安全確保」が発令されたほか、三河地域を中心に広い地域で避難情報が出され、死者1名、軽傷者2名の人的被害、東三河地域を中心に全壊を含む1,000棟を超える住家被害が発生いたしました。
 被災された方々に対し、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 本県では、豊橋市、岡崎市、豊川市の災害対策本部に職員を派遣し、迅速な被害状況の把握と災害対応への支援を行うとともに、大雨後の6月3日の朝には、被災地の状況を把握するため、防災ヘリコプターによる偵察を行い、上空からの映像を県と豊橋市・豊川市で共有し、災害応急対策に活用いたしました。
 農林水産関連でも大きな被害が発生しており、被害市町村数は、被害の大きかった東三河地域をはじめ19市町村となっております。
 今後は、一刻も早い被災された県民の皆様の生活再建に向けた支援や、農業者に寄り添った支援を行うなど、被災地域の復旧・復興が進むよう市町村や関係機関・団体と一体となって、全力を挙げて取り組んでまいります。
 また、公共土木施設については、2河川で破堤、17河川で越水、49か所で道路損壊、37か所で土砂崩れが確認されるなど、大きな被害が発生していることから、被害状況をしっかり把握し、本復旧に向けて災害復旧関係事業の国庫補助制度を活用するなど、被災した地域の早期復旧に全力を尽くしてまいります。
 6月からは出水期に入っており、今後、本格的な台風シーズンを迎えますので、引き続き、緊張感を持って対応してまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。
 本県では、5月8日からの5類感染症への移行後も、県内195か所の定点医療機関における把握を行っており、先週木曜日15日の発表時では、定点あたりの報告数、入院患者数とも増加傾向であり、4月上旬に比べて新規陽性者数は4倍を超える状況となっております。引き続き、日々の入院患者の状況を注視しながら、しっかりと医療提供体制は確保し、感染拡大への警戒を行うとともに、県民の皆様に適切な行動をとっていただけるよう、適時適切な情報提供を行ってまいります。
 今後もオール愛知一丸となって、安心な日常生活を取り戻し、社会経済活動を回していくことができるよう、しっかりと取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
 次に、小田凱人選手の全仏オープン優勝、愛知県スポーツ顕彰について申し上げます。
 6月10日に、フランス・パリのローラン・ギャロスで、全仏オープンテニスの車いす部門の男子シングルス決勝戦が行われ、一宮市出身の小田凱人選手が史上最年少で四大大会を制覇されました。
 愛知県民の皆様とともに、心からお祝いを申し上げます。
 大変重い病気を克服し、厳しい練習を重ねての車いすテニスの世界一、小田選手の四大大会にかける思いと、これまでの練習の成果が大きな夢の実現につながったものと思います。
 本県ゆかりの選手が活躍されることは、県民にとっての誇りとなるとともに、障害に対する理解を深めることにもつながります。今後とも、世界の大舞台で活躍されることを期待いたしております。
 また、この3月に開催された「2023ワールド・ベースボール・クラシック」で、チーム最年少の日本代表として、優勝に貢献した中日ドラゴンズの髙橋宏斗選手と、同じく3月の「ISU世界フィギュアスケート選手権大会2023」において、ペア種目で日本勢初の金メダルを獲得した木原龍一選手に対して、6月16日に愛知県スポーツ顕彰を授与いたしました。両選手の活躍を愛知県民として誇りに思います。
 髙橋選手には、バンテリンドームナゴヤのドラゴンズファンの前で、直接授与いたしました。引き続き、プロ野球のペナントレースや国際大会で大いに活躍されることを期待しております。
 今後も、本県ゆかりのアスリートが、世界の檜舞台などで大いに活躍されるよう、しっかりと支援してまいります。

 それでは、県政を取り巻く最近の状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
 はじめに、最近の経済情勢と本県の財政運営、経済・産業の活性化についてです。
 我が国の経済は、緩やかに回復しており、また、先行きにつきましても、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されます。
 しかしながら、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
 こうした中で、本県の財政運営について申し上げます。
 2022年度の一般会計の決算は、2021年度に引き続き、実質収支を確保できる見込みとなりましたが、本年度の当初予算では、医療・介護などの扶助費が大きく増加することなどから、1,424億円もの基金の取崩しを計上して対応したところです。
 こうした厳しい状況の中、今後の財政運営を考えますと、基金残高の回復に努めていくことが必要でありますので、本年度内の財源確保に努めるとともに、「あいち行革プラン2020後半期の取組」に沿って、不断の行財政改革に取り組んでまいります。
 こうした取組に加え、経済・産業の活性化を進めることにより、地域の雇用を維持・拡大し、税収の確保につなげることも重要です。
 このため、2012年度に創設した「産業空洞化対策減税基金」による補助制度により、これまでに企業立地・再投資の分野で、452件の補助対象案件を採択し、総投資額7,395億円、6万6千人を超える雇用維持・創出効果が見込まれるという、大きな成果を上げてまいりました。
 また、研究開発や実証実験の支援についても、6月5日に本年度の採択案件を決定し、73件に対し、7億6千万円の補助金を交付することといたしました。
 今後も、次世代自動車、航空宇宙、環境・新エネルギー、健康長寿、IT・ロボットなど、今後成長が見込まれる分野で高付加価値のモノづくりの維持・拡大を図り、世界の一歩先を行く「産業首都あいち」、さらには「国際イノベーション都市」の実現を目指してまいります。
 次に、愛知県植樹祭についてです。
 本年6月1日に市制施行80周年を迎えられました豊川市において、5月20日に、令和5年度愛知県植樹祭を開催いたしました。
 今回の植樹祭のテーマ「その種は いずれ未来の 子どもへと」には、緑を増やし、守り育て、未来につないでいくことは、今を生きる私たちの責務であるとの思いが込められております。
 天皇皇后両陛下の御臨席を賜りまして第70回全国植樹祭を開催してから4年を迎えました。「木材の利用」を通じて健全で活力ある「森林づくり」と「都市づくり」を進めていくという開催理念をしっかりと未来につないでまいります。
 あわせて、「木材の利用」につきましては、昨年4月1日に施行した「愛知県木材利用促進条例」に基づき、木材利用の促進に向けた取組を総合的かつ計画的に推進してまいります。
 木材の生産地であり、消費地でもある本県としましては、林業・木材産業の振興、森林整備の推進、木材の利用の促進など、生産・消費の両面から、一層力を注いでまいります。
 次に、防災対策の推進についてです。
 近年、全国各地で台風や豪雨、地震などによる災害が多数発生しており、災害による被害を軽減するためには、日頃から防災意識を持ち、自然災害に対する備えを心がけることは大変重要であります。
 このため、5月21日に愛西市の木曽川右岸河川敷において、国、県等の主催による「木曽三川連合総合水防演習」を実施し、国土交通省、関係市町村、関係団体等合わせて約1,400人の参加があり、消防団・水防団による水防工法の実演やドローンを用いた情報収集等の訓練を実施しました。
 また、5月27日には、春日井市内に整備を進めてきた地蔵川排水機場が完成しました。地蔵川の水位が急激に上昇した際に、八田川を経由して庄内川へ放流することで、豪雨時の浸水被害を軽減することができるようになり、供用開始翌日の6月2日の大雨の際に、この排水機場が早速稼動したところであります。
 さらに、5月30日には防災関係機関が一堂に会する愛知県防災会議を開催し、本年3月に愛西市において供用開始した木曽三川下流域を始めとする「ゼロメートル地帯広域防災活動拠点」の役割などの明確化や、国が緊急地震速報の発表基準に長周期地震動階級を追加したことを踏まえた地域防災計画の修正案を審議・決定いたしました。
 今後とも、県民の防災意識の向上、治水対策の充実を図るとともに、地域防災計画に沿った防災対策に、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
 次に、STATION Aiプロジェクトの推進についてです。
 5月24日、STATION Ai株式会社による「PRE-STATION Ai」運営1周年を記念した、PRE-STATION Aiメンバーの交流イベント「All Member Startups Meetup」を開催いたしました。
 本イベントでは、PRE-STATION Aiメンバー間の交流を図るとともに、「STATION Aiアワード表彰」を行い、昨年度活躍した企業7社の表彰を行いました。私からは、メンバー間のコミュニティ形成に貢献された株式会社ジースヌーズ、愛知県の革新事業創造戦略・革新プロジェクト第1号に採択された株式会社プロドローンに、記念品を贈呈いたしました。
 2020年1月のオープン当初、9社のスタートアップから始まった「PRE-STATION Ai」も、現在は176社まで拡大いたしております。
 来年10月のSTATION Aiの開業に向け、今後も引き続き、スタートアップの創出・育成・展開・誘致とともに、本県モノづくり企業の最先端技術とスタートアップとのオープンイノベーションにより、革新的サービスや新しい市場を生み出す愛知独自のスタートアップ・エコシステムの形成を図ってまいります。
 次に、「空と道がつながる愛知モデル2030」についてです。
 昨年12月に策定した「革新事業創造戦略」の枠組みによる、第1号の官民連携プロジェクトとして、あいちモビリティイノベーションプロジェクト「空と道がつながる愛知モデル2030」を立ち上げ、5月25日には、キックオフとして、連携協定締結式とプロジェクトチームの第1回会合を開催いたしました。
 本プロジェクトは、50キログラムの荷物を50キロメートル先まで運ぶ「空飛ぶ軽トラ」プロジェクトをはじめ「空」モビリティの社会実装の早期化や、自動運転車両との同時制御の運行など、人やモノの移動に境界がなくなる愛知発の新しいモビリティ社会の構築を目指すものであります。
 これにより、将来、新しいモビリティが社会で広く活用され、新たな基幹産業として成長していくことを大いに期待しております。
 次に、中部国際空港の第二滑走路の整備についてです。
 現在、「中部国際空港の将来構想」の第一段階として、現空港用地内において、4年後の2027年度を目途に第二滑走路を整備するための環境影響評価手続が行われております。
 こうした中、5月31日には、「中部国際空港第二滑走路建設促進期成同盟会」の活動として、国土交通省始め関係方面に対し、第二滑走路建設に向けた今後の協力・支援や、空港の受入れ体制の確保、カーボンニュートラルへの対応などについて、要請を行いました。
 今後とも、国・空港会社と緊密に連携し、中部国際空港の需要回復、機能強化、第二滑走路整備にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、リニア中央新幹線の建設促進についてです。
 現在、県内では、リニア名古屋駅の新設工事が進められているほか、約25キロメートルにわたるトンネル全線で工事着手されるとともに、5か所の非常口工事のうち、名城、神領、坂下の3か所が竣工しているなど、着実に建設が進められております。
 5月31日には東京において、私が会長を務める「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」の総会を開催し、早期全線整備の実現に向けた決議を行い、国土交通省始め関係方面へ要請活動を実施いたしました。また、同日、自由民主党「超電導リニア鉄道に関する特別委員会」に出席し、沿線自治体の知事とともに、1日も早い開業への切なる思いを伝えました。
 日本を大きく成長させる原動力となる国家的プロジェクトであるリニア中央新幹線の早期実現に向けて、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
 次に、藤井聡太さんの史上最年少名人獲得及び七冠達成についてであります。
 6月1日、瀬戸市出身の藤井聡太さんが、史上最年少で、将棋界で最も歴史ある「名人」を獲得され、20歳という若さで七冠という偉業を達成されました。心より敬意を表します。
 ここまで、苦しく難しい対局もたくさんあったことと思いますが、プレッシャーに打ち勝ち、数々の勝負を乗り越え、記録を達成されたその姿は、愛知のみならず日本中の皆様に勇気を与えてくださるものです。
 私からはお祝いのメッセージとお花を贈らせていただきました。この記録達成を県民の皆様とお祝いするとともに、今後も、将棋界を代表するスターとして、一層ご活躍されることを期待いたします。
 次に、少子化対策についてです。
 我が国の昨年の出生数は、1899年の人口動態調査開始以来、初めて80万人を下回ることとなり、我が国の少子化の現状は大変厳しい状況にあります。
 本県においても出生数は減少を続け、昨年は5万1,151人と、1970年代の半分以下となっております。さらに、合計特殊出生率は、全国平均を上回り、大都市圏としては高い水準にあるものの、近年は低下傾向にあり、昨年は1.35となっております。
 少子化対策は、国、地方を挙げて取り組まなければならない最重要課題であり、私自身、4月19日には、小倉少子化対策担当大臣に対し、こども政策の充実に向けた要請を行いました。
 国においては、6月16日に公表された「骨太の方針」に、少子化対策・こども政策の抜本強化として、児童手当の拡充などの具体的施策が盛り込まれたところであります。本県においては6月1日に、国に先行する形で、男性の育児休業取得を促進する中小企業等への支援をはじめ、低所得世帯への子育て支援、さまざまな問題を抱える妊産婦への支援、結婚を希望する男女の出会いサポートを盛り込んだ、本県独自の「少子化対策パッケージ」をとりまとめ、発表いたしました。
 少子化に歯止めがかけられるよう、引き続き、国と連携・協力して、子育て支援等の対策に全力で取り組んでまいります。
 次に、特別支援学校の整備についてです。
 特別支援学校については、知事就任以来、過大化による教室不足と長時間通学が大きな課題であると考え、2014年度のいなざわ特別支援学校の開校を皮切りに鋭意整備を進めてまいりました。
 しかしながら、知的障害の児童生徒を対象とする三好特別支援学校について、隣接地域の大府もちのき特別支援学校や瀬戸つばき特別支援学校の新設により、一旦は教室不足の緩和が図られましたが、児童生徒数は依然として増加し、教室不足が顕在化しております。
 また、肢体不自由の港特別支援学校へ通学している、名古屋市緑区、名東区、天白区、豊明市、日進市、東郷町の児童生徒については、スクールバスの平均運行時間が60分を超えており、長時間通学が課題となっております。
 こうした状況に対して、豊田市から南山国際高等学校・中学校跡地を候補地とした知的障害特別支援学校の新設について、また名古屋市からは天白学校体育センターを候補地とした肢体不自由特別支援学校の新設について、それぞれ強い要望がありました。
 この度、両市との調整が整ったことから、西三河北部地区及び名古屋東部地区の特別支援学校について、2027年4月の開校に向けてそれぞれ整備に着手することといたしました。
 今後も、障害のある子供達の教育環境の充実を図り、自宅から遠い学校で学んでいる子供達が身近な通いやすい学校で学ぶことができ、地域とのつながりの中で特別支援教育を展開できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 次に、愛・地球博記念公園におけるジブリパークと関連した施設の整備についてです。
 本年度中に、ジブリパークの「もののけの里」と「魔女の谷」の2エリアが順次開園する予定であり、これに合わせ、ジブリパークとは別に、県の公園施設として「猫の城遊具」、「魔女の谷のみえる展望台」の整備を進めております。
 「猫の城遊具」は、映画「猫の恩返し」に登場する猫王の城をモチーフにした、滑り台、迷路及びターザンロープなどで構成される遊具です。日時指定の予約制となっているジブリパークのチケットを持っていなくても、小学生以下の子供たちが楽しめるよう、現在整備中の「もののけの里」の入口に近い芝生広場に設置し、夏休み期間中の8月4日に供用開始する予定です。
 また、「魔女の谷」の北側にある山の斜面には、「魔女の谷」のオープンに合わせ、収容人数が25人で地上から約20メートル高い場所に設置する「魔女の谷のみえる展望台」や、バリアフリー経路としての昇降設備の整備を進めております。
 より多くの皆様に愛・地球博記念公園におけるジブリパークと関連した施設を楽しんでいただけるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
 次に、矢作川・豊川カーボンニュートラルプロジェクトについてです。
 本県では、2021年度から矢作川流域をモデルケースとして、「水循環」をキーワードに官民連携で総合的かつ分野横断的にカーボンニュートラルの実現を目指す、「矢作川カーボンニュートラルプロジェクト」を進めております。
 2022年8月には「矢作川CN推進協議会」を設立し、私も会長として、流域の自治体を代表する豊田市長、国の地方機関、経済団体の代表者及び有識者の方々とともに議論を進めてまいりました。
 その結果、本年3月に開催した協議会では、水力の更なる活用や汚水処理施設における使用電力量の削減などの施策で具体化が進んだことを確認いたしました。
 こうした成果を基に、本年度から、本プロジェクトの対象地域を、豊川流域を含む三河全域に広げ、「矢作川・豊川カーボンニュートラルプロジェクト」として展開することといたします。
 新たに展開する東三河地域は、水の大動脈である豊川用水の施設や建設中の設楽ダムなど水循環に関連する施設が多くあり、また、充実した森林資源を有しております。これらを踏まえ、施策展開に関するポテンシャルの調査などを進めてまいります。
 また、検討の熟度が高まったものから順次事業化していくとともに、プロジェクトの成果を愛知から全国に発信してまいります。
 次に、安全・安心なまちづくりの推進についてです。
 2021年3月に策定いたしました、「あいち地域安全戦略2023」に基づく取組を推進するため、6月6日、県、県警察、行政機関、事業者団体及び地域団体で構成する「愛知県安全なまちづくり推進協議会」において、2023年度版のあいち地域安全県民行動計画を策定いたしました。
 この行動計画では、防犯意識の醸成と地域防犯力の向上、犯罪の起きにくい社会づくり、県民の安全・安心を脅かす犯罪への対策を推進することとしております。
 本県の刑法犯認知件数はピーク時の約2割を切るところまで減少しておりますが、引き続き、この行動計画に沿って、地域全体で安全・安心なまちづくりを推進してまいります。
 次に、「休み方改革」プロジェクトについてです。
 本県では、ワーク・ライフ・バランスの充実と生産性向上による地域経済の活性化を目指して、「愛知県『休み方改革』プロジェクト」を実施しているところです。
 この取組の一環として、本日から、テレビCMや新聞広告を通じて、「休み方改革」の趣旨を周知・啓発し、広く賛同企業・団体を募ってまいります。
 「休み方改革」を推進するためには、子どもだけでなく、保護者が休みやすい環境をつくっていくことも重要ですが、実際には、職種や勤務形態、企業規模等によって、保護者が休みづらい現実があります。
 そこで、今回のテレビCMでは、こうした課題を解決するための社会変革に取り組むことを、私自らが訴えております。
 今後とも、「休み方改革」の仲間づくりを強力に進めるとともに、この愛知発の取組を全国へと広げてまいります。
 次に、アジア競技大会・アジアパラ競技大会の推進についてです。
 6月15日に、私が会長を務める愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会の理事会を開催し、組織委員会が提案する競技の選定や、仮決定していた競技会場の変更などについて決議いたしました。
 組織委員会が提案する競技については、競技団体から提案を募集したところ、8競技団体から応募があり、外部有識者等で構成する評価委員会で評価をいただき、野球・ソフトボールと空手が選定されましたので、この2競技をアジア・オリンピック評議会(OCA)に提案することといたしました。
 競技会場につきましては、水泳競技のうち競泳/飛込をレインボープールで実施することについて、OCAと幾度も協議・調整を重ねてまいりましたが、プールサイドの幅が狭いことや諸室の不足などが指摘され、この要件を整えるには仮設で約174億円もの費用がかかり、現実的ではありません。
 そして、5月末にレインボープールは会場に適さないというOCAとしての最終的な判断を受け、6月7日に私と、会長代行の河村名古屋市長が東京都の小池都知事に協力を要請した上で、仮決定会場を東京アクアティクスセンターへ変更いたしました。
 あわせて、水球につきましては、ウォームアッププールが狭く、水深も浅すぎることなどから、春日井市温水プールからレインボープールに変更いたしました。
 また、馬術競技につきましても、馬の防疫対策や国際規格に適する施設整備費などの課題を踏まえ、愛知県森林公園からJRA馬事公苑へ変更いたしました。
 このほか、選手村に関するOCAとの調整について、先週、OCAが来訪し、選手村として利用するホテル等の視察をしていただきました。
 愛知・名古屋でのアジア競技大会、アジアパラ競技大会は、華美・過大なスポーツ大会とするのではなく、会場の仮設整備費等に多額の費用をかけず、既存施設を有効活用することで、経費の抑制を図ってまいります。
 引き続き、組織委員会の会長として、名古屋市とも緊密に連携し、また、県外を含む関係自治体等とも連携してしっかりと準備を進め、オールジャパンで大会を盛り上げてまいりたいと考えております。
 次に、交通安全対策の推進についてです。
 本県の交通事故情勢は、今年2月から交通死亡事故が多発するなど、前年比で増加傾向が続き、ワースト1位は脱しているものの、大変厳しい状況が続いております。
 こうした状況を踏まえ、6月15日に、県、県警察、国及び関係団体の代表者による「愛知県交通安全対策会議」を開催し、本年度の交通安全対策における具体的な施策を盛り込んだ「2023年度愛知県交通安全実施計画」を策定いたしました。
 交通事故の減少に向け、来月11日から始まる「夏の交通安全県民運動」においては、「こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全確保と保護意識の醸成」、「運転者の安全運転意識の向上及び飲酒運転等の根絶」、「自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底」の3つを運動重点に掲げ、県警察や市町村、関係諸団体と連携した交通安全運動を展開してまいります。
 今後とも、県民総ぐるみの交通安全対策をより一層推進し、交通事故及び交通事故死者数の減少に全力で取り組んでまいります。

 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げます。
 まず、補正予算についてです。
 補正予算の総額は、22億4,216万円でございまして、会計別では、一般会計で21億7,284万余円、企業会計で6,931万余円を増額補正するものであります。
 補正予算の主な内容ですが、まず、本県独自の「少子化対策パッケージ」として、男性従業員が通算14日以上の育児休業を取得した県内中小企業を対象に奨励金を支給し、男性の育児休業取得を促進する中小企業等を支援してまいります。
 また、低所得世帯への子育て支援として、国の給付事業に加えて、県独自に1歳6か月児健診及び3歳児健診時にそれぞれ5万円を給付し、出産後の子育て期にかかる経済的支援を拡充してまいります。
 さらに、さまざまな問題を抱える妊産婦を支援するため、SNSを活用した相談支援や各種シングルマザー支援制度などを紹介する普及啓発冊子の配布、里親制度の啓発などを実施してまいります。
 加えて、ICT等の先進技術を活用したスマートシティのモデルとなる市町村の取組を追加公募し支援いたします。
 このほか、あいち航空ミュージアムへデジタル展示を導入するなど、DXの取組を加速させてまいります。
 愛知県基幹的広域防災拠点については、物価高騰等に伴う入札不調に対応するため、PFI事業に係る債務負担行為を増額した上で整備を進めてまいります。
 また、本年11月3日から4日にかけて名古屋市内で開催される予定の「第24回日中韓三カ国環境大臣会合」の成功に向けて、歓迎レセプションの開催など、名古屋市と連携して開催を支援してまいります。
 さらに、「空と道がつながる愛知モデル2030」の社会実装に向けた取組を実施し、あいちモビリティイノベーションプロジェクトを推進してまいります。
 加えて、矢作川流域に加え、豊川流域を含めた三河全域で「矢作川・豊川カーボンニュートラルプロジェクト」を進めるため、概略検討調査に着手いたします。
 ラーケーションの導入に向けては、小中学校、高等学校及び特別支援学校において増加する事務に対応するため、校務支援員を配置するなど、実施体制を整備いたします。
 また、名古屋東部地区及び西三河北部地区において、特別支援学校の新設に向けた基本設計を実施してまいります。
 さらに、豊橋浄水場については、東三河地域の安定的な水道用水供給を実現するため、PFI手法を活用し、老朽化した施設の再整備を推進してまいります。
 再整備事業を進めるにあたっては、アドバイザリー契約を締結し、PFI事業者の選定手続きを進めてまいります。
 次に、補正予算案以外の議案についてです。
 今回提案をいたしております案件は、条例関係議案が8件、その他の議案が9件であります。
 主な案件につきまして、ご説明申し上げます。
 まず、愛知県県税条例及び愛知県産業廃棄物税条例の一部改正については、地方税法の一部改正に伴い、自動車税環境性能割について、税率区分の見直しを段階的に行うものなどです。
 次に、愛知県都市公園条例の一部改正についてです。
 これは、愛・地球博記念公園内で整備を進めております「猫の城遊具」について、その使用料の額を定めるものです。
 また、工事請負契約の締結については、愛知県豊田加茂総合庁舎建設工事に係るものなどです。
 最後に、人事案件でございますが、公安委員会の委員及び人事委員会の委員の任期満了に伴いまして、その後任者をそれぞれ選任するとともに、愛知海区漁業調整委員会の委員の欠員について新たに委員を選任するものです。
 以上、提案をいたしております案件の主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げましたが、詳細につきましては、議事の進行に伴いましてご説明を申し上げたいと存じます。
 どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますよう、お願いを申し上げます。