愛知県衛生研究所

食品におけるアレルギー表示について

2012年4月3日

近年、乳幼児から成人まで食物アレルギーの症状を起こす人が増えています。食物アレルギーの発症を防ぐため、原因となるアレルギー物質を含まない食品を選択できるよう「食品へのアレルギー物質表示制度」が平成13(2001)年に定められました。

食物アレルギーとは

食物アレルギーとは、食物を摂取した際、身体が食物に含まれるたんぱく質を異物と認識して、身体を防御するために起こる過敏な反応です。かゆみ・じんま疹・湿疹等の皮膚症状、下痢・嘔吐・腹痛等の消化器症状、鼻・眼粘膜症状、咳・喘鳴等の呼吸器症状など様々な症状が引き起こされます。ときには、アナフィラキシーショックとよばれる全身発赤、呼吸困難、血圧低下、意識消失など生命にかかわる重篤な症状を起こす場合もあります。

食物アレルギーの患者について

日本で食物アレルギー体質をもつ人は全人口の1〜2%(乳児に限定すると約10%)とされています。現在食物アレルギーの治療には特効薬はなく、原因となるアレルギー物質を摂取しないことが主な対応策です。そのため、アレルギー物質表示は患者にとって重要な情報です。

食品へのアレルギー物質表示制度

アレルギーの原因食品の円グラフ

食物アレルギー患者が、原因となる食品の摂取によってアレルギー症状を起こす健康被害を防ぐため、食品衛生関連法令により、加工食品にアレルギー症状を引き起こす物質を表示する制度が定められています。

平成13年に食物アレルギーを引き起こすことが明らかになった食品のうち、発症数、重篤度から表示する必要性の高い25品目の食品を「特定原材料等」と指定しました。この内、重篤度や症例数の多い7品目を「特定原材料」とし法令で表示を義務付け、過去に一定の頻度で健康被害が見られた18品目を「特定原材料に準ずるもの」とし、通知で表示を奨励しています。「特定原材料」及び「特定原材料に準ずる食品」は下の表のとおりです。

なお、えび、かにについては、平成20(2008)年6月3日に食品衛生法施行規則の改正により、表示が義務付けられる「特定原材料」となりました。

規定特定原材料等の名称品目数
表示義務
(特定原材料)
卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに7
表示を推奨
(任意表示)
(特定原材料に準ずるもの)
あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン18
*:平成22(2010)年6月3日までに製造・加工・輸入された加工食品については、表示の義務付けは猶予

食品のアレルギー表示の取締り制度

正しく表示がされているかを検証するためには、特定原材料(7品目)が食品中に含まれているかどうかを確認することが必要です。

確認は、次の2つの方法で行います。

  1. 原材料や製品の仕入れ時に販売元の事業者から特定原材料の有無についての情報提供を受けているかなど、製造・販売に係る関係書類から確認する。
  2. 加工食品中に特定原材料が含まれているかどうかを試験検査する。

愛知県では、1を保健所食品衛生監視員が、2を当所が担当しており、県内保健所(名古屋市、豊橋市、豊田市、岡崎市を除く)から搬入された各種食品中のアレルギー物質検査を実施し、表示が正しくなされているかを検証しています。

参 考