委員会情報
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委員会審査状況
一般会計・特別会計決算特別委員会
( 委 員 会 )
日 時 平成22年11月9日(火) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
小出典聖、木藤俊郎 正副委員長
倉知俊彦、小林 功、沢田丸四郎、神戸洋美、坂田憲治、
黒川節男、渡辺まさし、西川厚志、谷口知美、天野まさき 各委員
教育長、教育次長、管理部長、学習教育部長、生涯学習監、
環境部長、同次長、技監、地球温暖化対策監、資源循環推進監、
会計管理者兼出納事務局長、出納事務局次長兼管理課長、代表監査委員、
監査委員事務局長、同次長、関係各課長等

委員会審査風景
<付託案件等>
○ 決 算
決算第1号 平成21年度愛知県一般会計歳入歳出決算
歳出第5款環境費及び環境部に関する歳入
歳出第11款教育費及びこれに関する歳入
<会議の概要>
Ⅰ 教育費関係
1 開 会
2 決算概要の説明
3 質 疑
4 休 憩(午後2時44分)
Ⅱ 環境部関係
1 再 開(午後2時55分)
2 決算概要の説明
3 質 疑
4 閉 会
(主な質疑)
《教育費関係》
【委員】
決算に関する報告書283ページの児童生徒学習支援事業費について、事業内容を説明してほしい。
【理事者】
大きく分けて2つの事業を実施した。一つ目の学習チューター派遣事業は、教員志望の学生等を学習チューターとして活用し、きめ細やかな指導や、障害のある子への支援をすることで、学習上のつまずきの解消や学習意欲の向上を図るとともに、チューターである学生自身が、将来教員になることに向けての資質向上につなげるものである。
二つ目の「その道の達人」派遣事業は、各分野の第一線で活躍している人材を小中学校へ派遣し、児童生徒が通常の授業ではなかなか触れることのできない内容を知ったり、体験したりすることで、学ぶことの意義、楽しさを味わせるというものである。
【委員】
その道の達人として具体的にどのような人材が派遣されるのか。
【理事者】
例えば、落語家を「お話の達人」として派遣し、聞き手を意識した言葉の伝え方などについて学習をしたり、企業の方や大学教授など幅広い分野において活躍している人を、それぞれ「ロボットの達人」、「おもてなしの達人」、「動物の達人」などとして派遣している。

「その道の達人」派遣事業の授業風景
【委員】
楽しそうな授業が想像されるが、子どもたちの様子や成果はどうであったか。
【理事者】
学習チューター派遣事業については、学習チューターが教室内を巡回する中で、児童生徒が集中して授業に取り組める、個別指導によりつまずきの解消が図れるという成果があった。学習チューター自身にとっても、実際の教育現場で活動することによって指導の方法、児童生徒への声掛けや接し方など多くのことを学ぶことができたとの報告があった。
「その道の達人」派遣事業については、児童生徒へのアンケートによると、初めて知ったことや驚いたことが非常に多かったとの感想があり、達人の知識や技能に驚いたり、達人の生き方に迫ったり、大変有意義な授業展開ができたと考える。
【委員】
普段と異なる授業により子どもたちに刺激を与えたこと、また、学習チューターにとっても、子どもたちから学ぶことでお互いにプラスになったということであり、今後も続けてもらいたいと思う。
次に、決算に関する報告書285ページの心豊かな児童生徒育成推進事業費のうちスクールカウンセラー設置事業について、スクールカウンセラーの活動状況について説明してほしい。
【理事者】
平成21年度は、すべての中学校303校、小学校は拠点校70校に配置し、充実した相談活動を進められるよう努めた。相談状況については平成20年度と比べると、中学校では約3,400件増加して52,135件、小学校では前年度とほぼ同じで11,727件、合計64,000件程度であった。年々相談件数が増加しており、スクールカウンセラーへの期待が一層高まっている。
【委員】
配置による効果にはどのようなものがあるか。
【理事者】
スクールカウンセラーにかかわった不登校の子どもたちのうち、約60パーセントが学校復帰等の良い方向へ進んだ。例えば保健室登校だったのが学級で授業を受けられるようになったり、毎月の欠席が少しずつ減ったりという効果があった。スクールカウンセラーにかかわることで、子どもたちが心を安定させ、不登校改善につながっていると考えられる。
【委員】
今後どのような配置計画を考えているか。
【理事者】
平成21年度の小学校における設置は70校だが、拠点校ということであり、実際にはすべての小学校へ巡回している。平成22年度は拠点校が74校増えて144校となっている。今後もより充実した相談活動が実施できるよう適切な配置に努めていきたい。
【委員】
先日、群馬県において小学生のいじめによる自殺があった。群馬県に引っ越す前は、愛知県に住んでいたということであり、人ごとではないという気がした。スクールカウンセラーが充実していればそのような悲しいことにはならなかったのではと思う。
スクールカウンセラーを全校に配置してもらいたいという保護者の強い要望があるとも聞いている。今の子どもたちは先生、友達、親などのだれにも相談をせず黙っていることが多い。本来は家庭において悩みが打ち明けられ、親などに温かく包んでもらうべきだろうが、今はそのシステムが崩れている。そういったところに、行政側ができる部分で、もっと手を差し伸べてあげることが大切である。スクールカウンセラーの配置が順調に進んでいくように、また、その資質向上にも重点を置いてもらえるようお願いする。
【委員】
決算に関する報告書282ページのへき地教育振興費補助金について、近年の補助金額の推移を教えてほしい。
【理事者】
平成18年度980万3,000円、平成19年度787万2,000円、平成20年度640万5,000円、平成21年度は396万4,000円である。
【委員】
年々大幅に減っている。愛知県としてこの補助金を出すにあたり、へき地教育の意味をどうとらえているか。
【理事者】
へき地を大切にしたいとの思いがあり、限られた予算の中で精一杯の事業ができるよう努力したいと考えている。
【委員】
限られた予算の中で精一杯の努力をするのは現場であり、県としては補助金を出すということがフォローになると思う。現場の気持ちをもう少しくんだ方が良いのではないか。もともと予算が少ない中、このように目減りしていくと、そのうちになくなってしまうのではないかという気持ちになる。県内のどこに住んでいても等しく大切にしてもらいたいと思う。また、事業については市町に任せるのではなく、県として支える必要があると思うので、配慮してもらいたい。
次に、決算に関する報告書286ページの外国人語学講師配置事業費の二つの事業について説明してほしい。外国青年語学講師配置事業は、英語教育の充実に資するため海外から英語講師を招致したということだが、外国青年語学講師はどこで何をどのようにやっている人なのか。また、在県外国人語学講師配置事業はALT(外国語指導助手)のようなものか。
【理事者】
外国青年語学講師配置事業は、海外から招いた講師を常勤として県立高等学校等へ配置する事業である。在県外国人語学講師配置事業は、愛知県内にいる外国人を非常勤として雇い入れ、学校へ配置するものである。
【委員】
外国青年語学講師は、海外からわざわざ青年限定で招くということなのか。
【理事者】
昭和62年度から国及び自治体国際化協会の協力の下に地方公共団体等が実施しているもので、自治体から講師が何人必要であるとお願いをすると、あっせんしてくれるものである。文字通り、外国に住んでいる青年が日本に来て英語を教えるという事業である。
【委員】
平成23年度から小学校5、6年生で外国語活動が必修となる。公立小学校の英語教育の充実に資するということだが、小学校にも行くのか。
【理事者】
中学校も含めてであるが、2名が小学校へ派遣され指導に行っている。
【委員】
小中学校だと市町村が負担する場合が多いと思うが、県としてもフォローしてもらいたい。また、小中学校と高校との連携の中で、うまく活躍してもらうことも考えてもらいたい。外国語活動の指導について不安に思っている先生も多いようなので、本事業の活用をお願いしたい。
次に、決算に関する報告書291ページの小学校費、中学校費の人件費に関連して聞く。平成18年度から発達障害の児童生徒についても通級指導ができるようになったが、その指導形態について教えてほしい。
【理事者】
通級による指導は週1時間から8時間行っている。LD(学習障害)及びADHD(注意欠陥、多動性障害)の教室は、平成18年度7教室、平成19年度14教室、平成20年度24教室、平成21年度39教室、平成22年度73教室である。
【委員】
平成21年度及び22年度の小学校と中学校の内訳を教えてほしい。
【理事者】
平成22年度のLD及びADHDの教室は小学校70教室、中学校3教室である。平成21年度は小学校3教室級、中学校1教室である。
【委員】
中学校への配置が少ないようだが、配置の考え方はどのようか。
【理事者】
ニーズに基づいている。発達障害の子は小さいうちに学習習慣を身につけさせたいとか、LDの子だと独特な読み書きの方法があるため、早いうちに身に着けさせたいという要望が多い。
【委員】
小学校低学年においてきちんと指導すると効果があるというのも分かるが、小学校で通級指導教室に通っていたのが、中学校で急になくなってつらい思いをする子がいたり、通級指導教室がある学校へ遠くから通学しているということもある。バランスもあるとは思うが、中学校のニーズを把握し支えてもらいたいし、数も増やしてもらいたい。
【委員】
決算に関する報告書293ページの高等学校整備費のうち耐震改修費に関して、現在の改修率はどうなっているか。
【理事者】
平成22年4月1日現在、高等学校66.1パーセント、特別支援学校94.6パーセントで県立学校全体では70.6パーセントである。
【委員】
体育館や武道場も含めた全体での率か。
【理事者】
そのとおりである。
【委員】
耐震診断が6校とあるが、どういった耐震診断をしているか。
【理事者】
耐震診断は基本的に終わっているが、耐震診断基準が一部緩和されたため、一部の棟について耐震診断を実施したものである。
【委員】
どういった点が緩和されたのか。
【理事者】
2階建て以下の建物だと、3階建て以上の建物に比べ、通常、柱が細くなる状況にある。そうすると柱と窓の間に壁ができるケースがあるが、従来の耐震診断では耐震壁とみなされなかったそで壁が、今回の基準緩和で耐震壁としてとらえられるようになった。
【委員】
まだ70パーセントという状況なので、積極的に進めてもらいたい。
【委員】
決算に関する報告書292ページの高等学校費に関連して、中途退学者の数と推移について教えてほしい。
【理事者】
県立高等学校全日制・定時制合わせると、平成18年度が2,599人、率で2.2パーセント、平成19年度2,341人、2.0パーセント、平成20年度2,272人、2.0パーセント、平成21年度1,795人、1.6パーセントである。
【委員】
減少傾向でありいいことだと思うが、特に多い学校というのはあるのか。
【理事者】
最も多いところで70名ほどである。
【委員】
70名が中途退学するのは異常である。どうしてそれほど中途退学者が多いのか。中途退学者に何か特徴があるか。
【理事者】
多くは学業不振で年度末に退学する。他には、学校を続ける熱意が続かないという学校不適応、就職を含めた進路変更が理由として多い。
【委員】
何か対策はあるか。
【理事者】
学校としては続けてほしいということで対応している。授業が分からないということに対しては、習熟度別指導や少人数指導等を図りながら、授業がより分かりやすくなるような形をとっている。なお、それには人が必要なので、教員の加配を行っている。また、生徒自身が悩みを抱えているので、悩みを聞くのに担当の先生だけではなく、スクールカウンセラーも有効な手立てとして派遣している。
また、何よりも学校に魅力があり、そこで学ぶことが楽しいと思ってもらうことが大切であると考えている。そのために学校をなるべく地域に開き、地域の中で自分たちの活動が認められていることが、学校の活性化につながるように、県教育委員会としていろいろ話をしながら、地域に根ざした学校になるように努力したい。
【委員】
統合問題のときに、地域が学校を残してくれ、一生懸命やると言ったのだから、地域が責任を持たないといけない。苦労してようやく生徒を集めても、どんどん退学してしまっているのが現実である。今になって、学校を残さなかった方がよかった、残したのは間違いだったと言う人までいる。また、地域の父母からは、あんなところには行かせたくないとの声も聞かれる。地域の意向をくんで、教育委員会も学校を残した以上、その経緯を踏まえて、地域の中学校担当者、教育委員会、市長と学校を守っていくための話をしなければならない。どうか地域に誇れる立派な学校にしてもらえるようお願いしたい。
【委員】
決算に関する報告書302ページの文化財保存修理費補助金に関連して、県指定の文化財はどんなジャンルで何件くらいあるのか。
【理事者】
平成22年8月末現在、建造物・絵画・彫刻等の有形文化財427件、無形文化財2件、民俗文化財は有形・無形あわせて69件、史跡・名勝などの記念物109件、合計607件を県指定文化財として指定している。
【委員】
607件中で修理が必要なものは限られているとは思うが、それにしても決算額が5,000万円程度とは一けた違っているのではないかと思った。これでやっていけるのかと聞くと、答えに窮すると思うが、補助金が必要で修理待ちをしている件数はどのくらいあるのか。
【理事者】
資料は持ち合わせていないが、県指定に限定すると、希望があったところについて内容等精査し補助をしている。平成21年度は最終的に13件に補助金を支出した。
【委員】
順番待ちがあまりないように聞こえるが、実際には希望はあると思う。大事な分野なので、限られた予算でしかやれないとは思うが、しっかりやってもらいたい。
次に小学校費、中学校費、高等学校費の関連で、教職員の不祥事における懲戒処分の状況について説明してほしい。
【理事者】
懲戒処分を行った者は、平成20年度3名、平成21年度13名であり、近年増加傾向である。処分の内訳は、平成21年度はわいせつ行為7件、交通死亡事故、交通違反、器物損壊、銃刀法違反それぞれ1件、その他2件である。
【委員】
教員は4万数千人いるので、率からすれば少ないとも言えるが、教員という立場を考えれば、あってはならないことばかりである。一番の問題は、潜在的にはもっとあるということを本当に認識しているかということである。潜在的には相当あるとだれしも思うことであり、来年度0件という結果が得られても、たまたま0件であって、教員全員に全く不祥事がなかったとは、世間ではだれも信じない。不祥事を起こした少しの人のために、そういうところまできている。教員というものは、わいせつ行為やセクハラを最もしてはならない。いろいろな手立てを講じて、0件を何年も続けられるようお願いしたい。何か対処していることや決意があるか。
【理事者】
不祥事が起こる度に通知を出して、校長先生から現場の先生に伝えてもらうように指導している。また、平成22年3月には黄色の名刺大のチェックカードを作成し、全教職員に配付した。更に、11月を不祥事防止月間とし、1件でも減らせるよう努力している。
【委員】
私もカードを見たが、教育大学などを出て、難しい試験に受かった人が、小学生が読むような内容のものを渡されて、多くの教職員にとっては申し訳ないが、何とも言えないむなしさがある。
次に、昨年の今ごろ、新型インフルエンザが大流行し、対処、予防で大変苦労したと思う。小中高で亡くなった児童生徒はいなかったと思うが、重症者は私の住んでいる町にもいた。り患した子どもはどのくらいの率だったか。
【理事者】
患者数は、発生当初は全数把握していたが、流行後は集団把握へと変更されたため、実数は把握できていない。ちなみに、臨時休校の実施状況は、名古屋市を除く小学校723校中671校で、率は92.8パーセント、中学校303校中288校、95.0パーセント、高等学校152校中132校、86.8パーセントであった。
【委員】
学級閉鎖の数はあまり意味がない。昨年と同型のものがはやるかは知らないが、数を把握することが大事なのではないかと思う。また、昨年の流行時において修学旅行などはどのように対処していたのか。
関連して、公立高校の修学旅行の目的地はどういうところが多いか。
【理事者】
修学旅行におけるインフルエンザの影響については、5月から6月に大阪を中心に修学旅行地として通ってはいけないということになり、その方面を目的地の一部に含んでいた学校が、国内旅行で9校、また、海外旅行で1校延期をした。なお、結果的にはすべての学校で年度内に当初の目的地で修学旅行を行うことができた。
また、平成21年度の国内修学旅行で一番多い目的地は沖縄で41校、次に中部地区32校、北海道28校である。
【委員】
中部地区はスキーか。
【理事者】
そのとおりである。
【委員】
スキーに二・三日行くのが修学に値するのか。値するのならばどういう意義立てがあるのか。
【理事者】
スキーの場合、一・二日ではなかなか技術は向上しないが、3泊4日程度行くとかなり上手になる。私の勤めていた学校でも3泊4日のスキー修学旅行があったが、スキー場へ行ったことがない全くの初心者でも最後の日には大抵の先生より上手に滑っている姿を見ると、生徒たちにとってスキー修学旅行は非常にいいという感想をもった。
【委員】
それがスキー修学旅行の意義ということか。
【理事者】
意義は、雪のあまり降らない地域から雪がたくさんある地域に行って、自然体験、運動の喜びを感じるということがまずある。また、同じ宿泊先で二・三泊するため、落ち着いた状況の中で、集団生活や社会生活のルールを指導することができる。
【委員】
小・中学校で修学旅行でスキーに行っているところはあるか。
【理事者】
小学校・中学校で修学旅行としてスキーに行っているところはない。
【委員】
決算に関する報告書284ページの愛知スーパーハイスクール研究指定推進事業費について、何年計画でいつまでの事業か。
【理事者】
平成20年度から22年度までの3年間の事業である。
【委員】
3年目がもうすぐ終わろうとしているが、どのような成果があったか。
【理事者】
学校に活気が出て、生徒にもやる気が出たという効果が生まれている。大学との連携の中で高度な実験を行ったり、スーパーカミオカンデの見学に行ったり、校内で実験講座を開設したり、新しい機器等を取り入れた実験実習の方法等を開発したりできた。科学オリンピックへの参加者も増えたと聞いている。
【委員】
15校で実施したとのことだが、対象生徒は学校全部なのか希望者だけなのか、あるクラスだけが指定されたのか。
【理事者】
事業の目的に沿って、例えば自然科学教育分野であれば理系の生徒を、芸術教育については該当するコースの生徒を対象に実施した。多くの学校では校内で発表会などを行い、全生徒が知ることのできるようにやっているが、研究そのものは一部の生徒が対象である。
【委員】
国のスーパーサイエンスハイスクールとの違いは。
【理事者】
スーパーサイエンスハイスクールは平成14年度から事業が行われ、愛知県で3校指定されている。こちらの方が大規模である。愛知スーパーハイスクールは、自然科学分野や芸術分野でこういう研究をしたいというものを申請してもらい、その内容で行われている。
【委員】
国の事業は科学技術だけだと思うが、「大規模」というのは対象が大きいのか、より高度な研究をさせているのか、どちらか。
【理事者】
スーパーサイエンスハイスクールは国の研究指定であり、かなり高度な内容を行っている。愛知スーパーハイスクールも同様に高度な内容を行っている学校もある。また、国は科学だが、県は芸術やコミュニケーションといった分野も研究している。
【理事者】
スーパーサイエンスハイスクールは、自然科学を中心に理数教育に特化し、かなりの投資をして教育環境整備及び指導力のアップを図っている。本県では県立高校で3校指定されており、岡崎高校などでは7年で1億円近い投資をしている。大学で使うような最先端の研究機器も含め整備し、東大・名大などの研究機関の指導も受け、その分野において高い資質、能力があると思われ、またその分野で頑張りたいという生徒に学習機会を提供している。他の2校についても同様に行っている。なお、県内の私立学校及び名古屋市立学校も1校ずつ指定されている。
それに対し、愛知スーパーハイスクールは、自然科学に特化せず、教育課程については、各学校で、自然科学や英語、コミュニケーションなどの分野で既存の授業の延長線上の中で、国のようには投資できないので、それらの取組が他校にも活用できるという前提で進めている。また、部活動部門については10校あり、全国大会を目指すという前提で、比較的レベルの高い学校について、そこでの指導方法も含めて他校に還元できる要素があるという前提で選定をし、3年間研究を行っている。
【委員】
金額の点でも1校で1億円かけているものと、15校で2,000万円のものとは全く別物であると理解する。
関連して、こういった学校で勉強したいという子は、まず基礎学力ができていないと全くダメである。今、一番問題になっているのは、小中学校で基礎学力が身についているかということで、ここのところがあやふやになっている。学校の勉強にプラスして塾などへ行ってある程度もまれてこないと、こういう学校へ行けないという現状がある。基礎学力の習熟度を上げるために小学校1、2年生及び中学校1年生を少人数学級にしたはずであるが、現状、クラスに様々な習熟度の子がおり、基礎学力をしっかり身に着けたいという前向きな子がいる一方、そうでない子もいる。学習についていけず飛び出してしまう子、授業を妨害してしまうような子もいる中で、優秀な人材を育てていくために、基礎学力を学校の教育として、どこまできちんと身に着けさせなければならないと考えているか。
【理事者】
高等学校の教育課程は中学校の基礎学習の上に成り立つが、現在、本県では、小中学校において少人数学級と少人数指導を合わせる形で、できるだけ多くの生徒たちがそれぞれの力を伸ばせるように進めている。しかし、学習段階を経る中で基礎学力にも一定の差は生じてくる。
中学校1年生では、少人数学級により小学校から中学校へのつなぎの部分を個別に配慮できるように指導を進めている。2、3年生になると生徒たちは将来の自分の進路選択とあわせて学習を進めていくこととなり、中学校もそれに応じた形でそれぞれの生徒の状況に応じながら、個別指導も活用しながら指導に努めている。すべての子どもたちのニーズに対応できているか、個々の状況にあった指導ができているかというと、課題はあると思うが、学習学力状況調査等においても本県は中学校の数学などで全国的に高い状況にある。
高等学校については、入った生徒の学力に応じた教科書、指導法を使いながらそれぞれの学校が工夫しながらやっており、生徒の基礎学力を見ながら指導のあり方を考えるということでそれぞれの成果が出ていると受け止めている。
【委員】
本県が高いというのは平均値か、学力が上の子のレベルが高いのか。
【理事者】
平均値としてである。数学については比較的平均値が高い。高等学校に関しても、個別の調査に関して数値があるわけではないが、スーパーサイエンスハイスクール等の取組も含めて、全国的に、意識も取り組む内容もレベルが高いと認識している。昨年度スーパーサイエンスハイスクールと愛知スーパーハイスクールで自然科学を扱っている学校、その他県立及び私立で理数教育に力を入れている学校を集めて、全県で発表会を行った。生徒の研究発表について地元の大学の先生方やスーパーサイエンスハイスクールの主催機関であるJST(独立行政法人科学技術振興機構)の担当者から、レベルが高い、ぜひ続けてほしいという話をいただいた。それを踏まえて、今年度、理数教育推進事業を更に他校にも広めることを進めている。本県として、特に上位層を伸ばすという点で一定の成果が出ていると考えている。
【委員】
今年度、科学オリンピックが日本で行われたと思う。以前は日本の高校生が金・銀メダルを獲得していたが、最近10年くらいの傾向では中国、韓国、インドが取っている。中国では、金メダルを取った生徒を指導した教授は報奨金として年俸以上のお金をもらえると聞く。国をあげて優秀な科学者を育てようと頑張っている。なぜかと言えば、この子たちは、必ず将来、科学技術分野において活躍をして、国力増強につながるからである。産業競争に勝てる要素を作って、社会貢献をたくさんしてくれることとなる。こうした取組がないと国力がどんどん下がって、世界の産業の競争に負けてしまう。よって、将来必ず社会貢献してくれる子を、きちんと育てていかないといけない。予算書、決算書を見てもそういう部分が出てこない。どちらかというと、いじめとか不登校とか情緒不安定とかの内容が多く、将来社会に貢献、還元してくれることとなる、一生懸命頑張っている子どものことを考えているのかと若干心配していたので、スーパーサイエンスハイスクールや愛知スーパーハイスクールの取組を聞き少し安心した。下も上も両方やってほしい。下もきちんとやらなければならないが、下に気を取られてばかりではなく、上の子がもっと力を伸ばせるような施策も当然取っていかなくてはならない。
もう一つ、学校だけではなくて家庭教師についたり塾に行っている子が多い。そうすると、ある程度経済的に余裕がなくてはできないということになり、それは大変なことである。奨学金とかではなく、塾に行かなくても学校の中でしっかり勉強できれば、経済的に豊かでなくても、それなりの能力を持っていて、頑張れば科学者になれる、ノーベル賞も取る可能性がある子をつぶさなくてすむ。我々やノーベル賞を取った人の世代には、学校で先生の話をきちんと聞いていた子が今より多かったと思う。人数が多くても、基礎学力をきちんと身に着けて小学校を卒業して中学校へ行った子が多かったから、ノーベル賞を取ることもできると思う。
現在産業立県と言われている愛知の産業を将来支えていくという意味で、また、知の拠点という科学技術交流センターもやろうとしている中で、研究者を自前で育てていくことが大事なことだと思うので、ぜひそういった点を意識しながら教育行政をやってもらいたい。
【理事者】
教育委員会としては、障害があろうとなかろうと、どの学校へ通っている生徒でも、一人ひとりが能力や可能性を持っているということを前提に、その子を伸ばすということがまず基本にある。例えば理数分野について資質を持った生徒に対して、国家的なニーズ、将来へ向けた期待も踏まえた上で、スーパーサイエンスハイスクールなどの特定の学校だけにとどまらず、他校にも可能性のある生徒がたくさんいるので、そういった生徒にもそれにふさわしい指導の機会をあたえることができるように、これからも工夫していきたい。
【委員】
55年くらい前は、日本は資源がないが、優秀な民族で、勤勉で頭がいいから、原材料を輸入していい製品を作って、一等の国になると言われていた。それが、最近ではそうでなくなり、資源もない、能力もないでは、どんどん国のレベルが下がっていくより仕方がないということになってしまう。教育は将来の人づくりということをしっかりと頭に入れて、教育行政をやってもらいたい。
【委員】
決算に関する報告書281ページの学校教育指導費のうち高等学校等奨学金貸付金について、想定している借り手の使途及び実際の使途について、国公立と私立では傾向が違う場合があると思うのでそれぞれ教えてほしい。
【理事者】
奨学金の積算については、文部科学省が2年に1度、子どもの学習費という調査をやっており、公立高等学校では授業料、教科書、クラブ活動費のような学校教育費に年間35万円必要という調査結果が出ている。そのうち12万円は授業料、23万円は教科書などの経費である。奨学金は授業料を除いた残りの部分に貸与することになっているため、現在、授業料の無償化により、奨学金があれば高校には通えるということになっている。私学は授業料が36万円、その他の経費が36万円ほどかかる。
制度設計上は授業料以外の学校教育費に充てることを想定しているが、授業料以外の経費に充てなければならないという指定はしていない。
【委員】
平成22年4月から高等学校の授業料無償化が始まった。奨学金は授業料以外に充てるとのことだが、実際の使途は調べておらず、授業料に充てている可能性もある。奨学金制度をこのまま維持していくとすると、その点について平成22年度予算へはどのような考えで反映させたのか。
【理事者】
平成21年度は9億3,000万円で貸付対象者は3,077名。平成20年度は2,631名であり500名伸びた。平成21年度は9月補正で3,000万円増額した。平成22年度は10月末の段階で3,276名、昨年度から更に200名くらい伸びている。授業料無償化はありがたいが、それ以外にも経費はかかり、引き続き奨学金が必要であるとの要望があるため、制度的には同じように維持していきたいと考えている。
【委員】
授業料が無償化されても、制度を利用して生活困窮者を助けるという考えはよくわかるが、授業料の無償化により実際に学校で学ぶにあたり必要な経費は賄われており、あとはそれに付随する経費であって、教科書代がいくらかかるからこれだけ貸し付けるといった具合に、使途目的を明確化して貸し付けた方が、毎月定額を貸し付けるよりも、借り手の責任も明確化され、よいのではと思うがどうか。民間の貸し方を見るとアバウトではなく、具体的に目的を絞っていくら貸すかを決めている。
【理事者】
貸付の対象は高校生であり、家庭の事情等で細かい話をすると申請しづらいことがあるかも知れない。したがって、奨学金は、民間のそれとは少し異なり、できるだけ生徒が借りやすい形で制度を作ってきた。個別の実費経費で確定して、翌年度や年度途中に貸付額を査定をするというやり方については、なおしばらく考えていく必要があると考えている。
【委員】
貸付けに対して返還滞納割合はどれくらいか。
【理事者】
まず未収金の金額は、平成21年度は3,600万円。平成20年度が1,500万円なので、2,000万円以上増加した。回収率は73.0パーセントであり、前年度は81.0パーセントであったので、約8パーセント下がっている。未納者については、夜間の電話督促や文書督促、自宅訪問をしてようやくこの数値に落ち着いている。
【委員】
保証人への督促はどの段階でかけるのか。
【理事者】
保証人は親権者でも構わないことにしているので、その場合は未納の段階で自宅へ電話をして、親権者である保証人にも話をする。保証人が第三者の場合には、少し時間を置いてから事情を説明し、本人に対して返還するよう説得してもらう。それでも返還されないようであれば、保証人から返還してもらうようにお願いしている。
【委員】
315ページの愛知県私学振興事業財団補助金の中で、私立学校奨学資金借入金利子補給、320万余円とあるが、これは、教育委員会の奨学資金の上乗せとして理解してよいか。
【理事者】
これは高等学校等奨学金の上乗せではない。教育委員会の奨学金が生活保護世帯の2.0倍までの所得の方を対象にしており、こちらはそれを超す2.0倍から2.5倍のところを対象にしている。対象者の数は非常に少ない。
【委員】
対象者数はどのくらいか。
【理事者】
昨年度の実績は145名である。
【委員】
ホームページで見たが、貸付基準に人物等が優れている者に貸し付けるとあるが、実際、人物的に優れた人にしか貸さないのか。これは生活困窮者を救うという目的からは外れてくると思うが。
【理事者】
この奨学金は愛知県私学振興事業財団で実施しているものだが、学校長の推薦をいただくことになっており、その人物評価は、現場の学校長に任せているところである。なお、所得は610万円を超え750万円あたりの者で、授業料軽減でいえば乙Ⅱの区分にかぶる者である。
【委員】
人物等の基準により借りたいのに借りられない人はいたのか。
【理事者】
だれがだめだったかという資料は手元にない。
【委員】
生活困窮者を助けるという目的があるので、能力的な優劣のみで判断するのはどうかと思う。
《環境部関係》
【委員】
決算に関する報告書48ページのあいち森と緑づくり税を活用した事業はどのようなものか。
【理事者】
森や緑は自然環境の保全や災害防止など多様な公益的機能を有しているが、近年、森林の荒廃や都市の緑の減少・喪失が進み、それに伴い公益的機能の低下が危ぐされている。
こうしたことから、新たな税として平成21年度からあいち森と緑づくり税を導入したものである。
税の使途としては、森林保全ということから人工林の間伐や里山林の整備、更には都市の緑化を進めている。
税の活用については、こうした行政が行う森林間伐や街路樹整備などのハード事業だけでなく、県民の方々が森と緑の大切さへの理解を深め、森と緑づくりに直接参加することも大事であると考えている。このため、税の一部を活用して、森や緑に関する環境保全活動を行う団体への支援や環境学習の推進などの事業を助成し、森と緑づくりを効果的に進めていきたいと考えている。

あいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業
【委員】
環境活動や環境学習推進事業の実施状況はどのようであったか。
【理事者】
平成21年度は78事業の応募があり、あいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業審査委員会での審査を経て45事業を採択し、年度内にすべての事業が完了した。なお、審査に当たっては、事業の趣旨に合致し、かつ効果的であるか、事業を通じて波及効果があるか、創造性・発展性があるか、地域特性が十分であるか、実現可能性があるかといった5項目の審査基準を設けて審査を行い、優先順位をつけた。
【委員】
事業の応募や採択の結果は公表されているのか。
【理事者】
平成21年度は8月7日に交付先の団体名や事業概要を公表している。また、波及効果を期待して県のホームページに掲載している。
【委員】
事業が更に活性化されていくことを期待する。
次に、決算に関する報告書56ページのグリーンニューディール基金事業とはどのようなものか。
【理事者】
環境問題と経済問題の2つの危機が迫る中、環境・エネルギー対策と景気刺激策とを融合する「グリーン・ニューディール」政策について、米国のオバマ大統領が提唱し、わが国においても、平成21年4月に日本版グリーン・ニューディールともいうべき「緑の経済と社会の変革」が示された。
これを受け、第1次補正予算で国から交付された地域環境保全対策費等補助金8億5,600万円を活用して、地球温暖化対策等の喫緊の環境問題を解決し、当面の雇用対策と中長期的に持続可能な地域社会の構築のための事業を実施するため、グリーンニューディール基金を設置した。この基金を利用して、平成21年度から23年度の3年間で事業を実施している。
具体的な事業としては、公共施設への太陽光発電施設や省エネ機器の導入、民間施設への省エネ機器等の導入に対する補助などの地球温暖化対策を始め、不法投棄防止対策推進事業などの廃棄物処理推進事業を行っているところである。
【委員】
平成21年度のグリーンニューディール基金事業の実施状況はどうか。
【理事者】
県事業費5,100万3,400円の内訳については、温暖化対策として伊良湖園地、茶臼山園地といった自然公園におけるLED外灯への交換や民間施設の省エネ化への補助を、廃棄物処理推進事業として不法投棄残存事案の現状把握調査などを行っている。
市町村事業費補助金5,619万8,050円の内訳については、温暖化対策として津島市役所や幡豆町役場庁舎の太陽光発電施設の設置などを、廃棄物処理推進事業として春日井市を始めとした市町村が行う不法投棄監視活動への補助などを行っている。

グリーンニューディール基金の活用例(津島市役所)
【委員】
今後はどのように事業を進めていくのか。
【理事者】
平成22年度については、愛知県議会議事堂におけるLED照明への交換や、市町村が行う太陽光発電施設の設置など省エネ・グリーン化事業への補助を行うとともに、残存廃棄物の現状把握調査、市町村が行う不法投棄ごみの監視活動への補助など廃棄物処理推進事業を行っているところである。
23年度は、引き続き今年度と同様の事業を行っていくとともに、地球温暖化対策についてより効果が見込まれる、中小事業者の省エネ機器等への更新に当たっての補助に事業費を振り分けるなど、限られた予算を有効に使っていきたい。
【委員】
次に決算に関する報告書68ページのあいち自然環境保全戦略費のうち、(1)戦略推進費に記載のあるポテンシャルマップについて具体的な内容を説明してほしい。
【理事者】
これは、生態系を代表する指標となる生き物のえさ場や繁殖場所など、その生き物が住みやすいと考えられる生態的な特性を踏まえて、県内の地形情報を検討し、県内のどの場所が住みやすいかということを予測し、地図上に示したもので、全国に先駆けて本県が作成したマップである。
指標となる生き物は、オオタカ、イトトンボなどで、ほ乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類、昆虫類にわたり、全部で16種類の生き物を選定した。
具体的には、例えばイトトンボは、池から池までの間が1キロメートル未満であるところで、緑地沿いに飛んでいくという特性があるため、愛知県の地図に、池のある場所、また、池と池との間が1キロメートル未満で、かつ緑地でつながっている場所を示している。
当然これは予測であり、必ずしもそのとおりにイトトンボが生息しているわけではないため、生息していない場合にはその原因を検討し、例えば水が汚いなどの原因を取り除くことでイトトンボの生息域を広げていくというような取組に活用していきたい。
またイトトンボの道が途切れている場合に、学校などを利用してビオトープを作り、新たにイトトンボの生息域を増やしていくという取組にも活用できると考えている。
【委員】
学校にビオトープを作るという話があったが、教育現場など様々な場所にマップを活用していくということか。その上で、あいち自然環境保全戦略をどのように推進していくのか。
【理事者】
ポテンシャルマップを活用して一番に実施しようとしているのは生態系ネットワークの形成である。これは、あいち自然環境保全戦略の中でも大きな柱として位置付けている考え方で、開発等により孤立した自然と自然を結ぶことにより、かつてそこに存在した生態系の再生とその保全を行うものである。生態系ネットワークを形成していく上で、ポテンシャルマップをあいち自然環境保全戦略の推進に向けた具体的な指針として活用していきたいと考えている。
生態系ネットワークの形成のため、指標種の新たな生息場所を探し、作っていくことになるが、先のイトトンボの例のほか、企業にお願いして工場内の緑化を生態系に配慮したものにしていただくことなどの働きかけを行うことを考えている。
【委員】
ポテンシャルマップの中にほ乳類も入っているとのことだが、クマは入っているのか。
【理事者】
ツキノワグマが入っている。
【委員】
クマによる事件が全国で発生している。自分は幼児教育にかかわっているが、毎年猿投の森での親子体験を実施しており、今年度も実施した。
今年はドングリが不作で瀬戸市の岩屋堂や雲興寺、また、海上の森など、クマがあちこちで出没しており、その付近に猿投の森があることもあって、クマが出はしないかすごく心配だったが、クマの形跡もなく大丈夫との話を受け、無事に行くことができた。しかし、ポテンシャルマップのようなもので事前に現地の状況が分かっていたら、もう少し心配しなくてすんだと思うので、今後ポテンシャルマップがいろいろな意味で活用できるよう進めていただきたい。
【委員】
地盤沈下対策で一番有効な対策は何か。
【理事者】
地盤沈下は尾張地域を中心に昭和40年代前後に激しく起こったが、その原因は地下水の過剰なくみ上げであった。よってその対策は、地盤沈下が生じないように地下水の揚水を制限することである。
【委員】
尾張部で揚水規制が行われている市町村はどこか。
【理事者】
尾張部においては、名古屋市の一部を含めて20市町村ある。具体的には、木曽川に沿っていうと、江南市、一宮市、稲沢市、愛西市、弥富市などである。
【委員】
揚水規制については工業用水だけでなく、水道用水にも規制がかかるのか。
【理事者】
地下水をくみ上げて工業用水として利用する時は工業用水法の規制がかかるし、工業以外の用途に利用する場合には愛知県条例により規制がかかる。
ただ、従前から地下水をくみ上げていた市町村や事業所については、例外措置として一定量の揚水が認められている。
【委員】
工業用の揚水量は減少したが、これは繊維産業の衰退によるものである。水道用の揚水も地盤沈下対策の観点から、県水は高くつくにもかかわらず、自主的に井戸水から切り替えた動きが海部郡南部から始まった歴史がある。海部郡南部はほとんど100パーセントといっていいほど県水に切り替わっている。
しかし、尾張北部では県水への転換率が50パーセント以下のところが多く、低い順に、一宮市29.6パーセント、江南市40.8パーセント、稲沢市49.1パーセントとなっている。よって地下水を利用しているのかというと、地下水ではなく木曽川の伏流水であるという意見もある。伏流水と地下水の区別はどうなっているのか。
【理事者】
地下水とは、例えば地下数百メートルの砂れき層に帯水層となっている水であり、これをくみ上げて利用している。
伏流水とは、川底すぐ下の砂れき層中を流れる水で、表流水と一体となって流れているものである。
【委員】
一宮市、江南市では木曽川の堤防のすぐ外側で伏流水をくみ上げており、河川から取水しているのも同様であるのが実態で、地下水にまわるものを途中でくみ上げているという人もいる。
木曽川水系連絡導水路事業は、揖斐川から長良川、木曽川へ導水し、河川流水の維持も目的としているが、この一部を県水に緊急避難的に利用するものである。この事業はまだどうなるかわからないが、地盤沈下対策も含め木曽川の流水を確保する必要があるならば、応分の負担を市町村に求めるべきと考える。一宮市、江南市、稲沢市はどのような水を水道水に利用しているか。
【理事者】
尾張地域の水道利用状況という報告によると、一宮市の場合、県水が約30パーセント、伏流水が約22パーセント、地下水が約48パーセントとなっている。
【委員】
30年ほど前に私が町議会議員をしていたとき、県水への転換の検討の際に、料金が高いことから問題となった。大学の先生にも相談したところ、海部地域の地層は上流からの地下水の浸透による水圧で支えられており、水道を地下水から県水に転換するとともに、地下へ浸透する水を上流の地域で引き抜かれないようにすべきであるとのことであった。
この地域の上流である一宮市や江南市などでの地下水のくみ上げをやめさせて、県水へ転換させるべきである。これにより、県水が不足するならば、木曽川水系連絡導水路事業をやればよいと考える。工業用の地下水の利用を工業用水に転換させたように、水道水も県水に転換させるように環境部が努力すべきと考えるが、どう考えているのか。
【理事者】
確かに尾張西部は激しい地盤沈下を経験した。地盤沈下はいったん起こると元に戻らない非可逆的なもので、これを予防するには地下水くみ上げの規制を行うしかない。
市町村の水道水については、地下水を利用して上水としているところがあるため、地盤沈下対策の観点から、地下水利用抑制の指導を行っているが、県水を利用すると高額となってしまうため大きくは進んでいない。
【委員】
一宮市、江南市、稲沢市は、地盤沈下が起きても海抜ゼロメートル以下にはならないから関係ないかもしれないが、海部は影響があるから地下水の揚水を抑制している。
県水が高いから利用しないのではなく、地盤沈下対策のため、関係自治体が協力するべきである。県水利用の呼びかけを市町村及び企業庁へ働きかけることを環境部に要請する。
【委員】
決算に関する報告書70ページの鳥獣対策費に関連して、先ほど、神戸委員からクマが出るという話があった。今年は暑い夏の影響か、植物の生育が遅れたり、ナラ枯れが出てきたりしており、クマなどがえさがなくなり山から出てくることもある。
三河地域では、環境部と反対の立場でものを言わなければならない。イノシシ、シカ、サル、外来のハクビシン、アライグマといった動物が出てきて悪さをする。こういった動物の個体数調査はどのように行われているのか。
【理事者】
イノシシ、サル、シカ、カモシカについては、特定有害鳥獣ということで、管理計画を作っている。おおむね5年ごとに見直しをしており、現在の計画は23年度までが有効期間で、5年ほど前に実際にフィールド調査を行い、最後は推測になるが、例えばシカのふんを数えるとか、普段山野に入っている狩猟者や林業の方々へのアンケート調査等を踏まえ、生息調査を行い、現在のおおむねの生息数を決めている。
【委員】
例えば、シカ、イノシシはそれぞれ何頭が適正なのか。それを超える分は駆除しなければいけない。設定した適正数と、現在の調査に基づく自然界にいる数を比べれば、これだけは多すぎるから農作物に被害があるとか、森林に植えた苗木の頭を食べられ全部ダメになってしまうという状況がわかってくる。そもそも生息数を把握しているのか、また計画による適正数はいくつと設定しているのか。
【理事者】
私どもは環境部なので、保護と管理が平行してあるが、捕りすぎて絶滅することがないという意味での適正な捕獲数を計画で定めている。例えばイノシシだと3,000頭、ニホンジカだと800頭程度、サルだと200頭程度、ニホンカモシカは天然記念物であるので、これは実際に被害があったものということで、特に数値は決めていないが大体50頭前後が捕獲の目安となっている。
【委員】
ニホンカモシカが少ないのではないか。東栄町、設楽町、豊根村などに合計何十頭という数字で割り振っていたと思うが、以前より減ったのか。これに豊田市の旧稲武地区などが入るので、この数は少なすぎる。
また、サルの捕獲数が200頭というのは、捕獲する人がいないから数を抑えているのか。200頭ばかり捕獲してもどんどん増えてしまい意味がない。200頭の根拠を示してほしい。
【理事者】
ニホンカモシカについては、天然記念物であり、捕獲に文化庁の許可が必要で、実際に被害があったことを市町村に確認した上で、そのニホンカモシカを捕るという方法を採っているため、いわゆる計画数は設定していない。先ほど述べた50頭前後というのは、捕獲の実績数であり、実際に何頭生息しているかは手持ちにないが、一けた増しくらいの生息数はいると理解している。
サルは、何頭いるかというのが非常に見極めにくい種で、現在の捕獲頭数200頭の設定根拠は、おおむねの県内生息数の推定と、合わせて実際にサルが何頭捕獲されたかの実績が考慮されている。昨年は県内全体で163頭、その前は156頭で、200頭を越えた実績がない。200頭は市町村が希望する有害鳥獣の捕獲駆除の計画数を県で積み上げた数で、県が独自で決めたものではない。各市町村から出された計画数を積み上げた数と、これまでの捕獲実績数を見極めて、更に生態系の専門の先生、農林業被害の当事者を代表する農協、林業組合の意見を聞いた上で決めた数になっている。
【委員】
自然の生態系を守っていくのには、どれだけの個体数がいるのがバランスがいいのか、数値として持っているべきである。去年160頭捕ったから200頭でいいといって、もし1,000頭生まれていたら、800頭増えてしまい、10年で8,000頭も増えてしまう。今どのくらい生息していて、どれくらいの生息数であれば、他の生態系に影響を及ぼさないかというものを、シカにしろイノシシにしろ全部調査して進めていかないと、バランスが崩れてしまう。えさとなるべき植物がないために他の物を採って食べた結果、他の生態系に影響が及んで、他の植物や動物が減ってしまったら、自然保護にならない。自然保護団体の人たちはとかく守ればいいとか、捕るなとか、そのままにしておけと言っているが、かえって生態系のバランスを崩すことが結構ある。ジャングルのように最初から人の手が入っていないところは、そのままにしておいて、その中の生存競争で弱いものは死んでいくといった具合で、バランスが取れているかもしれないが、今問題となっているのは里山であり、いろいろな面で人間が手を入れてきたゆえに、バランスがとれていたのである。
先日テレビで見たが、伊豆の里山でシカが大繁殖して、木の皮などを全部食べてしまい、本来ならば雑木林になるはずだったのが、下草も生えてこないような状態になり、大雨が降ると土砂崩れが起きる危険性があるとのことである。シカが増えすぎたためにこのような状態になっており、愛知県でもいつそうなるかわからない。シカが山から下りてきて名鉄電車とぶつかったり、牛ぐらいの大きな個体が道路を横切ったりなど、東名高速道路や1号線の山手側でそういう状態になっている。イノシシに関しても同様である。
サルがもし東名高速道路の海辺側に来たら、蒲郡のみかんは全部やられてしまう。サルは学習能力があるから、食べ物がなくなったから来るのではなく、山の小さなどんぐりを食べているよりも、山から下りてきて農作物を食べているほうが、おいしいし栄養があるから来るのである。そういうものばかり食べているので、繁殖力が旺盛になり、昔は少ししか子を生まなかったのに、今はたくさん生んでいる。
もうひとつは、西三河で一時イノシシとブタを交配したイノブタを飼っていたが、逃げて、野生のイノシシと交雑した。10頭から12頭も子を生むブタの遺伝子が入っているため、子をたくさん生むイノブタの流れをくむイノシシがその地域でものすごく繁殖してしまった。こういった状況を知っているか。
【理事者】
指摘の件は、十分承知している。現在の調査でも、イノシシが平均四・五頭の子を生むという結果になっており、非常に多産化が進んでいることも市町村から聞いている。全国的に見ても、特にシカ、イノシシが非常に増えているのは事実であるため、現在、生息数予測調査をやっているところであるが、できる限り正確なものとなるように努め、次期計画においてきちんとした捕獲数を計画していくとともに、荒れた里山をいわゆるバッファーゾーンとしてきちんと整備して、人の住むところに出てこないようにする必要もあると思っている。
なお、バッファーゾーンとしての里山管理は、先ほど取り上げられた生態系ネットワーク事業の中で進めていきたいと考えている。
【委員】
豊田でもイノシシのおりにクマが2度も3度も入っている。これまでクマは出ないと言われていたエリアにクマが出ており、先ほどのポテンシャルマップを見ていて、安心だなと思っているところにクマが出ることもあるから、しっかりと現状把握をしておかないと、折角お金をかけて作っても、無駄になってしまう。イトトンボなどであればいいが、有害鳥獣にあたるような動物は、レッドデータブックの希少動物とは反対の、あり余った動物になっており、人間が作った農作物をみな食べてしまい、そこでは人間のほうが希少動物になってしまって、守ってやらないと絶滅する可能性がある。
ぜひ、個体調査はやってもらい、適正な頭数をきちんと示して、捕獲を進めてほしい。猟友会と各市町が有害鳥獣駆除のためのおりを仕掛けているが、11月15日の猟期の前におりで捕ってしまうと、鉄砲で撃つものがなくなってしまうからといって、解禁前はおりを閉めさせている。しかし、実態は、ものすごい数がいて、わなに何十頭とイノシシが入るが、少しも減らない。
この事業が、環境部でなく農林水産部にあれば、もっと捕れと言うが、環境部にあるので言いにくい。確かに自然の形態を守るのはいいが、折角作った農作物を荒らされてしまっている。一生懸命に働いて生産したものを守ろうとする部と、動物を守ろうとする部では意識が違っているので、しっかり考えていただきたい。そこで生活している県民にとっては、環境部も農林水産部も関係なく、愛知県がという話になるので、連携をとりながらきちんとした対策をすることを要望する。
【委員】
決算に関する報告書55ページのあいちゼロエミッション・コミュニティ構想事業化推進費について、この事業は平成19年に始まり、廃棄物やバイオマスなど地域の未利用資源やエネルギーを地域内で循環利用させる取組を進めていると聞いている。この構想の九つの事業モデルについて、検討中のものも含め進ちょく状況について説明してほしい。
【理事者】
構想にはその実現に向けて全部で九つの事業モデルを掲げており、これまで名古屋駅前地区の業務用ビルの冷暖房施設を配管で結び相互に熱を融通する事業、廃パレットや建築材等を炭化し製鋼工場の燃料として利用する事業、畜産廃棄物をたい肥化し耕作放棄地で利用し、家畜飼料原料となる資源作物を栽培し販売する事業の3事業が動いている。
今年度は、建設系の混合廃棄物を回収し、選別して再資源化を図り、残りの可燃物をサーマルリサイクルする事業、事業場から廃油を回収し、機械の作動油を製造、販売する事業の事業化などを循環型社会形成推進事業費補助金を活用して支援している。
また、工場から排出される熱の再利用、下水汚泥や食品残さからエネルギーを取り出す事業の具体化の検討を進めている。この構想の中心は民間企業であり、事業採算性を確保できるものでなければ持続しないため、県としては、産官学のネットワークを形成し、企業が参入しやすいモデルの具体化に引き続き努めているところである。
【委員】
当事業については、以前から聞いており勉強したが、すばらしい発想の事業が多々あると思う。採算性を最初から柱にすえるという点も行政としては珍しい。短い期間の中で事業がいろいろ進んできており頼もしく感じている。
そこで、決算に関する報告書56ページの畜産バイオマス地域内循環推進費の事業内容について説明してほしい。また、その事業の成果を生かして、現在どういう取組が行われているのか聞きたい。
【理事者】
本事業は農業、畜産業のバイオマス利用ネットワーク事業の一つである。昨年度、知多地域において、国とタイアップして、モデルの事業化可能性を探るための実証事業を行った。事業予算615万余円は、実証事業が円滑に行われるための進行管理、そしてその成果をまとめるための経費に活用した。
実証事業の内容は、知多地域の家畜排せつ物をメタン発酵し、発酵消化液や畜ふんたい肥を耕作放棄地に散布して、家畜飼料やアルコール原料となるコーリャンやいもなどの資源作物を栽培するといったものである。更に作った飼料のブランド化を検討した。
この実証事業により、耕作放棄地を活用して資源作物を栽培する事業の採算性を含めた実現可能性を見出すことができたので、本年度と来年度の2年間、知多半島の6市町、半田市、知多市、常滑市、東浦町、阿久比町、美浜町で耕作放棄地約二十数ヘクタールを借り、そこに地元企業の参入を求め、家畜排せつ物由来のたい肥を活用し、コーリャンを中心とした栽培事業を進めている。

畜産バイオマス地域内循環推進事業
【委員】
資源循環というと、かつてはいい啓発ではあったものの、理論・構想ばかりであったが、ここにきて実施段階に入ってきた。民間企業もかかわってくることであり、PRもしっかりやって進めてほしい。
( 委 員 会 )
日 時 平成22年11月9日(火) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
小出典聖、木藤俊郎 正副委員長
倉知俊彦、小林 功、沢田丸四郎、神戸洋美、坂田憲治、
黒川節男、渡辺まさし、西川厚志、谷口知美、天野まさき 各委員
教育長、教育次長、管理部長、学習教育部長、生涯学習監、
環境部長、同次長、技監、地球温暖化対策監、資源循環推進監、
会計管理者兼出納事務局長、出納事務局次長兼管理課長、代表監査委員、
監査委員事務局長、同次長、関係各課長等

委員会審査風景
<付託案件等>
○ 決 算
決算第1号 平成21年度愛知県一般会計歳入歳出決算
歳出第5款環境費及び環境部に関する歳入
歳出第11款教育費及びこれに関する歳入
<会議の概要>
Ⅰ 教育費関係
1 開 会
2 決算概要の説明
3 質 疑
4 休 憩(午後2時44分)
Ⅱ 環境部関係
1 再 開(午後2時55分)
2 決算概要の説明
3 質 疑
4 閉 会
(主な質疑)
《教育費関係》
【委員】
決算に関する報告書283ページの児童生徒学習支援事業費について、事業内容を説明してほしい。
【理事者】
大きく分けて2つの事業を実施した。一つ目の学習チューター派遣事業は、教員志望の学生等を学習チューターとして活用し、きめ細やかな指導や、障害のある子への支援をすることで、学習上のつまずきの解消や学習意欲の向上を図るとともに、チューターである学生自身が、将来教員になることに向けての資質向上につなげるものである。
二つ目の「その道の達人」派遣事業は、各分野の第一線で活躍している人材を小中学校へ派遣し、児童生徒が通常の授業ではなかなか触れることのできない内容を知ったり、体験したりすることで、学ぶことの意義、楽しさを味わせるというものである。
【委員】
その道の達人として具体的にどのような人材が派遣されるのか。
【理事者】
例えば、落語家を「お話の達人」として派遣し、聞き手を意識した言葉の伝え方などについて学習をしたり、企業の方や大学教授など幅広い分野において活躍している人を、それぞれ「ロボットの達人」、「おもてなしの達人」、「動物の達人」などとして派遣している。

「その道の達人」派遣事業の授業風景
【委員】
楽しそうな授業が想像されるが、子どもたちの様子や成果はどうであったか。
【理事者】
学習チューター派遣事業については、学習チューターが教室内を巡回する中で、児童生徒が集中して授業に取り組める、個別指導によりつまずきの解消が図れるという成果があった。学習チューター自身にとっても、実際の教育現場で活動することによって指導の方法、児童生徒への声掛けや接し方など多くのことを学ぶことができたとの報告があった。
「その道の達人」派遣事業については、児童生徒へのアンケートによると、初めて知ったことや驚いたことが非常に多かったとの感想があり、達人の知識や技能に驚いたり、達人の生き方に迫ったり、大変有意義な授業展開ができたと考える。
【委員】
普段と異なる授業により子どもたちに刺激を与えたこと、また、学習チューターにとっても、子どもたちから学ぶことでお互いにプラスになったということであり、今後も続けてもらいたいと思う。
次に、決算に関する報告書285ページの心豊かな児童生徒育成推進事業費のうちスクールカウンセラー設置事業について、スクールカウンセラーの活動状況について説明してほしい。
【理事者】
平成21年度は、すべての中学校303校、小学校は拠点校70校に配置し、充実した相談活動を進められるよう努めた。相談状況については平成20年度と比べると、中学校では約3,400件増加して52,135件、小学校では前年度とほぼ同じで11,727件、合計64,000件程度であった。年々相談件数が増加しており、スクールカウンセラーへの期待が一層高まっている。
【委員】
配置による効果にはどのようなものがあるか。
【理事者】
スクールカウンセラーにかかわった不登校の子どもたちのうち、約60パーセントが学校復帰等の良い方向へ進んだ。例えば保健室登校だったのが学級で授業を受けられるようになったり、毎月の欠席が少しずつ減ったりという効果があった。スクールカウンセラーにかかわることで、子どもたちが心を安定させ、不登校改善につながっていると考えられる。
【委員】
今後どのような配置計画を考えているか。
【理事者】
平成21年度の小学校における設置は70校だが、拠点校ということであり、実際にはすべての小学校へ巡回している。平成22年度は拠点校が74校増えて144校となっている。今後もより充実した相談活動が実施できるよう適切な配置に努めていきたい。
【委員】
先日、群馬県において小学生のいじめによる自殺があった。群馬県に引っ越す前は、愛知県に住んでいたということであり、人ごとではないという気がした。スクールカウンセラーが充実していればそのような悲しいことにはならなかったのではと思う。
スクールカウンセラーを全校に配置してもらいたいという保護者の強い要望があるとも聞いている。今の子どもたちは先生、友達、親などのだれにも相談をせず黙っていることが多い。本来は家庭において悩みが打ち明けられ、親などに温かく包んでもらうべきだろうが、今はそのシステムが崩れている。そういったところに、行政側ができる部分で、もっと手を差し伸べてあげることが大切である。スクールカウンセラーの配置が順調に進んでいくように、また、その資質向上にも重点を置いてもらえるようお願いする。
【委員】
決算に関する報告書282ページのへき地教育振興費補助金について、近年の補助金額の推移を教えてほしい。
【理事者】
平成18年度980万3,000円、平成19年度787万2,000円、平成20年度640万5,000円、平成21年度は396万4,000円である。
【委員】
年々大幅に減っている。愛知県としてこの補助金を出すにあたり、へき地教育の意味をどうとらえているか。
【理事者】
へき地を大切にしたいとの思いがあり、限られた予算の中で精一杯の事業ができるよう努力したいと考えている。
【委員】
限られた予算の中で精一杯の努力をするのは現場であり、県としては補助金を出すということがフォローになると思う。現場の気持ちをもう少しくんだ方が良いのではないか。もともと予算が少ない中、このように目減りしていくと、そのうちになくなってしまうのではないかという気持ちになる。県内のどこに住んでいても等しく大切にしてもらいたいと思う。また、事業については市町に任せるのではなく、県として支える必要があると思うので、配慮してもらいたい。
次に、決算に関する報告書286ページの外国人語学講師配置事業費の二つの事業について説明してほしい。外国青年語学講師配置事業は、英語教育の充実に資するため海外から英語講師を招致したということだが、外国青年語学講師はどこで何をどのようにやっている人なのか。また、在県外国人語学講師配置事業はALT(外国語指導助手)のようなものか。
【理事者】
外国青年語学講師配置事業は、海外から招いた講師を常勤として県立高等学校等へ配置する事業である。在県外国人語学講師配置事業は、愛知県内にいる外国人を非常勤として雇い入れ、学校へ配置するものである。
【委員】
外国青年語学講師は、海外からわざわざ青年限定で招くということなのか。
【理事者】
昭和62年度から国及び自治体国際化協会の協力の下に地方公共団体等が実施しているもので、自治体から講師が何人必要であるとお願いをすると、あっせんしてくれるものである。文字通り、外国に住んでいる青年が日本に来て英語を教えるという事業である。
【委員】
平成23年度から小学校5、6年生で外国語活動が必修となる。公立小学校の英語教育の充実に資するということだが、小学校にも行くのか。
【理事者】
中学校も含めてであるが、2名が小学校へ派遣され指導に行っている。
【委員】
小中学校だと市町村が負担する場合が多いと思うが、県としてもフォローしてもらいたい。また、小中学校と高校との連携の中で、うまく活躍してもらうことも考えてもらいたい。外国語活動の指導について不安に思っている先生も多いようなので、本事業の活用をお願いしたい。
次に、決算に関する報告書291ページの小学校費、中学校費の人件費に関連して聞く。平成18年度から発達障害の児童生徒についても通級指導ができるようになったが、その指導形態について教えてほしい。
【理事者】
通級による指導は週1時間から8時間行っている。LD(学習障害)及びADHD(注意欠陥、多動性障害)の教室は、平成18年度7教室、平成19年度14教室、平成20年度24教室、平成21年度39教室、平成22年度73教室である。
【委員】
平成21年度及び22年度の小学校と中学校の内訳を教えてほしい。
【理事者】
平成22年度のLD及びADHDの教室は小学校70教室、中学校3教室である。平成21年度は小学校3教室級、中学校1教室である。
【委員】
中学校への配置が少ないようだが、配置の考え方はどのようか。
【理事者】
ニーズに基づいている。発達障害の子は小さいうちに学習習慣を身につけさせたいとか、LDの子だと独特な読み書きの方法があるため、早いうちに身に着けさせたいという要望が多い。
【委員】
小学校低学年においてきちんと指導すると効果があるというのも分かるが、小学校で通級指導教室に通っていたのが、中学校で急になくなってつらい思いをする子がいたり、通級指導教室がある学校へ遠くから通学しているということもある。バランスもあるとは思うが、中学校のニーズを把握し支えてもらいたいし、数も増やしてもらいたい。
【委員】
決算に関する報告書293ページの高等学校整備費のうち耐震改修費に関して、現在の改修率はどうなっているか。
【理事者】
平成22年4月1日現在、高等学校66.1パーセント、特別支援学校94.6パーセントで県立学校全体では70.6パーセントである。
【委員】
体育館や武道場も含めた全体での率か。
【理事者】
そのとおりである。
【委員】
耐震診断が6校とあるが、どういった耐震診断をしているか。
【理事者】
耐震診断は基本的に終わっているが、耐震診断基準が一部緩和されたため、一部の棟について耐震診断を実施したものである。
【委員】
どういった点が緩和されたのか。
【理事者】
2階建て以下の建物だと、3階建て以上の建物に比べ、通常、柱が細くなる状況にある。そうすると柱と窓の間に壁ができるケースがあるが、従来の耐震診断では耐震壁とみなされなかったそで壁が、今回の基準緩和で耐震壁としてとらえられるようになった。
【委員】
まだ70パーセントという状況なので、積極的に進めてもらいたい。
【委員】
決算に関する報告書292ページの高等学校費に関連して、中途退学者の数と推移について教えてほしい。
【理事者】
県立高等学校全日制・定時制合わせると、平成18年度が2,599人、率で2.2パーセント、平成19年度2,341人、2.0パーセント、平成20年度2,272人、2.0パーセント、平成21年度1,795人、1.6パーセントである。
【委員】
減少傾向でありいいことだと思うが、特に多い学校というのはあるのか。
【理事者】
最も多いところで70名ほどである。
【委員】
70名が中途退学するのは異常である。どうしてそれほど中途退学者が多いのか。中途退学者に何か特徴があるか。
【理事者】
多くは学業不振で年度末に退学する。他には、学校を続ける熱意が続かないという学校不適応、就職を含めた進路変更が理由として多い。
【委員】
何か対策はあるか。
【理事者】
学校としては続けてほしいということで対応している。授業が分からないということに対しては、習熟度別指導や少人数指導等を図りながら、授業がより分かりやすくなるような形をとっている。なお、それには人が必要なので、教員の加配を行っている。また、生徒自身が悩みを抱えているので、悩みを聞くのに担当の先生だけではなく、スクールカウンセラーも有効な手立てとして派遣している。
また、何よりも学校に魅力があり、そこで学ぶことが楽しいと思ってもらうことが大切であると考えている。そのために学校をなるべく地域に開き、地域の中で自分たちの活動が認められていることが、学校の活性化につながるように、県教育委員会としていろいろ話をしながら、地域に根ざした学校になるように努力したい。
【委員】
統合問題のときに、地域が学校を残してくれ、一生懸命やると言ったのだから、地域が責任を持たないといけない。苦労してようやく生徒を集めても、どんどん退学してしまっているのが現実である。今になって、学校を残さなかった方がよかった、残したのは間違いだったと言う人までいる。また、地域の父母からは、あんなところには行かせたくないとの声も聞かれる。地域の意向をくんで、教育委員会も学校を残した以上、その経緯を踏まえて、地域の中学校担当者、教育委員会、市長と学校を守っていくための話をしなければならない。どうか地域に誇れる立派な学校にしてもらえるようお願いしたい。
【委員】
決算に関する報告書302ページの文化財保存修理費補助金に関連して、県指定の文化財はどんなジャンルで何件くらいあるのか。
【理事者】
平成22年8月末現在、建造物・絵画・彫刻等の有形文化財427件、無形文化財2件、民俗文化財は有形・無形あわせて69件、史跡・名勝などの記念物109件、合計607件を県指定文化財として指定している。
【委員】
607件中で修理が必要なものは限られているとは思うが、それにしても決算額が5,000万円程度とは一けた違っているのではないかと思った。これでやっていけるのかと聞くと、答えに窮すると思うが、補助金が必要で修理待ちをしている件数はどのくらいあるのか。
【理事者】
資料は持ち合わせていないが、県指定に限定すると、希望があったところについて内容等精査し補助をしている。平成21年度は最終的に13件に補助金を支出した。
【委員】
順番待ちがあまりないように聞こえるが、実際には希望はあると思う。大事な分野なので、限られた予算でしかやれないとは思うが、しっかりやってもらいたい。
次に小学校費、中学校費、高等学校費の関連で、教職員の不祥事における懲戒処分の状況について説明してほしい。
【理事者】
懲戒処分を行った者は、平成20年度3名、平成21年度13名であり、近年増加傾向である。処分の内訳は、平成21年度はわいせつ行為7件、交通死亡事故、交通違反、器物損壊、銃刀法違反それぞれ1件、その他2件である。
【委員】
教員は4万数千人いるので、率からすれば少ないとも言えるが、教員という立場を考えれば、あってはならないことばかりである。一番の問題は、潜在的にはもっとあるということを本当に認識しているかということである。潜在的には相当あるとだれしも思うことであり、来年度0件という結果が得られても、たまたま0件であって、教員全員に全く不祥事がなかったとは、世間ではだれも信じない。不祥事を起こした少しの人のために、そういうところまできている。教員というものは、わいせつ行為やセクハラを最もしてはならない。いろいろな手立てを講じて、0件を何年も続けられるようお願いしたい。何か対処していることや決意があるか。
【理事者】
不祥事が起こる度に通知を出して、校長先生から現場の先生に伝えてもらうように指導している。また、平成22年3月には黄色の名刺大のチェックカードを作成し、全教職員に配付した。更に、11月を不祥事防止月間とし、1件でも減らせるよう努力している。
【委員】
私もカードを見たが、教育大学などを出て、難しい試験に受かった人が、小学生が読むような内容のものを渡されて、多くの教職員にとっては申し訳ないが、何とも言えないむなしさがある。
次に、昨年の今ごろ、新型インフルエンザが大流行し、対処、予防で大変苦労したと思う。小中高で亡くなった児童生徒はいなかったと思うが、重症者は私の住んでいる町にもいた。り患した子どもはどのくらいの率だったか。
【理事者】
患者数は、発生当初は全数把握していたが、流行後は集団把握へと変更されたため、実数は把握できていない。ちなみに、臨時休校の実施状況は、名古屋市を除く小学校723校中671校で、率は92.8パーセント、中学校303校中288校、95.0パーセント、高等学校152校中132校、86.8パーセントであった。
【委員】
学級閉鎖の数はあまり意味がない。昨年と同型のものがはやるかは知らないが、数を把握することが大事なのではないかと思う。また、昨年の流行時において修学旅行などはどのように対処していたのか。
関連して、公立高校の修学旅行の目的地はどういうところが多いか。
【理事者】
修学旅行におけるインフルエンザの影響については、5月から6月に大阪を中心に修学旅行地として通ってはいけないということになり、その方面を目的地の一部に含んでいた学校が、国内旅行で9校、また、海外旅行で1校延期をした。なお、結果的にはすべての学校で年度内に当初の目的地で修学旅行を行うことができた。
また、平成21年度の国内修学旅行で一番多い目的地は沖縄で41校、次に中部地区32校、北海道28校である。
【委員】
中部地区はスキーか。
【理事者】
そのとおりである。
【委員】
スキーに二・三日行くのが修学に値するのか。値するのならばどういう意義立てがあるのか。
【理事者】
スキーの場合、一・二日ではなかなか技術は向上しないが、3泊4日程度行くとかなり上手になる。私の勤めていた学校でも3泊4日のスキー修学旅行があったが、スキー場へ行ったことがない全くの初心者でも最後の日には大抵の先生より上手に滑っている姿を見ると、生徒たちにとってスキー修学旅行は非常にいいという感想をもった。
【委員】
それがスキー修学旅行の意義ということか。
【理事者】
意義は、雪のあまり降らない地域から雪がたくさんある地域に行って、自然体験、運動の喜びを感じるということがまずある。また、同じ宿泊先で二・三泊するため、落ち着いた状況の中で、集団生活や社会生活のルールを指導することができる。
【委員】
小・中学校で修学旅行でスキーに行っているところはあるか。
【理事者】
小学校・中学校で修学旅行としてスキーに行っているところはない。
【委員】
決算に関する報告書284ページの愛知スーパーハイスクール研究指定推進事業費について、何年計画でいつまでの事業か。
【理事者】
平成20年度から22年度までの3年間の事業である。
【委員】
3年目がもうすぐ終わろうとしているが、どのような成果があったか。
【理事者】
学校に活気が出て、生徒にもやる気が出たという効果が生まれている。大学との連携の中で高度な実験を行ったり、スーパーカミオカンデの見学に行ったり、校内で実験講座を開設したり、新しい機器等を取り入れた実験実習の方法等を開発したりできた。科学オリンピックへの参加者も増えたと聞いている。
【委員】
15校で実施したとのことだが、対象生徒は学校全部なのか希望者だけなのか、あるクラスだけが指定されたのか。
【理事者】
事業の目的に沿って、例えば自然科学教育分野であれば理系の生徒を、芸術教育については該当するコースの生徒を対象に実施した。多くの学校では校内で発表会などを行い、全生徒が知ることのできるようにやっているが、研究そのものは一部の生徒が対象である。
【委員】
国のスーパーサイエンスハイスクールとの違いは。
【理事者】
スーパーサイエンスハイスクールは平成14年度から事業が行われ、愛知県で3校指定されている。こちらの方が大規模である。愛知スーパーハイスクールは、自然科学分野や芸術分野でこういう研究をしたいというものを申請してもらい、その内容で行われている。
【委員】
国の事業は科学技術だけだと思うが、「大規模」というのは対象が大きいのか、より高度な研究をさせているのか、どちらか。
【理事者】
スーパーサイエンスハイスクールは国の研究指定であり、かなり高度な内容を行っている。愛知スーパーハイスクールも同様に高度な内容を行っている学校もある。また、国は科学だが、県は芸術やコミュニケーションといった分野も研究している。
【理事者】
スーパーサイエンスハイスクールは、自然科学を中心に理数教育に特化し、かなりの投資をして教育環境整備及び指導力のアップを図っている。本県では県立高校で3校指定されており、岡崎高校などでは7年で1億円近い投資をしている。大学で使うような最先端の研究機器も含め整備し、東大・名大などの研究機関の指導も受け、その分野において高い資質、能力があると思われ、またその分野で頑張りたいという生徒に学習機会を提供している。他の2校についても同様に行っている。なお、県内の私立学校及び名古屋市立学校も1校ずつ指定されている。
それに対し、愛知スーパーハイスクールは、自然科学に特化せず、教育課程については、各学校で、自然科学や英語、コミュニケーションなどの分野で既存の授業の延長線上の中で、国のようには投資できないので、それらの取組が他校にも活用できるという前提で進めている。また、部活動部門については10校あり、全国大会を目指すという前提で、比較的レベルの高い学校について、そこでの指導方法も含めて他校に還元できる要素があるという前提で選定をし、3年間研究を行っている。
【委員】
金額の点でも1校で1億円かけているものと、15校で2,000万円のものとは全く別物であると理解する。
関連して、こういった学校で勉強したいという子は、まず基礎学力ができていないと全くダメである。今、一番問題になっているのは、小中学校で基礎学力が身についているかということで、ここのところがあやふやになっている。学校の勉強にプラスして塾などへ行ってある程度もまれてこないと、こういう学校へ行けないという現状がある。基礎学力の習熟度を上げるために小学校1、2年生及び中学校1年生を少人数学級にしたはずであるが、現状、クラスに様々な習熟度の子がおり、基礎学力をしっかり身に着けたいという前向きな子がいる一方、そうでない子もいる。学習についていけず飛び出してしまう子、授業を妨害してしまうような子もいる中で、優秀な人材を育てていくために、基礎学力を学校の教育として、どこまできちんと身に着けさせなければならないと考えているか。
【理事者】
高等学校の教育課程は中学校の基礎学習の上に成り立つが、現在、本県では、小中学校において少人数学級と少人数指導を合わせる形で、できるだけ多くの生徒たちがそれぞれの力を伸ばせるように進めている。しかし、学習段階を経る中で基礎学力にも一定の差は生じてくる。
中学校1年生では、少人数学級により小学校から中学校へのつなぎの部分を個別に配慮できるように指導を進めている。2、3年生になると生徒たちは将来の自分の進路選択とあわせて学習を進めていくこととなり、中学校もそれに応じた形でそれぞれの生徒の状況に応じながら、個別指導も活用しながら指導に努めている。すべての子どもたちのニーズに対応できているか、個々の状況にあった指導ができているかというと、課題はあると思うが、学習学力状況調査等においても本県は中学校の数学などで全国的に高い状況にある。
高等学校については、入った生徒の学力に応じた教科書、指導法を使いながらそれぞれの学校が工夫しながらやっており、生徒の基礎学力を見ながら指導のあり方を考えるということでそれぞれの成果が出ていると受け止めている。
【委員】
本県が高いというのは平均値か、学力が上の子のレベルが高いのか。
【理事者】
平均値としてである。数学については比較的平均値が高い。高等学校に関しても、個別の調査に関して数値があるわけではないが、スーパーサイエンスハイスクール等の取組も含めて、全国的に、意識も取り組む内容もレベルが高いと認識している。昨年度スーパーサイエンスハイスクールと愛知スーパーハイスクールで自然科学を扱っている学校、その他県立及び私立で理数教育に力を入れている学校を集めて、全県で発表会を行った。生徒の研究発表について地元の大学の先生方やスーパーサイエンスハイスクールの主催機関であるJST(独立行政法人科学技術振興機構)の担当者から、レベルが高い、ぜひ続けてほしいという話をいただいた。それを踏まえて、今年度、理数教育推進事業を更に他校にも広めることを進めている。本県として、特に上位層を伸ばすという点で一定の成果が出ていると考えている。
【委員】
今年度、科学オリンピックが日本で行われたと思う。以前は日本の高校生が金・銀メダルを獲得していたが、最近10年くらいの傾向では中国、韓国、インドが取っている。中国では、金メダルを取った生徒を指導した教授は報奨金として年俸以上のお金をもらえると聞く。国をあげて優秀な科学者を育てようと頑張っている。なぜかと言えば、この子たちは、必ず将来、科学技術分野において活躍をして、国力増強につながるからである。産業競争に勝てる要素を作って、社会貢献をたくさんしてくれることとなる。こうした取組がないと国力がどんどん下がって、世界の産業の競争に負けてしまう。よって、将来必ず社会貢献してくれる子を、きちんと育てていかないといけない。予算書、決算書を見てもそういう部分が出てこない。どちらかというと、いじめとか不登校とか情緒不安定とかの内容が多く、将来社会に貢献、還元してくれることとなる、一生懸命頑張っている子どものことを考えているのかと若干心配していたので、スーパーサイエンスハイスクールや愛知スーパーハイスクールの取組を聞き少し安心した。下も上も両方やってほしい。下もきちんとやらなければならないが、下に気を取られてばかりではなく、上の子がもっと力を伸ばせるような施策も当然取っていかなくてはならない。
もう一つ、学校だけではなくて家庭教師についたり塾に行っている子が多い。そうすると、ある程度経済的に余裕がなくてはできないということになり、それは大変なことである。奨学金とかではなく、塾に行かなくても学校の中でしっかり勉強できれば、経済的に豊かでなくても、それなりの能力を持っていて、頑張れば科学者になれる、ノーベル賞も取る可能性がある子をつぶさなくてすむ。我々やノーベル賞を取った人の世代には、学校で先生の話をきちんと聞いていた子が今より多かったと思う。人数が多くても、基礎学力をきちんと身に着けて小学校を卒業して中学校へ行った子が多かったから、ノーベル賞を取ることもできると思う。
現在産業立県と言われている愛知の産業を将来支えていくという意味で、また、知の拠点という科学技術交流センターもやろうとしている中で、研究者を自前で育てていくことが大事なことだと思うので、ぜひそういった点を意識しながら教育行政をやってもらいたい。
【理事者】
教育委員会としては、障害があろうとなかろうと、どの学校へ通っている生徒でも、一人ひとりが能力や可能性を持っているということを前提に、その子を伸ばすということがまず基本にある。例えば理数分野について資質を持った生徒に対して、国家的なニーズ、将来へ向けた期待も踏まえた上で、スーパーサイエンスハイスクールなどの特定の学校だけにとどまらず、他校にも可能性のある生徒がたくさんいるので、そういった生徒にもそれにふさわしい指導の機会をあたえることができるように、これからも工夫していきたい。
【委員】
55年くらい前は、日本は資源がないが、優秀な民族で、勤勉で頭がいいから、原材料を輸入していい製品を作って、一等の国になると言われていた。それが、最近ではそうでなくなり、資源もない、能力もないでは、どんどん国のレベルが下がっていくより仕方がないということになってしまう。教育は将来の人づくりということをしっかりと頭に入れて、教育行政をやってもらいたい。
【委員】
決算に関する報告書281ページの学校教育指導費のうち高等学校等奨学金貸付金について、想定している借り手の使途及び実際の使途について、国公立と私立では傾向が違う場合があると思うのでそれぞれ教えてほしい。
【理事者】
奨学金の積算については、文部科学省が2年に1度、子どもの学習費という調査をやっており、公立高等学校では授業料、教科書、クラブ活動費のような学校教育費に年間35万円必要という調査結果が出ている。そのうち12万円は授業料、23万円は教科書などの経費である。奨学金は授業料を除いた残りの部分に貸与することになっているため、現在、授業料の無償化により、奨学金があれば高校には通えるということになっている。私学は授業料が36万円、その他の経費が36万円ほどかかる。
制度設計上は授業料以外の学校教育費に充てることを想定しているが、授業料以外の経費に充てなければならないという指定はしていない。
【委員】
平成22年4月から高等学校の授業料無償化が始まった。奨学金は授業料以外に充てるとのことだが、実際の使途は調べておらず、授業料に充てている可能性もある。奨学金制度をこのまま維持していくとすると、その点について平成22年度予算へはどのような考えで反映させたのか。
【理事者】
平成21年度は9億3,000万円で貸付対象者は3,077名。平成20年度は2,631名であり500名伸びた。平成21年度は9月補正で3,000万円増額した。平成22年度は10月末の段階で3,276名、昨年度から更に200名くらい伸びている。授業料無償化はありがたいが、それ以外にも経費はかかり、引き続き奨学金が必要であるとの要望があるため、制度的には同じように維持していきたいと考えている。
【委員】
授業料が無償化されても、制度を利用して生活困窮者を助けるという考えはよくわかるが、授業料の無償化により実際に学校で学ぶにあたり必要な経費は賄われており、あとはそれに付随する経費であって、教科書代がいくらかかるからこれだけ貸し付けるといった具合に、使途目的を明確化して貸し付けた方が、毎月定額を貸し付けるよりも、借り手の責任も明確化され、よいのではと思うがどうか。民間の貸し方を見るとアバウトではなく、具体的に目的を絞っていくら貸すかを決めている。
【理事者】
貸付の対象は高校生であり、家庭の事情等で細かい話をすると申請しづらいことがあるかも知れない。したがって、奨学金は、民間のそれとは少し異なり、できるだけ生徒が借りやすい形で制度を作ってきた。個別の実費経費で確定して、翌年度や年度途中に貸付額を査定をするというやり方については、なおしばらく考えていく必要があると考えている。
【委員】
貸付けに対して返還滞納割合はどれくらいか。
【理事者】
まず未収金の金額は、平成21年度は3,600万円。平成20年度が1,500万円なので、2,000万円以上増加した。回収率は73.0パーセントであり、前年度は81.0パーセントであったので、約8パーセント下がっている。未納者については、夜間の電話督促や文書督促、自宅訪問をしてようやくこの数値に落ち着いている。
【委員】
保証人への督促はどの段階でかけるのか。
【理事者】
保証人は親権者でも構わないことにしているので、その場合は未納の段階で自宅へ電話をして、親権者である保証人にも話をする。保証人が第三者の場合には、少し時間を置いてから事情を説明し、本人に対して返還するよう説得してもらう。それでも返還されないようであれば、保証人から返還してもらうようにお願いしている。
【委員】
315ページの愛知県私学振興事業財団補助金の中で、私立学校奨学資金借入金利子補給、320万余円とあるが、これは、教育委員会の奨学資金の上乗せとして理解してよいか。
【理事者】
これは高等学校等奨学金の上乗せではない。教育委員会の奨学金が生活保護世帯の2.0倍までの所得の方を対象にしており、こちらはそれを超す2.0倍から2.5倍のところを対象にしている。対象者の数は非常に少ない。
【委員】
対象者数はどのくらいか。
【理事者】
昨年度の実績は145名である。
【委員】
ホームページで見たが、貸付基準に人物等が優れている者に貸し付けるとあるが、実際、人物的に優れた人にしか貸さないのか。これは生活困窮者を救うという目的からは外れてくると思うが。
【理事者】
この奨学金は愛知県私学振興事業財団で実施しているものだが、学校長の推薦をいただくことになっており、その人物評価は、現場の学校長に任せているところである。なお、所得は610万円を超え750万円あたりの者で、授業料軽減でいえば乙Ⅱの区分にかぶる者である。
【委員】
人物等の基準により借りたいのに借りられない人はいたのか。
【理事者】
だれがだめだったかという資料は手元にない。
【委員】
生活困窮者を助けるという目的があるので、能力的な優劣のみで判断するのはどうかと思う。
《環境部関係》
【委員】
決算に関する報告書48ページのあいち森と緑づくり税を活用した事業はどのようなものか。
【理事者】
森や緑は自然環境の保全や災害防止など多様な公益的機能を有しているが、近年、森林の荒廃や都市の緑の減少・喪失が進み、それに伴い公益的機能の低下が危ぐされている。
こうしたことから、新たな税として平成21年度からあいち森と緑づくり税を導入したものである。
税の使途としては、森林保全ということから人工林の間伐や里山林の整備、更には都市の緑化を進めている。
税の活用については、こうした行政が行う森林間伐や街路樹整備などのハード事業だけでなく、県民の方々が森と緑の大切さへの理解を深め、森と緑づくりに直接参加することも大事であると考えている。このため、税の一部を活用して、森や緑に関する環境保全活動を行う団体への支援や環境学習の推進などの事業を助成し、森と緑づくりを効果的に進めていきたいと考えている。

あいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業
【委員】
環境活動や環境学習推進事業の実施状況はどのようであったか。
【理事者】
平成21年度は78事業の応募があり、あいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業審査委員会での審査を経て45事業を採択し、年度内にすべての事業が完了した。なお、審査に当たっては、事業の趣旨に合致し、かつ効果的であるか、事業を通じて波及効果があるか、創造性・発展性があるか、地域特性が十分であるか、実現可能性があるかといった5項目の審査基準を設けて審査を行い、優先順位をつけた。
【委員】
事業の応募や採択の結果は公表されているのか。
【理事者】
平成21年度は8月7日に交付先の団体名や事業概要を公表している。また、波及効果を期待して県のホームページに掲載している。
【委員】
事業が更に活性化されていくことを期待する。
次に、決算に関する報告書56ページのグリーンニューディール基金事業とはどのようなものか。
【理事者】
環境問題と経済問題の2つの危機が迫る中、環境・エネルギー対策と景気刺激策とを融合する「グリーン・ニューディール」政策について、米国のオバマ大統領が提唱し、わが国においても、平成21年4月に日本版グリーン・ニューディールともいうべき「緑の経済と社会の変革」が示された。
これを受け、第1次補正予算で国から交付された地域環境保全対策費等補助金8億5,600万円を活用して、地球温暖化対策等の喫緊の環境問題を解決し、当面の雇用対策と中長期的に持続可能な地域社会の構築のための事業を実施するため、グリーンニューディール基金を設置した。この基金を利用して、平成21年度から23年度の3年間で事業を実施している。
具体的な事業としては、公共施設への太陽光発電施設や省エネ機器の導入、民間施設への省エネ機器等の導入に対する補助などの地球温暖化対策を始め、不法投棄防止対策推進事業などの廃棄物処理推進事業を行っているところである。
【委員】
平成21年度のグリーンニューディール基金事業の実施状況はどうか。
【理事者】
県事業費5,100万3,400円の内訳については、温暖化対策として伊良湖園地、茶臼山園地といった自然公園におけるLED外灯への交換や民間施設の省エネ化への補助を、廃棄物処理推進事業として不法投棄残存事案の現状把握調査などを行っている。
市町村事業費補助金5,619万8,050円の内訳については、温暖化対策として津島市役所や幡豆町役場庁舎の太陽光発電施設の設置などを、廃棄物処理推進事業として春日井市を始めとした市町村が行う不法投棄監視活動への補助などを行っている。

グリーンニューディール基金の活用例(津島市役所)
【委員】
今後はどのように事業を進めていくのか。
【理事者】
平成22年度については、愛知県議会議事堂におけるLED照明への交換や、市町村が行う太陽光発電施設の設置など省エネ・グリーン化事業への補助を行うとともに、残存廃棄物の現状把握調査、市町村が行う不法投棄ごみの監視活動への補助など廃棄物処理推進事業を行っているところである。
23年度は、引き続き今年度と同様の事業を行っていくとともに、地球温暖化対策についてより効果が見込まれる、中小事業者の省エネ機器等への更新に当たっての補助に事業費を振り分けるなど、限られた予算を有効に使っていきたい。
【委員】
次に決算に関する報告書68ページのあいち自然環境保全戦略費のうち、(1)戦略推進費に記載のあるポテンシャルマップについて具体的な内容を説明してほしい。
【理事者】
これは、生態系を代表する指標となる生き物のえさ場や繁殖場所など、その生き物が住みやすいと考えられる生態的な特性を踏まえて、県内の地形情報を検討し、県内のどの場所が住みやすいかということを予測し、地図上に示したもので、全国に先駆けて本県が作成したマップである。
指標となる生き物は、オオタカ、イトトンボなどで、ほ乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類、昆虫類にわたり、全部で16種類の生き物を選定した。
具体的には、例えばイトトンボは、池から池までの間が1キロメートル未満であるところで、緑地沿いに飛んでいくという特性があるため、愛知県の地図に、池のある場所、また、池と池との間が1キロメートル未満で、かつ緑地でつながっている場所を示している。
当然これは予測であり、必ずしもそのとおりにイトトンボが生息しているわけではないため、生息していない場合にはその原因を検討し、例えば水が汚いなどの原因を取り除くことでイトトンボの生息域を広げていくというような取組に活用していきたい。
またイトトンボの道が途切れている場合に、学校などを利用してビオトープを作り、新たにイトトンボの生息域を増やしていくという取組にも活用できると考えている。
【委員】
学校にビオトープを作るという話があったが、教育現場など様々な場所にマップを活用していくということか。その上で、あいち自然環境保全戦略をどのように推進していくのか。
【理事者】
ポテンシャルマップを活用して一番に実施しようとしているのは生態系ネットワークの形成である。これは、あいち自然環境保全戦略の中でも大きな柱として位置付けている考え方で、開発等により孤立した自然と自然を結ぶことにより、かつてそこに存在した生態系の再生とその保全を行うものである。生態系ネットワークを形成していく上で、ポテンシャルマップをあいち自然環境保全戦略の推進に向けた具体的な指針として活用していきたいと考えている。
生態系ネットワークの形成のため、指標種の新たな生息場所を探し、作っていくことになるが、先のイトトンボの例のほか、企業にお願いして工場内の緑化を生態系に配慮したものにしていただくことなどの働きかけを行うことを考えている。
【委員】
ポテンシャルマップの中にほ乳類も入っているとのことだが、クマは入っているのか。
【理事者】
ツキノワグマが入っている。
【委員】
クマによる事件が全国で発生している。自分は幼児教育にかかわっているが、毎年猿投の森での親子体験を実施しており、今年度も実施した。
今年はドングリが不作で瀬戸市の岩屋堂や雲興寺、また、海上の森など、クマがあちこちで出没しており、その付近に猿投の森があることもあって、クマが出はしないかすごく心配だったが、クマの形跡もなく大丈夫との話を受け、無事に行くことができた。しかし、ポテンシャルマップのようなもので事前に現地の状況が分かっていたら、もう少し心配しなくてすんだと思うので、今後ポテンシャルマップがいろいろな意味で活用できるよう進めていただきたい。
【委員】
地盤沈下対策で一番有効な対策は何か。
【理事者】
地盤沈下は尾張地域を中心に昭和40年代前後に激しく起こったが、その原因は地下水の過剰なくみ上げであった。よってその対策は、地盤沈下が生じないように地下水の揚水を制限することである。
【委員】
尾張部で揚水規制が行われている市町村はどこか。
【理事者】
尾張部においては、名古屋市の一部を含めて20市町村ある。具体的には、木曽川に沿っていうと、江南市、一宮市、稲沢市、愛西市、弥富市などである。
【委員】
揚水規制については工業用水だけでなく、水道用水にも規制がかかるのか。
【理事者】
地下水をくみ上げて工業用水として利用する時は工業用水法の規制がかかるし、工業以外の用途に利用する場合には愛知県条例により規制がかかる。
ただ、従前から地下水をくみ上げていた市町村や事業所については、例外措置として一定量の揚水が認められている。
【委員】
工業用の揚水量は減少したが、これは繊維産業の衰退によるものである。水道用の揚水も地盤沈下対策の観点から、県水は高くつくにもかかわらず、自主的に井戸水から切り替えた動きが海部郡南部から始まった歴史がある。海部郡南部はほとんど100パーセントといっていいほど県水に切り替わっている。
しかし、尾張北部では県水への転換率が50パーセント以下のところが多く、低い順に、一宮市29.6パーセント、江南市40.8パーセント、稲沢市49.1パーセントとなっている。よって地下水を利用しているのかというと、地下水ではなく木曽川の伏流水であるという意見もある。伏流水と地下水の区別はどうなっているのか。
【理事者】
地下水とは、例えば地下数百メートルの砂れき層に帯水層となっている水であり、これをくみ上げて利用している。
伏流水とは、川底すぐ下の砂れき層中を流れる水で、表流水と一体となって流れているものである。
【委員】
一宮市、江南市では木曽川の堤防のすぐ外側で伏流水をくみ上げており、河川から取水しているのも同様であるのが実態で、地下水にまわるものを途中でくみ上げているという人もいる。
木曽川水系連絡導水路事業は、揖斐川から長良川、木曽川へ導水し、河川流水の維持も目的としているが、この一部を県水に緊急避難的に利用するものである。この事業はまだどうなるかわからないが、地盤沈下対策も含め木曽川の流水を確保する必要があるならば、応分の負担を市町村に求めるべきと考える。一宮市、江南市、稲沢市はどのような水を水道水に利用しているか。
【理事者】
尾張地域の水道利用状況という報告によると、一宮市の場合、県水が約30パーセント、伏流水が約22パーセント、地下水が約48パーセントとなっている。
【委員】
30年ほど前に私が町議会議員をしていたとき、県水への転換の検討の際に、料金が高いことから問題となった。大学の先生にも相談したところ、海部地域の地層は上流からの地下水の浸透による水圧で支えられており、水道を地下水から県水に転換するとともに、地下へ浸透する水を上流の地域で引き抜かれないようにすべきであるとのことであった。
この地域の上流である一宮市や江南市などでの地下水のくみ上げをやめさせて、県水へ転換させるべきである。これにより、県水が不足するならば、木曽川水系連絡導水路事業をやればよいと考える。工業用の地下水の利用を工業用水に転換させたように、水道水も県水に転換させるように環境部が努力すべきと考えるが、どう考えているのか。
【理事者】
確かに尾張西部は激しい地盤沈下を経験した。地盤沈下はいったん起こると元に戻らない非可逆的なもので、これを予防するには地下水くみ上げの規制を行うしかない。
市町村の水道水については、地下水を利用して上水としているところがあるため、地盤沈下対策の観点から、地下水利用抑制の指導を行っているが、県水を利用すると高額となってしまうため大きくは進んでいない。
【委員】
一宮市、江南市、稲沢市は、地盤沈下が起きても海抜ゼロメートル以下にはならないから関係ないかもしれないが、海部は影響があるから地下水の揚水を抑制している。
県水が高いから利用しないのではなく、地盤沈下対策のため、関係自治体が協力するべきである。県水利用の呼びかけを市町村及び企業庁へ働きかけることを環境部に要請する。
【委員】
決算に関する報告書70ページの鳥獣対策費に関連して、先ほど、神戸委員からクマが出るという話があった。今年は暑い夏の影響か、植物の生育が遅れたり、ナラ枯れが出てきたりしており、クマなどがえさがなくなり山から出てくることもある。
三河地域では、環境部と反対の立場でものを言わなければならない。イノシシ、シカ、サル、外来のハクビシン、アライグマといった動物が出てきて悪さをする。こういった動物の個体数調査はどのように行われているのか。
【理事者】
イノシシ、サル、シカ、カモシカについては、特定有害鳥獣ということで、管理計画を作っている。おおむね5年ごとに見直しをしており、現在の計画は23年度までが有効期間で、5年ほど前に実際にフィールド調査を行い、最後は推測になるが、例えばシカのふんを数えるとか、普段山野に入っている狩猟者や林業の方々へのアンケート調査等を踏まえ、生息調査を行い、現在のおおむねの生息数を決めている。
【委員】
例えば、シカ、イノシシはそれぞれ何頭が適正なのか。それを超える分は駆除しなければいけない。設定した適正数と、現在の調査に基づく自然界にいる数を比べれば、これだけは多すぎるから農作物に被害があるとか、森林に植えた苗木の頭を食べられ全部ダメになってしまうという状況がわかってくる。そもそも生息数を把握しているのか、また計画による適正数はいくつと設定しているのか。
【理事者】
私どもは環境部なので、保護と管理が平行してあるが、捕りすぎて絶滅することがないという意味での適正な捕獲数を計画で定めている。例えばイノシシだと3,000頭、ニホンジカだと800頭程度、サルだと200頭程度、ニホンカモシカは天然記念物であるので、これは実際に被害があったものということで、特に数値は決めていないが大体50頭前後が捕獲の目安となっている。
【委員】
ニホンカモシカが少ないのではないか。東栄町、設楽町、豊根村などに合計何十頭という数字で割り振っていたと思うが、以前より減ったのか。これに豊田市の旧稲武地区などが入るので、この数は少なすぎる。
また、サルの捕獲数が200頭というのは、捕獲する人がいないから数を抑えているのか。200頭ばかり捕獲してもどんどん増えてしまい意味がない。200頭の根拠を示してほしい。
【理事者】
ニホンカモシカについては、天然記念物であり、捕獲に文化庁の許可が必要で、実際に被害があったことを市町村に確認した上で、そのニホンカモシカを捕るという方法を採っているため、いわゆる計画数は設定していない。先ほど述べた50頭前後というのは、捕獲の実績数であり、実際に何頭生息しているかは手持ちにないが、一けた増しくらいの生息数はいると理解している。
サルは、何頭いるかというのが非常に見極めにくい種で、現在の捕獲頭数200頭の設定根拠は、おおむねの県内生息数の推定と、合わせて実際にサルが何頭捕獲されたかの実績が考慮されている。昨年は県内全体で163頭、その前は156頭で、200頭を越えた実績がない。200頭は市町村が希望する有害鳥獣の捕獲駆除の計画数を県で積み上げた数で、県が独自で決めたものではない。各市町村から出された計画数を積み上げた数と、これまでの捕獲実績数を見極めて、更に生態系の専門の先生、農林業被害の当事者を代表する農協、林業組合の意見を聞いた上で決めた数になっている。
【委員】
自然の生態系を守っていくのには、どれだけの個体数がいるのがバランスがいいのか、数値として持っているべきである。去年160頭捕ったから200頭でいいといって、もし1,000頭生まれていたら、800頭増えてしまい、10年で8,000頭も増えてしまう。今どのくらい生息していて、どれくらいの生息数であれば、他の生態系に影響を及ぼさないかというものを、シカにしろイノシシにしろ全部調査して進めていかないと、バランスが崩れてしまう。えさとなるべき植物がないために他の物を採って食べた結果、他の生態系に影響が及んで、他の植物や動物が減ってしまったら、自然保護にならない。自然保護団体の人たちはとかく守ればいいとか、捕るなとか、そのままにしておけと言っているが、かえって生態系のバランスを崩すことが結構ある。ジャングルのように最初から人の手が入っていないところは、そのままにしておいて、その中の生存競争で弱いものは死んでいくといった具合で、バランスが取れているかもしれないが、今問題となっているのは里山であり、いろいろな面で人間が手を入れてきたゆえに、バランスがとれていたのである。
先日テレビで見たが、伊豆の里山でシカが大繁殖して、木の皮などを全部食べてしまい、本来ならば雑木林になるはずだったのが、下草も生えてこないような状態になり、大雨が降ると土砂崩れが起きる危険性があるとのことである。シカが増えすぎたためにこのような状態になっており、愛知県でもいつそうなるかわからない。シカが山から下りてきて名鉄電車とぶつかったり、牛ぐらいの大きな個体が道路を横切ったりなど、東名高速道路や1号線の山手側でそういう状態になっている。イノシシに関しても同様である。
サルがもし東名高速道路の海辺側に来たら、蒲郡のみかんは全部やられてしまう。サルは学習能力があるから、食べ物がなくなったから来るのではなく、山の小さなどんぐりを食べているよりも、山から下りてきて農作物を食べているほうが、おいしいし栄養があるから来るのである。そういうものばかり食べているので、繁殖力が旺盛になり、昔は少ししか子を生まなかったのに、今はたくさん生んでいる。
もうひとつは、西三河で一時イノシシとブタを交配したイノブタを飼っていたが、逃げて、野生のイノシシと交雑した。10頭から12頭も子を生むブタの遺伝子が入っているため、子をたくさん生むイノブタの流れをくむイノシシがその地域でものすごく繁殖してしまった。こういった状況を知っているか。
【理事者】
指摘の件は、十分承知している。現在の調査でも、イノシシが平均四・五頭の子を生むという結果になっており、非常に多産化が進んでいることも市町村から聞いている。全国的に見ても、特にシカ、イノシシが非常に増えているのは事実であるため、現在、生息数予測調査をやっているところであるが、できる限り正確なものとなるように努め、次期計画においてきちんとした捕獲数を計画していくとともに、荒れた里山をいわゆるバッファーゾーンとしてきちんと整備して、人の住むところに出てこないようにする必要もあると思っている。
なお、バッファーゾーンとしての里山管理は、先ほど取り上げられた生態系ネットワーク事業の中で進めていきたいと考えている。
【委員】
豊田でもイノシシのおりにクマが2度も3度も入っている。これまでクマは出ないと言われていたエリアにクマが出ており、先ほどのポテンシャルマップを見ていて、安心だなと思っているところにクマが出ることもあるから、しっかりと現状把握をしておかないと、折角お金をかけて作っても、無駄になってしまう。イトトンボなどであればいいが、有害鳥獣にあたるような動物は、レッドデータブックの希少動物とは反対の、あり余った動物になっており、人間が作った農作物をみな食べてしまい、そこでは人間のほうが希少動物になってしまって、守ってやらないと絶滅する可能性がある。
ぜひ、個体調査はやってもらい、適正な頭数をきちんと示して、捕獲を進めてほしい。猟友会と各市町が有害鳥獣駆除のためのおりを仕掛けているが、11月15日の猟期の前におりで捕ってしまうと、鉄砲で撃つものがなくなってしまうからといって、解禁前はおりを閉めさせている。しかし、実態は、ものすごい数がいて、わなに何十頭とイノシシが入るが、少しも減らない。
この事業が、環境部でなく農林水産部にあれば、もっと捕れと言うが、環境部にあるので言いにくい。確かに自然の形態を守るのはいいが、折角作った農作物を荒らされてしまっている。一生懸命に働いて生産したものを守ろうとする部と、動物を守ろうとする部では意識が違っているので、しっかり考えていただきたい。そこで生活している県民にとっては、環境部も農林水産部も関係なく、愛知県がという話になるので、連携をとりながらきちんとした対策をすることを要望する。
【委員】
決算に関する報告書55ページのあいちゼロエミッション・コミュニティ構想事業化推進費について、この事業は平成19年に始まり、廃棄物やバイオマスなど地域の未利用資源やエネルギーを地域内で循環利用させる取組を進めていると聞いている。この構想の九つの事業モデルについて、検討中のものも含め進ちょく状況について説明してほしい。
【理事者】
構想にはその実現に向けて全部で九つの事業モデルを掲げており、これまで名古屋駅前地区の業務用ビルの冷暖房施設を配管で結び相互に熱を融通する事業、廃パレットや建築材等を炭化し製鋼工場の燃料として利用する事業、畜産廃棄物をたい肥化し耕作放棄地で利用し、家畜飼料原料となる資源作物を栽培し販売する事業の3事業が動いている。
今年度は、建設系の混合廃棄物を回収し、選別して再資源化を図り、残りの可燃物をサーマルリサイクルする事業、事業場から廃油を回収し、機械の作動油を製造、販売する事業の事業化などを循環型社会形成推進事業費補助金を活用して支援している。
また、工場から排出される熱の再利用、下水汚泥や食品残さからエネルギーを取り出す事業の具体化の検討を進めている。この構想の中心は民間企業であり、事業採算性を確保できるものでなければ持続しないため、県としては、産官学のネットワークを形成し、企業が参入しやすいモデルの具体化に引き続き努めているところである。
【委員】
当事業については、以前から聞いており勉強したが、すばらしい発想の事業が多々あると思う。採算性を最初から柱にすえるという点も行政としては珍しい。短い期間の中で事業がいろいろ進んできており頼もしく感じている。
そこで、決算に関する報告書56ページの畜産バイオマス地域内循環推進費の事業内容について説明してほしい。また、その事業の成果を生かして、現在どういう取組が行われているのか聞きたい。
【理事者】
本事業は農業、畜産業のバイオマス利用ネットワーク事業の一つである。昨年度、知多地域において、国とタイアップして、モデルの事業化可能性を探るための実証事業を行った。事業予算615万余円は、実証事業が円滑に行われるための進行管理、そしてその成果をまとめるための経費に活用した。
実証事業の内容は、知多地域の家畜排せつ物をメタン発酵し、発酵消化液や畜ふんたい肥を耕作放棄地に散布して、家畜飼料やアルコール原料となるコーリャンやいもなどの資源作物を栽培するといったものである。更に作った飼料のブランド化を検討した。
この実証事業により、耕作放棄地を活用して資源作物を栽培する事業の採算性を含めた実現可能性を見出すことができたので、本年度と来年度の2年間、知多半島の6市町、半田市、知多市、常滑市、東浦町、阿久比町、美浜町で耕作放棄地約二十数ヘクタールを借り、そこに地元企業の参入を求め、家畜排せつ物由来のたい肥を活用し、コーリャンを中心とした栽培事業を進めている。

畜産バイオマス地域内循環推進事業
【委員】
資源循環というと、かつてはいい啓発ではあったものの、理論・構想ばかりであったが、ここにきて実施段階に入ってきた。民間企業もかかわってくることであり、PRもしっかりやって進めてほしい。