委員会情報
委員会審査状況
経済労働委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和5年12月12日(火) 午後0時57分~
会 場 第7委員会室
出 席 者
福田喜夫、杉浦哲也 正副委員長
直江弘文、神野博史、高桑敏直、山本浩史、山下智也、今井隆喜、
かじ山義章、鳴海やすひろ、村嶌嘉将、岡 明彦、阿部武史 各委員
企業庁長、企業次長、技術監、管理部長、水道部長、企業立地部長、
関係各課長等
<付託案件等>
○ 議 案
第124号 令和5年度愛知県水道事業会計補正予算(第2号)
第125号 令和5年度愛知県工業用水道事業会計補正予算(第1号)
第126号 令和5年度愛知県用地造成事業会計補正予算(第1号)
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第124号から第126号まで
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(3件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 委員長報告の決定
4 一般質問
5 閉会中継続調査申出案件の決定
6 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
なし
《一般質問》
【委員】
有機フッ素化合物のうちPFOS・PFOAは、健康保護の観点から、その目標値や基準に関し、国際的にも様々な科学的な議論が行われている。国はPFOS・PFOAに関して、専門家会議等を新たに設置するなど、総合的な対応について検討を進めているが、国民の安心に資するよう、科学的根拠に基づいた分かりやすい情報発信をしている。
一方、これまでに全国的に国や都道府県などが行った地下水や河川などの水環境におけるPFOS・PFOAの存在状況調査において、比較的濃度の高い地点があることが判明している。豊山町の地下水や水道水から、厚生労働省が定める暫定目標値の3倍以上のPFOS・PFOAが検出され、一昨年の3月から地下水の配水を中止している。
今年に入ってから、テレビや新聞などで報道も増えており、健康等への影響も含めて不安を感じる住民もいることから、その不安に寄り添い、透明性を確保しながら適切な情報発信を強化していかなければならない。水道水の原料は水道統計によると、約7割が河川やダムの水、約2割が井戸水などの地下水となっている。地下水に含まれるPFOS・PFOAの濃度調査は、全国的な問題でもあり、環境省が本年7月にPFOS・PFOAに関するQ&A集を発表し、現時点での科学的知見等がまとめられた。
現在、問題に感じていることは、暫定目標値を超えるPFOS・PFOAを含んだ水道水の飲用により、健康に大きな影響が生じるのではないかという不安だけが独り歩きしている点である。当然、水質基準の議論や地下水等の汚染原因の究明やその手法については、国を挙げて取り組んでいく必要があるが、同時に、不安に寄り添いながらも、全ての水道水が汚染されているような印象も払拭していかなければならない。
国においても省庁の所管をまたがる問題であり、今後も議論が必要だが、まずは、日々の水道水が安全に供給されていると示していくことが大切である。
そこで、有機フッ素化合物の一種であるPFOS等について、県営水道ではどのように検査・監視を行っているのか。取組内容等について伺う。
【理事者】
厚生労働省は2020年度に、PFOS及びPFOAを健康への影響の疑いがあるものとして、水道水の水質管理目標設定項目に定めている。これにより、PFOSとPFOAの合算値を1リットルあたり50ナノグラム以下とする暫定目標値が示された。
このため、県営水道では、同じく2020年度から、法令に基づき毎年定める愛知県企業庁水質検査計画にPFOSとPFOAの検査を位置付け、6か所の取水地点と11か所の浄水場における水道水をおのおの、年に2回検査している。
さらに、PFOS及びPFOAに対する関心の高まりに応じ、より詳しく監視することとして、浄水場へ取り入れる水については検査回数を毎月とするなど、検査を拡充している。
【委員】
検査を行っているが、どのような結果が出ているのか。
【理事者】
今年度の検査は11月分まで結果が出ており、県営水道が供給する水道水から、PFOS及びPFOAは検出されていない。
検査では、測定範囲の一番下を定量下限と呼び、水道の検査においては、基本的に基準値の10分の1に設定しているので、PFOS及びPFOAの定量下限値は1リットルあたり5ナノグラムである。
これまでの4年間の検査において、水道水源の河川の水や浄水場の水道水から定量下限値の1リットルあたり5ナノグラム以上でPFOS・PFOAが検出された回数は、延べ408回の検査に対して8回であり、その最大値は暫定目標値の1リットルあたり50ナノグラム以下に対して、8ナノグラムであることから、暫定目標値よりも十分に低い検査結果となっている。
【委員】
仮に水道水源で暫定目標値を超えるPFOS・PFOAが確認された場合、どのように対応するのか。
【理事者】
PFOS及びPFOAは、活性炭により除去することが可能である。県営水道においては、全ての浄水場に活性炭処理設備を設置しており、浄水場でPFOS及びPFOAを取り除くことができるため、供給する水道水への影響はない。
さらに県営水道では、水質試験所を設置し、専門的知識を有する職員が業務に当たっていることから、速やかに水道水の安全確認の検査を行える体制を整えている。
今後も、水道水の安全に関する情報の収集に努め、引き続き安全で良質な水道水の供給に努める。
【委員】
2点要望する。
1点目は、県営水道の受水団体とPFOS・PFOAに関する情報の共有や、受水団体から相談があった場合の相談役になることである。
PFOS・PFOAついては、県民が不安に感じており、この不安に寄り添っていかなければならない。ただし、この有害性が指摘されるようになったのは、2000年以降、比較的最近になってからである。そのため、国も多くのデータを持っていない。
この暫定目標値については、カナダが1リットル当たり600ナノグラム、アメリカが70ナノグラムで、日本が50ナノグラムということで、国際的にも基準が収れんしていない状況で、国でも丁寧な議論がされている状況である。国もデータ収集に努めており、環境省や厚生労働省など複数の所管にまたがることだからこそ、都道府県においても、議論の進展を踏まえた総合戦略が必要になる。
県営水道の受水団体も、この新しい問題への対応や説明の在り方に苦慮していると聞いているが、県水道においては、飲み水のPFOS・PFOAが暫定目標値を超えないよう、浄水処理や水質管理に万全を期すことを要望すると同時に、国の動向を踏まえ、受水団体から水質管理などの面で相談があった場合には相談役になるよう要望する。
2点目は、総合戦略的な取組の検討についてである。
東京都では有機フッ素化合物に関する東京都の取組を今年の10月に発表した。東京都では水道水の水質管理、地下水調査、都民への住民相談窓口の設置と大きく三つの取組をしている。電話相談の件数については、相談窓口を開設後の今年5月、6月は400件近くと多かったものの、8月、9月には90件近くと、少しずつ沈静化している。
東京都では、国が水道水の暫定目標値を設定する以前から、東京都独自の水質検査を実施し、一部の水道水源井戸から取水を停止するなど、先んじて対策を行っている。ただし、印象としては、東京都はリスクコミュニケーションが上手に見えるが、その本質は、丁寧に説明すれば伝わることだと思う。東京都の例が示すように、きちんと説明するためには、庁内の所管を超えた取組も場合によっては必要になる。
県営水道も水質検査を行い、安全な水道水を供給している。何よりも、このジブリパークのロゴが入った小型のボトルウォーターあいちの水のように、県民から愛される水道水を県内49市町村に供給している。これまで以上にあいちの水が県民から愛されるよう、また水道水の安全性が伝わるよう、さらなる取組の検討について要望する。
【委員】
前回の9月定例議会では、今回の水道料金改定の要因について言及したが、電気料金や物価の上昇による維持費の増高が主な要因であるため、使用料金の改定に至ったと聞いた。
県営水道は、基本料金と使用料金の二部料金制になっており、基本料金は主に資本費相当の費用回収、そして使用料金は維持費相当の費用回収という考え方によるものだが、今回の改定では、資本費が基本となる基本料金は変わらずに、主に維持管理費の増加に対応するため使用料金のみになったと理解している。
また今回の改定案では、受水団体の経営への影響に配慮し二段階で改定するとして、一段階目は周知期間の確保のため改定時期を2024年10月1日から、1立方メートル当たり現行の26円から2円値上げし28円に、二段階目は2026年の4月1日から4円値上げし32円に改定する予定であり、平均改定率は約5.6パーセントということだった。
いずれにしても、料金改定については受水団体の理解を得ていくことが大切であり、県としてこの改定案を受水団体へ丁寧に説明し調整を進めていくと聞いた。
そこで、県営水道の料金改定案を受水団体へ説明をした結果はどうだったのか。
【理事者】
今回の料金改定案については、県内に五つあるブロックの受水団体協議会ごとに、順次説明会を開催し、受水団体へ説明を行った。また、その後も受水団体の求めに応じるなど、説明を重ねた。
今回の料金改定の要因は、電気料金や物価の上昇による維持費の増高によるものであり、これにより県営水道の経営が厳しい状況にあることを説明した結果、料金改定の必要性について理解をもらい、反対する意見はなかった。
【委員】
県内の五つのブロックの受水団体協議会ごとに説明会を開催して改定の理由について順次説明をし、結果について反対意見は特になく、必要性について理解してもらえたとのことだが、この結果を踏まえて、今後は具体的に料金改定にどのように取り組んでいくのか。
それと同時に、将来人口減少などによって収入が減少する一方で、老朽化した施設の更新等によって費用が増加することが分かると思うが、厳しい経営状況が続くことを踏まえて、今後どのように事業を運営していくのか。
【理事者】
今後の料金改定に向けての取組については、愛知県公営企業の設置等に関する条例の条例改正議案について、2月定例議会へ提出する準備を進めている。
また、県営水道の料金改定は、県民生活や受水団体の経営に影響を及ぼすことから、十分な理解を得ながら進めていく必要があると考えているため、引き続き丁寧に対応していく。
事業運営に関しては、厳しい経営状況であるため、現在、設備台帳や点検修繕記録といった情報をクラウド上で一元的に管理する設備台帳のデジタル化や、監督員が事務所に滞在しながら遠方の工事現場の監督を行うことができる遠隔臨場、AIを活用した管路劣化診断に取り組んでいる。また中長期的には、さらなるデジタル化やAIを活用した新技術などにより、業務の効率化を図っていく。加えてPFI手法を活用した官民連携、受水団体の広域化への取組を推進し、合理的な事業運営を継続的に取り組むことで、将来的に経費を節減できる体制を整え、健全な経営に努める。
【委員】
水道料金は、水道法第14条で料金が、能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであることとされている。水道事業は、河川、ダムや地下水の水源から各家庭の蛇口に至るまで、導水管及び送水管を使用し、圧力をかけて送水して、またその原水を飲用水に浄化するため、浄水場で水質を浄化して、さらに処理された水道水を送水管で各受水団体へ輸送するとともに、それらが適切に機能するための監視制御する機能等も担っている。
これら一連のシステムを、現場の絶え間ない努力によって維持管理が図られ、初めて清浄にして豊富、そして原価に照らし公正妥当なものとして低廉な水道水が供給可能になるわけだが、同時に同法では、料金が、定率又は定額をもって明確に定められていることと規定されている。そのため、今後、県条例の改正案を2月定例議会で提出する準備を進めていると理解している。
料金改定は議会で審議されるが、料金改定が決定された場合、受水団体の経営は影響を受けるが、最終的に負担するのは県民だと思うので、県民向けには、受水団体と協力するなどしてわかりやすいPRをお願いしたい。
また、事業運営については、デジタル化の推進によるデータの一元管理や、AI技術などを積極的に活用して事業の改善に努めていること、PFI活用による官民連携や広域化への取組も推進していくとのことであり、大変よい心がけだと思う。引き続き、常に改善を続けていくことを要望する。
( 委 員 会 )
日 時 令和5年12月12日(火) 午後0時57分~
会 場 第7委員会室
出 席 者
福田喜夫、杉浦哲也 正副委員長
直江弘文、神野博史、高桑敏直、山本浩史、山下智也、今井隆喜、
かじ山義章、鳴海やすひろ、村嶌嘉将、岡 明彦、阿部武史 各委員
企業庁長、企業次長、技術監、管理部長、水道部長、企業立地部長、
関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
○ 議 案
第124号 令和5年度愛知県水道事業会計補正予算(第2号)
第125号 令和5年度愛知県工業用水道事業会計補正予算(第1号)
第126号 令和5年度愛知県用地造成事業会計補正予算(第1号)
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第124号から第126号まで
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(3件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 委員長報告の決定
4 一般質問
5 閉会中継続調査申出案件の決定
6 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
なし
《一般質問》
【委員】
有機フッ素化合物のうちPFOS・PFOAは、健康保護の観点から、その目標値や基準に関し、国際的にも様々な科学的な議論が行われている。国はPFOS・PFOAに関して、専門家会議等を新たに設置するなど、総合的な対応について検討を進めているが、国民の安心に資するよう、科学的根拠に基づいた分かりやすい情報発信をしている。
一方、これまでに全国的に国や都道府県などが行った地下水や河川などの水環境におけるPFOS・PFOAの存在状況調査において、比較的濃度の高い地点があることが判明している。豊山町の地下水や水道水から、厚生労働省が定める暫定目標値の3倍以上のPFOS・PFOAが検出され、一昨年の3月から地下水の配水を中止している。
今年に入ってから、テレビや新聞などで報道も増えており、健康等への影響も含めて不安を感じる住民もいることから、その不安に寄り添い、透明性を確保しながら適切な情報発信を強化していかなければならない。水道水の原料は水道統計によると、約7割が河川やダムの水、約2割が井戸水などの地下水となっている。地下水に含まれるPFOS・PFOAの濃度調査は、全国的な問題でもあり、環境省が本年7月にPFOS・PFOAに関するQ&A集を発表し、現時点での科学的知見等がまとめられた。
現在、問題に感じていることは、暫定目標値を超えるPFOS・PFOAを含んだ水道水の飲用により、健康に大きな影響が生じるのではないかという不安だけが独り歩きしている点である。当然、水質基準の議論や地下水等の汚染原因の究明やその手法については、国を挙げて取り組んでいく必要があるが、同時に、不安に寄り添いながらも、全ての水道水が汚染されているような印象も払拭していかなければならない。
国においても省庁の所管をまたがる問題であり、今後も議論が必要だが、まずは、日々の水道水が安全に供給されていると示していくことが大切である。
そこで、有機フッ素化合物の一種であるPFOS等について、県営水道ではどのように検査・監視を行っているのか。取組内容等について伺う。
【理事者】
厚生労働省は2020年度に、PFOS及びPFOAを健康への影響の疑いがあるものとして、水道水の水質管理目標設定項目に定めている。これにより、PFOSとPFOAの合算値を1リットルあたり50ナノグラム以下とする暫定目標値が示された。
このため、県営水道では、同じく2020年度から、法令に基づき毎年定める愛知県企業庁水質検査計画にPFOSとPFOAの検査を位置付け、6か所の取水地点と11か所の浄水場における水道水をおのおの、年に2回検査している。
さらに、PFOS及びPFOAに対する関心の高まりに応じ、より詳しく監視することとして、浄水場へ取り入れる水については検査回数を毎月とするなど、検査を拡充している。
【委員】
検査を行っているが、どのような結果が出ているのか。
【理事者】
今年度の検査は11月分まで結果が出ており、県営水道が供給する水道水から、PFOS及びPFOAは検出されていない。
検査では、測定範囲の一番下を定量下限と呼び、水道の検査においては、基本的に基準値の10分の1に設定しているので、PFOS及びPFOAの定量下限値は1リットルあたり5ナノグラムである。
これまでの4年間の検査において、水道水源の河川の水や浄水場の水道水から定量下限値の1リットルあたり5ナノグラム以上でPFOS・PFOAが検出された回数は、延べ408回の検査に対して8回であり、その最大値は暫定目標値の1リットルあたり50ナノグラム以下に対して、8ナノグラムであることから、暫定目標値よりも十分に低い検査結果となっている。
【委員】
仮に水道水源で暫定目標値を超えるPFOS・PFOAが確認された場合、どのように対応するのか。
【理事者】
PFOS及びPFOAは、活性炭により除去することが可能である。県営水道においては、全ての浄水場に活性炭処理設備を設置しており、浄水場でPFOS及びPFOAを取り除くことができるため、供給する水道水への影響はない。
さらに県営水道では、水質試験所を設置し、専門的知識を有する職員が業務に当たっていることから、速やかに水道水の安全確認の検査を行える体制を整えている。
今後も、水道水の安全に関する情報の収集に努め、引き続き安全で良質な水道水の供給に努める。
【委員】
2点要望する。
1点目は、県営水道の受水団体とPFOS・PFOAに関する情報の共有や、受水団体から相談があった場合の相談役になることである。
PFOS・PFOAついては、県民が不安に感じており、この不安に寄り添っていかなければならない。ただし、この有害性が指摘されるようになったのは、2000年以降、比較的最近になってからである。そのため、国も多くのデータを持っていない。
この暫定目標値については、カナダが1リットル当たり600ナノグラム、アメリカが70ナノグラムで、日本が50ナノグラムということで、国際的にも基準が収れんしていない状況で、国でも丁寧な議論がされている状況である。国もデータ収集に努めており、環境省や厚生労働省など複数の所管にまたがることだからこそ、都道府県においても、議論の進展を踏まえた総合戦略が必要になる。
県営水道の受水団体も、この新しい問題への対応や説明の在り方に苦慮していると聞いているが、県水道においては、飲み水のPFOS・PFOAが暫定目標値を超えないよう、浄水処理や水質管理に万全を期すことを要望すると同時に、国の動向を踏まえ、受水団体から水質管理などの面で相談があった場合には相談役になるよう要望する。
2点目は、総合戦略的な取組の検討についてである。
東京都では有機フッ素化合物に関する東京都の取組を今年の10月に発表した。東京都では水道水の水質管理、地下水調査、都民への住民相談窓口の設置と大きく三つの取組をしている。電話相談の件数については、相談窓口を開設後の今年5月、6月は400件近くと多かったものの、8月、9月には90件近くと、少しずつ沈静化している。
東京都では、国が水道水の暫定目標値を設定する以前から、東京都独自の水質検査を実施し、一部の水道水源井戸から取水を停止するなど、先んじて対策を行っている。ただし、印象としては、東京都はリスクコミュニケーションが上手に見えるが、その本質は、丁寧に説明すれば伝わることだと思う。東京都の例が示すように、きちんと説明するためには、庁内の所管を超えた取組も場合によっては必要になる。
県営水道も水質検査を行い、安全な水道水を供給している。何よりも、このジブリパークのロゴが入った小型のボトルウォーターあいちの水のように、県民から愛される水道水を県内49市町村に供給している。これまで以上にあいちの水が県民から愛されるよう、また水道水の安全性が伝わるよう、さらなる取組の検討について要望する。
【委員】
前回の9月定例議会では、今回の水道料金改定の要因について言及したが、電気料金や物価の上昇による維持費の増高が主な要因であるため、使用料金の改定に至ったと聞いた。
県営水道は、基本料金と使用料金の二部料金制になっており、基本料金は主に資本費相当の費用回収、そして使用料金は維持費相当の費用回収という考え方によるものだが、今回の改定では、資本費が基本となる基本料金は変わらずに、主に維持管理費の増加に対応するため使用料金のみになったと理解している。
また今回の改定案では、受水団体の経営への影響に配慮し二段階で改定するとして、一段階目は周知期間の確保のため改定時期を2024年10月1日から、1立方メートル当たり現行の26円から2円値上げし28円に、二段階目は2026年の4月1日から4円値上げし32円に改定する予定であり、平均改定率は約5.6パーセントということだった。
いずれにしても、料金改定については受水団体の理解を得ていくことが大切であり、県としてこの改定案を受水団体へ丁寧に説明し調整を進めていくと聞いた。
そこで、県営水道の料金改定案を受水団体へ説明をした結果はどうだったのか。
【理事者】
今回の料金改定案については、県内に五つあるブロックの受水団体協議会ごとに、順次説明会を開催し、受水団体へ説明を行った。また、その後も受水団体の求めに応じるなど、説明を重ねた。
今回の料金改定の要因は、電気料金や物価の上昇による維持費の増高によるものであり、これにより県営水道の経営が厳しい状況にあることを説明した結果、料金改定の必要性について理解をもらい、反対する意見はなかった。
【委員】
県内の五つのブロックの受水団体協議会ごとに説明会を開催して改定の理由について順次説明をし、結果について反対意見は特になく、必要性について理解してもらえたとのことだが、この結果を踏まえて、今後は具体的に料金改定にどのように取り組んでいくのか。
それと同時に、将来人口減少などによって収入が減少する一方で、老朽化した施設の更新等によって費用が増加することが分かると思うが、厳しい経営状況が続くことを踏まえて、今後どのように事業を運営していくのか。
【理事者】
今後の料金改定に向けての取組については、愛知県公営企業の設置等に関する条例の条例改正議案について、2月定例議会へ提出する準備を進めている。
また、県営水道の料金改定は、県民生活や受水団体の経営に影響を及ぼすことから、十分な理解を得ながら進めていく必要があると考えているため、引き続き丁寧に対応していく。
事業運営に関しては、厳しい経営状況であるため、現在、設備台帳や点検修繕記録といった情報をクラウド上で一元的に管理する設備台帳のデジタル化や、監督員が事務所に滞在しながら遠方の工事現場の監督を行うことができる遠隔臨場、AIを活用した管路劣化診断に取り組んでいる。また中長期的には、さらなるデジタル化やAIを活用した新技術などにより、業務の効率化を図っていく。加えてPFI手法を活用した官民連携、受水団体の広域化への取組を推進し、合理的な事業運営を継続的に取り組むことで、将来的に経費を節減できる体制を整え、健全な経営に努める。
【委員】
水道料金は、水道法第14条で料金が、能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであることとされている。水道事業は、河川、ダムや地下水の水源から各家庭の蛇口に至るまで、導水管及び送水管を使用し、圧力をかけて送水して、またその原水を飲用水に浄化するため、浄水場で水質を浄化して、さらに処理された水道水を送水管で各受水団体へ輸送するとともに、それらが適切に機能するための監視制御する機能等も担っている。
これら一連のシステムを、現場の絶え間ない努力によって維持管理が図られ、初めて清浄にして豊富、そして原価に照らし公正妥当なものとして低廉な水道水が供給可能になるわけだが、同時に同法では、料金が、定率又は定額をもって明確に定められていることと規定されている。そのため、今後、県条例の改正案を2月定例議会で提出する準備を進めていると理解している。
料金改定は議会で審議されるが、料金改定が決定された場合、受水団体の経営は影響を受けるが、最終的に負担するのは県民だと思うので、県民向けには、受水団体と協力するなどしてわかりやすいPRをお願いしたい。
また、事業運営については、デジタル化の推進によるデータの一元管理や、AI技術などを積極的に活用して事業の改善に努めていること、PFI活用による官民連携や広域化への取組も推進していくとのことであり、大変よい心がけだと思う。引き続き、常に改善を続けていくことを要望する。