委員会情報
委員会審査状況
総務企画委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和5年10月12日(木) 午後0時58分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
辻 秀樹、おおたけりえ 正副委員長
水野富夫、伊藤辰夫、島倉 誠、石塚吾歩路、中根義高、藤原ひろき、
朝日将貴、天野正基、安井伸治、朝倉浩一、各委員
防災安全局長、防災部長、県民安全監、関係各課長等
<付託案件等>
なし
<会議の概要>
1 開 会
2 委員席の一部変更
3 一般質問
4 休憩(午後3時24分)
5 再開(午後3時46分)
6 閉 会
(主な質疑)
《一般質問》
【委員】
まず、指定避難所と任意の自主避難所との連携について伺う。
東日本大震災から12年が経過し、一部で風化が指摘されている。2016年4月14日と16日に発生した熊本地震では、子供が泣いたら迷惑になる、感染症が怖いなどの理由から避難所を避けて屋外のテントや車中で過ごした人は少なくなかった。その後も西日本集中豪雨、北海道地震と自然災害が相次ぎ発生しており、さらに、南海トラフ地震が起きることは確かである。
熊本地震の際に、ボランティアに行った人に話を聞くと、熊本県内では、ピーク時で約900か所の避難所が開設、18万人を超える住民が避難し、避難所生活は最長7か月続いた。この中に自主避難、在宅避難者は反映されていないが、そのときの自主避難所はピーク時で700か所あったとのことである。
今回は、災害時の妊婦、乳幼児、子供、女性に特化して質問したいと思う。
私は2016年に福祉避難所について質問したが、その後、福祉避難所の指定はどれくらい進んだのか。
【理事者】
福祉局によると、2022年10月末の時点で本県の福祉避難所は1,064か所で、2016年と比べ約3割増加しており、その内訳は、高齢者施設が603か所、障害者施設が236か所、児童福祉施設が96か所などとなっている。
【委員】
ここで、一般社団法人こども女性ネット東海を紹介したい。
子供と女性の人材育成に努め、子供と女性の主体的な参画と多様で多彩な主催者による連携協力により、新たな地域防災で中核を担う女性リーダーを醸成していくという目的で設置された女性の団体である。現在は、防災女性リーダーが50人を超える大きな団体になっている。
熊本地震発生後、本来であれば福祉避難所に避難するが、私設避難所として地域の方に開放された保育園などの保育者がいる避難所は、園に通う子供とその家族だけではなく、地域の人の心の支えになったとのことである。
熊本震災10か月後の熊本県の調査によると、夜泣きが増えた、暗い場所を怖がるなど、親子の55パーセントに精神的影響があった。災害時に見落としやすい妊婦、乳幼児、女性の命を守るには、不安な災害時に安心して身を寄せられる任意の自主避難所が大変重要だと思う。
また、任意の避難所をつくることも重要であるが、女性目線からの気づきのためには女性の防災リーダーの育成も重要と考えるが、どう進めていくのか。
【理事者】
女性目線からの気づきのためには、女性の防災リーダーの育成は重要である。
国が2020年5月に策定した災害対応力を強化する女性の視点、男女共同参画の視点からの防災復興ガイドラインでは、女性と男性が災害から受ける影響の違いなどに十分配慮された女性の視点から災害対応を行うことが、防災や減災、災害に強い社会の実現にとって必須とされている。
このため、本県では、防災・減災カレッジにおいて、避難所運営に女性目線を取り入れることの重要性に触れ、実際に女性が中心となった自主防災組織の代表者に事例紹介を行ってもらっている。
また、防災リーダーの育成に関しては、自主防災組織の指導的立場にある人を対象とした自主防災組織リーダー研修会を一般財団法人日本防火・防災協会と共催で行っている。
今後も、女性防災リーダーの育成や女性目線からの気づきに着目した研修内容となるように検討し、強化していく。
【委員】
こども女性ネット東海に関わる任意の避難所は、現在、愛知県と岐阜県、三重県で23か所あるとのことである。市町村の指定避難所を補完するこうした避難所は必要だと思うが、避難所指定がされていないことから、いざというときにここで避難生活を送る人たちが取り残されると心配している。
そこで、県としてどのように任意の避難所を支援していくのか。
【理事者】
災害時に被災した住民には市町村が指定する避難所に避難してもらうことが原則である。
しかしながら、大規模災害時には、熊本地震の事例のように、避難所の施設面の問題や他の避難者との関係などの理由から、市町村の避難所に指定されていない場所での避難生活を余儀なくされる被災者もいると想定される。
県では、このような避難所以外の場所への避難者に対しても、愛知県避難所運営マニュアルにおいて食料、情報などの支援を行うこととし、市町村と共有している。
発災時の円滑な対応のためには、避難所以外の場所への避難を計画する団体と市町村、地域の自治会などが平時から意見交換を通じて共通の認識を持っておくことが大切である。
このため、市町村関係団体、県の関係部局と連携して情報の共有に努めるとともに、市町村防災担当課長会議で事例を紹介するなどして、災害時に被災者が取り残されることのないよう市町村の取組を支援していく。
【委員】
一般社団法人こども女性ネット東海の活動は、女性リーダーを醸成することを含めて任意の避難所支援とネットワークづくりをしている。緊急時、災害時、声を上げにくい妊婦、乳幼児、子供、女性の命を守るため、日頃より防災、減災の活動と助かる、助ける活動を行っている。高齢者、障害者、LGBTなどの人々が安心できる任意の小規模な避難所があればどんなに安心できるか、との話も聞いている。
愛知県避難所運営マニュアルの六つの基本方針の中に、避難所は地域や市町村災害対策本部と連携し、避難所以外の場所に滞在する被災者へも支援を提供する拠点として機能することを目指しますと書いてあった。愛知県がこういった団体を支援していけば、災害時に伴走支援ができる団体がもっと増えると思うので、それも考慮して進めてほしい。
【委員】
帰宅困難者対策について、2011年の東日本大震災では、交通機関が運行を停止したために帰宅することができない帰宅困難者が多数発生した。仮にこの人たちが一斉に徒歩で帰宅を始めた場合、道路に人があふれて緊急車両が通行できず救助活動の妨げになったり、火災が起きて逃げ遅れるなどにより二次的な被害が起きると思う。
県が平成26年5月に公表した東海地震、東南海地震、南海地震被害予測調査結果によると、県内に最大で約93万人の帰宅困難者の発生が予想されており、南海トラフ地震が発生した場合、名古屋市など都市部を中心に多くの人が滞留すると思われる。帰宅困難者は安全に帰宅を開始できるまでの間、一時滞在施設で待機することとなるが、今年4月の共同通信の記事によると、47都道府県庁所在市区の約3割弱の市区が施設の受入れ能力が不足していると回答している。名古屋市の状況も記事の中で触れられており、市中心部の帰宅困難者が約7万5,500人であるのに対し、施設の収容能力は約4万5,900人にとどまっているとのことで、十分に一時滞在施設が確保されているとはいえない。
そこで、名古屋市における帰宅困難者の一時滞在施設の確保はどのように進めているのか。また、県の施設が指定されている例があるのか。
【理事者】
本県では、大規模地震発生時に駅周辺地域での混乱による二次被害の発生を防ぐため、帰宅困難者がむやみに移動や帰宅を開始しないことを基本原則として、市町村関係機関と連携して、被災者に安全に帰宅してもらうことを目的として取組を進めている。
名古屋市では、名古屋市周辺で土地開発事業者、建物の所有者、鉄道会社等で構成する安全確保計画部会において、県も参画して帰宅困難者対策を検討している。
一時滞在施設は、名古屋市が建物の所有者と協議の上指定しており、平成26年の第一次安全確保計画では、7施設、収容人数4,000人であったが、継続して拡充に努め、令和5年の第三次計画改訂版では、45施設3万人と着実に増加している。
また、令和2年には金山駅周辺、令和4年には伏見・栄地区でも計画が策定されており、名古屋駅周辺と併せて、引き続き名古屋市と連携し、一時滞在施設の確保に向けた検討を進めている。
なお、県の施設については、ウインクあいちと愛知芸術文化センターが指定されている。
【委員】
名古屋市内、名古屋駅と栄地区で二つの施設が指定されているとのことだが、名古屋市だけでなく、郊外の市町村でも、発災時には公共交通がストップして、市町村の指定避難場所までの距離が遠く、徒歩での移動が困難な被災者が多数発生すると思う。このようなときに、県の施設に居合わせたり、近くを通りかかったりした人がその施設に一時的に退避することができれば、安心につながる。
そこで、県の施設も帰宅困難者の一時滞在施設として活用することも考えられるが、県の考えを伺う。
【理事者】
現在は、ウインクあいち、愛知芸術文化センターが一時滞在施設に指定されているが、引き続き市町村の意向も踏まえて、県の施設を帰宅困難者の一時滞在施設とすることについて、施設を所管する局と連携して対応を検討していく。
また、市町村防災担当課長会議などの機会を通じて、一時滞在施設の確保について周知の徹底を図り、県、市町村で協力して帰宅困難者に対する支援に努める。
【委員】
県全体で一時的な避難所として使える県の施設は、県立学校を中心として12施設あると聞いているが、私が居住する港区では、県の施設が思いうかばない。学校が防災に関しても重要な施設であるため、県から市町に働きかけてほしい。
続いて、帰宅困難者の中には徒歩で帰宅しようとする被災者もたくさんいると思う。名古屋市外の人は、相当な時間をかけて、自宅または近くの避難所まで歩いて行くことが多く、大規模な地震の直後に、長時間歩いて慣れない道を行くことは大変な苦労が伴う。そこで、県では事業所等と協定を締結し、被災者の帰宅を支援する取組を行っていると聞いているが、その状況はどうなっているのか。
【理事者】
交通機関が運行を停止している間に徒歩で帰宅する被災者を支援するため、本県では事業者や店舗と連携して、災害時における徒歩帰宅者支援に関する協定の締結を進めている。
この協定は、店舗を徒歩帰宅支援ステーションとして、発災時に徒歩で帰宅する被災者が立ち寄った際に、水道水やトイレの提供、帰宅可能な道路情報の提供などのサービスを無償で受けられる内容である。
これまで、平成17年のコンビニエンスストア事業者、日本郵政公社との協定を皮切りに、飲食チェーン、新聞販売店、自動車販売事業者などと順次協議を行って協定を締結してきた。
本年度は、6月に株式会社オートバックスセブン、7月には株式会社ドトールコーヒーと新たに協定を締結し、現時点では、徒歩帰宅支援のサービスを受けられるのは26事業者の約7,600店舗となっている。
今後も引き続き徒歩帰宅者への支援に協力してもらえる事業者と連携し取組を進める。
【委員】
名古屋市中心部で災害が発生すると帰宅困難者が7万5,500人、施設の収容能力が4万5,900人である現状を考えると、敬老パスの利用者以外の名古屋市営地下鉄の利用者は1日に約105万人で、そのうち約40パーセントの42万人近くが名古屋市在住以外の愛知県民というデータが出ている。それならば、帰宅困難者7万5,500人のうち、地下鉄利用者の割合で考えると約3万人が名古屋市在住以外の愛知県民になる。帰宅困難者対策として、市町村の指定ではあるが、県が中心となって一時滞在施設の整備、学校の体育館という避難時に過ごしやすい場所があることから、積極的に県から市町村に提案する形で一時滞在施設の整備に取り組んでほしい。
【委員】
先月13日から15日まで実施した本委員会の県外調査で、東北地方の防災関連施設の視察結果を踏まえて、基幹的広域防災拠点について質問する。
基幹的広域防災拠点の整備の前提となる埋蔵文化財調査や造成工事について確認したい。
まず、本年度4月から埋蔵文化財の試掘調査を始めていると聞いているが、この調査状況はどうなっているのか。これまでの経緯を含めて、分かる範囲で、詳細に説明をしてほしい。
【理事者】
基幹的広域防災拠点の埋蔵文化財調査の状況であるが、防災拠点の一部となる豊山町管理の神明公園の西端に埋蔵文化財包蔵地があったことから、昨年度に県文化財室に対し防災拠点事業の範囲を示して、文化財の有無を照会した結果、試掘調査が必要であるという回答であった。
このため、埋蔵文化財の調査の対象範囲について確認したところ、一つは、文化財が埋蔵されていると推測される地層、包含層というが、それを掘削などで損傷することになる箇所、例えば地下の構造物や建築物を建てる場所、もう一つは、包含層を損傷しなくても施設を整備して供用すると二度と調査することが不可能となる、例えば道路の拡幅部分である、この二つの部分を対象に、その約3パーセントの面積で試掘調査を実施することとなった。
具体的な試掘調査面積は、防災拠点エリア内で約1,000平方メートル、関連事業となるが、大山川の地下調節池の部分では約600平方メートル、同じく関連事業である道路の拡幅部分については約400平方メートル、合計2,000平方メートルとなる。
この試掘調査に速やかに着手できるよう、調査対象箇所の用地交渉を優先して行い、4月から順次試掘調査を進めてきた。
試掘調査の進捗状況は、9月末時点で、防災拠点エリアでは約6割程度、大山川の調整池ではほぼ終了し、道路の拡幅部分は約1割程度となっており、試掘調査は、今年度中に全てを完了させたい。
なお、4月から6月にかけて、防災拠点部分の第1弾の試掘調査を実施し、その結果が8月上旬に文化財室から回答された。
【委員】
今の説明では少し分かりにくいので確認する。この試掘調査は、地下構造物や建物の箇所が対象で、昨年度に発注した造成工事はそれ以外の平場の部分の工事と認識している。それが、埋蔵文化財調査が原因でストップしていると聞いているが、この状況について伺う。
【理事者】
昨年度末に試掘調査の対象とならない箇所、主に農地であるが、耕作土の厚さ20センチメートルから30センチメートル程度をすき取った上で盛土造成を行う工事を発注した。
今年度になり本格的に工事着手しようと現場に重機を搬入したところ、文化財室から、周辺の試掘状況から二、三十センチメートル程度の耕作土のすき取りであっても文化財を傷つけるおそれがあり、試掘調査を行わずに工事を進めており、もし文化財が出てきた場合には工事を中断することになると指摘を受けた。急遽埋蔵文化財を傷つけない工法を検討することとなり、この検討に相当な時間を要し、工事を一時中断せざるを得なくなった。
このような事態になり、請負業者には大変な迷惑をかけた。現在は、盛土造成を再開しており、その他の工事についても、できる限り早期に再開できるよう努める。
【委員】
そもそもコミュニケーション不足というか、その辺のやり取りが十分にできていないと思わざるを得ないが、この試掘調査の結果、どのようなものが出てきているのか、また、現状保存しなければならないようなもの、いわゆる遺跡があるのか伺う。
【理事者】
試掘調査の結果であるが、弥生時代から江戸時代までの土器片や陶磁器片などの遺物や竪穴式住居跡地、柱跡、溝といった遺構も広範囲に渡って発見された。神明公園の西端に埋蔵文化財包蔵地があったことは認識していたが、防災拠点の西側のエリアにまで広がっていた。
この結果を受けて、文化財室からは、工事の実施前に発掘調査が必要であると言われているが、発掘調査は記録保存のみとなり、調査後は工事が可能となる見込みである。
なお、現時点で歴史的価値の極めて高い文化財は発見されていない。
【委員】
文化財室は県民文化局になるが、そことのやり取りはもう少しきちんとしてほしい。今後、発掘調査が必要とのことだが、この発掘調査の費用はどれぐらいになるのか。また、一番大事な部分として、どの程度の時間を要するのか。前回の6月定例議会で、PFI事業の債務負担行為の増額を議会で承認しているが、この事業スケジュールに影響が出るのか。
【理事者】
まだ全ての試掘調査を終えておらず全容を正確に把握できていないが、文化財保護法に基づく義務となるので、必要な予算を認めてもらい進めていきたい。
スケジュールについては、防災拠点の性格から一刻も早い供用が必要であるので、2026年度末の完成を目指して進めていくことに変わりはない。
発掘調査については、できる限り作業員を確保するとともに、工事と並行して調査を実施するなどして、適切かつ効率的に調査を進めていきたい。
【委員】
必要な予算額は今の段階では未定だが、予算を確保して進めるのは当然のことである。防災拠点は県民の命を預かる大切な施設であり、いち早く完成を目指していきたいのは同じ気持ちである。本調査はいつから着手して、いつまでかかるなど、もう少し詳細に聞きたい。拠点整備は、本当に2026年、当初の予定どおりの期日に間に合うのか。
【理事者】
把握調査について、事業スケジュールを踏まえると、県が直接整備する地下の洪水調整池の工事に時間を要するため、まずはこの地下調整池について、地元の理解をしっかりと得た上で、早期に着手できるよう、発注準備を進めていきたい。
全体の発掘調査の規模感については、正確に申し上げることはできないが、できるだけ調査員を集めて何班か体制を組んだ上で、調査を行いながら工事も並行して行っていくことで工期を短縮し、何としてでも2026年度末の完成に間に合うように努める。
【委員】
今の答弁のように、当然地元をおろそかにしては事業を円滑に進めることはできない。確定していなくても、いろいろな段階で地元への丁寧な説明が必要だと思う。豊山町と密に情報交換や意見交換を行うなどしっかりと連携して進めてほしい。
先ほど包蔵地、包蔵層、包蔵という言葉が出てきているが、この埋蔵文化財の調査状況や包蔵地の拡大に関する情報について、地元への説明や相談が十分でないと聞くが、その辺はどうなっているのか、また、どう考えているのか。
【理事者】
試掘の状況については、その途中で出土していた遺物などに関する断片的な情報は得ていたが、発掘調査が必要かどうかなどは調査報告書がまとまらないと判断ができないと県文化財室から報告を受けていた。
この報告書をまとめるためには、出土した遺物や遺構の状況を記載して、古い時代の地籍図や航空写真などの文献を参考に考察されるため、時間を要するので、これが8月上旬となった。その後、9月に豊山町にも説明し、了解をもらった。その上で9月24日と29日に地元住民に対して事業進捗状況を説明する中で埋蔵文化財調査に関する状況も説明した。
今後、発掘調査を進めるに当たっては、地元に対してより丁寧な説明を心がけていきたい。
【委員】
まさしく今の説明のとおりである。
防災安全局の立場からすると、基幹的防災拠点は必要であるから予算に上げているわけで、いち早くつくりたいという気持ちが必要である。一方で、県民文化局は埋蔵文化財保護の観点から、法律にのっとってやるべきことはやらなければならないというのも、立場としては正論だと思う。
ただし、繰り返しになるが、もともと基幹的防災拠点をこの場所につくるのは、必要性があってそうしているわけであり、そもそもこういう包蔵地帯があるのは、全体的な大枠では事前に分かっていた話で、そういう意味で防災安全局の姿勢として、やっていくぞという意気込みが必要である。
先ほど、期間の話を聞いた際に2026年に何とか間に合わせるという言い方をしているが、試掘調査は防災安全局ではなく、県民文化局の文化財室が実施することになるので、チームワークが必要になる。それぞれの立場でそれぞれの意図する思いは、ときには違う方向に向くこともあるが、そのときは早めに調整する必要がある。頑張ってやっていきますだけでは、うまく進まない。地元の人たちも現場を見ており、いろいろなことが起きていると思うし、きちんと確定しないと説明できないという理屈は分かるが、確定してない情報でも話すことはできる。信頼関係がないとますます変な形になると思う。
そういう意味で、もう少しきちんとコミュニケーションを取っていかなければ、この先試掘調査をしながらの工事は、口で言うほど簡単ではないと思うので、しっかりと打合せをして進めてほしい。
岩手県のツガワ未来館アピオという、岩手産業文化センターでの視察を踏まえて質問するが、このアピオは、東日本大震災のときに岩手県における支援物資の一次集積拠点として物流の本部機能を担い、物資配送情報が直接伝達され、また、公益社団法人岩手県トラック協会と県の両職員が常駐して、指揮命令を一元化、集約化して運営されていたと聞いてきた。
本県では、防災拠点の屋内運動施設が広域物資輸送拠点として運用されるようであるが、ここでの指揮命令について、どのように考えているのか。
また、アピオにもそういう大きな部屋があったと聞いているが、対応要員が的確に運営するためには、設備、広さが確保された指令室、指揮室が必要になると思う。屋内運動施設内にこうした部屋は確保されているのか。
【理事者】
防災拠点での指揮命令や指揮室の確保について、岩手県のアピオは、ここ1か所が物資集積拠点の中核を担い、物資の配送情報が岩手県の災害対策本部を通すことなく直接伝達されたことや、公益社団法人岩手県トラック協会と県の職員が常駐し、公益社団法人岩手県トラック協会が物資の受入れ、仕分、出荷を主導し、県は避難所からのニーズの吸い上げや物資の管理を主導するという指揮命令の一元化、集積化が行われたことが円滑な輸送につながったと認識している。
こうした点を踏まえ、本県の拠点においても、一般社団法人愛知県トラック協会の職員と県の職員が常駐して、物資の受入れ、仕分、出荷といった輸送業務の部分と、市町村避難所からのニーズの吸い上げ、連絡調整といった部分を役割分担して指揮命令の一元化、集約化を図るとともに、お互いに情報を共有し、密に連携して物資の輸送ができる体制となるよう進める。
また、指揮室の確保について、平常時は屋内運動施設の管理室となるスペースを拠点運用時には物資管理調整室として使用する。広さは、一般社団法人愛知県トラック協会と県の職員が業務を行うのに十分な約500平方メートル程度とし、拡声設備や通信回線などを設置する。
今後も円滑な運用ができるよう、引き続きトラック協会等物流専門家からの意見を取り入れ、効率的な作業や物資の配送ができるように努める。
【委員】
岩手県では、このアピオを物資の一次集約拠点として地域の二次集約拠点に配送した後、各市町村への避難所などに物資が運ばれたと聞いた。
本県では、今後このような運用を図るときにはどう物資輸送を行うのか。
【理事者】
基幹的広域防災拠点は、大規模災害時に物資の集積、仕分、配送の機能を備え、ここから各市町村の101か所の地域内輸送拠点に迅速かつ効率よく届けるための一次集積拠点の役割を担う。
岩手県の物流体制は、一次集積拠点のアピオが県全体の中核拠点としての役割を担い、県内のエリアごとに29か所の二次集積拠点を位置づけ、そこから各避難所へ配送する体制とされている。
また、オペレーションでも、県と公益社団法人岩手県トラック協会との役割分担が明確となっており、県は、国、市町村との連絡調整等を担い、公益社団法人岩手県トラック協会はそのリーダーシップにより輸送業務を主体的に担い、相互の連携によって効率よく一元的な仕組みとなっていた。
この調査結果を踏まえ、より一層効率的な輸送体制を構築するため、県でも救助実施市である名古屋市をはじめ、市町村、トラック協会などと輸送体制の検討を始めており、引き続き、現行の広域物資輸送拠点や地域の拠点の活用も含めた県全体の物流体制の全面的な見直しを行うなど、さらなる充実に向けて検討する。
【委員】
基幹的防災拠点ができる前の段階では、いわゆる愛知県のプッシュ型の支援による物資調達として、国から県の広域物資輸送拠点、例えば愛・地球博記念公園や豊橋市の総合体育館、中部トラック総合研修センターなどに届き、この広域拠点から101か所の市町に運んでいくイメージから替わって、基幹的広域防災拠点からそれぞれの市町に運んでいくという説明だったが、岩手県の場合もそうだが、大きな愛知県では二次的な拠点が必要だと思う。現行の広域物資輸送拠点や地域の拠点の活用も検討していくと簡単に言ったが、地域の拠点が何を指しているのか分からない。私も平成29年に、物流の話だけではなくて、海部、津島などいわゆるゼロメートル地帯の浸水する場所ではなく、その北側辺りに広域活動拠点を設けておかないと、30万人以上の被災者を救えないと話したことがある。先ほど五つと言ったこの広域物資輸送拠点は、例えば、先ほど帰宅困難者の話でも出ていたが、建設中の新しい体育館も非常に立地がいいところにあるため、二次的な拠点として使うべきだと思うし、きっとそのような話になる。新体育館は、トラックが入れることや、出入口の仕様などが要求水準書の中に含まれていて、そういう拠点になる予定だという前提があると聞いている。まず、県の新しい体育館は物資の輸送の拠点になり得るのか。仮になり得るとしたら、物資が出入りする搬入搬出の経路はどのように確保されているのか。
【理事者】
現在、名城公園の一角に整備中の新体育館は、大型車両がアリーナに直接乗り入れ、荷下ろしすることが可能な仕様であり、また、高速道路からアクセスもよいという立地から、災害時に物流の拠点機能を担うことが考えられる。今後、県全体の災害物流の体制を全面的に見直していく中で、新体育館の活用についても調整を進めていきたい。
基幹的広域防災拠点の完成前でも、広域物資輸送拠点としての活用等について、関係局や名古屋市、一般社団法人愛知県トラック協会と連携し調整していきたい。
次に、新体育館へのトラックの搬入搬出経路については、主に北側の市道から搬入し、東側の大津通りへ搬出するルートが確保されており、災害時でも利用可能である。今後、より一層効果的な輸送体制を構築するため、名古屋市をはじめ、市町村、トラック協会等との輸送体制などの検討を始めており、引き続き、現行の広域物資輸送拠点や新体育館の活用も含めた県全体の物流体制の全面的な見直しを行い、新体育館の物資拠点としての運用についても、トラック協会など物流専門家のアドバイスを受け、より実効性の高い計画づくりを検討していく。
【委員】
101か所の市町の拠点も今の新体育館の話もそうだが、地元の声をしっかり聴いてほしい。
新たな施設もできており、また、何年に聞き取りをして資料を作ったか知らないが、防災の意識もかなり高くなっているため、より実態に近い形で、現場、地元とよく相談をして、実りある計画を立て、シミュレーションができる仕組みにしてほしいと思うので、とにかく現場の声をよく聞いてほしい。
アピオへ行った際、建物の隣に大きな駐車場があり、いわゆる待機スペースが多くあった。現場が混乱しだすと、トラックの運転手も本当はすぐ荷物を下ろしたくても下ろせず、少し待機してもらうなど、いろいろなことが発生するので待機場所は必要になる。災害物資輸送拠点の広域防災拠点と新体育館、この二つにおける大型トラックの待機場所はどのようになっているのか。
【理事者】
大型トラックの待機場所について、まず、基幹的広域防災拠点で支援物資を輸送する車両は、搬入搬出合わせて1日当たり最大2,500台を想定している。防災拠点には物資輸送のほか、警察、消防、自衛隊といった応援部隊が入退場するため、動線が混線せず、加えて物資輸送の大型トラックに方向転換が必要ないよう、入場から退場まで一筆書きでルートを描けるように計画している。
大型トラックの待機場所については、防災拠点の西側に整備する支援物資エリア、約4.7ヘクタールあるが、ここに140台ほどの待機場所を設ける。
さらに、待機及び渋滞対策として、防災拠点の北側の道路、それから、中央の南北道路を17.5メートルに拡幅し、また、路肩も3メートル確保して一時待機場所とすることで、約50台が停車可能となる。
なお、この広い路肩は、平常時には自転車通行帯としての利用を想定している。
【理事者】
大型トラックの待機場所について、新体育館は大型集客施設としての役割を持っており、園内道路及び駐車場が確保されている。災害時はこうしたスペースを活用して、物資トラックの待機場所として約3,000平方メートル、当方の換算で大型トラックを91台待機させることができる。
今後、動線計画など効率のよい運用が可能となるよう、トラック協会などの物流専門家の助言を受け、検討を進めるとともに、アクセス道路の使用についても、公安委員会などと必要に応じて協議をしていきたい。
【委員】
それぞれ大体の大きさや台数を聞いて、少しイメージができてきた。いろいろなシミュレーション、想定は当然しておかなければならない。また、こうして使おうと思っていても、そこが被災して壊れていたりする可能性もあるため、いろいろな想定をしてほしい。
先ほどの答弁の中にもあったが、一般社団法人愛知県トラック協会との連携について、物流関係の支援に当たっては、拠点整備後はもちろんのこと、今から訓練等を進めておかないと、いざ災害が起きたときに機能しないのは当然のことで、一般社団法人愛知県トラック協会の位置づけは非常に大事である。一般社団法人愛知県トラック協会との連携、災害物流に関する訓練や運用の検討はどうなっているのか。
【理事者】
一般社団法人愛知県トラック協会との連携、そして、訓練、運用に関しては、現在、毎年度一般社団法人愛知県トラック協会の協力の下、県災害対策本部の登録要員も参加して、広域物資輸送拠点から市町村の地域内輸送拠点に物資を届ける災害物流訓練を実施しており、昨年度は中部トラック総合研修センターから豊田市及びみよし市の施設への輸送訓練を実施した。今年度は東三河地域で訓練を実施する予定である。
また、一般社団法人愛知県トラック協会の主催で災害物流専門家研修を実施しており、本年度も11月の研修に県職員が参加し、物流の専門知識の向上を図るとともに、物流事業者との相互連携を踏まえ、顔の見える関係づくりを進めている。
しかしながら、今回の県外調査を踏まえ、一般社団法人愛知県トラック協会の災害時における必要性、重要性を再認識した。
このため、拠点整備後のさらなる効率的な輸送体制の強化を図るため、県職員の拠点運用の能力向上と一般社団法人愛知県トラック協会のリーダーシップによる輸送業務訓練の充実など、トラック協会等の物流専門家のアドバイスを受け、相互に連携を図るよう努める。
【委員】
ぜひともこうしたシミュレーションを繰り返し、より現実に近い形で進めてほしい。
視察へ行ったアピオは、催事場の床が1万平方メートル当たり5トンの荷重に耐えられて、大型トラックがそのまま乗り入れることができ、実際に入っていたという話を聞いた。ただし、ぎりぎりトラックが入れる出入口が1か所しかなく、進入、退出時間を区分するなどの工夫が必要であったため、出入口は複数あったほうがよいという話も現場の人から聞いた。
そこで、県の防災拠点の屋内運動施設の床や出入口はどう整備される予定か伺う。
【理事者】
屋内運動施設を使用した支援物資の輸送方法については、一般社団法人愛知県トラック協会の意見も踏まえて、屋内運動施設の床はアピオと同じ強度である1平方メートル当たり5トンとし、大型トラックの荷重に耐えられる十分な強度となるよう検討する。
また、トラックが屋内運動場に入り円滑に荷下ろしや荷積みを行い退出までスムーズにできるよう、出入口も複数とし、また、出入口の位置取りについてもしっかりと検討する。
【委員】
県の防災拠点での災害救助用の備蓄物資はどうなっているのか聞きたい。
いろいろ調べていると、兵庫県の三木総合防災公園は、陸上競技場のバックスタンドの下に備蓄倉庫を設置しており、デッドスペースをうまく活用している。もともと備蓄は違う概念を持っていたと思うが、後方支援拠点としてはある程度のものを備蓄していたほうが自然な気がする。そこで、この備蓄に関して伺う。
【理事者】
まず、現在の本県における災害用備蓄物資の保管状況であるが、愛・地球博記念公園内の備蓄倉庫2棟をはじめとして、県の総合庁舎内の倉庫など16か所で分散備蓄をしている。今後、追加購入する物資等を基幹的広域防災拠点内に整備する備蓄倉庫に保管をしていく。
この拠点内の備蓄倉庫は屋内運動施設内に独立したスペースを設けて、食料約11万食、飲料水約6万リットル、毛布20万枚をはじめ、県民向けの災害用備蓄物資を保管するスペースを確保するとともに、その中には通路や荷さばき、フォークリフトが作業できるスペースを確保して、円滑で十分な保管ができるように検討を進める。
今後も設計等を進めていく中で、物流専門家の意見等を踏まえ、効率のよい管理、搬出を可能とするよう調整する。
【委員】
広域防災拠点には消防学校も一緒につくられるが、宮城県の消防学校では、宮城県初のPFI事業で学校をつくったという話を聞いた。
本県の拠点もPFIで進めているが、そもそも、なぜPFI事業としたのか。
【理事者】
拠点の整備にPFIを活用する理由として、本県の拠点では、防災機能のみならず、公園部分の活用や豊山町のにぎわい施設と一体的な運用による地域の活性化や、防災ビジネスの展開による産業振興なども含めた新しい形の防災拠点づくりをしていくため、民間からの知恵やノウハウも最大限に取り入れることができる整備運営手法として、PFI法に基づくBTコンセッション方式を採用することとしている。
事業範囲としては、消防学校及び公園の設計、建設、維持管理及び運営の部分を対象として、その他、公園の平場部分の整備は県が直接実施する。また、用地の取得から基盤整備である造成工事までも県が直接実施し、地域企業が参画できるよう工夫していく。
また、その後の運営についても、地元の意見を幅広く取り入れる仕組みなどを適切に組み合わせながら進める。
【委員】
説明が分かりにくい。
消防学校及び公園の設計、建設、維持管理及び運営の対象として、いろいろな防災ビジネスやスタートアップ、それから豊山町のにぎわい施設という話は、そもそも基幹的防災拠点には災害が起きたときに後方支援をする、県民の命を守っていくという機能があるが、それはずっと使われているわけではないため、補完的に平常時もきちんと使われるようにするという話である。今の説明は、補完的な話ばかりをしていたように聞こえる。
宮城県の消防学校へ行った際も、PFIを活用した維持管理や運営を行っているが、大規模改修のときには県と相談して予算を組んでもらうといっていた。つまり、新体育館のようなところは、災害時にも使うかもしれないが、メインは体育館であって、例えばコンサートもやれるようにするとか、スポーツ施設、文化施設、いろいろな営利も含めて生み出されるまさに民間の知恵、アイデアが欲しいが、県民の命を守るための防災施設は、災害はどのようになるか想像できないことがあるかもしれないが、やらなくてはならないことは限られている。そこに民間のアイデアというのであれば、県にアイデアはないのか。平常時の使い方はPFIでなくともアイデアを聞けばよい。なぜPFI方式にしたのかという私の質問に真摯に答えていない。
【理事者】
指摘のとおり、この拠点は、県民の命と財産を守る施設であり、それを県が進めていくという気概の基にしっかりと考えていく必要がある。
PFIの事業者に丸投げする印象を持たれてしまってはいけないと思っている。災害に対する県の取組、例えば啓発の部分も、名古屋市と一緒につくっていく消防学校の部分も、また、万が一災害が起きた際の支援部隊、警察、消防や応援の職員がその拠点から支援先に行ける、そして、戻ってきたときにしっかり休んで次の災害対応ができる施設にしていかなければならない。それらの部分は、県が主体的にしっかりと考えを持ってつくっていかなければならない。これは、今後実施していくPFIの事業者に様々な場面でしっかりと伝え、県の考えを形にして進めていきたい。その上で、平常時の利用についても、地元の豊山町、小牧市、土地を提供してもらった人々、消防学校を共同設置する名古屋市の考えもしっかりと聞きながら、それを形にして防災活動拠点をつくっていきたいと考えており、理解願いたい。
【委員】
気持ちはよく伝わった。ただし、やる気だけではなく、中身を表現していかなければならない。
このPFI事業に関して、一般的にPFI事業のデメリットは、契約をどこが取るか分からず、全然関係ない地元でない事業者も取る可能性があることである。地元事業者以外が落札した場合、地域の実情が反映されないという話をよく聞くが、何か地域の実情を反映させる手だてについて、県の考えはあるのか。
【理事者】
宮城県の消防学校でも、地域の実情がPFIは反映されにくいのではないかという懸念を持たれていたという話を聞いた。
本県の防災拠点の設計、建設に当たっては、本委員会の委員の指摘、意見を踏まえて、設計段階から地元の要請や意見に配慮し、要望に応えられる施設整備を実現していく。
また、運営維持管理段階では、地元の意見を聞く場を年1回以上は必ず設けて、その意見をできる限り反映していく。それは県だけではなく、PFI事業者にも同席してもらい、しっかりとその声を反映できる形で進めていきたい。
加えて、地域の実情を反映させるために、例えば地域と連携しながら地域貢献を進めるための提案や県産材のより多くの利用、あるいは交流人口を増加させるための提案をPFI事業者から求める。
【委員】
名古屋市の消防にはハイパーレスキューがあり、緊急消防救助隊が組織される場合は名古屋市の消防が指揮を取る。この防災拠点は、名古屋市と県が一緒になって消防学校をつくっていく、ある種いい部分を上手に活用するためにも県内消防のレベルをさらに高める必要があると思うが、その対応や考え方を伺う。
【理事者】
名古屋市は高度な救助技術や特殊装備を持つハイパーレスキュー、特別消防隊を有しており、日頃から特殊任務を担うための人材を育成している。
また、大都市圏を抱える名古屋市では、大規模災害に備えて大部隊を統率する高度な知識、技術を習得するための教育も行っている。
南海トラフ地震などの大規模災害に対応するためには、名古屋市だけでなく、県内消防本部全体の地域技術のレベルアップが必要であることから、県と名古屋市で消防学校を共同設置する準備を進めており、現在、教育カリキュラムの検討を行っている。
9月には共同設置を見据えて、双方の県市消防学校の初任科で県市合同の訓練を実施して、相互の連携強化や技術の向上を図った。また、学校間で教官の交流を密にしており、互いに知識を深め合っている。
今回共同設置する新たな消防学校では、名古屋市とその他の消防本部の職員が統一した基本の知識、技術を習得し、同じ資機材を使って訓練することにより、県内全体のレベルアップはもとより、部隊の連携における意思疎通を迅速化して、災害対応力を強化していきたいと考えている。
【委員】
教育カリキュラムの話があったので1点触れておきたいが、ドローンの活用については愛知県の基本カリキュラムに取り入れられていないと聞いている。宮城県消防学校の場合はニーズが少ないため、基本カリキュラムには入れていないといっていた。私の考えとしては、今後ドローンも技術的に進化し、より活用の仕方が増えてくると思う。消防の職員は火災現場だと恐らく免許なしで使えると思うが、それは消防の職員だけではなく消防団などでも、ドローンの活用は今後非常に有効になり、使用する場面はかなり増えてくると思う。県の消防学校でも教科には組み込まれていないが、ドローンやドローンに類似した新しい資機材を積極的に取り入れて、より現場に実用的な訓練や体験といった教育をしていくことが大事だと思うがどうか。
【理事者】
ドローンによる俯瞰的視点からの情報収集は、大規模災害に限らず、火災など常時発生する災害に対して大変有用だと考えている。
県内の消防本部でも、水難事故での不明者の捜索や火災現場での上空からの調査など、現場で実際に活用されており、今朝の新聞報道でも、名古屋市が民間のドローン業者と情報収集に関する連携体制を構築中という記事もあった。このようにますます活用が広がっている状況である。国でも、消防本部でのさらなる活用を推進している。
現在、本県の消防学校では、消防団教育の中で災害現場での情報収集など、ドローンの活用についての教育を行っている。
今後もドローンをはじめ、新しい資機材の活用等について、消防本部から実際に災害現場で使用していた感想など、現場の意見を聞いて学校教育に取り入れていく予定である。
また、新しい消防学校での訓練棟やグラウンドを使用して、ドローンなどの資機材の活用におけるスキルアップの方策などについても検討していく。
このように、ドローンの活用など、今後新たに発生する消防活動における需要を臨機応変にカリキュラムに反映するなど、時代にマッチした消防学校教育、学校運営に努める。
【委員】
東日本大震災のときには地元の消防団が現場を仕切った光景をよく見て、その活躍はすばらしいものであった。地元、地域に精通した消防団のように地域をよく知る者が現場を仕切るといろいろなことがうまく流れると思う。
消防学校では実りある消防教育という話をしてきたが、地元の消防団など地元をよく知る人が現場を仕切れるような流れが大事で、もちろん市町村のプロの消防職員もいるが、これからは人口減少社会で、火事をはじめとした災害が起きたときはいろいろな力を総結集しないと県民の命は守れないと思う。そこで、消防団教育の考え方を伺う。
【理事者】
本県の消防学校では、消防団教育として、災害時に現場の指揮者として必要となる救助や救命あるいは避難誘導、情報収集、伝達などの場面で的確な現場指揮、安全管理方法ができるように指揮幹部科という課程を実施しており、また、火災防御の活動に関する専門知識などを習得して災害の現場で中核として活動してもらうための課程、警防機関科という課程を消防団に対する教育として実施している。
さらなる団員のレベルアップを図るためには、実際に災害現場を仕切る現役の消防団長で地元の消防を束ねる公益財団法人愛知県消防協会会長に今後の消防団教育の在り方について意見を聞いた。
会長からは、東海豪雨など実際に災害を経験した人が少なくなり、地元で実際訓練をする場所も少なくなっている状況で、災害から地域を守るためには、新しい消防学校での実践的な訓練施設、これをいかに活用するかが重要である、という助言をもらった。
新たな消防学校では、都市部も山間地域もある本県の多様な地域特性に対応した訓練施設、例えば町並みを再現した街区消火訓練施設、あるいは、土砂災害訓練施設などのほかに、実際に火を燃やして実火災を体験できる体験型の訓練施設、震災直後の現場を想定した震災訓練場など実践的な訓練施設も計画している。
これらの活用方法や教育の内容について、引き続き公益財団法人愛知県消防協会会長などの専門家や市町村の意見、他県の先進的な取組を参考にしながら充実強化を図り、消防団のさらなるレベルアップにつなげていきたい。
【委員】
県外調査では、宮城県の白石市防災センターにも行ってきた。ここでは非常用の発電機として設置されているLPガスバルクについて視察してきたが、このLPガスバルクは長時間の発電が可能で操作もしやすく、また、燃料のLPガスは経年劣化などが少なく長期保存が可能であり、復旧も早いなどのメリットがある。県の防災拠点においても、非常時の電力の確保は大変重要だが、どのように考えているのか。
【理事者】
防災拠点における大規模災害時の電力確保について、ライフラインの途絶に備えて自家発電設備をしっかりと設置する。
防災拠点で求められる機能を果たすために、本部機能をつかさどる管理教育棟、物資搬送の拠点となる屋内運動施設、SCU(広域医療搬送拠点臨時医療施設)、広域搬送拠点、臨時医療施設などが運用される教育棟といったところは1週間の連続運転が可能な発電能力を確保する。
こうした主要な施設への非常用電源は、軽油及び都市ガスで稼働可能なガスタービンで発電させることとしており、加えて、耐震化した都市ガスの導管を拠点の整備に合わせて配備する予定である。
また、LPガスについては、長期保存が可能なことや復旧が早く災害に強いエネルギーであると認識している。
このため、防災拠点運用時に例えば支援部隊の休息宿泊施設となる宿泊棟の非常用電源として使用するなど、LPガスバルクの活用についても引き続き検討していきたい。
【委員】
最後に、基幹的広域防災拠点の平時利用について伺う。
当然災害は起きないほうがよく、整備はするものの、できるだけ防災拠点としては使われないほうがいいに決まっている。平常時の使い方はいろいろな考え方があると思うが、県民に親しまれる公園、特に地元の南側では豊山町エリアというものもあり、県民に親しまれる公園の在り方について、県当局の考えを伺う。
【理事者】
防災拠点における平常時の運用については、県民の健康づくりや文化交流など、誰もが安全、快適に利用できるサービスを提供するほか、競技スポーツ環境の充実やイベントの実施等により、憩いとにぎわいの場として安定的な運営を目指していく。
整備に当たっては、豊山町など地元のニーズや意見を踏まえ、その要望にしっかりと応えられる施設を実現していきたい。
現在、県が考えていることは、まず、公園の西側のエリアについては、屋内運動施設、それから舗装広場、さらに人工芝の広場を整備する。屋内運動施設では、テニスやフットサル、ボルダリングのほか、各種イベントの開催など、マルチに活用していくことを想定している。
また、舗装広場はテニスやバスケットボールでの活用を、人工芝広場ではアウトドア、フィットネスやモルック、ペタンクなどの新しい競技、健康づくり、癒しの競技や防災イベントなど、各種イベントによるにぎわいとしての活用を想定している。
公園の東側のエリアについては、多目的広場、芝生広場を整備する。
多目的広場については2面整備する予定で、照明設備をつけて、サッカー場や野球場として活用し、芝生広場では、サッカーや野球のアップフィールド、または、家族のレクリエーションの場としての活用を想定している。
神明公園エリアは、地元に愛されている神明公園のよいところを生かし、イベントゾーン、プレイロットを整備する。例えば、イベントゾーンではサバイバルキャンプなどの防災イベント、あるいはデイキャンプでの利用を考えており、プレイロットでは、現状の子供が遊ぶ楽しい機能の代替とした遊具、高齢者が使えるような健康遊具を整備していきたい。
小さな子供から高齢者まで幅広い層に楽しんでもらえる拠点とし、また、整備後も引き続き施設の利用者、地元豊山町の意見を聞きながら、多くの人々に親しまれる公園となるよう努める。
【委員】
答弁でより具体的な内容が出てきたのでまとめる。
まず、拠点整備に当たって、県の考え方がはっきり見えてこない。本日の総務企画委員会では、初めて聞いた言葉も多くあり、以前6月補正予算の資料をもらったときには、どこにもそのような言葉は書いてなかったため、いつの間にそのような話になっているのだと思って聞いていた。
仮に本日の説明が事実ならば、きちんと表現しなければならない。本日の一連の話は、こうやっていこう、ああやっていこうと口では言うが、それはこちら側が聞いてやっと言葉が出てきただけであり、聞かなかったら表に表われてこないし、見える化をもっとしていかなければならない。
PFIは仕様の水準を最低限こうするというが、もちろん民間のアイデアは欲しいところはもらえばよいが、より具体的にこちら側がしっかりと真剣に現場の声を聞きながら考えてやっていかなければならない。
2点目は、本当にPFIが正しいのかと思う。我々も議決しているので、もともとの話はよい。ただし、物価の高騰や賃金の変動を踏まえて増額している。この流れは収束するわけではなく非常に不安定な要素もある。さらに、本日一連の質問をしてきた埋蔵文化財の調査の関係も、防災安全局と県民文化局のボタンの掛け違いもそうである。一番大事なのは、豊山町や小牧市をはじめ、地元との協議が不安定である。私は豊山町長に会って話をしている。非常に納得いかない部分が、過去には強くあるようなので、繰り返しになるが、確定しないから言えないのではなく、中間報告など、途中経過もきちんと話をしないといけない。豊山町も南側にそういう施設を一体的につくるのだから、小さな町だと広域拠点のような大きな事業と隣接していくといっても、職員や予算の確保が大変である。そういった意味でも、もう少しきちんと地元とのコミュニケーションを取ること。その2点が大事だと思う。
もう一度言うが、PFIが本当に正しいのか、見直しも必要ではないのかということが1点。もう一つは、見える化をしていかなければならない。防災安全局の考え方が、本日の委員会で少し見えた気がするが、今までずっと見えていない。それは我々委員に対してもそうであるし、県民、地元の人に対してもそうだと思うが、その2点について、防災安全局長の考えを伺う。
【理事者】
防災安全局は、一刻も早く県民の生命、財産を守るために必要な防災拠点の整備を進めていきたい。
先ほど委員から、防災拠点の整備に当たり、委員や地元の意見をしっかり踏まえておらず、現場の連携や地元とのコミュニケーションが不足しており、県の考え方が見えてこないといった指摘を受け、大いに反省する。
まず、私たちがすべきことは、県民の代表である委員及び地元の豊山町、小牧市の意見を集約し情報を発信するとともに、現場を見てより一層知識を深めることにあると思っている。
委員からは、勢いだけでは駄目だ、そして、答弁がぼんやりしているという指摘も受けた。県としても、防災拠点をどう整備しどう運営していくのか、拠点の見える化を図っていく必要がある。
本日の意見を踏まえ、見える化とともに防災拠点の整備を進めていきたい。
県民の命を守る拠点を整備するという意識をしっかりと持って、事業者任せにせず、まずは防災安全局として防災拠点の在り方のポリシーを持った上でアイデアを募集していきたい。
6月定例議会の委員会で島倉誠委員、石塚吾歩路委員から今後の入札を見据えた質問があった。こうした指摘や、本日の委員会での指摘、県外調査で明らかとなった課題、そして、委員の意見を踏まえ、県独自の考え方を入れた要求水準書を示していきたい。
事業者から提案を求めるが、設計、建設段階からその先の運営に至るまで、県がどうつくり、どう運営していくかを、委員、そして地元の意見を聴きながら、きめ細かく説明して、命を守る施設として県が主体的に関与し、整備から運営にわたってポリシーを反映できるように整備を進めていきたい。
まず、再度PFIで今回進めていきたいと思うので、理解をお願いしたい。
【委員】
長く説明があったが、何も頭に残らない。何々つくります、何々つくりますと言葉はいいが、すぐ図面にできない。配置はできているが、説明は何も書いていない。屋内運動場についても格好いいことを言っているが、そんなに甘いものではない。何平方メートル、何トン確保するかも分からない。それで了承しろというのか。
PFIの問題もそうである。知多半島道路でPFIのコンセッションをやっているが、サービスエリアにお客が1人もいない。20時になったら店は閉まっている。華々しく画期的なシステムとして県は取り入れたが、PFIは信用できない。みんな困っているのになぜそれに固執するのか。最初から私はPFIに反対である。業者に運営されて、県は口が出せない。金だけ請求されて、そんなものがいいのか。
県体育館の問題も分かっていない。あれは今の議会事務局の平野次長が一番初めに取りかかった。名古屋市も入って、豊山町の伊井副町長が次を引き取って進めていた。それがスポーツ課に替わったら一切話がなく、極秘にする。これが愛知県のやり方である。国際展示場もそう。詳しい説明もなく、知らない間に物価が上がったと金をつり上げてしまった。こんなやり方がいいのか。だから、地元を無視したやり方であるPFIに私は最初から反対だと言っている。
では聞くが、9月補正予算の中に発掘費は幾ら組んであったのか。
【理事者】
発掘費用は、結果的には提出していないが約2億7,000万円を予定していた。
【委員】
9月に何を根拠に補正予算を組んだのか。何の話もなく、降って湧いたようなやり方だ。神明公園の事業は、誰の許可を取って、フェンスを設置したのか。誰が許可したのか。
【理事者】
大山川の調節池の工事は建設局で進めている。防災安全局もしっかりと把握すべきであり、内部で調整が進んでいなかったことが露見しているが、連絡体制ができておらず、許可をどのように取ったかは確認していない。
ただし、豊山町にはしっかりと説明をして、町の広報等にも載せてもらい、町民にお知らせ等をしている。
【委員】
豊山町も本日の委員会を傍聴している。委員会が終わってから確かめるが、本当に豊山町と話が通じているのか。
神明公園は2月に雪を入れて子供の遊び場にしている。豊山町長も遊び場が利用できないことを子供にどうやって説明するのか。公園の開放はやれるのかやれないのか。
【理事者】
こちらの認識不足で、そうした点への配慮が足りなかったと感じている。
早急に建設部局と話をして、今後どうしていくべきかしっかりと調整していきたい。
【委員】
今の答弁のように全部後手後手の対応となっている。埋蔵文化財の発掘調査は神明公園のときから分かっていたのに、なぜ予期しないのか。県民文化局が調査個所を増やせと言ったら、抑えることもしない。今のところ価値はありませんと、答弁ではっきり言ったではないか。さらに、民地までやろうとした。そんなやり方があるのか。
先ほど施設面の答弁があったため、早急に施設の配置図について資料を要求する。
【委員長】
委員から、基幹的広域防災拠点の災害時の利用、そして平時の利用について、資料で明らかにしてほしいという資料要求があったが、理事者としてこれを用意できるか。
【理事者】
まず、委員から指摘のあった局間のチームワーク、そしてコミュニケーション不足について、おわび申し上げる。大いに反省すべきである。
私は、基幹的広域防災拠点の平時の使い方、あるいは災害時の使い方を見える化して進めていくと答弁した。
資料は本日の委員の意見、そして、地元である豊山町の意見を踏まえて早急に作成し、総務企画委員会に提出し、説明できるようにする。
【委員】
今日は資料が出せないのか。
【委員長】
資料要求について理事者に聞くが、この委員会で見える化を図るため、例えば、この後一定の時間を確保できれば、先ほど説明のあった平時の利用等に関する資料を提出することは可能か。
【理事者】
まだ担当イメージであるが、資料を今準備しているので、現段階のイメージ図は提出することが可能である。
【委員】
再度確認しておくが、答弁したことを配置図に全部書けるのか。
【委員長】
それは平時の利用だけではなく、災害時も含むのか。
【委員】
平時のときのみである。
【委員長】
平時の利用についての資料要求に関して、用意できるか、改めて伺う。
【理事者】
作成段階のものについては提出することができる。
【委員長】
それでは、委員から資料要求があり、理事者側から、基幹的広域防災拠点の平時利用について、未確定の暫定的な考え方ではあるが資料を提出することができる旨の答弁があったため、委員会として資料を要求することに異議はないか。
(異議なし)
異議なしと認める。
【委員】
分かりにくい図面をつくってくれた。屋内の施設は何平方メートルあるのか。
【理事者】
屋内運動施設については、約1万平方メートルを予定している。
【委員】
消防学校は何人収容できるのか。
それから、自衛隊は自前でキャンプをするが、都道府県の応援隊、消防、警察はどうするのか。
【理事者】
まず、消防学校は約350人が災害時に待機、宿泊できる。
自衛隊は一番右の多目的広場とある辺りで、約1,000人の規模を予定している。
また、消防のベースキャンプは、消防学校の陸上競技場跡辺りを中心として、災害時は約1,600人に来てもらえるよう考えており、警察については、今ある芝生広場の辺りで約2,000人の規模を想定している。
他県からの応援等の人員については、消防学校内の宿泊棟等を宿泊場所としてカバーしていきたい。
【委員】
都道府県の応援は何人受け入れられるのか。
【理事者】
都道府県の人員が何人という想定はしていないが、拠点の活動要員、県の本部の者、物流関係者、あるいはDMATの本部のために来ている者、そのほか、他県からの応援の者を含めて、約350人が泊まれるように考えている。
【委員】
京都市の消防学校より規模が小さい。
【理事者】
京都の消防学校が何人受け入れられるかは資料が手元にないため分からないが、国の受援計画等により、県に来てもらえる人数を想定して、人員の場所を確保している。
【委員】
京都市の消防学校での視察内容を伺う。
【理事者】
施設内をしっかりと見せてもらった。そして、京都に緊急消防援助隊が来たときにそこにどのように泊まったかを確認したが、何人規模かは確認していなかった。
【委員】
一番大事なことは、自衛隊は全部自前で滞在できるが、警察、消防、特に都道府県の応援隊が、寒風にさらされて、夏だったら暑い中で、自前で滞在できるのか。
京都市の消防学校では、都道府県の応援隊が何人受け入れられるか数字が出ているはずだ。
良くないのは、現地へ行ってそのような確認も取らずに、勝手に数字を書いていることである。
屋内運動施設は本当に1万平方メートルでやるのか。応援隊は大体1週間交代だが、風呂の確保はできているのか。ここでつまずいたら、応援隊は二度と愛知県に来てくれない。豊山町と同行して京都市の消防学校を視察した際に、局長は一緒に行ったのか。
【理事者】
私は一緒に視察へ行っていない。
【委員】
トップがなぜ行かないのか。この事業の全責任を持ち、指揮命令しているのは誰なのか。
【理事者】
防災拠点については、防災安全局の一丁目一番地であるため、重要なものについては知事、副知事、局長と、それぞれの職責に応じてやっているが、防災安全局長として、私がしっかりとリーダーシップを取ってまとめていくべき立場である。
【委員】
現場も知らず、話も聞かずに、誰が仕切れるのか。なぜPFIに固執するのか。一時期は消防学校だけPFIにすると話があったが、なぜ全体になったのか。
県の新しい道路でも、何もメリットがない。先ほど触れたように、知多半島道路の大府市のサービスエリアでも新しいものを取り入れますというが、美浜町へ行く途中のサービスエリアにはコンビニエンスストアとラーメン屋のほかは何も入っていない。上りも新しく作ったが、私が19時45分に行くと、電気を消して閉まりかけており、20時には終わっている。コンセッションだといってやっているが、これが実態である。
ほかのPFI事業、例えば、宮城県の消防学校でも、皆困っている。今の施設で使えない消防車やホースなどの中古品を使っている。愛知県の消防学校もそうだが、中古品を持ってくるだけで、そこで学んでも最新のものは何も使えない。室長も見ているが、消防車やホースは何年前のものだったか。あれがPFIだ。先ほど、ハイパーレスキューの話が出たが、県が運営しなかったら、何も通用しない。
県が主体でやれていない。他事例を調査しても、どこもやれていない。県が口を出したら金で行き詰まっている。みんな悩んでいるのになぜPFIに固執するのか、委員が言ったように、何がメリットなのか。今までの説明は何も理解できない。この平面の分かりにくい図面では、議論のしようがない。
消防学校にプールがないが、どこに造るのか。
【理事者】
委員に示した図の、消防学校の水色の部分の駐車場の上、右の管理教育施設の右の施設になる。
【委員】
それはグラウンドではないのか。
【理事者】
宿泊施設があるその上の消防訓練施設が水難救助の訓練施設である。
【委員】
何メートルプールなのか。
【理事者】
10メートルと5メートルと3メートル、三つの部分に分けてプールを設置する予定である。(令和5年10月13日訂正)。
【委員】
豊山町と調整してあるのか。
【理事者】
平時の使い方については豊山町の意見を聴いているが、こうした図では示していないので、これから改めて意見を聴きたいと思っている。
【委員】
防災拠点について発表してから何年もたっているのに、用地買収だけに時間を費やして、何も進んでいない。豊山町にメリットは何もなく、住民は誰も納得できない。局長は地元である豊山町の話を聞きに行っておらず、騒がれてからあわてて行っているだけではないのか。このようなものは議論の対象にならない。
図面に何々施設と書いてあるが、事業総額は予算に収まるのか。
【理事者】
現在350億円の総事業費を予定しており、その金額で収まる範囲のものを、豊山町にもしっかりと意見を聴き、整備、建設を進めたい。
【委員】
簡単にそんなことを言うが、我々は一つ一つの施設に幾らかかるかという積算の根拠が分からない。豊山町は町のプールを廃止して、拠点を兼用で使えないかといっている。そのうえで、今プールがあるところに中学校を移したいという考えもある。その辺の意図を県は何もくんでいない。
こんなものは京都市の消防学校より規模が小さい。
体育館を造るときに私も名古屋市の説得に加わり、道路を造らせたのに、先ほど委員が質問した際には、防災拠点と県の新体育館とで機能をどう分けるかも答えられていない。
総務企画委員会の県外調査で岩手県や仙台市へ行った意図を、みんなに分かってもらいたい。施設を整備したあとでは、取り返しがつかなくなる。
一番悪いのは、局長や幹部が現場に行かずにあぐらをかいていることだ。誰が責任を持つ指揮者なのか。責任を持って進めるのに、現場を見ずにどう指揮するのか。だから、我々が幾ら聞いてもまやかしばかりで、県のやる気があるようには聞こえない。誰の圧力か知らないが、県が華々しくやっていることを視察しても現実と合っていない。地元と調整もせずに無視してやっているから利用率も上がらない。だからみんな廃墟になっていく。
それでは聞くが、豊山町はこれをやることによってどれだけ減収になるのか。
【理事者】
防災拠点の整備により、民有地が13.6ヘクタールである。そこで買収すると、町の税収は、約数百万円になると聞いている。
【委員】
数百万円減である。
豊山町は不交付団体であり、金を借りようと思っても起債には歯止めがかかる。その影響で豊山町の持ち出しが幾らになるかといったことを県は何も考えていない。県は4月から豊山町と全くコミュニケーションを取らずに、無視して勝手に進めているだけだ。
前の防災拠点推進室長だった災害対策課長が、当時自民党の議員総会で、防災拠点やPFIについていろいろ述べていたが、今は話が変わっている。今はPFIの範囲が全部に膨らんだ。PFIをやっているところを調べてみたらよい。県は何も口を出せない。
私は全部調べて根拠を持って質問している。県は調整しているというが、大事なことが頭に一つも入っておらず、まやかしを述べている。
はっきり言っておく。発掘調査に関する9月補正予算案を提出しなかった。補正予算案を提出するのは12月しかないのに、本当に全部やれるのか。総力を挙げて発掘調査をやりますというが、防災安全局は、時間単価幾らでやるのか分からないであろう。それではもう信用できない。PFIの問題をどうするか整理しなければ話が進まない。
【理事者】
先ほど、答弁の中でも局長が述べているが、我々としては、様々な意見もあるが、県の考えを反映した上でPFI方式による入札公告を再度行いたいと考えている。
仮に入札不調となった場合には、事業手法について改めて検討していくので、理解をお願いしたい。
【委員】
固執しているのであれば、私はのむことはできない。
( 委 員 会 )
日 時 令和5年10月12日(木) 午後0時58分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
辻 秀樹、おおたけりえ 正副委員長
水野富夫、伊藤辰夫、島倉 誠、石塚吾歩路、中根義高、藤原ひろき、
朝日将貴、天野正基、安井伸治、朝倉浩一、各委員
防災安全局長、防災部長、県民安全監、関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
なし
<会議の概要>
1 開 会
2 委員席の一部変更
3 一般質問
4 休憩(午後3時24分)
5 再開(午後3時46分)
6 閉 会
(主な質疑)
《一般質問》
【委員】
まず、指定避難所と任意の自主避難所との連携について伺う。
東日本大震災から12年が経過し、一部で風化が指摘されている。2016年4月14日と16日に発生した熊本地震では、子供が泣いたら迷惑になる、感染症が怖いなどの理由から避難所を避けて屋外のテントや車中で過ごした人は少なくなかった。その後も西日本集中豪雨、北海道地震と自然災害が相次ぎ発生しており、さらに、南海トラフ地震が起きることは確かである。
熊本地震の際に、ボランティアに行った人に話を聞くと、熊本県内では、ピーク時で約900か所の避難所が開設、18万人を超える住民が避難し、避難所生活は最長7か月続いた。この中に自主避難、在宅避難者は反映されていないが、そのときの自主避難所はピーク時で700か所あったとのことである。
今回は、災害時の妊婦、乳幼児、子供、女性に特化して質問したいと思う。
私は2016年に福祉避難所について質問したが、その後、福祉避難所の指定はどれくらい進んだのか。
【理事者】
福祉局によると、2022年10月末の時点で本県の福祉避難所は1,064か所で、2016年と比べ約3割増加しており、その内訳は、高齢者施設が603か所、障害者施設が236か所、児童福祉施設が96か所などとなっている。
【委員】
ここで、一般社団法人こども女性ネット東海を紹介したい。
子供と女性の人材育成に努め、子供と女性の主体的な参画と多様で多彩な主催者による連携協力により、新たな地域防災で中核を担う女性リーダーを醸成していくという目的で設置された女性の団体である。現在は、防災女性リーダーが50人を超える大きな団体になっている。
熊本地震発生後、本来であれば福祉避難所に避難するが、私設避難所として地域の方に開放された保育園などの保育者がいる避難所は、園に通う子供とその家族だけではなく、地域の人の心の支えになったとのことである。
熊本震災10か月後の熊本県の調査によると、夜泣きが増えた、暗い場所を怖がるなど、親子の55パーセントに精神的影響があった。災害時に見落としやすい妊婦、乳幼児、女性の命を守るには、不安な災害時に安心して身を寄せられる任意の自主避難所が大変重要だと思う。
また、任意の避難所をつくることも重要であるが、女性目線からの気づきのためには女性の防災リーダーの育成も重要と考えるが、どう進めていくのか。
【理事者】
女性目線からの気づきのためには、女性の防災リーダーの育成は重要である。
国が2020年5月に策定した災害対応力を強化する女性の視点、男女共同参画の視点からの防災復興ガイドラインでは、女性と男性が災害から受ける影響の違いなどに十分配慮された女性の視点から災害対応を行うことが、防災や減災、災害に強い社会の実現にとって必須とされている。
このため、本県では、防災・減災カレッジにおいて、避難所運営に女性目線を取り入れることの重要性に触れ、実際に女性が中心となった自主防災組織の代表者に事例紹介を行ってもらっている。
また、防災リーダーの育成に関しては、自主防災組織の指導的立場にある人を対象とした自主防災組織リーダー研修会を一般財団法人日本防火・防災協会と共催で行っている。
今後も、女性防災リーダーの育成や女性目線からの気づきに着目した研修内容となるように検討し、強化していく。
【委員】
こども女性ネット東海に関わる任意の避難所は、現在、愛知県と岐阜県、三重県で23か所あるとのことである。市町村の指定避難所を補完するこうした避難所は必要だと思うが、避難所指定がされていないことから、いざというときにここで避難生活を送る人たちが取り残されると心配している。
そこで、県としてどのように任意の避難所を支援していくのか。
【理事者】
災害時に被災した住民には市町村が指定する避難所に避難してもらうことが原則である。
しかしながら、大規模災害時には、熊本地震の事例のように、避難所の施設面の問題や他の避難者との関係などの理由から、市町村の避難所に指定されていない場所での避難生活を余儀なくされる被災者もいると想定される。
県では、このような避難所以外の場所への避難者に対しても、愛知県避難所運営マニュアルにおいて食料、情報などの支援を行うこととし、市町村と共有している。
発災時の円滑な対応のためには、避難所以外の場所への避難を計画する団体と市町村、地域の自治会などが平時から意見交換を通じて共通の認識を持っておくことが大切である。
このため、市町村関係団体、県の関係部局と連携して情報の共有に努めるとともに、市町村防災担当課長会議で事例を紹介するなどして、災害時に被災者が取り残されることのないよう市町村の取組を支援していく。
【委員】
一般社団法人こども女性ネット東海の活動は、女性リーダーを醸成することを含めて任意の避難所支援とネットワークづくりをしている。緊急時、災害時、声を上げにくい妊婦、乳幼児、子供、女性の命を守るため、日頃より防災、減災の活動と助かる、助ける活動を行っている。高齢者、障害者、LGBTなどの人々が安心できる任意の小規模な避難所があればどんなに安心できるか、との話も聞いている。
愛知県避難所運営マニュアルの六つの基本方針の中に、避難所は地域や市町村災害対策本部と連携し、避難所以外の場所に滞在する被災者へも支援を提供する拠点として機能することを目指しますと書いてあった。愛知県がこういった団体を支援していけば、災害時に伴走支援ができる団体がもっと増えると思うので、それも考慮して進めてほしい。
【委員】
帰宅困難者対策について、2011年の東日本大震災では、交通機関が運行を停止したために帰宅することができない帰宅困難者が多数発生した。仮にこの人たちが一斉に徒歩で帰宅を始めた場合、道路に人があふれて緊急車両が通行できず救助活動の妨げになったり、火災が起きて逃げ遅れるなどにより二次的な被害が起きると思う。
県が平成26年5月に公表した東海地震、東南海地震、南海地震被害予測調査結果によると、県内に最大で約93万人の帰宅困難者の発生が予想されており、南海トラフ地震が発生した場合、名古屋市など都市部を中心に多くの人が滞留すると思われる。帰宅困難者は安全に帰宅を開始できるまでの間、一時滞在施設で待機することとなるが、今年4月の共同通信の記事によると、47都道府県庁所在市区の約3割弱の市区が施設の受入れ能力が不足していると回答している。名古屋市の状況も記事の中で触れられており、市中心部の帰宅困難者が約7万5,500人であるのに対し、施設の収容能力は約4万5,900人にとどまっているとのことで、十分に一時滞在施設が確保されているとはいえない。
そこで、名古屋市における帰宅困難者の一時滞在施設の確保はどのように進めているのか。また、県の施設が指定されている例があるのか。
【理事者】
本県では、大規模地震発生時に駅周辺地域での混乱による二次被害の発生を防ぐため、帰宅困難者がむやみに移動や帰宅を開始しないことを基本原則として、市町村関係機関と連携して、被災者に安全に帰宅してもらうことを目的として取組を進めている。
名古屋市では、名古屋市周辺で土地開発事業者、建物の所有者、鉄道会社等で構成する安全確保計画部会において、県も参画して帰宅困難者対策を検討している。
一時滞在施設は、名古屋市が建物の所有者と協議の上指定しており、平成26年の第一次安全確保計画では、7施設、収容人数4,000人であったが、継続して拡充に努め、令和5年の第三次計画改訂版では、45施設3万人と着実に増加している。
また、令和2年には金山駅周辺、令和4年には伏見・栄地区でも計画が策定されており、名古屋駅周辺と併せて、引き続き名古屋市と連携し、一時滞在施設の確保に向けた検討を進めている。
なお、県の施設については、ウインクあいちと愛知芸術文化センターが指定されている。
【委員】
名古屋市内、名古屋駅と栄地区で二つの施設が指定されているとのことだが、名古屋市だけでなく、郊外の市町村でも、発災時には公共交通がストップして、市町村の指定避難場所までの距離が遠く、徒歩での移動が困難な被災者が多数発生すると思う。このようなときに、県の施設に居合わせたり、近くを通りかかったりした人がその施設に一時的に退避することができれば、安心につながる。
そこで、県の施設も帰宅困難者の一時滞在施設として活用することも考えられるが、県の考えを伺う。
【理事者】
現在は、ウインクあいち、愛知芸術文化センターが一時滞在施設に指定されているが、引き続き市町村の意向も踏まえて、県の施設を帰宅困難者の一時滞在施設とすることについて、施設を所管する局と連携して対応を検討していく。
また、市町村防災担当課長会議などの機会を通じて、一時滞在施設の確保について周知の徹底を図り、県、市町村で協力して帰宅困難者に対する支援に努める。
【委員】
県全体で一時的な避難所として使える県の施設は、県立学校を中心として12施設あると聞いているが、私が居住する港区では、県の施設が思いうかばない。学校が防災に関しても重要な施設であるため、県から市町に働きかけてほしい。
続いて、帰宅困難者の中には徒歩で帰宅しようとする被災者もたくさんいると思う。名古屋市外の人は、相当な時間をかけて、自宅または近くの避難所まで歩いて行くことが多く、大規模な地震の直後に、長時間歩いて慣れない道を行くことは大変な苦労が伴う。そこで、県では事業所等と協定を締結し、被災者の帰宅を支援する取組を行っていると聞いているが、その状況はどうなっているのか。
【理事者】
交通機関が運行を停止している間に徒歩で帰宅する被災者を支援するため、本県では事業者や店舗と連携して、災害時における徒歩帰宅者支援に関する協定の締結を進めている。
この協定は、店舗を徒歩帰宅支援ステーションとして、発災時に徒歩で帰宅する被災者が立ち寄った際に、水道水やトイレの提供、帰宅可能な道路情報の提供などのサービスを無償で受けられる内容である。
これまで、平成17年のコンビニエンスストア事業者、日本郵政公社との協定を皮切りに、飲食チェーン、新聞販売店、自動車販売事業者などと順次協議を行って協定を締結してきた。
本年度は、6月に株式会社オートバックスセブン、7月には株式会社ドトールコーヒーと新たに協定を締結し、現時点では、徒歩帰宅支援のサービスを受けられるのは26事業者の約7,600店舗となっている。
今後も引き続き徒歩帰宅者への支援に協力してもらえる事業者と連携し取組を進める。
【委員】
名古屋市中心部で災害が発生すると帰宅困難者が7万5,500人、施設の収容能力が4万5,900人である現状を考えると、敬老パスの利用者以外の名古屋市営地下鉄の利用者は1日に約105万人で、そのうち約40パーセントの42万人近くが名古屋市在住以外の愛知県民というデータが出ている。それならば、帰宅困難者7万5,500人のうち、地下鉄利用者の割合で考えると約3万人が名古屋市在住以外の愛知県民になる。帰宅困難者対策として、市町村の指定ではあるが、県が中心となって一時滞在施設の整備、学校の体育館という避難時に過ごしやすい場所があることから、積極的に県から市町村に提案する形で一時滞在施設の整備に取り組んでほしい。
【委員】
先月13日から15日まで実施した本委員会の県外調査で、東北地方の防災関連施設の視察結果を踏まえて、基幹的広域防災拠点について質問する。
基幹的広域防災拠点の整備の前提となる埋蔵文化財調査や造成工事について確認したい。
まず、本年度4月から埋蔵文化財の試掘調査を始めていると聞いているが、この調査状況はどうなっているのか。これまでの経緯を含めて、分かる範囲で、詳細に説明をしてほしい。
【理事者】
基幹的広域防災拠点の埋蔵文化財調査の状況であるが、防災拠点の一部となる豊山町管理の神明公園の西端に埋蔵文化財包蔵地があったことから、昨年度に県文化財室に対し防災拠点事業の範囲を示して、文化財の有無を照会した結果、試掘調査が必要であるという回答であった。
このため、埋蔵文化財の調査の対象範囲について確認したところ、一つは、文化財が埋蔵されていると推測される地層、包含層というが、それを掘削などで損傷することになる箇所、例えば地下の構造物や建築物を建てる場所、もう一つは、包含層を損傷しなくても施設を整備して供用すると二度と調査することが不可能となる、例えば道路の拡幅部分である、この二つの部分を対象に、その約3パーセントの面積で試掘調査を実施することとなった。
具体的な試掘調査面積は、防災拠点エリア内で約1,000平方メートル、関連事業となるが、大山川の地下調節池の部分では約600平方メートル、同じく関連事業である道路の拡幅部分については約400平方メートル、合計2,000平方メートルとなる。
この試掘調査に速やかに着手できるよう、調査対象箇所の用地交渉を優先して行い、4月から順次試掘調査を進めてきた。
試掘調査の進捗状況は、9月末時点で、防災拠点エリアでは約6割程度、大山川の調整池ではほぼ終了し、道路の拡幅部分は約1割程度となっており、試掘調査は、今年度中に全てを完了させたい。
なお、4月から6月にかけて、防災拠点部分の第1弾の試掘調査を実施し、その結果が8月上旬に文化財室から回答された。
【委員】
今の説明では少し分かりにくいので確認する。この試掘調査は、地下構造物や建物の箇所が対象で、昨年度に発注した造成工事はそれ以外の平場の部分の工事と認識している。それが、埋蔵文化財調査が原因でストップしていると聞いているが、この状況について伺う。
【理事者】
昨年度末に試掘調査の対象とならない箇所、主に農地であるが、耕作土の厚さ20センチメートルから30センチメートル程度をすき取った上で盛土造成を行う工事を発注した。
今年度になり本格的に工事着手しようと現場に重機を搬入したところ、文化財室から、周辺の試掘状況から二、三十センチメートル程度の耕作土のすき取りであっても文化財を傷つけるおそれがあり、試掘調査を行わずに工事を進めており、もし文化財が出てきた場合には工事を中断することになると指摘を受けた。急遽埋蔵文化財を傷つけない工法を検討することとなり、この検討に相当な時間を要し、工事を一時中断せざるを得なくなった。
このような事態になり、請負業者には大変な迷惑をかけた。現在は、盛土造成を再開しており、その他の工事についても、できる限り早期に再開できるよう努める。
【委員】
そもそもコミュニケーション不足というか、その辺のやり取りが十分にできていないと思わざるを得ないが、この試掘調査の結果、どのようなものが出てきているのか、また、現状保存しなければならないようなもの、いわゆる遺跡があるのか伺う。
【理事者】
試掘調査の結果であるが、弥生時代から江戸時代までの土器片や陶磁器片などの遺物や竪穴式住居跡地、柱跡、溝といった遺構も広範囲に渡って発見された。神明公園の西端に埋蔵文化財包蔵地があったことは認識していたが、防災拠点の西側のエリアにまで広がっていた。
この結果を受けて、文化財室からは、工事の実施前に発掘調査が必要であると言われているが、発掘調査は記録保存のみとなり、調査後は工事が可能となる見込みである。
なお、現時点で歴史的価値の極めて高い文化財は発見されていない。
【委員】
文化財室は県民文化局になるが、そことのやり取りはもう少しきちんとしてほしい。今後、発掘調査が必要とのことだが、この発掘調査の費用はどれぐらいになるのか。また、一番大事な部分として、どの程度の時間を要するのか。前回の6月定例議会で、PFI事業の債務負担行為の増額を議会で承認しているが、この事業スケジュールに影響が出るのか。
【理事者】
まだ全ての試掘調査を終えておらず全容を正確に把握できていないが、文化財保護法に基づく義務となるので、必要な予算を認めてもらい進めていきたい。
スケジュールについては、防災拠点の性格から一刻も早い供用が必要であるので、2026年度末の完成を目指して進めていくことに変わりはない。
発掘調査については、できる限り作業員を確保するとともに、工事と並行して調査を実施するなどして、適切かつ効率的に調査を進めていきたい。
【委員】
必要な予算額は今の段階では未定だが、予算を確保して進めるのは当然のことである。防災拠点は県民の命を預かる大切な施設であり、いち早く完成を目指していきたいのは同じ気持ちである。本調査はいつから着手して、いつまでかかるなど、もう少し詳細に聞きたい。拠点整備は、本当に2026年、当初の予定どおりの期日に間に合うのか。
【理事者】
把握調査について、事業スケジュールを踏まえると、県が直接整備する地下の洪水調整池の工事に時間を要するため、まずはこの地下調整池について、地元の理解をしっかりと得た上で、早期に着手できるよう、発注準備を進めていきたい。
全体の発掘調査の規模感については、正確に申し上げることはできないが、できるだけ調査員を集めて何班か体制を組んだ上で、調査を行いながら工事も並行して行っていくことで工期を短縮し、何としてでも2026年度末の完成に間に合うように努める。
【委員】
今の答弁のように、当然地元をおろそかにしては事業を円滑に進めることはできない。確定していなくても、いろいろな段階で地元への丁寧な説明が必要だと思う。豊山町と密に情報交換や意見交換を行うなどしっかりと連携して進めてほしい。
先ほど包蔵地、包蔵層、包蔵という言葉が出てきているが、この埋蔵文化財の調査状況や包蔵地の拡大に関する情報について、地元への説明や相談が十分でないと聞くが、その辺はどうなっているのか、また、どう考えているのか。
【理事者】
試掘の状況については、その途中で出土していた遺物などに関する断片的な情報は得ていたが、発掘調査が必要かどうかなどは調査報告書がまとまらないと判断ができないと県文化財室から報告を受けていた。
この報告書をまとめるためには、出土した遺物や遺構の状況を記載して、古い時代の地籍図や航空写真などの文献を参考に考察されるため、時間を要するので、これが8月上旬となった。その後、9月に豊山町にも説明し、了解をもらった。その上で9月24日と29日に地元住民に対して事業進捗状況を説明する中で埋蔵文化財調査に関する状況も説明した。
今後、発掘調査を進めるに当たっては、地元に対してより丁寧な説明を心がけていきたい。
【委員】
まさしく今の説明のとおりである。
防災安全局の立場からすると、基幹的防災拠点は必要であるから予算に上げているわけで、いち早くつくりたいという気持ちが必要である。一方で、県民文化局は埋蔵文化財保護の観点から、法律にのっとってやるべきことはやらなければならないというのも、立場としては正論だと思う。
ただし、繰り返しになるが、もともと基幹的防災拠点をこの場所につくるのは、必要性があってそうしているわけであり、そもそもこういう包蔵地帯があるのは、全体的な大枠では事前に分かっていた話で、そういう意味で防災安全局の姿勢として、やっていくぞという意気込みが必要である。
先ほど、期間の話を聞いた際に2026年に何とか間に合わせるという言い方をしているが、試掘調査は防災安全局ではなく、県民文化局の文化財室が実施することになるので、チームワークが必要になる。それぞれの立場でそれぞれの意図する思いは、ときには違う方向に向くこともあるが、そのときは早めに調整する必要がある。頑張ってやっていきますだけでは、うまく進まない。地元の人たちも現場を見ており、いろいろなことが起きていると思うし、きちんと確定しないと説明できないという理屈は分かるが、確定してない情報でも話すことはできる。信頼関係がないとますます変な形になると思う。
そういう意味で、もう少しきちんとコミュニケーションを取っていかなければ、この先試掘調査をしながらの工事は、口で言うほど簡単ではないと思うので、しっかりと打合せをして進めてほしい。
岩手県のツガワ未来館アピオという、岩手産業文化センターでの視察を踏まえて質問するが、このアピオは、東日本大震災のときに岩手県における支援物資の一次集積拠点として物流の本部機能を担い、物資配送情報が直接伝達され、また、公益社団法人岩手県トラック協会と県の両職員が常駐して、指揮命令を一元化、集約化して運営されていたと聞いてきた。
本県では、防災拠点の屋内運動施設が広域物資輸送拠点として運用されるようであるが、ここでの指揮命令について、どのように考えているのか。
また、アピオにもそういう大きな部屋があったと聞いているが、対応要員が的確に運営するためには、設備、広さが確保された指令室、指揮室が必要になると思う。屋内運動施設内にこうした部屋は確保されているのか。
【理事者】
防災拠点での指揮命令や指揮室の確保について、岩手県のアピオは、ここ1か所が物資集積拠点の中核を担い、物資の配送情報が岩手県の災害対策本部を通すことなく直接伝達されたことや、公益社団法人岩手県トラック協会と県の職員が常駐し、公益社団法人岩手県トラック協会が物資の受入れ、仕分、出荷を主導し、県は避難所からのニーズの吸い上げや物資の管理を主導するという指揮命令の一元化、集積化が行われたことが円滑な輸送につながったと認識している。
こうした点を踏まえ、本県の拠点においても、一般社団法人愛知県トラック協会の職員と県の職員が常駐して、物資の受入れ、仕分、出荷といった輸送業務の部分と、市町村避難所からのニーズの吸い上げ、連絡調整といった部分を役割分担して指揮命令の一元化、集約化を図るとともに、お互いに情報を共有し、密に連携して物資の輸送ができる体制となるよう進める。
また、指揮室の確保について、平常時は屋内運動施設の管理室となるスペースを拠点運用時には物資管理調整室として使用する。広さは、一般社団法人愛知県トラック協会と県の職員が業務を行うのに十分な約500平方メートル程度とし、拡声設備や通信回線などを設置する。
今後も円滑な運用ができるよう、引き続きトラック協会等物流専門家からの意見を取り入れ、効率的な作業や物資の配送ができるように努める。
【委員】
岩手県では、このアピオを物資の一次集約拠点として地域の二次集約拠点に配送した後、各市町村への避難所などに物資が運ばれたと聞いた。
本県では、今後このような運用を図るときにはどう物資輸送を行うのか。
【理事者】
基幹的広域防災拠点は、大規模災害時に物資の集積、仕分、配送の機能を備え、ここから各市町村の101か所の地域内輸送拠点に迅速かつ効率よく届けるための一次集積拠点の役割を担う。
岩手県の物流体制は、一次集積拠点のアピオが県全体の中核拠点としての役割を担い、県内のエリアごとに29か所の二次集積拠点を位置づけ、そこから各避難所へ配送する体制とされている。
また、オペレーションでも、県と公益社団法人岩手県トラック協会との役割分担が明確となっており、県は、国、市町村との連絡調整等を担い、公益社団法人岩手県トラック協会はそのリーダーシップにより輸送業務を主体的に担い、相互の連携によって効率よく一元的な仕組みとなっていた。
この調査結果を踏まえ、より一層効率的な輸送体制を構築するため、県でも救助実施市である名古屋市をはじめ、市町村、トラック協会などと輸送体制の検討を始めており、引き続き、現行の広域物資輸送拠点や地域の拠点の活用も含めた県全体の物流体制の全面的な見直しを行うなど、さらなる充実に向けて検討する。
【委員】
基幹的防災拠点ができる前の段階では、いわゆる愛知県のプッシュ型の支援による物資調達として、国から県の広域物資輸送拠点、例えば愛・地球博記念公園や豊橋市の総合体育館、中部トラック総合研修センターなどに届き、この広域拠点から101か所の市町に運んでいくイメージから替わって、基幹的広域防災拠点からそれぞれの市町に運んでいくという説明だったが、岩手県の場合もそうだが、大きな愛知県では二次的な拠点が必要だと思う。現行の広域物資輸送拠点や地域の拠点の活用も検討していくと簡単に言ったが、地域の拠点が何を指しているのか分からない。私も平成29年に、物流の話だけではなくて、海部、津島などいわゆるゼロメートル地帯の浸水する場所ではなく、その北側辺りに広域活動拠点を設けておかないと、30万人以上の被災者を救えないと話したことがある。先ほど五つと言ったこの広域物資輸送拠点は、例えば、先ほど帰宅困難者の話でも出ていたが、建設中の新しい体育館も非常に立地がいいところにあるため、二次的な拠点として使うべきだと思うし、きっとそのような話になる。新体育館は、トラックが入れることや、出入口の仕様などが要求水準書の中に含まれていて、そういう拠点になる予定だという前提があると聞いている。まず、県の新しい体育館は物資の輸送の拠点になり得るのか。仮になり得るとしたら、物資が出入りする搬入搬出の経路はどのように確保されているのか。
【理事者】
現在、名城公園の一角に整備中の新体育館は、大型車両がアリーナに直接乗り入れ、荷下ろしすることが可能な仕様であり、また、高速道路からアクセスもよいという立地から、災害時に物流の拠点機能を担うことが考えられる。今後、県全体の災害物流の体制を全面的に見直していく中で、新体育館の活用についても調整を進めていきたい。
基幹的広域防災拠点の完成前でも、広域物資輸送拠点としての活用等について、関係局や名古屋市、一般社団法人愛知県トラック協会と連携し調整していきたい。
次に、新体育館へのトラックの搬入搬出経路については、主に北側の市道から搬入し、東側の大津通りへ搬出するルートが確保されており、災害時でも利用可能である。今後、より一層効果的な輸送体制を構築するため、名古屋市をはじめ、市町村、トラック協会等との輸送体制などの検討を始めており、引き続き、現行の広域物資輸送拠点や新体育館の活用も含めた県全体の物流体制の全面的な見直しを行い、新体育館の物資拠点としての運用についても、トラック協会など物流専門家のアドバイスを受け、より実効性の高い計画づくりを検討していく。
【委員】
101か所の市町の拠点も今の新体育館の話もそうだが、地元の声をしっかり聴いてほしい。
新たな施設もできており、また、何年に聞き取りをして資料を作ったか知らないが、防災の意識もかなり高くなっているため、より実態に近い形で、現場、地元とよく相談をして、実りある計画を立て、シミュレーションができる仕組みにしてほしいと思うので、とにかく現場の声をよく聞いてほしい。
アピオへ行った際、建物の隣に大きな駐車場があり、いわゆる待機スペースが多くあった。現場が混乱しだすと、トラックの運転手も本当はすぐ荷物を下ろしたくても下ろせず、少し待機してもらうなど、いろいろなことが発生するので待機場所は必要になる。災害物資輸送拠点の広域防災拠点と新体育館、この二つにおける大型トラックの待機場所はどのようになっているのか。
【理事者】
大型トラックの待機場所について、まず、基幹的広域防災拠点で支援物資を輸送する車両は、搬入搬出合わせて1日当たり最大2,500台を想定している。防災拠点には物資輸送のほか、警察、消防、自衛隊といった応援部隊が入退場するため、動線が混線せず、加えて物資輸送の大型トラックに方向転換が必要ないよう、入場から退場まで一筆書きでルートを描けるように計画している。
大型トラックの待機場所については、防災拠点の西側に整備する支援物資エリア、約4.7ヘクタールあるが、ここに140台ほどの待機場所を設ける。
さらに、待機及び渋滞対策として、防災拠点の北側の道路、それから、中央の南北道路を17.5メートルに拡幅し、また、路肩も3メートル確保して一時待機場所とすることで、約50台が停車可能となる。
なお、この広い路肩は、平常時には自転車通行帯としての利用を想定している。
【理事者】
大型トラックの待機場所について、新体育館は大型集客施設としての役割を持っており、園内道路及び駐車場が確保されている。災害時はこうしたスペースを活用して、物資トラックの待機場所として約3,000平方メートル、当方の換算で大型トラックを91台待機させることができる。
今後、動線計画など効率のよい運用が可能となるよう、トラック協会などの物流専門家の助言を受け、検討を進めるとともに、アクセス道路の使用についても、公安委員会などと必要に応じて協議をしていきたい。
【委員】
それぞれ大体の大きさや台数を聞いて、少しイメージができてきた。いろいろなシミュレーション、想定は当然しておかなければならない。また、こうして使おうと思っていても、そこが被災して壊れていたりする可能性もあるため、いろいろな想定をしてほしい。
先ほどの答弁の中にもあったが、一般社団法人愛知県トラック協会との連携について、物流関係の支援に当たっては、拠点整備後はもちろんのこと、今から訓練等を進めておかないと、いざ災害が起きたときに機能しないのは当然のことで、一般社団法人愛知県トラック協会の位置づけは非常に大事である。一般社団法人愛知県トラック協会との連携、災害物流に関する訓練や運用の検討はどうなっているのか。
【理事者】
一般社団法人愛知県トラック協会との連携、そして、訓練、運用に関しては、現在、毎年度一般社団法人愛知県トラック協会の協力の下、県災害対策本部の登録要員も参加して、広域物資輸送拠点から市町村の地域内輸送拠点に物資を届ける災害物流訓練を実施しており、昨年度は中部トラック総合研修センターから豊田市及びみよし市の施設への輸送訓練を実施した。今年度は東三河地域で訓練を実施する予定である。
また、一般社団法人愛知県トラック協会の主催で災害物流専門家研修を実施しており、本年度も11月の研修に県職員が参加し、物流の専門知識の向上を図るとともに、物流事業者との相互連携を踏まえ、顔の見える関係づくりを進めている。
しかしながら、今回の県外調査を踏まえ、一般社団法人愛知県トラック協会の災害時における必要性、重要性を再認識した。
このため、拠点整備後のさらなる効率的な輸送体制の強化を図るため、県職員の拠点運用の能力向上と一般社団法人愛知県トラック協会のリーダーシップによる輸送業務訓練の充実など、トラック協会等の物流専門家のアドバイスを受け、相互に連携を図るよう努める。
【委員】
ぜひともこうしたシミュレーションを繰り返し、より現実に近い形で進めてほしい。
視察へ行ったアピオは、催事場の床が1万平方メートル当たり5トンの荷重に耐えられて、大型トラックがそのまま乗り入れることができ、実際に入っていたという話を聞いた。ただし、ぎりぎりトラックが入れる出入口が1か所しかなく、進入、退出時間を区分するなどの工夫が必要であったため、出入口は複数あったほうがよいという話も現場の人から聞いた。
そこで、県の防災拠点の屋内運動施設の床や出入口はどう整備される予定か伺う。
【理事者】
屋内運動施設を使用した支援物資の輸送方法については、一般社団法人愛知県トラック協会の意見も踏まえて、屋内運動施設の床はアピオと同じ強度である1平方メートル当たり5トンとし、大型トラックの荷重に耐えられる十分な強度となるよう検討する。
また、トラックが屋内運動場に入り円滑に荷下ろしや荷積みを行い退出までスムーズにできるよう、出入口も複数とし、また、出入口の位置取りについてもしっかりと検討する。
【委員】
県の防災拠点での災害救助用の備蓄物資はどうなっているのか聞きたい。
いろいろ調べていると、兵庫県の三木総合防災公園は、陸上競技場のバックスタンドの下に備蓄倉庫を設置しており、デッドスペースをうまく活用している。もともと備蓄は違う概念を持っていたと思うが、後方支援拠点としてはある程度のものを備蓄していたほうが自然な気がする。そこで、この備蓄に関して伺う。
【理事者】
まず、現在の本県における災害用備蓄物資の保管状況であるが、愛・地球博記念公園内の備蓄倉庫2棟をはじめとして、県の総合庁舎内の倉庫など16か所で分散備蓄をしている。今後、追加購入する物資等を基幹的広域防災拠点内に整備する備蓄倉庫に保管をしていく。
この拠点内の備蓄倉庫は屋内運動施設内に独立したスペースを設けて、食料約11万食、飲料水約6万リットル、毛布20万枚をはじめ、県民向けの災害用備蓄物資を保管するスペースを確保するとともに、その中には通路や荷さばき、フォークリフトが作業できるスペースを確保して、円滑で十分な保管ができるように検討を進める。
今後も設計等を進めていく中で、物流専門家の意見等を踏まえ、効率のよい管理、搬出を可能とするよう調整する。
【委員】
広域防災拠点には消防学校も一緒につくられるが、宮城県の消防学校では、宮城県初のPFI事業で学校をつくったという話を聞いた。
本県の拠点もPFIで進めているが、そもそも、なぜPFI事業としたのか。
【理事者】
拠点の整備にPFIを活用する理由として、本県の拠点では、防災機能のみならず、公園部分の活用や豊山町のにぎわい施設と一体的な運用による地域の活性化や、防災ビジネスの展開による産業振興なども含めた新しい形の防災拠点づくりをしていくため、民間からの知恵やノウハウも最大限に取り入れることができる整備運営手法として、PFI法に基づくBTコンセッション方式を採用することとしている。
事業範囲としては、消防学校及び公園の設計、建設、維持管理及び運営の部分を対象として、その他、公園の平場部分の整備は県が直接実施する。また、用地の取得から基盤整備である造成工事までも県が直接実施し、地域企業が参画できるよう工夫していく。
また、その後の運営についても、地元の意見を幅広く取り入れる仕組みなどを適切に組み合わせながら進める。
【委員】
説明が分かりにくい。
消防学校及び公園の設計、建設、維持管理及び運営の対象として、いろいろな防災ビジネスやスタートアップ、それから豊山町のにぎわい施設という話は、そもそも基幹的防災拠点には災害が起きたときに後方支援をする、県民の命を守っていくという機能があるが、それはずっと使われているわけではないため、補完的に平常時もきちんと使われるようにするという話である。今の説明は、補完的な話ばかりをしていたように聞こえる。
宮城県の消防学校へ行った際も、PFIを活用した維持管理や運営を行っているが、大規模改修のときには県と相談して予算を組んでもらうといっていた。つまり、新体育館のようなところは、災害時にも使うかもしれないが、メインは体育館であって、例えばコンサートもやれるようにするとか、スポーツ施設、文化施設、いろいろな営利も含めて生み出されるまさに民間の知恵、アイデアが欲しいが、県民の命を守るための防災施設は、災害はどのようになるか想像できないことがあるかもしれないが、やらなくてはならないことは限られている。そこに民間のアイデアというのであれば、県にアイデアはないのか。平常時の使い方はPFIでなくともアイデアを聞けばよい。なぜPFI方式にしたのかという私の質問に真摯に答えていない。
【理事者】
指摘のとおり、この拠点は、県民の命と財産を守る施設であり、それを県が進めていくという気概の基にしっかりと考えていく必要がある。
PFIの事業者に丸投げする印象を持たれてしまってはいけないと思っている。災害に対する県の取組、例えば啓発の部分も、名古屋市と一緒につくっていく消防学校の部分も、また、万が一災害が起きた際の支援部隊、警察、消防や応援の職員がその拠点から支援先に行ける、そして、戻ってきたときにしっかり休んで次の災害対応ができる施設にしていかなければならない。それらの部分は、県が主体的にしっかりと考えを持ってつくっていかなければならない。これは、今後実施していくPFIの事業者に様々な場面でしっかりと伝え、県の考えを形にして進めていきたい。その上で、平常時の利用についても、地元の豊山町、小牧市、土地を提供してもらった人々、消防学校を共同設置する名古屋市の考えもしっかりと聞きながら、それを形にして防災活動拠点をつくっていきたいと考えており、理解願いたい。
【委員】
気持ちはよく伝わった。ただし、やる気だけではなく、中身を表現していかなければならない。
このPFI事業に関して、一般的にPFI事業のデメリットは、契約をどこが取るか分からず、全然関係ない地元でない事業者も取る可能性があることである。地元事業者以外が落札した場合、地域の実情が反映されないという話をよく聞くが、何か地域の実情を反映させる手だてについて、県の考えはあるのか。
【理事者】
宮城県の消防学校でも、地域の実情がPFIは反映されにくいのではないかという懸念を持たれていたという話を聞いた。
本県の防災拠点の設計、建設に当たっては、本委員会の委員の指摘、意見を踏まえて、設計段階から地元の要請や意見に配慮し、要望に応えられる施設整備を実現していく。
また、運営維持管理段階では、地元の意見を聞く場を年1回以上は必ず設けて、その意見をできる限り反映していく。それは県だけではなく、PFI事業者にも同席してもらい、しっかりとその声を反映できる形で進めていきたい。
加えて、地域の実情を反映させるために、例えば地域と連携しながら地域貢献を進めるための提案や県産材のより多くの利用、あるいは交流人口を増加させるための提案をPFI事業者から求める。
【委員】
名古屋市の消防にはハイパーレスキューがあり、緊急消防救助隊が組織される場合は名古屋市の消防が指揮を取る。この防災拠点は、名古屋市と県が一緒になって消防学校をつくっていく、ある種いい部分を上手に活用するためにも県内消防のレベルをさらに高める必要があると思うが、その対応や考え方を伺う。
【理事者】
名古屋市は高度な救助技術や特殊装備を持つハイパーレスキュー、特別消防隊を有しており、日頃から特殊任務を担うための人材を育成している。
また、大都市圏を抱える名古屋市では、大規模災害に備えて大部隊を統率する高度な知識、技術を習得するための教育も行っている。
南海トラフ地震などの大規模災害に対応するためには、名古屋市だけでなく、県内消防本部全体の地域技術のレベルアップが必要であることから、県と名古屋市で消防学校を共同設置する準備を進めており、現在、教育カリキュラムの検討を行っている。
9月には共同設置を見据えて、双方の県市消防学校の初任科で県市合同の訓練を実施して、相互の連携強化や技術の向上を図った。また、学校間で教官の交流を密にしており、互いに知識を深め合っている。
今回共同設置する新たな消防学校では、名古屋市とその他の消防本部の職員が統一した基本の知識、技術を習得し、同じ資機材を使って訓練することにより、県内全体のレベルアップはもとより、部隊の連携における意思疎通を迅速化して、災害対応力を強化していきたいと考えている。
【委員】
教育カリキュラムの話があったので1点触れておきたいが、ドローンの活用については愛知県の基本カリキュラムに取り入れられていないと聞いている。宮城県消防学校の場合はニーズが少ないため、基本カリキュラムには入れていないといっていた。私の考えとしては、今後ドローンも技術的に進化し、より活用の仕方が増えてくると思う。消防の職員は火災現場だと恐らく免許なしで使えると思うが、それは消防の職員だけではなく消防団などでも、ドローンの活用は今後非常に有効になり、使用する場面はかなり増えてくると思う。県の消防学校でも教科には組み込まれていないが、ドローンやドローンに類似した新しい資機材を積極的に取り入れて、より現場に実用的な訓練や体験といった教育をしていくことが大事だと思うがどうか。
【理事者】
ドローンによる俯瞰的視点からの情報収集は、大規模災害に限らず、火災など常時発生する災害に対して大変有用だと考えている。
県内の消防本部でも、水難事故での不明者の捜索や火災現場での上空からの調査など、現場で実際に活用されており、今朝の新聞報道でも、名古屋市が民間のドローン業者と情報収集に関する連携体制を構築中という記事もあった。このようにますます活用が広がっている状況である。国でも、消防本部でのさらなる活用を推進している。
現在、本県の消防学校では、消防団教育の中で災害現場での情報収集など、ドローンの活用についての教育を行っている。
今後もドローンをはじめ、新しい資機材の活用等について、消防本部から実際に災害現場で使用していた感想など、現場の意見を聞いて学校教育に取り入れていく予定である。
また、新しい消防学校での訓練棟やグラウンドを使用して、ドローンなどの資機材の活用におけるスキルアップの方策などについても検討していく。
このように、ドローンの活用など、今後新たに発生する消防活動における需要を臨機応変にカリキュラムに反映するなど、時代にマッチした消防学校教育、学校運営に努める。
【委員】
東日本大震災のときには地元の消防団が現場を仕切った光景をよく見て、その活躍はすばらしいものであった。地元、地域に精通した消防団のように地域をよく知る者が現場を仕切るといろいろなことがうまく流れると思う。
消防学校では実りある消防教育という話をしてきたが、地元の消防団など地元をよく知る人が現場を仕切れるような流れが大事で、もちろん市町村のプロの消防職員もいるが、これからは人口減少社会で、火事をはじめとした災害が起きたときはいろいろな力を総結集しないと県民の命は守れないと思う。そこで、消防団教育の考え方を伺う。
【理事者】
本県の消防学校では、消防団教育として、災害時に現場の指揮者として必要となる救助や救命あるいは避難誘導、情報収集、伝達などの場面で的確な現場指揮、安全管理方法ができるように指揮幹部科という課程を実施しており、また、火災防御の活動に関する専門知識などを習得して災害の現場で中核として活動してもらうための課程、警防機関科という課程を消防団に対する教育として実施している。
さらなる団員のレベルアップを図るためには、実際に災害現場を仕切る現役の消防団長で地元の消防を束ねる公益財団法人愛知県消防協会会長に今後の消防団教育の在り方について意見を聞いた。
会長からは、東海豪雨など実際に災害を経験した人が少なくなり、地元で実際訓練をする場所も少なくなっている状況で、災害から地域を守るためには、新しい消防学校での実践的な訓練施設、これをいかに活用するかが重要である、という助言をもらった。
新たな消防学校では、都市部も山間地域もある本県の多様な地域特性に対応した訓練施設、例えば町並みを再現した街区消火訓練施設、あるいは、土砂災害訓練施設などのほかに、実際に火を燃やして実火災を体験できる体験型の訓練施設、震災直後の現場を想定した震災訓練場など実践的な訓練施設も計画している。
これらの活用方法や教育の内容について、引き続き公益財団法人愛知県消防協会会長などの専門家や市町村の意見、他県の先進的な取組を参考にしながら充実強化を図り、消防団のさらなるレベルアップにつなげていきたい。
【委員】
県外調査では、宮城県の白石市防災センターにも行ってきた。ここでは非常用の発電機として設置されているLPガスバルクについて視察してきたが、このLPガスバルクは長時間の発電が可能で操作もしやすく、また、燃料のLPガスは経年劣化などが少なく長期保存が可能であり、復旧も早いなどのメリットがある。県の防災拠点においても、非常時の電力の確保は大変重要だが、どのように考えているのか。
【理事者】
防災拠点における大規模災害時の電力確保について、ライフラインの途絶に備えて自家発電設備をしっかりと設置する。
防災拠点で求められる機能を果たすために、本部機能をつかさどる管理教育棟、物資搬送の拠点となる屋内運動施設、SCU(広域医療搬送拠点臨時医療施設)、広域搬送拠点、臨時医療施設などが運用される教育棟といったところは1週間の連続運転が可能な発電能力を確保する。
こうした主要な施設への非常用電源は、軽油及び都市ガスで稼働可能なガスタービンで発電させることとしており、加えて、耐震化した都市ガスの導管を拠点の整備に合わせて配備する予定である。
また、LPガスについては、長期保存が可能なことや復旧が早く災害に強いエネルギーであると認識している。
このため、防災拠点運用時に例えば支援部隊の休息宿泊施設となる宿泊棟の非常用電源として使用するなど、LPガスバルクの活用についても引き続き検討していきたい。
【委員】
最後に、基幹的広域防災拠点の平時利用について伺う。
当然災害は起きないほうがよく、整備はするものの、できるだけ防災拠点としては使われないほうがいいに決まっている。平常時の使い方はいろいろな考え方があると思うが、県民に親しまれる公園、特に地元の南側では豊山町エリアというものもあり、県民に親しまれる公園の在り方について、県当局の考えを伺う。
【理事者】
防災拠点における平常時の運用については、県民の健康づくりや文化交流など、誰もが安全、快適に利用できるサービスを提供するほか、競技スポーツ環境の充実やイベントの実施等により、憩いとにぎわいの場として安定的な運営を目指していく。
整備に当たっては、豊山町など地元のニーズや意見を踏まえ、その要望にしっかりと応えられる施設を実現していきたい。
現在、県が考えていることは、まず、公園の西側のエリアについては、屋内運動施設、それから舗装広場、さらに人工芝の広場を整備する。屋内運動施設では、テニスやフットサル、ボルダリングのほか、各種イベントの開催など、マルチに活用していくことを想定している。
また、舗装広場はテニスやバスケットボールでの活用を、人工芝広場ではアウトドア、フィットネスやモルック、ペタンクなどの新しい競技、健康づくり、癒しの競技や防災イベントなど、各種イベントによるにぎわいとしての活用を想定している。
公園の東側のエリアについては、多目的広場、芝生広場を整備する。
多目的広場については2面整備する予定で、照明設備をつけて、サッカー場や野球場として活用し、芝生広場では、サッカーや野球のアップフィールド、または、家族のレクリエーションの場としての活用を想定している。
神明公園エリアは、地元に愛されている神明公園のよいところを生かし、イベントゾーン、プレイロットを整備する。例えば、イベントゾーンではサバイバルキャンプなどの防災イベント、あるいはデイキャンプでの利用を考えており、プレイロットでは、現状の子供が遊ぶ楽しい機能の代替とした遊具、高齢者が使えるような健康遊具を整備していきたい。
小さな子供から高齢者まで幅広い層に楽しんでもらえる拠点とし、また、整備後も引き続き施設の利用者、地元豊山町の意見を聞きながら、多くの人々に親しまれる公園となるよう努める。
【委員】
答弁でより具体的な内容が出てきたのでまとめる。
まず、拠点整備に当たって、県の考え方がはっきり見えてこない。本日の総務企画委員会では、初めて聞いた言葉も多くあり、以前6月補正予算の資料をもらったときには、どこにもそのような言葉は書いてなかったため、いつの間にそのような話になっているのだと思って聞いていた。
仮に本日の説明が事実ならば、きちんと表現しなければならない。本日の一連の話は、こうやっていこう、ああやっていこうと口では言うが、それはこちら側が聞いてやっと言葉が出てきただけであり、聞かなかったら表に表われてこないし、見える化をもっとしていかなければならない。
PFIは仕様の水準を最低限こうするというが、もちろん民間のアイデアは欲しいところはもらえばよいが、より具体的にこちら側がしっかりと真剣に現場の声を聞きながら考えてやっていかなければならない。
2点目は、本当にPFIが正しいのかと思う。我々も議決しているので、もともとの話はよい。ただし、物価の高騰や賃金の変動を踏まえて増額している。この流れは収束するわけではなく非常に不安定な要素もある。さらに、本日一連の質問をしてきた埋蔵文化財の調査の関係も、防災安全局と県民文化局のボタンの掛け違いもそうである。一番大事なのは、豊山町や小牧市をはじめ、地元との協議が不安定である。私は豊山町長に会って話をしている。非常に納得いかない部分が、過去には強くあるようなので、繰り返しになるが、確定しないから言えないのではなく、中間報告など、途中経過もきちんと話をしないといけない。豊山町も南側にそういう施設を一体的につくるのだから、小さな町だと広域拠点のような大きな事業と隣接していくといっても、職員や予算の確保が大変である。そういった意味でも、もう少しきちんと地元とのコミュニケーションを取ること。その2点が大事だと思う。
もう一度言うが、PFIが本当に正しいのか、見直しも必要ではないのかということが1点。もう一つは、見える化をしていかなければならない。防災安全局の考え方が、本日の委員会で少し見えた気がするが、今までずっと見えていない。それは我々委員に対してもそうであるし、県民、地元の人に対してもそうだと思うが、その2点について、防災安全局長の考えを伺う。
【理事者】
防災安全局は、一刻も早く県民の生命、財産を守るために必要な防災拠点の整備を進めていきたい。
先ほど委員から、防災拠点の整備に当たり、委員や地元の意見をしっかり踏まえておらず、現場の連携や地元とのコミュニケーションが不足しており、県の考え方が見えてこないといった指摘を受け、大いに反省する。
まず、私たちがすべきことは、県民の代表である委員及び地元の豊山町、小牧市の意見を集約し情報を発信するとともに、現場を見てより一層知識を深めることにあると思っている。
委員からは、勢いだけでは駄目だ、そして、答弁がぼんやりしているという指摘も受けた。県としても、防災拠点をどう整備しどう運営していくのか、拠点の見える化を図っていく必要がある。
本日の意見を踏まえ、見える化とともに防災拠点の整備を進めていきたい。
県民の命を守る拠点を整備するという意識をしっかりと持って、事業者任せにせず、まずは防災安全局として防災拠点の在り方のポリシーを持った上でアイデアを募集していきたい。
6月定例議会の委員会で島倉誠委員、石塚吾歩路委員から今後の入札を見据えた質問があった。こうした指摘や、本日の委員会での指摘、県外調査で明らかとなった課題、そして、委員の意見を踏まえ、県独自の考え方を入れた要求水準書を示していきたい。
事業者から提案を求めるが、設計、建設段階からその先の運営に至るまで、県がどうつくり、どう運営していくかを、委員、そして地元の意見を聴きながら、きめ細かく説明して、命を守る施設として県が主体的に関与し、整備から運営にわたってポリシーを反映できるように整備を進めていきたい。
まず、再度PFIで今回進めていきたいと思うので、理解をお願いしたい。
【委員】
長く説明があったが、何も頭に残らない。何々つくります、何々つくりますと言葉はいいが、すぐ図面にできない。配置はできているが、説明は何も書いていない。屋内運動場についても格好いいことを言っているが、そんなに甘いものではない。何平方メートル、何トン確保するかも分からない。それで了承しろというのか。
PFIの問題もそうである。知多半島道路でPFIのコンセッションをやっているが、サービスエリアにお客が1人もいない。20時になったら店は閉まっている。華々しく画期的なシステムとして県は取り入れたが、PFIは信用できない。みんな困っているのになぜそれに固執するのか。最初から私はPFIに反対である。業者に運営されて、県は口が出せない。金だけ請求されて、そんなものがいいのか。
県体育館の問題も分かっていない。あれは今の議会事務局の平野次長が一番初めに取りかかった。名古屋市も入って、豊山町の伊井副町長が次を引き取って進めていた。それがスポーツ課に替わったら一切話がなく、極秘にする。これが愛知県のやり方である。国際展示場もそう。詳しい説明もなく、知らない間に物価が上がったと金をつり上げてしまった。こんなやり方がいいのか。だから、地元を無視したやり方であるPFIに私は最初から反対だと言っている。
では聞くが、9月補正予算の中に発掘費は幾ら組んであったのか。
【理事者】
発掘費用は、結果的には提出していないが約2億7,000万円を予定していた。
【委員】
9月に何を根拠に補正予算を組んだのか。何の話もなく、降って湧いたようなやり方だ。神明公園の事業は、誰の許可を取って、フェンスを設置したのか。誰が許可したのか。
【理事者】
大山川の調節池の工事は建設局で進めている。防災安全局もしっかりと把握すべきであり、内部で調整が進んでいなかったことが露見しているが、連絡体制ができておらず、許可をどのように取ったかは確認していない。
ただし、豊山町にはしっかりと説明をして、町の広報等にも載せてもらい、町民にお知らせ等をしている。
【委員】
豊山町も本日の委員会を傍聴している。委員会が終わってから確かめるが、本当に豊山町と話が通じているのか。
神明公園は2月に雪を入れて子供の遊び場にしている。豊山町長も遊び場が利用できないことを子供にどうやって説明するのか。公園の開放はやれるのかやれないのか。
【理事者】
こちらの認識不足で、そうした点への配慮が足りなかったと感じている。
早急に建設部局と話をして、今後どうしていくべきかしっかりと調整していきたい。
【委員】
今の答弁のように全部後手後手の対応となっている。埋蔵文化財の発掘調査は神明公園のときから分かっていたのに、なぜ予期しないのか。県民文化局が調査個所を増やせと言ったら、抑えることもしない。今のところ価値はありませんと、答弁ではっきり言ったではないか。さらに、民地までやろうとした。そんなやり方があるのか。
先ほど施設面の答弁があったため、早急に施設の配置図について資料を要求する。
【委員長】
委員から、基幹的広域防災拠点の災害時の利用、そして平時の利用について、資料で明らかにしてほしいという資料要求があったが、理事者としてこれを用意できるか。
【理事者】
まず、委員から指摘のあった局間のチームワーク、そしてコミュニケーション不足について、おわび申し上げる。大いに反省すべきである。
私は、基幹的広域防災拠点の平時の使い方、あるいは災害時の使い方を見える化して進めていくと答弁した。
資料は本日の委員の意見、そして、地元である豊山町の意見を踏まえて早急に作成し、総務企画委員会に提出し、説明できるようにする。
【委員】
今日は資料が出せないのか。
【委員長】
資料要求について理事者に聞くが、この委員会で見える化を図るため、例えば、この後一定の時間を確保できれば、先ほど説明のあった平時の利用等に関する資料を提出することは可能か。
【理事者】
まだ担当イメージであるが、資料を今準備しているので、現段階のイメージ図は提出することが可能である。
【委員】
再度確認しておくが、答弁したことを配置図に全部書けるのか。
【委員長】
それは平時の利用だけではなく、災害時も含むのか。
【委員】
平時のときのみである。
【委員長】
平時の利用についての資料要求に関して、用意できるか、改めて伺う。
【理事者】
作成段階のものについては提出することができる。
【委員長】
それでは、委員から資料要求があり、理事者側から、基幹的広域防災拠点の平時利用について、未確定の暫定的な考え方ではあるが資料を提出することができる旨の答弁があったため、委員会として資料を要求することに異議はないか。
(異議なし)
異議なしと認める。
【委員】
分かりにくい図面をつくってくれた。屋内の施設は何平方メートルあるのか。
【理事者】
屋内運動施設については、約1万平方メートルを予定している。
【委員】
消防学校は何人収容できるのか。
それから、自衛隊は自前でキャンプをするが、都道府県の応援隊、消防、警察はどうするのか。
【理事者】
まず、消防学校は約350人が災害時に待機、宿泊できる。
自衛隊は一番右の多目的広場とある辺りで、約1,000人の規模を予定している。
また、消防のベースキャンプは、消防学校の陸上競技場跡辺りを中心として、災害時は約1,600人に来てもらえるよう考えており、警察については、今ある芝生広場の辺りで約2,000人の規模を想定している。
他県からの応援等の人員については、消防学校内の宿泊棟等を宿泊場所としてカバーしていきたい。
【委員】
都道府県の応援は何人受け入れられるのか。
【理事者】
都道府県の人員が何人という想定はしていないが、拠点の活動要員、県の本部の者、物流関係者、あるいはDMATの本部のために来ている者、そのほか、他県からの応援の者を含めて、約350人が泊まれるように考えている。
【委員】
京都市の消防学校より規模が小さい。
【理事者】
京都の消防学校が何人受け入れられるかは資料が手元にないため分からないが、国の受援計画等により、県に来てもらえる人数を想定して、人員の場所を確保している。
【委員】
京都市の消防学校での視察内容を伺う。
【理事者】
施設内をしっかりと見せてもらった。そして、京都に緊急消防援助隊が来たときにそこにどのように泊まったかを確認したが、何人規模かは確認していなかった。
【委員】
一番大事なことは、自衛隊は全部自前で滞在できるが、警察、消防、特に都道府県の応援隊が、寒風にさらされて、夏だったら暑い中で、自前で滞在できるのか。
京都市の消防学校では、都道府県の応援隊が何人受け入れられるか数字が出ているはずだ。
良くないのは、現地へ行ってそのような確認も取らずに、勝手に数字を書いていることである。
屋内運動施設は本当に1万平方メートルでやるのか。応援隊は大体1週間交代だが、風呂の確保はできているのか。ここでつまずいたら、応援隊は二度と愛知県に来てくれない。豊山町と同行して京都市の消防学校を視察した際に、局長は一緒に行ったのか。
【理事者】
私は一緒に視察へ行っていない。
【委員】
トップがなぜ行かないのか。この事業の全責任を持ち、指揮命令しているのは誰なのか。
【理事者】
防災拠点については、防災安全局の一丁目一番地であるため、重要なものについては知事、副知事、局長と、それぞれの職責に応じてやっているが、防災安全局長として、私がしっかりとリーダーシップを取ってまとめていくべき立場である。
【委員】
現場も知らず、話も聞かずに、誰が仕切れるのか。なぜPFIに固執するのか。一時期は消防学校だけPFIにすると話があったが、なぜ全体になったのか。
県の新しい道路でも、何もメリットがない。先ほど触れたように、知多半島道路の大府市のサービスエリアでも新しいものを取り入れますというが、美浜町へ行く途中のサービスエリアにはコンビニエンスストアとラーメン屋のほかは何も入っていない。上りも新しく作ったが、私が19時45分に行くと、電気を消して閉まりかけており、20時には終わっている。コンセッションだといってやっているが、これが実態である。
ほかのPFI事業、例えば、宮城県の消防学校でも、皆困っている。今の施設で使えない消防車やホースなどの中古品を使っている。愛知県の消防学校もそうだが、中古品を持ってくるだけで、そこで学んでも最新のものは何も使えない。室長も見ているが、消防車やホースは何年前のものだったか。あれがPFIだ。先ほど、ハイパーレスキューの話が出たが、県が運営しなかったら、何も通用しない。
県が主体でやれていない。他事例を調査しても、どこもやれていない。県が口を出したら金で行き詰まっている。みんな悩んでいるのになぜPFIに固執するのか、委員が言ったように、何がメリットなのか。今までの説明は何も理解できない。この平面の分かりにくい図面では、議論のしようがない。
消防学校にプールがないが、どこに造るのか。
【理事者】
委員に示した図の、消防学校の水色の部分の駐車場の上、右の管理教育施設の右の施設になる。
【委員】
それはグラウンドではないのか。
【理事者】
宿泊施設があるその上の消防訓練施設が水難救助の訓練施設である。
【委員】
何メートルプールなのか。
【理事者】
10メートルと5メートルと3メートル、三つの部分に分けてプールを設置する予定である。(令和5年10月13日訂正)。
【委員】
豊山町と調整してあるのか。
【理事者】
平時の使い方については豊山町の意見を聴いているが、こうした図では示していないので、これから改めて意見を聴きたいと思っている。
【委員】
防災拠点について発表してから何年もたっているのに、用地買収だけに時間を費やして、何も進んでいない。豊山町にメリットは何もなく、住民は誰も納得できない。局長は地元である豊山町の話を聞きに行っておらず、騒がれてからあわてて行っているだけではないのか。このようなものは議論の対象にならない。
図面に何々施設と書いてあるが、事業総額は予算に収まるのか。
【理事者】
現在350億円の総事業費を予定しており、その金額で収まる範囲のものを、豊山町にもしっかりと意見を聴き、整備、建設を進めたい。
【委員】
簡単にそんなことを言うが、我々は一つ一つの施設に幾らかかるかという積算の根拠が分からない。豊山町は町のプールを廃止して、拠点を兼用で使えないかといっている。そのうえで、今プールがあるところに中学校を移したいという考えもある。その辺の意図を県は何もくんでいない。
こんなものは京都市の消防学校より規模が小さい。
体育館を造るときに私も名古屋市の説得に加わり、道路を造らせたのに、先ほど委員が質問した際には、防災拠点と県の新体育館とで機能をどう分けるかも答えられていない。
総務企画委員会の県外調査で岩手県や仙台市へ行った意図を、みんなに分かってもらいたい。施設を整備したあとでは、取り返しがつかなくなる。
一番悪いのは、局長や幹部が現場に行かずにあぐらをかいていることだ。誰が責任を持つ指揮者なのか。責任を持って進めるのに、現場を見ずにどう指揮するのか。だから、我々が幾ら聞いてもまやかしばかりで、県のやる気があるようには聞こえない。誰の圧力か知らないが、県が華々しくやっていることを視察しても現実と合っていない。地元と調整もせずに無視してやっているから利用率も上がらない。だからみんな廃墟になっていく。
それでは聞くが、豊山町はこれをやることによってどれだけ減収になるのか。
【理事者】
防災拠点の整備により、民有地が13.6ヘクタールである。そこで買収すると、町の税収は、約数百万円になると聞いている。
【委員】
数百万円減である。
豊山町は不交付団体であり、金を借りようと思っても起債には歯止めがかかる。その影響で豊山町の持ち出しが幾らになるかといったことを県は何も考えていない。県は4月から豊山町と全くコミュニケーションを取らずに、無視して勝手に進めているだけだ。
前の防災拠点推進室長だった災害対策課長が、当時自民党の議員総会で、防災拠点やPFIについていろいろ述べていたが、今は話が変わっている。今はPFIの範囲が全部に膨らんだ。PFIをやっているところを調べてみたらよい。県は何も口を出せない。
私は全部調べて根拠を持って質問している。県は調整しているというが、大事なことが頭に一つも入っておらず、まやかしを述べている。
はっきり言っておく。発掘調査に関する9月補正予算案を提出しなかった。補正予算案を提出するのは12月しかないのに、本当に全部やれるのか。総力を挙げて発掘調査をやりますというが、防災安全局は、時間単価幾らでやるのか分からないであろう。それではもう信用できない。PFIの問題をどうするか整理しなければ話が進まない。
【理事者】
先ほど、答弁の中でも局長が述べているが、我々としては、様々な意見もあるが、県の考えを反映した上でPFI方式による入札公告を再度行いたいと考えている。
仮に入札不調となった場合には、事業手法について改めて検討していくので、理解をお願いしたい。
【委員】
固執しているのであれば、私はのむことはできない。