委員会情報
委員会審査状況
総務企画委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和5年12月14日(木) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
辻 秀樹、おおたけりえ 正副委員長
水野富夫、伊藤辰夫、島倉 誠、石塚吾歩路、中根義高、藤原ひろき、
朝日将貴、天野正基、安井伸治、朝倉浩一 各委員
政策企画局長、企画調整部長、国際監、ジブリパーク推進監、
総務局長、総務部長、財務部長兼財政課長、人事局長、
人事管理監兼人事課長、
会計管理者兼会計局長、同次長、監査委員事務局長、同次長、
人事委員会事務局長、同次長兼職員課長、議会事務局長、同次長、
関係各課長等
<付託案件等>
○ 議 案
第118号 令和5年度愛知県一般会計補正予算(第5号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳 入
歳 出
第1款 議会費
第2款 総務企画費の内
第1項 政策企画費
第2項 総務管理費
第3項 徴税費
第2条(繰越明許費の補正)の内
第2款 総務企画費の内
第2項 総務管理費
第4条(県債の補正)
第128号 愛知県事務処理特例条例及び愛知県教育委員会事務処理特例
条例の一部改正について
第129号 愛知県教育委員会教育長給与条例等の一部改正について
第130号 非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部
改正について
第131号 職員の給与に関する条例等の一部改正について
第146号 当せん金付証票の発売額について
第147号 収用委員会の委員の選任について(水野泰二)
第148号 収用委員会の委員の選任について(竹中成仁)
第149号 収用委員会の予備委員の選任について(吉田治子)
第150号 収用委員会の予備委員の選任について(富田隆司)
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第118号、第128号から第131号まで及び第146号
全員一致をもって同意すべきものと決した議案
第147号から第150号まで
○ 請 願
第 23 号 「国に対し適格請求書等保存方式(インボイス制度)
について直ちに見直しを検討することを求める」について
第 24 号 「日本政府に核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求める
意見書提出を求める」について
第 32 号 「『消費税5%引き下げを求める意見書』採択を求める」
について
第 33 号 「『インボイス制度即時廃止を求める意見書』採択を求める」
について
(結 果)
賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
第23号、第24号、第32号及び第33号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 行財政について
2 国際交流の推進について
3 地域振興について
4 地域及び県行政の情報化の推進について
5 防災対策及び安全なまちづくりの推進について
6 政策企画局、総務局、人事局、防災安全局、会計局、選挙管理委員会、
監査委員及び人事委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(10件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 請願審査(4件)
4 委員長報告の決定
5 一般質問
6 閉会中継続調査申出案件の決定
7 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
議案書101ページ、第146号議案当せん金付証票の発売額について伺う。
分かりやすくいえば宝くじであるが、宝くじの収益金からの収入は本県をはじめ発売団体にとって大変貴重な財源になっていると認識している。この宝くじの収益金は宝くじの販売額により増減すると考えられる。そこで、宝くじの販売実績やその推移はどのようになっているのか。
【理事者】
宝くじの販売実績とその推移であるが、昨年度の宝くじの販売額は、全国の総額で8,324億円、これは前年度比で2.3パーセントの増加となっており、本県においても販売額は267億円と前年度比で1.7パーセントの増加となった。
推移であるが、宝くじの販売額は全国ベースで見ると2005年度の1兆1,047億円をピークに減少傾向となっていたが、2017年度の7,866億円を底に2020年度以降は8,000億円を超える額で推移している。
本県の販売額についても全国同様に減少傾向であったが、2020年度以降は260億円台の推移となっている。なお、全国ベースにおける昨年度の8,324億円であるが、ここ5年間では最も多い販売額となっており、過去で見ると初の数字選択式くじ、ナンバーズと呼ばれる宝くじがあるが、この宝くじの全国発売が開始された1995年度の8,285億円に近い金額となっている。
【委員】
宝くじの昨年の本県の販売額は267億円で、今回の議案で示されている発売総額429億円とは大きく開きがある。この販売額と発売総額はどのような関係にあるのか。
【理事者】
今回の議案における宝くじの発売総額は、宝くじの発売団体で組織されている全国自治宝くじ事務協議会で決定された来年度の全国の発売計画額に対して、本県の発売実績、いわゆる発売シェアなどを乗じて積算している。
ジャンボくじと呼ばれる主要な宝くじについては、この発売計画額分の券面を作成して、それを売りさばいていくことになるので、売れ残りはあっても、売り切れてしまい発売機会を逃すことがないように、発売計画額は実際の販売額に対して常に余裕を持った計画額が設定されている。また、くじの中には、発売状況によって当初の計画額を増減して発売できるくじがある。具体的には、東日本大震災のような災害発生時の復興支援や1等の当選金額が増額された場合において、当初の発売計画額を増額して発売された事例もある。
このように年度途中で計画額以上に宝くじが発売されることになった場合、本県でもその増額分を受け入れることができるように、増額が可能とされている宝くじについては、全国の発売計画額に本県発売シェアを乗じた額に30パーセント増額して積算し発売総額の中で増額対応もできるようにしている。
売り切れを防ぐこと、及び年度途中での増額に対応することから、発売総額は実際の販売額を上回る設定となるもので、発売総額は来年度発売できる限度額として設定している。
【委員】
売り切れがないように、一定の余裕を持って設定する必要があると理解した。
それでは、発売額のうち実際に県の収入となるのは幾らなのか。また、その収入はどのような事業に充当されているのか。
【理事者】
本県における宝くじの収益金からの収入であるが、2022年度決算で101億4,500万余円となっている。この充当先であるが、まず地方財政法で公共事業に充当できるとされているほか、総務省の省令によって充当先として地域の国際化の推進に係る事業をはじめとする11の事業区分が定められている。本県では、こうした法令に沿って公園緑地の維持管理、愛知県国際交流協会への補助金、信号機など交通安全施設の維持管理、防災ヘリコプターの運営、愛知芸術文化センターの運営など、数多くの事業に充当している。
また、市町村振興を目的として発売されているサマージャンボなどの宝くじからの収益金については、公益財団法人愛知県市町村振興協会に全額を交付している。なお、今年度から通常の収益金とは別に、アジア競技大会及びアジアパラ競技大会に対して、2025年度までの3年間で合計30億円の支援が宝くじから受けられることになっており、今年度分の10億円については公益財団法人愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会への負担金に充当している。
【委員】
多くの事業にこの貴重な財源が充てられていることがよく分かった。答弁で公園緑地の維持管理を上げたが、具体的にはどのような公園の維持管理に充当しているのか。
【理事者】
公園の維持管理について、具体的には愛・地球博記念公園をはじめとする県内各地に設置している都市公園の維持管理に充当している。なお、昨年度は充当対象とした事業費23億2,500万余円に対して、宝くじの収入から6億3,400万円を充当している。
【委員】
宝くじの収益金はアジア競技大会、アジアパラ競技大会といった大事業から都市公園の維持管理など、様々な事業に充当されていることがよく分かった。こうした事業の着実な推進に向けて収益金を維持、さらには増額させていくためには、宝くじの販売を伸ばしていくことが重要である。
そこで、宝くじの販売促進についてはどのような取組をしているのか。
【理事者】
宝くじの販売促進に向けては、2019年10月に開催されている全国自治宝くじ事務協議会において、宝くじを購入した人の人口比率で見ると、39歳以下の比率が長期的に低下傾向であることや、公営競技と比べてインターネット販売の弱さが指摘されていた。このため、若年層に訴求できる人気タレントが出演する広告を行い、ポイントがたまればそのポイントで宝くじが購入できる宝くじポイントを販売促進キャンペーンに活用するなどの取組を行ってきた。
さらに2018年からは、スクラッチと呼ばれるくじとビンゴ5と呼ばれるくじを除く宝くじについてはインターネット販売が開始されていたが、さらに2020年度に初のインターネットの専用くじとして、着せかえクーちゃんと呼ばれる新しいくじを開始している。また、昨年度には、さらにゲーム性の高い新たなネット専用くじとしてクイックワンを導入するなど、インターネット販売の強化を図ってきた。
なお、現在は、スクラッチくじ以外の全てのくじをインターネットから購入できるようになっている。また、本県においても、ウェブサイトやSNSによる情報発信のほか、ジャンボ宝くじの発売時には庁内での臨時販売を行っており、さらに、今年度はジブリパークが整備された愛・地球博記念公園において、市町村対抗駅伝が行われた12月2日に合わせて年末ジャンボ宝くじの臨時販売を行うなど、宝くじの販売と宝くじのPRに努めている。
【委員】
繰り返しになるが、宝くじの収益金は昨年度は100億円を超える大規模なものであり、大変貴重な財源となっていることがよく分かった。
先ほど公園について聞いたが、この都市公園には施設の老朽化が進んでいるものもあり、利用する県民の安全・安心の確保のためには、今後老朽化対策がますます重要になってくる。この老朽化対策を含む都市公園の維持管理は都市交通局が所管しているが、事業部局の取組を財源面から支える意味からも、引き続きしっかりと宝くじの収入の活用を図ってほしい。
また、宝くじの販売実績は長期的には減少傾向となっていたが、ここ数年は同一の規模を確保できており、昨年度は対前年比で増加であった。こうした状況を継続させる、または増額を促進していくため、公園緑地の維持管理など我々の身近にある事業にも充当して、引き続き収益金の確保、増額確保に向けて取り組んでもらうよう要望する。
【委員】
庁舎維持修繕費について伺う。
先ほどの議案説明の中にも、コンビニエンスストアの導入に向けての説明があったが、庁舎維持修繕費について繰越明許費の補正をすることになった理由を伺う。
【理事者】
庁舎維持修繕費の繰越明許費は、本庁舎地下1階西側の地下連絡通路にコンビニエンスストアを導入するための本庁舎の改修工事について、受変電設備などの資材の調達に当初想定していた以上の期間を要することが判明したため、本年度中に工事を完了できないことから、補正をお願いするものである。
この事業は県民サービスの向上を図るとともに、職員が働きやすい職場環境整備を推進するために行うものである。なお、当初予算においては、庁舎維持修繕費8億7,700万余円のうち7,000万円を見積もっていたが、コンビニ事業者へのヒアリングを経て追加の工事が必要となることが判明したため、それらの経費として9,900万円の繰越明許費の補正を計上した。
【委員】
この繰越明許費の補正額は当初予算での見積りを上回っているが、その理由について伺う。
【理事者】
当初予算編成時には、本庁舎地下1階の既存スペースでの出店を想定し、各種改修工事に関する費用を積み上げ工事費を積算したが、コンビニ事業者へのヒアリングを踏まえて実施設計を行った結果、工事範囲の拡大、防煙シャッターの設置や受変電設備の改修などの追加工事を行う必要が生じたものである。なお、この追加工事等については、既決の庁舎維持修繕費において対応が可能である。
【委員】
答弁により大体イメージができたのは、本庁舎の地下1階の西側の地下連絡通路にコンビニエンスストアを導入したいこと。そして、実施設計やヒアリングを踏まえながら追加工事が今後必要になることである。誘致したコンビニエンスストアは導入後どのような店舗になるのか。
【理事者】
コンビニエンスストアの導入に当たっては、複数のコンビニ事業者へのヒアリングを通じて、出店の意向を示したファミリーマートを生協の委託売店として選定した。営業時間については、職員のニーズに応じてできる限り長い時間の営業となるよう協議している。
店舗区画は約70平方メートルと通常の店舗より小さいものの、一般的な弁当や飲物のほか、コーヒーサーバーやマルチコピー機などの設置も予定している。なお、重要文化財に指定されている本庁舎内に設置するため、コンビニエンスストアのサイン看板は通常の青色と緑色と異なり茶色を予定している。現時点でのコンビニエンスストアの開業時期については、2024年9月頃を目指して事業を進めていきたい。
【委員】
コンビニエンスストアを導入するに当たり、答弁にあったように県民サービスの向上、職員が働きやすい環境の観点からどのようなことを考えているのか。
【理事者】
現在の生協の売店は営業時間が午前8時45分から午後5時までとなっているが、コンビニエンスストアでは営業時間を拡大するため、通勤途中や就業時間後にも利用することができるようになる。このほか、マルチコピー機の利用、マイナンバーカードを利用した住民票や所得証明書などの発行、料金等の払込み、キャッシュレス支払いが新たにできるようになるなど、来庁者や職員の利便性は大きく向上すると考えている。
【委員】
効果については理解した。現在本庁舎は屋根の修理等も進んでおり、引き続き長寿命化に向けた改修も行われる。今回の改修工事はコンビニエンスストアの導入という当面の目的は理解した。
私が指摘したいのは、県の庁舎に対して約1億円の予算を投入することは、本庁舎に対する有効な投資だと考えている。投資というものは価値が上がる、また活用の便が上がるという観点もある。今回はコンビニエンスストア導入への投資であるが、この維持修繕費が本庁舎に対する投資という点において、県にとってどのように有効な投資であるのか所見を伺いたい。また、コンビニエンスストアについては、競争が大変激しいと聞いており、採算性の管理などは大変厳しいと認識している。コンビニエンスストアが導入されたとき、その経営が成り立っていかなければならないと考えるが、県の考えを伺う。
【理事者】
最初に、コンビニエンスストア導入に伴う改修工事に係る投資の有効性についてであるが、今回の改修工事は本庁舎の利活用の用途を広げるだけでなく、防煙シャッターの設置などによる防火、防災性能の向上や、食品の調理販売に不可欠な給排水設備の地下階への設置による衛生面の向上を図るものであり、将来にわたる庁舎の有効活用と安全・安心の確保という点においても有意義な投資となる。
次に、コンビニエンスストア導入の経営維持であるが、導入に当たっては、ファミリーマート本社が本庁舎等の勤務者数や生協の既存売店の売上げ状況等について調査を行うとともに、出店に際して事業者側で整備する空調設備、冷凍冷蔵設備、内装工事などの初期投資の回収及び人件費や光熱水費をはじめとする維持管理経費等を踏まえた検討をした結果、採算が見込めると判断しており、県としては、現状の勤務者数、購買行動等に大きな変化がなければ経営は成り立つと考えている。県としても、庁内各所にコンビニエンスストアの案内表示を行うほか、生協を通じて職員への利用案内を行うなど、利用促進に協力する。
【委員】
答弁にもあったが来庁する人、また県職員の福利厚生にも十分つながるようしっかりと取り組んでほしい。また、繰り返しになるが、投資であるので、将来にわたって有効な整備となるよう要望する。
【委員】
第130号議案の非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正に関連し、非常勤職員のうち会計年度任用職員の処遇について伺う。
そもそも地方自治体の臨時・非常勤職員については、全国的に増加傾向にある中、任用根拠や身分の取扱い、運用が曖昧である点や、長期にわたって任用が繰り返し更新されていた点など、様々な課題が指摘されてきた。こうしたことを受け、地方公務員法及び地方自治法の一部改正が行われ、令和2年度からは新たに一般職の会計年度任用職員制度が創設され、臨時・非常勤職員全体の任用根拠を明確化するとともに、非常勤職員に対して報酬や費用弁償としての通勤手当のほか、任期が相当長期にわたる者に対して期末手当を支給するなど、一定の処遇改善が図られてきた。
本県においても、他の自治体と同様、多くの非常勤職員が様々な職場で活躍しており、特に会計年度任用職員について、本県ではフルタイムでの任用はなく、全て短時間勤務であるパートタイム職員として任用されていると承知しているが、こうした職員は行政運営にとって欠かせない存在となっている。
会計年度任用職員の処遇に目を向けると、制度の創設と同時に期末手当に関する規定が整備され、令和2年度から支給が開始されており、今回の非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の改正は、期末手当に加えて新たに勤勉手当を支給しようとするものである。
今回の改正に関連し、まずは基本的な事項として、今回の条例改正により会計年度任用職員に対して勤勉手当を支給することとした背景、理由を伺う。
【理事者】
会計年度任用職員に対する勤勉手当については、2023年5月に公布された地方自治法の一部改正により、2024年度から支給することができることとされた。
この改正の経緯としては、2017年の地方公務員法及び地方自治法の一部改正において、2020年度から任期が相当長期にわたる会計年度任用職員に期末手当を支給することが可能となったが、勤勉手当の取扱いについては国の非常勤職員の支給状況等を踏まえ、引き続き検討課題とされた。
その後、国においては、2021年度までの間に支給条件に該当する全ての非常勤職員に勤勉手当が支給されていると確認されたことなどを受け、国の非常勤職員の取扱いとの均衡、適正な処遇の確保を図るなどの観点から、地方自治体においても会計年度任用職員に対して勤勉手当が支給できるよう改められた。
他の都道府県など、各自治体においても、国の取扱いとの均衡、適正な処遇の確保など法改正の趣旨を踏まえて非常勤職員に対して勤勉手当を支給できるよう、条例改正などの所要の事務を進めていると聞いているため、本県においても来年度から支給するよう条例改正を提案した。
【委員】
昨今、非常勤である職員の処遇に関しては世間の関心も高く、改善を求める声も少なくない。国においては、既に対象となる非常勤職員には期末手当に加えて勤勉手当が支給されており、また他の自治体においても、勤勉手当の支給に向けて準備が進められていることなどを背景に、本県においても地方自治法の改正に合わせて来年度から勤勉手当を支給するとのことであるが、どういった職員が支給対象となり、これによってどの程度、処遇改善が図られるのか。
【理事者】
勤勉手当の支給対象となる職員は、会計年度任用職員のうち基準日である6月1日または12月1日において6か月以上の任用期間の発令があり、かつ週の勤務時間が15時間30分以上である職員となる。これはさきに支給を開始している期末手当の支給対象と同じで、2024年度以降は期末手当が支給される職員には原則として勤勉手当も支給されることとなる。なお、任用期間及び勤務時間の支給条件については、総務省が発出している自治体向けのマニュアル、国の非常勤職員の取扱いを参考に定めたものである。
次に、勤勉手当の支給によりどの程度の処遇改善が図られるのかについて、一般職の常勤職員と同じく、現行規定では、勤勉手当として年間で報酬の2.0月分を支給することとなるので、知事部局において一般的な任用である週29時間勤務の非常勤職員では年間で約38万円の改善が図られる。なお、会計年度任用職員の期末手当・勤勉手当の年間支給月数は、一般職の常勤職員に準じており、現在、第131号議案職員の給与に関する条例等の一部改正において、今年度の本県人事委員会の勧告を踏まえ、常勤職員の期末手当・勤勉手当の支給月数をそれぞれ0.05月分、合わせて0.1月分を引き上げることを審査の後、条例改正案が可決された場合には、期末手当・勤勉手当合わせてさらに0.1月分、金額にして約2万円の処遇改善につながる。
【委員】
これまでの見直しにより相当程度の改善が図られていることは理解できた。期末手当の支給を開始する際、自治体の中には新たに期末手当を支給する一方で、その財源を捻出するため、報酬の水準を制度導入前に比べて減額するなど、財政上の制約などを理由に制度の趣旨に合わない見直しを行った団体もあったと記憶している。来年度に向けて新たに勤勉手当が支給されることになるが、これに伴う報酬水準の引下げはないということでよいか。
【理事者】
他の自治体の中には2020年度からの期末手当の制度導入の際、年収額が期末手当の導入前と比べて増加しないよう、報酬の水準を引き下げたところもあったと各種の報道で承知しているが、本県においては、財源を捻出するために報酬を引き下げることは行っていない。
総務省が発出した公務員部長通知及び自治体向けのマニュアルにおいても、財政上の制約のみを理由として勤勉手当の支給について抑制を図ること、新たに勤勉手当を支給する一方で報酬水準や期末手当の抑制を図ることは、適正な処遇の確保、あるいは国との均衡といった法の趣旨に沿わないため適切ではない旨が明記されている。
こうした法改正の趣旨を踏まえ、本県においては今回の勤勉手当の支給開始に当たり報酬水準の引下げなどは行わず、これまでの水準を維持した上で新たに勤勉手当を支給する。
【委員】
本県においては報酬水準の引下げは行わないことがしっかりと確認できた。この場であえて報酬水準について確認したのは、今回の地方自治法の改正趣旨を思い起こすと、会計年度任用職員に対する適正な処遇の確保を図る意義は大きいと考えられ、こうした制度の見直しの趣旨にそぐわない報酬水準の引下げがあってはならないとの思いからである。
会計年度任用職員は本県の行政運営においてなくてはならない存在である。特に相談員や専門的分野で活躍する非常勤職員も多く、そうした人材の確保を図りながら、今後も引き続き非常勤職員が高い意欲とやりがいを持って勤務することができるよう、適切な処遇・勤務条件をしっかりと確保するよう要望する。
《請願関係》
なし
《一般質問》
【委員】
生成AIの業務での利用について伺う。
昨今、チャットGPTをはじめとする生成AIが注目されている。生成AIはコンピューターが事前学習した膨大なデータを活用して、ユーザーが入力した質問に対して自然な形で応答を生成するため、企業等においては生成AIの活用が様々な分野で広がっていると認識している。
また、行政分野でも、横須賀市をはじめとした自治体において既に生成AIを業務に取り入れ、業務の効率化を図る取組が始められていると聞いている。私も横須賀市を訪れ、視察をして説明を聞いてきた。
本県においては、11月7日に生成AIの利用に関するガイドラインが策定され、今後業務利用を進めていく方針が示された。そこで、生成AIの庁内での利用について伺う。
まず、生成AIの利用に関するガイドラインの策定までの経緯や、本県のガイドラインの特徴を伺う。
【理事者】
まず、生成AIガイドライン策定までの経緯についてである。生成AIはオフィスワークにおける業務への活用が期待できることから、本年6月に知事を本部長とする愛知県DX推進本部内に情報通信政策推進監をリーダーとする生成AI活用検討チームを立ち上げた。その後、本チームにおいてチャットGPT等の生成AIを試験的に利用して、庁内における利活用について検討を行い、その検討結果を踏まえ推奨する活用例や職員が利用する際の条件や禁止事項等を整理したガイドラインを策定した。
本県のガイドラインの特徴は2点ある。1点目は、生成AIの活用方策を前段に記載して、生成AIを活用していく姿勢を明確に示している点である。2点目は、名古屋市と意見交換しながら検討を進め、利用に当たっての条件等の項目について、名古屋市のガイドラインと共通する内容とした部分である。
なお、県と政令市がガイドラインの共通化を図る取組は全国初である。また、このことは、県内市町村がガイドラインを策定する際の参考となる内容になっている。
【委員】
県職員が生成AIをどのような業務に活用することを想定、推奨しているのか。
【理事者】
ガイドラインにおいては、アイデア創出や文書翻訳等の分野での活用を推奨している。特にアイデア創出については、生成AIの膨大な学習データを有効に活用することで施策の立案時等に、より多くの視座から検討することが可能になる。
なお、生成AIの生成物には誤りが含まれている可能性があり、出力内容の事実確認を行う必要があるが、AIの生成する回答が100点でなく75点の回答であったとしても大幅な時間短縮、事務負担軽減につながると考えており、業務を支援し、業務の質を高める補助的なツールとして職員が利用することを想定している。
【委員】
私も生成AIの利用に関するガイドラインをしっかり読んだ。生成AIの活用に向けて今後どのように進めていくのか。
【理事者】
生成AIの今後の活用についてであるが、生成AIの利用は入力内容の情報漏えいのリスクなどがあることから、ガイドライン策定までは検討チームのメンバー24人の試験利用に限定していた。ガイドラインの策定を経て12月を目途に利用可能な職員の対象を広げ、試験利用の規模を拡大できるように取り組み、今月11日から生成AIの試験利用を本庁所属の一部職員まで拡大している。
なお、試験利用の拡大に当たっては、職員が安全に業務で生成AIを利用できるよう、ガイドラインに沿って職員が入出力した内容を記録する機能を有している生成AIサービスを利用している。また、職員が戸惑うことなく利用できるよう、生成AIの概要や有効な指示の仕方などを説明した動画を用意して試験利用を進めている。引き続き、ガイドラインに沿って情報漏えい等のリスクに留意し、ステップ・バイ・ステップで庁内の生成AI利用の取組を進めたい。
【委員】
それでは、最後に要望する。生成AIは業務の質の向上や効率化に大いに役立つ可能性を有しているが、入力した情報の情報漏えいやハルシネーションと呼ばれるAIの幻覚を見ているかのようにもっともらしいうそを出力するなど、危険性もはらんでいる。また、過度な依存により職員の事務能力の低下や能力向上の機会の喪失などの課題もある。
こうした危険性や課題は、ガイドラインにおいて禁止事項や注意事項としてしっかり記載されており、また補助的なツールと位置づけ、業務の質を高める活用を推奨しているため、その点は安心している。本県における生成AIの業務利用はこれからだが、職員が生成AIの危険性や課題を理解した上で、業務で有効に活用できるよう研修等にしっかり取り組んでほしい。
また、生成AIは我々の想像を超えて進化している。数か月前ではできないことが今はできるようになっている。こうしたスピードや変化についても十分に踏まえてほしい。私も一度生成AIを使用したところ非常にすばらしい文章ができたが、しっかり考えて柔軟に取り組んでいかなければならないと感じた。これからもこうしたことに留意するよう要望する。
【委員】
パワハラ、セクハラの対応について質問する。
ニュースでも有名野球選手や市長、町長、町議会議員など、最近パワハラの問題が世間を騒がせている。加害者である野球選手は即自由契約となったことからも、こういった問題への社会的な意識が年々高まっていると分かる。本県でも職員にこのような事案が起こらないよう対策を取っていくことが重要である。
まず、本県におけるパワハラ、セクハラへの対応について、内部、外部、委託も含めて相談機関の設置状況はどうなっているのか。そして、もし申出があった場合には事実の調査、是正などに対応する仕組みがどうなっているのかを伺うとともに、被害者本人だけでなく被害を目にした第三者からの申出の際にあってもきちんと事実調査等ができるのか伺う。
【理事者】
まず、ハラスメントの相談機関について、各種ハラスメントに関する職員の相談窓口としては、人事課監察室、職員厚生課、各局主管課の人事担当、各所属長、人事委員会のほか、弁護士に委託する公益通報の外部窓口を設けている。
次に、各相談窓口にハラスメントの申出があった場合の対応についてである。まずは誰からどのような被害を受けたのかといったハラスメントの具体的な内容のほか、調査等の対応を希望するのか否か、調査等に当たり匿名を希望するか否か、加害者に対してどのような措置を取るのかといった相談者の意向などの事情の聞き取りを行う。
相談者から聞き取りをした結果、ハラスメントが疑われる内容が具体的に特定でき、対応が必要と認められる場合には、人事課監察室、各局主管課人事担当及び各所属が連携しながら、被害者、加害者とともに、周辺の職員に対しても細部にわたる聞き取り調査等を慎重に行い、事実関係を確認して事実認定をする。なお、これらの調査については、相談者や被害者の意向に最大限配慮して慎重に行っている。
そして、その上で申出のあった行為がハラスメントに該当するか否かなどについて、各局主管課、各所属長の意見を踏まえて、最終的には人事局として総合的に判断し、必要に応じて加害職員への改善指導などの是正措置を行うほか、場合によっては懲戒処分に付すこともある。
続いて、第三者、すなわち被害者以外からのハラスメントの申出としては、被害者の同僚職員、部下等からのハラスメントの相談を受けた監督者、匿名による申出など様々あるが、いずれの場合においても、相談者や被害者の意向などを最優先にしつつ、基本的には先ほどの答弁のハラスメント対応の内容と同様の流れで事実確認等を行い対応している。
【委員】
問題となるパワハラやセクハラは職員同士だけに限らないと思う。例えば県職員から県民へのパワハラ、パワハラというのもなかなか判断が難しい、枠組みが難しい言葉ではあるが、例えば補助金等を申請する県内の団体などが、県で唯一決定権を持つような職員から高圧的な態度を受けたという相談も時々聞く。また、議員による職員へのパワハラ、セクハラもあってはならないことである。このように当事者の一方が県職員でない場合の被害の申出はどのように対応する仕組みとなっているのか。
【理事者】
職員が職員以外から暴力や脅迫などの悪質なハラスメント行為といった不当要求行為を受けた場合は、愛知県不当要求行為対策要綱に基づいて組織的に対応する体制を取っている。この要綱では、不当要求行為に対する組織的な対処、被害の防止、関係機関との調整といった対応において中心的な役割を担う不当要求行為防止責任者を、所属ごとに課長補佐相当職以上の職員の中から選任している。この責任者に選任された職員には、不当要求行為対策に係る講習会の受講を義務づけている。
こうした不当要求行為が発生したとき、または発生するおそれがあるときは、この不当要求行為防止責任者が中心となって所属職員や他の関係所属、あるいは必要に応じて警察とも連携しながら組織的に対応することになる。特に悪質な事案については、庁外への退去命令や警察への通報等の措置を取ることもある。
また、人事局長を委員長として各局主管課長を構成員とする不当要求行為対策委員会を設置しており、必要に応じて各局にわたる横断的な対応方針の検討や情報共有等を行っている。
職員以外からの職員に対する苦情等については、特定の窓口は特に設けていないが、多くの場合は当該職員の所属にまず通報されると思うが、中には各局の主管課や、人事課監察室に通報される場合もある。
いずれの場合も人事課監察室、各局主管課人事担当、各所属それぞれが連携しながら、先ほど答弁したハラスメント対応と同様の流れで対応し、また必要に応じて通報者等に対する謝罪や、訂正といった措置を丁寧に行っている。
【委員】
ハラスメント問題は、最近ユーチューブなどでも多いが、ニュースになるような大きな問題が発生した場合は大変恥じるべきことである。県民からの信頼に応える組織をつくるためには、芽の小さいうちから摘んでおくことが大切だと考える。
私の友人が勤める大手の自動車会社では、数か月に1度ハラスメントに対するアンケートを取っていると聞いた。本県でもこのような取組を行う可能性はあるのか。
【理事者】
現状、各種ハラスメントの相談窓口については、外部窓口も含めて幅広く設置している。また、対面のみならず電話やメールでの相談、匿名での相談も受け付けており、誰もが相談しやすい体制となっている。また各種職員研修や職員ポータルサイトへの掲示などにより、それらの窓口については十分に周知しているので、ハラスメントの事実があればそうした声はしっかりと吸い上げられる相談体制になっていると認識している。
しかしながら、人事課監査室以外の各局の相談窓口に寄せられた相談の中には、それらの窓口で特段の問題がないと処理され人事課監察室に報告されていない事案もあると思うので、そうした案件があるのか、改めて把握したい。その際、先ほど委員が示した当事者の一方が職員でない例もあるのかについても確認したい。なお、それら各相談窓口に寄せられた相談内容を確認する中で、必要があれば助言指導や、さらなる聞き取り調査などの措置を取っていきたい。
また、パワハラ防止要綱を令和2年5月に制定したが、制定後3年が経過している。改めて現状職員が相談しやすい体制になっているか、現行制度に対する意見について各局に確認し、それに合わせてハラスメントの防止について意識啓発を行いたい。
【委員】
ハラスメントのない職場というのは、当然働きやすい職場であり、職員、議員もそうかもしれないが、個々の力を発揮しやすい職場だと考えている。県民の期待に応えるそのような職場であり続けることを要望する。
【委員】
いよいよ来年の3月16日にジブリパーク全5エリアが開園するため、それに先駆けて11月28日に新しいチケットの販売方法が示された。ジブリパークは、今年の11月に新エリアのもののけの里が開園した。それに合わせてチケットの販売体系が見直されている。来園者が天候に左右されることなくジブリパークを楽しめるよう、屋外型のエリアであるもののけの里とジブリの大倉庫のセット券が新設され、その他のエリアについては、エリアごとの単独チケットが用意されている。
我々も本委員会の調査で、9月にもののけの里を視察した。もののけの里では、体験学習施設とされるタタラ場で五平餅の炭火焼き体験ができるほか、乙事主の滑り台やタタリ神のオブジェで記念撮影が楽しめるとのことであった。ただし、他のエリアのようにつくり込まれた展示施設がないために、単独チケットの設定は難しかったと感じた。
もののけの里の開園後に、愛・地球博記念公園を訪れた際にも、公園内の様子が大きく変わった印象は受けなかったので、ジブリパークが多くの来園者でにぎわっているとはいえ、1年前の3エリアの開園時と比較すると、新エリアの開園がそれほど大きなインパクトになっていないと感じている。そこで、確認も含めて聞くが、ジブリパークの開園から1年が経過し、チケットの販売状況も予約サイトを見ると大分落ち着いてきたと感じるが、平日に空きが生じてはいないか。現在のチケット販売状況を伺う。
【理事者】
ジブリパークのチケットは、昨年8月に販売を始めて以降、しばらくの間、入場月の3か月前からの販売にもかかわらず、全種類のチケットが販売開始後すぐに売り切れてしまうほどの人気となった。昨年11月から販売を始めた今年2月入場分のチケットからは、利便性を高めるために抽選方式を改めて先着順とし、併せて1日で複数エリアを観覧したいとの要望が多いことを受け、青春の丘のチケットを、歩いて5分ほどで行き来できるジブリの大倉庫とのセット券に切り替えた。
また、今年1月からは、新型コロナウイルス感染症の動向を踏まえて海外個人向けチケットの販売を始め、こちらも販売開始後すぐに売り切れる人気ぶりとなった。そして、今年11月のもののけの里開園に伴い、青春の丘を単独チケットに戻す代わりに、来園者が雨天時にも楽しめるよう、屋外型のもののけの里とジブリの大倉庫のセット券を新設し、現在に至っている。
現在のチケット販売状況は、開園から1年以上が経過し、当初の過熱状態は落ち着いたものの、国内、海外ともに依然として高い人気が続いており、収容人数の少ない青春の丘及びどんどこ森のチケットは、平日でもおおむね入場日の1か月前までに売り切れており、最も収容人数の多いジブリの大倉庫のチケットも、もののけの里とのセット券を含め、当日までに売り切れている状況である。
運営会社では、チケットの需給バランスの最適化を図るため、国内需要が比較的低い平日の午後を中心に海外向けチケットを販売するとともに、季節や長期休暇による需要変動を勘案しながら、海外向けチケットの販売数を柔軟に増減して対応している。
【委員】
チケットの売れ残りはないとの答弁だが、以前、県では、この3エリア開園時の年間来園者数を100万人と想定していたと記憶しているが、ジブリパークの来園者数はそもそも当初の計画どおりの状況なのか。
【理事者】
運営会社はジブリパーク開園後1年間の来園者数を公表していないが、昨年11月から今年3月までの来園者数の推計値で、約59万人と、許可権者である県に報告している。1日当たりでは4,000人から5,000人の規模であり、1年間に換算すると約135万人となるため、3エリア開園時の年間想定来園者数である100万人を上回る状況となっている。
【委員】
年間当たりに換算すると100万人を超えるということは分かった。
知事は11月28日に、来年3月16日に開園する魔女の谷開園後のチケット体系について発表している。それによると、新たなチケットは全部で3種類であり、一つ目は魔女の谷を含むジブリパークの全5エリアを1日かけて観覧できる、最も基本的なチケットのジブリパーク大さんぽ券、二つ目は、一つ目の基本的なチケットで観覧可能な場所に加えて、青春の丘の地球屋、どんどこ森のサツキとメイの家、魔女の谷のハウルの城、オキノ邸、そして魔女の家の計五つの建物の内部展示を楽しめる、全てが網羅できるジブリパーク大さんぽ券プレミアム、三つ目は、ジブリの大倉庫を除く屋外中心の4エリアを観覧できる、最もリーズナブルなジブリパークさんぽ券となっている。
見直し後の新たなチケット体系では、ジブリパーク全5エリアの開園に合わせて、これまでエリアごとに販売していたチケット体系を一新し、複数エリアの観覧が基本になるとのことであり、従来の考え方から方向性が大きく転換した。県外や海外からの旅行者にとっては、一度に複数のエリアを観覧できたほうが便利であることは間違いないため、そうした点を重視した見直しとも受け取ることができる。
このチケットの販売方法については、オープン当初から、我々自由民主党愛知県議員団の総会や調査会等で共通券の発行をしないのかという話が数多く出されたが、そのときの答弁は、一貫してジブリパークはとても1日では見られないので、部分的に分けてチケットを販売するとの説明であった。当初の3エリア開園の時点でもできなかったものが、なぜ5エリアの開園後にできるようになるのか疑問を持っている。
そこで、昨年の3エリア開園時は、全エリアを観覧できる共通チケットを設定できなかったが、来年3月の5エリア開園時に、全てのエリアを観覧できるチケットを設定するのはどういう経緯なのか。その理由を伺う。
【理事者】
昨年11月に開園した3エリアは、ジブリパーク最大の屋内空間を誇るジブリの大倉庫に比べ、青春の丘及びどんどこ森の規模が極端に小さいため、来園者が3エリア全部を一度に観覧できるチケットを基本にすると、ジブリの大倉庫の観覧を終えた大勢の来園者が、青春の丘とどんどこ森に殺到し、結果として、両エリアをじっくりと観覧できなくなる懸念があった。そのため、来園者に各エリアを安全かつ快適に観覧してもらうためには、入場時間の指定により、あらかじめ各エリアの入場者数を一定数に限定することが必要と判断し、3エリア全部を一度に観覧できるチケットの設定は断念した。
一方、来年3月16日には、敷地面積がジブリパーク最大となる魔女の谷が開園する。この魔女の谷を再入場可能なエリアとすることで、来園者の所在を分散しつつ、併せて特定の建物の収容人数を一定数に限定するチケットを導入することにより、複数エリアの観覧を基本としても、安全かつ快適に観覧することが可能になると考えている。
ジブリの大倉庫に匹敵するキャパシティーを持つ魔女の谷の誕生により、スタジオジブリ作品の世界観をじっくりと楽しむことができるジブリパークの特徴は維持しつつ、1日で複数エリアを観覧したいという来園者のニーズにも最大限応えていく。
【委員】
もともと我が党でも、この共通券はシンプルな形で分かりやすくすべきだとしており、我々の方向性に沿ってきた。ただし、その経過については正直に言ってよく分からなかった。魔女の谷は我々もまだ見ていないので、また見てからこの件について改めて聞きたい。
次に、来年3月以降、魔女の谷が開園すると、エリアが拡大されることで来園者の増加が当然見込まれる。また、今回のチケットの販売体系見直しによって複数エリアの観覧が基本となり、先ほどの答弁のとおり、魔女の谷は再入場が可能なエリアとなることに伴って来園者の滞在時間は長くなる。この間、愛・地球博記念公園の駐車場を管理している公益財団法人愛知県都市整備協会に、来園者の滞在時間はどれぐらいかと聞いたところ、車で来た人はおおむね1時間から2時間で出るという話であり、ジブリパークの滞在時間もおおむね1時間から2時間が多いのだろうと思う。ただし魔女の谷が開園することによって、滞在時間が長くなるため、今までは順調にいっていたが、駐車場、周辺道路、リニモをはじめとする交通機関の混雑などの影響が出てくると思うが、この5エリア開園後の周辺地域に混乱が生ずることは避けなければならない。
そこで、魔女の谷が開園して複数エリアの観覧が基本になると、来園者数や滞在時間が増加していくと見込んでいるが、駐車場、周辺道路及びリニモなどへの影響についてはどう見込んでいるのか。
【理事者】
魔女の谷開園後の、駐車場や周辺道路等への影響について、運営会社は魔女の谷開園時から当面の間は、受入れ人数を5エリア全体で1日当たり6,000人から7,000人程度に抑え、混雑しやすい場所や時間帯、晴天時と雨天時の違いなど、来園者の動きが判明し、オペレーションに余裕が生まれてきた段階で徐々に受入れ人数を増やしていく方針である。このため、全5エリアが開園しても、現在と比べて、駐車場、周辺道路及びリニモなどの状況が直ちに大きく変わることはないと見込んでいる。
エリアの拡大によってパーク内の見どころが増え、来園者の滞在時間が増加し、駐車場の回転率が低くなることは想定しているが、現在は土日においても、かなり駐車場に余裕があるため、全エリアが開園しても、大規模なイベントのない通常の土日に駐車場が不足することはないと予測している。引き続き、周辺道路や交通機関の状況についてもしっかり注視しながら、運営会社、公園管理者、交通事業者などと密に連携し、周辺環境に大きな負担が生じないよう、適切に対応したい。
【委員】
6,000人か7,000人ぐらいを受け入れ、徐々に拡大していくから大丈夫だということだと思うが、余裕がなければ、この枠が増えないことになるのか。
【理事者】
今後の来園者数の増加に伴う対応についてであるが、現在、5エリア開園に伴う駐車場の確保を想定して整備しているが、今後、運営が進み、駐車場の状況を含めた来園者の動向が判明した時点で、駐車場の円滑な運営が進むよう、交通事業者、公園管理者などとしっかりと連携していきたい。運営会社では1日6,000人から7,000人で始めているが、そうした状況をしっかり勘案しながら柔軟に対応したい。
【委員】
運営会社が勘案するのではなく、最初は6,000人から7,000人でもいいが、それ以上もきちんと受け入れられる体制をしっかり取ってほしい。体制が取れないとその枠が増えないのでは、愛知県として恥ずかしいので、入場者が増えてもきちんと対応できるよう進めることを要望する。
( 委 員 会 )
日 時 令和5年12月14日(木) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
辻 秀樹、おおたけりえ 正副委員長
水野富夫、伊藤辰夫、島倉 誠、石塚吾歩路、中根義高、藤原ひろき、
朝日将貴、天野正基、安井伸治、朝倉浩一 各委員
政策企画局長、企画調整部長、国際監、ジブリパーク推進監、
総務局長、総務部長、財務部長兼財政課長、人事局長、
人事管理監兼人事課長、
会計管理者兼会計局長、同次長、監査委員事務局長、同次長、
人事委員会事務局長、同次長兼職員課長、議会事務局長、同次長、
関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
○ 議 案
第118号 令和5年度愛知県一般会計補正予算(第5号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳 入
歳 出
第1款 議会費
第2款 総務企画費の内
第1項 政策企画費
第2項 総務管理費
第3項 徴税費
第2条(繰越明許費の補正)の内
第2款 総務企画費の内
第2項 総務管理費
第4条(県債の補正)
第128号 愛知県事務処理特例条例及び愛知県教育委員会事務処理特例
条例の一部改正について
第129号 愛知県教育委員会教育長給与条例等の一部改正について
第130号 非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部
改正について
第131号 職員の給与に関する条例等の一部改正について
第146号 当せん金付証票の発売額について
第147号 収用委員会の委員の選任について(水野泰二)
第148号 収用委員会の委員の選任について(竹中成仁)
第149号 収用委員会の予備委員の選任について(吉田治子)
第150号 収用委員会の予備委員の選任について(富田隆司)
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第118号、第128号から第131号まで及び第146号
全員一致をもって同意すべきものと決した議案
第147号から第150号まで
○ 請 願
第 23 号 「国に対し適格請求書等保存方式(インボイス制度)
について直ちに見直しを検討することを求める」について
第 24 号 「日本政府に核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求める
意見書提出を求める」について
第 32 号 「『消費税5%引き下げを求める意見書』採択を求める」
について
第 33 号 「『インボイス制度即時廃止を求める意見書』採択を求める」
について
(結 果)
賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
第23号、第24号、第32号及び第33号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 行財政について
2 国際交流の推進について
3 地域振興について
4 地域及び県行政の情報化の推進について
5 防災対策及び安全なまちづくりの推進について
6 政策企画局、総務局、人事局、防災安全局、会計局、選挙管理委員会、
監査委員及び人事委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(10件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 請願審査(4件)
4 委員長報告の決定
5 一般質問
6 閉会中継続調査申出案件の決定
7 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
議案書101ページ、第146号議案当せん金付証票の発売額について伺う。
分かりやすくいえば宝くじであるが、宝くじの収益金からの収入は本県をはじめ発売団体にとって大変貴重な財源になっていると認識している。この宝くじの収益金は宝くじの販売額により増減すると考えられる。そこで、宝くじの販売実績やその推移はどのようになっているのか。
【理事者】
宝くじの販売実績とその推移であるが、昨年度の宝くじの販売額は、全国の総額で8,324億円、これは前年度比で2.3パーセントの増加となっており、本県においても販売額は267億円と前年度比で1.7パーセントの増加となった。
推移であるが、宝くじの販売額は全国ベースで見ると2005年度の1兆1,047億円をピークに減少傾向となっていたが、2017年度の7,866億円を底に2020年度以降は8,000億円を超える額で推移している。
本県の販売額についても全国同様に減少傾向であったが、2020年度以降は260億円台の推移となっている。なお、全国ベースにおける昨年度の8,324億円であるが、ここ5年間では最も多い販売額となっており、過去で見ると初の数字選択式くじ、ナンバーズと呼ばれる宝くじがあるが、この宝くじの全国発売が開始された1995年度の8,285億円に近い金額となっている。
【委員】
宝くじの昨年の本県の販売額は267億円で、今回の議案で示されている発売総額429億円とは大きく開きがある。この販売額と発売総額はどのような関係にあるのか。
【理事者】
今回の議案における宝くじの発売総額は、宝くじの発売団体で組織されている全国自治宝くじ事務協議会で決定された来年度の全国の発売計画額に対して、本県の発売実績、いわゆる発売シェアなどを乗じて積算している。
ジャンボくじと呼ばれる主要な宝くじについては、この発売計画額分の券面を作成して、それを売りさばいていくことになるので、売れ残りはあっても、売り切れてしまい発売機会を逃すことがないように、発売計画額は実際の販売額に対して常に余裕を持った計画額が設定されている。また、くじの中には、発売状況によって当初の計画額を増減して発売できるくじがある。具体的には、東日本大震災のような災害発生時の復興支援や1等の当選金額が増額された場合において、当初の発売計画額を増額して発売された事例もある。
このように年度途中で計画額以上に宝くじが発売されることになった場合、本県でもその増額分を受け入れることができるように、増額が可能とされている宝くじについては、全国の発売計画額に本県発売シェアを乗じた額に30パーセント増額して積算し発売総額の中で増額対応もできるようにしている。
売り切れを防ぐこと、及び年度途中での増額に対応することから、発売総額は実際の販売額を上回る設定となるもので、発売総額は来年度発売できる限度額として設定している。
【委員】
売り切れがないように、一定の余裕を持って設定する必要があると理解した。
それでは、発売額のうち実際に県の収入となるのは幾らなのか。また、その収入はどのような事業に充当されているのか。
【理事者】
本県における宝くじの収益金からの収入であるが、2022年度決算で101億4,500万余円となっている。この充当先であるが、まず地方財政法で公共事業に充当できるとされているほか、総務省の省令によって充当先として地域の国際化の推進に係る事業をはじめとする11の事業区分が定められている。本県では、こうした法令に沿って公園緑地の維持管理、愛知県国際交流協会への補助金、信号機など交通安全施設の維持管理、防災ヘリコプターの運営、愛知芸術文化センターの運営など、数多くの事業に充当している。
また、市町村振興を目的として発売されているサマージャンボなどの宝くじからの収益金については、公益財団法人愛知県市町村振興協会に全額を交付している。なお、今年度から通常の収益金とは別に、アジア競技大会及びアジアパラ競技大会に対して、2025年度までの3年間で合計30億円の支援が宝くじから受けられることになっており、今年度分の10億円については公益財団法人愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会への負担金に充当している。
【委員】
多くの事業にこの貴重な財源が充てられていることがよく分かった。答弁で公園緑地の維持管理を上げたが、具体的にはどのような公園の維持管理に充当しているのか。
【理事者】
公園の維持管理について、具体的には愛・地球博記念公園をはじめとする県内各地に設置している都市公園の維持管理に充当している。なお、昨年度は充当対象とした事業費23億2,500万余円に対して、宝くじの収入から6億3,400万円を充当している。
【委員】
宝くじの収益金はアジア競技大会、アジアパラ競技大会といった大事業から都市公園の維持管理など、様々な事業に充当されていることがよく分かった。こうした事業の着実な推進に向けて収益金を維持、さらには増額させていくためには、宝くじの販売を伸ばしていくことが重要である。
そこで、宝くじの販売促進についてはどのような取組をしているのか。
【理事者】
宝くじの販売促進に向けては、2019年10月に開催されている全国自治宝くじ事務協議会において、宝くじを購入した人の人口比率で見ると、39歳以下の比率が長期的に低下傾向であることや、公営競技と比べてインターネット販売の弱さが指摘されていた。このため、若年層に訴求できる人気タレントが出演する広告を行い、ポイントがたまればそのポイントで宝くじが購入できる宝くじポイントを販売促進キャンペーンに活用するなどの取組を行ってきた。
さらに2018年からは、スクラッチと呼ばれるくじとビンゴ5と呼ばれるくじを除く宝くじについてはインターネット販売が開始されていたが、さらに2020年度に初のインターネットの専用くじとして、着せかえクーちゃんと呼ばれる新しいくじを開始している。また、昨年度には、さらにゲーム性の高い新たなネット専用くじとしてクイックワンを導入するなど、インターネット販売の強化を図ってきた。
なお、現在は、スクラッチくじ以外の全てのくじをインターネットから購入できるようになっている。また、本県においても、ウェブサイトやSNSによる情報発信のほか、ジャンボ宝くじの発売時には庁内での臨時販売を行っており、さらに、今年度はジブリパークが整備された愛・地球博記念公園において、市町村対抗駅伝が行われた12月2日に合わせて年末ジャンボ宝くじの臨時販売を行うなど、宝くじの販売と宝くじのPRに努めている。
【委員】
繰り返しになるが、宝くじの収益金は昨年度は100億円を超える大規模なものであり、大変貴重な財源となっていることがよく分かった。
先ほど公園について聞いたが、この都市公園には施設の老朽化が進んでいるものもあり、利用する県民の安全・安心の確保のためには、今後老朽化対策がますます重要になってくる。この老朽化対策を含む都市公園の維持管理は都市交通局が所管しているが、事業部局の取組を財源面から支える意味からも、引き続きしっかりと宝くじの収入の活用を図ってほしい。
また、宝くじの販売実績は長期的には減少傾向となっていたが、ここ数年は同一の規模を確保できており、昨年度は対前年比で増加であった。こうした状況を継続させる、または増額を促進していくため、公園緑地の維持管理など我々の身近にある事業にも充当して、引き続き収益金の確保、増額確保に向けて取り組んでもらうよう要望する。
【委員】
庁舎維持修繕費について伺う。
先ほどの議案説明の中にも、コンビニエンスストアの導入に向けての説明があったが、庁舎維持修繕費について繰越明許費の補正をすることになった理由を伺う。
【理事者】
庁舎維持修繕費の繰越明許費は、本庁舎地下1階西側の地下連絡通路にコンビニエンスストアを導入するための本庁舎の改修工事について、受変電設備などの資材の調達に当初想定していた以上の期間を要することが判明したため、本年度中に工事を完了できないことから、補正をお願いするものである。
この事業は県民サービスの向上を図るとともに、職員が働きやすい職場環境整備を推進するために行うものである。なお、当初予算においては、庁舎維持修繕費8億7,700万余円のうち7,000万円を見積もっていたが、コンビニ事業者へのヒアリングを経て追加の工事が必要となることが判明したため、それらの経費として9,900万円の繰越明許費の補正を計上した。
【委員】
この繰越明許費の補正額は当初予算での見積りを上回っているが、その理由について伺う。
【理事者】
当初予算編成時には、本庁舎地下1階の既存スペースでの出店を想定し、各種改修工事に関する費用を積み上げ工事費を積算したが、コンビニ事業者へのヒアリングを踏まえて実施設計を行った結果、工事範囲の拡大、防煙シャッターの設置や受変電設備の改修などの追加工事を行う必要が生じたものである。なお、この追加工事等については、既決の庁舎維持修繕費において対応が可能である。
【委員】
答弁により大体イメージができたのは、本庁舎の地下1階の西側の地下連絡通路にコンビニエンスストアを導入したいこと。そして、実施設計やヒアリングを踏まえながら追加工事が今後必要になることである。誘致したコンビニエンスストアは導入後どのような店舗になるのか。
【理事者】
コンビニエンスストアの導入に当たっては、複数のコンビニ事業者へのヒアリングを通じて、出店の意向を示したファミリーマートを生協の委託売店として選定した。営業時間については、職員のニーズに応じてできる限り長い時間の営業となるよう協議している。
店舗区画は約70平方メートルと通常の店舗より小さいものの、一般的な弁当や飲物のほか、コーヒーサーバーやマルチコピー機などの設置も予定している。なお、重要文化財に指定されている本庁舎内に設置するため、コンビニエンスストアのサイン看板は通常の青色と緑色と異なり茶色を予定している。現時点でのコンビニエンスストアの開業時期については、2024年9月頃を目指して事業を進めていきたい。
【委員】
コンビニエンスストアを導入するに当たり、答弁にあったように県民サービスの向上、職員が働きやすい環境の観点からどのようなことを考えているのか。
【理事者】
現在の生協の売店は営業時間が午前8時45分から午後5時までとなっているが、コンビニエンスストアでは営業時間を拡大するため、通勤途中や就業時間後にも利用することができるようになる。このほか、マルチコピー機の利用、マイナンバーカードを利用した住民票や所得証明書などの発行、料金等の払込み、キャッシュレス支払いが新たにできるようになるなど、来庁者や職員の利便性は大きく向上すると考えている。
【委員】
効果については理解した。現在本庁舎は屋根の修理等も進んでおり、引き続き長寿命化に向けた改修も行われる。今回の改修工事はコンビニエンスストアの導入という当面の目的は理解した。
私が指摘したいのは、県の庁舎に対して約1億円の予算を投入することは、本庁舎に対する有効な投資だと考えている。投資というものは価値が上がる、また活用の便が上がるという観点もある。今回はコンビニエンスストア導入への投資であるが、この維持修繕費が本庁舎に対する投資という点において、県にとってどのように有効な投資であるのか所見を伺いたい。また、コンビニエンスストアについては、競争が大変激しいと聞いており、採算性の管理などは大変厳しいと認識している。コンビニエンスストアが導入されたとき、その経営が成り立っていかなければならないと考えるが、県の考えを伺う。
【理事者】
最初に、コンビニエンスストア導入に伴う改修工事に係る投資の有効性についてであるが、今回の改修工事は本庁舎の利活用の用途を広げるだけでなく、防煙シャッターの設置などによる防火、防災性能の向上や、食品の調理販売に不可欠な給排水設備の地下階への設置による衛生面の向上を図るものであり、将来にわたる庁舎の有効活用と安全・安心の確保という点においても有意義な投資となる。
次に、コンビニエンスストア導入の経営維持であるが、導入に当たっては、ファミリーマート本社が本庁舎等の勤務者数や生協の既存売店の売上げ状況等について調査を行うとともに、出店に際して事業者側で整備する空調設備、冷凍冷蔵設備、内装工事などの初期投資の回収及び人件費や光熱水費をはじめとする維持管理経費等を踏まえた検討をした結果、採算が見込めると判断しており、県としては、現状の勤務者数、購買行動等に大きな変化がなければ経営は成り立つと考えている。県としても、庁内各所にコンビニエンスストアの案内表示を行うほか、生協を通じて職員への利用案内を行うなど、利用促進に協力する。
【委員】
答弁にもあったが来庁する人、また県職員の福利厚生にも十分つながるようしっかりと取り組んでほしい。また、繰り返しになるが、投資であるので、将来にわたって有効な整備となるよう要望する。
【委員】
第130号議案の非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正に関連し、非常勤職員のうち会計年度任用職員の処遇について伺う。
そもそも地方自治体の臨時・非常勤職員については、全国的に増加傾向にある中、任用根拠や身分の取扱い、運用が曖昧である点や、長期にわたって任用が繰り返し更新されていた点など、様々な課題が指摘されてきた。こうしたことを受け、地方公務員法及び地方自治法の一部改正が行われ、令和2年度からは新たに一般職の会計年度任用職員制度が創設され、臨時・非常勤職員全体の任用根拠を明確化するとともに、非常勤職員に対して報酬や費用弁償としての通勤手当のほか、任期が相当長期にわたる者に対して期末手当を支給するなど、一定の処遇改善が図られてきた。
本県においても、他の自治体と同様、多くの非常勤職員が様々な職場で活躍しており、特に会計年度任用職員について、本県ではフルタイムでの任用はなく、全て短時間勤務であるパートタイム職員として任用されていると承知しているが、こうした職員は行政運営にとって欠かせない存在となっている。
会計年度任用職員の処遇に目を向けると、制度の創設と同時に期末手当に関する規定が整備され、令和2年度から支給が開始されており、今回の非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の改正は、期末手当に加えて新たに勤勉手当を支給しようとするものである。
今回の改正に関連し、まずは基本的な事項として、今回の条例改正により会計年度任用職員に対して勤勉手当を支給することとした背景、理由を伺う。
【理事者】
会計年度任用職員に対する勤勉手当については、2023年5月に公布された地方自治法の一部改正により、2024年度から支給することができることとされた。
この改正の経緯としては、2017年の地方公務員法及び地方自治法の一部改正において、2020年度から任期が相当長期にわたる会計年度任用職員に期末手当を支給することが可能となったが、勤勉手当の取扱いについては国の非常勤職員の支給状況等を踏まえ、引き続き検討課題とされた。
その後、国においては、2021年度までの間に支給条件に該当する全ての非常勤職員に勤勉手当が支給されていると確認されたことなどを受け、国の非常勤職員の取扱いとの均衡、適正な処遇の確保を図るなどの観点から、地方自治体においても会計年度任用職員に対して勤勉手当が支給できるよう改められた。
他の都道府県など、各自治体においても、国の取扱いとの均衡、適正な処遇の確保など法改正の趣旨を踏まえて非常勤職員に対して勤勉手当を支給できるよう、条例改正などの所要の事務を進めていると聞いているため、本県においても来年度から支給するよう条例改正を提案した。
【委員】
昨今、非常勤である職員の処遇に関しては世間の関心も高く、改善を求める声も少なくない。国においては、既に対象となる非常勤職員には期末手当に加えて勤勉手当が支給されており、また他の自治体においても、勤勉手当の支給に向けて準備が進められていることなどを背景に、本県においても地方自治法の改正に合わせて来年度から勤勉手当を支給するとのことであるが、どういった職員が支給対象となり、これによってどの程度、処遇改善が図られるのか。
【理事者】
勤勉手当の支給対象となる職員は、会計年度任用職員のうち基準日である6月1日または12月1日において6か月以上の任用期間の発令があり、かつ週の勤務時間が15時間30分以上である職員となる。これはさきに支給を開始している期末手当の支給対象と同じで、2024年度以降は期末手当が支給される職員には原則として勤勉手当も支給されることとなる。なお、任用期間及び勤務時間の支給条件については、総務省が発出している自治体向けのマニュアル、国の非常勤職員の取扱いを参考に定めたものである。
次に、勤勉手当の支給によりどの程度の処遇改善が図られるのかについて、一般職の常勤職員と同じく、現行規定では、勤勉手当として年間で報酬の2.0月分を支給することとなるので、知事部局において一般的な任用である週29時間勤務の非常勤職員では年間で約38万円の改善が図られる。なお、会計年度任用職員の期末手当・勤勉手当の年間支給月数は、一般職の常勤職員に準じており、現在、第131号議案職員の給与に関する条例等の一部改正において、今年度の本県人事委員会の勧告を踏まえ、常勤職員の期末手当・勤勉手当の支給月数をそれぞれ0.05月分、合わせて0.1月分を引き上げることを審査の後、条例改正案が可決された場合には、期末手当・勤勉手当合わせてさらに0.1月分、金額にして約2万円の処遇改善につながる。
【委員】
これまでの見直しにより相当程度の改善が図られていることは理解できた。期末手当の支給を開始する際、自治体の中には新たに期末手当を支給する一方で、その財源を捻出するため、報酬の水準を制度導入前に比べて減額するなど、財政上の制約などを理由に制度の趣旨に合わない見直しを行った団体もあったと記憶している。来年度に向けて新たに勤勉手当が支給されることになるが、これに伴う報酬水準の引下げはないということでよいか。
【理事者】
他の自治体の中には2020年度からの期末手当の制度導入の際、年収額が期末手当の導入前と比べて増加しないよう、報酬の水準を引き下げたところもあったと各種の報道で承知しているが、本県においては、財源を捻出するために報酬を引き下げることは行っていない。
総務省が発出した公務員部長通知及び自治体向けのマニュアルにおいても、財政上の制約のみを理由として勤勉手当の支給について抑制を図ること、新たに勤勉手当を支給する一方で報酬水準や期末手当の抑制を図ることは、適正な処遇の確保、あるいは国との均衡といった法の趣旨に沿わないため適切ではない旨が明記されている。
こうした法改正の趣旨を踏まえ、本県においては今回の勤勉手当の支給開始に当たり報酬水準の引下げなどは行わず、これまでの水準を維持した上で新たに勤勉手当を支給する。
【委員】
本県においては報酬水準の引下げは行わないことがしっかりと確認できた。この場であえて報酬水準について確認したのは、今回の地方自治法の改正趣旨を思い起こすと、会計年度任用職員に対する適正な処遇の確保を図る意義は大きいと考えられ、こうした制度の見直しの趣旨にそぐわない報酬水準の引下げがあってはならないとの思いからである。
会計年度任用職員は本県の行政運営においてなくてはならない存在である。特に相談員や専門的分野で活躍する非常勤職員も多く、そうした人材の確保を図りながら、今後も引き続き非常勤職員が高い意欲とやりがいを持って勤務することができるよう、適切な処遇・勤務条件をしっかりと確保するよう要望する。
《請願関係》
なし
《一般質問》
【委員】
生成AIの業務での利用について伺う。
昨今、チャットGPTをはじめとする生成AIが注目されている。生成AIはコンピューターが事前学習した膨大なデータを活用して、ユーザーが入力した質問に対して自然な形で応答を生成するため、企業等においては生成AIの活用が様々な分野で広がっていると認識している。
また、行政分野でも、横須賀市をはじめとした自治体において既に生成AIを業務に取り入れ、業務の効率化を図る取組が始められていると聞いている。私も横須賀市を訪れ、視察をして説明を聞いてきた。
本県においては、11月7日に生成AIの利用に関するガイドラインが策定され、今後業務利用を進めていく方針が示された。そこで、生成AIの庁内での利用について伺う。
まず、生成AIの利用に関するガイドラインの策定までの経緯や、本県のガイドラインの特徴を伺う。
【理事者】
まず、生成AIガイドライン策定までの経緯についてである。生成AIはオフィスワークにおける業務への活用が期待できることから、本年6月に知事を本部長とする愛知県DX推進本部内に情報通信政策推進監をリーダーとする生成AI活用検討チームを立ち上げた。その後、本チームにおいてチャットGPT等の生成AIを試験的に利用して、庁内における利活用について検討を行い、その検討結果を踏まえ推奨する活用例や職員が利用する際の条件や禁止事項等を整理したガイドラインを策定した。
本県のガイドラインの特徴は2点ある。1点目は、生成AIの活用方策を前段に記載して、生成AIを活用していく姿勢を明確に示している点である。2点目は、名古屋市と意見交換しながら検討を進め、利用に当たっての条件等の項目について、名古屋市のガイドラインと共通する内容とした部分である。
なお、県と政令市がガイドラインの共通化を図る取組は全国初である。また、このことは、県内市町村がガイドラインを策定する際の参考となる内容になっている。
【委員】
県職員が生成AIをどのような業務に活用することを想定、推奨しているのか。
【理事者】
ガイドラインにおいては、アイデア創出や文書翻訳等の分野での活用を推奨している。特にアイデア創出については、生成AIの膨大な学習データを有効に活用することで施策の立案時等に、より多くの視座から検討することが可能になる。
なお、生成AIの生成物には誤りが含まれている可能性があり、出力内容の事実確認を行う必要があるが、AIの生成する回答が100点でなく75点の回答であったとしても大幅な時間短縮、事務負担軽減につながると考えており、業務を支援し、業務の質を高める補助的なツールとして職員が利用することを想定している。
【委員】
私も生成AIの利用に関するガイドラインをしっかり読んだ。生成AIの活用に向けて今後どのように進めていくのか。
【理事者】
生成AIの今後の活用についてであるが、生成AIの利用は入力内容の情報漏えいのリスクなどがあることから、ガイドライン策定までは検討チームのメンバー24人の試験利用に限定していた。ガイドラインの策定を経て12月を目途に利用可能な職員の対象を広げ、試験利用の規模を拡大できるように取り組み、今月11日から生成AIの試験利用を本庁所属の一部職員まで拡大している。
なお、試験利用の拡大に当たっては、職員が安全に業務で生成AIを利用できるよう、ガイドラインに沿って職員が入出力した内容を記録する機能を有している生成AIサービスを利用している。また、職員が戸惑うことなく利用できるよう、生成AIの概要や有効な指示の仕方などを説明した動画を用意して試験利用を進めている。引き続き、ガイドラインに沿って情報漏えい等のリスクに留意し、ステップ・バイ・ステップで庁内の生成AI利用の取組を進めたい。
【委員】
それでは、最後に要望する。生成AIは業務の質の向上や効率化に大いに役立つ可能性を有しているが、入力した情報の情報漏えいやハルシネーションと呼ばれるAIの幻覚を見ているかのようにもっともらしいうそを出力するなど、危険性もはらんでいる。また、過度な依存により職員の事務能力の低下や能力向上の機会の喪失などの課題もある。
こうした危険性や課題は、ガイドラインにおいて禁止事項や注意事項としてしっかり記載されており、また補助的なツールと位置づけ、業務の質を高める活用を推奨しているため、その点は安心している。本県における生成AIの業務利用はこれからだが、職員が生成AIの危険性や課題を理解した上で、業務で有効に活用できるよう研修等にしっかり取り組んでほしい。
また、生成AIは我々の想像を超えて進化している。数か月前ではできないことが今はできるようになっている。こうしたスピードや変化についても十分に踏まえてほしい。私も一度生成AIを使用したところ非常にすばらしい文章ができたが、しっかり考えて柔軟に取り組んでいかなければならないと感じた。これからもこうしたことに留意するよう要望する。
【委員】
パワハラ、セクハラの対応について質問する。
ニュースでも有名野球選手や市長、町長、町議会議員など、最近パワハラの問題が世間を騒がせている。加害者である野球選手は即自由契約となったことからも、こういった問題への社会的な意識が年々高まっていると分かる。本県でも職員にこのような事案が起こらないよう対策を取っていくことが重要である。
まず、本県におけるパワハラ、セクハラへの対応について、内部、外部、委託も含めて相談機関の設置状況はどうなっているのか。そして、もし申出があった場合には事実の調査、是正などに対応する仕組みがどうなっているのかを伺うとともに、被害者本人だけでなく被害を目にした第三者からの申出の際にあってもきちんと事実調査等ができるのか伺う。
【理事者】
まず、ハラスメントの相談機関について、各種ハラスメントに関する職員の相談窓口としては、人事課監察室、職員厚生課、各局主管課の人事担当、各所属長、人事委員会のほか、弁護士に委託する公益通報の外部窓口を設けている。
次に、各相談窓口にハラスメントの申出があった場合の対応についてである。まずは誰からどのような被害を受けたのかといったハラスメントの具体的な内容のほか、調査等の対応を希望するのか否か、調査等に当たり匿名を希望するか否か、加害者に対してどのような措置を取るのかといった相談者の意向などの事情の聞き取りを行う。
相談者から聞き取りをした結果、ハラスメントが疑われる内容が具体的に特定でき、対応が必要と認められる場合には、人事課監察室、各局主管課人事担当及び各所属が連携しながら、被害者、加害者とともに、周辺の職員に対しても細部にわたる聞き取り調査等を慎重に行い、事実関係を確認して事実認定をする。なお、これらの調査については、相談者や被害者の意向に最大限配慮して慎重に行っている。
そして、その上で申出のあった行為がハラスメントに該当するか否かなどについて、各局主管課、各所属長の意見を踏まえて、最終的には人事局として総合的に判断し、必要に応じて加害職員への改善指導などの是正措置を行うほか、場合によっては懲戒処分に付すこともある。
続いて、第三者、すなわち被害者以外からのハラスメントの申出としては、被害者の同僚職員、部下等からのハラスメントの相談を受けた監督者、匿名による申出など様々あるが、いずれの場合においても、相談者や被害者の意向などを最優先にしつつ、基本的には先ほどの答弁のハラスメント対応の内容と同様の流れで事実確認等を行い対応している。
【委員】
問題となるパワハラやセクハラは職員同士だけに限らないと思う。例えば県職員から県民へのパワハラ、パワハラというのもなかなか判断が難しい、枠組みが難しい言葉ではあるが、例えば補助金等を申請する県内の団体などが、県で唯一決定権を持つような職員から高圧的な態度を受けたという相談も時々聞く。また、議員による職員へのパワハラ、セクハラもあってはならないことである。このように当事者の一方が県職員でない場合の被害の申出はどのように対応する仕組みとなっているのか。
【理事者】
職員が職員以外から暴力や脅迫などの悪質なハラスメント行為といった不当要求行為を受けた場合は、愛知県不当要求行為対策要綱に基づいて組織的に対応する体制を取っている。この要綱では、不当要求行為に対する組織的な対処、被害の防止、関係機関との調整といった対応において中心的な役割を担う不当要求行為防止責任者を、所属ごとに課長補佐相当職以上の職員の中から選任している。この責任者に選任された職員には、不当要求行為対策に係る講習会の受講を義務づけている。
こうした不当要求行為が発生したとき、または発生するおそれがあるときは、この不当要求行為防止責任者が中心となって所属職員や他の関係所属、あるいは必要に応じて警察とも連携しながら組織的に対応することになる。特に悪質な事案については、庁外への退去命令や警察への通報等の措置を取ることもある。
また、人事局長を委員長として各局主管課長を構成員とする不当要求行為対策委員会を設置しており、必要に応じて各局にわたる横断的な対応方針の検討や情報共有等を行っている。
職員以外からの職員に対する苦情等については、特定の窓口は特に設けていないが、多くの場合は当該職員の所属にまず通報されると思うが、中には各局の主管課や、人事課監察室に通報される場合もある。
いずれの場合も人事課監察室、各局主管課人事担当、各所属それぞれが連携しながら、先ほど答弁したハラスメント対応と同様の流れで対応し、また必要に応じて通報者等に対する謝罪や、訂正といった措置を丁寧に行っている。
【委員】
ハラスメント問題は、最近ユーチューブなどでも多いが、ニュースになるような大きな問題が発生した場合は大変恥じるべきことである。県民からの信頼に応える組織をつくるためには、芽の小さいうちから摘んでおくことが大切だと考える。
私の友人が勤める大手の自動車会社では、数か月に1度ハラスメントに対するアンケートを取っていると聞いた。本県でもこのような取組を行う可能性はあるのか。
【理事者】
現状、各種ハラスメントの相談窓口については、外部窓口も含めて幅広く設置している。また、対面のみならず電話やメールでの相談、匿名での相談も受け付けており、誰もが相談しやすい体制となっている。また各種職員研修や職員ポータルサイトへの掲示などにより、それらの窓口については十分に周知しているので、ハラスメントの事実があればそうした声はしっかりと吸い上げられる相談体制になっていると認識している。
しかしながら、人事課監査室以外の各局の相談窓口に寄せられた相談の中には、それらの窓口で特段の問題がないと処理され人事課監察室に報告されていない事案もあると思うので、そうした案件があるのか、改めて把握したい。その際、先ほど委員が示した当事者の一方が職員でない例もあるのかについても確認したい。なお、それら各相談窓口に寄せられた相談内容を確認する中で、必要があれば助言指導や、さらなる聞き取り調査などの措置を取っていきたい。
また、パワハラ防止要綱を令和2年5月に制定したが、制定後3年が経過している。改めて現状職員が相談しやすい体制になっているか、現行制度に対する意見について各局に確認し、それに合わせてハラスメントの防止について意識啓発を行いたい。
【委員】
ハラスメントのない職場というのは、当然働きやすい職場であり、職員、議員もそうかもしれないが、個々の力を発揮しやすい職場だと考えている。県民の期待に応えるそのような職場であり続けることを要望する。
【委員】
いよいよ来年の3月16日にジブリパーク全5エリアが開園するため、それに先駆けて11月28日に新しいチケットの販売方法が示された。ジブリパークは、今年の11月に新エリアのもののけの里が開園した。それに合わせてチケットの販売体系が見直されている。来園者が天候に左右されることなくジブリパークを楽しめるよう、屋外型のエリアであるもののけの里とジブリの大倉庫のセット券が新設され、その他のエリアについては、エリアごとの単独チケットが用意されている。
我々も本委員会の調査で、9月にもののけの里を視察した。もののけの里では、体験学習施設とされるタタラ場で五平餅の炭火焼き体験ができるほか、乙事主の滑り台やタタリ神のオブジェで記念撮影が楽しめるとのことであった。ただし、他のエリアのようにつくり込まれた展示施設がないために、単独チケットの設定は難しかったと感じた。
もののけの里の開園後に、愛・地球博記念公園を訪れた際にも、公園内の様子が大きく変わった印象は受けなかったので、ジブリパークが多くの来園者でにぎわっているとはいえ、1年前の3エリアの開園時と比較すると、新エリアの開園がそれほど大きなインパクトになっていないと感じている。そこで、確認も含めて聞くが、ジブリパークの開園から1年が経過し、チケットの販売状況も予約サイトを見ると大分落ち着いてきたと感じるが、平日に空きが生じてはいないか。現在のチケット販売状況を伺う。
【理事者】
ジブリパークのチケットは、昨年8月に販売を始めて以降、しばらくの間、入場月の3か月前からの販売にもかかわらず、全種類のチケットが販売開始後すぐに売り切れてしまうほどの人気となった。昨年11月から販売を始めた今年2月入場分のチケットからは、利便性を高めるために抽選方式を改めて先着順とし、併せて1日で複数エリアを観覧したいとの要望が多いことを受け、青春の丘のチケットを、歩いて5分ほどで行き来できるジブリの大倉庫とのセット券に切り替えた。
また、今年1月からは、新型コロナウイルス感染症の動向を踏まえて海外個人向けチケットの販売を始め、こちらも販売開始後すぐに売り切れる人気ぶりとなった。そして、今年11月のもののけの里開園に伴い、青春の丘を単独チケットに戻す代わりに、来園者が雨天時にも楽しめるよう、屋外型のもののけの里とジブリの大倉庫のセット券を新設し、現在に至っている。
現在のチケット販売状況は、開園から1年以上が経過し、当初の過熱状態は落ち着いたものの、国内、海外ともに依然として高い人気が続いており、収容人数の少ない青春の丘及びどんどこ森のチケットは、平日でもおおむね入場日の1か月前までに売り切れており、最も収容人数の多いジブリの大倉庫のチケットも、もののけの里とのセット券を含め、当日までに売り切れている状況である。
運営会社では、チケットの需給バランスの最適化を図るため、国内需要が比較的低い平日の午後を中心に海外向けチケットを販売するとともに、季節や長期休暇による需要変動を勘案しながら、海外向けチケットの販売数を柔軟に増減して対応している。
【委員】
チケットの売れ残りはないとの答弁だが、以前、県では、この3エリア開園時の年間来園者数を100万人と想定していたと記憶しているが、ジブリパークの来園者数はそもそも当初の計画どおりの状況なのか。
【理事者】
運営会社はジブリパーク開園後1年間の来園者数を公表していないが、昨年11月から今年3月までの来園者数の推計値で、約59万人と、許可権者である県に報告している。1日当たりでは4,000人から5,000人の規模であり、1年間に換算すると約135万人となるため、3エリア開園時の年間想定来園者数である100万人を上回る状況となっている。
【委員】
年間当たりに換算すると100万人を超えるということは分かった。
知事は11月28日に、来年3月16日に開園する魔女の谷開園後のチケット体系について発表している。それによると、新たなチケットは全部で3種類であり、一つ目は魔女の谷を含むジブリパークの全5エリアを1日かけて観覧できる、最も基本的なチケットのジブリパーク大さんぽ券、二つ目は、一つ目の基本的なチケットで観覧可能な場所に加えて、青春の丘の地球屋、どんどこ森のサツキとメイの家、魔女の谷のハウルの城、オキノ邸、そして魔女の家の計五つの建物の内部展示を楽しめる、全てが網羅できるジブリパーク大さんぽ券プレミアム、三つ目は、ジブリの大倉庫を除く屋外中心の4エリアを観覧できる、最もリーズナブルなジブリパークさんぽ券となっている。
見直し後の新たなチケット体系では、ジブリパーク全5エリアの開園に合わせて、これまでエリアごとに販売していたチケット体系を一新し、複数エリアの観覧が基本になるとのことであり、従来の考え方から方向性が大きく転換した。県外や海外からの旅行者にとっては、一度に複数のエリアを観覧できたほうが便利であることは間違いないため、そうした点を重視した見直しとも受け取ることができる。
このチケットの販売方法については、オープン当初から、我々自由民主党愛知県議員団の総会や調査会等で共通券の発行をしないのかという話が数多く出されたが、そのときの答弁は、一貫してジブリパークはとても1日では見られないので、部分的に分けてチケットを販売するとの説明であった。当初の3エリア開園の時点でもできなかったものが、なぜ5エリアの開園後にできるようになるのか疑問を持っている。
そこで、昨年の3エリア開園時は、全エリアを観覧できる共通チケットを設定できなかったが、来年3月の5エリア開園時に、全てのエリアを観覧できるチケットを設定するのはどういう経緯なのか。その理由を伺う。
【理事者】
昨年11月に開園した3エリアは、ジブリパーク最大の屋内空間を誇るジブリの大倉庫に比べ、青春の丘及びどんどこ森の規模が極端に小さいため、来園者が3エリア全部を一度に観覧できるチケットを基本にすると、ジブリの大倉庫の観覧を終えた大勢の来園者が、青春の丘とどんどこ森に殺到し、結果として、両エリアをじっくりと観覧できなくなる懸念があった。そのため、来園者に各エリアを安全かつ快適に観覧してもらうためには、入場時間の指定により、あらかじめ各エリアの入場者数を一定数に限定することが必要と判断し、3エリア全部を一度に観覧できるチケットの設定は断念した。
一方、来年3月16日には、敷地面積がジブリパーク最大となる魔女の谷が開園する。この魔女の谷を再入場可能なエリアとすることで、来園者の所在を分散しつつ、併せて特定の建物の収容人数を一定数に限定するチケットを導入することにより、複数エリアの観覧を基本としても、安全かつ快適に観覧することが可能になると考えている。
ジブリの大倉庫に匹敵するキャパシティーを持つ魔女の谷の誕生により、スタジオジブリ作品の世界観をじっくりと楽しむことができるジブリパークの特徴は維持しつつ、1日で複数エリアを観覧したいという来園者のニーズにも最大限応えていく。
【委員】
もともと我が党でも、この共通券はシンプルな形で分かりやすくすべきだとしており、我々の方向性に沿ってきた。ただし、その経過については正直に言ってよく分からなかった。魔女の谷は我々もまだ見ていないので、また見てからこの件について改めて聞きたい。
次に、来年3月以降、魔女の谷が開園すると、エリアが拡大されることで来園者の増加が当然見込まれる。また、今回のチケットの販売体系見直しによって複数エリアの観覧が基本となり、先ほどの答弁のとおり、魔女の谷は再入場が可能なエリアとなることに伴って来園者の滞在時間は長くなる。この間、愛・地球博記念公園の駐車場を管理している公益財団法人愛知県都市整備協会に、来園者の滞在時間はどれぐらいかと聞いたところ、車で来た人はおおむね1時間から2時間で出るという話であり、ジブリパークの滞在時間もおおむね1時間から2時間が多いのだろうと思う。ただし魔女の谷が開園することによって、滞在時間が長くなるため、今までは順調にいっていたが、駐車場、周辺道路、リニモをはじめとする交通機関の混雑などの影響が出てくると思うが、この5エリア開園後の周辺地域に混乱が生ずることは避けなければならない。
そこで、魔女の谷が開園して複数エリアの観覧が基本になると、来園者数や滞在時間が増加していくと見込んでいるが、駐車場、周辺道路及びリニモなどへの影響についてはどう見込んでいるのか。
【理事者】
魔女の谷開園後の、駐車場や周辺道路等への影響について、運営会社は魔女の谷開園時から当面の間は、受入れ人数を5エリア全体で1日当たり6,000人から7,000人程度に抑え、混雑しやすい場所や時間帯、晴天時と雨天時の違いなど、来園者の動きが判明し、オペレーションに余裕が生まれてきた段階で徐々に受入れ人数を増やしていく方針である。このため、全5エリアが開園しても、現在と比べて、駐車場、周辺道路及びリニモなどの状況が直ちに大きく変わることはないと見込んでいる。
エリアの拡大によってパーク内の見どころが増え、来園者の滞在時間が増加し、駐車場の回転率が低くなることは想定しているが、現在は土日においても、かなり駐車場に余裕があるため、全エリアが開園しても、大規模なイベントのない通常の土日に駐車場が不足することはないと予測している。引き続き、周辺道路や交通機関の状況についてもしっかり注視しながら、運営会社、公園管理者、交通事業者などと密に連携し、周辺環境に大きな負担が生じないよう、適切に対応したい。
【委員】
6,000人か7,000人ぐらいを受け入れ、徐々に拡大していくから大丈夫だということだと思うが、余裕がなければ、この枠が増えないことになるのか。
【理事者】
今後の来園者数の増加に伴う対応についてであるが、現在、5エリア開園に伴う駐車場の確保を想定して整備しているが、今後、運営が進み、駐車場の状況を含めた来園者の動向が判明した時点で、駐車場の円滑な運営が進むよう、交通事業者、公園管理者などとしっかりと連携していきたい。運営会社では1日6,000人から7,000人で始めているが、そうした状況をしっかり勘案しながら柔軟に対応したい。
【委員】
運営会社が勘案するのではなく、最初は6,000人から7,000人でもいいが、それ以上もきちんと受け入れられる体制をしっかり取ってほしい。体制が取れないとその枠が増えないのでは、愛知県として恥ずかしいので、入場者が増えてもきちんと対応できるよう進めることを要望する。