定例議会・臨時議会情報
委員会情報
委員会審査状況
総務県民委員会
( 委 員 会 )
日 時 平成23年7月8日(金) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
酒井康行、木藤俊郎 正副委員長
水野富夫、青山秋男、長坂康正、小林 功、久保田浩文、伊藤勝人、近藤良三、
高橋正子、西久保ながし、安藤まさひこ、宮地美角 各委員
県民生活部長、同次長、人権推進監、地域安全監、防災局長、同次長、関係各課長等

委員会審査風景
<付託案件等>
○ 議 案
第76号 平成23年度愛知県一般会計補正予算(第6号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳 出
第4款 県民生活費
第11款 教育費の内
第8項 大学費
第9項 私立学校費
第3条(債務負担行為の補正)の内
芸術大学音楽学部校舎整備工事
私立学校施設設備整備費借入金償還補助
私立学校施設設備整備費借入金利子補給
愛知県私学振興事業財団私立学校入学納付金貸付金損失補償
愛知県私学振興事業財団私立高等学校奨学資金貸付金損失補償
第91号 文化振興基金条例の一部改正について
第92号 高等学校授業料減免等事業基金条例の一部改正について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第76号、第91号及び第92号
<会議の概要>
Ⅰ 県民生活部・防災局関係
1 開 会
2 議案審査(3件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 休 憩(午後2時30分)
4 再 開(午後2時40分)
5 一般質問
6 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
二つの議案について質問させていただく。
まず、県立芸術大学音楽学部校舎を移転新築するための整備費として計上されている予算1億4,653万5,000円について確認する。平成22年2月議会で、我が会派の前議員が、県立芸術大学の整備については、音楽学部校舎だけでなく、全体の改修構想を明らかにする中で計画的に改修するべきだと指摘した際に、当時の県民生活部長から、全体構想はなく、改修の緊急度の高い施設から順次整備をしていく、音楽学部校舎の整備は現場の意向も踏まえ、現在の校舎とは別の場所に新たに建設する、と答弁されている議事録がある。
今回、全体計画がないままで、音楽学部校舎の移転新築が進められることになるが、6月補正予算案1億4,600万円余の内訳と債務負担行為24億円余について伺う。
また、緊急性という面で、まず音楽学部校舎が移転新築されるに至った経緯を説明していただきたい。
【理事者】
音楽学部校舎の整備については、全体で約26億円を予定しているが、工事期間が2年にわたることから、平成23年度事業費として1億4,653万5,000円、来年度実施分の債務負担行為として24億5,688万7,000円を予算要求したところである。
6月補正予算案の1億4,653万5,000円の内訳は、準備工事、造成工事、基礎工事の費用として1億4,369万7,000円、工事監理委託料等の監督事務費として283万8,000円となっている。
また、債務負担行為の24億5,688万7,000円の内訳は、基礎工事に引き続き行うく体工事や外装、内装、外構工事の工事費24億3,065万8,000円と、監督事務費の2,622万9,000円である。
次に、キャンパス内の建物のうち、最初に音楽学部校舎を移転新築するに至った経緯であるが、県立芸術大学の主要な建物は開学時の昭和40年代に建てられており、老朽化に加え、耐震性の問題、学生定員の増加による狭あい化など施設面、機能面での問題が顕在化しており、教育研究活動に支障を来している。中でも、音楽学部校舎はとりわけ劣悪な環境であり、大学側から優先的に整備して欲しいという強い要請を受けて、最優先で整備することとしたものである。
音楽学部校舎については、レッスン室、練習室に音楽教育で最も重要である遮音性能がほとんどなく、隣の部屋は元より、階上や階下の部屋からも音が入ってくるといった状況である。また、練習室も狭く、天井高が低いことから、十分な音響効果を得ることができず、空調も効きにくい構造となっている。
また、音楽学部の収容定員も開学時の280人から平成23年は469人と約1.7倍に増加しており、教室やレッスン室等が不足している状態にある。加えて、今回改築の対象となった施設の中には耐震診断の結果、倒壊、又は崩壊する危険性のある建物も含まれている。改修ではこういった問題点を解決することができず、音楽学部校舎として利用し続けることは困難であると判断して、移転新築することとしたものである。

県立芸術大学新音楽学部棟パース図
【委員】
私も現地を視察し、「県立芸術大学はかなり老朽化しているな。」という感想を持っている。ただ、日本を代表する建築家の故吉村順三氏が設計し、1966年に建設されたキャンパスと建物群は、近代建築を評価する国際団体の日本支部であるDOCOMOMO Japanの125選に選ばれるほど20世紀を代表する建築として評価が高いということは聞いている。そうしたことからも、保存を求める声や、一部に音楽学部校舎の計画に問題を指摘する声があることも事実である。去る6月27日付けの中日新聞でも、「新校舎造成で自然も調和も失うとの懸念」と報じられたが、整備計画については、昨年度、県立芸術大学に愛知県立芸術大学施設整備ビジョン検討会が設置され、キャンパスの整備方針について検討を行ったと聞いているが、ビジョン検討会での検討結果について伺う。
【理事者】
ビジョン検討会は、大学法人が昨年度設置したものであり、大学関係者のほか、学生、卒業生の代表者、価値ある近代建築の保存に携わっている専門家などに委員として参加をしてもらい、整備のあり方などについて検討したものである。
ビジョン検討会の検討結果は、大学の整備の基本方針として、「大学の教育研究活動の推進に貢献する環境づくりに努める」こと、「教育研究活動の高度化・多様化・国際化など、大学の発展に対応できる環境とする」こと、「自然環境に配慮するとともに、価値あるキャンパスや建物群のあり方を継承し、地域に開かれた大学とする」こととし、建物の整備方針についても、講義棟などキャンパスの中核をなす建物群は改修を原則とし、適宜、用途を変更して活用すること、機能・面積の不足する場合は、キャンパスの景観と自然環境に配慮し、増築・改築・新築すること、整備に当たっては、耐震性の確保とバリアフリー化を図ることと整理された。
【委員】
今一番問題視されているのは、音楽学部校舎の移転新築場所である。建設予定地は、小川が流れ、絶滅危惧種のカワモズクなども生息している湿地帯である。希少種が生息する場所に建設すれば、環境が破壊されるし、何よりも湿気を嫌うピアノや弦楽器にとって、わざわざ湿地帯に校舎を建設するのは不自然だという声もある。
昨年、COP10を終えた本県として、自然環境への影響の少ない場所に建設すべきだとの環境団体からの指摘もある。これに対する県の見解、移転新築場所の選定について、本当にこの場所でなければならないのか伺う。
【理事者】
音楽学部の新校舎の建設場所の選定理由であるが、教育現場の特性として、学生の校舎間移動が頻繁に行われ、特に音楽学部では大型の楽器を運搬することもある。新校舎の配置は、既存施設、特にオーケストラの練習を行う音楽ホールである奏楽堂とセットで考えなければならず、奏楽堂にできるだけ近い場所であることが必要である。
加えて、新校舎建設中も現在の校舎で授業が行われるので、工事中の騒音、振動などの影響ができる限り少ない場所でなければならない。また、県立芸術大学のキャンパスが持つ文化的価値にも配慮しなければならない。ビジョン検討会でも、比較的平坦部の多い講義棟を中心とするキャンパス中央部の広場とそれを囲む建物群には、表層、ボリューム、配置、高さ方向のバランスに関して変更を伴うような変化はできるだけ避けるように配慮すべきだとされている。
こうした限られた敷地条件の中で、新音楽学部校舎は、大規模な造成工事を避け、自然の地形を生かして斜面に高床構造で建築することで湿気を防ぎ、必要な面積を確保しつつ、建物高を抑えることで、文化的価値が高いとされている既存施設との景観の調和をも図ったものである。
また、昨年度に開催されたビジョン検討会においても、現在の建設予定地に移転新築することで合意されている。新音楽学部校舎の建設場所については、教育研究上、学生や先生方が利用しやすいことを第一に考えて、総合的に判断して決定したものである。ほかに代替地はないものと考えている。
今回、自然環境団体から、新校舎建設予定地に近接する小川で水生植物のカワモズクなど希少な動植物が成育しているとの指摘を受けた。現況の確認をし、音楽学部校舎の建設が及ぼす影響などについて、専門家などの意見を聞き、影響があると認められる場合には、必要な環境対策などを行い、生物多様性の保全との調和を図りながら、進めていきたいと考えている。
【委員】
音楽学部校舎については、最も緊急性が高いということで、今回、移転新築で整備するとのことだが、今後残りの施設も全て新築か改修をするのか。しっかりした全体計画を策定して、計画的に整備していくべきであると思うが、今後の県立芸術大学の整備の進め方について伺う。
【理事者】
今年度、大学法人において、ビジョン検討会で示された方向性に基づき、芸術大学のキャンパス全体の具体的な整備方法を個々の建物について、改修、改築、修繕といった整備方法や、どの建物から整備するのかといった優先順位等をとりまとめたキャンパス整備プランを検討し、作成することになっている。その結果については県に提出してもらうこととなっており、その内容をしっかりと受け止めて、県としての全体整備計画を策定することとしている。キャンパスの持つ文化的価値の継承と発展、自然環境の保全に配慮しながら、県立芸術大学が今後、更に厳しさを増す大学間競争に打ち勝つことができるよう、計画的に整備をしていきたいと考えている。
【委員】
やはり環境問題が一番大切であるので、今後、キャンパスの整備プランをしっかりと作って進めて欲しい。
次に、基幹的広域防災拠点の候補地を調査するとのことで、500万円の予算が計上されているが、この予算について伺う。この予算は候補地のあてがあり、その候補地を調査するための予算なのか、それとも候補地を探すための予算なのか。また、この予算でどのような調査をするのか伺う。
【理事者】
基幹的広域防災拠点候補地調査費については、平成16年3月に本県が策定した基幹的広域防災拠点整備調査報告書があるが、既に7年が経過し、高速道路網の充実や名古屋空港に隣接した国有地の減少など環境の変化もあり、また、東日本大震災での広域的で非常に甚大な被害を目の当たりにして、基幹的広域防災拠点のあり方を見直していきたいと考えている。
ただ、あり方を見直すと言っても全てを白紙に戻すということではなく、名古屋空港の持つ空路のアクセス機能は非常に重要なものと認識しており、こうした機能を十分活用することや、機能の分散的立地ということで、ネットワーク化を進めることなども視野に入れ、この地域にふさわしい拠点のあり方とその適地についても調査をしていきたいと考えている。
調査の内容については、本県に整備することの有効性や優位性、空港機能の活用、効果的な適地、県内の防災活動拠点との連携、更には、この地域はものづくりの地域であり、その特性から求められる機能などを総合的に調査していきたいと考えている。
【委員】
そもそも、基幹的広域防災拠点は首都圏では既に整備が完了しており、京阪神圏では平成23年度完成予定で整備が進行中である。それに対して、いつ東海あるいは東南海地震などが起きても不思議ではない名古屋圏では、整備場所すら正式に決定していない。国へも基幹的広域防災拠点の整備に関する要請として、首都圏、京阪神圏と同様に、東海地域においても基幹的広域防災拠点を国の責任で早期に整備を進めるよう、基幹的広域防災拠点の整備に関わる適地や機能を検討する調査費を平成23年度に予算化することについての要請文を知事名で出している。候補地を巡っては、県営名古屋空港で決まったような感じを受けていたが、県営名古屋空港はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究施設などの誘致で防災拠点としては手狭になっており、選定するにせよ、機能の分散化も視野に入れる必要があると聞いている。候補地選定に余り時間的猶予のない中で、現状はどうなっているのか。また、今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
県としては、国に対してこれまでも基幹的広域防災拠点の整備について要請をしてきたが、今のところ具体化にはつながっていない。候補地についても、平成16年に決定した県営名古屋空港のままである。今回、見直しを行う中で、しっかりとしたものをつくり、国に対してインパクトのある要請をしていきたい。そして、この地域にふさわしい拠点のあり方や適地をしっかり提案して強力に進めていきたいと考えているので、今回、調査費の予算要求をした。
今後の取組は、今回の調査結果に基づき、この地域における拠点のあり方や候補地などをしっかりと提案して、近県や名古屋市、経済界や大学などとも連携して、整備に向けてのこの地域の機運を盛り上げ、地域全体が一体となって国に対して要請ができるようにしていかなければならないと考えているので、その点について取り組んでいきたい。
【委員】
余り時間的猶予のない中で、スピード感を持って早急に調査をし、国にもインパクトのある提案をし、候補地を決定して欲しい。
【委員】
高橋委員の質問に関連して県立芸術大学の音楽学部校舎について伺う。
県立芸術大学の音楽学部校舎については、最近、音楽学部の学生から工事を早く進めて欲しいという署名簿が提出されたり、あるいは建物を保存すべきだという要望書が送付されたりということがあった。そもそも昨年、県は当初予算で大学整備費を意図して隠していたのではないかといった議論があった。説明を受けていたつもりだが、ほかの議員の皆さんは隠していたのではないかと言っていた。いろいろな議論があり、新聞でも報道された。その後、県立芸術大学の中で検討委員会を設置して、学部はもちろん、学外の方にも参加してもらい、検討を進め、内容について、県がどのような判断をしていくか、今後、決めていきたいという話であったと記憶している。
ここではっきりしておきたいのだが、県は県立芸術大学で決定したマスタープランをそのまま受け入れて整備を進めるのか。それとも、県は県として県立芸術大学で決定したマスタープランとは別に、今の財政状況、そのほかを勘案して、整備を進めていくのか。平成20年時点での県の判断について確認しておく。
【理事者】
マスタープランの整理について、もう少し時期をさかのぼって答弁させていただく。
県立芸術大学は平成19年4月に公立大学法人となったが、県は平成18年の3月に愛知県大学改革基本計画を策定し、特に芸術大学については、土地だけ出資し、老朽化の著しい建物は県が整備をした後に出資するという方針で来ており、芸術大学校舎の改修については、厳しい財政状況を踏まえ、年次計画を策定の上、貴重な芸術的資産の価値を損なわないことに配慮し、計画的な整備を検討するとしている。
こうした流れの中で、芸術大学側が平成20年3月11日に大学マスタープラン、いわゆるマスタープランを作成してきたが、ほぼ全面的に建て替える内容であり、また文化的な建物への配慮も欠けていたことから、県財政が厳しい中、県としては認めることができなかったもので、これまで議会においてもきちんと答弁してきたところである。
大学の現状を踏まえ、県としても緊急に整備が必要だと考えていたが、整備に当たっては授業への影響、学生の安全対策、施設の文化的価値への配慮が必要で、短期的な整備は難しく、平成20年3月末に、芸術大学の緊急整備対応指針を県として作成した。この中で耐震性に不安があるのでこれを優先に整備することと、芸術大学側から音楽学部校舎、講義棟、学生会館を緊急に整備して欲しいという要望があり、これを受けて、県は財政状況を鑑みながら、まず、音楽学部校舎を緊急に整備しようということで、昨年、実施設計予算を認めてもらい進めてきたところである。
【委員】
要するに整備の仕方について県は県で独自の判断を行ったとのことであり、しっかりと大学側の要望なども聞きながら進めていくということである。
今後、音楽学部校舎は前の学長公舎があったところへ移転新築され、音楽学部の教育環境は今までと全く違い改善されることになると思うが、何を一番中心に考えているのか。それから、ほかの国公立の音楽系の大学、例えば東京藝術大学と比べてどのようなものか。
【理事者】
新音楽学部校舎はレッスン棟、演奏棟、練習ホールの3棟で構成され、それぞれ音楽学部の中心的な機能を担うレッスン室、教育研究室、学生練習室等を拡張整備するもので、現在、問題となっている部屋の狭さ、天井の低さを解消し、遮音性や防音性をしっかり整備していく。
また、新しく、合唱授業に対応し、オペラの練習や演出もできる専用の練習室であるオペラ・合唱室、それから、アンサンブルなどの小規模編成による演奏の講義、練習ができる専用ホールを設置することとしている。
ちなみに、教室の広さは、レッスン室と教育研究室が、現在28平方メートルであるのが、新校舎では、使用目的に応じて、31平方メートルから67平方メートルとなり、学習練習室は、現在9平方メートルであるのが、新校舎では8平方メートルから16平方メートルの広さに拡張していく。また、部屋数は、レッスン室と教育研究室を合わせて34室から44室に、それから学生たちが自ら練習する場である学生練習室は、現在の45室を59室へ増やすとともに、練習室の天井高は、バイオリンの練習をしていると弓が天井に当たると言われている現在の約2.5メートルから3メートル以上に広げていきたいと考えている。
なお、新設するオペラ・合唱室、練習ホールについては、地元の方々にも開放して、研究成果の発表や練習風景の公開ができるよう考えている。
東京藝術大学との比較であるが、新音楽学部校舎を設計するに当たり、実際に校舎を使用する学生や教員に対してどのような校舎にして欲しいかをしっかりと聞き、設計に生かしており、音響性能では、部屋の形状、壁面の仕上げ、天井高を工夫し、トップクラスの音響性能をもつ部屋を整備するとともに、遮音計画についても、部屋の機能に応じ吸音材を内蔵した床、壁、オペラ・合唱室、大演奏室など大きな音が出る部屋については、部屋が隣り合わないように、緩衝地帯を設けて、必要な遮音性能を確保していきたいと考えている。それから、学生数が増加したため、現在の音楽学部学生一人当たりに対する施設面積は約21平方メートルであるが、今回の新校舎整備により約25平方メートルに拡充され、約27平方メートルの東京藝術大学並みのレベルに達することができたかと思っている。
いずれにしろ、学生や教員の要望を踏まえて設計していることから、使い勝手はトップレベルではないかと考えている。
【委員】
方向性はわかった。
ただ、既存の建物は、今後の県立芸術大学の施設整備に際して、どのようにしていくつもりなのか。
【理事者】
新校舎の建設により、音楽学部棟を始めとする改築対象の4棟は、音楽教育施設としての使命を終えることになる。今後については現時点では未定であるが、キャンパスやほかの施設を順次、改修・改築していかなければならないので、その際の一時代替施設として活用していくことも考えられる。最終的にどうするかは、今年度、県立芸術大学においてキャンパス全体の整備プランを検討することになっており、その結果を踏まえて、県としても県立芸術大学全体の施設整備計画を取りまとめるので、既存の建物についてもその中で検討していきたいと考えている。
【委員】
いずれにしても、今回は音楽学部棟であるが、将来的には美術学部棟の整備もある。今後の整備方針において、自然との調和や環境への配慮というのは重要だと思うが、やはりここは芸術大学という学生の学びやであるので、学生の意見は非常に重要だと思う。
ちょうど1年ほど前に各会派の代表者と中国江蘇省を訪問した際、ちょうど上海万博の愛知県ウィークに県立芸術大学の学生が参加しており、南京芸術学院の学生との合同演奏会が開催されており私も出席したが、その時に、県立芸術大学の多くの学生から、ぜひ後輩のためにいい芸術大学を早く整備して欲しいということを言われた。
ただ、これまでも議論があったように、故吉村順三先生が設計された、ある意味、注目された建物でもあり、自然と調和した芸術大学として環境も大切にしなければならないといった考え方もある。県がしっかり整備して、最終的には法人へ出資していくという形を今後とるわけだが、美術学部を含めた残りの施設、例えば県立芸術大学を訪れた時に最初に目にするシンボリックな建物の講義棟もそうだが、音楽学部棟と同様に建築年数が相当経過した建物は多く、それらに対して、今後、ビジョン検討会だけでなく、大学内に設置されるマスタープランの作成委員会での意見をしっかり踏まえ、必ず先生、学生の意見をしっかり取り上げていって欲しい。
今後使用していく上で改築、新築、改修の判断は非常に難しいところだと思うが、ビジョン検討会で示され、県が新築していくと踏み切った今回、建物あるいは環境に対して一つの方向性が打ち出されたと感じており、これからも県はしっかりと判断をしていかなければならないと思う。これからの県立芸術大学の整備について、講義棟のようなシンボリックな建物の問題、耐震の問題もあると思うが、県としてどのように考えているのか。
【理事者】
一昨日、芸術大学音楽学部の約9割の学生から建設促進の要望書の提出があり、話をする機会があった。現在、室温が38度になるとのことで、身体にこたえるのではないかと聞くと、身体はともかく楽器が壊れてしまうと言うような劣悪な状況である。それから、これも一昨日に大学の運営の仕方を評価する評価委員会があり、そこで紹介されたが、大学の認証評価機関である独立行政法人大学評価・学位授与機構から、大学自体は、地域の文化の発展に大いに寄与しているという高い評価を受けたが、その一方で、主要な改善項目として、老朽化に伴い教育研究環境及び文化的資料保存の面では看過できない問題を有しているとはっきり指摘を受けた。言うまでもなく、大学は、教育研究のための施設であり、大学の最大の利用者である学生、そして、彼らを教える教員にとって使い勝手が良い施設でなければならず、それに大きな支障があるようでは、大学の存立目的を達成することができないと考えている。
今後、大学では具体的に建物の整備手法や優先順位を検討していく中で、施設自体の歴史的価値や環境への配慮も当然含めて検討すると聞いているが、その検討結果を踏まえて、県としても全体整備計画を策定するつもりである。それにより、県立芸術大学自ら個性的で魅力のある大学、地元愛知はもとより国際的にも開かれた芸術文化の発信地を目指すと規定しているので、それがしっかりできるよう、県としても計画的に整備を進めていきたいと考えている。
【委員】
とにかく学生や教える先生にとって使いやすく、そして難しい課題だと思うが、環境へ配慮し、自然と調和した形での整備にしっかり取り組んでもらいたいと思う。
最後に、音楽学部棟では楽器を使用するわけだから、通常の校舎よりも配慮が必要である。先ほどの答弁でその点は十分考えて移転新築するとのことであったが、例えば、音楽学部棟から別の場所へ移動する際、多数の学生が楽器を持って移動すると思うが、雨天時に雨に濡れたりしないよう最初から配慮しておいてほしい。とにかくいい芸術大学となるような施設整備をこれから進めていくよう要望して終わる。
【委員】
一点要望する。
先日、高橋委員と一緒に音楽学部棟を見てきた。率直な感想として、本当に部屋が狭く、天井は低く、暑いし、そのような中で額に汗して一生懸命ピアノを弾いている学生の姿を見たら、申しわけない、何とかしなければといった気持ちになったし、この建物は、誰のための施設なのかと疑問に思うところもあった。施設が駄目になってから建て直すという考え方もあるが、一定の状態を維持し、日々管理しながら長くもたせるといった考え方もあるはずで、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも含めた考え方を今後県政の中では取り入れていかなければいけないのではないかと思うので、ぜひとも考えてもらいたい。
【委員】
東日本大震災における大津波の実際の被害を見て、今まで愛知県の行ってきた防災対策は、公共施設の耐震性向上、民間住宅の耐震検査など、耐震に重点を置いていたように思う。今、港区の名古屋港周辺と名古屋駅周辺の標高差はどれくらいあるのか。
【理事者】
名古屋駅周辺は標高2メートル程度と聞いている。名古屋港の海抜は0メートルとなる。
【委員】
中川運河を見てみれば名古屋駅周辺も低いということがわかる。
そこで、今回のような津波が発生した場合に、例えば中川区でいくら耐震改修を行っても、何の意味もなくなってしまう。海抜2メートルであれば、津波がきたら名古屋駅周辺も浸水する。もし、あれだけの量の浸水があれば、地下街にも水が入っていくだろう。伊勢湾の形状を見ると、伊良湖水道は狭く、中に入って広がってから、細くなっているので中川運河の水門を通り越してしまえば、まっすぐ一気に津波が到達することも考えられる。今までの防災対策そのものについて、これだけで足りるのか、これから新たに行わなくてはいけないことは何か、このことについてどう考えているのか伺う。
【理事者】
今、県が実施している地震対策アクションプランでは、東海地震と東南海地震が同時に発生したと仮定した場合に想定される被害をもとにして対策を進めているが、東日本大震災を受けて、この地域でも東海・東南海・南海の3連動地震の発生が懸念されており、更に最近では、その外側で同時に内陸型地震が起きる、あるいは日向灘まで震源域が延びていくのではないかといったいろいろな学説が出ているし、今回、東日本地域では従来別々だと想定していた地震が同時に発生してあれだけの被害となった。したがって、3連動地震を基本としつつも、更にプラスアルファの地震を想定する必要がある。その場合、地震の規模が大きくなると地震の振動も大きくなり、津波の高さや規模もより大きなものになることが考えられる。そのあたりも含めて6月補正予算の中で被害予測調査を計上し、本年度と来年度の2年間かけて調査を行ったうえで、きちんとした科学的な根拠に基づく被害予測に基づいた対策をとっていきたいと考えている。
【委員】
今回、東日本大震災が発生した際に、想定外の地震とよく言われたが、人間が生活している以上、想定外という言葉では済まされないものが多くある。地震、津波の被害を見ても本当にあれだけの方が亡くなって当たり前だと思う方がおかしい。過去の経験則から大きな津波は来ないだろうという自己判断で逃げ遅れた場合があるなど、避難命令が徹底して行えるようになっていれば、犠牲者の数がもっと少なくて済んだのではないか。愛知県には名古屋を始めとして標高の低い地域が多く存在している。3連動地震が発生した時に、では、いったいどこへ逃げればいいのか。最近は、避難拠点として高いビルを指定しているが、海部郡のように海抜がマイナスの地域ではどうやって、どこまで逃げればいいのか。人の命にかかわるので、避難場所をしっかりと決めて、きちんと誘導できるようにして欲しい。
また、東日本大震災では、津波が10メートルのスーパー堤防を超えたが、堤防があることにより力が減衰している事実もある。堤防を造らずに、渥美半島の前に大きい離岸堤のようなものを船の航行や漁業の邪魔にならない場所に造るだけでも、かなり波は減衰するのではないか。10メートルの波が7メートルに減衰すれば、冠水する場所が減り、犠牲者も減るのではないかと思う。これは防災局だけの話でなく、建設部などほかのいろいろな部が絡んでくると思うが、地震対策に関する計画を策定する時に、真ん中にきちんとした柱を立てて、そこを中心に連携して計画を立てていかないと、ばらばらに計画を立てていたのでは、今の政府の対応と同じで、足を引っ張りあって前に進んでいかない。防災に関することは防災局が中心となって、常に横の連携を図って連絡会議を開きながら計画を策定していくべきであると考えるが、今後、どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
今年、宮城県を訪問し担当者と話をした際、3月10日に戻れるのであれば、何を考えるかと言ったら、まず逃げるということをしっかりやらなければならないということで、ぜひ、我々をむしろ悪い先例として、しっかり勉強して欲しいと言われた。その際に言われたことだが、堤防には役割があり、しっかりしたものを造らなければならないということだった。確かに、今回、堤防を水が越したり、堤防が壊れたりしたところもあったが、釜石市もそうだが、しっかりとした堤防があったところは、津波の破壊力を低減したり、水の到達時間をかなり遅らせたりする大きな効果があったそうである。
県が、今後どう対応していくかということについては、国の中央防災会議の調査委員会も同様に述べているが、今回我々が東日本大震災で学んだことは、ハード面だけに過度に依存するのは駄目で、まずハード面をしっかりやるが、その上にそれを超えた場合の避難対策をしっかりと行なうといった二重の対応をしなければならないということである。県として今年、来年にかけて調査検討を行うが、その際には各部門ごとにワーキンググループを設置し、全庁的に建設部などのハード面の担当も参加し、学識経験者共々議論していきたい。その際のコーディネイトも含めて、防災局がしっかりと行っていきたいと考えている。
【委員】
ぜひ、そういった方向で進んで欲しい。基幹的広域防災拠点も、頭を柔らかくして、過去の決定に限定せず、今回の事例を踏まえて、どれだけのものを造るのが一番いいのか、最近は金の話が先行しているが、金の有無はその次の話である。金がないから節約しなければいけないということが全ての事業に先行して、本当の目的を達成しない、中途半端なものとなる可能性もある。財産は壊れてもまた頑張れば何とかなるかもしれない。命あっての物種で、失った命は絶対に帰ってこない。740万人の県民の命を守るということを原点において、いろいろな事業を考え、そのためにかかる費用は、ほかを多少我慢してでもしっかりと手当しなければならない。100パーセント安全ということはないが、できる限りそれに近い形で命が守られるように実施して欲しいと要望する。
【委員】
3連動の地震を調査し対策を練っていくということには賛同するが、平成23年度に調査し、24年度に予測する、25年度に対策案を練り、6月に公表するという。2年後では、いつ発生してもおかしくはないといわれている地震対策として遅くはないか。おそらく国の関係もあり、難しいことは承知しているが、危機感を持って、一分一秒でも早く行えるような工夫をして欲しい。
《一般質問》
【委員】
3月11日の東日本大震災において県の備蓄物資を被災地に送ったとのことだが、県が備蓄している物資の種類と数量について伺う。
【理事者】
愛知県が備蓄しているのは乾パン、アルファ化米、フリーズドライ食品などの食料品、飲料水、毛布、簡易トイレ、マット、カイロなどである。
愛知県から備蓄物資の約半分、乾パン、アルファ化米、フリーズドライ食品などの食料品約4万食、ペットボトル飲料水約8万リットル、毛布約3万5,000枚、簡易トイレ300セット、大人用・幼児用紙オムツ約1万枚、そのほかのマット、タオル、カイロ、食器など生活必需品を10トンクラスの大型トラック36台と4トントラック1台で被災地に拠出している。
【委員】
かなりの量を送ったと思うが、普段、それらの物資は、県内のどこに、どのように備蓄しているのか。
【理事者】
災害救助用備蓄物資は、原則として県民事務所等、方面本部の倉庫に分散して保管している。加えて、本庁の指令で備蓄物資を搬送するため、本庁の近くの東大手庁舎の地下倉庫、名古屋空港ターミナルビル倉庫、尾張建設事務所水防資機材等備蓄基地、一宮建設事務所稲沢倉庫に備蓄をしている。倉庫は全部で20か所ある。
【委員】
県内各所に備蓄されているということだが、賞味期限のあるものもあり、無駄に備蓄しても余ると思うが、備蓄している数量はどのような根拠をもとに算出しているのか。
【理事者】
災害用の食料、生活必需品については、県民の方々に備蓄してもらうことが基本であり、県ではパンフレットなどを通じて、県民に対し備蓄のPRをしている。備蓄の考え方については、避難所を運営する市町村による備蓄を基本と考えているが、これを補完するため県においても備蓄している。備蓄数量の算出については、平成14年、15年に実施した愛知県東海地震・東南海地震等被害予測調査から想定需要量を算出し、家庭内備蓄と市町村備蓄、県の備蓄の合計が想定需要量3日間分を下回らないように、物資ごとに一定の割合で県が備蓄を行うこととしている。
【委員】
想定需要量の3日間分というのはどのように算出しているのか。
【理事者】
備蓄量は、被害予測調査に基づいて行っており、まず、避難所にいる避難者を78万人と予想している。阪神・淡路大震災の際には、避難者の1.2倍の人数分の食料が必要だったことから、1食分を予想避難者78万人の1.2倍で計算し、これをもとに1日3食、3日間分を想定需要量として考えた。愛知県では、1食分93万6,000食の10パーセントの9万3,600食を備蓄しており、ここから4万食を拠出したため、5万3,600食程度が現在の備蓄量である。
【委員】
拠出した分は、早急に補充しなければならないと思う。東日本だけでなく、日本全体が地震の活動期に入っていると言われており、今、どこで地震が起きてもおかしくない状態で、最近も和歌山や長野で地震が発生している。いつ起きるか分からない。ましてや、夏に向けて、異常気象で、集中豪雨など災害が起きやすい。そして、これから台風の時期も迎える。他県に災害物資を送ることは非常にすばらしいことだが、自分の足元も整備を進めなければならないのが喫緊の課題だと思うが、それには当然お金もかかり、財政的なものもあると思う。今後、県は備蓄物資の補充をどうしていくのか。
【理事者】
今回の東日本大震災では、できる限り支援を行うという方針のもとに、愛知県が被災する場合を考慮して、備蓄量の約半分を拠出した。食料品や毛布など、相当部分については速やかに補充すべきと考えており、震災直後に直ちに必要となる品目から、速やかに購入していく予定で事務を進めている。
【委員】
速やかに災害救助用備蓄物資を補充するとのことだが、予算はどうなっているのか。
【理事者】
各都道府県と同様、愛知県でも災害救助法に基づいて災害救助基金を積み立てている。災害救助基金は過去3年間の平均税収額の0.5パーセントを積んでおくことになっており、約60億円を積み立てておくことになっている。3年間の平均であり、税収により増減があることから、今回は税収がまた下がっているが、現在のところ、備蓄物資を出しても、基金として積み立てておくべき額は超えている。
基金は、現金預金で保有している部分と災害発生時にすぐ必要となる毛布などの物で保有している部分がある。今回は現金預金で持っている部分から物資を購入するので、予算上の措置は必要ないものと考えている。
【委員】
災害救助基金としていつも約60億円を積み立ておいているということか。
【理事者】
そのとおりである。金額は正確には58億4,916万9,691円である。
【委員】
今、愛知県には、現金預金と物資を現金換算したものとを合わせてそれだけ積み立てられているということか。
【理事者】
そのとおりである。
【委員】
金額としては足りているが、不足した物資を現金預金の中から物資に変えて保管するという解釈でいいのか。
【理事者】
そのとおりである。基金として持っている現金預金が、災害救助のために使用する備蓄食糧等に変わるということである。
【委員】
新たに予算計上する必要はないので、早急に物資をそろえることを要望する。
次に、せっかく備蓄していても、いざ災害が来たときに、備蓄している倉庫が壊れたり、浸水したりして使えないということも想定されると思うが、先日、知事がスーパーやコンビニなど流通業界にいろいろお願いをしているといった報道もあったが、災害時の物資の提供についてはどのような対策をとっているのか。
【理事者】
愛知県パン協同組合他3社、飲料水メーカー15社、大手スーパーなど13社、コンビニエンスストア8社及び愛知県生活協同組合連合会との間で災害時に生活必需品を優先的に供給してもらうという協定を締結して、不測の事態に備えている。更に、東日本大震災の教訓を踏まえて、これらの団体と日ごろから情報交換を行い、顔の見える関係を構築するよう努めていきたいと考えている。
【委員】
県で備蓄しているもの以外で足りないものは、民間の食料品会社や飲料メーカーなどと契約を締結し、災害発生時には順次優先的に県の物資として補充してもらえるという契約を締結しているということか。
【理事者】
そのとおりである。
【委員】
東日本大震災では、全国各地の企業、一般の方から非常に多くの物資が送られてきたが、阪神・淡路大震災では非常に物が余ってしまい、10年間保管して廃棄したということも聞くし、新潟県中越地震でも、全国から送られてきたものを、報道関係者に見つかると大変なことになると、被災者が自ら隠れながら焼却していたと聞く。送られた食べ物や飲物も賞味期限切れぎりぎりのものだと廃棄しなければいけない。
今回の愛知県の一般物資の受付でも、品目を7品目に絞り、期間も絞って集めたが、それでも、紙オムツを募集したのにお尻拭きが入っていたりして、善意で送っても、それがかえって被災地に手間をかけてしまい、物資がうまく供給されなかったり、作業時間がかかり、本当に必要な物資を早急にきちんと送ることができないという事実があると思う。10年間も余剰物資を保管していれば、置き場所、倉庫の賃貸料や廃棄する際の廃棄料金がかかる。それは全て行政が負担することとなるので、無駄も出てくる。
今回、愛知県が県民から集めた一般物資の全てが被災地にきちんと提供されたのか。今後、こうした震災がどこかであった場合、一般からの救援物資の受付などを分かりやすく具体的に県民に示し、現地での仕分け作業や運搬の手間やコストを下げる努力について、どのように考えているのか。
【理事者】
3月末に県民の方々から提供された支援物資については、10トンクラスの大型トラック9台で被災地に搬送している。提供された物資の一部については、被災地域において既に供給が充足しており受入れが中止されたという状況もあり、県の備蓄倉庫で一部保管をしているものもある。このため、宮城県に派遣している現地連絡員2名を通じて、県や市町村に加えて、被災地の障害者施設などオムツなどを必要とする施設に直接提供交渉したり、被災県などのホームページで物資の受入状況を定期的にチェックしている。更に、ボランティア団体などを通じて物資を被災地に提供している。また、本県に避難して来られた方々に対しても、要望があれば、提供していきたい。
いずれにしても、今回提供された物資については、提供された県民の方々の御好意を無にしないように対応したいと思っている。
次に、災害が発生した場合に支援物資をどうするかについては、今回の東日本大震災においても、県として支援物資の受入れについて非常に悩んだあげくの対応をしている。現地で被災者に物資が届かないということが阪神・淡路大震災のときの経験としてあったため、県としては非常に悩んだが、県民の非常に強い要望もあり、7品目に限定して受け入れた。
しかし、次は義援金を中心とした支援が一番いいのではないかと考えている。ただ、やはり県民の方々の支援をしたいという気持ちもあるので、ボランティアを有効に活用し、流通業界の力も借りながら、現地にうまく届くように考えていきたい。
【理事者】
この度、御協力いただき、7品目ではあるが被災地へ届けることができ、この場を借りて、県民の方々に心から感謝したい。
今回、支援物資を7品目に絞ったのは、もともと義援金があるが、県民の被災地を支援したいという強い気持ちがあり、それに知事が応えたいということから進めたもので、新潟県中越沖地震の際のノウハウもあった。今回、更に学び、宮城県の連絡所に職員を派遣し、個別交渉を行ったりして、ノウハウを蓄積しつつある。東日本大震災の被災地支援の経験は、あってはいけないが、次のときのための非常に有意義な経験だったと思われる。今後、被災地域についても検証活動を行い、その過程で今回得た教訓を生かしていきたい。
【委員】
今まで経験のないことであるので、これからノウハウを蓄積していって欲しい。
震災直後は、物資を持っていきたいといった問い合わせが選挙事務所に非常に多くあった。その時点では、県は一般県民からの物資の受入れをしていなかったため、どういう対応になっているのかとの問い合わせが非常に多かった。ただ、私も阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震のことを聞いており、闇雲に物資を送ることが果たして本当に被災者の方のためになるのかと、疑問に思っていた。
今回、県も物資を全部送ることができず、仕分けして送っていると思うが、最終的に余っても別にそれは県が悪いことではないと思う。どうして余ったか、余り必要のないものは何かといった情報を隠さずに、広く県民に説明していくことによって、もし、次に何かあったときに、意思統一をして一つの方向に動くということが被災地を救うということにもつながると思う。今回のノウハウを蓄積して今後に生かして欲しい。
【委員】
県民相談等の事業について聞く。相談件数は年々減少しているが、平成22年度も、県政から交通事故、住宅、県税、高齢者、法律、内職など、多岐にわたって県民の方から相談を受けている。相談に対してその場での解決もあるとは思うが、少なくとも、こうした事業を実施していく中で、こうした相談を県政に生かしていかなければならないと思う。ここ二、三年の県民相談の傾向をどのように捉え、県政に生かしているのか、事例を報告願う。
【理事者】
相談は県内8か所の県民生活プラザで行っており、県の事務事業に対する問い合わせや交通事故の損害賠償などに関する県民相談、金銭貸借や債務整理に関する多重債務相談、それから消費生活上のトラブルに関する消費生活相談の三つを行っている。昨年度1年間の相談件数は3万5,237件である。若干減少しており、前年度と比較して約7パーセント減少している。相談種目別に見ると、県民相談は昨年度1万5,921件で、前年度と比較して約1割減少している。多重債務相談は昨年度2,316件で前年度に比べて13パーセントほど減少している。消費生活相談は昨年度1万7,000件ということで、前年度に比べて約3パーセント減少している。
県民相談、多重債務相談、消費生活相談は、それぞれ多少目的が違うが、県民が日常生活において様々な形で抱えている悩みや不安をいろいろな形で聞き、悩みや不安を解消し、県政へ生かしていくということである。具体的には、県民相談については、県の事務事業に対する問い合わせにもお答えしており、県のOBが相談員になっているが、相談員だけで対応できない場合は専門の担当課の職員にも協力してもらいながら、適切な相談対応をしている。
【委員】
数字ではなく傾向について聞きたい。分析はしていないのか。
【理事者】
県では、県民相談、多重債務相談、消費生活相談を行っているが、特に消費生活相談については、施策として消費者救済を行っているため、分析をしている。一例を申し上げると、消費生活相談では、最近はデジタルコンテンツに関する相談、高齢者を狙った未公開株売買に関する相談、震災の関係もあり住宅リフォームのトラブルに関する相談が多く、そうした相談については、啓発紙にも掲載している。
また、消費生活相談を受けた中では、事業者が悪質な場合が非常に多くあり、悪質な事業者に対しては、呼び出して指導するとか、場合によっては、行政処分を行い、公表している。特に消費生活相談については、所管していることもあり、行政に生かし、県民の方が悪質な業者から被害を受けないよう未然防止に努めている。
【委員】
県民相談は傾向を把握していないとのことだが、せっかく相談員を配置して相談を行っているのだから、傾向の分析を行って欲しい。県政にかかわる課題というのは、多岐にわたって相談があるので、特徴的なことは担当部局へ報告ができるように、そこまでの仕事をすべきではないか。それが、県民相談事業の事業としてあるべき姿ではないかと思うので、要望しておく。
それから、多重債務相談において、特徴的な事例があれば報告いただきたい。
【理事者】
多重債務相談では、昨年度2,316件の相談があり、そのうち2,021件が債務整理に関する相談となっている。具体的な相談事例では、40歳代男性の会社員が遊興費などで消費者金融数社から多額の借金をし、銀行のおまとめローンで一本化したほかに、住宅ローンをたくさん抱えているとの相談があった。この相談に対しては、多重債務相談員が対応するとともに、弁護士による法律相談を紹介し、弁護士の助言を受けて、最終的には弁護士の受任を得て、個人再生等の手続をされたという事例もある。
【委員】
そうした事例を県民の目に届くようにしていけば相談事業の意味がある。私も去年、知多県民生活プラザで相談を受ける方に付き添ったが、丁寧に対応してくれた。そうした相談を行っていることを、県民へどんどんPRすることが大事ではないかと思っている。
それから、先日、薬事法違反の件が新聞に掲載された。まず、医薬品として承認されていない商品に関して効能をうたってホームページに掲載したため、薬事法違反で行政指導された。次に、同じ商品を小分けしたことが製造にあたるとして、更に行政指導され、その商品の販売を止めた。小分けした製品にも効能が記載されているが、消費者行政の立場で言うと、その表示は問題がないのか。
【理事者】
今回の事案は、シアバターという保湿用クリームをインターネット上で販売するにあたり、薬事法上の承認を得ずに、湿しんやアトピーに効果があるとして販売していたとして名古屋市から行政指導を受け、更に小分けをするということが製造にあたり、そこにも効果効能が書かれていたということで県からも行政指導された。薬事法上、効果効能は承認を受けなければ書いてはならないことになっており、販売は名古屋市所管で、製造は県所管ということで、それぞれから指導を受け、現在はホームページも閉鎖され、商品の製造、小分けもしていないと聞いている。
県は「県民の消費生活の安定及び向上に関する条例」により、事業者が提供する商品やサービスで県民が被害をこうむることのないように、安全性の確保、表示の適正化、取引の適正化に努めるとともに、表示の適正化については、不当景品類及び不当表示防止法に基づき、実際の商品よりも良いもの、有利なものだと勘違いさせて消費者を誘引する広告などを規制し、事業者に対する指導を行っている。
今回の件は、薬事法に基づいて販売してはいけないと指導されたものである。効能効果が嘘であれば不当景品類及び不当表示防止法違反の事案になるが、まず、薬事法で製造が禁止され、現在も販売されていないので、現段階で対処すべき事案ではない。しかし、今後とも、法令を所管する庁内課や消費者庁とも十分連携を図りながら、迅速な処分が行われるよう努める。
【委員】
今回の事例は、商品に保湿効果等が表示されているが、消費生活において表示の適正化を図るという意味から、それほど問題はないと捉えているのか。
【理事者】
県民生活課は消費生活にかかわる問題や表示全般を所管しているが、県民生活部だけでなく、各部局所管の薬事法などの個別法に基づいても適正に処理されることが好ましいと考えており、今回は、薬事法に基づいて適正に指導され、速やかに対処されたことは、大変よかったと考えている。
【委員】
薬事法での行政指導がなければ、表示の関係で県民生活部が行政指導したのか。
【理事者】
今回の事案は、名古屋市に相談があり、名古屋市が調査、指導し、薬事法の関係で連携をしたと聞いている。県としても消費生活相談を受けることもあり、不当景品類及び不当表示防止法で対処したり、個別法に細かく規定されているならば、個別法を所管する部局で対処する方がいいということもあるので、関係部局と連携して対処することとしている。
【委員】
ホームページなどで宣伝、販売する機会が増えている中で、こうした事例が多くあると思う。大した問題ではないと放置せずにきちんと対処していくことが、県民生活、消費生活上の権利を守る上で重要だと考える。
【委員】
東日本大震災の現地に防災局の職員を派遣しているが、愛知県が被災したと置き換えたときに、組織として何を不安に感じたか。
【理事者】
宮城県多賀城市と現地連絡所に職員を派遣している。また、幹部職員も含めて現場を視察している。宮城県など関係部署との情報交換の中で指摘があったが、平常の災害対策本部などの体制は、局地的に災害が発生した際には有効ではあるが、こうした広域の複数県にわたる大規模な災害については、当初の想定、条件設定していたものをはるかに超えてしまうということで、従前から行っていたさまざまな組織的な対応では、想定を超えた災害発生時には、大変不安で心配だと思っている。
【委員】
防災局は、予算は多少持っているが、機材などを何も所有していないので、市町村を含め、ただ頭を下げてお願いするだけである。また、情報が全く共有されておらず、国との連携も伴っていない。一つの典型的な例として、仙台空港周辺の津波による浸水地域において、国土交通省中部地方整備局庄内川河川事務所が動き、民間業者に頼んで人を派遣し、現地で排水作業を行ったのだが、その情報が県には何も入っていない。何が言いたいのかというと、今の県の組織のあり方では、指揮命令はあるが、現場に対しての働きかけ、例えば、災害が発生し復旧しようとしたときに、県民事務所と建設事務所の連携が薄く、業者との連携体制に至っては何もできていない。今回の補正予算の中に緊急市町村地震防災対策事業費補助金が計上されているが、国土交通省などは、衛星電話を使用し、民間業者にも貸与しており、衛星放送を使った一つの指令ですぐに連携体制ができる。しかし、愛知県が即対応しようとしたときにはそうはいかない。宮城県へ派遣されて、そのように感じた職員はいないか。
【理事者】
東日本大震災を勉強している段階ではあるが、宮城県の幹部が言うには、日ごろから協定を締結していても、いざ大規模な災害が発生するとなかなか有効に動かないそうで、協定があるから動くというのは間違いとのことであった。やはり、日ごろから顔の見える関係が大事だということと、本当に動いてくれる人をきちんとつかんでおくことが必要だということの二点を言っていた。県も地域防災計画としてさまざまな協定を結んでいるが、教訓を得て、一度に全てを見直すことはできないが、今後一つ一つ見直しを進めていきたい。
その一例として、先般協定を結んでいるスーパー業界、コンビニエンスストア業界と宮城県の動向を踏まえて意見交換を行った際にも、必ず打合せの機会を持ち、更に、担当者レベルで本当に現場で動くかといったところまで追求していかなければ、災害発生時に動きづらいのではないかと同じことを言われた。非常に、貴重な示唆を得たので、今後、スーパー業界及びコンビニエンスストア業界の担当者レベルで協調していく努力をしていきたい。
【委員】
一つの問題として、被災地の復旧をしようとした時に、今の土木業者、特に、ゼネコンなどは復旧に必要な機材を所有していない。今のあり方でいくと、結局、いざ仕事の発注をしても復旧作業が全くできない。これが現実である。防災局も協定は締結しているが、果たして、本当に上手くまわるのか。コンビニエンスストアにしても在庫をほとんど持っていないので、災害が発生して被災者が買いにいったらすぐ在庫切れである。それと、備蓄の関係で心配しているのは、医薬品関係である。東日本大震災でも医薬品が不足して大変困ったと聞く、この補充をどうするのかも考えなければならない。
また、耐震だと言うが、愛知県は区画整理が盛んに行われたし、土地改良でため池や排水路を埋めてほかに転用したところもある。そこでは間違いなく液状化現象が起こり、県に対して訴訟が提起される可能性のあるところもある。耐震も大事かもしれないが、昨日テレビで放送していたが、地盤液状化現象により木造住宅はほとんど沈んでしまう。これから市町村、建設部などと連携して液状化の問題なども含めて調査を行い、防災計画を策定すべきである。
更に、建設部や市町村でも過去の法典がほとんどなくなっている。大事なことは後世に引き継いでいくことが必要で、防災局が先導し、各部局に働きかけていかなければならない。これまでの震災の分析を行い、内陸型、海溝型、それぞれどういった対策が一番いいのか、それと同時に、震災発生時に、いかに早く県民に安心してもらうかを考えなければならない。
それから、各市町村に避難所はあるが、けが人がどこへいけばいいのかが徹底されていない。住居併設ではない内科のクリニックが多く、災害発生時に医療機関として対応できるのかといった問題も現実にある。愛知県や市町村も防災訓練を行っているが、形式だけの訓練で、実の訓練は全く行っていない。実施するならば、住民が指示されてではなく、自分から動くような訓練を実施しないといけない。東日本大震災の際に死者が一人も出なかった小学校では、地震発生時には山に逃げろとだけ伝えている。もっと単純な道筋をつけることが大事だと思う。これについて、どういう心構えでいるのか。
【理事者】
計画づくりにおいて、今回の東日本大震災の検証をきちんと反映させていくという観点で答弁する。
東日本大震災においては、本県からも相当数の職員が現地に派遣されており、これからその検証の中で勉強していこうと思っている。今回、被害想定の見直しを行う際に、東日本大震災の状況の把握、本県の災害への対応力、例えば、医療機関の対応力、がれきの処理能力、重機の確保といった問題などをきちんと点検したいと思っている。そうした中で、防災計画の見直しを庁内の全部局を巻き込みながら行い、県内の各関係機関も含めて愛知県が一体となって、実のある、実際発動できる計画にしていきたいと考えている。
【理事者】
愛知県宮城連絡所の立ち上げに参画し、宮城県の災害対策本部に10日ほど詰めていたが、そこで感じたことは、当時は4月中旬で災害対策本部も非常に混乱し、人がごった返している状況であった。当時は、13県からの連絡員がおり、各県それぞれの支援をしていた。ただ、いろいろな応援体制があるが、一番大事なことは、やはり顔の見える関係で、日ごろから付き合いがあるところでないと話ができない。気持ちを分かっていただくような細やかな支援体制は、顔の見える関係が一番大事だと非常に強く感じた。本県を取り巻く中部9県と名古屋市とが協定を結んでおり、日ごろ顔を合わせるようには努めているが、お互いに連絡体制が取れるような広域応援などもできる体制を作っていきたい。
また、地域の課題として、先ほどの津波の問題等に関して、海部郡など日本一の海抜ゼロメートル地帯を抱える本県としては、仙台平野の浸水等の教訓は今後の計画の検討において役立たせていかなければならないと考えており、復興構想会議の中で線による防御から面による防御と提言されているように、隣県とも連携を図りながら検証作業を進め、この地域に置き換えた調査研究も、これから進めていきたいと考えている。
【理事者】
発災直後には、行政への膨大な要請があり、更に、要請があっても行政自体も機能不全となる可能性がある。応援に時間がかかるということになると、地域のコミュニケーション、消防団のような地域の防災機関との連携が重要になるかと思う。今回、東日本大震災でも、地元の消防団が水門の閉鎖から情報収集、避難誘導、救助、消火から救急搬送だけでなく燃料や食糧の調達まで行った。ありとあらゆる対応を行うことになるので、こうした地域のコミュニティとの連携が重要だと思っている。そういった方々に、地域の訓練に参加し、実際に活動してもらうといった取組を、できるだけ多くの市町村で行ってもらえるように呼びかけていきたい。
【委員】
現地を経験した人間こそ迅速な指揮が執れる。まだ遅くはないので、どういった対策が一番いいのかを考えて欲しい。
【委員】
地域の防犯力を向上させるという観点で一つ質問する。
愛知県は犯罪が非常に多く、いろいろな取組がされているが、警察力を向上させるのは当然だが、地域住民の協力なしには防犯力の向上はできないと思う。地域住民の協力を得ることが必要だが、働いている人の協力を得るのは難しい。一方で、先を見れば高齢化社会が必ずやってくる。10年後を考えると、今の日本の人口から約400万人は減少し、高齢者は600万人増加し、超高齢化社会に突入していくと思っているが、ある意味で、元気なお年寄りが地域にいると捉えれば、高齢者の知恵や工夫をいろいろいただきながら、地域で活躍してもらうといった観点がこれから大事になってくると思う。
地域において自主防犯組織が作られており、これから積極的にかかわってもらえるような工夫が必要になってくると思うが、その取組を将来的にどのように考えているのか。
【理事者】
高齢者の自主防犯活動への参加については、防犯対策上、地域において、一人でも多くの人の目があることが非常に効果的であることから、現役を退いた団塊の世代やまだまだ元気なお年寄りが、それぞれの住んでいる地域において、例えば、子供の登下校の時間帯に合わせた街頭での子どもの見守りや、自主防犯団体の活動への参加、地域の見守りなどを行うことにより、犯罪者が寄りつきにくいまちづくりにつながっていくと考えている。
本県では、それぞれの地域で住民の誰もが参加できるあいさつ声かけ運動を実践し、地域の連帯感を作りながら安全なまちづくりを推進していく取組として、安全安心の輪運動を平成19年度から展開しており、今後、更にこの運動を盛り上げていく必要があると考えている。ちなみに、昨年度までに全ての市町村の累計で851の地区で実施しており、今年度は、新たに47市町村の203地区において、8月を中心に実施する予定である。
また、本県では、地域で防犯ボランティア活動をされる方を対象とした防犯ボランティア養成事業を平成18年度から実施し、今年度は20市町村で8月から12月にかけて開催する予定である。超高齢社会に向けて、団塊の世代を始めとする方々が、いかにスムーズに地域の防犯活動に参加できるかが課題であり、県としては、そのための環境づくりをする必要があると考えている。現在、防犯情報を周知するため、あいち安全通信を年4回発行しており、市町村等に配布するとともに、県のホームページに掲載しており、その中で自主防犯団体の活動事例を紹介し、防犯ボランティア活動への参加につなげようとしているところであるが、今後は、こうした取組に加えて、団塊の世代の方々を始め、誰もが防犯活動により参加しやすくなる環境づくりとして、市町村と連携協力しながら、ホームページによる自主防犯団体の情報提供などについて、検討を始めていきたいと考えている。
【委員】
これから超高齢社会がやって来るときに、元気で優秀な高齢者が地域にいるということは、高齢者のやる気や生きがいにもつながってくるし、いろいろな意味で地域づくりにもよい。防犯だけでなく、教育、ものづくりも含めて、いろいろなところで協力してもらえる場面をぜひ行政でも考えて欲しい。
( 委 員 会 )
日 時 平成23年7月8日(金) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
酒井康行、木藤俊郎 正副委員長
水野富夫、青山秋男、長坂康正、小林 功、久保田浩文、伊藤勝人、近藤良三、
高橋正子、西久保ながし、安藤まさひこ、宮地美角 各委員
県民生活部長、同次長、人権推進監、地域安全監、防災局長、同次長、関係各課長等

委員会審査風景
<付託案件等>
○ 議 案
第76号 平成23年度愛知県一般会計補正予算(第6号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳 出
第4款 県民生活費
第11款 教育費の内
第8項 大学費
第9項 私立学校費
第3条(債務負担行為の補正)の内
芸術大学音楽学部校舎整備工事
私立学校施設設備整備費借入金償還補助
私立学校施設設備整備費借入金利子補給
愛知県私学振興事業財団私立学校入学納付金貸付金損失補償
愛知県私学振興事業財団私立高等学校奨学資金貸付金損失補償
第91号 文化振興基金条例の一部改正について
第92号 高等学校授業料減免等事業基金条例の一部改正について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第76号、第91号及び第92号
<会議の概要>
Ⅰ 県民生活部・防災局関係
1 開 会
2 議案審査(3件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 休 憩(午後2時30分)
4 再 開(午後2時40分)
5 一般質問
6 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
二つの議案について質問させていただく。
まず、県立芸術大学音楽学部校舎を移転新築するための整備費として計上されている予算1億4,653万5,000円について確認する。平成22年2月議会で、我が会派の前議員が、県立芸術大学の整備については、音楽学部校舎だけでなく、全体の改修構想を明らかにする中で計画的に改修するべきだと指摘した際に、当時の県民生活部長から、全体構想はなく、改修の緊急度の高い施設から順次整備をしていく、音楽学部校舎の整備は現場の意向も踏まえ、現在の校舎とは別の場所に新たに建設する、と答弁されている議事録がある。
今回、全体計画がないままで、音楽学部校舎の移転新築が進められることになるが、6月補正予算案1億4,600万円余の内訳と債務負担行為24億円余について伺う。
また、緊急性という面で、まず音楽学部校舎が移転新築されるに至った経緯を説明していただきたい。
【理事者】
音楽学部校舎の整備については、全体で約26億円を予定しているが、工事期間が2年にわたることから、平成23年度事業費として1億4,653万5,000円、来年度実施分の債務負担行為として24億5,688万7,000円を予算要求したところである。
6月補正予算案の1億4,653万5,000円の内訳は、準備工事、造成工事、基礎工事の費用として1億4,369万7,000円、工事監理委託料等の監督事務費として283万8,000円となっている。
また、債務負担行為の24億5,688万7,000円の内訳は、基礎工事に引き続き行うく体工事や外装、内装、外構工事の工事費24億3,065万8,000円と、監督事務費の2,622万9,000円である。
次に、キャンパス内の建物のうち、最初に音楽学部校舎を移転新築するに至った経緯であるが、県立芸術大学の主要な建物は開学時の昭和40年代に建てられており、老朽化に加え、耐震性の問題、学生定員の増加による狭あい化など施設面、機能面での問題が顕在化しており、教育研究活動に支障を来している。中でも、音楽学部校舎はとりわけ劣悪な環境であり、大学側から優先的に整備して欲しいという強い要請を受けて、最優先で整備することとしたものである。
音楽学部校舎については、レッスン室、練習室に音楽教育で最も重要である遮音性能がほとんどなく、隣の部屋は元より、階上や階下の部屋からも音が入ってくるといった状況である。また、練習室も狭く、天井高が低いことから、十分な音響効果を得ることができず、空調も効きにくい構造となっている。
また、音楽学部の収容定員も開学時の280人から平成23年は469人と約1.7倍に増加しており、教室やレッスン室等が不足している状態にある。加えて、今回改築の対象となった施設の中には耐震診断の結果、倒壊、又は崩壊する危険性のある建物も含まれている。改修ではこういった問題点を解決することができず、音楽学部校舎として利用し続けることは困難であると判断して、移転新築することとしたものである。

県立芸術大学新音楽学部棟パース図
【委員】
私も現地を視察し、「県立芸術大学はかなり老朽化しているな。」という感想を持っている。ただ、日本を代表する建築家の故吉村順三氏が設計し、1966年に建設されたキャンパスと建物群は、近代建築を評価する国際団体の日本支部であるDOCOMOMO Japanの125選に選ばれるほど20世紀を代表する建築として評価が高いということは聞いている。そうしたことからも、保存を求める声や、一部に音楽学部校舎の計画に問題を指摘する声があることも事実である。去る6月27日付けの中日新聞でも、「新校舎造成で自然も調和も失うとの懸念」と報じられたが、整備計画については、昨年度、県立芸術大学に愛知県立芸術大学施設整備ビジョン検討会が設置され、キャンパスの整備方針について検討を行ったと聞いているが、ビジョン検討会での検討結果について伺う。
【理事者】
ビジョン検討会は、大学法人が昨年度設置したものであり、大学関係者のほか、学生、卒業生の代表者、価値ある近代建築の保存に携わっている専門家などに委員として参加をしてもらい、整備のあり方などについて検討したものである。
ビジョン検討会の検討結果は、大学の整備の基本方針として、「大学の教育研究活動の推進に貢献する環境づくりに努める」こと、「教育研究活動の高度化・多様化・国際化など、大学の発展に対応できる環境とする」こと、「自然環境に配慮するとともに、価値あるキャンパスや建物群のあり方を継承し、地域に開かれた大学とする」こととし、建物の整備方針についても、講義棟などキャンパスの中核をなす建物群は改修を原則とし、適宜、用途を変更して活用すること、機能・面積の不足する場合は、キャンパスの景観と自然環境に配慮し、増築・改築・新築すること、整備に当たっては、耐震性の確保とバリアフリー化を図ることと整理された。
【委員】
今一番問題視されているのは、音楽学部校舎の移転新築場所である。建設予定地は、小川が流れ、絶滅危惧種のカワモズクなども生息している湿地帯である。希少種が生息する場所に建設すれば、環境が破壊されるし、何よりも湿気を嫌うピアノや弦楽器にとって、わざわざ湿地帯に校舎を建設するのは不自然だという声もある。
昨年、COP10を終えた本県として、自然環境への影響の少ない場所に建設すべきだとの環境団体からの指摘もある。これに対する県の見解、移転新築場所の選定について、本当にこの場所でなければならないのか伺う。
【理事者】
音楽学部の新校舎の建設場所の選定理由であるが、教育現場の特性として、学生の校舎間移動が頻繁に行われ、特に音楽学部では大型の楽器を運搬することもある。新校舎の配置は、既存施設、特にオーケストラの練習を行う音楽ホールである奏楽堂とセットで考えなければならず、奏楽堂にできるだけ近い場所であることが必要である。
加えて、新校舎建設中も現在の校舎で授業が行われるので、工事中の騒音、振動などの影響ができる限り少ない場所でなければならない。また、県立芸術大学のキャンパスが持つ文化的価値にも配慮しなければならない。ビジョン検討会でも、比較的平坦部の多い講義棟を中心とするキャンパス中央部の広場とそれを囲む建物群には、表層、ボリューム、配置、高さ方向のバランスに関して変更を伴うような変化はできるだけ避けるように配慮すべきだとされている。
こうした限られた敷地条件の中で、新音楽学部校舎は、大規模な造成工事を避け、自然の地形を生かして斜面に高床構造で建築することで湿気を防ぎ、必要な面積を確保しつつ、建物高を抑えることで、文化的価値が高いとされている既存施設との景観の調和をも図ったものである。
また、昨年度に開催されたビジョン検討会においても、現在の建設予定地に移転新築することで合意されている。新音楽学部校舎の建設場所については、教育研究上、学生や先生方が利用しやすいことを第一に考えて、総合的に判断して決定したものである。ほかに代替地はないものと考えている。
今回、自然環境団体から、新校舎建設予定地に近接する小川で水生植物のカワモズクなど希少な動植物が成育しているとの指摘を受けた。現況の確認をし、音楽学部校舎の建設が及ぼす影響などについて、専門家などの意見を聞き、影響があると認められる場合には、必要な環境対策などを行い、生物多様性の保全との調和を図りながら、進めていきたいと考えている。
【委員】
音楽学部校舎については、最も緊急性が高いということで、今回、移転新築で整備するとのことだが、今後残りの施設も全て新築か改修をするのか。しっかりした全体計画を策定して、計画的に整備していくべきであると思うが、今後の県立芸術大学の整備の進め方について伺う。
【理事者】
今年度、大学法人において、ビジョン検討会で示された方向性に基づき、芸術大学のキャンパス全体の具体的な整備方法を個々の建物について、改修、改築、修繕といった整備方法や、どの建物から整備するのかといった優先順位等をとりまとめたキャンパス整備プランを検討し、作成することになっている。その結果については県に提出してもらうこととなっており、その内容をしっかりと受け止めて、県としての全体整備計画を策定することとしている。キャンパスの持つ文化的価値の継承と発展、自然環境の保全に配慮しながら、県立芸術大学が今後、更に厳しさを増す大学間競争に打ち勝つことができるよう、計画的に整備をしていきたいと考えている。
【委員】
やはり環境問題が一番大切であるので、今後、キャンパスの整備プランをしっかりと作って進めて欲しい。
次に、基幹的広域防災拠点の候補地を調査するとのことで、500万円の予算が計上されているが、この予算について伺う。この予算は候補地のあてがあり、その候補地を調査するための予算なのか、それとも候補地を探すための予算なのか。また、この予算でどのような調査をするのか伺う。
【理事者】
基幹的広域防災拠点候補地調査費については、平成16年3月に本県が策定した基幹的広域防災拠点整備調査報告書があるが、既に7年が経過し、高速道路網の充実や名古屋空港に隣接した国有地の減少など環境の変化もあり、また、東日本大震災での広域的で非常に甚大な被害を目の当たりにして、基幹的広域防災拠点のあり方を見直していきたいと考えている。
ただ、あり方を見直すと言っても全てを白紙に戻すということではなく、名古屋空港の持つ空路のアクセス機能は非常に重要なものと認識しており、こうした機能を十分活用することや、機能の分散的立地ということで、ネットワーク化を進めることなども視野に入れ、この地域にふさわしい拠点のあり方とその適地についても調査をしていきたいと考えている。
調査の内容については、本県に整備することの有効性や優位性、空港機能の活用、効果的な適地、県内の防災活動拠点との連携、更には、この地域はものづくりの地域であり、その特性から求められる機能などを総合的に調査していきたいと考えている。
【委員】
そもそも、基幹的広域防災拠点は首都圏では既に整備が完了しており、京阪神圏では平成23年度完成予定で整備が進行中である。それに対して、いつ東海あるいは東南海地震などが起きても不思議ではない名古屋圏では、整備場所すら正式に決定していない。国へも基幹的広域防災拠点の整備に関する要請として、首都圏、京阪神圏と同様に、東海地域においても基幹的広域防災拠点を国の責任で早期に整備を進めるよう、基幹的広域防災拠点の整備に関わる適地や機能を検討する調査費を平成23年度に予算化することについての要請文を知事名で出している。候補地を巡っては、県営名古屋空港で決まったような感じを受けていたが、県営名古屋空港はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究施設などの誘致で防災拠点としては手狭になっており、選定するにせよ、機能の分散化も視野に入れる必要があると聞いている。候補地選定に余り時間的猶予のない中で、現状はどうなっているのか。また、今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
県としては、国に対してこれまでも基幹的広域防災拠点の整備について要請をしてきたが、今のところ具体化にはつながっていない。候補地についても、平成16年に決定した県営名古屋空港のままである。今回、見直しを行う中で、しっかりとしたものをつくり、国に対してインパクトのある要請をしていきたい。そして、この地域にふさわしい拠点のあり方や適地をしっかり提案して強力に進めていきたいと考えているので、今回、調査費の予算要求をした。
今後の取組は、今回の調査結果に基づき、この地域における拠点のあり方や候補地などをしっかりと提案して、近県や名古屋市、経済界や大学などとも連携して、整備に向けてのこの地域の機運を盛り上げ、地域全体が一体となって国に対して要請ができるようにしていかなければならないと考えているので、その点について取り組んでいきたい。
【委員】
余り時間的猶予のない中で、スピード感を持って早急に調査をし、国にもインパクトのある提案をし、候補地を決定して欲しい。
【委員】
高橋委員の質問に関連して県立芸術大学の音楽学部校舎について伺う。
県立芸術大学の音楽学部校舎については、最近、音楽学部の学生から工事を早く進めて欲しいという署名簿が提出されたり、あるいは建物を保存すべきだという要望書が送付されたりということがあった。そもそも昨年、県は当初予算で大学整備費を意図して隠していたのではないかといった議論があった。説明を受けていたつもりだが、ほかの議員の皆さんは隠していたのではないかと言っていた。いろいろな議論があり、新聞でも報道された。その後、県立芸術大学の中で検討委員会を設置して、学部はもちろん、学外の方にも参加してもらい、検討を進め、内容について、県がどのような判断をしていくか、今後、決めていきたいという話であったと記憶している。
ここではっきりしておきたいのだが、県は県立芸術大学で決定したマスタープランをそのまま受け入れて整備を進めるのか。それとも、県は県として県立芸術大学で決定したマスタープランとは別に、今の財政状況、そのほかを勘案して、整備を進めていくのか。平成20年時点での県の判断について確認しておく。
【理事者】
マスタープランの整理について、もう少し時期をさかのぼって答弁させていただく。
県立芸術大学は平成19年4月に公立大学法人となったが、県は平成18年の3月に愛知県大学改革基本計画を策定し、特に芸術大学については、土地だけ出資し、老朽化の著しい建物は県が整備をした後に出資するという方針で来ており、芸術大学校舎の改修については、厳しい財政状況を踏まえ、年次計画を策定の上、貴重な芸術的資産の価値を損なわないことに配慮し、計画的な整備を検討するとしている。
こうした流れの中で、芸術大学側が平成20年3月11日に大学マスタープラン、いわゆるマスタープランを作成してきたが、ほぼ全面的に建て替える内容であり、また文化的な建物への配慮も欠けていたことから、県財政が厳しい中、県としては認めることができなかったもので、これまで議会においてもきちんと答弁してきたところである。
大学の現状を踏まえ、県としても緊急に整備が必要だと考えていたが、整備に当たっては授業への影響、学生の安全対策、施設の文化的価値への配慮が必要で、短期的な整備は難しく、平成20年3月末に、芸術大学の緊急整備対応指針を県として作成した。この中で耐震性に不安があるのでこれを優先に整備することと、芸術大学側から音楽学部校舎、講義棟、学生会館を緊急に整備して欲しいという要望があり、これを受けて、県は財政状況を鑑みながら、まず、音楽学部校舎を緊急に整備しようということで、昨年、実施設計予算を認めてもらい進めてきたところである。
【委員】
要するに整備の仕方について県は県で独自の判断を行ったとのことであり、しっかりと大学側の要望なども聞きながら進めていくということである。
今後、音楽学部校舎は前の学長公舎があったところへ移転新築され、音楽学部の教育環境は今までと全く違い改善されることになると思うが、何を一番中心に考えているのか。それから、ほかの国公立の音楽系の大学、例えば東京藝術大学と比べてどのようなものか。
【理事者】
新音楽学部校舎はレッスン棟、演奏棟、練習ホールの3棟で構成され、それぞれ音楽学部の中心的な機能を担うレッスン室、教育研究室、学生練習室等を拡張整備するもので、現在、問題となっている部屋の狭さ、天井の低さを解消し、遮音性や防音性をしっかり整備していく。
また、新しく、合唱授業に対応し、オペラの練習や演出もできる専用の練習室であるオペラ・合唱室、それから、アンサンブルなどの小規模編成による演奏の講義、練習ができる専用ホールを設置することとしている。
ちなみに、教室の広さは、レッスン室と教育研究室が、現在28平方メートルであるのが、新校舎では、使用目的に応じて、31平方メートルから67平方メートルとなり、学習練習室は、現在9平方メートルであるのが、新校舎では8平方メートルから16平方メートルの広さに拡張していく。また、部屋数は、レッスン室と教育研究室を合わせて34室から44室に、それから学生たちが自ら練習する場である学生練習室は、現在の45室を59室へ増やすとともに、練習室の天井高は、バイオリンの練習をしていると弓が天井に当たると言われている現在の約2.5メートルから3メートル以上に広げていきたいと考えている。
なお、新設するオペラ・合唱室、練習ホールについては、地元の方々にも開放して、研究成果の発表や練習風景の公開ができるよう考えている。
東京藝術大学との比較であるが、新音楽学部校舎を設計するに当たり、実際に校舎を使用する学生や教員に対してどのような校舎にして欲しいかをしっかりと聞き、設計に生かしており、音響性能では、部屋の形状、壁面の仕上げ、天井高を工夫し、トップクラスの音響性能をもつ部屋を整備するとともに、遮音計画についても、部屋の機能に応じ吸音材を内蔵した床、壁、オペラ・合唱室、大演奏室など大きな音が出る部屋については、部屋が隣り合わないように、緩衝地帯を設けて、必要な遮音性能を確保していきたいと考えている。それから、学生数が増加したため、現在の音楽学部学生一人当たりに対する施設面積は約21平方メートルであるが、今回の新校舎整備により約25平方メートルに拡充され、約27平方メートルの東京藝術大学並みのレベルに達することができたかと思っている。
いずれにしろ、学生や教員の要望を踏まえて設計していることから、使い勝手はトップレベルではないかと考えている。
【委員】
方向性はわかった。
ただ、既存の建物は、今後の県立芸術大学の施設整備に際して、どのようにしていくつもりなのか。
【理事者】
新校舎の建設により、音楽学部棟を始めとする改築対象の4棟は、音楽教育施設としての使命を終えることになる。今後については現時点では未定であるが、キャンパスやほかの施設を順次、改修・改築していかなければならないので、その際の一時代替施設として活用していくことも考えられる。最終的にどうするかは、今年度、県立芸術大学においてキャンパス全体の整備プランを検討することになっており、その結果を踏まえて、県としても県立芸術大学全体の施設整備計画を取りまとめるので、既存の建物についてもその中で検討していきたいと考えている。
【委員】
いずれにしても、今回は音楽学部棟であるが、将来的には美術学部棟の整備もある。今後の整備方針において、自然との調和や環境への配慮というのは重要だと思うが、やはりここは芸術大学という学生の学びやであるので、学生の意見は非常に重要だと思う。
ちょうど1年ほど前に各会派の代表者と中国江蘇省を訪問した際、ちょうど上海万博の愛知県ウィークに県立芸術大学の学生が参加しており、南京芸術学院の学生との合同演奏会が開催されており私も出席したが、その時に、県立芸術大学の多くの学生から、ぜひ後輩のためにいい芸術大学を早く整備して欲しいということを言われた。
ただ、これまでも議論があったように、故吉村順三先生が設計された、ある意味、注目された建物でもあり、自然と調和した芸術大学として環境も大切にしなければならないといった考え方もある。県がしっかり整備して、最終的には法人へ出資していくという形を今後とるわけだが、美術学部を含めた残りの施設、例えば県立芸術大学を訪れた時に最初に目にするシンボリックな建物の講義棟もそうだが、音楽学部棟と同様に建築年数が相当経過した建物は多く、それらに対して、今後、ビジョン検討会だけでなく、大学内に設置されるマスタープランの作成委員会での意見をしっかり踏まえ、必ず先生、学生の意見をしっかり取り上げていって欲しい。
今後使用していく上で改築、新築、改修の判断は非常に難しいところだと思うが、ビジョン検討会で示され、県が新築していくと踏み切った今回、建物あるいは環境に対して一つの方向性が打ち出されたと感じており、これからも県はしっかりと判断をしていかなければならないと思う。これからの県立芸術大学の整備について、講義棟のようなシンボリックな建物の問題、耐震の問題もあると思うが、県としてどのように考えているのか。
【理事者】
一昨日、芸術大学音楽学部の約9割の学生から建設促進の要望書の提出があり、話をする機会があった。現在、室温が38度になるとのことで、身体にこたえるのではないかと聞くと、身体はともかく楽器が壊れてしまうと言うような劣悪な状況である。それから、これも一昨日に大学の運営の仕方を評価する評価委員会があり、そこで紹介されたが、大学の認証評価機関である独立行政法人大学評価・学位授与機構から、大学自体は、地域の文化の発展に大いに寄与しているという高い評価を受けたが、その一方で、主要な改善項目として、老朽化に伴い教育研究環境及び文化的資料保存の面では看過できない問題を有しているとはっきり指摘を受けた。言うまでもなく、大学は、教育研究のための施設であり、大学の最大の利用者である学生、そして、彼らを教える教員にとって使い勝手が良い施設でなければならず、それに大きな支障があるようでは、大学の存立目的を達成することができないと考えている。
今後、大学では具体的に建物の整備手法や優先順位を検討していく中で、施設自体の歴史的価値や環境への配慮も当然含めて検討すると聞いているが、その検討結果を踏まえて、県としても全体整備計画を策定するつもりである。それにより、県立芸術大学自ら個性的で魅力のある大学、地元愛知はもとより国際的にも開かれた芸術文化の発信地を目指すと規定しているので、それがしっかりできるよう、県としても計画的に整備を進めていきたいと考えている。
【委員】
とにかく学生や教える先生にとって使いやすく、そして難しい課題だと思うが、環境へ配慮し、自然と調和した形での整備にしっかり取り組んでもらいたいと思う。
最後に、音楽学部棟では楽器を使用するわけだから、通常の校舎よりも配慮が必要である。先ほどの答弁でその点は十分考えて移転新築するとのことであったが、例えば、音楽学部棟から別の場所へ移動する際、多数の学生が楽器を持って移動すると思うが、雨天時に雨に濡れたりしないよう最初から配慮しておいてほしい。とにかくいい芸術大学となるような施設整備をこれから進めていくよう要望して終わる。
【委員】
一点要望する。
先日、高橋委員と一緒に音楽学部棟を見てきた。率直な感想として、本当に部屋が狭く、天井は低く、暑いし、そのような中で額に汗して一生懸命ピアノを弾いている学生の姿を見たら、申しわけない、何とかしなければといった気持ちになったし、この建物は、誰のための施設なのかと疑問に思うところもあった。施設が駄目になってから建て直すという考え方もあるが、一定の状態を維持し、日々管理しながら長くもたせるといった考え方もあるはずで、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも含めた考え方を今後県政の中では取り入れていかなければいけないのではないかと思うので、ぜひとも考えてもらいたい。
【委員】
東日本大震災における大津波の実際の被害を見て、今まで愛知県の行ってきた防災対策は、公共施設の耐震性向上、民間住宅の耐震検査など、耐震に重点を置いていたように思う。今、港区の名古屋港周辺と名古屋駅周辺の標高差はどれくらいあるのか。
【理事者】
名古屋駅周辺は標高2メートル程度と聞いている。名古屋港の海抜は0メートルとなる。
【委員】
中川運河を見てみれば名古屋駅周辺も低いということがわかる。
そこで、今回のような津波が発生した場合に、例えば中川区でいくら耐震改修を行っても、何の意味もなくなってしまう。海抜2メートルであれば、津波がきたら名古屋駅周辺も浸水する。もし、あれだけの量の浸水があれば、地下街にも水が入っていくだろう。伊勢湾の形状を見ると、伊良湖水道は狭く、中に入って広がってから、細くなっているので中川運河の水門を通り越してしまえば、まっすぐ一気に津波が到達することも考えられる。今までの防災対策そのものについて、これだけで足りるのか、これから新たに行わなくてはいけないことは何か、このことについてどう考えているのか伺う。
【理事者】
今、県が実施している地震対策アクションプランでは、東海地震と東南海地震が同時に発生したと仮定した場合に想定される被害をもとにして対策を進めているが、東日本大震災を受けて、この地域でも東海・東南海・南海の3連動地震の発生が懸念されており、更に最近では、その外側で同時に内陸型地震が起きる、あるいは日向灘まで震源域が延びていくのではないかといったいろいろな学説が出ているし、今回、東日本地域では従来別々だと想定していた地震が同時に発生してあれだけの被害となった。したがって、3連動地震を基本としつつも、更にプラスアルファの地震を想定する必要がある。その場合、地震の規模が大きくなると地震の振動も大きくなり、津波の高さや規模もより大きなものになることが考えられる。そのあたりも含めて6月補正予算の中で被害予測調査を計上し、本年度と来年度の2年間かけて調査を行ったうえで、きちんとした科学的な根拠に基づく被害予測に基づいた対策をとっていきたいと考えている。
【委員】
今回、東日本大震災が発生した際に、想定外の地震とよく言われたが、人間が生活している以上、想定外という言葉では済まされないものが多くある。地震、津波の被害を見ても本当にあれだけの方が亡くなって当たり前だと思う方がおかしい。過去の経験則から大きな津波は来ないだろうという自己判断で逃げ遅れた場合があるなど、避難命令が徹底して行えるようになっていれば、犠牲者の数がもっと少なくて済んだのではないか。愛知県には名古屋を始めとして標高の低い地域が多く存在している。3連動地震が発生した時に、では、いったいどこへ逃げればいいのか。最近は、避難拠点として高いビルを指定しているが、海部郡のように海抜がマイナスの地域ではどうやって、どこまで逃げればいいのか。人の命にかかわるので、避難場所をしっかりと決めて、きちんと誘導できるようにして欲しい。
また、東日本大震災では、津波が10メートルのスーパー堤防を超えたが、堤防があることにより力が減衰している事実もある。堤防を造らずに、渥美半島の前に大きい離岸堤のようなものを船の航行や漁業の邪魔にならない場所に造るだけでも、かなり波は減衰するのではないか。10メートルの波が7メートルに減衰すれば、冠水する場所が減り、犠牲者も減るのではないかと思う。これは防災局だけの話でなく、建設部などほかのいろいろな部が絡んでくると思うが、地震対策に関する計画を策定する時に、真ん中にきちんとした柱を立てて、そこを中心に連携して計画を立てていかないと、ばらばらに計画を立てていたのでは、今の政府の対応と同じで、足を引っ張りあって前に進んでいかない。防災に関することは防災局が中心となって、常に横の連携を図って連絡会議を開きながら計画を策定していくべきであると考えるが、今後、どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
今年、宮城県を訪問し担当者と話をした際、3月10日に戻れるのであれば、何を考えるかと言ったら、まず逃げるということをしっかりやらなければならないということで、ぜひ、我々をむしろ悪い先例として、しっかり勉強して欲しいと言われた。その際に言われたことだが、堤防には役割があり、しっかりしたものを造らなければならないということだった。確かに、今回、堤防を水が越したり、堤防が壊れたりしたところもあったが、釜石市もそうだが、しっかりとした堤防があったところは、津波の破壊力を低減したり、水の到達時間をかなり遅らせたりする大きな効果があったそうである。
県が、今後どう対応していくかということについては、国の中央防災会議の調査委員会も同様に述べているが、今回我々が東日本大震災で学んだことは、ハード面だけに過度に依存するのは駄目で、まずハード面をしっかりやるが、その上にそれを超えた場合の避難対策をしっかりと行なうといった二重の対応をしなければならないということである。県として今年、来年にかけて調査検討を行うが、その際には各部門ごとにワーキンググループを設置し、全庁的に建設部などのハード面の担当も参加し、学識経験者共々議論していきたい。その際のコーディネイトも含めて、防災局がしっかりと行っていきたいと考えている。
【委員】
ぜひ、そういった方向で進んで欲しい。基幹的広域防災拠点も、頭を柔らかくして、過去の決定に限定せず、今回の事例を踏まえて、どれだけのものを造るのが一番いいのか、最近は金の話が先行しているが、金の有無はその次の話である。金がないから節約しなければいけないということが全ての事業に先行して、本当の目的を達成しない、中途半端なものとなる可能性もある。財産は壊れてもまた頑張れば何とかなるかもしれない。命あっての物種で、失った命は絶対に帰ってこない。740万人の県民の命を守るということを原点において、いろいろな事業を考え、そのためにかかる費用は、ほかを多少我慢してでもしっかりと手当しなければならない。100パーセント安全ということはないが、できる限りそれに近い形で命が守られるように実施して欲しいと要望する。
【委員】
3連動の地震を調査し対策を練っていくということには賛同するが、平成23年度に調査し、24年度に予測する、25年度に対策案を練り、6月に公表するという。2年後では、いつ発生してもおかしくはないといわれている地震対策として遅くはないか。おそらく国の関係もあり、難しいことは承知しているが、危機感を持って、一分一秒でも早く行えるような工夫をして欲しい。
《一般質問》
【委員】
3月11日の東日本大震災において県の備蓄物資を被災地に送ったとのことだが、県が備蓄している物資の種類と数量について伺う。
【理事者】
愛知県が備蓄しているのは乾パン、アルファ化米、フリーズドライ食品などの食料品、飲料水、毛布、簡易トイレ、マット、カイロなどである。
愛知県から備蓄物資の約半分、乾パン、アルファ化米、フリーズドライ食品などの食料品約4万食、ペットボトル飲料水約8万リットル、毛布約3万5,000枚、簡易トイレ300セット、大人用・幼児用紙オムツ約1万枚、そのほかのマット、タオル、カイロ、食器など生活必需品を10トンクラスの大型トラック36台と4トントラック1台で被災地に拠出している。
【委員】
かなりの量を送ったと思うが、普段、それらの物資は、県内のどこに、どのように備蓄しているのか。
【理事者】
災害救助用備蓄物資は、原則として県民事務所等、方面本部の倉庫に分散して保管している。加えて、本庁の指令で備蓄物資を搬送するため、本庁の近くの東大手庁舎の地下倉庫、名古屋空港ターミナルビル倉庫、尾張建設事務所水防資機材等備蓄基地、一宮建設事務所稲沢倉庫に備蓄をしている。倉庫は全部で20か所ある。
【委員】
県内各所に備蓄されているということだが、賞味期限のあるものもあり、無駄に備蓄しても余ると思うが、備蓄している数量はどのような根拠をもとに算出しているのか。
【理事者】
災害用の食料、生活必需品については、県民の方々に備蓄してもらうことが基本であり、県ではパンフレットなどを通じて、県民に対し備蓄のPRをしている。備蓄の考え方については、避難所を運営する市町村による備蓄を基本と考えているが、これを補完するため県においても備蓄している。備蓄数量の算出については、平成14年、15年に実施した愛知県東海地震・東南海地震等被害予測調査から想定需要量を算出し、家庭内備蓄と市町村備蓄、県の備蓄の合計が想定需要量3日間分を下回らないように、物資ごとに一定の割合で県が備蓄を行うこととしている。
【委員】
想定需要量の3日間分というのはどのように算出しているのか。
【理事者】
備蓄量は、被害予測調査に基づいて行っており、まず、避難所にいる避難者を78万人と予想している。阪神・淡路大震災の際には、避難者の1.2倍の人数分の食料が必要だったことから、1食分を予想避難者78万人の1.2倍で計算し、これをもとに1日3食、3日間分を想定需要量として考えた。愛知県では、1食分93万6,000食の10パーセントの9万3,600食を備蓄しており、ここから4万食を拠出したため、5万3,600食程度が現在の備蓄量である。
【委員】
拠出した分は、早急に補充しなければならないと思う。東日本だけでなく、日本全体が地震の活動期に入っていると言われており、今、どこで地震が起きてもおかしくない状態で、最近も和歌山や長野で地震が発生している。いつ起きるか分からない。ましてや、夏に向けて、異常気象で、集中豪雨など災害が起きやすい。そして、これから台風の時期も迎える。他県に災害物資を送ることは非常にすばらしいことだが、自分の足元も整備を進めなければならないのが喫緊の課題だと思うが、それには当然お金もかかり、財政的なものもあると思う。今後、県は備蓄物資の補充をどうしていくのか。
【理事者】
今回の東日本大震災では、できる限り支援を行うという方針のもとに、愛知県が被災する場合を考慮して、備蓄量の約半分を拠出した。食料品や毛布など、相当部分については速やかに補充すべきと考えており、震災直後に直ちに必要となる品目から、速やかに購入していく予定で事務を進めている。
【委員】
速やかに災害救助用備蓄物資を補充するとのことだが、予算はどうなっているのか。
【理事者】
各都道府県と同様、愛知県でも災害救助法に基づいて災害救助基金を積み立てている。災害救助基金は過去3年間の平均税収額の0.5パーセントを積んでおくことになっており、約60億円を積み立てておくことになっている。3年間の平均であり、税収により増減があることから、今回は税収がまた下がっているが、現在のところ、備蓄物資を出しても、基金として積み立てておくべき額は超えている。
基金は、現金預金で保有している部分と災害発生時にすぐ必要となる毛布などの物で保有している部分がある。今回は現金預金で持っている部分から物資を購入するので、予算上の措置は必要ないものと考えている。
【委員】
災害救助基金としていつも約60億円を積み立ておいているということか。
【理事者】
そのとおりである。金額は正確には58億4,916万9,691円である。
【委員】
今、愛知県には、現金預金と物資を現金換算したものとを合わせてそれだけ積み立てられているということか。
【理事者】
そのとおりである。
【委員】
金額としては足りているが、不足した物資を現金預金の中から物資に変えて保管するという解釈でいいのか。
【理事者】
そのとおりである。基金として持っている現金預金が、災害救助のために使用する備蓄食糧等に変わるということである。
【委員】
新たに予算計上する必要はないので、早急に物資をそろえることを要望する。
次に、せっかく備蓄していても、いざ災害が来たときに、備蓄している倉庫が壊れたり、浸水したりして使えないということも想定されると思うが、先日、知事がスーパーやコンビニなど流通業界にいろいろお願いをしているといった報道もあったが、災害時の物資の提供についてはどのような対策をとっているのか。
【理事者】
愛知県パン協同組合他3社、飲料水メーカー15社、大手スーパーなど13社、コンビニエンスストア8社及び愛知県生活協同組合連合会との間で災害時に生活必需品を優先的に供給してもらうという協定を締結して、不測の事態に備えている。更に、東日本大震災の教訓を踏まえて、これらの団体と日ごろから情報交換を行い、顔の見える関係を構築するよう努めていきたいと考えている。
【委員】
県で備蓄しているもの以外で足りないものは、民間の食料品会社や飲料メーカーなどと契約を締結し、災害発生時には順次優先的に県の物資として補充してもらえるという契約を締結しているということか。
【理事者】
そのとおりである。
【委員】
東日本大震災では、全国各地の企業、一般の方から非常に多くの物資が送られてきたが、阪神・淡路大震災では非常に物が余ってしまい、10年間保管して廃棄したということも聞くし、新潟県中越地震でも、全国から送られてきたものを、報道関係者に見つかると大変なことになると、被災者が自ら隠れながら焼却していたと聞く。送られた食べ物や飲物も賞味期限切れぎりぎりのものだと廃棄しなければいけない。
今回の愛知県の一般物資の受付でも、品目を7品目に絞り、期間も絞って集めたが、それでも、紙オムツを募集したのにお尻拭きが入っていたりして、善意で送っても、それがかえって被災地に手間をかけてしまい、物資がうまく供給されなかったり、作業時間がかかり、本当に必要な物資を早急にきちんと送ることができないという事実があると思う。10年間も余剰物資を保管していれば、置き場所、倉庫の賃貸料や廃棄する際の廃棄料金がかかる。それは全て行政が負担することとなるので、無駄も出てくる。
今回、愛知県が県民から集めた一般物資の全てが被災地にきちんと提供されたのか。今後、こうした震災がどこかであった場合、一般からの救援物資の受付などを分かりやすく具体的に県民に示し、現地での仕分け作業や運搬の手間やコストを下げる努力について、どのように考えているのか。
【理事者】
3月末に県民の方々から提供された支援物資については、10トンクラスの大型トラック9台で被災地に搬送している。提供された物資の一部については、被災地域において既に供給が充足しており受入れが中止されたという状況もあり、県の備蓄倉庫で一部保管をしているものもある。このため、宮城県に派遣している現地連絡員2名を通じて、県や市町村に加えて、被災地の障害者施設などオムツなどを必要とする施設に直接提供交渉したり、被災県などのホームページで物資の受入状況を定期的にチェックしている。更に、ボランティア団体などを通じて物資を被災地に提供している。また、本県に避難して来られた方々に対しても、要望があれば、提供していきたい。
いずれにしても、今回提供された物資については、提供された県民の方々の御好意を無にしないように対応したいと思っている。
次に、災害が発生した場合に支援物資をどうするかについては、今回の東日本大震災においても、県として支援物資の受入れについて非常に悩んだあげくの対応をしている。現地で被災者に物資が届かないということが阪神・淡路大震災のときの経験としてあったため、県としては非常に悩んだが、県民の非常に強い要望もあり、7品目に限定して受け入れた。
しかし、次は義援金を中心とした支援が一番いいのではないかと考えている。ただ、やはり県民の方々の支援をしたいという気持ちもあるので、ボランティアを有効に活用し、流通業界の力も借りながら、現地にうまく届くように考えていきたい。
【理事者】
この度、御協力いただき、7品目ではあるが被災地へ届けることができ、この場を借りて、県民の方々に心から感謝したい。
今回、支援物資を7品目に絞ったのは、もともと義援金があるが、県民の被災地を支援したいという強い気持ちがあり、それに知事が応えたいということから進めたもので、新潟県中越沖地震の際のノウハウもあった。今回、更に学び、宮城県の連絡所に職員を派遣し、個別交渉を行ったりして、ノウハウを蓄積しつつある。東日本大震災の被災地支援の経験は、あってはいけないが、次のときのための非常に有意義な経験だったと思われる。今後、被災地域についても検証活動を行い、その過程で今回得た教訓を生かしていきたい。
【委員】
今まで経験のないことであるので、これからノウハウを蓄積していって欲しい。
震災直後は、物資を持っていきたいといった問い合わせが選挙事務所に非常に多くあった。その時点では、県は一般県民からの物資の受入れをしていなかったため、どういう対応になっているのかとの問い合わせが非常に多かった。ただ、私も阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震のことを聞いており、闇雲に物資を送ることが果たして本当に被災者の方のためになるのかと、疑問に思っていた。
今回、県も物資を全部送ることができず、仕分けして送っていると思うが、最終的に余っても別にそれは県が悪いことではないと思う。どうして余ったか、余り必要のないものは何かといった情報を隠さずに、広く県民に説明していくことによって、もし、次に何かあったときに、意思統一をして一つの方向に動くということが被災地を救うということにもつながると思う。今回のノウハウを蓄積して今後に生かして欲しい。
【委員】
県民相談等の事業について聞く。相談件数は年々減少しているが、平成22年度も、県政から交通事故、住宅、県税、高齢者、法律、内職など、多岐にわたって県民の方から相談を受けている。相談に対してその場での解決もあるとは思うが、少なくとも、こうした事業を実施していく中で、こうした相談を県政に生かしていかなければならないと思う。ここ二、三年の県民相談の傾向をどのように捉え、県政に生かしているのか、事例を報告願う。
【理事者】
相談は県内8か所の県民生活プラザで行っており、県の事務事業に対する問い合わせや交通事故の損害賠償などに関する県民相談、金銭貸借や債務整理に関する多重債務相談、それから消費生活上のトラブルに関する消費生活相談の三つを行っている。昨年度1年間の相談件数は3万5,237件である。若干減少しており、前年度と比較して約7パーセント減少している。相談種目別に見ると、県民相談は昨年度1万5,921件で、前年度と比較して約1割減少している。多重債務相談は昨年度2,316件で前年度に比べて13パーセントほど減少している。消費生活相談は昨年度1万7,000件ということで、前年度に比べて約3パーセント減少している。
県民相談、多重債務相談、消費生活相談は、それぞれ多少目的が違うが、県民が日常生活において様々な形で抱えている悩みや不安をいろいろな形で聞き、悩みや不安を解消し、県政へ生かしていくということである。具体的には、県民相談については、県の事務事業に対する問い合わせにもお答えしており、県のOBが相談員になっているが、相談員だけで対応できない場合は専門の担当課の職員にも協力してもらいながら、適切な相談対応をしている。
【委員】
数字ではなく傾向について聞きたい。分析はしていないのか。
【理事者】
県では、県民相談、多重債務相談、消費生活相談を行っているが、特に消費生活相談については、施策として消費者救済を行っているため、分析をしている。一例を申し上げると、消費生活相談では、最近はデジタルコンテンツに関する相談、高齢者を狙った未公開株売買に関する相談、震災の関係もあり住宅リフォームのトラブルに関する相談が多く、そうした相談については、啓発紙にも掲載している。
また、消費生活相談を受けた中では、事業者が悪質な場合が非常に多くあり、悪質な事業者に対しては、呼び出して指導するとか、場合によっては、行政処分を行い、公表している。特に消費生活相談については、所管していることもあり、行政に生かし、県民の方が悪質な業者から被害を受けないよう未然防止に努めている。
【委員】
県民相談は傾向を把握していないとのことだが、せっかく相談員を配置して相談を行っているのだから、傾向の分析を行って欲しい。県政にかかわる課題というのは、多岐にわたって相談があるので、特徴的なことは担当部局へ報告ができるように、そこまでの仕事をすべきではないか。それが、県民相談事業の事業としてあるべき姿ではないかと思うので、要望しておく。
それから、多重債務相談において、特徴的な事例があれば報告いただきたい。
【理事者】
多重債務相談では、昨年度2,316件の相談があり、そのうち2,021件が債務整理に関する相談となっている。具体的な相談事例では、40歳代男性の会社員が遊興費などで消費者金融数社から多額の借金をし、銀行のおまとめローンで一本化したほかに、住宅ローンをたくさん抱えているとの相談があった。この相談に対しては、多重債務相談員が対応するとともに、弁護士による法律相談を紹介し、弁護士の助言を受けて、最終的には弁護士の受任を得て、個人再生等の手続をされたという事例もある。
【委員】
そうした事例を県民の目に届くようにしていけば相談事業の意味がある。私も去年、知多県民生活プラザで相談を受ける方に付き添ったが、丁寧に対応してくれた。そうした相談を行っていることを、県民へどんどんPRすることが大事ではないかと思っている。
それから、先日、薬事法違反の件が新聞に掲載された。まず、医薬品として承認されていない商品に関して効能をうたってホームページに掲載したため、薬事法違反で行政指導された。次に、同じ商品を小分けしたことが製造にあたるとして、更に行政指導され、その商品の販売を止めた。小分けした製品にも効能が記載されているが、消費者行政の立場で言うと、その表示は問題がないのか。
【理事者】
今回の事案は、シアバターという保湿用クリームをインターネット上で販売するにあたり、薬事法上の承認を得ずに、湿しんやアトピーに効果があるとして販売していたとして名古屋市から行政指導を受け、更に小分けをするということが製造にあたり、そこにも効果効能が書かれていたということで県からも行政指導された。薬事法上、効果効能は承認を受けなければ書いてはならないことになっており、販売は名古屋市所管で、製造は県所管ということで、それぞれから指導を受け、現在はホームページも閉鎖され、商品の製造、小分けもしていないと聞いている。
県は「県民の消費生活の安定及び向上に関する条例」により、事業者が提供する商品やサービスで県民が被害をこうむることのないように、安全性の確保、表示の適正化、取引の適正化に努めるとともに、表示の適正化については、不当景品類及び不当表示防止法に基づき、実際の商品よりも良いもの、有利なものだと勘違いさせて消費者を誘引する広告などを規制し、事業者に対する指導を行っている。
今回の件は、薬事法に基づいて販売してはいけないと指導されたものである。効能効果が嘘であれば不当景品類及び不当表示防止法違反の事案になるが、まず、薬事法で製造が禁止され、現在も販売されていないので、現段階で対処すべき事案ではない。しかし、今後とも、法令を所管する庁内課や消費者庁とも十分連携を図りながら、迅速な処分が行われるよう努める。
【委員】
今回の事例は、商品に保湿効果等が表示されているが、消費生活において表示の適正化を図るという意味から、それほど問題はないと捉えているのか。
【理事者】
県民生活課は消費生活にかかわる問題や表示全般を所管しているが、県民生活部だけでなく、各部局所管の薬事法などの個別法に基づいても適正に処理されることが好ましいと考えており、今回は、薬事法に基づいて適正に指導され、速やかに対処されたことは、大変よかったと考えている。
【委員】
薬事法での行政指導がなければ、表示の関係で県民生活部が行政指導したのか。
【理事者】
今回の事案は、名古屋市に相談があり、名古屋市が調査、指導し、薬事法の関係で連携をしたと聞いている。県としても消費生活相談を受けることもあり、不当景品類及び不当表示防止法で対処したり、個別法に細かく規定されているならば、個別法を所管する部局で対処する方がいいということもあるので、関係部局と連携して対処することとしている。
【委員】
ホームページなどで宣伝、販売する機会が増えている中で、こうした事例が多くあると思う。大した問題ではないと放置せずにきちんと対処していくことが、県民生活、消費生活上の権利を守る上で重要だと考える。
【委員】
東日本大震災の現地に防災局の職員を派遣しているが、愛知県が被災したと置き換えたときに、組織として何を不安に感じたか。
【理事者】
宮城県多賀城市と現地連絡所に職員を派遣している。また、幹部職員も含めて現場を視察している。宮城県など関係部署との情報交換の中で指摘があったが、平常の災害対策本部などの体制は、局地的に災害が発生した際には有効ではあるが、こうした広域の複数県にわたる大規模な災害については、当初の想定、条件設定していたものをはるかに超えてしまうということで、従前から行っていたさまざまな組織的な対応では、想定を超えた災害発生時には、大変不安で心配だと思っている。
【委員】
防災局は、予算は多少持っているが、機材などを何も所有していないので、市町村を含め、ただ頭を下げてお願いするだけである。また、情報が全く共有されておらず、国との連携も伴っていない。一つの典型的な例として、仙台空港周辺の津波による浸水地域において、国土交通省中部地方整備局庄内川河川事務所が動き、民間業者に頼んで人を派遣し、現地で排水作業を行ったのだが、その情報が県には何も入っていない。何が言いたいのかというと、今の県の組織のあり方では、指揮命令はあるが、現場に対しての働きかけ、例えば、災害が発生し復旧しようとしたときに、県民事務所と建設事務所の連携が薄く、業者との連携体制に至っては何もできていない。今回の補正予算の中に緊急市町村地震防災対策事業費補助金が計上されているが、国土交通省などは、衛星電話を使用し、民間業者にも貸与しており、衛星放送を使った一つの指令ですぐに連携体制ができる。しかし、愛知県が即対応しようとしたときにはそうはいかない。宮城県へ派遣されて、そのように感じた職員はいないか。
【理事者】
東日本大震災を勉強している段階ではあるが、宮城県の幹部が言うには、日ごろから協定を締結していても、いざ大規模な災害が発生するとなかなか有効に動かないそうで、協定があるから動くというのは間違いとのことであった。やはり、日ごろから顔の見える関係が大事だということと、本当に動いてくれる人をきちんとつかんでおくことが必要だということの二点を言っていた。県も地域防災計画としてさまざまな協定を結んでいるが、教訓を得て、一度に全てを見直すことはできないが、今後一つ一つ見直しを進めていきたい。
その一例として、先般協定を結んでいるスーパー業界、コンビニエンスストア業界と宮城県の動向を踏まえて意見交換を行った際にも、必ず打合せの機会を持ち、更に、担当者レベルで本当に現場で動くかといったところまで追求していかなければ、災害発生時に動きづらいのではないかと同じことを言われた。非常に、貴重な示唆を得たので、今後、スーパー業界及びコンビニエンスストア業界の担当者レベルで協調していく努力をしていきたい。
【委員】
一つの問題として、被災地の復旧をしようとした時に、今の土木業者、特に、ゼネコンなどは復旧に必要な機材を所有していない。今のあり方でいくと、結局、いざ仕事の発注をしても復旧作業が全くできない。これが現実である。防災局も協定は締結しているが、果たして、本当に上手くまわるのか。コンビニエンスストアにしても在庫をほとんど持っていないので、災害が発生して被災者が買いにいったらすぐ在庫切れである。それと、備蓄の関係で心配しているのは、医薬品関係である。東日本大震災でも医薬品が不足して大変困ったと聞く、この補充をどうするのかも考えなければならない。
また、耐震だと言うが、愛知県は区画整理が盛んに行われたし、土地改良でため池や排水路を埋めてほかに転用したところもある。そこでは間違いなく液状化現象が起こり、県に対して訴訟が提起される可能性のあるところもある。耐震も大事かもしれないが、昨日テレビで放送していたが、地盤液状化現象により木造住宅はほとんど沈んでしまう。これから市町村、建設部などと連携して液状化の問題なども含めて調査を行い、防災計画を策定すべきである。
更に、建設部や市町村でも過去の法典がほとんどなくなっている。大事なことは後世に引き継いでいくことが必要で、防災局が先導し、各部局に働きかけていかなければならない。これまでの震災の分析を行い、内陸型、海溝型、それぞれどういった対策が一番いいのか、それと同時に、震災発生時に、いかに早く県民に安心してもらうかを考えなければならない。
それから、各市町村に避難所はあるが、けが人がどこへいけばいいのかが徹底されていない。住居併設ではない内科のクリニックが多く、災害発生時に医療機関として対応できるのかといった問題も現実にある。愛知県や市町村も防災訓練を行っているが、形式だけの訓練で、実の訓練は全く行っていない。実施するならば、住民が指示されてではなく、自分から動くような訓練を実施しないといけない。東日本大震災の際に死者が一人も出なかった小学校では、地震発生時には山に逃げろとだけ伝えている。もっと単純な道筋をつけることが大事だと思う。これについて、どういう心構えでいるのか。
【理事者】
計画づくりにおいて、今回の東日本大震災の検証をきちんと反映させていくという観点で答弁する。
東日本大震災においては、本県からも相当数の職員が現地に派遣されており、これからその検証の中で勉強していこうと思っている。今回、被害想定の見直しを行う際に、東日本大震災の状況の把握、本県の災害への対応力、例えば、医療機関の対応力、がれきの処理能力、重機の確保といった問題などをきちんと点検したいと思っている。そうした中で、防災計画の見直しを庁内の全部局を巻き込みながら行い、県内の各関係機関も含めて愛知県が一体となって、実のある、実際発動できる計画にしていきたいと考えている。
【理事者】
愛知県宮城連絡所の立ち上げに参画し、宮城県の災害対策本部に10日ほど詰めていたが、そこで感じたことは、当時は4月中旬で災害対策本部も非常に混乱し、人がごった返している状況であった。当時は、13県からの連絡員がおり、各県それぞれの支援をしていた。ただ、いろいろな応援体制があるが、一番大事なことは、やはり顔の見える関係で、日ごろから付き合いがあるところでないと話ができない。気持ちを分かっていただくような細やかな支援体制は、顔の見える関係が一番大事だと非常に強く感じた。本県を取り巻く中部9県と名古屋市とが協定を結んでおり、日ごろ顔を合わせるようには努めているが、お互いに連絡体制が取れるような広域応援などもできる体制を作っていきたい。
また、地域の課題として、先ほどの津波の問題等に関して、海部郡など日本一の海抜ゼロメートル地帯を抱える本県としては、仙台平野の浸水等の教訓は今後の計画の検討において役立たせていかなければならないと考えており、復興構想会議の中で線による防御から面による防御と提言されているように、隣県とも連携を図りながら検証作業を進め、この地域に置き換えた調査研究も、これから進めていきたいと考えている。
【理事者】
発災直後には、行政への膨大な要請があり、更に、要請があっても行政自体も機能不全となる可能性がある。応援に時間がかかるということになると、地域のコミュニケーション、消防団のような地域の防災機関との連携が重要になるかと思う。今回、東日本大震災でも、地元の消防団が水門の閉鎖から情報収集、避難誘導、救助、消火から救急搬送だけでなく燃料や食糧の調達まで行った。ありとあらゆる対応を行うことになるので、こうした地域のコミュニティとの連携が重要だと思っている。そういった方々に、地域の訓練に参加し、実際に活動してもらうといった取組を、できるだけ多くの市町村で行ってもらえるように呼びかけていきたい。
【委員】
現地を経験した人間こそ迅速な指揮が執れる。まだ遅くはないので、どういった対策が一番いいのかを考えて欲しい。
【委員】
地域の防犯力を向上させるという観点で一つ質問する。
愛知県は犯罪が非常に多く、いろいろな取組がされているが、警察力を向上させるのは当然だが、地域住民の協力なしには防犯力の向上はできないと思う。地域住民の協力を得ることが必要だが、働いている人の協力を得るのは難しい。一方で、先を見れば高齢化社会が必ずやってくる。10年後を考えると、今の日本の人口から約400万人は減少し、高齢者は600万人増加し、超高齢化社会に突入していくと思っているが、ある意味で、元気なお年寄りが地域にいると捉えれば、高齢者の知恵や工夫をいろいろいただきながら、地域で活躍してもらうといった観点がこれから大事になってくると思う。
地域において自主防犯組織が作られており、これから積極的にかかわってもらえるような工夫が必要になってくると思うが、その取組を将来的にどのように考えているのか。
【理事者】
高齢者の自主防犯活動への参加については、防犯対策上、地域において、一人でも多くの人の目があることが非常に効果的であることから、現役を退いた団塊の世代やまだまだ元気なお年寄りが、それぞれの住んでいる地域において、例えば、子供の登下校の時間帯に合わせた街頭での子どもの見守りや、自主防犯団体の活動への参加、地域の見守りなどを行うことにより、犯罪者が寄りつきにくいまちづくりにつながっていくと考えている。
本県では、それぞれの地域で住民の誰もが参加できるあいさつ声かけ運動を実践し、地域の連帯感を作りながら安全なまちづくりを推進していく取組として、安全安心の輪運動を平成19年度から展開しており、今後、更にこの運動を盛り上げていく必要があると考えている。ちなみに、昨年度までに全ての市町村の累計で851の地区で実施しており、今年度は、新たに47市町村の203地区において、8月を中心に実施する予定である。
また、本県では、地域で防犯ボランティア活動をされる方を対象とした防犯ボランティア養成事業を平成18年度から実施し、今年度は20市町村で8月から12月にかけて開催する予定である。超高齢社会に向けて、団塊の世代を始めとする方々が、いかにスムーズに地域の防犯活動に参加できるかが課題であり、県としては、そのための環境づくりをする必要があると考えている。現在、防犯情報を周知するため、あいち安全通信を年4回発行しており、市町村等に配布するとともに、県のホームページに掲載しており、その中で自主防犯団体の活動事例を紹介し、防犯ボランティア活動への参加につなげようとしているところであるが、今後は、こうした取組に加えて、団塊の世代の方々を始め、誰もが防犯活動により参加しやすくなる環境づくりとして、市町村と連携協力しながら、ホームページによる自主防犯団体の情報提供などについて、検討を始めていきたいと考えている。
【委員】
これから超高齢社会がやって来るときに、元気で優秀な高齢者が地域にいるということは、高齢者のやる気や生きがいにもつながってくるし、いろいろな意味で地域づくりにもよい。防犯だけでなく、教育、ものづくりも含めて、いろいろなところで協力してもらえる場面をぜひ行政でも考えて欲しい。