重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の国内発生について 本文へジャンプ
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の国内発生について


 中国において2009年頃より発生が確認され、2011年に初めて原因ウイルスが特定されたダニ媒介性疾患「重症熱性血小板減少症候群」の症例が、2013年1月、国内で初めて確認されました。
 2013年2月末現在、5名の患者(山口県、愛媛県、宮崎県、広島県長崎県在住であった方)が
確認され、いずれも平成17年秋から昨年秋に発症し、その後死亡しています。

 

1.重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

 2011年に初めて特定された、ウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。

 これまで日本国内で重症熱性血小板減少症候群の報告はなく、2013年1月に報告された山口県の症例が初めての報告であり、続いて2例の報告がありました。
 潜伏期間は6日から2週間で、主な症状は発熱と消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)です。稀に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識症状、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)を起こします。重症化した場合、死亡することもあります。

 2009年以降複数の症例が報告されている中国では、多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染しています。今回、日本で確認された患者には、最近の渡航歴はなかったため、日本国内でウイルスに感染したと考えられています。

2.予防するためには

 マダニに咬まれないようにすることが重要です。
 特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意が必要です。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖の服、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、なるべく肌を露出しないようにしましょう。
 また、屋外活動後にはマダニに刺されていないか確認し、吸血中のマダニに気がついた際には、できるだけ医療機関で処置するとともに、マダニに咬まれたのちに、発熱等の症状があった場合には、医療機関を受診してください。

3.医療機関の皆様へ

 重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。)は、
平成25年3月4日から感染症の予防及び感染症患者に対する医療に関する法律(感染症法)に規定する四類感染症となりました。
 届出基準に合致する症例(無症状病原体保有者、死亡者を含む。)を診断した医師は、直ちに最寄りの保健所へ届け出ていただく必要があります。(診断には検査による確認が必要です。)

 ◆届出基準、届出様式については、下記の愛知県衛生研究所ホームページをご活用ください。
   ・愛知県衛生研究所ホームページ