| 課題名 |
【重点研究目標】 消費者の信頼に応える食料等の生産・供給の確保
総合的病害虫防除技術の確立
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| 評価 |
B (A〜Dの4段階評価) |
意見
1.試験の進捗状況に対する自己評価について
5年計画の1年目であり、しかも研究費が非常に制約されている条件下での研究としては、単年度到達度も全体進捗割合ともに妥当な評価である。
2.研究課題の設定や進め方及び成果について
「土着天敵の活用により環境負荷の軽減に配慮した環境保全型農業を推進することによって消費者の信頼に応える」という方向性は十分に納得でき、クロアシ、ミツクリの関係性に着目している点も含めて、たいへん興味深い。とくにこの2種間の関係性(競合、相互作用)と防除への効果、効率に、強い関心が持たれる。
この方法により慣行レベルと比較して農薬使用量含めどの程度環境負荷が低減されるのか具体的に示すことが期待される。また、開放系の中で、この研究結果をどのようにして実質的に害虫制御に応用できるのかを示すことが、研究成果としての鍵であろう。
このような基礎研究の要素も大いに含むことから、なおさら大学や他の研究機関との共同研究による発展も期待したい。
3.今後の研究計画及び普及性について
まず、この害虫による被害の定量的実態解明が必要であろう。その上で、この技術への生産者側の需要がどれほどあるのかも慎重に検討する必要がある。
一方、消費者側に立って考えてみると、農産物の付加価値のひとつに栽培の過程でのストーリーのおもしろさがある。土着天敵を使ったこの方法はそれに該当し、この技術によって生産された大豆やその加工食品は消費者が購入する時に訴求力を持つと考えられる。
また、この技術は、農家・農業への貢献だけでなく、農業の多面的機能の強化にも貢献するという視点からも今後の研究の発展が期待される。
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| 課題名 |
【重点研究目標】 気象変動に強く環境に配慮した持続的農業の推進
水稲高温耐性遺伝子の解析及び高温耐性系統の育成 |
| 評価 |
A (A〜Dの4段階評価) |
意見
1.試験の進捗状況に対する自己評価について
マーカー選抜ではあっても、短期間で成果を出すのは厳しいと思われる。したがって計画どおり目標としている成果が出るか、若干の懸念がある。
2.研究課題の設定や進め方及び成果について
効率的な手法の開発も含めて先端研究を積極的に進めてほしい。
国内の他の多くの地域でも、同様の高温耐性系統の育成に関わる研究を行っているので、本県でこの研究を行う緊急性・必然性を示す必要がある。このことは、他機関(県)との共同研究の可能性も含む。
3.今後の研究計画及び普及性について
選抜した有望系統の実用化と遺伝子マーカーの開発に大いに期待したい。また、従来の育種法による新品種の実用化にも期待する。また、コシヒカリ以外の、本県で栽培されている他品種への拡大も視野に入れていただきたい。
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| 課題名 |
【重点研究目標】 高度な技術や新たな品種による農業経営の向上
施設園芸におけるドライミストを核とした夏季高温対策技術の確立 |
| 評価 |
B (A〜Dの4段階評価) |
意見
1.試験の進捗状況に対する自己評価について
単年度自己評価は妥当と思われるが、研究としての最終目標が明確でないので、全体の中での進捗状況については評価しにくい。
2.研究課題の設定や進め方及び成果について
農業経営の向上に貢献することが示されており、優れた研究成果といえる。民間企業などと効果的に共同研究を実施し、効率的な推進をされていると考えられる。バラに関して、既存のヒートポンプとの組み合わせの効果を検討している点は、実用的で評価される。
3.今後の研究計画及び普及性について
超微粒ミストをトマト栽培に応用することによって、トマトの夏期の栽培を安定させ、周年栽培体系の確立を目指す方向性が示されているので、その成果に大いに期待したい。トマトの生食が好まれる気温の高い期間に本県産のものが入手しやすくなることは消費者にも好ましく、本県のトマト栽培への認知も広がりやすい。
一方、この技術導入によるマイナス面の検討も積極的に進めてほしい。たとえば、普及に当たっては投資対効果の問題があるので、大きな初期投資が必要な本技術においては、より大きな効果の探索が必要である。またバラにおいて、ダニの発生があったとのことだが、その制御も含めてより実用的な技術として確立していってほしい。
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| 課題名 |
【重点研究目標】 地域の資源や特性を活用した多様な付加価値の創出
アニマルウェルフェアにつながる和牛放牧技術の確立 |
| 評価 |
B (A〜Dの4段階評価) |
意見
1.試験の進捗状況に対する自己評価について
具体的な達成目標が不明確な部分があるので、自己評価の妥当性が分かりにくい印象がある。
2.研究課題の設定や進め方及び成果について
アニマルウェルフェアに関する、市民の認知度は一般には高くはないが、畜産において大切にしたい視点の一つだと考えられるので、放牧の適応メカニズムの解明、ストレス評価・軽減技術の開発に期待している。
一方、都市近郊での放牧の効果、必要性ならびにその需要、また牧草の確保などの面からの実現性、本研究の根幹の一つであるストレス評価法など、多方面に課題があるのでさらに深く検討されることを期待したい。また獣害被害減少にも効果があるとのことであれば、他地域への応用も考えられるので期待したい。
3.今後の研究計画及び普及性について
和牛放牧は、近年隔離されがちな畜産への消費者の親和性を高める効果も期待できるように思われる。
倫理的な面からこの技術を支持する消費者層も少なからず存在しているので、放牧を受け入れている地域の人を含め、ゆくゆくはその生産物を購入する一般消費者へ、この技術への意向を調査できると望ましい。
これらを踏まえた上で、定量的評価手法を確立し、内容を絞ってデータの精度を上げる必要がある。また、畜産農家にとってどの程度の省力化や低コスト化が図れるのか、この技術を用いた場合の生産物の市場での評価などが具体的に示されることが必要である。
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| 総括的所見 |
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・今回は、評価の対象が研究課題別でその内容も具体的であり、また発表もしっかり準備されていたことから、資料ならびにプレゼンテーションから内容をよく理解できた。
・全体として、設定された目標と期間の中で、また限られた予算と人員の制約下で、着実な成果を挙げられてきていると判断される。
・研究課題の設定とその成果の評価においては、生産者や消費者を始めとする、日本のフードシステム全体を見渡した上で、それらの位置づけやニーズの定量的な把握に基づいて、さらに深化、発展させていただきたい。
・本県の「試験研究基本計画2015」にある長期的戦略に基づいて、本県が有する、技術、育種、人的資源を最大限に活かす方向をさらに研ぎ澄ませて、愛知県で研究を実施する理由をいっそう明確にされていくことを期待したい。
・さらにこのことを十分に踏まえた上で、多くの困難な点があることは理解できるが、研究実施の効率化、そして何よりも研究成果の飛躍的発展のために、他県や他機関との共同研究が必要、あるいは望ましいと判断される場合には、積極的に推進していかれることを強く望みたい。たとえその成果が短期的には愛知県民の直接的利益には繋がらなくとも、愛知発の農業科学研究成果が、多くの国民や海外の人々に発信されることは、県民も歓迎すると考えられる。
・研究の出口として、売れる農産物、欲しい農産物の開発を強く志向した課題の設定を期待したい。さらにその延長線上として、愛知県、あるいはわが国から、海外へ輸出できる農産物の研究開発を推進していただきたい。
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