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病害虫図鑑 エンドウ萎凋病

ページID:0273413 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

 

1 病原菌
 学名 Fusariu oxysporum Schlechtendahl:Fries f.sp.pisi (van Hall)  Synder et Hansen(糸状菌 不完全菌類)
 エンドウの品種により病原性や病徴が異なる11のレースが知られている。
 愛知県、静岡県で発生している病原菌はレース2であることが確認されている。

2 被害の様子
 葉が淡黄色になって内側に巻き、生育が悪くなり、萎凋、枯死する。萎凋した株の茎を縦に割ると、導管部が地際から数十cmの高さまで褐色に変色している。また、節間の中空部にかび(気中菌糸)の繁茂が見られる場合が多い。病原菌が導管に沿って上部へあがるため、植物体の黄化、萎凋は半身だけになることもある。根腐病と症状が似ているが、根腐病は根が腐って容易に引き抜けるのに対し、萎凋病は比較的根がしっかりしている。

3 病原菌の生態
 本病は土壌伝染、種子伝染する。病原菌は土壌中で耐久性のある厚膜胞子の状態で存在し、エンドウの根が近くにあると発芽し、根から感染する。感染後は道管内を上部に向かって移動し、導管の褐変、植物体の萎凋、枯死を引き起こす。初めは個々の植物が感染し、連作することにより土壌中の菌密度が高くなり、被害地域が拡大していく。
なお、本病はエンドウ以外の作物に被害がでることはない。

4 防除対策
・輪作する。
・クロールピクリン、クロピクテープ、太陽熱で土壌消毒し、健全種子を播種する。
・汚染土壌を外から持ち込まないようにする。
・作業機械を他のほ場と共有する場合は、機械に付着した土壌の除去に注意する。
・発病株も伝染源となるので、適切に処分する。

エンドウ萎凋病

エンドウ萎凋病

導管の褐変症状

導管の褐変症状

エンドウ萎凋病発生ほ場

エンドウ萎凋病発生ほ場