ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > あいち病害虫情報 > 病害虫図鑑 キュウリモザイク病・キュウリ緑斑モザイク病

本文

病害虫図鑑 キュウリモザイク病・キュウリ緑斑モザイク病

ページID:0334582 掲載日:2021年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原
 (1)キュウリモザイクウイルス Cucumber mosaic virus (CMV)

 (2)カボチャモザイクウイルス Watermelon mosaic virus (WMV)

 (3)ズッキーニ黄斑モザイクウイルス Zucchini yellow mosaic virus (ZYMV)

 (4)キュウリ緑斑モザイクウイルス Kyuri green mottle mosaic virus (KGMMV)

2 被害の様子
(1)CMV
 葉、果実に病徴が現れる。葉では小さな褪色斑点を多数つくり、それが融合してモザイク症状になる。新葉では淡黄色の斑紋、葉面に小さなしわを生じる。果実では果梗に近い部分に褪色斑点ができ、それが集合してモザイクになったり、大小のこぶができて奇形になることもある。株全体は萎縮する。

(2)WMV
 新葉に緑色濃淡の明瞭なモザイクが現れる。葉では、はじめ葉脈が透明になり、その後しだいに脈間が黄色くなり、葉脈の両側に濃緑帯が現れる。果実表面には黄色の斑が入り、多くの場合黄色の部分がへこむモザイク症状となる。接ぎ木キュウリでは、萎凋が発生することもある。ZYMVに類似するが、症状は軽い。

(3)ZYMV
 WMVと症状はほとんど同じ。ただし症状が激しく出る。

ZYMV葉のモザイク症状

ZYMV葉のモザイク症状

ZYMV果実の奇形

ZYMV果実の奇形

(4)KGMMV(緑斑モザイク病)
 前期3種に比べ、特に果実の症状が激しい。葉には緑色濃淡の明瞭なモザイクを生じ、ときに濃緑部が盛り上がり、奇形葉となることがある。果実は濃緑斑とこぶができ、また曲がったりねじれたりして奇形となる。なお、初期症状による判別は困難である。また、草勢のよいときや低温期は潜伏感染となり、症状が出ないことがある。

KGMMV葉のモザイク症状

KGMMV葉のモザイク症状

KGMMV果実の奇形

KGMMV果実の奇形

3 各ウイルスの伝染経路

伝染経路
注)-:なし +:伝染する  ++:非常に伝染しやすい

伝染源となる植物(寄主)

  (1)キュウリモザイクウイルス(CMV):キュウリ、トマト、ダイコン、ホウレンソウほか45科190種以上

  (2)カボチャモザイクウイルス(WMV):ウリ科、エンドウ、ソラマメ、オクラ、ゴマなど

  (3)ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV):ウリ科、ベゴニアなど

  (4)キュウリ緑斑モザイクウイルス(KGMMV):キュウリ

4 発生しやすい条件
・虫媒伝染性ウイルス病は、媒介昆虫の多発生する季節や年が多い。一般に、アブラムシ類は 晴天が続く場合に発生が多い。また周辺に発病植物が多くある場合の発病も多い。
・接触伝染性ウイルス病は、発病植物の芽かき、誘引作業などののち健全植物の管理をするな ど、不用意な管理作業によっても多発生を招く。

5 防除対策
ウイルス病そのものに実用的防除効果のある薬剤はないので、虫媒性のものでは、媒介虫であるアブラムシ等の飛来防止と殺虫剤による防除が中心となる。
・育苗時は寒冷紗や防虫ネットで被覆する。シルバーの防虫ネットは忌避効果が高く有効。
・本ぽの換気部も育苗時と同様にし、また換気口の近くに金竜をつるす。
・ハウス内外の雑草を除草あるいは防除し、アブラムシの生息場所を少なくする。
・発病苗は本ぽに定植しない。
・被害葉等をそのままほ場に放置しない。