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平成28年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果について

 「内分泌かく乱化学物質」は、動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の化学物質であり、国において生態系影響等に関する科学的知見の集積や環境リスク評価等の取組が進められています。

 愛知県では、国の取組において生態系への内分泌かく乱作用を有することが推察された、あるいはその可能性がある化学物質について、環境中の状況を把握するため、平成10年度から環境調査を行っています。

 平成28年度は、県内河川7地点及び海域3地点において8物質を対象として水質調査を実施しました。

 その結果は、次のとおりです。

1 調査の概要

(1)調査対象物質

調査対象物質
調査対象物質用 途 等調査地点数調査方法
 ビスフェノールA 樹脂の原料河川1地点 外因性内分泌攪乱化学物質調査暫定マニュアル(平成10年10月 環境庁)
 フェニトロチオン 殺虫剤

河川7地点

海域1地点

 平成17年度化学物質分析法開発調査報告書(平成18年7月 環境省)
 ダイアジノン 殺虫剤河川4地点
 ジクロルボス 殺虫剤河川3地点
 シアナジン 除草剤河川2地点
 2,4-ジニトロフェノール 染料中間体

河川7地点

海域3地点

 平成19年度化学物質分析法開発調査報告書(平成20年12月 環境省)
 ヒドロキノン 写真現像薬、
染料中間体、
ゴム酸化防止剤
 平成20年度化学物質分析法開発調査報告書(平成21年12月 環境省)
 エストロン 女性ホルモンの
代謝物質
 要調査項目等調査マニュアル(平成15年3月 環境省)

(2)調査地点

図 調査地点
※ 調査地点は、調査対象物質ごとに異なります。

2 調査結果の概要

・ ビスフェノールA

 調査を実施した1地点において、国が示した「内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度*1」(以下「内分泌かく乱予測無影響濃度」という。)及び「生態リスク初期評価における予測無影響濃度*2」(以下「生態リスク予測無影響濃度」という。)を下回りました。

・ フェニトロチオン、ダイアジノン及びジクロルボス

 フェニトロチオンは調査を実施した8地点中4地点において、ダイアジノンは4地点中2地点において、ジクロルボスは3地点中2地点において、生態リスク予測無影響濃度を上回りましたが、いずれの物質についても「水質汚濁に係る要監視項目の指針値*3」(以下「指針値」という。)を下回りました。

・ シアナジン

 調査を実施した2地点すべてにおいて検出されました。

・ 2,4-ジニトロフェノール、ヒドロキノン

 2,4-ジニトロフェノールは調査を実施した10地点すべてにおいて生態リスク予測無影響濃度を下回りました。ヒドロキノンは調査を実施した10地点中2地点において生態リスク予測無影響濃度を上回りました。

・ エストロン

 エストロンは調査を実施した10地点中6地点において検出されました。

平成28年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果のまとめ
調査対象物質  水  質

調査結果

(μg/L)

調査地点数

内分泌かく乱作用試験における予測未影響濃度*1

(μg/L)

生態リスク
初期評価における
予測無影響濃度 *2 
(μg/L)
水質汚濁に係る
要監視項目
の指針値 *3
(μg/L)
全国調査結果 *4
(μg/L)
 ビスフェノールA0.039河川
1地点
24.7又は47110.0024~0.28
 フェニトロチオン0.000036~0.019河川
7地点
海域
1地点
0.000213以下0.000015~0.0048
 ダイアジノン<0.001~0.029河川
4地点
0.000265以下0.0010~0.019
 ジクロルボス0.0004~0.017河川
3地点
0.00138以下0.0007~0.020
 シアナジン0.0017~0.0032河川
2地点
0.0004~0.0025
 2,4-ジニトロフェノール0.006~0.024河川
7地点
海域
3地点
0.30.0010~0.23
 ヒドロキノン<0.0015~0.0220.0150.0035~0.075
 エストロン<0.00011~0.00180.0004~0.0058

*1 内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度:

 生態系影響評価のための試験により、メダカの性分化に影響を与えなかった最大濃度に安全係数(1/10)を乗じることにより求めた魚類を中心とする生態系に影響を及ぼす可能性はないと予測される濃度

*2 生態リスク初期評価における予測無影響濃度:

 水生生物の急性毒性値及び慢性毒性値のそれぞれについて、信頼できる知見のうち生物群ごとに値の最も低いものを整理し、そのうち最も低い値に対して情報量に応じたアセスメント係数を適用することにより求めた濃度

*3 水質汚濁に係る要監視項目の指針値:

 長期間摂取に伴う健康影響を考慮して算出された値

*4 全国調査結果:

 平成17年度から平成26年度の「化学物質環境実態調査結果(環境省環境保健部環境安全課)」のうち、直近のデータにおける検出濃度範囲

3 今後の対応

 化学物質の内分泌かく乱作用問題について、国は、平成28年6月に策定された「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応-EXTEND2016-」の中で、化学物質の内分泌かく乱作用については、EXTEND2010によるこれまでの成果や国際的な動向を踏まえると、必要なリスク管理を行うことを目指して引き続き対応を進めていくことが必要としており、EXTEND2016により、1:作用・影響評価及び試験法の開発、2:環境中濃度の実態把握及びばく露量の評価、3:リスク評価及びリスク管理、4:化学物質の内分泌かく乱作用に関する知見収集及び5:国際協力及び情報発信の推進を行うこととしています。

 本県においても、国によるリスク評価及びリスク管理に迅速に対応するために、引き続き適切な環境調査を実施していくとともに、国等からの情報収集、科学的知見の集積に努めます。

※ 調査結果の詳細は別添のとおり。

問合せ

愛知県環境部環境活動推進課
環境リスク対策グループ
内線:3025、3026
電話:052-954-6212(ダイヤルイン)
E-mail: kankyokatsudo@pref.aichi.lg.jp

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