平成18年度公共用水域及び地下水の水質調査結果について

平成19年6月15日（金曜日）発表

　愛知県では、水質汚濁防止法第16条第1項の規定により作成した「平成18年度公共用水域及び地下水の水質測定計画」に基づき、関係機関（愛知県、国土交通省、名古屋市、豊橋市等の6政令市及び名古屋港管理組合）が行った県内の水質調査結果をとりまとめました。

　その概要は次のとおりです。

(1)健康項目（人の健康の保護に関する環境基準項目）

　18年度は123地点でカドミウム、鉛等26項目について調査した結果、1地点で鉛が、1地点で1,2-ジクロロエタンが環境基準を達成しなかった。その他の地点についてはすべて環境基準を達成した。

(2)生活環境項目（生活環境の保全に関する環境基準項目）

ア　河川

　18年度の調査結果を有機汚濁の代表的な指標であるBODでみると、38河川　49水域のうち32河川42水域で環境基準を達成し、達成率は17年度の92％から86％となったが、長期的に見ると改善傾向にある。

　17年度に環境基準を達成していなかった稗田川及び乙川下流で18年度新たに環境基準を達成し、このうち、稗田川は測定開始(昭和48年度)以来、初めて達成した。

　17年度に環境基準を達成していた境川下流、新川*1、矢作川上流(1)*2、鹿乗川及び豊川放水路は18年度達成しなかった。

イ　湖沼

　18年度の調査結果を有機汚濁の代表的な指標であるCODでみると、油ケ淵では環境基準を達成しなかった。

ウ　海域

　18年度の調査結果を有機汚濁の代表的な指標であるCODでみると、伊勢湾、衣浦湾、渥美湾11水域のうち、5水域で環境基準を達成し、達成率は17年度の55％から45％となった。

　また、富栄養化の代表的な指標である全窒素*3及び全燐*3でみると、伊勢湾、三河湾6水域のうち、全窒素は5水域で全燐は2水域で環境基準を達成し、全窒素の達成率は17年度と同じ83％、全燐の達成率は17年度の67％から33％となった。

　達成率は17年度に比べ横ばいもしくは減少したが、長期的に見ると横ばいで推移している。

*1 : 境川等水域

*2 : 矢作ダムより上流の矢作川

*3 : 全窒素及び全燐の環境基準地点は、三重県の測定分を含む

(1)概況調査（メッシュ調査）

　県全域の地下水質の概況を把握するため、106地点で調査した結果、96地点ですべての項目（カドミウム、鉛等26項目）について環境基準を達成した。なお、砒素で3地点、シス-1,2-ジクロロエチレンで3地点、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素で3地点、ふっ素で1地点の計10地点で環境基準を超過した。

(2)概況調査（定点調査）

　県内の同一地点における地下水質の長期的な変化を把握するため、19地点で調査した結果、16地点ですべての項目（カドミウム、鉛等26項目）について環境基準を達成した。なお、昨年度と同様に砒素で1地点、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素で1地点、ふっ素で1地点の計3地点で環境基準を超過した。

　また、超過した3地点を含む19地点ともすべての項目において昨年度と同レベルで推移していた。

(3)汚染井戸周辺地区調査

　概況調査（メッシュ調査）で環境基準を超過した10地点のうち6地点については、汚染範囲等を確認するため、周辺の井戸（発端井戸を含む）48本について調査した結果、25本で環境基準を超過した。

　なお、過去の調査から尾張地域の地層・地質に由来する汚染であると判明している砒素の2地点、平成17年度に調査済みの1地点、周辺に井戸がなかった1地点の計4地点については、井戸の調査は実施しなかった。

　これらの10地点については、19年度以降、定期モニタリング調査を実施する。

(4)定期モニタリング調査

　過去の概況調査で環境基準を超過した地点を継続的に監視するため、70地点で調査した結果、25地点で環境基準を達成した。

　今後とも引き続き常時監視に努め、環境基準の達成状況を把握するとともに、水質汚濁防止法、県民の生活環境の保全等に関する条例等に基づき、事業者指導、生活排水対策等を総合的に推進し、環境基準の達成・維持に努めていきます。