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愛知県ブランド米品種「ミネアサヒ」を病害に強く改良しました

ページID:0157249 掲載日:2017年3月23日更新 印刷ページ表示
新品種「中部138号」
新品種「中部138号」
 愛知県農業総合試験場は、「まぼろしの米」とも称される、本県の中山間地域で栽培されるブランド米「ミネアサヒ」に、いもち病とイネ縞葉枯(しまはがれ)病に対する抵抗性を導入した新品種「中部138号」を開発しました。
本品種は本日付けで、種苗法に基づく品種登録出願を行いました。

1 開発の経緯と新品種の特徴

昭和55年に本県が開発した「ミネアサヒ」は食味が良いことから人気が高く、県内で「あいちのかおり」「コシヒカリ」に次ぐ約1,500ha(県内作付面積の5.4%、平成28年度)で栽培され、そのうち約1,400haが中山間地域で栽培されています。
しかし、「ミネアサヒ」は夏に冷涼な地域で発生しやすい「いもち病」に弱いため、主産地である中山間地域の生産者から、病害抵抗性についての改良が要望されていました。
 そこで、平成18年から、愛知県農業総合試験場は「ミネアサヒ」に「いもち病」抵抗性と「イネ縞葉枯病」抵抗性を導入した、「ミネアサヒ」の同質遺伝子系統の開発に取り組みました。
 生産者の協力を得ながら栽培試験や食味試験を重ねて、「ミネアサヒ」の食味や特性はそのままで、イネの重要病害であるいもち病とイネ縞葉枯病に抵抗性をもつ「中部138号」が完成しました。

2 今後の予定

 本品種は、平成32年度から生産者への種子供給を開始し、平成33年度から本格的な出荷を目指します。

3 関連説明

(1) いもち病は稲の最も重大な病気で、夏に冷涼な地域で発生が多く、収量や品質の低下を引き起こします。いもち病を防除するために、中山間地地域の一般的な「ミネアサヒ」栽培では田植え時に1回、その後も発病に応じて1~2回の薬剤散布を行っています。
(2) イネ縞葉枯病は、ウンカ(イネなどの茎葉から汁液を吸う、体長5mm程度の害虫)が媒介するウイルス病で、生育不良や出穂異常を起こします。これまでは平坦部でみられる病害でしたが、近年は中山間地域でも発生が確認されています。
(3) 「同質遺伝子系統」とは、ある特定の性質が異なるだけで、他の性質は同じである品種・系統のことです。母品種に、目的とする特定の性質を持つ父品種を1回交配し、得られた個体に連続して母品種を交配し選抜することで作出することができます。
(4) 「ミネアサヒ」の主な産地は豊田市(823ha)、新城市(380ha)、岡崎市(223ha)の中山間地域です(平成28年度、園芸農産課調べ)。中山間地域以外ではほとんど栽培されていないため、「まぼろしの米」とも呼ばれています。
図1 いもち病発生程度の比較
図1 いもち病の発生程度の比較(いもち病防除を行わなかった場合)
左:「中部138号」  右:「ミネアサヒ」(山間農業研究所、豊田市稲武町)
図2 籾、玄米
図2 籾、玄米
左:「中部138号」 右:「ミネアサヒ」

問合せ先

愛知県農業総合試験場山間農業研究所稲作研究室
担当 中村・池田
電話 0565-82-2029