ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 組織からさがす > 農業経営課 > 【知事会見】愛知県農業総合試験場で凍結受精卵を用いたデュロック種系統豚開発を再開します

本文

【知事会見】愛知県農業総合試験場で凍結受精卵を用いたデュロック種系統豚開発を再開します

ページID:0306875 掲載日:2020年10月1日更新 印刷ページ表示
凍結保存した豚の受精卵
         凍結保存した豚の受精卵
愛知県農業総合試験場では、三元肉豚(さんげんにくとん)(※1)の親となる3品種(ランドレース種、大ヨークシャー種、デュロック種)の系統豚(けいとうとん)(※2)を開発し、愛知県畜産総合センターを通じて県内農家等へ供給しています。
2016年からは、三元肉豚の更なる品質向上を図るため、新たなデュロック種系統豚の開発を進めていましたが、昨年8月の県農業総合試験場における豚熱(CSF)の発生を受け、豚を全頭処分したため、開発も中断していました。
この度、試験場の豚舎の密閉化などの防疫対策を強化し、安全性が確保できたため、豚熱発生前に安全な場所に移管していた凍結受精卵を移植し、デュロック種の系統豚の開発を再開します。
※1 三元肉豚とは、通常食用にされる三種類の品種の豚を掛け合わせた肉豚をいいます。一般に、繁殖性が高いランドレース種と大ヨークシャー種を交配させて一代雑種(F1)を作り、これに産肉性が高いデュロック種を交配させて作ります。
※2 系統豚とは、お互いに一定以上の血のつながり(血縁的には、いとこぐらいのつながり)を持ち、品種内での個体のばらつきの少ない集団を構成している豚です。系統豚は元の種豚より能力が高く、系統豚を親として生産される肉豚の豚肉は、品質が安定しています。

1 経緯

・2019年7月 豚熱発生のリスクから回避させるため、開発途中のデュロック種系統豚の凍結受精卵
         (457個)を一時保管場所として名古屋大学の施設に移管(2019年7月29日記者発表済み)
・2019年8月 豚熱発生、農業総合試験場内の豚を全頭処分、系統豚の開発を中断
・2019年9月 名古屋大学の施設から、より安全性の高い大学共同利用機関法人自然科学研究機構
         基礎生物学研究所IBBPセンターに移管
・2020年3月 豚舎の密閉化など防疫対策完了
・2020年4月 県畜産総合センターから豚を導入
・2020年4~9月 豚の生育、繁殖状況の確認

2 今後の予定

・2020年10月2日~2021年1月 基礎生物学研究所IBBPセンターから受精卵を移送し、母豚(33頭)に
                     移植を実施
・2021年2月上旬~ 受精卵による子豚の分娩
・2021年 育成豚同士の交配開始
・2024年 新しいデュロック種の系統豚の完成
・2025年 生産者への供給開始

3 開発中のデュロック種系統豚

系統豚は近親交配により繁殖能力等が次第に低下します。
現在のデュロック種系統豚「アイリスナガラ」は、2007年の完成から13年が経過したため、農業総合試験場では、アメリカ合衆国と国内の6機関から導入したデュロック種を用いて、2016年から新しい系統豚の開発に着手しています。完成は、豚熱発生のため当初の予定より2年遅れて2024年度になる予定です。

4 凍結受精卵を作成した目的

豚熱が試験場内で発生し、防疫措置で飼養種豚が失われた場合に備え、2019年3月から開発中の豚の凍結受精卵を作成しました。この凍結受精卵を使うことによって、一からやり直すことなく系統豚の開発を再開することができます。

5 問合せ先

愛知県農業水産局農政部農業経営課
技術調整グループ
担当 鬼頭、福田
ダイヤルイン 052-954-6410
愛知県農業総合試験場
畜産研究部養豚研究室
担当 田島、豊島
電話 0561-62-0085(内線562)

6 参考

○ 凍結受精卵を利用した子豚の生産

子豚生産

○ 愛知県の系統豚による三元肉豚生産体制

三元肉豚生産体制