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あいちの農業は今、 -広域指導グループ普及指導員の現地活動から- /農業総合試験場
野菜の情報
ミツバチ供給がひっ迫 (H21年3月)
オーストラリアからの女王蜂の輸入禁止や寄生ダニなどによる死滅により、イチゴ、メロン、スイカなどへのセイヨウミツバチ供給がひっ迫しています。そのため、利用期間を長くできるよう、飼養管理技術の向上について実用化技術研究会などを通して進めます。また、ナスなどでは、セイヨウオオマルハナバチの利用による対応を進めています。
花きの情報
重油高騰経てヒートポンプ急増 (H21年3月)
最近、省エネ装置・装備として電力で暖房するヒートポンプの導入が、施設暖房の主燃料、重油の高騰を経て急増しました。ヒートポンプの有効活用に向けては、重油と電気とのコスト比較に基づく選択使用、夏季夜間の冷房運転による高品質生産に留意することが重要です。また、CO2排出量カット生産による有利販売の可能も考えられます。
果樹の情報
熱水土壌消毒でイチジクの生育が旺盛 (H20年6月)
「イチジク株枯病」は、薬剤による防除効果の低い難防除病害で、県内のハウスイチジク栽培面積22haの約20%で発症している思われます。
昨年度、常滑市のハウスイチジク園で農薬を使わない熱水土壌消毒(処理面積約100平米)を実施したところ、定植したイチジクは新梢の生育が旺盛で、着果も良好です。また、処理6か月後の現在も株枯病菌は検出されていません。熱水消毒は本病害の防除に加え、ネコブセンチュウの防除や塩類集積に対する除塩効果も期待でき、このことも新梢の生育が旺盛となった要因と考えられます。
昨年度、常滑市のハウスイチジク園で農薬を使わない熱水土壌消毒(処理面積約100平米)を実施したところ、定植したイチジクは新梢の生育が旺盛で、着果も良好です。また、処理6か月後の現在も株枯病菌は検出されていません。熱水消毒は本病害の防除に加え、ネコブセンチュウの防除や塩類集積に対する除塩効果も期待でき、このことも新梢の生育が旺盛となった要因と考えられます。
可搬式の熱水土壌消毒機
畜産の情報
発情発見システムで和牛の繁殖効率アップ (H20年5月)
最近、新城市の繁殖和牛農家2戸が「万歩計による発情発見システム」を導入しました。このシステムは、牛の発情が始まると歩数が増えるという原理によって発情の開始時刻を知らせるもので、県内の導入総数は21戸となりました。夜間に発情した牛も確認でき、従来の人による観察と合わせ、種付け時期の決定に有効で、分娩間隔を従来より約50日短縮させることができるため、繁殖効率のアップにつながります。
この効果に触発され、愛知東農協では、和牛部会全体で繁殖和牛に万歩計を装着し、発情状況を光ケーブルにより一括管理するシステムの導入を検討しています。
この効果に触発され、愛知東農協では、和牛部会全体で繁殖和牛に万歩計を装着し、発情状況を光ケーブルにより一括管理するシステムの導入を検討しています。
歩数増加による発情を示す(右端の山)
土壌肥料の情報
肥料高騰!! 土壌に蓄積されたりん酸・加里の出番 (H20年5月)
世界的な穀物需要の増大と原油高騰を背景に肥料価格が値上がりし続け、りん安、尿素、塩化加里の国際市況価格は5年前と比較して3~6倍に上昇しています。さらに、今年4月には中国政府が化学肥料の輸出に対し、100%の特別関税を上乗せして課すことを決定し、日本への窒素・りん酸・加里肥料のほとんどの輸出がストップする事態となり、更なる価格上昇が懸念されています。肥料費の圧縮を図るには、土壌中に蓄積されたり、家畜ふんたい肥中に含まれているりん酸・加里成分を有効利用する必要があります。土壌診断を活用し、土壌中のりん酸、加里含量に応じたりん酸・加里減肥が可能と思われます。今後、農業者にこの効率的施肥技術を啓発していきます。
りん酸、カリ成分の少ないL型肥料
病害虫の情報
キュウリ退緑黄化病の発生に備えて(H21年2月)
本病は、タバココナジラミが媒介するウイルス病で、九州全県で確認されているほか、関東の一部の県でも発生が報告されました。本県での発生は未確認ですので、媒介昆虫の徹底防除、施設開口部への0.4 mm目以下の防虫ネットの展張による侵入抑制、健全苗の利用が効果的対策です。
株全体に病症の見られる罹病株(写真は、九州沖縄農業研究センターより提供)