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広域担当の普及員情報(花き)

ページID:0056617 掲載日:2012年11月28日更新 印刷ページ表示

花きの情報

センスの良い鉢物づくりをめざそう(2012年11月)

 愛知県花き連鉢物部会の現地研究会が、10月4日に江南地区で開催された。平成24年4月に鉢花部会と観葉植物部会が合併して鉢物部会が結成されて初めての現地研究会で、85名もの生産者や関係者が参加した大規模な会となった。研究会は、午前が江南市他3ほ場を現地視察、午後が研究会と2部構成であった。研究会では、商品づくりのセンスを磨くことを目的に、「植物の魅力を引き出すカラーコーディネート」と題して、花・色・デザイン研究所の荏原温子氏に講演をしていただいた。内容は色彩の基礎知識から始まって、植物と鉢の上手な配色のコツ、一つのケースに数品種を色あわせして出荷するときの注意点など、新たな商品開発に生かせるものであった。荏原氏によれば、「色彩に気を配る男性は少ない」「植物の持つ色彩を生かした商品づくりに取り組めば、お金をかけずにライバルに差を付けられる」と講演された。参加者は少しでも参考にしようと熱心に聞き入っていた。
 今までの研究会は栽培技術や市況を取り上げることがほとんどであり、今回の内容が関心を引くかどうか危惧される面もあったが、講演後の総合討議では個々の事例を挙げ、活発な質疑応答が交わされた。多くの生産者が独自の商品づくりに高い関心を持っており、今回の講演内容を活かした商品開発が期待される。
写真 研究会の様子

写真 研究会の様子


高品質・高収量のバラ生産をめざして(2012年8月)

 バラの高温対策研究会が7月6日に農業総合試験場で開催され、県下のバラ生産者など31名が参加した。この研究会は愛知県花き温室園芸組合連合会の主催で毎年行われ、注目の技術や海外情勢をテーマに取り上げている。今年は、広域指導室の提案で、講師に広島県農業技術センター栽培研究部副部長の梶原氏を迎え、夏期高温対策を中心とした増収技術について講演が行われた。梶原氏からは、(1)バラの生育にとって昼間は25℃までで維持することが好ましく、微粒ミストなど昇温抑制技術を組み合わせて、平均気温だけでもその範囲に近づけること、(2)気温によりバラの光合成速度がピークとなるCO2濃度は変化すること、(3)夜間の温室はバラが呼吸するので、CO2濃度は外気より高い600ppm程度であることなど、生産者にとって関心が高い試験結果が紹介された。また、それら以外にも夜間冷房の設定温度と冷房時間帯を組み合わせて電力使用量の削減を目指した試験の計画なども紹介された。夜間冷房の温度や冷房時間、炭酸ガスの施用時間などを模索している生産者が多く、今後の利用方法を確立していく上で参考になった。生産者からは夜間冷房をするときの養液管理などについて質問が出され、積極的に増収に取り組む姿勢が見られた。
  講演に先立って、広域指導室から、ヒートポンプによる夜間冷房技術や、微粒ミストによる昇温抑制技術、炭酸ガス施用技術の愛知県内の導入状況、効果や課題を紹介し、導入コストに見合った増収益が得られているか、日頃から確認することが大切であることを説明した。
  広域指導室では今年の広域調査研究で炭酸ガス施用技術の確立に取り組んでおり、今回の研究会の内容も参考にして調査を行う予定である。
写真 夜間冷房に用いるヒートポンプ

写真 夜間冷房に用いるヒートポンプ

 

写真 室外機

写真 室外機

冬季の低温・日照不足で3月から5月出荷へ影響(2012年6月)

 例年の3月から5月は、春のお彼岸や母の日といった物日があり、また、暖かくなってガーデニングを始める時期で、切花も鉢物も需要期であるため、価格も比較的良く出荷量は多くなる。ところが、平成24年の1月から3月は、平年よりも低温(図1)かつ日照不足(図2)で推移したため、3月以降の出荷への影響がみられた。そこで、主要品目の出荷量、単価の傾向を紹介する。
  ★キク…開花が7~10日程度遅れ、開花期はばらついたため、産地によっては、3月彼岸の出荷量が計画の70~80%にとどまった。その分、4月の出荷量が増えた。出荷量が減少した3月の単価は前年を上回り、4月上旬も全国的に出荷が少なく高単価が維持できた。
  ★カーネーション…開花は1~2週間程度の遅れという産地が多かったが、最大で4週間ほど遅れた産地があった。3月の出荷量は計画の70%程度にとどまったが、キクと同様に全国的にも出荷量が少なく、3月と4月は前年よりも高単価が維持できた。
  ★鉢物…鉢花類や花壇苗は出荷開始が1週間から2週間程度遅れた。花壇苗は、ペチュニア、サルビア、ニチニチソウなどが3月からの入荷量が少なく単価が前年より高くなり、ゴールデンウィーク以降もその傾向が続いた。
  全国的に1月から3月は気象に恵まれなかったこともあって出荷時期や品目によって、前年の単価を上回るケースが多くあった。最終的な春の商戦の結果が出るのはまだ先であるが、品不足による高単価を期待するよりも春の花の消費が増大することで単価を良くしていくことが今後の課題である。
図 24年と平年の1~3月の日平均気温

図 24年と平年の1~3月の日平均気温

図 24年と平年の1~3月の日照時間

図 24年と平年の1~3月の日照時間

春の鉢物品評会、華やかに開催(2012年5月)

  4月4日に東海鉢物品評会(観葉植物の部)並びにポットプランツ(春の部)、4月11日に愛知県鉢物品評会が開催された。どちらも、鉢物の生産振興と消費拡大を目的としており、例年、優れた品質の鉢物が出展されている。今年は1月から3月にかけて低温が続き、日照も不足していたことから、4日の品評会の出品点数(155点)はやや減少したものの、11日の品評会は生産者の努力と高い技術力で、例年並みの出品点数(280点)となり、品質の高い出品内容となった。審査員は農総試職員他、市場関係者や小売業者で構成され、商品性や技術力の点から評価がされた。同一品目の花色違いで寄せ植えにしたり、数種の植物を小さな鉢に寄せ植えにした商品など、消費者の購買意欲をそそるような工夫のある出品物がある一方で、未だに商品のラベルがなかったり、あっても情報量が少なく、基本的な管理方法も記載されていないケースも見られた。そのため、多くの審査員から、最低限でも植物名と好ましい置き場所、生育適温は記載するように要望が出されていた。ラベルは情報発信の初歩的な手段なので、もっと充実させるよう各普及課を通じて推進していきたい。
東海鉢物品評会:農林水産大臣賞「モンステラ」

東海鉢物品評会:農林水産大臣賞「モンステラ」

問合せ

愛知県 農業総合試験場

電話: 0561-62-0085

E-mail: nososi@pref.aichi.lg.jp