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有機質肥料の窒素の効き方を予測

ページID:0192625 掲載日:2024年3月27日更新 印刷ページ表示

有機質肥料の窒素の効き方を予測

 有機質肥料は施肥時期によって窒素の効き方が異なることが経験上知られていましたが、その違いを勘ではなく、地温から推定する手法で理論的に予測しました。有機質肥料を効果的に利用した施肥設計に役立ててください。
 有機質肥料に含まれる有機態窒素(タンパク質など)は、下図のように土壌微生物の働きにより分解され、アンモニア態窒素や硝酸態窒素などの植物が吸収できる無機態窒素に変化します。
畑土壌での窒素の動き
 この分解の速度や量は、有機質肥料の原料だけでなく、施肥する時期(土の温度)によっても異なります。
下のグラフは、なたね油かすの窒素の効き方を5月と11月で比較した結果です。同じ肥料でも、施肥する時期が異なると同じ肥料効果が得られるまでの期間に1週間の差がありました。
なたね油かすの窒素の効き方
 このため、有機質肥料の窒素の効き方を把握することは、その効果的な利用(高位安定生産、環境負荷低減、施肥コスト削減など)のために重要です。
 そこで、愛知県農業総合試験場では、県内で流通する各種有機質肥料からの窒素無機化量を地温から導く推定式を作成し、県内の気温条件における施用時期別の窒素の効き方を予測しました。
施肥時期による窒素の効き方の違い
 この予測では、脱脂米ぬかとグルテンフィードの窒素は緩やかな効き方で、魚かす、カニ殻、鶏豚肉骨粉、フェザーミール、皮粉、骨粉、大豆油かす、なたね油かす、あまに油かす、ひまし油かすは、比較的速やかな窒素の効き方であると推定されました。
 例えば、魚かす60kgを8月に施肥する場合、窒素全量(肥料の梱包袋に記載されている生産業者保証票をご確認ください。今回は、下表を参考に7.7%としました。)に、上表の推定窒素無機化量(8月の魚かすは68%)をかけることで、その時期1か月に効くおおよその窒素量を求めることができます。
 この例の場合、下式のとおり約3kgの窒素を植物が利用できると推定されます。
80(kg)× 7.7(%)÷ 100 × 68(%)÷ 100 ほぼ等しい 3(kg)
施肥量    窒素の保証成分量    推定窒素無機化量
調査した有機質肥料

問合せ先

愛知県農業総合試験場
環境基盤研究部環境安全研究室
電話: 0561-41-9511(ダイヤルイン)
E-mail: nososi@pref.aichi.lg.jp