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ひきこもりの若者を抱える家族

ページID:0188081 掲載日:2018年3月27日更新 印刷ページ表示

「ひきこもりの若者を抱える家族」からのメッセージ

<父親・60歳代>


 「なでしこの会」(東海地区の親の会)の紹介:2001年8月に発足。会員数は120名前後で推移。基本的な活動は、月例会の開催。話し合いと講演会を隔月で実施。話し合いでは、苦しみを訴え悩みを共有し、元気を取り戻す。わが子が元気になってきたと話す人が、次第に増える。講演会には、多数の会員が参加。学習効果大。会の運営は大変だが、協力の手が増えてきた。大学との連携も大きな力。
 「私の体験談・・苦闘の14年間より」 27歳の長男。高卒後、ひきこもる。21歳~22歳の頃が特に大変。家庭内暴力、別居、父子間の会話が途絶える。外出は散歩程度。その頃、親の会に参加。本人への対応が変わりだす。会話が復活し、一緒に車で出掛ける。本人は真剣に話す。元気になり、自立したいと訴える。そこに、第三者の風を入れる。恩師の忠告を受け、遠方の施設に行く。そこのA先生は「大丈夫よ。元気になれるわよ。でも、今はまだ力不足。2つのことをしようよ。まず、病院に行きなさいよ。薬の効果で動けるわよ。次に、カウンセリングを受けることです。」アドバイスが効き、動き出す。大切なことは、タイミングか。
 

<母親・60歳代>

 ひきこもりの最初は家族の問題。家族で何とか解決しようと悪戦苦闘している内に、だんだん親子関係がおかしくなり、外からの風も入らなくなり家族機能が麻痺する。
 長男38才は、高校を1年末で退学後バイト等をして30才までは何とかやっていたが、30才半ば、睡眠薬を多量に飲み未遂を起こす。ここ3年くらい落ち着いて来たが、30からの5年くらいが親にとっても本人にとっても一番苦しい時期だった。
 ひきこもりに対する父親の認識は、本人の怠け、母親の甘やかしというものでなかなか本人の苦しみがわからず、父親と本人の間の暴力もあり、お互いにストレスが溜まり、まず父親が別居した。その後本人のストレスは母親に向かい、私も”見捨てはしない”のメッセージをはっきり言い別居した。
 その後、夫婦カウンセリングや、ひきこもり親の会での講演、情報交換などで父親の認識も本人に寄り沿う様に変わり、現在は週1~2回、食事などを一緒にしている。
 親は子どもがひきこもった時、子育てが間違っていたかと自信が無くなるが、ひきこもりは今までの子育てで経験の無い事だから、自信を無くし困惑して当たり前。家族の再生力を信じて保健所に相談したり、親のカウンセリング(本人はなかなか行かないので)を受けたりして”家族”を取り戻してください。
 

平成18年6月30日開催しました「ひきこもり相談研修会」のシンポジウムでの発言内容をシンポジスト自身にまとめていただいたものです。