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令和5年度外部評価結果
令和5年度愛知県森林・林業技術センター研究成果評価検討会議の開催状況
日時
第2回(事後評価) 令和6年2月27日(火曜日) 午後1時30分から午後4時まで
場所
評価委員(敬称略)
所属 | 氏名 |
---|---|
名古屋大学大学院 |
戸丸 信弘(座長) |
設楽森林組合 |
佐々木 公仁 |
鳳来製材協同組合 |
峰野 晋 |
林業経営者 |
後藤 齊 |
評価内容
評価基準
A:このまま続行
B:内容を修正して続行
C:計画を見直して続行
D:課題の中止
事後評価
A:研究目標が十分に達成された
B:研究目標がほぼ達成された
C:研究目標が部分的に達成された
D:研究目標がほとんど達成されていない
報告
第1回研究成果評価検討会議(中間評価)の結果票
研究テーマ 県産材利用拡大に向けた航空レーザ計測データを活用した林分収穫予想表の作成(研究期間 R4~R6)
評価 A
講評
高齢林にも対応した林分収穫予想表の作成を目指して、順調に調査・解析が進められている。航空レーザ計測立地環境データによる地位指数の推定も検討された。高齢林を含んだデータをさらに収集し、地位指数の推定精度を高めて、収穫予想表が作成されることを期待する。
研究テーマ エリートツリーの挿し木増殖技術の開発(研究期間 R4~R6)
評価 A
講評
スギ・ヒノキの効率的な挿し木増殖技術の開発を目指して、「空中さし木法」の検討、各系統の発根特性調査、挿し木苗の施肥条件の検討が進められた。検討項目を整理した上で調査を進め、当初の目的が達成されることを期待する。
研究テーマ エリートツリーの効率的な結実促進技術に関する研究(研究期間 R5~R7)
評価 A
講評
閉鎖型採種園のスギ・ヒノキエリートツリー等における結実促進技術は、種子の量と質を確保する上で重要な技術である。設定した目的を達成すべく試験研究を継続していただきたい。
研究テーマ エリートツリーの雄花形成・花粉採取技術に関する研究(研究期間 R5~R7)
評価 A
講評
閉鎖型採種園のスギ・ヒノキエリートツリー等における雄花形成・花粉採取技術も、種子の量と質を確保する上で重要な技術である。設定した目的を達成すべく試験研究を継続していただきたい。
研究テーマ 少花粉ヒノキの採種木等の育成技術に関する研究(研究期間 R5~R7)
評価 A
講評
閉鎖型採種園の採種木の育成技術として肥料条件および剪定手法を検討する内容となっている。設定した目的を達成すべく試験研究を継続していただきたい。
研究テーマ 早生樹等の生育特性及び強度性能評価に関する研究(研究期間 R5~R7)
評価 A
講評
植栽する早生樹の選択肢を増やすために、クスノキを調査対象としている。設定した目的を達成すべく試験研究を継続していただきたい。
第2回研究成果評価検討会議(事後評価)の結果票
研究テーマ 航空レーザ計測データを活用した渓床の安定勾配の検証(R3~R5)
評価 A
講評
治山ダムの堤高を決定するための計画勾配係数は、現行のものが20年以上前に設定されたものであるため検証の必要がある。本研究課題では、航空レーザ計測データの活用により堆砂勾配や渓床勾配を計測できることを明らかにした。また、計画勾配係数を求めて、新たな計画勾配係数表(案)が作成された。この案に基づき、現行の計画勾配係数表を見直すことができると考えられる。
研究テーマ 早生樹の種苗生産及び育林技術に関する研究(R3~R5)
評価 A
講評
スギ・ヒノキなどの造林樹種以外の植栽材料が求められており、短伐期で収穫可能な早生樹が注目されている。早生樹センダンの育苗方法が検討され、コンテナ苗の生産技術が提案された。また、育林技術として、成長に適した立地条件や施業方法(芽かき)、害虫対策も明らかにされた。種子発芽条件については、さらに検討し、コンテナ苗生産技術を改善していくことが望まれる。
研究テーマ コンテナ苗の生産技術の高度化に関する研究(R3~R5)
評価 A
講評
循環型林業の推進のために種苗の生産拡大が必要であり、苗木の効率的な生産が望まれている。そのため、本研究課題では、ヒノキ苗の生育期間短縮と管理手法が検討されるとともに、スギ・ヒノキコンテナ苗植栽後の成長評価なども行われた。得られた成果は、苗木の効率的な生産に繋がると考えられる。今後とも、調査を継続し、種苗生産技術・手法の改善が期待される。
研究テーマ 強度間伐地における施業効果の評価(R1~R5)
評価 A
講評
下層植生による土壌表面保護および針広混交林化に、強度間伐が有効であると考えられている。本研究課題では、強度間伐の効果を明らかにするため、強度間伐地において土壌流出量や下層植生などに関するデータが収集され、現況が明らかにされた。今後は、対照区と比較して評価を行うことにより強度間伐の施業効果を明らかにすることが望まれる。