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あいちミティゲーション定量評価手法(取組の成果を見える化するツール)
あいちミティゲーション定量評価手法とは
・地域の様々な主体の方々の取組を効果的に進めていくために、取組の成果を測定し、「見える化」するための「共通のものさし」となるツールです。
・一定の区域について、生物の生息生育空間としての質を反映した点数(総ポイント)を表示します。様々な主体の方々が自然環境の保全・再生を行うに
あたって、その場所の特性に合わせたより良い方法を選択するための点数化を行うものです。
・評価する土地の分割・分類を行い、質問に沿って分割した区画ごとに環境条件をExcelファイルへ入力するだけで、その事業計画の評価点が算出され
ます。具体的には、湿性環境や樹林といった環境タイプごとの量と質を、掛け合わせることで得点付けしています。
・ただし、具体的にその区域にどんな生きものがどれだけ生息しているのかは評価に投影されません。特に、絶滅危惧種や希少種について、評価を行うこ
とはできません。あくまでも、様々な主体の方々が自然環境の保全・再生を行うにあたって、その場所の特性に合わせたより良い方法を選択するための
点数化を行うものです。
・一つの事業案を入力し点数を出せば終わりではなく、樹種を変えるなど何度もトライしていただき、より良い取組内容となるよう活用していただきたいと
考えています。
【定量評価計算イメージ】
定量評価手法の使いみち
・この手法は、以下のような事例に活用していただけます。
A.開発事業
自然を点数として評価することにより、開発時の回避・最小化の検討にあたって、影響が少ない計画の立案、複数の計画案の比較などに活用いただけます。また、代償によって創出される自然を点数として把握することにより、失われる自然の量と質を少なくすることに役立てていただけます。
B.ビオトープ創出事業
ビオトープ整備により創出される自然を、点数として評価できます。
複数の取組案の比較、取組成果の発信などに活用いただけます。
C.自然環境保全活動
活動により向上する自然の質を、点数として評価できます。
複数の取組案の比較、取組成果の発信、コラボレーション(協働)の推進などに活用いただけます。
環境タイプ別の、自然の質を高める方法
湿性環境
・人口護岸の割合を少なくする。
・底張りの割合を少なくする。
・外来植物を少なくする。
樹林
・地域に適した植物が多く占めるようにする。
・中層に植物があるようにする。
・外来植物を少なくする。
低木・竹・草地
・地域に適した植物が多く占めるようにする。
・外来植物を少なくする。
その他
・緑地や水辺を、分散せずにまとまりをもって配置したり、周辺の自然とのつながりを考慮して配置する。
・適切に管理されていないことで将来的に自然の質が劣化していく可能性の高い環境において、適切な維持管理を行う(人の手を加えることにより、生物多様性の保全に貢献する)。
【例】
・池や沼での外来動物の駆除(池干しなど)
・竹の侵入しつつある広葉樹林での竹の除伐
・草地での外来植物(セイタカアワダチソウなど)の駆除