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商業振興事業費補助金等に係る調査結果(最終報告)及び交付決定の取消しについて
商業振興事業費補助金等に係る調査結果(最終報告)及び交付決定の取消しについて
愛知県では、商店街振興組合が商業振興事業費補助金等※(以下「補助金」という。)を不正に受給していた問題(平成30年6月6日付記者発表済み)を受け、平成25年度から平成29年度までに補助金の交付を受けた全ての補助団体に対して、補助金に係る経理処理が適正に行われているかを確認するための調査を実施しました。
この度、補助団体及び取引事業者への調査が全て終了しましたので、調査結果及び再発防止策を公表します。
また、調査の結果、不適正に補助金を受給していたことが新たに判明した2団体(一宮市駅西商店街振興組合、まちなか商店街連合)に対し、本日、補助金交付決定を取り消すとともに、補助金の返還を求める措置を講じました。
※商業振興事業費補助金等
・平成24年度~25年度:商業団体等事業費補助金
・平成26年度~29年度:商業振興事業費補助金
1 調査概要
(1)実施時期
平成30年6月22日(金曜日)から11月30日(金曜日)まで
(2)調査内容
ア 1次調査(書面調査)【平成30年6月末終了】
対象:全ての補助団体
内容:県が保管する補助金申請書類を再確認し、不適切な経理処理が行われているおそれがある団体を抽出
イ 2次調査(現地調査)【平成30年11月末終了】
対象:原則として、補助金交付額が20万円以上で、かつ1取引当たりの金額が10万円以上の取引がある補助団体(全117団体)及び取引事業者(全514者)
内容:経理書類の整備状況から不適正な経理処理の有無、組織のチェック体制などについて補助団体の代表者や会計担当者等からヒアリングを実施
2 調査結果
(1)1次調査(書面調査)
区分 | 調査対象 | 調査結果 |
---|---|---|
補助団体 | 132 | ・不適切な経理処理が行われているおそれがある団体はなかった。 ・2次調査対象となる117団体を抽出した。 |
(2)2次調査(現地調査)
ア 調査方法
補助団体及び補助団体と取引きがあった取引業者に対して、現地調査を行い補助金の実績報告書に必要な添付書類(請求書、領収書、通帳の原本等)や帳簿類を確認するとともに代表者等に対してヒアリングを実施した。
イ 調査対象
(ア)補助団体
対象数 | 調査結果 | ||||
---|---|---|---|---|---|
適正 | 交付決定の取消 | 指導 | 解散※ | ||
117 | 86 | 3 | 27 | 1 |
※平成30年3月31日付けで解散済み。
(イ)取引事業者
対象数 | 調査数 | 所在不明等 |
---|---|---|
514 | 446 | 68 |
※交付決定の取消を行った3団体と取引があった取引事業者(13者)以外は、取引に問題はなかった。
ウ 調査結果に基づく措置
(ア)交付決定の取消(3団体)
平成30年11月14日付けで交付決定を取り消した1団体(同日付で記者発表済み)のほか、今回、不適正に補助金を受給していたことが新たに判明した2団体に対して補助金交付決定の取消措置を講じた。
補助団体 | 補助金返還額 | 取消日 | 取消理由 | 備考 |
---|---|---|---|---|
勝川駅東商店街振興組合 | 872,000円 | 平成30年11月14日 | 実績報告の際に補助対象経費を過大に報告して補助金を受給。 | 返還済み |
一宮市駅西商店街振興組合 | 755,000円 | 平成31年2月22日 | 請求書に記載された取引事業者との取引が確認できなかった。 | 詳細は「3 今回の交付決定の取消しについて」 |
まちなか商店街連合 | 385,000円 | 平成31年2月22日 | 請求書に記載された取引事業者との取引が確認できなかった。 |
(イ)指導(27団体)
27団体に対し、以下の主な理由から経理関係書類の管理徹底など指導を行った。
なお、県が保管する補助金申請書類により、取引については適正に行われていたことを確認した。
・経理書類の紛失や5年間の保存期間前に関係書類を誤って破棄していた。(27団体)
・補助金交付事務において、代表者と会計担当者の役割が不明確であった。(3団体) 等
3 今回の交付決定の取消しについて
(1)経緯
昨年6月の補助金不正受給問題を受け補助金調査を実施し、取引事業者に県から調査通知書を送付したところ、「一宮市駅西商店街振興組合」(以下「一宮市駅西」という。)と取引のある事業者の中で、調査通知書を受理したが心当たりがないという者及び宛先不明で未到達の者があることが判明した。
これを受け、下記2団体及び取引事業者へのヒアリングを行った結果、両団体の代表者である理事長(会長)が一宮市駅西分に係る請求書を作成していたことが判明した。請求書に記載された事業者との取引は確認できず、不適正な手続により補助金を受給したものである。
名称 | 一宮市駅西商店街振興組合 | まちなか商店街連合(任意団体) ・一宮市駅西商店街振興組合 ・一宮市人形町2丁目商店街振興組合 ・一宮市神山商店街振興組合 ・一宮市御朱印地商店街振興組合 ・一宮市人形町商店街振興組合 ・一宮市伝馬通2丁目商店街振興組合 ・一宮市銀座通商店街振興組合 |
---|---|---|
所在地 | 一宮市八幡2-3-6 | 同左 |
代表者 | 理事長 藤田稔 | 会長 藤田稔 |
設立年月日 | 昭和54年9月3日 | 平成19年6月28日 |
組合員数 | 44名(平成30年4月1日現在) | 7商店街振興組合 |
補助事業 | ・キラキラコンサート ・イルミネーション装飾 |
七夕まつり |
(2)交付決定の取消等
ア 根拠
愛知県補助金等交付規則(以下「規則」という。)第16条第1項違反
【規則第16条(抜粋)】
(決定の取消し)
第十六条 知事は、補助事業者等が、補助金等の他の用途への使用をし、その他補助事業等に関して補助金等の交付の決定の内容又はこれに付した条件その他法令又はこれに基づく知事の処分に違反したときは、補助金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる。(以下、略)
イ 内容
一部取消(補助金の証拠書類として県へ提出した請求書に記載された取引事業者との取引が確認できなかった部分を取り消す。)
ウ 取消日
平成31年2月22日(金曜日)
エ 補助金返還額及び加算金
団体名 | 対象年度 | 補助金返還額 | 加算金※ | 合計 |
---|---|---|---|---|
一宮市駅西商店街振興組合 | 平成26~29年度 | 755,000 | 210,101 | 965,101 |
まちなか商店街連合 | 平成27~29年度 | 385,000 | 97,608 | 482,608 |
計 | 1,140,000 | 307,709 | 1,447,709 |
※加算金は、平成31年2月22日現在で仮算定した額。
加算金は、補助金の受領の日から返還金の納付の日までの日数に応じて、年10.95%の割合で計算した額(規則第18条第1項)
4 再発防止策
今回の商業振興事業費補助金等の不正受給を受け、検査方法の改善、コンプライアンス意識向上のための措置等を内容とした再発防止策を策定し、適正な事務の執行に努めることとする。
(内容)
・補助金に係る検査方法の改善
補助事業が完了した翌年度以降にも必要に応じて検査を実施する。
・相談窓口の設置
商業振興事業費補助金の利用等について、愛知県産業労働部商業流通課内に相談窓口を設置する。
・コンプライアンス意識向上のための措置
県による補助団体理事等に対するコンプライアンス研修を実施する。
・補助金交付手続の見直し
原則、補助団体が取引事業者と1万円以上(現行10万円以上)の取引をする場合は、金融機関を経由することとする。
問合せ
愛知県産業労働部商業流通課
商業振興グループ
担当 間宮、桜井
内線 3353、3354
(ダイヤルイン)052-954-6337