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クルマエビの放流効果向上のために

ページID:0037610 掲載日:2023年1月10日更新 印刷ページ表示

クルマエビの放流効果向上のために

クルマエビは愛知県の「県の魚」に指定されており、本県にとって最も重要な水産物の一つです。愛知県のクルマエビ漁獲量は全国漁獲量の2割を超えており、古くから資源を維持・増大するために積極的な放流事業が展開されてきました。近年では全長15 .0~20.0 mmの種苗約2,000万尾を伊勢・三河湾内に放流しています。

愛知県では昭和54年度に栽培漁業センターで種苗生産が開始されて以降、放流前に囲網等を用いて中間育成を実施してきましたが、中間育成を実施するには多くの人的コストや設備コストがかかるため、平成23年度からは直接放流に移行しました(図1)。

放流方法の移行に伴い、また全国的に見られる平成元年頃からのクルマエビ漁獲量の減少に歯止めをかけるべく栽培漁業グループでは、水産総合研究センター、三重県、両県の種苗生産施設及び民間企業と共同で、早期種苗生産技術http://nria.fra.affrc.go.jp/hakko/guidebook/index.html)、遺伝子標識を用いた親子判別技術¹を開発しました(図2)。これらの技術を用いたクルマエビ放流効果調査を実施した結果、早期に放流することでヒメハゼ等による食害の影響を軽減させ(図3)、放流効果を高められることが明らかとなりました。

放流方法の移行(囲網方式(左)から直接放流(右)へ)

図1.放流方法の移行(囲網方式(左)から直接放流(右)へ)

遺伝子標識を用いた親子判別のイメージ

図2 遺伝子標識を用いた親子判別のイメージ

稚エビを捕食していたヒメハゼ

図3.稚エビを捕食していたヒメハゼ

1 遺伝子標識を用いた親子判別技術

 採卵に用いた雌親エビのDNA情報を記録しておき、水揚げされたエビから取得したDNA情報と照らし合わせることで親子関係を判別する方法です。ヒトの親子判別も同様の原理で行われます。


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電話: 0569-65-0611
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