都市計画のしくみ

私たちの住んでいるまちをながめてみると……

　まちの中心には、鉄道の駅やバスのターミナル、タクシー乗り場などが見えます。そのまわりにはデパートや劇場、映画館、飲食店などが集まり、たくさんの人でにぎわっています。その隣には、銀行、証券会社の事務所などのオフィス街が広がり、県庁・市役所・国の機関などの官公庁施設もこのあたりにあります。これらの土地には背の高い建物が立ち並んでいます。
　まちの中心から郊外に目を向けると、戸建の閑静な住宅地が広がっており、鉄道駅の近くにはマンションなども見え、これらの住宅地の中には、小中学校、郵便局、スーパーなど生活に必要な施設がそろっています。
　また、海の近くの埋立地には大きな工場、発電所などが集まっていて、海ではタンカーなど、陸ではトラックやトレーラーなどが行き交っています。

　まちには交通の骨となる幹線道路が縦横に走り、網目状の細かな道路へと続いています。
道路には緑豊かな街路樹が植えられ、歩く人たちにやすらぎを与えてくれます。
　あちこちに大小さまざまな緑豊かな公園も見られます。家族連れ、子供たちが思い思いに楽しく、憩い、遊んでいます。
　下水処理場がつくられると、家庭などから出る汚れた水は道路の下に埋められたパイプでここに運ばれ、きれいな水に生まれ変わり、海に流されます。この下水処理場のおかげで川や海の水がだんだんきれいになります。

　郊外の住宅地の隣では宅地の造成が行われています。ここでは区画整理事業により、建物が建つ敷地とこれを支える道路・公園・上下水などが計画的に造られています。
　古くなった駅前商店街では、人通りも少なく昔のような活気がありません。ここでは、昔以上に活気あるまちを造るため、地元の人たちが集まって再開発事業の計画を立てています。事業が完了すると、駅前に高層の再開発ビルが建ち、ビルの低中層階はテナント・事務所、上層階は住宅となる予定です。またビルの周りには広場や道路も併せて整備される予定になっています。　まちの中心から遠くを眺めると、緑に包まれた山々が見えます。そのふもとには田や畑が広がっていて良好な農業が営まれています。伝統ある神社仏閣には大きな木が生え、山からは川が流れ、これらの緑豊かな自然は、まちの公園・街路樹らとともにまち全体に潤いと安らぎを与えてくれます。

　このように、私たちのまちは、住宅、店舗、工場などの建物と、道路、公園、下水道などの公共施設によってかたちづくられ、緑やきれいな水によって潤いが保たれています。
　都市計画は、さまざまな規制・誘導を行うことによって、私たちの住んでいるまちを、より住みよいものにするために、大切な役割を果たしています。