本県に影響を及ぼすことが懸念される地震として、海溝型地震である東海地震、東南海地震、南海地震や内陸型地震である濃尾地震の再来などが想定されています。
 平成13年6月、国の中央防災会議において東海地震の想定震源域が従来よりも愛知県寄りに見直され、14年4月には東海地震に係る地震防災対策強化地域が従来の新城市1市から、名古屋市を含む58市町村に拡大して指定されました。一方、国の地震調査研究推進本部は13年9月、東南海地震の今後30年以内の発生確率を50%程度と公表いたしました。
 こうした大規模地震発生の切迫性を受けまして、国、県、市町村、防災関係機関の責務・対応を定めております愛知県地域防災計画の全面的な見直しを行いました。
 そして、地震に強い愛知県をめざし、愛知県地域防災計画の実効性を高めるために、本県が今後5か年で取り組むべき地震防災施策をとりまとめた行動計画「あいち地震対策アクションプラン」を新たに策定することといたしました。
 このプランでは、「地震の発生は不可避でも震災は軽減できる」を理念として、地震の発生や警戒宣言発令等の事態に対応するため、(1)防災協働社会の形成、(2)防災型まちづくりの推進、(3)災害対策活動への備えを三つの目標として掲げています。施策体系としては、七つの柱を設定し、その下に中心となる40の対策アクションを定めて、地震防災対策を計画的・効果的に推進することとしております。
 国、県、市町村、ライフラインなどの防災関係機関は、それぞれの立場で防災力を強化し、地震防災対策を実施いたしますが、その活動には時間的にも量的にも限界があることも事実です。そのため、行政のみならず地域のコミュニティ、企業、NPOなど様々な主体が役割を分担し、防災協働社会の実現に向かって、防災対策に一体となって取り組んでいくことが大切です。
 県民の皆様におかれましても、地震の発生や警戒宣言発令に備えて、水・食糧・生活必需品の家庭内備蓄や家具等の転倒防止措置を実施するとともに、地域における防災訓練にも積極的に参加いただくなど、実践的な活動を進めていただきますようお願い申し上げます。

         平成14年11月
愛知県知事 神 田 真 秋