最近の国の地震に関する調査結果などから、東海地震だけでなく、東南海地震など大規模地震発生の切迫性が高まっており、地震防災対策を従前にも増して強化する必要があります。

(1) 東海地震
 平成13年に国の中央防災会議において、東海地震の想定震源域が50kmほど愛知県寄りに見直され、平成14年4月24日に、内閣総理大臣から地震防災対策強化地域が従来の新城市1市から名古屋市を含む58市町村に拡大指定されました。こうしたことから東海地震が発生した場合には、愛知県の多くの地域で甚大な被害の発生が予想されますので、適切な対策が必要となります。

(2) 東南海地震
 国の地震調査研究推進本部から、平成13年9月に東南海地震の今後30年以内の発生確率は50%程度、マグニチュードは8.1前後との公表がなされ、同年12月には想定東南海地震における震度試算結果として、知多市で震度6弱相当以上、名古屋市では震度5弱相当から5強相当だが場合によっては6弱相当以上になるとの公表がなされました。
 また、平成14年7月26日に「東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」が公布され、東南海・南海地震を想定した地震防災対策を強化することが喫緊の課題となっております。


 アクションプラン策定に当たっては、次のような経済社会情勢の変化を考慮する必要があります。

(1) 災害弱者の増加
 少子高齢化の進展による高齢者の増加や国際化の進展による外国人旅行者・労働者など日本語を十分に理解できない人々が増加しています。こうした災害対応能力の低い、いわゆる災害弱者の増加に適切に対応する必要があります。

(2) ITの進展
 コンピュータ、インターネット、携帯電話などIT(情報技術)の進展はめざましいものがありますので、ITを防災情報の収集・提供に活用することによって、行政、防災関係機関、県民の間で防災情報の共有化をめざす必要があります。

(3) 個人・地域社会の災害対応能力の低下
 地域社会の変化の中で個人と地域社会の災害対応能力の低下が憂慮されておりますが、地震発生時は行政や防災関係機関が直ちに対応できないため、家庭や地域社会での対応が重要になりますので、自主防災組織の活性化など地域の取り組みが必要となります。

(4) NPOなど新たな組織の台頭
 従来型の地域社会の枠にとらわれない防災ボランティアグループなどのNPO団体や組織が災害時に活躍していますので、災害時のみではなく平常時からこれらの団体と連携を図っておく必要があります。