愛知県衛生研究所

水道水のかび臭について

2020年7月1日更新

厚生労働省の調査によると、毎年、各地で異臭味被害が発生しています。その異臭味被害の大部分は水道水にかび臭がするというものです。その原因となる物質は、下に写真を示したシュードアナベナ属やドリコスペルマム属などの藍藻類や放線菌が産生する2-メチルイソボルネオ−ル(2-MIB)やジェオスミンです。これらは極微量(0.01μg/L)でも嗅覚で感知される物質です。

愛知県ではかび臭被害はほとんど発生していませんが、昭和54年(1979年)に下山村(現豊田市)の羽布ダム(三河湖)で異臭味が発生し、この水を原水としている水道でかび臭が発生したことがあります。その後、数回にわたり発生したことがありましたが、昭和63年(1988年)以降は湖水の循環ばっ気を行なうことによりかび臭の発生はみられなくなりました。

2-MIBを産生するPseudanabaena sp.の顕微鏡写真
2-MIBを産生するPseudanabaena sp.の顕微鏡写真
ジェオスミンを産生するDolichospermum sp.の顕微鏡写真
ジェオスミンを産生するDolichospermum sp.の顕微鏡写真