定例議会・臨時議会情報
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委員会審査状況
新型コロナウイルス感染症対策特別委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和3年9月14日(火) 午前9時58分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
直江弘文、かじ山義章 正副委員長
水野富夫、神戸洋美、川嶋太郎、高桑敏直、石塚吾歩路、藤原宏樹、丹羽洋章、
ますだ裕二、鈴木雅博、富田昭雄、鈴木 純、日比たけまさ、黒田太郎、おおたけりえ、
荻原宏悦、神谷まさひろ 各委員
防災安全局長、防災部長、保健医療局長、同技監、健康医務部長、
生活衛生部長兼医薬安全課長、感染症対策局長、同技監(2名)、感染症対策調整監、
経済産業局長、産業部長、中小企業部長、観光コンベンション局長、観光推進監、
関係各課長等
<議 題>
1 新型コロナワクチンの接種状況について
2 医療提供体制の確保について
<会議の概要>
1 開 会
2 議題について理事者から説明
3 質 疑
4 休 憩(午後0時12分)
5 再 開(午後0時59分)
6 閉 会
(主な質疑)
【委員】
ここ数日の新規感染者数は減少傾向であるものの、第5波の感染急拡大により、自宅療養者数は1万人を超えていると聞いているが、最新の自宅療養者数を伺う。
【理事者】
9月13日午後6時現在における自宅療養者数は、1万3,268人である。
【委員】
資料に、9月12日時点の病床使用率が58.9パーセントであると示されているが、実際に使用可能な病床はどの程度あるのか。
【理事者】
最新の確保病床の入院患者数は991人であり、病床使用率は57.5パーセントである。本県の7日間平均の病床使用率は8月30日に50パーセントを超え、ステージ4となった。
公表している病床使用率は、前日の午後6時の一時点における入院者数から計算しているため、病床使用率が例えば60パーセントであっても、1日を通して見た場合、入退院によって多くの患者が病床を使用している。こうしたことから、病床の逼迫度を示す国の指標では、病床使用率が50パーセント以上の状況をステージ4としており、本県でも同様の指標としている。
また、新型コロナウイルス感染症患者が退院した後のベッドの清掃や消毒には、通常に比べ多くの人手と時間を要するため、次の患者の受入れまでに時間がかかる。さらに、患者の受入れ時には多くの人手を要することから、同時に複数の患者を受け入れることが難しいほか、医療機関の人員配置が手薄となる夜間等の時間帯では、空床があっても新たな患者の受入れが困難な場合がある。
【委員】
病状別の内訳を伺う。
【理事者】
9月13日午後6時現在で、全ての入院患者数1,016人の内訳は、軽症が565人、中等症が369人、重症が82人である。
【委員】
病床の多くを軽症者や無症状者が占めている現在の状況を改善しなければ、中等症以上の患者への医療提供体制の確保につながらないと思う。中等症以上の患者への病床確保のため、後方支援医療機関との連携が必要と考えるが、本県ではどのような状況であるのか。
【理事者】
本年2月から、厚生労働省の退院基準を満たす患者を受け入れてもらう県内の病院を募っており、9月3日時点で、176病院が患者の受入れを行っている。
【委員】
自宅療養者が、病状が急変した場合に病院に入れないことがないよう、病床の確保や受入れ施設の効率的な稼働に努めてほしい。
次に、国は、都道府県が設置する保健所が、保有する個人情報の一部を管内市町村に提供できていないため、自宅療養者に生活必需品を円滑に届けられない可能性があると指摘しているが、本県の市町村に対する個人情報の提供については、どのような状況であるのか。
【理事者】
国から、本年8月25日に、都道府県と市町村が連携して行う自宅療養者に対する生活支援について事務連絡があり、9月6日に、都道府県と市町村が連携して自宅療養支援に取り組むよう通知があった。自宅療養者の支援に当たっては、都道府県から市町村に個人情報を提供する必要があることから、現在、愛知県個人情報保護条例の規定を踏まえ、前向きに検討している。また、自宅療養者の支援を行う市町村と調整を図りながら、自宅療養者が必要な支援を受けられ、安心して療養できるよう努めたい。
【委員】
現状では、本県は市町村に個人情報の提供を行っているのか。
【理事者】
現状では、15歳以下の個人に係る個人情報については、市町村に提供している。
【委員】
16歳以上の個人に係る個人情報については、都道府県によっては、個人情報保護条例を踏まえて提供に慎重なところもあると聞いているが、本県が提供を行っていない理由を伺う。
【理事者】
本県でも、愛知県個人情報保護条例を踏まえて検討している段階である。
【委員】
厚生労働省や総務省から、生活支援に必要な個人情報の提供は、緊急性があるため行うよう通知があったと聞いている。本県も、早急に全ての個人情報を市町村と共有し、自宅療養者が生活支援を受けられないことがないよう努めていく必要があると思うが、県の考えを伺う。
【理事者】
国からの通知のとおり、自宅療養者への支援が必要であることは承知しており、個人情報の提供については、検討している段階である。
【委員】
1万人以上もいる自宅療養者がきちんと生活支援を受けられるよう、早急に進めてほしい。また、容態が急変した患者が医療機関に入れないことがないよう、医療提供体制の確保に努めてほしい。
【委員】
病床確保に係る補助金を受け取っているが、実際には患者を受け入れていない医療機関があると報道された。こうした事例は本県であったのか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症患者の受入れ病院については、本年8月25日に確保病床の85パーセントを受け入れてもらうよう通知するなど、積極的な受入れを依頼しており、それぞれの病院に応じて患者を受け入れていると承知している。
【委員】
今の答弁では、本県では、病床確保に係る補助金を受け取っているが、患者を受け入れていない医療機関はないと理解してよいか。
【理事者】
本県における状況については、後ほど答弁する。
【委員】
病床確保に努めてほしいが、ベッドを確保しても、人が不足すれば稼働できない。一部報道で、例えば重症者用施設を持つ病院でも、集中治療専門医が不在の場合があることが取り上げられた。また、本年7月末の時点で、重症者用ベッドの稼働のためには国内で最低でも4,500人程度の専門医が必要とされるが、1,850人程度しかいないとする別の報道もあった。
本県では、医師不足のため、ベッドは確保したものの稼働できない状況があるのか。また、そうした状況がある場合は、件数を伺う。
【理事者】
重点医療機関の申請及び認定に当たっては、専門医とは限らないが、対応できる医師を配置して対応可能な体制が整っていることが前提となる。したがって、本県としても、重点医療機関については、必要な医師が配置されていると認識しているが、具体的な医師の数等については把握できていない。
【委員】
この1年半、県民には、緊急事態宣言等の発出に伴い行動自粛等を要請してきた。もちろん感染拡大防止のためであるが、医療逼迫を招かないためにも要請したことは否定できないと思う。そうであるならば、行政や政治は、県民に要請するだけではなく、医療提供体制を確保する責務があると思う。第6波に備えて、引き続き医療提供体制の確保に努めてほしいが、病床確保について、今後どの程度まで取り組むべきと考えているのか。また、医療従事者が不足しているのであれば、どのように医療従事者を確保するのか。あわせて、宿泊療養施設の設置に係る今後の方針について伺う。
【理事者】
病床確保について、現段階では具体的な数値目標はないが、医療の提供に必要な病床の確保に引き続き取り組んでいきたい。
【理事者】
宿泊療養施設について、本年9月15日に蒲郡ホテル114室が開設される。今後については、新規感染者数の推移を見守りながら、感染者数と地域のバランスを考慮しながら開設を準備していきたい。
【委員】
新規感染者が爆発的に拡大した第5波では、保健所業務が逼迫して、PCR検査がすぐに受けられない状況が発生したと聞いている。資料によると、PCR検査については1日当たり1万2,000件、抗原検査については1日当たり3万3,000件、合計4万5,000件の検査能力があるとされているが、第5波の状況を見ると、この検査能力が十分に発揮されたのかと疑問に感じる。県は、第5波における検査状況をどのように受け止めているのか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染者に係るPCR検査の体制については、県全体で1日当たり1万2,000件の検査能力を確保しており、十分に対応できていると考えている。
一方、濃厚接触者等の検査について、県保健所の検体採取の受付件数に限りがあることから、新規感染者の急増により、検査までに数日を要する事例があった。こうしたことを踏まえ、本年8月13日に国から、地域で必要な行政検査が迅速に実施できるよう、緊急事態宣言対象地域等においては医師が陽性と診断した者の同居家族等の濃厚接触の可能性がある者についても検査を促し、なるべく検査を実施するよう通知があり、医療機関で迅速な行政検査が可能となった。
本県でも、この通知を踏まえ、同日付けで愛知県医師会等関係団体に通知し、医療機関で行政検査が実施できるよう協力を依頼している。この制度の運用によって、行政検査が迅速に行われ、適切な医療につなげていくことができると考えている。
【委員】
本年9月定例会で、PCR検査機関における検査機器の整備のための予算に係る議案が提出されているが、検査に時間を要した原因が人員不足にあるのであれば、検体採取に携わる人員体制を強化してほしい。また、医療機関へ協力を依頼する際は、国の通知の趣旨などをしっかりと伝えてほしい。
医療機関で検査する場合は、行政検査として検査料は無料となるが、初診料が必要とされる。県が初診料を負担する考えはあるのか。
【理事者】
行政検査として検査料は負担するが、初診料については、今のところ公費での対応ができていない。
【委員】
初診料の公費負担について検討してほしい。
【委員】
第5波では、自宅療養者への経過観察や濃厚接触者へのヒアリングなど、保健所業務が全国的に見ても非常に逼迫したと聞いている。一方で、自宅療養の経験者から、療養中は息苦しさや頭痛を抱えるなどして非常に不安であったが、深夜に保健所の職員からの経過観察の電話を受けたときは、安心感や心の支えにつながったと聞いている。人員不足の中で大変な業務をこなしている保健所の職員には頭が下がる思いであり、医療従事者と同様に感謝と敬意を表したいが、職員の体調が非常に心配である。保健所職員の時間外勤務はどのような状況であるのか。
【理事者】
保健所全体で、7月は、時間外勤務が80時間を超えた職員は5人であったが、8月には、第5波の患者の急増により、時間外勤務が80時間を超えた職員は80人以上となった。これを受け、現在、本庁等からも多数の応援職員を派遣している。
【委員】
保健所への職員の派遣について、具体的な状況を伺う。
【理事者】
本庁及び地方機関の保健師、薬剤師、獣医師等専門職の職員を毎日最大で21人派遣している。また、市町村から、1日最大で11人の保健師が応援に入っている。さらに、他局から、毎日104人の事務職の職員が派遣されている。そのほかに、昨年度からの感染症対策局の事業として、外部委託の看護師が30人以上派遣されている。
【委員】
職員の派遣を進めてほしいが、職員数にも限りがあるため、新型コロナウイルス感染症に係る保健所業務の改善が必要となる。保健所における業務改善の取組状況について伺う。
【理事者】
感染症対策局が、外部委託可能な業務については外部委託を進めている。保健医療局としては、保健所の全職員が新型コロナウイルス感染症対策に注力できるよう、保健所に対して、縮小、延期可能な業務を具体的に示すとともに、その後の各保健所の対応について、全保健所に情報提供している。また、メールを活用した健康観察など各保健所の取組について、全保健所に情報提供しており、業務改善に役立ててもらっている。いずれにしても、感染症対策局とともに、今後も保健所の支援を進めていきたい。
【委員】
業務の外部委託や改善に積極的に取り組み、保健所の負担を減らしてほしい。また、保健所で採取した検体を衛生研究所へ運ぶ業務や、健康観察等の患者との対応など、専門職でなくても対応可能なものについては、看護師にかかわらず広く人材を求めることを検討してほしい。いずれにしろ、保健所の負担を減らすことを今後も考えてほしい。
【委員】
本年8月31日の臨時議会では、高校生等への新型コロナワクチン接種の促進事業について、生徒のニーズの把握や希望者の募集を行う際の注意点として、生徒への説明は統一した内容で行うことや、差別などが生じないようにすることなどが答弁されたが、当該事業の進捗状況を伺う。
【理事者】
病院との調整のため本年9月初旬に行ったワクチン接種の希望聴取では、県立高校で2万2,156人、割合として19.4パーセント、特別支援学校では386人、割合として14.7パーセントが希望した。希望聴取後、病院との調整を担う感染症対策局から約45施設を紹介してもらい、現在、教育委員会が、希望者と施設とのマッチングを進めている。
希望聴取時における教員から生徒への説明は、統一した内容で行う必要があるため、各教室での説明方法は、教育委員会が用意した説明文を担任が読み上げることとしている。中には、学校の放送施設を使って、全校生徒に対して一人の教員が説明を行っているところもあると聞いている。差別などが生じないようにすることは、最も配慮すべき点だと思っており、例えば医療従事者、感染者、濃厚接触者などが周りにいても、そうした人たちの人権侵害につながる言動がないよう、これまでも指導している。こうした中で、今回のワクチン接種についても、あくまで任意であり、個人の自由な判断に基づくものであることを徹底して説明している。
希望聴取方法は、全校生徒に調査票を配付して回収する方式を採っている。具体的には、まず、希望者数の把握のための予備調査を1回行った。その結果を基に病院とのマッチングを進め、現在、2回目の調査を行っている。この調査は、具体的な病院名や日付を示して行われており、病院名を示すことでワクチンの種類も分かることになり、最終的に希望するかを調査している。この調査についても、全校生徒に調査票を配付して回収する方式を採っている。
会場への移動については、人目に触れないための配慮が必要と考えており、当初から、各学校の実情に合わせた移動手段で実施してもらうこととしている。9月12日に一宮市内で開始された第1回目の接種では、できるだけ速やかに行うため、自力で病院に行くことができる人を対象に実施している。今後、実情に応じて様々な移動手段が考えられるが、バスも利用できるよう予算配分している。各学校に対しては、移動人数に応じて、ジャンボタクシー、通常のタクシー、親の送迎、自力での移動など、様々な移動手段の中から各学校が適切に判断して対応してもらえばよいと指導している。
また、希望者数が全体の20パーセントであるため、各学校に5日程度の日程が割り振られているとすると、1日に移動する各学校の生徒数は大体15人から20人までと想定される。人目に一切付かないことはないが、様々な工夫によって最低限に抑えながら行われていくと考えている。
【委員】
私の地元の高等学校は、生徒数が1,200人程度であるため、希望者は240人程度となり、今の答弁を聞くまで、バスが6台程度必要になると思っていた。これでは、人目に付かずに行うことは難しいと思っていたが、移動手段はバスだけではなく、ジャンボタクシーや親の送迎もあり、しかも5日程度に分けて行われるようなので、方法については安心した。また、希望者数が結果として20パーセント程度になったが、私は、当初はもっとたくさんの希望があると思っていた。答弁を聞く中で、差別などにつながるおそれは少なく、希望者が全体の20パーセントであることも、同調圧力が生じにくいと思うので、安心した。
しかし、こうした中、非常に残念な事案が報告されている。生徒に対して、ワクチン接種の有無を挙手で答えさせた学校が幾つかあったことを報道で知った。なぜこうした事例が起きたのか。あわせて、今後の対応についても伺う。
【理事者】
幾つかの学校で、教員が生徒に対して、ワクチン接種の有無を挙手により答えさせた事案が発生した。各事案について校長に聞き取りを行っており、ある事案では、体育の非常勤講師が、薬品などを取り扱う保健体育の授業の中でさりげなく聞いてしまったようである。また、ほかの事案では、担任教員が説明する際に、説明文は用意してあったが、それとは別に、生徒の関心を高めるために行った導入の説明で、接種の有無を聞いてしまったようである。なお、校長からは、当該教員には、ワクチン接種の有無が個人情報に当たるため、聞くことは適切ではないとする意識の希薄さがあったと聞いている。
県教育委員会としては、こうした事案の発生が分かり次第、全県立学校の校長に対して、メールで事案について連絡するとともに、同様の事案を絶対に起こさないよう強く指導している。なお、事案の中には非常勤講師によるものもあったので、非常勤講師にもしっかりと指導してほしいと依頼した。また、緊急事態宣言の延長に係る通知を各学校に出す際にも、こうした事案について改めて触れており、ワクチン接種の有無は個人情報として慎重に扱い、その管理については適切に行うよう指導した。
【委員】
差別などにつながらないよう、徹底してほしい。
次に、宿泊療養施設について、部屋が空いていても、人手不足により希望者が入所できない状況はあるのか。
【理事者】
現在、医師については、愛知県医師会に依頼して確保しており、看護師についても、委託業者、派遣業者等で確保している。十分とはいえないが、数としては確保している。
【委員】
次に、妊婦または夫、パートナーに対するワクチン接種を行う事業について、現在までの接種状況を伺う。また、市民から寄せられた質問であるが、妊婦については胎児や母乳への影響を鑑みて、薬の服用や風しんワクチンの接種ができないとされているが、なぜ新型コロナワクチンは接種してもよいのか。加えて、薬によっては年齢によって服用量が異なる場合があるが、なぜ新型コロナワクチンは年齢や体の大きさにかかわらず、一律の分量で接種を行うことができるのか。
【理事者】
本年8月23日から、妊婦または夫、パートナーへの接種を進めており、9月12日時点で妊婦3,339人、夫、パートナー2,429人、合計5,768人に大規模集団接種会場で接種を行っている。
接種による胎児や母乳への影響については、厚生労働省のホームページに掲載されている新型コロナワクチンのQ&Aによると、妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の場合でもワクチンを接種することができるとされている。また、海外での検査も踏まえ、日本で承認されているワクチンについては、妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすものではないと同ホームページで付記されている。加えて、妊娠中については、8月14日に、産科婦人科学会等から、妊娠中のワクチン接種を推奨すると通知されている。また、風しんワクチンについては、病原性を弱めたウイルスを使用した生ワクチンであるため、接種後に軽度の風しん症状を起こしかねないものであるが、新型コロナワクチンについては、mRNAワクチンであるため、新型コロナウイルスに感染することはなく、妊娠中等でも接種できると認識している。
年齢等が異なる場合でも接種量が同じであることについては、ファイザー社のワクチンは、当初、16歳以上を対象に特例承認を受けていたが、その後、対象範囲を拡大し、12歳から15歳までについても接種できることとされた。その際の臨床試験で、16歳以上と同じ分量で接種を行い、安全性と有効性が評価されている。このような臨床試験を経て、国での承認を受ける過程の中で、年齢にかかわらず同じ接種量、同じ接種回数で定められたと承知している。
【委員】
承知した。ただし、厚生労働省は、風しんワクチンについて、安全なワクチンで妊娠中に接種しても胎児に障害が出たとする報告は世界的にもないが、その可能性は理論的に全く否定されているわけではないため、打たないでほしいと説明している。これは、安全を期すために控えてほしいとする慎重な姿勢であるが、新型コロナワクチンについて慎重さが揺らぐものではないか。私としては、妊婦へのワクチン接種が本当によいのか疑問に思っている。
【委員】
世代別の新型コロナワクチン接種率では、若者の接種率が低い状況にある。その理由として、SNS上の様々な情報により、若者はワクチン接種を避けているとする見方がある。その情報の中でよく取り上げられるものとして、厚生労働省が公表する新型コロナワクチン接種後死亡例があるので、この数値の見方について正しい認識を持つために順次、質問する。
厚生労働省が公表する新型コロナワクチン接種後死亡例について、対象期間、接種回数、死亡例の数、死亡例の接種回数に対する比率を伺う。
【理事者】
ファイザー社のワクチンについては、本年2月17日から8月22日までの期間で、接種回数は1億180万9,021回、副反応が疑われる死亡例は1,076件、死亡例の接種回数に対する比率は100万回に対して10.6件である。
モデルナ社のワクチンについては、本年5月22日から8月22日までの期間で、接種回数は1,650万1,085回、副反応が疑われる死亡例は17件、死亡例の接種回数に対する比率は100万回に対して1.0件である。
なお、アストラゼネカ社のワクチンについては、本年8月3日から8月22日までの期間で35回接種しており、死亡報告はない。
【委員】
今答弁のあった内容について、本県における数値を伺う。
【理事者】
ワクチン接種記録システムや副反応疑い報告の件数等を確認したところ、ファイザー社のワクチンについては、接種回数は550万52回、副反応が疑われる死亡例は21件、死亡例の接種回数に対する比率は100万回に対して3.8件であり、国よりも低くなっている。
モデルナ社のワクチンについては、接種回数は85万1,107回、副反応が疑われる死亡例は1件、死亡例の接種回数に対する比率は100万回に対して1.2件である。
アストラゼネカ社のワクチンについては、評価期間中にまだ接種が開始しておらず、該当がない。
【委員】
副反応が疑われる死亡例は、医師から副反応を疑って報告されたものと認識してよいか。
【理事者】
医師から因果関係不明な場合も含めて、副反応を疑う事例として広く収集された件数である。
【委員】
副反応が疑われる死亡例について、ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの、ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの、ワクチンと死亡との因果関係が評価できないものの件数を伺う。
【理事者】
国における件数として、因果関係が否定できないものは、ファイザー社もモデルナ社も1件もなかった。因果関係が認められないものは、ファイザー社が7件、モデルナ社が1件である。残りは因果関係が評価できないものとなるため、ワクチンと死亡との因果関係が評価できないものは、ファイザー社が1,069件、モデルナ社が16件である。
【委員】
因果関係が評価できないとは、厚生労働省はどのように示しているのか。
【理事者】
検討部会の資料によると、情報不足等によるとコメントが付いている。
【委員】
先ほど答弁のあった対象期間における、新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数と死亡者数を伺う。
【理事者】
その期間において、新規陽性者数は88万1,338人、うち死亡者数は8,529人、その比率は1パーセントである。
【委員】
今答弁のあった内容について、本県における数値を伺う。
【理事者】
対象期間における本県の数値について、新規陽性者数は4万2,826人、うち死亡者数は537人、その比率は1.3パーセントである。
【委員】
対象期間における、新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数と死亡者数について、陽性と死亡との因果関係が評価できないものはあるのか。陽性者が亡くなった場合は、全て死亡者数に入るのか。
【理事者】
陽性者が亡くなった場合は、全て死亡者数に入る。
【委員】
ワクチン接種後死亡数と同様に因果関係が評価できないものがあるため、陽性後の死亡者数とワクチン接種後死亡数は、比較の対象になり得ると思う。
次に、インフルエンザワクチン接種について、昨年に入ってからインフルエンザの発症が激減しているので、対象期間を2018年後半から2019年前半として、対象期間、接種回数、死亡例の数、死亡例の接種回数に対する比率を伺う。
【理事者】
2018年10月1日から2019年4月30日までの期間で、接種回数は5,251万1,510回、死亡例は3件、死亡例の接種回数に対する比率は100万回に対して0.057件である。
【委員】
今答弁のあった内容について、本県における数値を伺う。
【理事者】
同様の期間において、死亡例はないが、接種回数のデータがないため接種回数、接種回数に対する比率は不明である。
【委員】
インフルエンザワクチンについても、死亡例は医師から副反応を疑って報告されたものでよいか。
【理事者】
そのとおりである。新型コロナワクチンと同様の扱いである。
【委員】
インフルエンザワクチンについて、ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの、ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの、ワクチンと死亡との因果関係が評価できないものの件数を伺う。
【理事者】
ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの、因果関係が認められないものはなく、因果関係が評価できないものは3件である。
【委員】
これまでの答弁で、新型コロナワクチン接種後死亡者数は、新型コロナウイルス感染症の陽性者が亡くなる数よりは小さく、インフルエンザワクチン接種後死亡者数よりは大きいことが確認できた。
このようにデータの蓄積により見えてくるものを生かして、政策の質を高めてほしい。現時点では情報不足等により因果関係が評価できなくても、少しずつ見えてくるものがあれば、それを政策に反映してほしい。飲食店に対する規制についても、右も左も分からず、手探りだったときは仕方がないが、今は、感染経路別では飲食店の比率が小さいことも分かってきたので、こうしたことを政策に反映させてほしい。ただ、この話を進めると、国の方針が壁となる。しかし、せめて県の裁量が及ぶ範囲で、例えば厳しい基準であるニューあいちスタンダードの認証店には営業の自由を認めるなど、同じことを繰り返すのではなく、進化と磨き上げに努めてほしい。
【委員】
本年9月1日時点の療養者数は、県が当初想定した人数を1万2,476人超えたと報道されたが、これは事実であるのか。
【理事者】
手元に資料がないため答弁できない。
【委員】
新聞報道では、想定から乖離した数としては、本県が全国で最多である。2位の東京都が9,655人、3位の神奈川県が8,614人であり、本県が突出している。想定が甘かったのではないか。確かに想定は難しいと思うが、これだけ人数の乖離があると、計画を立てても追いつかない状況になる。人数の乖離が全国で最多となったことについて、なぜこれだけ乖離したのか、どのように次に生かすのかなどをしっかりと検証し、医療提供体制に負担がかからないよう、第6波に備えてほしい。
次に、若者への接種の促進に向けた知事の動画配信、あいちワクチンステーション栄の設置、抽選で1万円の食事券を提供する事業など、県全体としては、若者のワクチン接種の促進に取り組んでいるが、学校では、ワクチン接種は自由であると生徒に説明しており、高校生は非常に混乱している。こうした状況について、県はどのように考えているのか。
【理事者】
生徒には、接種は自由であると伝えているが、先ほど答弁したとおり、今回の促進事業に関しては、全生徒に同じ説明がされるよう、説明文を用意した。その冒頭で、そもそもワクチンを接種すべきかどうかについて触れている。具体的には、まず、新型コロナワクチンの接種は予防接種法で努力義務とされていることや、新型コロナウイルス感染症はそうした病気であることを説明した後で、個々の事情や考え方に合わせて、最後の判断は自由であると説明しているので、接種を勧めている意図は伝わっていると思っている。
【委員】
一部の高校生から困惑の声が寄せられているので、若者への接種の促進に取り組んでいる県の立場を明確にして、情報発信してほしい。
【委員】
学校等でのクラスターなどにより、12歳から15歳までの児童生徒の感染が増えているが、こうした児童生徒に対する新型コロナワクチン接種は進んでいない。専用窓口を設置するなど、接種促進の取組は考えているのか。
【理事者】
若者の接種促進のため県では二つの柱を立てている。一つ目が接種機会の積極的な提供であり、二つ目が周知や広報である。一つ目の取組としては、あいちワクチンステーション栄の設置が挙げられ、二つ目の取組としては、若者のワクチンへの関心を高めるため、チラシやSNSによる情報発信、インセンティブの取組が挙げられる。
【委員】
若者全体ではなく、12歳から15歳までの児童生徒への対策について伺う。
【理事者】
県教育委員会が高校生のワクチン接種の促進に取り組む中、市町村においても中学生のワクチン接種を促進するよう、県教育委員会及びワクチン接種体制整備室から市町村に対して働きかけを行っている。市町村の中には、個別接種や集団接種で中学生を対象にした優先枠を設けているところや、積極的なPRを行っているところもあると聞いている。また、市町村教育委員会においても、接種促進に向けた取組を進めていると聞いている。
【理事者】
本年9月10日に市町村教育委員会を通じて、中学生の接種状況について五つの選択肢を用いて確認した。
まず、接種中を含めて優先はしていないが既に接種済みと回答した市町村は16団体であった。なお、接種期間は7月から9月までである。次に、接種中を含めて優先して接種済みと回答した市町村は16団体であった。なお、接種期間は同様に7月から9月までである。次に、今後、優先して接種を予定していると回答した市町村は11団体であった。なお、接種期間は9月から10月までである。次に、優先接種を今後検討すると回答した市町村は3団体あった。最後に、優先接種はしない、考えていないと回答した市町村は7団体であった。このことから、各市町村で接種が順次進められていると受け止めている。
【委員】
家族等が濃厚接触者になった場合、病院で行政検査ができる旨を保健所から通知しているのか。
【理事者】
濃厚接触者になった場合、保健所が把握すれば、検査を受けるように案内している。また、医療機関が把握した場合も、保健所の判断を待たずに、医師から家族にも検査の案内をしてもらえるよう、愛知県医師会等に協力を要請している。
【委員】
医師から濃厚接触者に連絡しているのか。
【理事者】
保健所の判断を待たず、医師から、行政検査として検査を受けられる旨を案内してもらえるよう協力を要請している。
【委員】
地元住民から、宿泊療養施設を希望してから連絡が入るまでに3日程度かかったと聞いているが、現在はどのような状況であるのか。
【理事者】
第5波では、新規陽性者数が急激に増加したこともあり、1日に入所できる人数にも限りがあり、入所に時間を要する事例があった。現在は、新たな宿泊療養施設の設置や新規陽性者数が減少傾向になったことにより、一両日中に入所を案内できている。
【委員】
宿泊療養施設に入所できずに数日間、家族と同居する中で、入所について保健所から連絡がないと、患者は不安に感じると思う。保健所としても、連絡できないほど厳しい状況であったと思うが、患者の不安を払拭するためにも、入所に時間を要しているなど調整状況についても連絡すべきではないか。
【理事者】
新規陽性者数の増減に伴い、入所希望者も増減することから、希望の聞き取り時に正確な入所日を案内することは困難であるが、保健所から患者へ入所可能見込みを連絡することを徹底したい。
【委員】
患者が不安を抱かないような取組を期待したい。
次に、あいちワクチンステーション栄への予約の申込状況について伺う。
【理事者】
初回の予約は、9月8日の正午から、9月11日から14日までの4日分について受け付けた。予約は先着順であり、午後1時6分には、1日550人の枠、4日間で2,200人の枠が埋まった。昼休憩の時間帯であり、予約が埋まるまでに1時間程度かかっていることから、余裕を持って予約を取ってもらえたと受け止めている。なお、予約段階で実施しているアンケート結果によると、予約者2,200人のうち1,899人が30代以下であり、割合にして約86.3パーセントであった。
2回目は、9月11日の正午から、9月15日から17日までの3日間について合計1,650人の枠の予約を受け付け、予約開始から約40分で枠が埋まった。2回目についても、予約者のうち10代から30代までの予約者の割合は約83.9パーセントであった。
【委員】
私もLINEでの予約方法を確認してみたが、予約が先着順であることや、予約の開始日、曜日、時間などが明確でないと感じた。予約の埋まった時間等から、若い世代の多くの県民や本県への通勤者が接種を希望していることが分かるので、周知を徹底してほしいが、県の考えを伺う。
【理事者】
若者への接種機会の提供、情報の周知、関心を接種に結び付けることが非常に重要と考えている。県のホームページでは、大規模集団接種の八つの会場を一つのページにまとめて紹介しているが、あいちワクチンステーション栄は、単独のページでも紹介しており、予約手順についても、予約の各画面の操作手順を丁寧に示して、予約に滞りがないよう心がけている。
今後のPRについては、引き続き力を注いで取り組んでいきたい。
【委員】
積極的に取り組んでほしい。また、あいちワクチンステーション栄への予約希望者が予約できなかった場合には、例えば、予約希望者が居住する地域等で予約可能な別の会場が示されるとよいと考えているため、こうした対応を視野に入れながら、今後取り組んでほしい。
【委員】
国からのワクチン供給の最終分である第15クールが近づく中で、河野太郎新型コロナウイルス感染症ワクチン接種推進担当大臣は、ワクチンは十分足りていると発言しているが、現場の自治体からは、実際には足りていないとの声が上がっている。まず、ワクチンの配分状況について、第14クールと第15クールでは何か問題が生じているのか。
【理事者】
9月下旬から10月初旬に供給される第15クールまでで、全自治体の12歳以上人口の8割が2回接種可能な量が国から供給されることとなっており、各市町村に配分している。具体的には、これまでに供給されたファイザー社のワクチンの数量に、市町村又は医療機関が入力するモデルナ社のワクチンの接種実績を足し合わせた数と、人口の8割が2回接種するために必要な回数との差を県内54市町村の分で計算して、不足分を第14クール、第15クールで提供することとしている。実際に、その数量を事前に市町村に示して、確認してもらっている。
モデルナ社のワクチンについては、大規模集団接種で、名古屋市等の市町村のモデルナ社のワクチンを使った接種は、ワクチン接種記録システムへの入力が頻繁に行われているが、一番の問題は、企業の職域接種である。職域接種は進んでいるが、一部の企業がシステムへの入力をまとめて行っており、実績がシステムになかなか反映されない状況がある。システムに反映されないと、県はもちろん、市町村も住民の接種実績を把握できない。企業に対して職域接種に係るシステムへの入力を適切に行うように働きかけるよう、国に要請しているが、残念ながら、現状は先ほど説明した状況である。そうした数字に表われていない部分があるため、市町村の担当者は、実際には接種が行われているので、供給される数量で十分足りているはずであるが、目に見える数字として出てきていないので、ワクチン不足を心配しているようである。県としては、第15クールの供給の後に、必要な場合には市町村間のワクチン供給の調整をすることも説明した上で、県内54市町村と調整を進めていく。
【委員】
企業の職域接種実績がなるべく早くシステムに反映できるよう努めてほしい。
河野太郎大臣のメールによると、国が各都道府県に対して接種率の見込みを照会したようであるが、本県の接種率の見込みについて伺う。
【理事者】
県として何パーセントを見込むかは難しいが、参考までに、高齢者の接種率は1回目の接種が90パーセントで落ち着いてきており、2回目の接種も89パーセントを超えたので、接種状況の動きを見ると、これらの数値が一つの目安になる。
一方、若い世代になるほど接種率は落ちていく傾向にある。国が目標とする11月末までの接種計画を各市町村が立てているため、各市町村に接種計画を調査したところ、接種率は平均して85パーセントである。県には、モデルナ社、ファイザー社の合計で、第15クールまでに接種率が90パーセントを超える数量のワクチンが供給されることになっているので、接種計画を満たすだけのワクチンは十分にある。あとは、いかに若い世代も含めた接種を進めていき、目標とする85パーセントに近づいていけるか、接種計画を実現していけるかにかかっていると考えている。
【委員】
国からの接種率の見込みに係る照会に対して、本県はどのように回答したのか。
【理事者】
そうした正式な照会文書を承知していない。
【委員】
ワクチン接種が進むと、希望者が少なくなってくるため、集団接種は非効率になってくる。市町村が現在行っている集団接種を県が代わって行う考えはあるのか。
【理事者】
ワクチン接種の終着点については、県も市町村も今後の課題として受け止めている。
県の大規模集団接種は、市町村の接種を補完する役割として、ほかの県にも例がないほどの多くの会場を設置して実施してきたが、使用しているモデルナ社のワクチンは、11月末までの延長分が供給されると国から聞いている。ワクチンが供給されている期間は、役割をしっかりと果たしていくべきと受け止めているが、接種者数が落ち着いていくので、市町村及び県の接種の予約の動きも大分変わってくると思う。そうした状況も見ながら、あいちワクチンステーション栄を含めた八つの会場をどのように集約していくのか、規模を縮小していくのか、市町村の分を県が補完する役割を引き続き続けていくのかなどについて検討していくことになる。また、ファイザー社のワクチンについては、必要量が市町村に供給されているので、住民の利用しやすさの観点から、場合によっては、市町村に接種体制を再構築してもらう必要も出てくると思う。いずれにしても、住民が利用しやすい接種体制を残していくため、市町村を通じて住民の声に耳を傾けながら整えていきたい。
【委員】
3回目のブースター接種の議論が始まっている。とにかく住民の安心、安全な状況を作ってほしい。
次に、宿泊療養施設の一つであるホテル東横INN名古屋南について、入所者は何人であるのか。
【理事者】
9月13日午後6時現在で、359人である。
【委員】
以前、自由民主党愛知県議員団総会で議論となった際に、例えばホテル東横INN名古屋南の805室について、実際に宿泊療養者が使用できるのは500室から700室と聞いた。資料では、宿泊療養施設について、5施設1,514室を稼働と記載されているが、この表現は正しいのか。
【理事者】
1,514室は、実際に使っている部屋数である。
【委員】
表現が間違っていると思う。稼働している部屋数ではなく、契約している部屋数が正しい表現だと思う。資機材を置くためなどに部屋を使っている場合は、稼働ではないのではないか。
【理事者】
受け止め方はそれぞれと思うが、1,514室を契約して、実際に使用しているため、1,514室と表現している。
【委員】
繰り返しになるが、1,514室は、稼働数ではなく、契約数であると思う。この表現は、本県独自の表現ではなく、全国的にこの表現を用いていると聞いているが、それは事実であるのか。
【理事者】
宿泊療養施設については、全国的にも同じように運用しているところが多くあり、本県だけが特別ではない。
【委員】
国への提出書類については、契約数でも問題ないと思うが、説明資料などでは、もう少し分かりやすい表現に改めることは可能である。このことは、自由民主党愛知県議員団総会でも議論となったが、同じ表現を使われると、全く無視されているように感じられ、何のために議論しているか分からない。契約していても実際に動かせないのであれば、稼働ではないと思うので、分かりやすい表現に改めてほしい。
次に、資料に、患者受入医療機関について、合計で1,722床プラスアルファと記載があるが、
このプラスアルファとはどのような意味であるのか。
【理事者】
確保病床以外でも患者を受け入れている医療機関があるため、その部分をプラスアルファと表現している。
【委員】
それは何床あるのか。
【理事者】
具体的な病床数は明らかではない。
【委員】
いわゆる幽霊病床について、県はその存在を認識しているのか。
【理事者】
幽霊病床については、承知していない。
【委員】
俗語かもしれないが、幽霊病床は、新型コロナウイルス感染者をすぐに受入れが可能と申告しながら、ほとんど受け入れていない病床のことである。先日、東京都内で幽霊病床が7施設あると報道されたが、本県では、すぐに受入れが可能と申告しながら、受け入れていない病床はあるのか。
【理事者】
先ほどの丹羽洋章委員からの質問に答弁できなかった部分を含めて答弁する。過去には、確保病床として、受入病院と登録された病院のうち、実際には受け入れていなかった病院があったが、現在は、見直し等を行い、確保病床としての受入病院については、全ての病院が受け入れている。
【委員】
丹羽洋章委員の質問に対する答弁で、確保病床の85パーセントを受け入れてもらうと発言があったが、100パーセントを受け入れるものを確保病床と呼ぶのではないのか。
【理事者】
100パーセントの受入れが理想であるが、50パーセントを超えるとステージ4となる中、それでも最大で85パーセントを受け入れてもらえるよう、緊急的に要請している状況である。
【委員】
資料に、患者受入医療機関について、重症者用病床13床を緊急的に確保と記載があるが、これは、必要な人員の不足などにより、実際に使用できる病床は13床ではない場合があると理解してよいか。
【理事者】
13床は、物理的なベッド数である。医療従事者等なども含め、最大限の確保を要請した。
【委員】
最大限の確保を要請したと答弁があった。資料では、確保と記載があるが、実際には確保されていないのか。
【理事者】
確保されている。
【委員】
仮に今、13人の中等症患者が急に重症化したとすると、この13人の受入れは可能であるのか。
【理事者】
重症患者については、入院の必要があるため、病院の状況にもよるが、受入れに向けて調整していきたい。
【委員】
新型コロナウイルス感染症への対応に終わりが見えない中、県民への要請にはきちんとした理屈付けが必要である。その理屈付けの根拠となる数字が県民に正確に伝わらなければ、説得力が全くなくなってしまう。先ほど質問した表現の問題についても、本県だけが意図的に用いているわけではないと承知しているが、基準や数え方を改善したり、例えば確保病床を準備病床と言い換えたりするなど、それぞれの数字について、県民が正しく理解できるよう努めてほしい。
【委員】
ますだ裕二委員の質問に対する答弁であった回復期の転院病院176病院について、受入れの実績を伺う。
【理事者】
本年5月に実施した調査によると、本年1月から4月までの4か月間で、67病院が284人の転院を受け入れている。
【委員】
入院がなかなかできない現状の理由の一つに、入院の長期化があると思う。円滑な転院のためには、どのような課題があるのか。
【理事者】
回復期にあっても引き続き入院が必要となる場合の転院先として、県内176の病院から、厚生労働省の退院基準を満たした場合の受入れに協力を得られることになっており、病院が実際に受け入れた際には、受入患者1人当たり10万円を支給している。また、この受入病院の名簿を毎週更新しており、新たな病院が追加された場合には、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている県内の医療機関との情報共有を図っている。こうした取組により、現時点では、退院基準を満たした患者の引受けはできていると考えている。
【委員】
病床確保に尽力していることは承知しているが、今後、新規の病床確保が難しくなった場合に備えて、入退院の円滑化を図ることが大変重要となる。地域の病院が感染症指定医療機関の後方支援に取り組む墨田区モデルでは、入院待機がないと報道されており、こうした取組を注視して、改善を図ってほしい。
次に、30代や40代の患者でも重症化することがある中、保護者が入院する場合の子供への対応として、まずは親戚などの身内へ預けることになると思うが、預け先がない場合の県の対応について伺う。
【理事者】
県では、保護者が新型コロナウイルス感染症に感染し、子供の療育、養育が困難な家庭については、保護者が退院するなど養育環境が整うまでの間、県所管の児童相談センターが一時保護所において子供を保護することとしている。昨年4月から体制を整えて対応しており、現在までに26世帯、49人の子供を保護している。
【委員】
その対応は、円滑に行われているのか。子供を保護してもらえるので、保護者は安心して療養に専念できるような状況であるのか。
【理事者】
保健所とも相談、連携しながら、必要な家族に対しては、県児童相談センターで一時保護をしている。
【委員】
保健所における自宅療養者への健康観察の方法を伺う。
【理事者】
保健所では、職員による電話又はメールによる健康観察のほか、国のシステムで自動的に患者に電話がかけられ、音声メッセージによる健康観察を行っている。
【委員】
保健所業務が非常に多忙になっている中、状況を速やかに把握することが重要である。その方法として、スマートフォンの活用が考えられるが、スマートフォンを活用する上で課題はあるのか。
【理事者】
国のシステムでは、スマートフォンを持っていない人でも対応できるため、こうしたものを活用しながら対応できていると考えている。
【委員】
保健所業務が非常に多忙になっているので、少しでも軽減できることがあれば検討してほしい。また、個人の疫学調査は終えているものの、集計作業が追い付いていないと聞いている。感染源の分析は大変重要と考えているが、感染源を分析できていない現状についてどのように認識しているのか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症患者との接触歴の有無は公表しているが、詳細の公表は省略している。しかし、家族や職場など、感染源の区分での調査はできているため、時点ごとの集計は可能な状態である。
【委員】
全体としての集計、分析は、県民への情報発信の基となるデータになることから、業務の負荷となることは承知しているが、対応してほしい。
【委員】
接種券は全て日本語で書かれているので、接種を希望する外国人への支援が必要である。各市町村では、ホームページで多言語表記のものを掲載したり、問合せがあった場合に翻訳されたものを渡したりしていると聞いている。外国人のうち、技能実習生は日本語が読めない場合が多いため、技能実習生の接種に向けた支援について、地元の豊川市役所国際課や豊川市国際交流協会に状況を問い合わせたところ、今のところ相談件数はそれほど多くないが、技能実習生から、予診票が日本語で書かれているので一緒に書いてほしいと相談があったり、監理団体から、所属する接種希望者をまとめて予約させてほしいと依頼があったようである。県は、技能実習生が所属する県内の監理団体に対して、技能実習生の円滑な接種のためどのような働きかけを行っているのか。
【理事者】
外国人技能実習生に対するワクチン接種は、国の認可法人ある外国人技能実習機構から本年7月に文書が発出されており、監理団体及び技能実習生の受入れ先の企業である実習実施者による支援が進められていると認識している。また、新たに認可された事業協同組合が外国人技能実習事業を行う場合については、県として、これまでも文書を発出して適正な事業実施について通知している。さらに、法人格を有する県内の監理団体の95パーセントが事業協同組合であることから、国からの通知を実習実施者に適切に周知するため、県として、愛知県中小企業団体中央会から各組合にメールを発出してもらうことを要請している。あわせて、ホームページでの周知にも取り組んでもらうよう要請している。一方、2割程度の監理団体が愛知県中小企業団体中央会に加盟していないため、今後、県からそうした監理団体に、ワクチン接種を希望する技能実習生に対する支援に努めるよう、改めて文書を発出したい。
【委員】
相談窓口の告知など、県と市町村が連携して、できる限りの支援に取り組んでほしい。
【委員】
職域接種について、現在の状況を伺う。
【理事者】
県内の職域接種の申請状況及び実施状況について、9月8日時点で、接種が開始されている企業、大学等は230件である。一方、取下げをした企業、大学等は125件である。また、9月8日時点で、申請済みの企業、大学等は290件であり、290件全てが県及び国の承認を受けている。接種が開始されていない60件についても、国とのワクチン供給に関する調整が済み次第、順次開始されると思われる。
【委員】
現在は、大規模集団接種会場や市町村での接種が進み、職域接種以外でも接種機会が確保されつつあるが、県は、職域接種による接種をどの程度見込んでいるのか。
【理事者】
申請済みの290件の企業、大学等が当初の予定どおり接種を行った場合には、124万1,437人への接種が行われる見込みである。
【委員】
ワクチン接種記録システムについて、システムや入力状況はどのようになっているのか。
【理事者】
ワクチン接種記録システムは、市町村、医療機関、企業等において共通のシステムを使っている。入力状況については、企業の入力が進んでいない。企業の中には、入力作業を別の企業に委託して、まとめて入力しているところもあると聞いており、企業ごとに対応は様々である。
【委員】
接種実績の把握のため、システムへの反映が適切に行われることが必要であるが、何か県は対応しているのか。
【理事者】
市町村の接種計画を立てる上で、接種したワクチンの種類、接種した場所などのデータは非常に重要なものとなる。県としては、企業、大学等に対して、ワクチン接種記録システムへの入力を早期に行うよう伝えている。
【委員】
国、県、市だけでなく、企業等との情報共有の改善に向け、引き続き取り組んでほしい。
次に、稲沢市の資料によると、本年9月13日の時点で、稲沢市内における10歳未満の感染者は4人であり、そのうち軽症者が2人、無症状者が2人であるが、10歳未満の感染状況について、児童、幼児などに区分した数値を交えて説明してほしい。
【理事者】
児童、幼児の区分けをした統計は存在しないが、本年7月21日からの第5波における10歳未満の感染者は、9月13日午後6時時点で3,612人おり、全体の感染者のうち7.5パーセントを占めている。
【委員】
そのうち軽症者の人数は把握しているのか。
【理事者】
年代別症状別の内訳資料がないため答弁できない。
【委員】
年齢の低い子供の軽症について、県はどのような病状であると認識しているのか。
【理事者】
何らかの症状を発症しているものの、肺炎等ではなく、酸素吸入が必要ではない状態を軽症としている。多くは、発熱や咳の症状が認められると認識している。
【委員】
10代以上と特段変わりがなく、10歳未満特有の症状があるわけではないと理解した。こうした児童、幼児が感染した場合の療養の状況について伺う。
【理事者】
自宅療養を選択した場合、家族で感染した子供の面倒を見ることがある。また、家庭内感染により家族も感染している状況があり、こうした際に宿泊療養を選択する場合は、親子で療養施設に入所することもある。また、入院が必要とされる場合は、小児を対象とした病院への入院の調整を行い、病院で療養することもある。
【委員】
小さい子供に対して、しっかりと対応してほしい。保育所等でのクラスターの発生について、県はどのように対応しているのか。
【理事者】
15歳未満の感染者が発生した場合は、市町村教育委員会へ氏名等の情報提供を行い、学校等でのクラスターの発生を未然に防止できるよう市町村と連携を図っている。
【委員】
現場の保育所等では、どのように対応しているのか。
【理事者】
保育所等で感染者が発生した場合、まずは保護者へ連絡を取った上で、休園等の措置を講じていると聞いている。
【委員】
保育園児等はワクチン接種ができないため、十分に配慮して対応してほしい。
【委員】
本年8月に、地元住民の40歳の男性は40度の発熱が4日続いたため、保健所に入院又は宿泊療養を希望したが、保健所からは空きがないため入れないという返答があった。そのため、独立行政法人国立病院機構東名古屋病院の受診後に、自宅で療養していたようである。
この男性が宿泊療養施設も含めて、なかなか入院できなかった理由は、どのようなことが考えられるのか。
【理事者】
第5波の感染拡大に伴い、新型コロナウイルス感染症患者に対する医療を確保するために、本年8月25日に感染症患者の受入れ促進と延期可能な入院手術の一時延期について患者受入医療機関に依頼している。さらに、9月2日に主な患者受入医療機関に対して、緊急的な受入病床の確保について、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき要請している。その結果、9月10日には、新たに152床、うち重症病床13床を確保し、患者受入医療機関は79病院となっている。確保病床としては、1,722床プラスアルファ、うち重症病床183床プラスアルファである。
現在、入院患者数は991人で、使用率は57.5パーセントであるためステージ4となっている。9月6日時点では、入院患者数は1,018人となっていたが、医療機関の協力により、何とか乗り切ることができたと認識している。
委員の地元の事例については、まず、名古屋市が入院調整をして、そこで調整できなかった場合は、県調整本部で入院調整をしており、必要な患者は入院できていると認識している。
【委員】
確保病床1,722床のうち、名古屋市内の病床数は幾つであるのか。また、どのように入院の判断を行っているのか。
【理事者】
名古屋市内の病床数については、医療圏ごとの病床数の回答は差し控えたいので、答弁できない。
入院の判断については、基本的には医師が必要性を判断している。
【委員】
どのように医師が入院の判断を行っているのか。
【理事者】
医師が個別具体的に判断することになる。
【委員】
名古屋市内の病床数を回答できない理由を伺う。
また、地元の男性は、入院について保健所と話をしただけで医師と話していないが、医師はどのように判断しているのか。
【理事者】
県全体で病床数を管理することになっているため、個別の病床数については、公表を差し控えたい。
医師の入院の判断については、入院調整する部署に医師がいるため、そこで医師が判断している。
【委員】
どのような要素で医師は判断しているのか。
【理事者】
例えば酸素濃度や倦怠感などのほか、ろれつが回っていない場合など、総合的に判断している。
【委員】
電話に出ているのは医師ではなく保健所職員である。酸素濃度についても、誰も訪問していないのに、どうして分かるのか。
【理事者】
食事が取れているか、発熱が5日以上継続しているか、水分が取れているか、年齢、基礎疾患があるかなど、入院の優先度の評価項目を総合的に判断して、評価している。
【委員】
宿泊療養施設には何人が入所しているのか。また、名古屋市内についてはどのような状況であるのか。
【理事者】
9月13日午後6時時点で、宿泊療養施設全体では785人が入所している。名古屋市内の状況については、資料がないため答弁できない。
【委員】
現在、保健所が管理している患者数は、入院患者991人、宿泊療養施設入所者785人、自宅療養者1万3,268人の合計でよいか。
【理事者】
保健所が管理している患者は、自宅療養者だけである。宿泊療養施設入所者は施設が管理し、入院患者は病院が管理している。
【委員】
感染した場合の窓口は保健所であり、全て保健所が関与しているのではないのか。
【理事者】
入院患者と宿泊療養施設入所者、自宅療養者は、全て最初は保健所を通す。
【委員】
保健所を通す患者数としては、それらの合計でよいか。
【理事者】
その合計数に新規感染者数を加えた数が全体の療養者となる。
【委員】
自宅療養者の支援について、訪問医療の状況はどのようになっているのか。
【理事者】
本年6月に自宅療養者への往診等を実施した医療機関に対して補助金を交付する事業を立ち上げており、6月16日から8月末までの実績は、県内で2,306件である。
【委員】
自宅療養者への往診は、保健所が手配しているのか。また、往診時にはどのような医薬品が処方されるのか。
【理事者】
保健所の聞き取りで往診を希望する患者がいれば、保健所が調整して医師を派遣している。
自宅療養者への往診時に処方される医薬品については、一般的に対症療法として解熱剤がある。そのほか、保険適用のものとしては、ステロイドが処方できる医薬品とされている。
【委員】
解熱剤とステロイドしか処方されないことに驚いた。イベルメクチンやアビガンは、患者が希望すれば処方されるのか。
【理事者】
現在、イベルメクチンやアビガンは、治験薬の扱いであり、自宅療養者に対しての処方はできない。
【委員】
治験薬であっても、本人が希望すれば、保険適用で処方できると聞いたが、そうではないと認識してよいか。感染症対策局長の答弁を求める。
【理事者】
保険適用の可否については把握していないが、薬の処方については、医師が往診時に判断し、まずは対症療法になると思う。入院が必要となれば、その時点で医師が判断すると思う。入院と判断すれば、当然、救急車または民間救急で患者を病院へ搬送することになる。
【委員】
イベルメクチンとアビガンは希望すれば処方されると聞いていたが、そうではないとすると、解熱剤とステロイドしかなく、大変な状況である。保健所職員や医療関係者が大変な思いをしているので、対応が後手に回らないよう、県がしっかりと調整役を務めることが大事である。問題点を改めて洗い出して、病床確保と体制強化に努めてほしい。
【委員】
本年8月30日の知事の記者会見で、常滑市における野外音楽イベントについて、県及び愛知国際会議展示場株式会社は、第三者委員会を立ち上げて事実関係を検証し、こうしたことが二度と起こらないよう、レポートを含め、助言を受けると発言があった。この第三者委員会のメンバーや調査内容は決まっているのか。
【理事者】
第三者委員会の立ち上げに向けて早急に準備を進めているところであり、メンバーはまだ公表に至らないが、大学教授、弁護士、公認会計士、医師等を含めて構成していきたいと思っている。助言を受ける内容については、知事が記者会見等で発言しているとおり、事実関係を検証した上での再発防止に向けた対応等である。
【委員】
第三者委員会にイベント主催者は呼ぶのか。
【理事者】
実際に会議をどのように進めていくかについては、今後、委員と相談しながら決まっていくことになるが、委員から要望があれば、イベント主催者の話を聞く場を設けることもあり得る。
【委員】
8月30日の夜に主催者が謝罪のため県庁を訪問したときは、誰が来て、誰が対応したのか。
【理事者】
8月30日は、主催者企業の代表者が来て、私以下、担当が対応した。
【委員】
代表者の名前は何であるのか。名刺はもらったのか。
【理事者】
代表者の名前は、富永基煥である。名刺はもらっていない。
【委員】
これだけ大きな問題を起こしたが、名刺のやり取りもなく、対応者についても担当課長でよいのか疑問に感じる。イベント当日は、10時間もコンサートを行い、その後も明け方まで大騒ぎをしていたと聞いている。会場で、どれだけの量のごみが出て、誰がそれを処理したのか。
【理事者】
催事終了後に名古屋市内でパーティを開いていたことは、報道等で承知しているが、事実については確認できていない。
会場の使用後は、主催者が原状復帰することになっているが、ごみの量や処理に要した費用については現時点では把握していない。
【委員】
会場のごみについての問題も第三者委員会で諮ることになるのか。
【理事者】
第三者委員会では、今回、感染防止対策が極めて不十分な中で開催されたことについて、こうしたことが二度と起こらないよう検証を行うことになるが、委員と相談していく中で、取り扱う内容について幅を広げることになれば、検討する可能性もある。いずれにしても、委員と相談しながら進めていきたい。
【委員】
指定管理についての問題でもあり、総務企画委員会の中で、総務局長が、契約の見直しを含めてやると答弁した。なぜ昨年まで海岸で開催されていたものが今回の場所で開催されたのかなど、今後の調査で様々なことが明らかになるだろう。また、アルコール類の提供については、緊急事態宣言が発令されている時期なので、午後9時まで飲ませていた状況は異常である。第三者委員会がどのような結論を出すのか分からないが、けじめをきちんと付けないと、今後も起こってしまう。
このイベントの参加者への無料のPCR検査は、誰が決断したのか。
【理事者】
今回の無料のPCR検査は、最終的には知事が判断した。
【委員】
検査キットの費用は、幾らであるのか。
【理事者】
検査キットは、一箱約5,000円である。
【委員】
その5,000円は、県民の税金である。費用はイベント主催者に請求するのか。
【理事者】
費用の請求については、感染していたとしても、今回のイベントへの参加によって感染したことが証明できないため、現時点では難しいと考えている。
【委員】
保健所が新型コロナウイルスへの感染の疑いがあると認めれば、公費でPCR検査を受けられるが、そうでない場合は、自費で2、3万円を払っている。このこととの関係について説明を求める。
【理事者】
症状がある者については、医療機関を受診するなどして検査できるが、無症状者の場合は、知らず知らずのうちに周りの人に感染させる危険性もあるため、今回、無症状者を対象に検査を実施している。検査の実施に当たっては、濃厚接触者に要請する自宅待機等の期間と同じように2週間の行動自粛を守ってもらうことを条件として、無料のPCR検査を実施している。
【委員】
費用は県が全て負担することになるか。
【理事者】
現時点では、費用は県が負担する予定である。
【委員】
濃厚接触の疑いがある場合はPCR検査の費用を県が負担するが、濃厚接触でない場合は、全額自費としている。何を基準として、コンサートに参加した人のPCR検査費用を県が負担するのか。なぜやりたい放題にやった者が税金で優遇されるのか。今回の新型コロナウイルス感染症の問題は、県の要請を守らない人が利益を得て、要請を守って我慢している人が苦しんでいると思う。
医療提供体制について、感染症対策局長が、愛知県病院協会会長に会って話をしていると聞いている。県が登録されている病院の一覧表を整備すれば、保健所は病院を一覧表で検索でき、それを災害派遣医療チーム(DMAT)に任せることで、患者の症状から、適切な病院を判断できるはずである。今、保健所は、受入先の病院を電話で探しており、かわいそうである。なぜDMATを活用しないのか。私はこのシステムの現物を見たが、システムを確立できれば、病院は受入れを断らない。約50パーセントの病床使用率であれば、確実に対応できる。
もう一つは、長期療養者用の別の病院を作ることはできないのか。保健医療局長は、保健所業務の軽減策に取り組んでほしい。保健所が受入病院の手配など全ての業務を行っていてはもたないので、DMATに任せるべきである。
今述べたことについて、どのように考えているのか。
【理事者】
指摘のあった入院システムについては、現在、情報関係部署と導入に向けて調整しているところである。
DMATの活用については、現時点においては、災害の専門であるので入院調整を担ってもらっている。その統括官を北川喜己名古屋掖済会病院副院長が担っている。病床使用率が60パーセントを超えると入院調整がかなり厳しくなるので、その場合にDMATに依頼して調整しているのが実情である。ただし、DMATを活用しているのは、本庁の入院調整のみである。保健所が医療圏内で入院調整ができない場合は、本庁で対応することになり、本庁の入院調整担当者が空いている病院を探して調整する。病院を探す際に、空き状況を瞬時に把握できるものはなく、前日からの状況も見ながら、担当者が電話をかけて空き状況を確認しており、受入れが可能であればその病院に入院してもらっている。
そのため、保健所単位でDMATを活用することが最善の方法であるが、それぞれの病院に所属する医師や看護師等の理解を得るのも困難であるというのが率直な感想である。
現在、本庁で何とかしのいでいるが、いかに効率的に行っていくかをこれから検討して、福岡県で導入されたシステムを参考にしながら、本県でもなるべく早い時期に活用できるよう検討していきたい。
【委員】
県は、感染症への対応を含めて、政令指定都市や中核市への指揮命令は可能であるのか。
【理事者】
感染症への対応の実施主体として、都道府県、政令指定都市及び中核市がそれぞれ所管の保健所を持っている。したがって、名古屋市保健センターは名古屋市の所管である。県から名古屋市保健センターに対する指揮命令は、一切行われない。名古屋市の感染症対策については、本庁を通じて調整を図っている。県職員が県管轄の保健所へ直接指示することはあるが、名古屋市の保健所へ指示することは一切ない。中核市についても同様である。感染症に関してはこうした扱いとなるが、全体の調整は都道府県の役割になるため、例えば入院調整や宿泊療養施設への入所調整は、県が一括して担っている状況である。
ただし、宿泊療養施設については、他県の例であるが、政令指定都市で自ら設置することも可能であり、横浜市は宿泊療養施設を自ら設置している。しかし、名古屋市は単独で設置していないため、県と名古屋市が共同で設置して運営している。
【委員】
陽性反応が出たときにCTを撮れば症状が分かる。陽性者のうちCTを撮っている人はどれくらいいるのか。
【理事者】
データを持ち合わせていないため答弁できない。
【委員】
CTを撮ることは、中等症や重症を判定するために大事なことではないのか。これは、原則、保健所の業務ではないのか。
【理事者】
陽性と判断される際に、発熱していれば、まず保健所に相談するか、発熱外来に問い合わせてもらう。発熱外来がPCR検査を実施していなければ、別の医療機関を紹介される。PCR検査を実施して陽性となれば、そこで受診できればよいが、そうでなければ別の医療機関を紹介される。その医療機関に自ら出向いてもらい、医師の判断に基づき、治療を受けることになる。入院が必要と判断されれば、直ちに入院の手続きに入ることになるが、そうでない場合もある。医師が初診で診たときには自宅療養または宿泊療養施設への入所と判断しており、原則は、自宅療養と判断されることになる。時として容態が急変することもあるので、そうした場合には、かかりつけ医の受診のほか、保健所が派遣した医師による往診や訪問看護ステーションの職員の派遣などを実施しており、6月16日から8月末までの実績は約2,300件である。
したがって、CT検査については、医師の判断によって行われている。県としては、医師が要入院と判断した場合は入院ができるように調整している。
【委員】
実態と異なる部分があるため、一度よく検討してほしい。また、保健所業務があまりにも多いので、保健所の負担軽減策を考えなければいけない。さらには、住民が気軽に相談できるよう、親切心を持って業務に取り組んでもらいたい。
児童相談所が一時保護できる人数はどのくらいか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症に関するものを理由として、県の児童相談所が一時保護できるのは、保護する前にPCR検査で陰性であることが条件であるが、定員は30人である。ただし、一時保護する子供の状況にもよるので、30人まで受け入れられないことがある。
【委員】
行政が費用を負担して、市町村の親しい人に預けられる体制をつくることはできないのか。
【理事者】
例えば市町村のショートステイ事業など、国から補助金が出ている制度もあるので、これを上手に利用できないかと思うが、現在はコロナ禍で利用できる状況ではない。先日、国に対して、国の支援が得られないか確認したところ、国はそうした話があったことを上司に伝えておくとする対応であった。
【委員】
本当に困っている人への対応にもっと取り組んでほしい。
なぜ一週間前から新規感染者が急激に減少したのか。
【理事者】
感染者数が急激に減少してきた理由については判断が難しいが、過去例では、感染者数はピークが2週間程度続いた後、徐々に減少してくる。
その間、本県の保健所では、徹底的に疫学調査を行い、感染者を自宅待機させている。自宅待機すると、人との接触が少なくなるために新規感染者が減ってくるのかもしれない。
【委員】
県民が安心できるような体制を整えてほしい。県の組織が、司令塔で全てを動かせるようになれば、相当な無駄がなくなるはずである。業務の流れを考えて、負荷が一箇所に集中しないことが大切である。
( 委 員 会 )
日 時 令和3年9月14日(火) 午前9時58分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
直江弘文、かじ山義章 正副委員長
水野富夫、神戸洋美、川嶋太郎、高桑敏直、石塚吾歩路、藤原宏樹、丹羽洋章、
ますだ裕二、鈴木雅博、富田昭雄、鈴木 純、日比たけまさ、黒田太郎、おおたけりえ、
荻原宏悦、神谷まさひろ 各委員
防災安全局長、防災部長、保健医療局長、同技監、健康医務部長、
生活衛生部長兼医薬安全課長、感染症対策局長、同技監(2名)、感染症対策調整監、
経済産業局長、産業部長、中小企業部長、観光コンベンション局長、観光推進監、
関係各課長等
委員会審査風景
<議 題>
1 新型コロナワクチンの接種状況について
2 医療提供体制の確保について
<会議の概要>
1 開 会
2 議題について理事者から説明
3 質 疑
4 休 憩(午後0時12分)
5 再 開(午後0時59分)
6 閉 会
(主な質疑)
【委員】
ここ数日の新規感染者数は減少傾向であるものの、第5波の感染急拡大により、自宅療養者数は1万人を超えていると聞いているが、最新の自宅療養者数を伺う。
【理事者】
9月13日午後6時現在における自宅療養者数は、1万3,268人である。
【委員】
資料に、9月12日時点の病床使用率が58.9パーセントであると示されているが、実際に使用可能な病床はどの程度あるのか。
【理事者】
最新の確保病床の入院患者数は991人であり、病床使用率は57.5パーセントである。本県の7日間平均の病床使用率は8月30日に50パーセントを超え、ステージ4となった。
公表している病床使用率は、前日の午後6時の一時点における入院者数から計算しているため、病床使用率が例えば60パーセントであっても、1日を通して見た場合、入退院によって多くの患者が病床を使用している。こうしたことから、病床の逼迫度を示す国の指標では、病床使用率が50パーセント以上の状況をステージ4としており、本県でも同様の指標としている。
また、新型コロナウイルス感染症患者が退院した後のベッドの清掃や消毒には、通常に比べ多くの人手と時間を要するため、次の患者の受入れまでに時間がかかる。さらに、患者の受入れ時には多くの人手を要することから、同時に複数の患者を受け入れることが難しいほか、医療機関の人員配置が手薄となる夜間等の時間帯では、空床があっても新たな患者の受入れが困難な場合がある。
【委員】
病状別の内訳を伺う。
【理事者】
9月13日午後6時現在で、全ての入院患者数1,016人の内訳は、軽症が565人、中等症が369人、重症が82人である。
【委員】
病床の多くを軽症者や無症状者が占めている現在の状況を改善しなければ、中等症以上の患者への医療提供体制の確保につながらないと思う。中等症以上の患者への病床確保のため、後方支援医療機関との連携が必要と考えるが、本県ではどのような状況であるのか。
【理事者】
本年2月から、厚生労働省の退院基準を満たす患者を受け入れてもらう県内の病院を募っており、9月3日時点で、176病院が患者の受入れを行っている。
【委員】
自宅療養者が、病状が急変した場合に病院に入れないことがないよう、病床の確保や受入れ施設の効率的な稼働に努めてほしい。
次に、国は、都道府県が設置する保健所が、保有する個人情報の一部を管内市町村に提供できていないため、自宅療養者に生活必需品を円滑に届けられない可能性があると指摘しているが、本県の市町村に対する個人情報の提供については、どのような状況であるのか。
【理事者】
国から、本年8月25日に、都道府県と市町村が連携して行う自宅療養者に対する生活支援について事務連絡があり、9月6日に、都道府県と市町村が連携して自宅療養支援に取り組むよう通知があった。自宅療養者の支援に当たっては、都道府県から市町村に個人情報を提供する必要があることから、現在、愛知県個人情報保護条例の規定を踏まえ、前向きに検討している。また、自宅療養者の支援を行う市町村と調整を図りながら、自宅療養者が必要な支援を受けられ、安心して療養できるよう努めたい。
【委員】
現状では、本県は市町村に個人情報の提供を行っているのか。
【理事者】
現状では、15歳以下の個人に係る個人情報については、市町村に提供している。
【委員】
16歳以上の個人に係る個人情報については、都道府県によっては、個人情報保護条例を踏まえて提供に慎重なところもあると聞いているが、本県が提供を行っていない理由を伺う。
【理事者】
本県でも、愛知県個人情報保護条例を踏まえて検討している段階である。
【委員】
厚生労働省や総務省から、生活支援に必要な個人情報の提供は、緊急性があるため行うよう通知があったと聞いている。本県も、早急に全ての個人情報を市町村と共有し、自宅療養者が生活支援を受けられないことがないよう努めていく必要があると思うが、県の考えを伺う。
【理事者】
国からの通知のとおり、自宅療養者への支援が必要であることは承知しており、個人情報の提供については、検討している段階である。
【委員】
1万人以上もいる自宅療養者がきちんと生活支援を受けられるよう、早急に進めてほしい。また、容態が急変した患者が医療機関に入れないことがないよう、医療提供体制の確保に努めてほしい。
【委員】
病床確保に係る補助金を受け取っているが、実際には患者を受け入れていない医療機関があると報道された。こうした事例は本県であったのか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症患者の受入れ病院については、本年8月25日に確保病床の85パーセントを受け入れてもらうよう通知するなど、積極的な受入れを依頼しており、それぞれの病院に応じて患者を受け入れていると承知している。
【委員】
今の答弁では、本県では、病床確保に係る補助金を受け取っているが、患者を受け入れていない医療機関はないと理解してよいか。
【理事者】
本県における状況については、後ほど答弁する。
【委員】
病床確保に努めてほしいが、ベッドを確保しても、人が不足すれば稼働できない。一部報道で、例えば重症者用施設を持つ病院でも、集中治療専門医が不在の場合があることが取り上げられた。また、本年7月末の時点で、重症者用ベッドの稼働のためには国内で最低でも4,500人程度の専門医が必要とされるが、1,850人程度しかいないとする別の報道もあった。
本県では、医師不足のため、ベッドは確保したものの稼働できない状況があるのか。また、そうした状況がある場合は、件数を伺う。
【理事者】
重点医療機関の申請及び認定に当たっては、専門医とは限らないが、対応できる医師を配置して対応可能な体制が整っていることが前提となる。したがって、本県としても、重点医療機関については、必要な医師が配置されていると認識しているが、具体的な医師の数等については把握できていない。
【委員】
この1年半、県民には、緊急事態宣言等の発出に伴い行動自粛等を要請してきた。もちろん感染拡大防止のためであるが、医療逼迫を招かないためにも要請したことは否定できないと思う。そうであるならば、行政や政治は、県民に要請するだけではなく、医療提供体制を確保する責務があると思う。第6波に備えて、引き続き医療提供体制の確保に努めてほしいが、病床確保について、今後どの程度まで取り組むべきと考えているのか。また、医療従事者が不足しているのであれば、どのように医療従事者を確保するのか。あわせて、宿泊療養施設の設置に係る今後の方針について伺う。
【理事者】
病床確保について、現段階では具体的な数値目標はないが、医療の提供に必要な病床の確保に引き続き取り組んでいきたい。
【理事者】
宿泊療養施設について、本年9月15日に蒲郡ホテル114室が開設される。今後については、新規感染者数の推移を見守りながら、感染者数と地域のバランスを考慮しながら開設を準備していきたい。
【委員】
新規感染者が爆発的に拡大した第5波では、保健所業務が逼迫して、PCR検査がすぐに受けられない状況が発生したと聞いている。資料によると、PCR検査については1日当たり1万2,000件、抗原検査については1日当たり3万3,000件、合計4万5,000件の検査能力があるとされているが、第5波の状況を見ると、この検査能力が十分に発揮されたのかと疑問に感じる。県は、第5波における検査状況をどのように受け止めているのか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染者に係るPCR検査の体制については、県全体で1日当たり1万2,000件の検査能力を確保しており、十分に対応できていると考えている。
一方、濃厚接触者等の検査について、県保健所の検体採取の受付件数に限りがあることから、新規感染者の急増により、検査までに数日を要する事例があった。こうしたことを踏まえ、本年8月13日に国から、地域で必要な行政検査が迅速に実施できるよう、緊急事態宣言対象地域等においては医師が陽性と診断した者の同居家族等の濃厚接触の可能性がある者についても検査を促し、なるべく検査を実施するよう通知があり、医療機関で迅速な行政検査が可能となった。
本県でも、この通知を踏まえ、同日付けで愛知県医師会等関係団体に通知し、医療機関で行政検査が実施できるよう協力を依頼している。この制度の運用によって、行政検査が迅速に行われ、適切な医療につなげていくことができると考えている。
【委員】
本年9月定例会で、PCR検査機関における検査機器の整備のための予算に係る議案が提出されているが、検査に時間を要した原因が人員不足にあるのであれば、検体採取に携わる人員体制を強化してほしい。また、医療機関へ協力を依頼する際は、国の通知の趣旨などをしっかりと伝えてほしい。
医療機関で検査する場合は、行政検査として検査料は無料となるが、初診料が必要とされる。県が初診料を負担する考えはあるのか。
【理事者】
行政検査として検査料は負担するが、初診料については、今のところ公費での対応ができていない。
【委員】
初診料の公費負担について検討してほしい。
【委員】
第5波では、自宅療養者への経過観察や濃厚接触者へのヒアリングなど、保健所業務が全国的に見ても非常に逼迫したと聞いている。一方で、自宅療養の経験者から、療養中は息苦しさや頭痛を抱えるなどして非常に不安であったが、深夜に保健所の職員からの経過観察の電話を受けたときは、安心感や心の支えにつながったと聞いている。人員不足の中で大変な業務をこなしている保健所の職員には頭が下がる思いであり、医療従事者と同様に感謝と敬意を表したいが、職員の体調が非常に心配である。保健所職員の時間外勤務はどのような状況であるのか。
【理事者】
保健所全体で、7月は、時間外勤務が80時間を超えた職員は5人であったが、8月には、第5波の患者の急増により、時間外勤務が80時間を超えた職員は80人以上となった。これを受け、現在、本庁等からも多数の応援職員を派遣している。
【委員】
保健所への職員の派遣について、具体的な状況を伺う。
【理事者】
本庁及び地方機関の保健師、薬剤師、獣医師等専門職の職員を毎日最大で21人派遣している。また、市町村から、1日最大で11人の保健師が応援に入っている。さらに、他局から、毎日104人の事務職の職員が派遣されている。そのほかに、昨年度からの感染症対策局の事業として、外部委託の看護師が30人以上派遣されている。
【委員】
職員の派遣を進めてほしいが、職員数にも限りがあるため、新型コロナウイルス感染症に係る保健所業務の改善が必要となる。保健所における業務改善の取組状況について伺う。
【理事者】
感染症対策局が、外部委託可能な業務については外部委託を進めている。保健医療局としては、保健所の全職員が新型コロナウイルス感染症対策に注力できるよう、保健所に対して、縮小、延期可能な業務を具体的に示すとともに、その後の各保健所の対応について、全保健所に情報提供している。また、メールを活用した健康観察など各保健所の取組について、全保健所に情報提供しており、業務改善に役立ててもらっている。いずれにしても、感染症対策局とともに、今後も保健所の支援を進めていきたい。
【委員】
業務の外部委託や改善に積極的に取り組み、保健所の負担を減らしてほしい。また、保健所で採取した検体を衛生研究所へ運ぶ業務や、健康観察等の患者との対応など、専門職でなくても対応可能なものについては、看護師にかかわらず広く人材を求めることを検討してほしい。いずれにしろ、保健所の負担を減らすことを今後も考えてほしい。
【委員】
本年8月31日の臨時議会では、高校生等への新型コロナワクチン接種の促進事業について、生徒のニーズの把握や希望者の募集を行う際の注意点として、生徒への説明は統一した内容で行うことや、差別などが生じないようにすることなどが答弁されたが、当該事業の進捗状況を伺う。
【理事者】
病院との調整のため本年9月初旬に行ったワクチン接種の希望聴取では、県立高校で2万2,156人、割合として19.4パーセント、特別支援学校では386人、割合として14.7パーセントが希望した。希望聴取後、病院との調整を担う感染症対策局から約45施設を紹介してもらい、現在、教育委員会が、希望者と施設とのマッチングを進めている。
希望聴取時における教員から生徒への説明は、統一した内容で行う必要があるため、各教室での説明方法は、教育委員会が用意した説明文を担任が読み上げることとしている。中には、学校の放送施設を使って、全校生徒に対して一人の教員が説明を行っているところもあると聞いている。差別などが生じないようにすることは、最も配慮すべき点だと思っており、例えば医療従事者、感染者、濃厚接触者などが周りにいても、そうした人たちの人権侵害につながる言動がないよう、これまでも指導している。こうした中で、今回のワクチン接種についても、あくまで任意であり、個人の自由な判断に基づくものであることを徹底して説明している。
希望聴取方法は、全校生徒に調査票を配付して回収する方式を採っている。具体的には、まず、希望者数の把握のための予備調査を1回行った。その結果を基に病院とのマッチングを進め、現在、2回目の調査を行っている。この調査は、具体的な病院名や日付を示して行われており、病院名を示すことでワクチンの種類も分かることになり、最終的に希望するかを調査している。この調査についても、全校生徒に調査票を配付して回収する方式を採っている。
会場への移動については、人目に触れないための配慮が必要と考えており、当初から、各学校の実情に合わせた移動手段で実施してもらうこととしている。9月12日に一宮市内で開始された第1回目の接種では、できるだけ速やかに行うため、自力で病院に行くことができる人を対象に実施している。今後、実情に応じて様々な移動手段が考えられるが、バスも利用できるよう予算配分している。各学校に対しては、移動人数に応じて、ジャンボタクシー、通常のタクシー、親の送迎、自力での移動など、様々な移動手段の中から各学校が適切に判断して対応してもらえばよいと指導している。
また、希望者数が全体の20パーセントであるため、各学校に5日程度の日程が割り振られているとすると、1日に移動する各学校の生徒数は大体15人から20人までと想定される。人目に一切付かないことはないが、様々な工夫によって最低限に抑えながら行われていくと考えている。
【委員】
私の地元の高等学校は、生徒数が1,200人程度であるため、希望者は240人程度となり、今の答弁を聞くまで、バスが6台程度必要になると思っていた。これでは、人目に付かずに行うことは難しいと思っていたが、移動手段はバスだけではなく、ジャンボタクシーや親の送迎もあり、しかも5日程度に分けて行われるようなので、方法については安心した。また、希望者数が結果として20パーセント程度になったが、私は、当初はもっとたくさんの希望があると思っていた。答弁を聞く中で、差別などにつながるおそれは少なく、希望者が全体の20パーセントであることも、同調圧力が生じにくいと思うので、安心した。
しかし、こうした中、非常に残念な事案が報告されている。生徒に対して、ワクチン接種の有無を挙手で答えさせた学校が幾つかあったことを報道で知った。なぜこうした事例が起きたのか。あわせて、今後の対応についても伺う。
【理事者】
幾つかの学校で、教員が生徒に対して、ワクチン接種の有無を挙手により答えさせた事案が発生した。各事案について校長に聞き取りを行っており、ある事案では、体育の非常勤講師が、薬品などを取り扱う保健体育の授業の中でさりげなく聞いてしまったようである。また、ほかの事案では、担任教員が説明する際に、説明文は用意してあったが、それとは別に、生徒の関心を高めるために行った導入の説明で、接種の有無を聞いてしまったようである。なお、校長からは、当該教員には、ワクチン接種の有無が個人情報に当たるため、聞くことは適切ではないとする意識の希薄さがあったと聞いている。
県教育委員会としては、こうした事案の発生が分かり次第、全県立学校の校長に対して、メールで事案について連絡するとともに、同様の事案を絶対に起こさないよう強く指導している。なお、事案の中には非常勤講師によるものもあったので、非常勤講師にもしっかりと指導してほしいと依頼した。また、緊急事態宣言の延長に係る通知を各学校に出す際にも、こうした事案について改めて触れており、ワクチン接種の有無は個人情報として慎重に扱い、その管理については適切に行うよう指導した。
【委員】
差別などにつながらないよう、徹底してほしい。
次に、宿泊療養施設について、部屋が空いていても、人手不足により希望者が入所できない状況はあるのか。
【理事者】
現在、医師については、愛知県医師会に依頼して確保しており、看護師についても、委託業者、派遣業者等で確保している。十分とはいえないが、数としては確保している。
【委員】
次に、妊婦または夫、パートナーに対するワクチン接種を行う事業について、現在までの接種状況を伺う。また、市民から寄せられた質問であるが、妊婦については胎児や母乳への影響を鑑みて、薬の服用や風しんワクチンの接種ができないとされているが、なぜ新型コロナワクチンは接種してもよいのか。加えて、薬によっては年齢によって服用量が異なる場合があるが、なぜ新型コロナワクチンは年齢や体の大きさにかかわらず、一律の分量で接種を行うことができるのか。
【理事者】
本年8月23日から、妊婦または夫、パートナーへの接種を進めており、9月12日時点で妊婦3,339人、夫、パートナー2,429人、合計5,768人に大規模集団接種会場で接種を行っている。
接種による胎児や母乳への影響については、厚生労働省のホームページに掲載されている新型コロナワクチンのQ&Aによると、妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の場合でもワクチンを接種することができるとされている。また、海外での検査も踏まえ、日本で承認されているワクチンについては、妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすものではないと同ホームページで付記されている。加えて、妊娠中については、8月14日に、産科婦人科学会等から、妊娠中のワクチン接種を推奨すると通知されている。また、風しんワクチンについては、病原性を弱めたウイルスを使用した生ワクチンであるため、接種後に軽度の風しん症状を起こしかねないものであるが、新型コロナワクチンについては、mRNAワクチンであるため、新型コロナウイルスに感染することはなく、妊娠中等でも接種できると認識している。
年齢等が異なる場合でも接種量が同じであることについては、ファイザー社のワクチンは、当初、16歳以上を対象に特例承認を受けていたが、その後、対象範囲を拡大し、12歳から15歳までについても接種できることとされた。その際の臨床試験で、16歳以上と同じ分量で接種を行い、安全性と有効性が評価されている。このような臨床試験を経て、国での承認を受ける過程の中で、年齢にかかわらず同じ接種量、同じ接種回数で定められたと承知している。
【委員】
承知した。ただし、厚生労働省は、風しんワクチンについて、安全なワクチンで妊娠中に接種しても胎児に障害が出たとする報告は世界的にもないが、その可能性は理論的に全く否定されているわけではないため、打たないでほしいと説明している。これは、安全を期すために控えてほしいとする慎重な姿勢であるが、新型コロナワクチンについて慎重さが揺らぐものではないか。私としては、妊婦へのワクチン接種が本当によいのか疑問に思っている。
【委員】
世代別の新型コロナワクチン接種率では、若者の接種率が低い状況にある。その理由として、SNS上の様々な情報により、若者はワクチン接種を避けているとする見方がある。その情報の中でよく取り上げられるものとして、厚生労働省が公表する新型コロナワクチン接種後死亡例があるので、この数値の見方について正しい認識を持つために順次、質問する。
厚生労働省が公表する新型コロナワクチン接種後死亡例について、対象期間、接種回数、死亡例の数、死亡例の接種回数に対する比率を伺う。
【理事者】
ファイザー社のワクチンについては、本年2月17日から8月22日までの期間で、接種回数は1億180万9,021回、副反応が疑われる死亡例は1,076件、死亡例の接種回数に対する比率は100万回に対して10.6件である。
モデルナ社のワクチンについては、本年5月22日から8月22日までの期間で、接種回数は1,650万1,085回、副反応が疑われる死亡例は17件、死亡例の接種回数に対する比率は100万回に対して1.0件である。
なお、アストラゼネカ社のワクチンについては、本年8月3日から8月22日までの期間で35回接種しており、死亡報告はない。
【委員】
今答弁のあった内容について、本県における数値を伺う。
【理事者】
ワクチン接種記録システムや副反応疑い報告の件数等を確認したところ、ファイザー社のワクチンについては、接種回数は550万52回、副反応が疑われる死亡例は21件、死亡例の接種回数に対する比率は100万回に対して3.8件であり、国よりも低くなっている。
モデルナ社のワクチンについては、接種回数は85万1,107回、副反応が疑われる死亡例は1件、死亡例の接種回数に対する比率は100万回に対して1.2件である。
アストラゼネカ社のワクチンについては、評価期間中にまだ接種が開始しておらず、該当がない。
【委員】
副反応が疑われる死亡例は、医師から副反応を疑って報告されたものと認識してよいか。
【理事者】
医師から因果関係不明な場合も含めて、副反応を疑う事例として広く収集された件数である。
【委員】
副反応が疑われる死亡例について、ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの、ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの、ワクチンと死亡との因果関係が評価できないものの件数を伺う。
【理事者】
国における件数として、因果関係が否定できないものは、ファイザー社もモデルナ社も1件もなかった。因果関係が認められないものは、ファイザー社が7件、モデルナ社が1件である。残りは因果関係が評価できないものとなるため、ワクチンと死亡との因果関係が評価できないものは、ファイザー社が1,069件、モデルナ社が16件である。
【委員】
因果関係が評価できないとは、厚生労働省はどのように示しているのか。
【理事者】
検討部会の資料によると、情報不足等によるとコメントが付いている。
【委員】
先ほど答弁のあった対象期間における、新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数と死亡者数を伺う。
【理事者】
その期間において、新規陽性者数は88万1,338人、うち死亡者数は8,529人、その比率は1パーセントである。
【委員】
今答弁のあった内容について、本県における数値を伺う。
【理事者】
対象期間における本県の数値について、新規陽性者数は4万2,826人、うち死亡者数は537人、その比率は1.3パーセントである。
【委員】
対象期間における、新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数と死亡者数について、陽性と死亡との因果関係が評価できないものはあるのか。陽性者が亡くなった場合は、全て死亡者数に入るのか。
【理事者】
陽性者が亡くなった場合は、全て死亡者数に入る。
【委員】
ワクチン接種後死亡数と同様に因果関係が評価できないものがあるため、陽性後の死亡者数とワクチン接種後死亡数は、比較の対象になり得ると思う。
次に、インフルエンザワクチン接種について、昨年に入ってからインフルエンザの発症が激減しているので、対象期間を2018年後半から2019年前半として、対象期間、接種回数、死亡例の数、死亡例の接種回数に対する比率を伺う。
【理事者】
2018年10月1日から2019年4月30日までの期間で、接種回数は5,251万1,510回、死亡例は3件、死亡例の接種回数に対する比率は100万回に対して0.057件である。
【委員】
今答弁のあった内容について、本県における数値を伺う。
【理事者】
同様の期間において、死亡例はないが、接種回数のデータがないため接種回数、接種回数に対する比率は不明である。
【委員】
インフルエンザワクチンについても、死亡例は医師から副反応を疑って報告されたものでよいか。
【理事者】
そのとおりである。新型コロナワクチンと同様の扱いである。
【委員】
インフルエンザワクチンについて、ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの、ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの、ワクチンと死亡との因果関係が評価できないものの件数を伺う。
【理事者】
ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの、因果関係が認められないものはなく、因果関係が評価できないものは3件である。
【委員】
これまでの答弁で、新型コロナワクチン接種後死亡者数は、新型コロナウイルス感染症の陽性者が亡くなる数よりは小さく、インフルエンザワクチン接種後死亡者数よりは大きいことが確認できた。
このようにデータの蓄積により見えてくるものを生かして、政策の質を高めてほしい。現時点では情報不足等により因果関係が評価できなくても、少しずつ見えてくるものがあれば、それを政策に反映してほしい。飲食店に対する規制についても、右も左も分からず、手探りだったときは仕方がないが、今は、感染経路別では飲食店の比率が小さいことも分かってきたので、こうしたことを政策に反映させてほしい。ただ、この話を進めると、国の方針が壁となる。しかし、せめて県の裁量が及ぶ範囲で、例えば厳しい基準であるニューあいちスタンダードの認証店には営業の自由を認めるなど、同じことを繰り返すのではなく、進化と磨き上げに努めてほしい。
【委員】
本年9月1日時点の療養者数は、県が当初想定した人数を1万2,476人超えたと報道されたが、これは事実であるのか。
【理事者】
手元に資料がないため答弁できない。
【委員】
新聞報道では、想定から乖離した数としては、本県が全国で最多である。2位の東京都が9,655人、3位の神奈川県が8,614人であり、本県が突出している。想定が甘かったのではないか。確かに想定は難しいと思うが、これだけ人数の乖離があると、計画を立てても追いつかない状況になる。人数の乖離が全国で最多となったことについて、なぜこれだけ乖離したのか、どのように次に生かすのかなどをしっかりと検証し、医療提供体制に負担がかからないよう、第6波に備えてほしい。
次に、若者への接種の促進に向けた知事の動画配信、あいちワクチンステーション栄の設置、抽選で1万円の食事券を提供する事業など、県全体としては、若者のワクチン接種の促進に取り組んでいるが、学校では、ワクチン接種は自由であると生徒に説明しており、高校生は非常に混乱している。こうした状況について、県はどのように考えているのか。
【理事者】
生徒には、接種は自由であると伝えているが、先ほど答弁したとおり、今回の促進事業に関しては、全生徒に同じ説明がされるよう、説明文を用意した。その冒頭で、そもそもワクチンを接種すべきかどうかについて触れている。具体的には、まず、新型コロナワクチンの接種は予防接種法で努力義務とされていることや、新型コロナウイルス感染症はそうした病気であることを説明した後で、個々の事情や考え方に合わせて、最後の判断は自由であると説明しているので、接種を勧めている意図は伝わっていると思っている。
【委員】
一部の高校生から困惑の声が寄せられているので、若者への接種の促進に取り組んでいる県の立場を明確にして、情報発信してほしい。
【委員】
学校等でのクラスターなどにより、12歳から15歳までの児童生徒の感染が増えているが、こうした児童生徒に対する新型コロナワクチン接種は進んでいない。専用窓口を設置するなど、接種促進の取組は考えているのか。
【理事者】
若者の接種促進のため県では二つの柱を立てている。一つ目が接種機会の積極的な提供であり、二つ目が周知や広報である。一つ目の取組としては、あいちワクチンステーション栄の設置が挙げられ、二つ目の取組としては、若者のワクチンへの関心を高めるため、チラシやSNSによる情報発信、インセンティブの取組が挙げられる。
【委員】
若者全体ではなく、12歳から15歳までの児童生徒への対策について伺う。
【理事者】
県教育委員会が高校生のワクチン接種の促進に取り組む中、市町村においても中学生のワクチン接種を促進するよう、県教育委員会及びワクチン接種体制整備室から市町村に対して働きかけを行っている。市町村の中には、個別接種や集団接種で中学生を対象にした優先枠を設けているところや、積極的なPRを行っているところもあると聞いている。また、市町村教育委員会においても、接種促進に向けた取組を進めていると聞いている。
【理事者】
本年9月10日に市町村教育委員会を通じて、中学生の接種状況について五つの選択肢を用いて確認した。
まず、接種中を含めて優先はしていないが既に接種済みと回答した市町村は16団体であった。なお、接種期間は7月から9月までである。次に、接種中を含めて優先して接種済みと回答した市町村は16団体であった。なお、接種期間は同様に7月から9月までである。次に、今後、優先して接種を予定していると回答した市町村は11団体であった。なお、接種期間は9月から10月までである。次に、優先接種を今後検討すると回答した市町村は3団体あった。最後に、優先接種はしない、考えていないと回答した市町村は7団体であった。このことから、各市町村で接種が順次進められていると受け止めている。
【委員】
家族等が濃厚接触者になった場合、病院で行政検査ができる旨を保健所から通知しているのか。
【理事者】
濃厚接触者になった場合、保健所が把握すれば、検査を受けるように案内している。また、医療機関が把握した場合も、保健所の判断を待たずに、医師から家族にも検査の案内をしてもらえるよう、愛知県医師会等に協力を要請している。
【委員】
医師から濃厚接触者に連絡しているのか。
【理事者】
保健所の判断を待たず、医師から、行政検査として検査を受けられる旨を案内してもらえるよう協力を要請している。
【委員】
地元住民から、宿泊療養施設を希望してから連絡が入るまでに3日程度かかったと聞いているが、現在はどのような状況であるのか。
【理事者】
第5波では、新規陽性者数が急激に増加したこともあり、1日に入所できる人数にも限りがあり、入所に時間を要する事例があった。現在は、新たな宿泊療養施設の設置や新規陽性者数が減少傾向になったことにより、一両日中に入所を案内できている。
【委員】
宿泊療養施設に入所できずに数日間、家族と同居する中で、入所について保健所から連絡がないと、患者は不安に感じると思う。保健所としても、連絡できないほど厳しい状況であったと思うが、患者の不安を払拭するためにも、入所に時間を要しているなど調整状況についても連絡すべきではないか。
【理事者】
新規陽性者数の増減に伴い、入所希望者も増減することから、希望の聞き取り時に正確な入所日を案内することは困難であるが、保健所から患者へ入所可能見込みを連絡することを徹底したい。
【委員】
患者が不安を抱かないような取組を期待したい。
次に、あいちワクチンステーション栄への予約の申込状況について伺う。
【理事者】
初回の予約は、9月8日の正午から、9月11日から14日までの4日分について受け付けた。予約は先着順であり、午後1時6分には、1日550人の枠、4日間で2,200人の枠が埋まった。昼休憩の時間帯であり、予約が埋まるまでに1時間程度かかっていることから、余裕を持って予約を取ってもらえたと受け止めている。なお、予約段階で実施しているアンケート結果によると、予約者2,200人のうち1,899人が30代以下であり、割合にして約86.3パーセントであった。
2回目は、9月11日の正午から、9月15日から17日までの3日間について合計1,650人の枠の予約を受け付け、予約開始から約40分で枠が埋まった。2回目についても、予約者のうち10代から30代までの予約者の割合は約83.9パーセントであった。
【委員】
私もLINEでの予約方法を確認してみたが、予約が先着順であることや、予約の開始日、曜日、時間などが明確でないと感じた。予約の埋まった時間等から、若い世代の多くの県民や本県への通勤者が接種を希望していることが分かるので、周知を徹底してほしいが、県の考えを伺う。
【理事者】
若者への接種機会の提供、情報の周知、関心を接種に結び付けることが非常に重要と考えている。県のホームページでは、大規模集団接種の八つの会場を一つのページにまとめて紹介しているが、あいちワクチンステーション栄は、単独のページでも紹介しており、予約手順についても、予約の各画面の操作手順を丁寧に示して、予約に滞りがないよう心がけている。
今後のPRについては、引き続き力を注いで取り組んでいきたい。
【委員】
積極的に取り組んでほしい。また、あいちワクチンステーション栄への予約希望者が予約できなかった場合には、例えば、予約希望者が居住する地域等で予約可能な別の会場が示されるとよいと考えているため、こうした対応を視野に入れながら、今後取り組んでほしい。
【委員】
国からのワクチン供給の最終分である第15クールが近づく中で、河野太郎新型コロナウイルス感染症ワクチン接種推進担当大臣は、ワクチンは十分足りていると発言しているが、現場の自治体からは、実際には足りていないとの声が上がっている。まず、ワクチンの配分状況について、第14クールと第15クールでは何か問題が生じているのか。
【理事者】
9月下旬から10月初旬に供給される第15クールまでで、全自治体の12歳以上人口の8割が2回接種可能な量が国から供給されることとなっており、各市町村に配分している。具体的には、これまでに供給されたファイザー社のワクチンの数量に、市町村又は医療機関が入力するモデルナ社のワクチンの接種実績を足し合わせた数と、人口の8割が2回接種するために必要な回数との差を県内54市町村の分で計算して、不足分を第14クール、第15クールで提供することとしている。実際に、その数量を事前に市町村に示して、確認してもらっている。
モデルナ社のワクチンについては、大規模集団接種で、名古屋市等の市町村のモデルナ社のワクチンを使った接種は、ワクチン接種記録システムへの入力が頻繁に行われているが、一番の問題は、企業の職域接種である。職域接種は進んでいるが、一部の企業がシステムへの入力をまとめて行っており、実績がシステムになかなか反映されない状況がある。システムに反映されないと、県はもちろん、市町村も住民の接種実績を把握できない。企業に対して職域接種に係るシステムへの入力を適切に行うように働きかけるよう、国に要請しているが、残念ながら、現状は先ほど説明した状況である。そうした数字に表われていない部分があるため、市町村の担当者は、実際には接種が行われているので、供給される数量で十分足りているはずであるが、目に見える数字として出てきていないので、ワクチン不足を心配しているようである。県としては、第15クールの供給の後に、必要な場合には市町村間のワクチン供給の調整をすることも説明した上で、県内54市町村と調整を進めていく。
【委員】
企業の職域接種実績がなるべく早くシステムに反映できるよう努めてほしい。
河野太郎大臣のメールによると、国が各都道府県に対して接種率の見込みを照会したようであるが、本県の接種率の見込みについて伺う。
【理事者】
県として何パーセントを見込むかは難しいが、参考までに、高齢者の接種率は1回目の接種が90パーセントで落ち着いてきており、2回目の接種も89パーセントを超えたので、接種状況の動きを見ると、これらの数値が一つの目安になる。
一方、若い世代になるほど接種率は落ちていく傾向にある。国が目標とする11月末までの接種計画を各市町村が立てているため、各市町村に接種計画を調査したところ、接種率は平均して85パーセントである。県には、モデルナ社、ファイザー社の合計で、第15クールまでに接種率が90パーセントを超える数量のワクチンが供給されることになっているので、接種計画を満たすだけのワクチンは十分にある。あとは、いかに若い世代も含めた接種を進めていき、目標とする85パーセントに近づいていけるか、接種計画を実現していけるかにかかっていると考えている。
【委員】
国からの接種率の見込みに係る照会に対して、本県はどのように回答したのか。
【理事者】
そうした正式な照会文書を承知していない。
【委員】
ワクチン接種が進むと、希望者が少なくなってくるため、集団接種は非効率になってくる。市町村が現在行っている集団接種を県が代わって行う考えはあるのか。
【理事者】
ワクチン接種の終着点については、県も市町村も今後の課題として受け止めている。
県の大規模集団接種は、市町村の接種を補完する役割として、ほかの県にも例がないほどの多くの会場を設置して実施してきたが、使用しているモデルナ社のワクチンは、11月末までの延長分が供給されると国から聞いている。ワクチンが供給されている期間は、役割をしっかりと果たしていくべきと受け止めているが、接種者数が落ち着いていくので、市町村及び県の接種の予約の動きも大分変わってくると思う。そうした状況も見ながら、あいちワクチンステーション栄を含めた八つの会場をどのように集約していくのか、規模を縮小していくのか、市町村の分を県が補完する役割を引き続き続けていくのかなどについて検討していくことになる。また、ファイザー社のワクチンについては、必要量が市町村に供給されているので、住民の利用しやすさの観点から、場合によっては、市町村に接種体制を再構築してもらう必要も出てくると思う。いずれにしても、住民が利用しやすい接種体制を残していくため、市町村を通じて住民の声に耳を傾けながら整えていきたい。
【委員】
3回目のブースター接種の議論が始まっている。とにかく住民の安心、安全な状況を作ってほしい。
次に、宿泊療養施設の一つであるホテル東横INN名古屋南について、入所者は何人であるのか。
【理事者】
9月13日午後6時現在で、359人である。
【委員】
以前、自由民主党愛知県議員団総会で議論となった際に、例えばホテル東横INN名古屋南の805室について、実際に宿泊療養者が使用できるのは500室から700室と聞いた。資料では、宿泊療養施設について、5施設1,514室を稼働と記載されているが、この表現は正しいのか。
【理事者】
1,514室は、実際に使っている部屋数である。
【委員】
表現が間違っていると思う。稼働している部屋数ではなく、契約している部屋数が正しい表現だと思う。資機材を置くためなどに部屋を使っている場合は、稼働ではないのではないか。
【理事者】
受け止め方はそれぞれと思うが、1,514室を契約して、実際に使用しているため、1,514室と表現している。
【委員】
繰り返しになるが、1,514室は、稼働数ではなく、契約数であると思う。この表現は、本県独自の表現ではなく、全国的にこの表現を用いていると聞いているが、それは事実であるのか。
【理事者】
宿泊療養施設については、全国的にも同じように運用しているところが多くあり、本県だけが特別ではない。
【委員】
国への提出書類については、契約数でも問題ないと思うが、説明資料などでは、もう少し分かりやすい表現に改めることは可能である。このことは、自由民主党愛知県議員団総会でも議論となったが、同じ表現を使われると、全く無視されているように感じられ、何のために議論しているか分からない。契約していても実際に動かせないのであれば、稼働ではないと思うので、分かりやすい表現に改めてほしい。
次に、資料に、患者受入医療機関について、合計で1,722床プラスアルファと記載があるが、
このプラスアルファとはどのような意味であるのか。
【理事者】
確保病床以外でも患者を受け入れている医療機関があるため、その部分をプラスアルファと表現している。
【委員】
それは何床あるのか。
【理事者】
具体的な病床数は明らかではない。
【委員】
いわゆる幽霊病床について、県はその存在を認識しているのか。
【理事者】
幽霊病床については、承知していない。
【委員】
俗語かもしれないが、幽霊病床は、新型コロナウイルス感染者をすぐに受入れが可能と申告しながら、ほとんど受け入れていない病床のことである。先日、東京都内で幽霊病床が7施設あると報道されたが、本県では、すぐに受入れが可能と申告しながら、受け入れていない病床はあるのか。
【理事者】
先ほどの丹羽洋章委員からの質問に答弁できなかった部分を含めて答弁する。過去には、確保病床として、受入病院と登録された病院のうち、実際には受け入れていなかった病院があったが、現在は、見直し等を行い、確保病床としての受入病院については、全ての病院が受け入れている。
【委員】
丹羽洋章委員の質問に対する答弁で、確保病床の85パーセントを受け入れてもらうと発言があったが、100パーセントを受け入れるものを確保病床と呼ぶのではないのか。
【理事者】
100パーセントの受入れが理想であるが、50パーセントを超えるとステージ4となる中、それでも最大で85パーセントを受け入れてもらえるよう、緊急的に要請している状況である。
【委員】
資料に、患者受入医療機関について、重症者用病床13床を緊急的に確保と記載があるが、これは、必要な人員の不足などにより、実際に使用できる病床は13床ではない場合があると理解してよいか。
【理事者】
13床は、物理的なベッド数である。医療従事者等なども含め、最大限の確保を要請した。
【委員】
最大限の確保を要請したと答弁があった。資料では、確保と記載があるが、実際には確保されていないのか。
【理事者】
確保されている。
【委員】
仮に今、13人の中等症患者が急に重症化したとすると、この13人の受入れは可能であるのか。
【理事者】
重症患者については、入院の必要があるため、病院の状況にもよるが、受入れに向けて調整していきたい。
【委員】
新型コロナウイルス感染症への対応に終わりが見えない中、県民への要請にはきちんとした理屈付けが必要である。その理屈付けの根拠となる数字が県民に正確に伝わらなければ、説得力が全くなくなってしまう。先ほど質問した表現の問題についても、本県だけが意図的に用いているわけではないと承知しているが、基準や数え方を改善したり、例えば確保病床を準備病床と言い換えたりするなど、それぞれの数字について、県民が正しく理解できるよう努めてほしい。
【委員】
ますだ裕二委員の質問に対する答弁であった回復期の転院病院176病院について、受入れの実績を伺う。
【理事者】
本年5月に実施した調査によると、本年1月から4月までの4か月間で、67病院が284人の転院を受け入れている。
【委員】
入院がなかなかできない現状の理由の一つに、入院の長期化があると思う。円滑な転院のためには、どのような課題があるのか。
【理事者】
回復期にあっても引き続き入院が必要となる場合の転院先として、県内176の病院から、厚生労働省の退院基準を満たした場合の受入れに協力を得られることになっており、病院が実際に受け入れた際には、受入患者1人当たり10万円を支給している。また、この受入病院の名簿を毎週更新しており、新たな病院が追加された場合には、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている県内の医療機関との情報共有を図っている。こうした取組により、現時点では、退院基準を満たした患者の引受けはできていると考えている。
【委員】
病床確保に尽力していることは承知しているが、今後、新規の病床確保が難しくなった場合に備えて、入退院の円滑化を図ることが大変重要となる。地域の病院が感染症指定医療機関の後方支援に取り組む墨田区モデルでは、入院待機がないと報道されており、こうした取組を注視して、改善を図ってほしい。
次に、30代や40代の患者でも重症化することがある中、保護者が入院する場合の子供への対応として、まずは親戚などの身内へ預けることになると思うが、預け先がない場合の県の対応について伺う。
【理事者】
県では、保護者が新型コロナウイルス感染症に感染し、子供の療育、養育が困難な家庭については、保護者が退院するなど養育環境が整うまでの間、県所管の児童相談センターが一時保護所において子供を保護することとしている。昨年4月から体制を整えて対応しており、現在までに26世帯、49人の子供を保護している。
【委員】
その対応は、円滑に行われているのか。子供を保護してもらえるので、保護者は安心して療養に専念できるような状況であるのか。
【理事者】
保健所とも相談、連携しながら、必要な家族に対しては、県児童相談センターで一時保護をしている。
【委員】
保健所における自宅療養者への健康観察の方法を伺う。
【理事者】
保健所では、職員による電話又はメールによる健康観察のほか、国のシステムで自動的に患者に電話がかけられ、音声メッセージによる健康観察を行っている。
【委員】
保健所業務が非常に多忙になっている中、状況を速やかに把握することが重要である。その方法として、スマートフォンの活用が考えられるが、スマートフォンを活用する上で課題はあるのか。
【理事者】
国のシステムでは、スマートフォンを持っていない人でも対応できるため、こうしたものを活用しながら対応できていると考えている。
【委員】
保健所業務が非常に多忙になっているので、少しでも軽減できることがあれば検討してほしい。また、個人の疫学調査は終えているものの、集計作業が追い付いていないと聞いている。感染源の分析は大変重要と考えているが、感染源を分析できていない現状についてどのように認識しているのか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症患者との接触歴の有無は公表しているが、詳細の公表は省略している。しかし、家族や職場など、感染源の区分での調査はできているため、時点ごとの集計は可能な状態である。
【委員】
全体としての集計、分析は、県民への情報発信の基となるデータになることから、業務の負荷となることは承知しているが、対応してほしい。
【委員】
接種券は全て日本語で書かれているので、接種を希望する外国人への支援が必要である。各市町村では、ホームページで多言語表記のものを掲載したり、問合せがあった場合に翻訳されたものを渡したりしていると聞いている。外国人のうち、技能実習生は日本語が読めない場合が多いため、技能実習生の接種に向けた支援について、地元の豊川市役所国際課や豊川市国際交流協会に状況を問い合わせたところ、今のところ相談件数はそれほど多くないが、技能実習生から、予診票が日本語で書かれているので一緒に書いてほしいと相談があったり、監理団体から、所属する接種希望者をまとめて予約させてほしいと依頼があったようである。県は、技能実習生が所属する県内の監理団体に対して、技能実習生の円滑な接種のためどのような働きかけを行っているのか。
【理事者】
外国人技能実習生に対するワクチン接種は、国の認可法人ある外国人技能実習機構から本年7月に文書が発出されており、監理団体及び技能実習生の受入れ先の企業である実習実施者による支援が進められていると認識している。また、新たに認可された事業協同組合が外国人技能実習事業を行う場合については、県として、これまでも文書を発出して適正な事業実施について通知している。さらに、法人格を有する県内の監理団体の95パーセントが事業協同組合であることから、国からの通知を実習実施者に適切に周知するため、県として、愛知県中小企業団体中央会から各組合にメールを発出してもらうことを要請している。あわせて、ホームページでの周知にも取り組んでもらうよう要請している。一方、2割程度の監理団体が愛知県中小企業団体中央会に加盟していないため、今後、県からそうした監理団体に、ワクチン接種を希望する技能実習生に対する支援に努めるよう、改めて文書を発出したい。
【委員】
相談窓口の告知など、県と市町村が連携して、できる限りの支援に取り組んでほしい。
【委員】
職域接種について、現在の状況を伺う。
【理事者】
県内の職域接種の申請状況及び実施状況について、9月8日時点で、接種が開始されている企業、大学等は230件である。一方、取下げをした企業、大学等は125件である。また、9月8日時点で、申請済みの企業、大学等は290件であり、290件全てが県及び国の承認を受けている。接種が開始されていない60件についても、国とのワクチン供給に関する調整が済み次第、順次開始されると思われる。
【委員】
現在は、大規模集団接種会場や市町村での接種が進み、職域接種以外でも接種機会が確保されつつあるが、県は、職域接種による接種をどの程度見込んでいるのか。
【理事者】
申請済みの290件の企業、大学等が当初の予定どおり接種を行った場合には、124万1,437人への接種が行われる見込みである。
【委員】
ワクチン接種記録システムについて、システムや入力状況はどのようになっているのか。
【理事者】
ワクチン接種記録システムは、市町村、医療機関、企業等において共通のシステムを使っている。入力状況については、企業の入力が進んでいない。企業の中には、入力作業を別の企業に委託して、まとめて入力しているところもあると聞いており、企業ごとに対応は様々である。
【委員】
接種実績の把握のため、システムへの反映が適切に行われることが必要であるが、何か県は対応しているのか。
【理事者】
市町村の接種計画を立てる上で、接種したワクチンの種類、接種した場所などのデータは非常に重要なものとなる。県としては、企業、大学等に対して、ワクチン接種記録システムへの入力を早期に行うよう伝えている。
【委員】
国、県、市だけでなく、企業等との情報共有の改善に向け、引き続き取り組んでほしい。
次に、稲沢市の資料によると、本年9月13日の時点で、稲沢市内における10歳未満の感染者は4人であり、そのうち軽症者が2人、無症状者が2人であるが、10歳未満の感染状況について、児童、幼児などに区分した数値を交えて説明してほしい。
【理事者】
児童、幼児の区分けをした統計は存在しないが、本年7月21日からの第5波における10歳未満の感染者は、9月13日午後6時時点で3,612人おり、全体の感染者のうち7.5パーセントを占めている。
【委員】
そのうち軽症者の人数は把握しているのか。
【理事者】
年代別症状別の内訳資料がないため答弁できない。
【委員】
年齢の低い子供の軽症について、県はどのような病状であると認識しているのか。
【理事者】
何らかの症状を発症しているものの、肺炎等ではなく、酸素吸入が必要ではない状態を軽症としている。多くは、発熱や咳の症状が認められると認識している。
【委員】
10代以上と特段変わりがなく、10歳未満特有の症状があるわけではないと理解した。こうした児童、幼児が感染した場合の療養の状況について伺う。
【理事者】
自宅療養を選択した場合、家族で感染した子供の面倒を見ることがある。また、家庭内感染により家族も感染している状況があり、こうした際に宿泊療養を選択する場合は、親子で療養施設に入所することもある。また、入院が必要とされる場合は、小児を対象とした病院への入院の調整を行い、病院で療養することもある。
【委員】
小さい子供に対して、しっかりと対応してほしい。保育所等でのクラスターの発生について、県はどのように対応しているのか。
【理事者】
15歳未満の感染者が発生した場合は、市町村教育委員会へ氏名等の情報提供を行い、学校等でのクラスターの発生を未然に防止できるよう市町村と連携を図っている。
【委員】
現場の保育所等では、どのように対応しているのか。
【理事者】
保育所等で感染者が発生した場合、まずは保護者へ連絡を取った上で、休園等の措置を講じていると聞いている。
【委員】
保育園児等はワクチン接種ができないため、十分に配慮して対応してほしい。
【委員】
本年8月に、地元住民の40歳の男性は40度の発熱が4日続いたため、保健所に入院又は宿泊療養を希望したが、保健所からは空きがないため入れないという返答があった。そのため、独立行政法人国立病院機構東名古屋病院の受診後に、自宅で療養していたようである。
この男性が宿泊療養施設も含めて、なかなか入院できなかった理由は、どのようなことが考えられるのか。
【理事者】
第5波の感染拡大に伴い、新型コロナウイルス感染症患者に対する医療を確保するために、本年8月25日に感染症患者の受入れ促進と延期可能な入院手術の一時延期について患者受入医療機関に依頼している。さらに、9月2日に主な患者受入医療機関に対して、緊急的な受入病床の確保について、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき要請している。その結果、9月10日には、新たに152床、うち重症病床13床を確保し、患者受入医療機関は79病院となっている。確保病床としては、1,722床プラスアルファ、うち重症病床183床プラスアルファである。
現在、入院患者数は991人で、使用率は57.5パーセントであるためステージ4となっている。9月6日時点では、入院患者数は1,018人となっていたが、医療機関の協力により、何とか乗り切ることができたと認識している。
委員の地元の事例については、まず、名古屋市が入院調整をして、そこで調整できなかった場合は、県調整本部で入院調整をしており、必要な患者は入院できていると認識している。
【委員】
確保病床1,722床のうち、名古屋市内の病床数は幾つであるのか。また、どのように入院の判断を行っているのか。
【理事者】
名古屋市内の病床数については、医療圏ごとの病床数の回答は差し控えたいので、答弁できない。
入院の判断については、基本的には医師が必要性を判断している。
【委員】
どのように医師が入院の判断を行っているのか。
【理事者】
医師が個別具体的に判断することになる。
【委員】
名古屋市内の病床数を回答できない理由を伺う。
また、地元の男性は、入院について保健所と話をしただけで医師と話していないが、医師はどのように判断しているのか。
【理事者】
県全体で病床数を管理することになっているため、個別の病床数については、公表を差し控えたい。
医師の入院の判断については、入院調整する部署に医師がいるため、そこで医師が判断している。
【委員】
どのような要素で医師は判断しているのか。
【理事者】
例えば酸素濃度や倦怠感などのほか、ろれつが回っていない場合など、総合的に判断している。
【委員】
電話に出ているのは医師ではなく保健所職員である。酸素濃度についても、誰も訪問していないのに、どうして分かるのか。
【理事者】
食事が取れているか、発熱が5日以上継続しているか、水分が取れているか、年齢、基礎疾患があるかなど、入院の優先度の評価項目を総合的に判断して、評価している。
【委員】
宿泊療養施設には何人が入所しているのか。また、名古屋市内についてはどのような状況であるのか。
【理事者】
9月13日午後6時時点で、宿泊療養施設全体では785人が入所している。名古屋市内の状況については、資料がないため答弁できない。
【委員】
現在、保健所が管理している患者数は、入院患者991人、宿泊療養施設入所者785人、自宅療養者1万3,268人の合計でよいか。
【理事者】
保健所が管理している患者は、自宅療養者だけである。宿泊療養施設入所者は施設が管理し、入院患者は病院が管理している。
【委員】
感染した場合の窓口は保健所であり、全て保健所が関与しているのではないのか。
【理事者】
入院患者と宿泊療養施設入所者、自宅療養者は、全て最初は保健所を通す。
【委員】
保健所を通す患者数としては、それらの合計でよいか。
【理事者】
その合計数に新規感染者数を加えた数が全体の療養者となる。
【委員】
自宅療養者の支援について、訪問医療の状況はどのようになっているのか。
【理事者】
本年6月に自宅療養者への往診等を実施した医療機関に対して補助金を交付する事業を立ち上げており、6月16日から8月末までの実績は、県内で2,306件である。
【委員】
自宅療養者への往診は、保健所が手配しているのか。また、往診時にはどのような医薬品が処方されるのか。
【理事者】
保健所の聞き取りで往診を希望する患者がいれば、保健所が調整して医師を派遣している。
自宅療養者への往診時に処方される医薬品については、一般的に対症療法として解熱剤がある。そのほか、保険適用のものとしては、ステロイドが処方できる医薬品とされている。
【委員】
解熱剤とステロイドしか処方されないことに驚いた。イベルメクチンやアビガンは、患者が希望すれば処方されるのか。
【理事者】
現在、イベルメクチンやアビガンは、治験薬の扱いであり、自宅療養者に対しての処方はできない。
【委員】
治験薬であっても、本人が希望すれば、保険適用で処方できると聞いたが、そうではないと認識してよいか。感染症対策局長の答弁を求める。
【理事者】
保険適用の可否については把握していないが、薬の処方については、医師が往診時に判断し、まずは対症療法になると思う。入院が必要となれば、その時点で医師が判断すると思う。入院と判断すれば、当然、救急車または民間救急で患者を病院へ搬送することになる。
【委員】
イベルメクチンとアビガンは希望すれば処方されると聞いていたが、そうではないとすると、解熱剤とステロイドしかなく、大変な状況である。保健所職員や医療関係者が大変な思いをしているので、対応が後手に回らないよう、県がしっかりと調整役を務めることが大事である。問題点を改めて洗い出して、病床確保と体制強化に努めてほしい。
【委員】
本年8月30日の知事の記者会見で、常滑市における野外音楽イベントについて、県及び愛知国際会議展示場株式会社は、第三者委員会を立ち上げて事実関係を検証し、こうしたことが二度と起こらないよう、レポートを含め、助言を受けると発言があった。この第三者委員会のメンバーや調査内容は決まっているのか。
【理事者】
第三者委員会の立ち上げに向けて早急に準備を進めているところであり、メンバーはまだ公表に至らないが、大学教授、弁護士、公認会計士、医師等を含めて構成していきたいと思っている。助言を受ける内容については、知事が記者会見等で発言しているとおり、事実関係を検証した上での再発防止に向けた対応等である。
【委員】
第三者委員会にイベント主催者は呼ぶのか。
【理事者】
実際に会議をどのように進めていくかについては、今後、委員と相談しながら決まっていくことになるが、委員から要望があれば、イベント主催者の話を聞く場を設けることもあり得る。
【委員】
8月30日の夜に主催者が謝罪のため県庁を訪問したときは、誰が来て、誰が対応したのか。
【理事者】
8月30日は、主催者企業の代表者が来て、私以下、担当が対応した。
【委員】
代表者の名前は何であるのか。名刺はもらったのか。
【理事者】
代表者の名前は、富永基煥である。名刺はもらっていない。
【委員】
これだけ大きな問題を起こしたが、名刺のやり取りもなく、対応者についても担当課長でよいのか疑問に感じる。イベント当日は、10時間もコンサートを行い、その後も明け方まで大騒ぎをしていたと聞いている。会場で、どれだけの量のごみが出て、誰がそれを処理したのか。
【理事者】
催事終了後に名古屋市内でパーティを開いていたことは、報道等で承知しているが、事実については確認できていない。
会場の使用後は、主催者が原状復帰することになっているが、ごみの量や処理に要した費用については現時点では把握していない。
【委員】
会場のごみについての問題も第三者委員会で諮ることになるのか。
【理事者】
第三者委員会では、今回、感染防止対策が極めて不十分な中で開催されたことについて、こうしたことが二度と起こらないよう検証を行うことになるが、委員と相談していく中で、取り扱う内容について幅を広げることになれば、検討する可能性もある。いずれにしても、委員と相談しながら進めていきたい。
【委員】
指定管理についての問題でもあり、総務企画委員会の中で、総務局長が、契約の見直しを含めてやると答弁した。なぜ昨年まで海岸で開催されていたものが今回の場所で開催されたのかなど、今後の調査で様々なことが明らかになるだろう。また、アルコール類の提供については、緊急事態宣言が発令されている時期なので、午後9時まで飲ませていた状況は異常である。第三者委員会がどのような結論を出すのか分からないが、けじめをきちんと付けないと、今後も起こってしまう。
このイベントの参加者への無料のPCR検査は、誰が決断したのか。
【理事者】
今回の無料のPCR検査は、最終的には知事が判断した。
【委員】
検査キットの費用は、幾らであるのか。
【理事者】
検査キットは、一箱約5,000円である。
【委員】
その5,000円は、県民の税金である。費用はイベント主催者に請求するのか。
【理事者】
費用の請求については、感染していたとしても、今回のイベントへの参加によって感染したことが証明できないため、現時点では難しいと考えている。
【委員】
保健所が新型コロナウイルスへの感染の疑いがあると認めれば、公費でPCR検査を受けられるが、そうでない場合は、自費で2、3万円を払っている。このこととの関係について説明を求める。
【理事者】
症状がある者については、医療機関を受診するなどして検査できるが、無症状者の場合は、知らず知らずのうちに周りの人に感染させる危険性もあるため、今回、無症状者を対象に検査を実施している。検査の実施に当たっては、濃厚接触者に要請する自宅待機等の期間と同じように2週間の行動自粛を守ってもらうことを条件として、無料のPCR検査を実施している。
【委員】
費用は県が全て負担することになるか。
【理事者】
現時点では、費用は県が負担する予定である。
【委員】
濃厚接触の疑いがある場合はPCR検査の費用を県が負担するが、濃厚接触でない場合は、全額自費としている。何を基準として、コンサートに参加した人のPCR検査費用を県が負担するのか。なぜやりたい放題にやった者が税金で優遇されるのか。今回の新型コロナウイルス感染症の問題は、県の要請を守らない人が利益を得て、要請を守って我慢している人が苦しんでいると思う。
医療提供体制について、感染症対策局長が、愛知県病院協会会長に会って話をしていると聞いている。県が登録されている病院の一覧表を整備すれば、保健所は病院を一覧表で検索でき、それを災害派遣医療チーム(DMAT)に任せることで、患者の症状から、適切な病院を判断できるはずである。今、保健所は、受入先の病院を電話で探しており、かわいそうである。なぜDMATを活用しないのか。私はこのシステムの現物を見たが、システムを確立できれば、病院は受入れを断らない。約50パーセントの病床使用率であれば、確実に対応できる。
もう一つは、長期療養者用の別の病院を作ることはできないのか。保健医療局長は、保健所業務の軽減策に取り組んでほしい。保健所が受入病院の手配など全ての業務を行っていてはもたないので、DMATに任せるべきである。
今述べたことについて、どのように考えているのか。
【理事者】
指摘のあった入院システムについては、現在、情報関係部署と導入に向けて調整しているところである。
DMATの活用については、現時点においては、災害の専門であるので入院調整を担ってもらっている。その統括官を北川喜己名古屋掖済会病院副院長が担っている。病床使用率が60パーセントを超えると入院調整がかなり厳しくなるので、その場合にDMATに依頼して調整しているのが実情である。ただし、DMATを活用しているのは、本庁の入院調整のみである。保健所が医療圏内で入院調整ができない場合は、本庁で対応することになり、本庁の入院調整担当者が空いている病院を探して調整する。病院を探す際に、空き状況を瞬時に把握できるものはなく、前日からの状況も見ながら、担当者が電話をかけて空き状況を確認しており、受入れが可能であればその病院に入院してもらっている。
そのため、保健所単位でDMATを活用することが最善の方法であるが、それぞれの病院に所属する医師や看護師等の理解を得るのも困難であるというのが率直な感想である。
現在、本庁で何とかしのいでいるが、いかに効率的に行っていくかをこれから検討して、福岡県で導入されたシステムを参考にしながら、本県でもなるべく早い時期に活用できるよう検討していきたい。
【委員】
県は、感染症への対応を含めて、政令指定都市や中核市への指揮命令は可能であるのか。
【理事者】
感染症への対応の実施主体として、都道府県、政令指定都市及び中核市がそれぞれ所管の保健所を持っている。したがって、名古屋市保健センターは名古屋市の所管である。県から名古屋市保健センターに対する指揮命令は、一切行われない。名古屋市の感染症対策については、本庁を通じて調整を図っている。県職員が県管轄の保健所へ直接指示することはあるが、名古屋市の保健所へ指示することは一切ない。中核市についても同様である。感染症に関してはこうした扱いとなるが、全体の調整は都道府県の役割になるため、例えば入院調整や宿泊療養施設への入所調整は、県が一括して担っている状況である。
ただし、宿泊療養施設については、他県の例であるが、政令指定都市で自ら設置することも可能であり、横浜市は宿泊療養施設を自ら設置している。しかし、名古屋市は単独で設置していないため、県と名古屋市が共同で設置して運営している。
【委員】
陽性反応が出たときにCTを撮れば症状が分かる。陽性者のうちCTを撮っている人はどれくらいいるのか。
【理事者】
データを持ち合わせていないため答弁できない。
【委員】
CTを撮ることは、中等症や重症を判定するために大事なことではないのか。これは、原則、保健所の業務ではないのか。
【理事者】
陽性と判断される際に、発熱していれば、まず保健所に相談するか、発熱外来に問い合わせてもらう。発熱外来がPCR検査を実施していなければ、別の医療機関を紹介される。PCR検査を実施して陽性となれば、そこで受診できればよいが、そうでなければ別の医療機関を紹介される。その医療機関に自ら出向いてもらい、医師の判断に基づき、治療を受けることになる。入院が必要と判断されれば、直ちに入院の手続きに入ることになるが、そうでない場合もある。医師が初診で診たときには自宅療養または宿泊療養施設への入所と判断しており、原則は、自宅療養と判断されることになる。時として容態が急変することもあるので、そうした場合には、かかりつけ医の受診のほか、保健所が派遣した医師による往診や訪問看護ステーションの職員の派遣などを実施しており、6月16日から8月末までの実績は約2,300件である。
したがって、CT検査については、医師の判断によって行われている。県としては、医師が要入院と判断した場合は入院ができるように調整している。
【委員】
実態と異なる部分があるため、一度よく検討してほしい。また、保健所業務があまりにも多いので、保健所の負担軽減策を考えなければいけない。さらには、住民が気軽に相談できるよう、親切心を持って業務に取り組んでもらいたい。
児童相談所が一時保護できる人数はどのくらいか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症に関するものを理由として、県の児童相談所が一時保護できるのは、保護する前にPCR検査で陰性であることが条件であるが、定員は30人である。ただし、一時保護する子供の状況にもよるので、30人まで受け入れられないことがある。
【委員】
行政が費用を負担して、市町村の親しい人に預けられる体制をつくることはできないのか。
【理事者】
例えば市町村のショートステイ事業など、国から補助金が出ている制度もあるので、これを上手に利用できないかと思うが、現在はコロナ禍で利用できる状況ではない。先日、国に対して、国の支援が得られないか確認したところ、国はそうした話があったことを上司に伝えておくとする対応であった。
【委員】
本当に困っている人への対応にもっと取り組んでほしい。
なぜ一週間前から新規感染者が急激に減少したのか。
【理事者】
感染者数が急激に減少してきた理由については判断が難しいが、過去例では、感染者数はピークが2週間程度続いた後、徐々に減少してくる。
その間、本県の保健所では、徹底的に疫学調査を行い、感染者を自宅待機させている。自宅待機すると、人との接触が少なくなるために新規感染者が減ってくるのかもしれない。
【委員】
県民が安心できるような体制を整えてほしい。県の組織が、司令塔で全てを動かせるようになれば、相当な無駄がなくなるはずである。業務の流れを考えて、負荷が一箇所に集中しないことが大切である。