定例議会・臨時議会情報
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委員会審査状況
新型コロナウイルス感染症対策特別委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和3年10月11日(月) 午後2時30分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
直江弘文、かじ山義章 正副委員長
水野富夫、神戸洋美、川嶋太郎、高桑敏直、石塚吾歩路、藤原宏樹、丹羽洋章、
ますだ裕二、鈴木雅博、富田昭雄、鈴木 純、日比たけまさ、黒田太郎、おおたけりえ、
荻原宏悦、神谷まさひろ 各委員
総務局長、防災安全局長、防災部長、保健医療局長、同技監、健康医務部長、
生活衛生部長兼医薬安全課長、感染症対策局長、同技監(2名)、感染症対策調整監、
経済産業局長、産業部長、観光コンベンション局長、関係各課長等
<議 題>
1 ニューあいちスタンダードについて
2 新型コロナワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)について
<会議の概要>
1 開 会
2 議題について理事者から説明
3 質 疑
4 休 憩(午後4時3分)
5 再 開(午後4時14分)
6 閉 会
(主な質疑)
【委員】
行動制限の緩和に向けて、新型コロナワクチンの接種証明や検査による陰性証明を使ったワクチン・検査パッケージの技術実証について報道されている。本県においても、10月6日に豊田スタジアムで行われたJリーグの試合で、国による実証実験が行われ、一般席1万席以外に実証実験用のチケットを1,800人分用意して、730枚が販売された。
また、観戦者は専用窓口でワクチン接種証明書や運転免許証などの本人確認書類の提示を求められ、2回目のワクチン接種から2週間経過していないなど、条件を満たさない人が数人いたものの、目立った混乱はなかったと聞いている。
そのほか、プロ野球も10月中旬以降に実証実験に参加して、11月20日に開幕する日本シリーズの複数試合で実施するとのことであり、旅行会社のツアーや、飲食店、小劇場でも実施されるとのことである。
本県でも、国と県で役割分担して、12月に名古屋市内で開催される音楽コンサートで入場制限を緩和して、ワクチン接種歴や事前検査を確認するとのことだが、国に対して技術実証を申請した理由は何か。
【理事者】
ワクチン接種が進み、重症患者数が抑制され、医療の逼迫を回避することが可能となれば、基本的な感染防止対策を維持した上で、様々な行動制限を緩和し、社会経済活動を回していくことが合理的であると考えている。
本県も行動制限の緩和に向け、対策を検討していく上で、国の技術実証に参加し、ワクチン・検査パッケージによる規制緩和の実効性や課題を把握することは有益であることから、提案したものである。
【委員】
本県は、大規模イベントである音楽コンサートを技術実証の対象として国に申請したが、そのほかの分野については申請しなかったのか。
【理事者】
本年9月13日に、国から都道府県に対して募集された技術実証の分野は、飲食店、ライブハウス・小劇場、音楽コンサート等の大規模イベントの三つである。そのほか、スポーツイベントは国が直接実施し、観光分野については都道府県に対する募集はない。
また、飲食店分野の技術実証を行うに当たっては、複数店舗が集合するエリアを想定するとの条件があり、本県も百貨店や食品衛生協会等に参加意向を確認したが、現場での抗原検査に時間を要することや検査場所を確保できないこと、ワクチン接種証明や陰性証明の提示などで利用客に手間をかけることで利用客に敬遠され、売上減少につながるなどの理由により見送った。
一方、大規模イベントの分野では、3件の音楽コンサートについて事業者と調整がまとまり、国に提案した。
【委員】
本県と同様に、国と協働して技術実証を行う都道府県はあるのか。
【理事者】
埼玉県も国と協働して技術実証を実施すると聞いている。具体的には、飲食店を対象として10月下旬に2週間、酒類提供や営業時間、人数制限の緩和を予定しており、前半1週間は国、後半1週間は埼玉県の枠組みで実施するとのことである。
【委員】
技術実証の結果をどのように生かしていくのか。
【理事者】
今回の技術実証は、国との協働で実施することにより、国立研究開発法人産業技術総合研究所の分析結果を共有することになる。この分析結果は、今後、事業者がイベントを開催する際、ワクチン・検査パッケージを活用した会場運営方法や費用の検討に生かすことができるよう広く周知するとともに、業種別ガイドラインの変更につなげていきたい。
【委員】
技術実証においては、ワクチンを2回接種した人はワクチン接種証明の提示でよいが、2回接種していない人はPCR検査を受けなければならず、検査結果が陰性だとしても、当日その証明書を忘れた場合には抗原検査等をする必要がある。今回は、国の事業であるため、PCR検査や抗原検査の費用は個人負担の必要はないが、今後、ワクチン・検査パッケージが事業者で活用される場合に、ワクチンを打ちたくても打てない人のPCR検査費用を、事業者が負担するのか、もしくは個人が負担するのかで大きな違いがある。
仮に検査費用が個人負担になれば、音楽イベントでも1万円のチケットに検査費用が上乗せされ、大きな負担になる。このことについて、何か考えや方向性はあるか。
【理事者】
今回の技術実証の目的として国が示しているのは、ワクチン・検査パッケージのコスト、手順等を確認することである。技術実証の結果を反映して、今後どのようになるのか国が検討するため、動きを注視していきたい。
【委員】
ワクチンを打ちたくても打てない人が不利益を被らないよう、技術実証の中で国に要望してほしい。
【委員】
飲食店に対して営業時間短縮要請が続けられているが、まん延防止等重点措置や緊急事態措置が講じられても、様々な事情から営業時間短縮ができない飲食店が増えているように感じる。飲食店の見回りは、どの時期に、何回行っているか。
【理事者】
飲食店の見回りについては、本年4月20日から7月11日までの第4波の期間に県全域を見回り、営業時間短縮の協力状況を調査している。その後、8月8日から9月30日までの第5波の期間にも調査を実施し、第4波、第5波においても県全域の飲食店を回っている。
【委員】
見回りの結果、営業時間短縮要請を守っていない店舗数はどの程度あったか。
【理事者】
第4波の4月20日から7月11日まで、県内の飲食店全店を調査した結果、県の要請に応じていないのは865店舗、約2パーセントであった。第5波の調査では、全店舗中1,224店舗、約3パーセントが要請に応じていなかった。
【委員】
本年10月1日以降、緊急事態宣言が解除され、県独自の厳重警戒措置に移行し引き続き営業時間短縮要請を行っている。10月以降も見回りを行っているのか。
【理事者】
10月1日からの厳重警戒措置においても、見回りを継続している。主要駅周辺を優先的に、また、これまで要請に応じていなかった店舗を中心に、21時以降に開店店舗を確認している。
【委員】
まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の期間中であれば、要請に従わない店舗に対して、過料を科すことができる。しかし、県独自の要請期間には法的な抑止力がない。県の抑止力があるのは、ニューあいちスタンダードの認証を取り消すことだが、制度上可能なのか。
【理事者】
ニューあいちスタンダード認証制度実施要綱において、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく知事の要請を遵守することが規定されており、申請の際には同意書を提出してもらっている。この同意書に従わない場合は、認証の取消しも可能である。
【委員】
県の要請に従わない飲食店がニューあいちスタンダードの認証ステッカーを貼っていることに苦情が来ている。要請に法的拘束力がない期間は、認証制度を抑止力として有効活用するしかないことから、同意書の内容に従わない場合には認証を取り消すことができる旨を、飲食店に対して、周知してほしい。
また、要請に従っていない店舗数は、県内の飲食店約4万店舗からすれば非常に少ないとはいえ、第4波よりも第5波の期間で増えている。それでも、第5波における感染者数は急速に減少しており、断定はできないが、飲食店の営業時間と感染には因果関係がない、または因果関係が弱まっているとの仮説が成り立つ可能性がある。
ワクチン接種率の上昇と、飲食店が感染防止対策を行い、ニューあいちスタンダード認証の準備を進めたことで、第4波と第5波の期間では状況が異なっている。感染防止対策としての飲食店の営業自粛要請は、重要度が下がっているのかもしれない。厳しい感染防止対策を求めたのであれば、認証店舗には営業の自由を認めるように、様々な検証を要望する。
【委員】
ニューあいちスタンダード認証制度の実効性を高めていく必要がある。まず、元から営業時間を21時までとしている飲食店は、認証を受けていれば時間短縮要請はない一方で、認証を受けていなければ時間短縮要請があり、1時間の短縮営業で協力金がもらえると聞いている。この認識でよいか。
【理事者】
基本的にはそうである。協力金の考え方は、従来の営業時間が短縮営業の要請を求める時間より後ろである店舗が、要請を受けて決められた時間までに閉店した場合に協力金が出ることが大原則であるため、元から21時まで営業していた店舗が21時で店を閉める場合は、時短営業に当たらないことになる。
【委員】
営業時間が21時までの飲食店は、20時まで営業時間を短縮すれば協力金が支給されることから、ニューあいちスタンダード認証を申請しない店舗があると聞いている。認証申請を推奨する一方で、このように申請しないで協力金をもらう店舗があることについて、当初は認証を受けることを協力金の支給要件とする旨の説明があったと思うが、進捗状況はどのようになっているか。
【理事者】
現在、協力金の交付要件は、ニューあいちスタンダードの認証または安全・安心宣言施設の取得のどちらかを満たす店舗としているが、将来的に、ニューあいちスタンダードの認証を要件化することも検討している。
しかし、現状では認証を受けていない店舗があり、また、業種、業態によっては認証のために様々な取組が必要となる場合もあるため、要件化のタイミングについては慎重に検討していきたい。
【委員】
元の営業時間が21時までの店舗で、認証を受けなければ20時までの営業時間短縮に協力金が支払われるとのことで、わざと認証を申請せずに協力金をもらっている事例があると聞いている。
県としては、営業時間が21時までの店舗に対しても認証を取ってもらうように進めるべきと思うが、どのように考えているのか。
【理事者】
現実として、指摘のような対応をしている店舗もあると思う。
従来は、地域ごとに営業短縮時間や協力金の金額が異なっていたが、今回、地域ではなく認証の有無により差をつけたことで、制度上、そのような事態が起きている。
【委員】
21時までの営業の店舗にも認証を受けてもらえるよう、県として強く取り組んでほしい。
また、黒田太郎委員も指摘したように、営業時間短縮要請に従わない店舗も相当数見受けられる。ニューあいちスタンダードの認証を受けているのにもかかわらず、要請に従っていない店舗もあるが、認証の取消しを検討するとともに、認証のメリットを高める必要がある。
営業時間が21時までの店舗についても、協力金よりも大きなインセンティブがあればニューあいちスタンダード認証を取得するし、事業者としても認証を取り消されないよう要綱に従う。インセンティブや罰則を明確にして飲食店等に認証を受けてもらうことで、第6波が来たときにも休業要請や酒類提供自粛を回避できる可能性がある。
そこで、プレミアム商品券、あいち旅eマネーキャンペーン及びGoToEatキャンペーンあいちは、飲食店支援の一環と位置づけられているが、ニューあいちスタンダードの認証を受けていない店舗でも使えるのであれば差別化することはできない。
プレミアム商品券等の支援策について、現状をどのように把握しているのか。また、今後どのような対策を講じていくのか。
【理事者】
本年度、プレミアム商品券発行事業は33市町村が実施しており、県はげんき商店街推進事業費補助金により支援している。全ての市町村が小売店及び飲食店を対象にしているが、参加店舗の新型コロナウイルス感染症対策については、事業を実施する市町村を通じて、業種別ガイドラインの遵守や県の要請に従うことなどを依頼している。
しかしながら、プレミアム商品券の参加店舗の募集時期がニューあいちスタンダードの制度創設よりも早かった市町村が多くあり、全ての市町村、参加店舗に認証取得を統一的に求めることができなかった。プレミアム商品券に参加する飲食店のうち、まだ認証申請をしていない店舗については、速やかに認証に向けた取組を行うよう、市町村を通じて働きかけていく。具体的には、全市町村の商業振興施策を担う職員の会議において、依頼する。
【理事者】
GoToEatキャンペーンあいちは、農林水産省の事業であり、直接県が行うものではないが、実施に当たっては地元都道府県の意見を尊重して実施することとされている。参加飲食店の募集に当たっては、参加条件に同意を得ることを必要としており、行政への協力の項目において、業種別ガイドラインの遵守や、法に基づく要請があった場合には従うことが規定されている。
その中の一つとして、ニューあいちスタンダードの認証または安全・安心宣言施設への登録を推奨との文言があり、現時点では、完全な要件化はされていないが、認証の取得等が推奨されている。
【理事者】
観光消費喚起事業である、あいち旅eマネーキャンペーン及びLOVEあいちキャンペーンにおいては、飲食店に限らず旅行業者、宿泊事業者、観光施設、土産物店等について、まずは安全・安心宣言施設の登録を参加要件としている。飲食店に関しては、現在、安全・安心宣言施設とニューあいちスタンダード認証のどちらかの取得を要件としているが、感染防止対策の認証制度がニューあいちスタンダードに移行した場合には、要件も一本化していきたい。
【委員】
GoToEatキャンペーンあいちの参加要件の一つに、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に関わる許可を得た営業を行っていないことがある。
接待を伴う飲食業でなくても、居酒屋等で午前0時以降まで営業する店舗は、深夜酒類提供飲食店営業届を提出しなければならない。これは風営法に規定されていることから、深夜営業をしている居酒屋では、GoToEatの食事券が使えないと思うが、この点についてどう考えるか。
【理事者】
風営法に規定する営業をしないことについては、例外措置的な条項もある。例えば、GoToEatキャンペーンあいちに参加している間は、食事券の利用者またはポイントの付与対象者かどうかにかかわらず、利用客に対して接待飲食等営業を行わない旨を店頭に掲示することで、キャンペーンの対象になると規定されている。
【委員】
深夜酒類提供許可は、接待を伴わないことを前提とするものである。午前0時以降に営業する居酒屋は接待を伴わなくても風営法に係る手続が必要であり、GoToEatキャンペーンあいちの特典を受けられないのではないか。ニューあいちスタンダードの認証を受けても対象から漏れてしまうが、どのように考えるか。
【理事者】
具体的な点については、事業者にも現状を確認して検討する。
【委員】
ワクチン・検査パッケージの技術実証においては、ワクチン接種証明もしくは陰性証明の提示を求めるとのことだが、ワクチン接種が先行的に進んだイスラエルでは、接種証明等の有効期間は半年程度として、それ以前の接種については証明にならないとされている。
我が国でも、例えば12月のイベントにおいて、6月以前の接種証明が有効と扱われるのか、また、陰性証明の有効期限はどの程度なのか。
【理事者】
技術実証において、国から接種証明等の有効期限は示されていない。
【委員】
ワクチンの2回接種が済んだ人でも、いわゆるブレイクスルー感染が報告されている中で、接種により重症化リスクがかなり軽減されるとはいえ、感染拡大防止の観点からは、有効期間について考える必要がある。
国からは何も方針が示されていないが、技術実証を行っていく際に完全に無視していては、技術実証の意味がない。この点について、新しい情報が入れば早く教えてほしい。
次に、本県独自の厳重警戒措置期間である10月17日まで、飲食店は営業時間短縮が要請され、1グループの人数も4人までと制限されている。一方で、観光消費喚起事業について、人数制限はないと理解しており、ダブルスタンダードになっているが、今後、どのように整合性を取っていくのか。
また、ニューあいちスタンダードの認証店であれば、4人の人数制限は外すこともできると考えるが、どうか。
【理事者】
観光消費喚起事業については、割引の対象者を県民に限定し、かつ対象となる旅行は県内の旅行としている。県民による県内旅行であって、県をまたぐ移動は含まれていないことから、厳重警戒措置との整合性は取れていると考えている。
また、この事業は事業者、旅行業者、宿泊事業者、観光施設、土産物店等、安全・安心施設の登録を要件としており、飲食店については、安全・安心宣言施設とニューあいちスタンダード認証のどちらかを取得することを要件としている。ニューあいちスタンダード認証に一本化されれば、それに準じて対応していくことになる。
あわせて、業種別ガイドライン等の遵守を事業者には要請しており、旅行者向けには、国が感染症対策の留意点をまとめた資料である、新しい旅のエチケットに沿った旅行を呼びかけている。
感染防止対策の徹底と観光消費喚起事業の推進の両立が重要であり、本県の厳重警戒措置や感染防止対策との整合性を取りながら進めていきたい。
【理事者】
業界別ガイドラインにおいても、県などの指導に従うことになっており、大人数で訪問した場合であっても、4人ずつテーブルを分けるなど対応してもらいたいと考えている。そのことは事業者にも周知している。
4人の制限を緩和することについては、まだ国の基本的対処方針に人と人の距離の確保などが記載されているが、10月18日以降の措置と併せて今後検討していきたい。
【委員】
本年3月から、高齢者施設等のスクリーニング検査を行っているが、その目的は何か。
【理事者】
高齢者施設の利用者は、特に新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高いことから、早期に感染者を発見することで、施設内の感染や新たなクラスターの発生を予防することを目的としている。
【委員】
実施状況はどのようになっているか。
【理事者】
スクリーニング検査は、これまで3回実施している。
1回目は、本年3月8日から3月末までを実施期間として、県内全域の高齢者及び障害児、障害者の入所系の施設、約3,200施設、職員9万6,000人を対象に、期間中1人当たり1回の検査を受けるよう実施した。
2回目は、対象者及び対象施設は1回目と同じだが、高齢者施設において感染が拡大していた状況を踏まえ、検査頻度を1週間に1回に増やし、5月12日から6月末まで実施した。
3回目は、対象施設を入所系に加えて通所系まで拡大し、県全体で約1万100施設、職員19万1,000人を対象に、7月12日から9月末までを実施期間として、2週間に1回の検査頻度で実施した。
なお、10月以降、新型コロナワクチンの接種が進んだことで、高齢者施設での感染者やクラスターの発生数は大きく抑えられているが、7月下旬からの第5波における感染状況等も踏まえ、4回目のスクリーニング検査を継続実施しており、10月7日から11月末までを期間として、1人当たり2回の検査を受けるよう実施している。
【委員】
3回目から通所系施設を含めたこともあるが、1回目及び2回目の実施率約56パーセントから、3回目は37.2パーセントまで落ちている。執行率も約65パーセントから約32パーセントに落ちており、施設によって検査を受けられない事情もあると思うが、第5波でもクラスターが発生した施設もあり、当初の目的に沿って、検査への協力についてしっかり働きかけてほしい。
受検率の向上について、どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
未受検の施設に対して理由を聞き取ったところ、運営主体が医療法人であるために法人内で検査の体制が整っている、あるいは自前で検査キット等を入手しているといった回答があった。
そのほか、ワクチン接種が進んでいる状況を踏まえ、ワクチンを接種済みであることを理由に挙げる施設が増えている。
本県としては、ワクチン接種が進んでいるとはいえ、クラスターの発生防止や感染者の早期発見も重要であることから、当面はスクリーニング検査を活用してほしいと考えている。
その上で、受検率の向上に当たり、これまでも受検を促す文書を各施設、事業所に発出していたが、未受検の施設に対しては個別に、受託事業者及び県から文書を出している。その結果、若干ではあるが受検率の改善が図られており、今後もあらゆる機会を通じて検査の意義や感染拡大を防ぐ必要性等を周知し、多くの施設の理解を得ることで受検率向上を図っていきたい。
【委員】
ニューあいちスタンダード認証制度について、飲食店側の認知は相当進み、認証申請も増えてきた一方で、利用者にはどこまで認識されているのか。これから外食の機会が増えていくに当たり、より安全な飲食店を、マナーを守って利用してもらうことが感染再拡大の防止につながる。
その意味では、利用者が店を選ぶ基準に、価格、料理や店の雰囲気に加えて、感染防止対策や安全もスタンダードにしていくことが大切である。この点について県の認識と、利用者側への広報、啓発をどのように行っていくのか。
【理事者】
利用者に対してニューあいちスタンダード認証制度を周知し、認証店を利用してもらうことは非常に重要だと認識している。利用者へは、ホームページで広報をしており、SKE48が出演する感染防止対策の動画をユーチューブに公開している。
この動画は、ニューあいちスタンダードの認証基準のうち、利用者への周知事項としてマスクの着用、手指消毒の実施などの項目を周知する内容になっており、飲食店の利用者が見られるよう、動画のQRコードが入った卓上POPを飲食店にサンプルとして配布している。動画は約2万5,000回視聴されており、幅広い世代の利用者に向けて、飲食店での感染防止対策をPRしている。
さらに、広報あいちのほか、商工会や市町村にチラシを置いて周知を依頼するなどしており、引き続き利用者への広報に取り組んでいきたい。
【委員】
民間事業者において、ワクチン接種を証明した人に対する飲食店での割引や、イベント入場者にワクチン接種証明を提示させるなどの取組が先行して始まっている。ワクチン接種証明の提示のみを条件にした場合、ワクチンを接種できない人に不利益を生じることも考えられるが、民間事業者のこうした取組について、県はどのように考えるか。
【理事者】
民間の旅行会社や飲食店等において、ワクチン接種済証を写真に撮り、スマートフォンで表示等することにより、一定の特典やイベント等に参加できる取組が行われていることは承知している。
こうした民間の取組を含め、ワクチンパスポートについては当初から、ワクチン接種を受けていない人に対する公平性の担保が課題として挙げられている。
ワクチン・検査パッケージに関する技術実証においては、接種証明の代わりになるものとして陰性証明が挙げられているが、異なるツールを併用することで、ワクチン接種を受けていない人もメリットを得られるような対応が必要になってくる。
民間事業者の取組として、ワクパスといったアプリケーションが本年9月に記者発表された。携帯電話関連事業者からの承認がないため実際の運用はまだ始まっていないが、アプリケーションにおいても公平性を担保できるよう、陰性証明を画面に取り込める仕様にする等の代替措置を講じていきたい旨発表されていると承知している。
【委員】
沖縄県が、ワクチンパスポートに関するガイドラインを発表するとの報道があった。本県も場合によっては、こうした動きをする必要性があると思うが、現時点での考えはどうか。
【理事者】
本県としては、ワクチン・検査パッケージに関する技術実証の結果や、国の動きを見ながら検討する。
【委員】
民間事業者が先行していくと思うが、その動きを注視し、後追いになって混乱することのないよう、早急に検討してほしい。
【委員】
県民に対して感染防止対策を呼びかけ、厳重警戒措置を実施している状況の中で、10月8日からあいち旅eマネーキャンペーン及びLOVEあいちキャンペーンを実施している。
観光の推進は取り組むべきと考えているが、県としても、積極的に取り組んでいくのか。
【理事者】
観光消費喚起事業は国の補助金を活用して実施しているが、補助金の交付要綱では、ステージ2相当以下と知事が判断した場合に、事業が実施できることになっている。
感染状況は10月に入り改善していることから、知事と相談し、国とも協議の上、事業を開始した。
ただ、この事業は、本県が行う感染防止対策との両立を図りながら実施していくことが求められる。厳重警戒措置としっかり整合性を取り、防災安全局や感染症対策局等、関係局と連携しながら、事業を推進していきたい。
【委員】
あいち旅eマネーキャンペーンの割引原資の予算額51億8,000万円について、対象人数はどの程度を見込んでいるか。
【理事者】
国のGoToトラベルキャンペーンは全国一律の旅行を対象としているが、なかなか開始できないことを踏まえ、その予算の一部が都道府県に補助金として配分された。本県には五、六十億円の内示があったが、可能であれば本年4月から事業開始できるように積算された額である。
本県においては、10月8日からの事業開始となったが、積算上の宿泊者は74万人規模である。
【委員】
あいち旅eマネーキャンペーンの加盟店の状況はどうなっているか。
【理事者】
まず、宿泊施設については10月11日時点で464施設、旅行業者270社、土産物店や観光施設等の地域ポイント店が841社である。
【委員】
今後、加盟店を増やすためどのように取り組むのか。
【理事者】
10月9日に加盟店募集の新聞広告を掲載したが、様子を見ながら、もう1回程度は新聞広告を行いたいと考えている。
加えて、公式ホームページの事業者向けのページにおいて、呼びかけを行っている。
また、愛知県観光協会や愛知県商工会連合会など関係団体を通じ、地域ポイント店に加盟を働きかけたい。県民に対しても利用促進のキャンペーンを順次行っているが、その中でも加盟について呼びかけたい。
【委員】
利用者に対するPRも重要である。10月8日から事業が開始しているが、現段階での登録者はどの程度か。
また、登録してからサービスを受けるためには、実際に宿泊施設を予約し、宿泊施設でQRコード等を提示する必要があるが、実際に宿泊予約をした人はどの程度いるのか。
【理事者】
10月8日から10日までの3日間の状況だが、サービスの利用登録は2万1,321件、旅行や宿泊の予約は9,375件である。
また、県や委託先事務局にも問合せの電話が多数あり、反響はよいと考えている。
【委員】
事業は始まったところであるが、現状、10月1日から10月17日までは県独自の厳重警戒措置が発出されている。外出するときの注意点として、極力、家族やふだん行動している仲間と共に少人数でとされており、厳重警戒措置の期間中は、観光は控えようと考える人もいる。
そうした中で、厳重警戒措置や今後の県の対応について、県民に対して行動の方向性を分かりやすく示すべきだと思うが、県はどのように考えているか。
【理事者】
今後、観光消費喚起事業に係るPRを展開していくが、一般旅行者向けのキャンペーンにおいても、感染防止対策を徹底しながら旅行を楽しんでもらうための発信が非常に重要になる。
また、実際に旅行客と接する宿泊事業者、旅行業者等の協力を得て、感染防止対策を呼びかけてもらいたいと考えている。
【理事者】
防災安全局からは、感染拡大状況に応じて厳重警戒措置等、感染防止対策を呼びかけてきた。今後も、感染状況を見極めながら、社会経済活動の回復を図っていく。
10月18日以降の感染防止対策は検討中であるが、措置の出し方や内容について、ほかの施策との整合性を取りつつ、分かりやすくしていきたい。
【委員】
新型コロナウイルス感染症について、第5波の感染急増により、後遺症の味覚障害や嗅覚障害等に悩んでいる人が増えている。報道によれば、若い人にも多いようだが、県への相談件数は増えているのか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症の後遺症として、強い倦怠感、嗅覚味覚障害、肺機能低下等が報告されているが、いずれも現時点では原因が明らかになっていない。相談件数については、後遺症に分類した統計を取っていないため、具体的な数値は把握していない。
【委員】
後遺症で悩んでいる人は、不安で、どこに相談してよいのか分からない。例えば、味覚障害等であれば耳鼻科、腹痛であれば内科等であるが、県はどのように対応しているのか。
【理事者】
相談体制については、保健所において平日午前9時から午後5時まで受け付けているほか、土日休日は24時間体制で看護師による健康相談窓口を設けており、この中で後遺症に関する相談も受け付け、症状に応じてかかりつけ医の受診を勧める等の対応をとっている。また、必要に応じて、専門の後遺症外来を開設した医療機関を案内している。今度とも、県民からの相談に適切に応じ、不安解消に努めていく。
【委員】
後遺症への対応について、例えば、東京都ではリーフレット等を作り、都民の後遺症の状況や相談できる病院の一覧を掲載している。本県も、不安を抱く県民に対して、安心を提供できるよう考えていく必要があるが、後遺症に対して、今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
東京都でリーフレットを作成していることは承知しているが、本県としては、一般の健康相談の中で受け付けていきたいと考えている。
【委員】
高校生に対する新型コロナワクチン接種は、学校単位で、3年生から順番に進められると聞いている。
現時点で、高校3年生の希望者への接種は何校完了しているのか。
【理事者】
ワクチン接種は3年生から始めているが、1年生、2年生についても順次並行して進んでおり、全学年まとめたものを集計している。
10月9日現在、公立高等学校で1回目のワクチン接種を完了した生徒は、147校1万196人である。今後も、76校3,446人を予定している。
【理事者】
10月2日現在、私立高等学校の対象生徒85校約6万7,000人のうち、接種希望者は69校6,489人と、約1割の生徒が希望しており、そのうち接種を完了したのは58校4,997人である。
【委員】
現場で聞いたところでは、学校と接種医療機関とのマッチングが順調にいかず、自分で接種予約をする生徒が多数出てきているとのことである。例えば、東三河でも予約なしで接種できるようになり、県の大規模接種会場も予約が取れるようになっている。学校で予約すると接種が10月末になることもあり、学校での予約をキャンセルするケースが出ているようである。そういった状況について、どのように把握しているか。
【理事者】
高校生等へのワクチン接種に当たっては、まず学校に希望調査を行い、学校が生徒に希望調査を行った結果が県に上がってくる。そこで人数を確定した後に、ワクチン接種体制整備室に依頼し、各市町村の病院や大規模接種会場等と調整を行っている。
公立高等学校、私立高等学校のどちらについても、人数が多い名古屋市内など、病院等とのマッチングに時間がかかる地域がある。そのような場合には、マッチングをしている間に市町村での接種が進み、学校を通じて接種を希望したものの、キャンセルとなることが起きている。
【委員】
生徒への希望調査と接種施設の選定について可能な限り同時進行で行うことで、タイムロスを防いでほしい。
ワクチン接種は順調に進んでおり、国からは3回目接種に向けた話も出ている。県として、3回目接種の開始はいつになると想定しているのか。
また、接種体制について、1回目、2回目と同じような体制で考えているのか。
【理事者】
国の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、3回目接種を実施するとの方針は示されたが、その実施方法については、今後検討される。
3回目接種の時期については、2回目接種の完了から約8か月後以降に、順次進めていくこととされ、早ければ本年12月から、医療従事者を手始めに3回目接種が実施される見込みである。
しかし、現状では、ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社のどのワクチンを使うのか、交差接種等を含め、具体的なワクチンの活用については、これから議論が進められる。また、ファイザー社のワクチンは、厚生労働省に3回目接種の承認申請が出された段階だと承知している。
今後の接種体制について、国からは、1回目、2回目の住民接種と同様の体制で接種を進めていく方針であると示されている。しかし、大規模接種、職域接種など集団接種の枠組みについて、今後どのような形で実施していくのかは、まだ具体的に示されていない。
【委員】
ワクチン接種は初めての取組であり、順調にいった地域もあったが、情報が錯綜するなど、混乱した部分もあったと思う。
3回目接種について、接種体制が変わる可能性があるのならば、国、県、市町村、医療機関、医師会等がより密に連携し、医療機関の末端まで1日も早く情報が伝わるよう、留意して取り組んでほしい。
【委員】
ワクチン・検査パッケージに関する技術実証について、本県では、常滑市の音楽フェスの問題があったことから非常に関心が高く、実施することに大きな意義がある。
本県においては、12月中に名古屋市内で行われる音楽コンサートに、延べ3万2,000人を集めて技術実証を行うとのことだが、内容について詳しく教えてほしい。
【理事者】
この技術実証について、本県は国に3件の提案をした。
その際に、イベントの主催者からは、具体的な内容の公表について、参加者に主催者から説明するまでは待ってほしいと言われている。また、国も本県以外のコンサート等について採択しているとのことだが、主催者が許可しなければ、国も内容を公表しない条件で進めている。
【委員】
3億6,200万円の予算がかかるのに、主催者との調整で内容を公表できないのは、分かりにくいのではないか。延べ3万2,000人とは、例えば4日間で8,000人ずつなのか、2日間で午前の部、午後の部に分けるのか、規模感も分からないが、詳細は説明できないのか。
【理事者】
主催者にも確認したが、まだ言わないでほしいとのことである。
【委員】
それでは、予算の積算根拠はどうなっているのか。
【理事者】
予算の積算は、ほとんどが検査委託費である。PCR検査費として3億4,080万円の積算であり、3万2,000人のイベント終了後のモニタリングと、国の想定に基づき参加者の50パーセントが事前にPCR検査を受けるとして1万6,000人分、合計4万8,000人分のPCR検査費を計上している。
また、PCR検査やワクチン接種をしていない人が参加者の10パーセント程度いると想定し、3,200人分の抗原検査代1,733万1,000円、ワクチン接種証明を窓口で確認するための人件費として284万7,000円、そのほか、担当者の旅費等の事務費167万7,000円である。
【委員】
この技術実証の結果を踏まえ、検証後にしかイベントを開催することはできないのか。
【理事者】
本県で行われる技術実証は、国の実証実験の一つに位置づけられているが、コンサートについて、国からは10月から順次開催していくと聞いている。
イベントの開催制限についても、国は段階的に緩和していくと言っているが、本県での技術実証についても、その判断材料の一つになるものの、いつの時点から緩和策をやっていくのか、国から公表されていない。
【委員】
万が一、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出された場合でも、この技術実証は行うのか。
【理事者】
緊急事態宣言等が出された場合は、国と相談して検討していくことになる。
【委員】
国の実施項目の中に、AIによる画像診断技術を用いたマスク着用率の確認や、レーザーを用いた密な場所の把握、二酸化炭素濃度の測定や大声等の状況把握などが記載されており、重要なデータが得られると考える。
一方で、感染状況が落ち着いてきている中で、このような技術実証を行うことに本当に意味があるのかといった意見もあるが、それに対してどう考えるか。
【理事者】
現在、感染状況は落ち着いているが、国の通知によれば、イベントの開催制限が緩和されても、完全に制限がなくなるわけではない。
そうした中で、今回、技術実証を行い、国が行う事業評価を踏まえて、今後、イベントを開催するに当たって、例えば、PCR検査や抗原検査のオペレーション、運営方法、効果、費用等、イベントの開催制限についてどのように緩和していくのか検討を行っていく。
【委員】
知事が言っているように、国の緊急事態宣言が解除されても、感染防止対策としての規制は徐々に緩和していかなければならない。本県も独自の厳重警戒措置を取っているが、新規感染者数や医療提供体制は落ち着いており、どのような状況になればこの措置は解けるのか、判断する根拠を教えてほしい。
【理事者】
現状、感染状況はステージ1と落ち着いている。ただし、イベント等の場合でも、国は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を解除してから1か月程度は様子を見て、段階的に緩和していくとのことである。
したがって、具体的な数字を示すことはできないが、今週の感染状況等を注視して判断していくことになる。
【委員】
数字を示せないことは理解するが、感染状況を見て判断するとのことでよいか。
【理事者】
そのとおりである。感染状況や医療提供体制はどちらもステージ1の状態であるが、東京都や大阪府の状況等も踏まえて、決めていく。
【委員】
ブレイクスルー感染という言葉をよく聞くが、本県におけるデータはあるか。
【理事者】
本年10月7日時点の集計で、本年9月1日から9月30日までに発生届を受理したデータを抽出した結果、ワクチン2回接種完了者の感染、いわゆるブレイクスルー感染に係る陽性率は7.9パーセントであった。
【委員】
それは県全体の数字か。
【理事者】
そのとおりである。
【委員】
それだけ感染率が高いので気をつけなければならないが、ワクチン接種計画では、どのような目標値を掲げているのか。
現状、ワクチン接種はどの程度終わったのか。11月末には完了すると聞いているが、県としてその先の目標値もあるのか。
【理事者】
10月9日時点で、ワクチンの2回接種を完了したのは約493万人であり、接種対象である12歳以上人口の割合で見ると、接種率は約73.9パーセントである。この数は、職域接種、医療従事者、高齢者、一般住民を含めて、県で把握している数字を全て合算したものである。
今後の目標については、現時点で国から示されているとおり、11月の早い時期までに対象人口の8割がワクチン接種を受けられるように進めていく。現状、ファイザー社とモデルナ社を合わせて、対象人口の9割を超えるワクチンが供給されており、各市町村で対象人口の8割の接種を達成する前提であれば、多くの市町村で11月中旬、それ以外の市町村でも11月中には接種が完了する予定で、接種計画を立てて事業を進めている。
また、8割を超える接種率が見込まれる市町村については、接種状況を踏まえ、なるべく早い時期に少しでも多くの人が接種できるよう取り組んでいる。
【委員】
2回接種を完了した割合が約74パーセントと高くなっているが、どの年代の接種率が低いか等、年代別の接種率が分かれば教えてほしい。
また、接種を希望しない人もいると思うが、特に若年層に対してどのように接種を進めていくのか。
【理事者】
10月5日時点で、12歳から19歳の1回目接種率は56.16パーセントであり、2回目接種の接種率は30.8パーセントである。20歳代は、1回目接種が51.88パーセント、2回目接種は33.88パーセントである。30歳代は、1回目接種が57.01パーセント、2回目接種は38.80パーセントである。40歳代は、1回目接種が65.51パーセント、2回目接種は51.27パーセントである。50歳代は、1回目接種が76.10パーセント、2回目接種は67.49パーセントである。60歳から64歳までの年代では、1回目接種が81.66パーセント、2回目接種は77.66パーセントである。65歳以上の高齢者は、1回目接種が91.63パーセント、2回目接種は90.63パーセントである。
10歳代から30歳代の若い世代についても、1回目の接種率は5割を超えている。しかしながら、目標である接種率8割に達するには、若い世代に対する接種にしっかりと取り組む必要がある。
9月11日から、あいちワクチンステーション栄を開設し、9月18日からはほかの大規模集団接種会場を含めて、若者をターゲットにLINEを使った予約システムを開始した。
また、高校生については各学校単位での集団接種を進めており、職域接種を活用して、大学生に対するワクチン接種も進めてきた。加えて、妊産婦についても、予約なしでワクチンを接種できることとし、1万人を超える人がこの制度でワクチン接種を行った。
情報発信については、藤田医科大学の協力を得て、専門的な副反応の知識、SNSで流れるデマの真偽等について、医師と学生の対談形式での動画を公開した。そして、ワクチンの効果を訴える知事のメッセージ動画も公開している。
このような情報発信の成果として、10歳代から30歳代の接種率は、ほかの世代と比較して格段に伸びている。40歳代及び50歳代における1週間での伸び率は約3ポイントであるのに対して、10歳代から30歳代では7ポイントを超えている。
市町村でも若い世代に対する優先接種の機会を多く設けているが、県としても、引き続き若い世代への接種促進に取り組んでいく。
【委員】
若い人が接種できる体制を整えつつ、引き続き取り組んでほしい。
第6波に向けて、現在、感染者数が激減している中で、県の体制はどのように考えているか。
【理事者】
第5波においては、保健所等に最大で160人以上の職員の応援を得るなど体制を確保した。現在、第6波に備えて状況を注視しており、すぐに体制を整えられるようにしたい。
【委員】
宿泊療養施設や医療提供体制については、どう考えているか。
【理事者】
宿泊療養施設は現在6か所運営しているが、当面維持したいと考えている。
【理事者】
現在の確保病床については、第6波に向けて、引き続き維持、見直し等を行っていく。具体的には、これまでの感染状況等を検証しながら考えていく。
【委員】
いつ第6波が来るか分からないが、今までの課題をどのように改善していくのか。保健所は大変な状況であり、応援職員も多く入っているが、対応に難しさもあると思う。
保健所の運営について、課題をどう認識しているか。
【理事者】
応援職員が入ることで、執務室が密な状態になることや、設備面で足りないものが出てくることがある。今のうちに、スペースや資機材をどうするのか、しっかりと考えていきたい。
【委員】
対応については慣れる部分もあると思うが、新しく来た応援職員に対して、引継ぎ等どのように行っているか。
【理事者】
せっかく対応を覚えても、短期間で帰ってしまうと困るので、今回の応援は2週間いてもらうこととし、その2週間についても2週間ごとに全員が変わるのではなく、交代時期をずらして、慣れない職員が来たときには慣れた職員が教えるような体制で対応している。
【委員】
保健所の対応が一番の要である。一生懸命やっていると思うが、自宅待機者が多くなったときに、保健所において状況観察だけでなく、外来や往診、オンラインなどの様々な方法で早く薬を処方するなどの対応ができるように、第6波に向けて、マニュアルや人員も含めて、引き続き体制を整えてほしい。
第6波に向けた確保病床の増減について、各病院との調整状況はどうか。
【理事者】
第5波のピーク時に緊急的に確保したこともあり、現在1,722床を確保している。
現在は感染状況が落ち着いているが、確保病床を一般病床に戻してしまうと、再度確保病床にするのには時間がかかるため、各病院等から意見を聴きながら、第6波のときに適切に対応できるよう、協議を進めていく。
【委員】
ニューあいちスタンダード認証業務に、県職員を何人手配したのか。
【理事者】
ニューあいちスタンダードの認証業務については、全庁各局の職員の応援を得て緊急的に実施した。
9月28日から10月8日までの11日間、1日3,000件を認証する体制で実施するため、200人以上が現地調査を行うことで計画していたが、実際には2人1組で対応するなど各局がそれぞれ体制を組んでおり、現時点では人数が把握できていない。今後、集計していきたいと考えている。
【委員】
現時点で、人数は掴めていないということか。
【理事者】
現時点では把握できていない。
【委員】
認証業務に当たる職員の超過勤務手当は、どこから支払われるのか。
【理事者】
服務規程上は、平日の夜間に業務に従事する場合には、勤務時間の割り振りの変更、土日出勤の場合には、振替休日を最大8週間後までに取ることが基本原則である。しかし、実態として取れないケースは多々あるため、こうした場合に超過勤務手当を支給することになる。
現在、業務に従事した人数や代休処理の状況が把握できていないため、金額等は分からないが、超過勤務手当については、年間分を当初予算で、40億余円を計上しているため、まずはこれを使って支給していきたい。
結果的に超過勤務手当が予算不足となった場合には、ほかに予備費を一般会計当初予算で3億円計上しているため、これを使わせてもらいたい。それでもなお不足する場合は、2月補正予算の計上を検討していく。
【委員】
全体で40億円の予算があるから、それで処理するということか。
また、タクシーで回るとの話があったが、旅費もこれで補えるのか。
【理事者】
超過勤務手当を含めた人件費については、基本的には各局がその職員定数分を各科目で予算計上しているが、給料の高低があり、年度によって足りない局も出てくる。そうした場合には、総務企画費の一般管理費を使い、足りない局の人件費を賄っている。
今回の超過勤務手当についても、防災安全局の予算では足りないと思うため、まずは一般管理費から回すことを検討していく。それでも足りなければ予備費、あるいは補正予算となる。
旅費についても、まずは防災安全局の予算で支払っていくが、足りない場合には予備費、あるいは事後計上となるが、補正予算を計上して支払うことも考えている。
【委員】
ニューあいちスタンダードの認証事務に当たっては、委託事業者である株式会社JTBと約7億5,000万円で契約している。今回、県職員が認証事務に当たっているが、株式会社JTBとの契約は変更、減額するのか。
【理事者】
今回、緊急に県職員が申請の確認をした後に、委託事業者である株式会社JTBが訪問し、改めて50項目の詳細な調査を行うこととしている。
そのため、委託事業者が回る件数自体は当初の予定から変わらないが、ステッカーを郵送する経費等については減額になると考えている。
【委員】
委託契約を変更し、減額するとのことだが、議会にも報告するのか。
【理事者】
委託契約の中で、最終的な実績に応じて精算していきたい。また、その結果についても報告していきたい。
【委員】
新型コロナウイルス感染症への対応について、感染症対策局、防災安全局、経済産業局の意見がかみ合っていない。本県における事務の司令塔はどこなのか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症対策に当たっては、知事を本部長とする愛知県新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、関係局、関係機関等が連携を取って、総合的な新型コロナウイルス感染症対策の推進に取り組んでいる。
対策本部の事務局は、昨年度、感染症対策の専門組織として設置した感染症対策局が担っている。この対策本部の下に、関係局の役割を明確にするため八つの対策チームを設置している。例えば、緊急事態宣言の発出等の業務等、新型インフルエンザ等対策特別措置法に関する事項については防災安全局、感染防止対策や医療対策については保健医療局及び感染症対策局、経済の活性化については経済産業局等で実施するよう、それぞれ個別の対策チームを設置し、全庁的な体制で取り組んでいる。
【委員】
事務の司令塔が機能を発揮できているのか心配である。知事が全部やればよいのではなく、大事なことは、現場を知っている人間が的確な判断をすることである。
保健所の関係でも、仕事量が増えすぎており、何が原因なのか考えなければいけない。医療機関との連携ができていない。保健所に事務を集中させずに、連携が取れるシステムを検討するなど、分担し合うことで楽になる。
ニューあいちスタンダード認証事務についても、市町村は声がかかるのを待ってくれていた。それなのに、市町村には何も相談をしなかった。現場を知っている市町村の協力を受ければよかったのではないか。
市町村に聞くと、県に頼まれたら全部協力すると言ってくれるが、県民事務所と市町村に身近なつながりがないため頼めない。それならば、もっと綿密な連絡体制が取れるようになれば、スムーズにできたのではないか。
新型コロナウイルス感染症はすぐに終息するものではないので、県民が混乱しないように取り組んでほしい。
【委員長】
本日の議論を踏まえ、各局長からコメントをお願いしたい。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症の関係では、昨年、感染症対策局を設置し、愛知県新型コロナウイルス感染症対策本部の下に八つのチームをつくり、全庁的な応援体制で取り組んできた。今回のニューあいちスタンダードの認証事務については、緊急的に行うことになったこともあり、市町村に頼める状況でなかった。
県だけでできること、市町村にお願いすべきことについて、議論を踏まえ、今後の対策にしっかり生かしていきたいと考えている。
【理事者】
ニューあいちスタンダードの認証事務について、全庁から多大な協力をもらった。議論のあった予算、人員の関係では、対応が後手に回ったことなど、反省すべき点がある。
認証事務は本年6月から行っており、市町村との協力関係をいかに効果的なものにするのか、関係局とも相談しながら、引き続き検討していきたい。
【理事者】
感染症対策局は、様々な仕事がある中で、防災安全局、総務局、保健医療局等と連携して取り組んできた。
今回の第5波については、ワクチン接種が進み、入院患者は若い人が特に多かったことがあり、第4波とは医療の在り方が全く違った。第4波のときは、入院患者が全然動かない状況であったが、第5波は入退院がスムーズであった。その反面、自宅療養者が非常に多くなったことで、それを管理する保健所が非常に逼迫したが、各局の応援により、非常に助かったと思っている。
また、保健医療局が保健所の体制をしっかり整備してくれたことで、病床が逼迫する前に何とか食い止めることができた。
今後は、市町村との連携が重要になることも踏まえ、総務局、防災安全局等としっかり相談しながら、感染対策のあり方について体制を整えていきたい。
【理事者】
保健医療局としても、各局と協調して取組を進めてきた。今回の第5波については、県だけでなく名古屋市、中核市の保健所も大変逼迫した。その中で、保健所のもともとの業務の軽減を行うとともに、県職員の応援だけでなく、市町村からも保健師等の応援をもらった。
自宅療養者が多数発生した8月末から9月にかけて、保健所では健康観察等の業務が非常に負担となった。そういった中でも、県庁各課と市町村からの応援がありどうにか乗り切ったのが実情である。
現在は感染状況が落ち着いているが、いつ第6波が来るか分からない状況であり、改めて応援職員に対応した部屋の確保、マニュアルや通信機器の整備等を、各局と連携してしっかりと体制を整えていきたい。
【理事者】
経済産業局は、感染防止対策協力金や中小企業者応援金など、飲食店や取引業者の経営に対してサポートする事業を行ってきた。
感染状況も改善しつつあり、これからどのように経済を回していくのかを考える中で、本日の委員会でもワクチン・検査パッケージの技術実証や、ニューあいちスタンダード認証を使った取組について議論があった。
これから本格的に経済を回していく必要がある中で、関係部局とも協力しながら、知恵を絞って対策を進めていきたい。
【理事者】
観光コンベンション局においては、昨年12月に国のGoToトラベル事業が停止したのと同時に観光消費喚起事業もストップしていたが、10か月ぶりに再開される。
しかし、また感染症が拡大する状況になれば、すぐにストップしなければならないことから、状況をしっかり見据え、各局と協力しながら進めていきたい。
一方で、観光客を受け入れる側、特に宿泊業者に関しては、この間に感染防止対策を整えており、安全、安心な受入体制となっていることも周知しながら、しっかり事業に取り組んでいく。
【委員長】
ワクチン接種率が約7割となり、集団免疫ができつつある状況において、第6波が来ても、第5波のような感染状況になることは考えにくい。これまでの経験もあり、たとえ感染が増えたとしても、いかに重症化させないかを考えていく必要がある。
また、治療薬等の開発状況も含めた新たな展開もあるが、経済対策と感染症対策を同時に進め、従前の社会生活に戻していくことが必要である。
これまで全庁的に苦労が多かったと思うが、今後も各局連携しながら、本日の議論も踏まえて、全力を挙げて頑張ってほしい。
( 委 員 会 )
日 時 令和3年10月11日(月) 午後2時30分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
直江弘文、かじ山義章 正副委員長
水野富夫、神戸洋美、川嶋太郎、高桑敏直、石塚吾歩路、藤原宏樹、丹羽洋章、
ますだ裕二、鈴木雅博、富田昭雄、鈴木 純、日比たけまさ、黒田太郎、おおたけりえ、
荻原宏悦、神谷まさひろ 各委員
総務局長、防災安全局長、防災部長、保健医療局長、同技監、健康医務部長、
生活衛生部長兼医薬安全課長、感染症対策局長、同技監(2名)、感染症対策調整監、
経済産業局長、産業部長、観光コンベンション局長、関係各課長等
委員会審査風景
<議 題>
1 ニューあいちスタンダードについて
2 新型コロナワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)について
<会議の概要>
1 開 会
2 議題について理事者から説明
3 質 疑
4 休 憩(午後4時3分)
5 再 開(午後4時14分)
6 閉 会
(主な質疑)
【委員】
行動制限の緩和に向けて、新型コロナワクチンの接種証明や検査による陰性証明を使ったワクチン・検査パッケージの技術実証について報道されている。本県においても、10月6日に豊田スタジアムで行われたJリーグの試合で、国による実証実験が行われ、一般席1万席以外に実証実験用のチケットを1,800人分用意して、730枚が販売された。
また、観戦者は専用窓口でワクチン接種証明書や運転免許証などの本人確認書類の提示を求められ、2回目のワクチン接種から2週間経過していないなど、条件を満たさない人が数人いたものの、目立った混乱はなかったと聞いている。
そのほか、プロ野球も10月中旬以降に実証実験に参加して、11月20日に開幕する日本シリーズの複数試合で実施するとのことであり、旅行会社のツアーや、飲食店、小劇場でも実施されるとのことである。
本県でも、国と県で役割分担して、12月に名古屋市内で開催される音楽コンサートで入場制限を緩和して、ワクチン接種歴や事前検査を確認するとのことだが、国に対して技術実証を申請した理由は何か。
【理事者】
ワクチン接種が進み、重症患者数が抑制され、医療の逼迫を回避することが可能となれば、基本的な感染防止対策を維持した上で、様々な行動制限を緩和し、社会経済活動を回していくことが合理的であると考えている。
本県も行動制限の緩和に向け、対策を検討していく上で、国の技術実証に参加し、ワクチン・検査パッケージによる規制緩和の実効性や課題を把握することは有益であることから、提案したものである。
【委員】
本県は、大規模イベントである音楽コンサートを技術実証の対象として国に申請したが、そのほかの分野については申請しなかったのか。
【理事者】
本年9月13日に、国から都道府県に対して募集された技術実証の分野は、飲食店、ライブハウス・小劇場、音楽コンサート等の大規模イベントの三つである。そのほか、スポーツイベントは国が直接実施し、観光分野については都道府県に対する募集はない。
また、飲食店分野の技術実証を行うに当たっては、複数店舗が集合するエリアを想定するとの条件があり、本県も百貨店や食品衛生協会等に参加意向を確認したが、現場での抗原検査に時間を要することや検査場所を確保できないこと、ワクチン接種証明や陰性証明の提示などで利用客に手間をかけることで利用客に敬遠され、売上減少につながるなどの理由により見送った。
一方、大規模イベントの分野では、3件の音楽コンサートについて事業者と調整がまとまり、国に提案した。
【委員】
本県と同様に、国と協働して技術実証を行う都道府県はあるのか。
【理事者】
埼玉県も国と協働して技術実証を実施すると聞いている。具体的には、飲食店を対象として10月下旬に2週間、酒類提供や営業時間、人数制限の緩和を予定しており、前半1週間は国、後半1週間は埼玉県の枠組みで実施するとのことである。
【委員】
技術実証の結果をどのように生かしていくのか。
【理事者】
今回の技術実証は、国との協働で実施することにより、国立研究開発法人産業技術総合研究所の分析結果を共有することになる。この分析結果は、今後、事業者がイベントを開催する際、ワクチン・検査パッケージを活用した会場運営方法や費用の検討に生かすことができるよう広く周知するとともに、業種別ガイドラインの変更につなげていきたい。
【委員】
技術実証においては、ワクチンを2回接種した人はワクチン接種証明の提示でよいが、2回接種していない人はPCR検査を受けなければならず、検査結果が陰性だとしても、当日その証明書を忘れた場合には抗原検査等をする必要がある。今回は、国の事業であるため、PCR検査や抗原検査の費用は個人負担の必要はないが、今後、ワクチン・検査パッケージが事業者で活用される場合に、ワクチンを打ちたくても打てない人のPCR検査費用を、事業者が負担するのか、もしくは個人が負担するのかで大きな違いがある。
仮に検査費用が個人負担になれば、音楽イベントでも1万円のチケットに検査費用が上乗せされ、大きな負担になる。このことについて、何か考えや方向性はあるか。
【理事者】
今回の技術実証の目的として国が示しているのは、ワクチン・検査パッケージのコスト、手順等を確認することである。技術実証の結果を反映して、今後どのようになるのか国が検討するため、動きを注視していきたい。
【委員】
ワクチンを打ちたくても打てない人が不利益を被らないよう、技術実証の中で国に要望してほしい。
【委員】
飲食店に対して営業時間短縮要請が続けられているが、まん延防止等重点措置や緊急事態措置が講じられても、様々な事情から営業時間短縮ができない飲食店が増えているように感じる。飲食店の見回りは、どの時期に、何回行っているか。
【理事者】
飲食店の見回りについては、本年4月20日から7月11日までの第4波の期間に県全域を見回り、営業時間短縮の協力状況を調査している。その後、8月8日から9月30日までの第5波の期間にも調査を実施し、第4波、第5波においても県全域の飲食店を回っている。
【委員】
見回りの結果、営業時間短縮要請を守っていない店舗数はどの程度あったか。
【理事者】
第4波の4月20日から7月11日まで、県内の飲食店全店を調査した結果、県の要請に応じていないのは865店舗、約2パーセントであった。第5波の調査では、全店舗中1,224店舗、約3パーセントが要請に応じていなかった。
【委員】
本年10月1日以降、緊急事態宣言が解除され、県独自の厳重警戒措置に移行し引き続き営業時間短縮要請を行っている。10月以降も見回りを行っているのか。
【理事者】
10月1日からの厳重警戒措置においても、見回りを継続している。主要駅周辺を優先的に、また、これまで要請に応じていなかった店舗を中心に、21時以降に開店店舗を確認している。
【委員】
まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の期間中であれば、要請に従わない店舗に対して、過料を科すことができる。しかし、県独自の要請期間には法的な抑止力がない。県の抑止力があるのは、ニューあいちスタンダードの認証を取り消すことだが、制度上可能なのか。
【理事者】
ニューあいちスタンダード認証制度実施要綱において、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく知事の要請を遵守することが規定されており、申請の際には同意書を提出してもらっている。この同意書に従わない場合は、認証の取消しも可能である。
【委員】
県の要請に従わない飲食店がニューあいちスタンダードの認証ステッカーを貼っていることに苦情が来ている。要請に法的拘束力がない期間は、認証制度を抑止力として有効活用するしかないことから、同意書の内容に従わない場合には認証を取り消すことができる旨を、飲食店に対して、周知してほしい。
また、要請に従っていない店舗数は、県内の飲食店約4万店舗からすれば非常に少ないとはいえ、第4波よりも第5波の期間で増えている。それでも、第5波における感染者数は急速に減少しており、断定はできないが、飲食店の営業時間と感染には因果関係がない、または因果関係が弱まっているとの仮説が成り立つ可能性がある。
ワクチン接種率の上昇と、飲食店が感染防止対策を行い、ニューあいちスタンダード認証の準備を進めたことで、第4波と第5波の期間では状況が異なっている。感染防止対策としての飲食店の営業自粛要請は、重要度が下がっているのかもしれない。厳しい感染防止対策を求めたのであれば、認証店舗には営業の自由を認めるように、様々な検証を要望する。
【委員】
ニューあいちスタンダード認証制度の実効性を高めていく必要がある。まず、元から営業時間を21時までとしている飲食店は、認証を受けていれば時間短縮要請はない一方で、認証を受けていなければ時間短縮要請があり、1時間の短縮営業で協力金がもらえると聞いている。この認識でよいか。
【理事者】
基本的にはそうである。協力金の考え方は、従来の営業時間が短縮営業の要請を求める時間より後ろである店舗が、要請を受けて決められた時間までに閉店した場合に協力金が出ることが大原則であるため、元から21時まで営業していた店舗が21時で店を閉める場合は、時短営業に当たらないことになる。
【委員】
営業時間が21時までの飲食店は、20時まで営業時間を短縮すれば協力金が支給されることから、ニューあいちスタンダード認証を申請しない店舗があると聞いている。認証申請を推奨する一方で、このように申請しないで協力金をもらう店舗があることについて、当初は認証を受けることを協力金の支給要件とする旨の説明があったと思うが、進捗状況はどのようになっているか。
【理事者】
現在、協力金の交付要件は、ニューあいちスタンダードの認証または安全・安心宣言施設の取得のどちらかを満たす店舗としているが、将来的に、ニューあいちスタンダードの認証を要件化することも検討している。
しかし、現状では認証を受けていない店舗があり、また、業種、業態によっては認証のために様々な取組が必要となる場合もあるため、要件化のタイミングについては慎重に検討していきたい。
【委員】
元の営業時間が21時までの店舗で、認証を受けなければ20時までの営業時間短縮に協力金が支払われるとのことで、わざと認証を申請せずに協力金をもらっている事例があると聞いている。
県としては、営業時間が21時までの店舗に対しても認証を取ってもらうように進めるべきと思うが、どのように考えているのか。
【理事者】
現実として、指摘のような対応をしている店舗もあると思う。
従来は、地域ごとに営業短縮時間や協力金の金額が異なっていたが、今回、地域ではなく認証の有無により差をつけたことで、制度上、そのような事態が起きている。
【委員】
21時までの営業の店舗にも認証を受けてもらえるよう、県として強く取り組んでほしい。
また、黒田太郎委員も指摘したように、営業時間短縮要請に従わない店舗も相当数見受けられる。ニューあいちスタンダードの認証を受けているのにもかかわらず、要請に従っていない店舗もあるが、認証の取消しを検討するとともに、認証のメリットを高める必要がある。
営業時間が21時までの店舗についても、協力金よりも大きなインセンティブがあればニューあいちスタンダード認証を取得するし、事業者としても認証を取り消されないよう要綱に従う。インセンティブや罰則を明確にして飲食店等に認証を受けてもらうことで、第6波が来たときにも休業要請や酒類提供自粛を回避できる可能性がある。
そこで、プレミアム商品券、あいち旅eマネーキャンペーン及びGoToEatキャンペーンあいちは、飲食店支援の一環と位置づけられているが、ニューあいちスタンダードの認証を受けていない店舗でも使えるのであれば差別化することはできない。
プレミアム商品券等の支援策について、現状をどのように把握しているのか。また、今後どのような対策を講じていくのか。
【理事者】
本年度、プレミアム商品券発行事業は33市町村が実施しており、県はげんき商店街推進事業費補助金により支援している。全ての市町村が小売店及び飲食店を対象にしているが、参加店舗の新型コロナウイルス感染症対策については、事業を実施する市町村を通じて、業種別ガイドラインの遵守や県の要請に従うことなどを依頼している。
しかしながら、プレミアム商品券の参加店舗の募集時期がニューあいちスタンダードの制度創設よりも早かった市町村が多くあり、全ての市町村、参加店舗に認証取得を統一的に求めることができなかった。プレミアム商品券に参加する飲食店のうち、まだ認証申請をしていない店舗については、速やかに認証に向けた取組を行うよう、市町村を通じて働きかけていく。具体的には、全市町村の商業振興施策を担う職員の会議において、依頼する。
【理事者】
GoToEatキャンペーンあいちは、農林水産省の事業であり、直接県が行うものではないが、実施に当たっては地元都道府県の意見を尊重して実施することとされている。参加飲食店の募集に当たっては、参加条件に同意を得ることを必要としており、行政への協力の項目において、業種別ガイドラインの遵守や、法に基づく要請があった場合には従うことが規定されている。
その中の一つとして、ニューあいちスタンダードの認証または安全・安心宣言施設への登録を推奨との文言があり、現時点では、完全な要件化はされていないが、認証の取得等が推奨されている。
【理事者】
観光消費喚起事業である、あいち旅eマネーキャンペーン及びLOVEあいちキャンペーンにおいては、飲食店に限らず旅行業者、宿泊事業者、観光施設、土産物店等について、まずは安全・安心宣言施設の登録を参加要件としている。飲食店に関しては、現在、安全・安心宣言施設とニューあいちスタンダード認証のどちらかの取得を要件としているが、感染防止対策の認証制度がニューあいちスタンダードに移行した場合には、要件も一本化していきたい。
【委員】
GoToEatキャンペーンあいちの参加要件の一つに、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に関わる許可を得た営業を行っていないことがある。
接待を伴う飲食業でなくても、居酒屋等で午前0時以降まで営業する店舗は、深夜酒類提供飲食店営業届を提出しなければならない。これは風営法に規定されていることから、深夜営業をしている居酒屋では、GoToEatの食事券が使えないと思うが、この点についてどう考えるか。
【理事者】
風営法に規定する営業をしないことについては、例外措置的な条項もある。例えば、GoToEatキャンペーンあいちに参加している間は、食事券の利用者またはポイントの付与対象者かどうかにかかわらず、利用客に対して接待飲食等営業を行わない旨を店頭に掲示することで、キャンペーンの対象になると規定されている。
【委員】
深夜酒類提供許可は、接待を伴わないことを前提とするものである。午前0時以降に営業する居酒屋は接待を伴わなくても風営法に係る手続が必要であり、GoToEatキャンペーンあいちの特典を受けられないのではないか。ニューあいちスタンダードの認証を受けても対象から漏れてしまうが、どのように考えるか。
【理事者】
具体的な点については、事業者にも現状を確認して検討する。
【委員】
ワクチン・検査パッケージの技術実証においては、ワクチン接種証明もしくは陰性証明の提示を求めるとのことだが、ワクチン接種が先行的に進んだイスラエルでは、接種証明等の有効期間は半年程度として、それ以前の接種については証明にならないとされている。
我が国でも、例えば12月のイベントにおいて、6月以前の接種証明が有効と扱われるのか、また、陰性証明の有効期限はどの程度なのか。
【理事者】
技術実証において、国から接種証明等の有効期限は示されていない。
【委員】
ワクチンの2回接種が済んだ人でも、いわゆるブレイクスルー感染が報告されている中で、接種により重症化リスクがかなり軽減されるとはいえ、感染拡大防止の観点からは、有効期間について考える必要がある。
国からは何も方針が示されていないが、技術実証を行っていく際に完全に無視していては、技術実証の意味がない。この点について、新しい情報が入れば早く教えてほしい。
次に、本県独自の厳重警戒措置期間である10月17日まで、飲食店は営業時間短縮が要請され、1グループの人数も4人までと制限されている。一方で、観光消費喚起事業について、人数制限はないと理解しており、ダブルスタンダードになっているが、今後、どのように整合性を取っていくのか。
また、ニューあいちスタンダードの認証店であれば、4人の人数制限は外すこともできると考えるが、どうか。
【理事者】
観光消費喚起事業については、割引の対象者を県民に限定し、かつ対象となる旅行は県内の旅行としている。県民による県内旅行であって、県をまたぐ移動は含まれていないことから、厳重警戒措置との整合性は取れていると考えている。
また、この事業は事業者、旅行業者、宿泊事業者、観光施設、土産物店等、安全・安心施設の登録を要件としており、飲食店については、安全・安心宣言施設とニューあいちスタンダード認証のどちらかを取得することを要件としている。ニューあいちスタンダード認証に一本化されれば、それに準じて対応していくことになる。
あわせて、業種別ガイドライン等の遵守を事業者には要請しており、旅行者向けには、国が感染症対策の留意点をまとめた資料である、新しい旅のエチケットに沿った旅行を呼びかけている。
感染防止対策の徹底と観光消費喚起事業の推進の両立が重要であり、本県の厳重警戒措置や感染防止対策との整合性を取りながら進めていきたい。
【理事者】
業界別ガイドラインにおいても、県などの指導に従うことになっており、大人数で訪問した場合であっても、4人ずつテーブルを分けるなど対応してもらいたいと考えている。そのことは事業者にも周知している。
4人の制限を緩和することについては、まだ国の基本的対処方針に人と人の距離の確保などが記載されているが、10月18日以降の措置と併せて今後検討していきたい。
【委員】
本年3月から、高齢者施設等のスクリーニング検査を行っているが、その目的は何か。
【理事者】
高齢者施設の利用者は、特に新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高いことから、早期に感染者を発見することで、施設内の感染や新たなクラスターの発生を予防することを目的としている。
【委員】
実施状況はどのようになっているか。
【理事者】
スクリーニング検査は、これまで3回実施している。
1回目は、本年3月8日から3月末までを実施期間として、県内全域の高齢者及び障害児、障害者の入所系の施設、約3,200施設、職員9万6,000人を対象に、期間中1人当たり1回の検査を受けるよう実施した。
2回目は、対象者及び対象施設は1回目と同じだが、高齢者施設において感染が拡大していた状況を踏まえ、検査頻度を1週間に1回に増やし、5月12日から6月末まで実施した。
3回目は、対象施設を入所系に加えて通所系まで拡大し、県全体で約1万100施設、職員19万1,000人を対象に、7月12日から9月末までを実施期間として、2週間に1回の検査頻度で実施した。
なお、10月以降、新型コロナワクチンの接種が進んだことで、高齢者施設での感染者やクラスターの発生数は大きく抑えられているが、7月下旬からの第5波における感染状況等も踏まえ、4回目のスクリーニング検査を継続実施しており、10月7日から11月末までを期間として、1人当たり2回の検査を受けるよう実施している。
【委員】
3回目から通所系施設を含めたこともあるが、1回目及び2回目の実施率約56パーセントから、3回目は37.2パーセントまで落ちている。執行率も約65パーセントから約32パーセントに落ちており、施設によって検査を受けられない事情もあると思うが、第5波でもクラスターが発生した施設もあり、当初の目的に沿って、検査への協力についてしっかり働きかけてほしい。
受検率の向上について、どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
未受検の施設に対して理由を聞き取ったところ、運営主体が医療法人であるために法人内で検査の体制が整っている、あるいは自前で検査キット等を入手しているといった回答があった。
そのほか、ワクチン接種が進んでいる状況を踏まえ、ワクチンを接種済みであることを理由に挙げる施設が増えている。
本県としては、ワクチン接種が進んでいるとはいえ、クラスターの発生防止や感染者の早期発見も重要であることから、当面はスクリーニング検査を活用してほしいと考えている。
その上で、受検率の向上に当たり、これまでも受検を促す文書を各施設、事業所に発出していたが、未受検の施設に対しては個別に、受託事業者及び県から文書を出している。その結果、若干ではあるが受検率の改善が図られており、今後もあらゆる機会を通じて検査の意義や感染拡大を防ぐ必要性等を周知し、多くの施設の理解を得ることで受検率向上を図っていきたい。
【委員】
ニューあいちスタンダード認証制度について、飲食店側の認知は相当進み、認証申請も増えてきた一方で、利用者にはどこまで認識されているのか。これから外食の機会が増えていくに当たり、より安全な飲食店を、マナーを守って利用してもらうことが感染再拡大の防止につながる。
その意味では、利用者が店を選ぶ基準に、価格、料理や店の雰囲気に加えて、感染防止対策や安全もスタンダードにしていくことが大切である。この点について県の認識と、利用者側への広報、啓発をどのように行っていくのか。
【理事者】
利用者に対してニューあいちスタンダード認証制度を周知し、認証店を利用してもらうことは非常に重要だと認識している。利用者へは、ホームページで広報をしており、SKE48が出演する感染防止対策の動画をユーチューブに公開している。
この動画は、ニューあいちスタンダードの認証基準のうち、利用者への周知事項としてマスクの着用、手指消毒の実施などの項目を周知する内容になっており、飲食店の利用者が見られるよう、動画のQRコードが入った卓上POPを飲食店にサンプルとして配布している。動画は約2万5,000回視聴されており、幅広い世代の利用者に向けて、飲食店での感染防止対策をPRしている。
さらに、広報あいちのほか、商工会や市町村にチラシを置いて周知を依頼するなどしており、引き続き利用者への広報に取り組んでいきたい。
【委員】
民間事業者において、ワクチン接種を証明した人に対する飲食店での割引や、イベント入場者にワクチン接種証明を提示させるなどの取組が先行して始まっている。ワクチン接種証明の提示のみを条件にした場合、ワクチンを接種できない人に不利益を生じることも考えられるが、民間事業者のこうした取組について、県はどのように考えるか。
【理事者】
民間の旅行会社や飲食店等において、ワクチン接種済証を写真に撮り、スマートフォンで表示等することにより、一定の特典やイベント等に参加できる取組が行われていることは承知している。
こうした民間の取組を含め、ワクチンパスポートについては当初から、ワクチン接種を受けていない人に対する公平性の担保が課題として挙げられている。
ワクチン・検査パッケージに関する技術実証においては、接種証明の代わりになるものとして陰性証明が挙げられているが、異なるツールを併用することで、ワクチン接種を受けていない人もメリットを得られるような対応が必要になってくる。
民間事業者の取組として、ワクパスといったアプリケーションが本年9月に記者発表された。携帯電話関連事業者からの承認がないため実際の運用はまだ始まっていないが、アプリケーションにおいても公平性を担保できるよう、陰性証明を画面に取り込める仕様にする等の代替措置を講じていきたい旨発表されていると承知している。
【委員】
沖縄県が、ワクチンパスポートに関するガイドラインを発表するとの報道があった。本県も場合によっては、こうした動きをする必要性があると思うが、現時点での考えはどうか。
【理事者】
本県としては、ワクチン・検査パッケージに関する技術実証の結果や、国の動きを見ながら検討する。
【委員】
民間事業者が先行していくと思うが、その動きを注視し、後追いになって混乱することのないよう、早急に検討してほしい。
【委員】
県民に対して感染防止対策を呼びかけ、厳重警戒措置を実施している状況の中で、10月8日からあいち旅eマネーキャンペーン及びLOVEあいちキャンペーンを実施している。
観光の推進は取り組むべきと考えているが、県としても、積極的に取り組んでいくのか。
【理事者】
観光消費喚起事業は国の補助金を活用して実施しているが、補助金の交付要綱では、ステージ2相当以下と知事が判断した場合に、事業が実施できることになっている。
感染状況は10月に入り改善していることから、知事と相談し、国とも協議の上、事業を開始した。
ただ、この事業は、本県が行う感染防止対策との両立を図りながら実施していくことが求められる。厳重警戒措置としっかり整合性を取り、防災安全局や感染症対策局等、関係局と連携しながら、事業を推進していきたい。
【委員】
あいち旅eマネーキャンペーンの割引原資の予算額51億8,000万円について、対象人数はどの程度を見込んでいるか。
【理事者】
国のGoToトラベルキャンペーンは全国一律の旅行を対象としているが、なかなか開始できないことを踏まえ、その予算の一部が都道府県に補助金として配分された。本県には五、六十億円の内示があったが、可能であれば本年4月から事業開始できるように積算された額である。
本県においては、10月8日からの事業開始となったが、積算上の宿泊者は74万人規模である。
【委員】
あいち旅eマネーキャンペーンの加盟店の状況はどうなっているか。
【理事者】
まず、宿泊施設については10月11日時点で464施設、旅行業者270社、土産物店や観光施設等の地域ポイント店が841社である。
【委員】
今後、加盟店を増やすためどのように取り組むのか。
【理事者】
10月9日に加盟店募集の新聞広告を掲載したが、様子を見ながら、もう1回程度は新聞広告を行いたいと考えている。
加えて、公式ホームページの事業者向けのページにおいて、呼びかけを行っている。
また、愛知県観光協会や愛知県商工会連合会など関係団体を通じ、地域ポイント店に加盟を働きかけたい。県民に対しても利用促進のキャンペーンを順次行っているが、その中でも加盟について呼びかけたい。
【委員】
利用者に対するPRも重要である。10月8日から事業が開始しているが、現段階での登録者はどの程度か。
また、登録してからサービスを受けるためには、実際に宿泊施設を予約し、宿泊施設でQRコード等を提示する必要があるが、実際に宿泊予約をした人はどの程度いるのか。
【理事者】
10月8日から10日までの3日間の状況だが、サービスの利用登録は2万1,321件、旅行や宿泊の予約は9,375件である。
また、県や委託先事務局にも問合せの電話が多数あり、反響はよいと考えている。
【委員】
事業は始まったところであるが、現状、10月1日から10月17日までは県独自の厳重警戒措置が発出されている。外出するときの注意点として、極力、家族やふだん行動している仲間と共に少人数でとされており、厳重警戒措置の期間中は、観光は控えようと考える人もいる。
そうした中で、厳重警戒措置や今後の県の対応について、県民に対して行動の方向性を分かりやすく示すべきだと思うが、県はどのように考えているか。
【理事者】
今後、観光消費喚起事業に係るPRを展開していくが、一般旅行者向けのキャンペーンにおいても、感染防止対策を徹底しながら旅行を楽しんでもらうための発信が非常に重要になる。
また、実際に旅行客と接する宿泊事業者、旅行業者等の協力を得て、感染防止対策を呼びかけてもらいたいと考えている。
【理事者】
防災安全局からは、感染拡大状況に応じて厳重警戒措置等、感染防止対策を呼びかけてきた。今後も、感染状況を見極めながら、社会経済活動の回復を図っていく。
10月18日以降の感染防止対策は検討中であるが、措置の出し方や内容について、ほかの施策との整合性を取りつつ、分かりやすくしていきたい。
【委員】
新型コロナウイルス感染症について、第5波の感染急増により、後遺症の味覚障害や嗅覚障害等に悩んでいる人が増えている。報道によれば、若い人にも多いようだが、県への相談件数は増えているのか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症の後遺症として、強い倦怠感、嗅覚味覚障害、肺機能低下等が報告されているが、いずれも現時点では原因が明らかになっていない。相談件数については、後遺症に分類した統計を取っていないため、具体的な数値は把握していない。
【委員】
後遺症で悩んでいる人は、不安で、どこに相談してよいのか分からない。例えば、味覚障害等であれば耳鼻科、腹痛であれば内科等であるが、県はどのように対応しているのか。
【理事者】
相談体制については、保健所において平日午前9時から午後5時まで受け付けているほか、土日休日は24時間体制で看護師による健康相談窓口を設けており、この中で後遺症に関する相談も受け付け、症状に応じてかかりつけ医の受診を勧める等の対応をとっている。また、必要に応じて、専門の後遺症外来を開設した医療機関を案内している。今度とも、県民からの相談に適切に応じ、不安解消に努めていく。
【委員】
後遺症への対応について、例えば、東京都ではリーフレット等を作り、都民の後遺症の状況や相談できる病院の一覧を掲載している。本県も、不安を抱く県民に対して、安心を提供できるよう考えていく必要があるが、後遺症に対して、今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
東京都でリーフレットを作成していることは承知しているが、本県としては、一般の健康相談の中で受け付けていきたいと考えている。
【委員】
高校生に対する新型コロナワクチン接種は、学校単位で、3年生から順番に進められると聞いている。
現時点で、高校3年生の希望者への接種は何校完了しているのか。
【理事者】
ワクチン接種は3年生から始めているが、1年生、2年生についても順次並行して進んでおり、全学年まとめたものを集計している。
10月9日現在、公立高等学校で1回目のワクチン接種を完了した生徒は、147校1万196人である。今後も、76校3,446人を予定している。
【理事者】
10月2日現在、私立高等学校の対象生徒85校約6万7,000人のうち、接種希望者は69校6,489人と、約1割の生徒が希望しており、そのうち接種を完了したのは58校4,997人である。
【委員】
現場で聞いたところでは、学校と接種医療機関とのマッチングが順調にいかず、自分で接種予約をする生徒が多数出てきているとのことである。例えば、東三河でも予約なしで接種できるようになり、県の大規模接種会場も予約が取れるようになっている。学校で予約すると接種が10月末になることもあり、学校での予約をキャンセルするケースが出ているようである。そういった状況について、どのように把握しているか。
【理事者】
高校生等へのワクチン接種に当たっては、まず学校に希望調査を行い、学校が生徒に希望調査を行った結果が県に上がってくる。そこで人数を確定した後に、ワクチン接種体制整備室に依頼し、各市町村の病院や大規模接種会場等と調整を行っている。
公立高等学校、私立高等学校のどちらについても、人数が多い名古屋市内など、病院等とのマッチングに時間がかかる地域がある。そのような場合には、マッチングをしている間に市町村での接種が進み、学校を通じて接種を希望したものの、キャンセルとなることが起きている。
【委員】
生徒への希望調査と接種施設の選定について可能な限り同時進行で行うことで、タイムロスを防いでほしい。
ワクチン接種は順調に進んでおり、国からは3回目接種に向けた話も出ている。県として、3回目接種の開始はいつになると想定しているのか。
また、接種体制について、1回目、2回目と同じような体制で考えているのか。
【理事者】
国の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、3回目接種を実施するとの方針は示されたが、その実施方法については、今後検討される。
3回目接種の時期については、2回目接種の完了から約8か月後以降に、順次進めていくこととされ、早ければ本年12月から、医療従事者を手始めに3回目接種が実施される見込みである。
しかし、現状では、ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社のどのワクチンを使うのか、交差接種等を含め、具体的なワクチンの活用については、これから議論が進められる。また、ファイザー社のワクチンは、厚生労働省に3回目接種の承認申請が出された段階だと承知している。
今後の接種体制について、国からは、1回目、2回目の住民接種と同様の体制で接種を進めていく方針であると示されている。しかし、大規模接種、職域接種など集団接種の枠組みについて、今後どのような形で実施していくのかは、まだ具体的に示されていない。
【委員】
ワクチン接種は初めての取組であり、順調にいった地域もあったが、情報が錯綜するなど、混乱した部分もあったと思う。
3回目接種について、接種体制が変わる可能性があるのならば、国、県、市町村、医療機関、医師会等がより密に連携し、医療機関の末端まで1日も早く情報が伝わるよう、留意して取り組んでほしい。
【委員】
ワクチン・検査パッケージに関する技術実証について、本県では、常滑市の音楽フェスの問題があったことから非常に関心が高く、実施することに大きな意義がある。
本県においては、12月中に名古屋市内で行われる音楽コンサートに、延べ3万2,000人を集めて技術実証を行うとのことだが、内容について詳しく教えてほしい。
【理事者】
この技術実証について、本県は国に3件の提案をした。
その際に、イベントの主催者からは、具体的な内容の公表について、参加者に主催者から説明するまでは待ってほしいと言われている。また、国も本県以外のコンサート等について採択しているとのことだが、主催者が許可しなければ、国も内容を公表しない条件で進めている。
【委員】
3億6,200万円の予算がかかるのに、主催者との調整で内容を公表できないのは、分かりにくいのではないか。延べ3万2,000人とは、例えば4日間で8,000人ずつなのか、2日間で午前の部、午後の部に分けるのか、規模感も分からないが、詳細は説明できないのか。
【理事者】
主催者にも確認したが、まだ言わないでほしいとのことである。
【委員】
それでは、予算の積算根拠はどうなっているのか。
【理事者】
予算の積算は、ほとんどが検査委託費である。PCR検査費として3億4,080万円の積算であり、3万2,000人のイベント終了後のモニタリングと、国の想定に基づき参加者の50パーセントが事前にPCR検査を受けるとして1万6,000人分、合計4万8,000人分のPCR検査費を計上している。
また、PCR検査やワクチン接種をしていない人が参加者の10パーセント程度いると想定し、3,200人分の抗原検査代1,733万1,000円、ワクチン接種証明を窓口で確認するための人件費として284万7,000円、そのほか、担当者の旅費等の事務費167万7,000円である。
【委員】
この技術実証の結果を踏まえ、検証後にしかイベントを開催することはできないのか。
【理事者】
本県で行われる技術実証は、国の実証実験の一つに位置づけられているが、コンサートについて、国からは10月から順次開催していくと聞いている。
イベントの開催制限についても、国は段階的に緩和していくと言っているが、本県での技術実証についても、その判断材料の一つになるものの、いつの時点から緩和策をやっていくのか、国から公表されていない。
【委員】
万が一、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出された場合でも、この技術実証は行うのか。
【理事者】
緊急事態宣言等が出された場合は、国と相談して検討していくことになる。
【委員】
国の実施項目の中に、AIによる画像診断技術を用いたマスク着用率の確認や、レーザーを用いた密な場所の把握、二酸化炭素濃度の測定や大声等の状況把握などが記載されており、重要なデータが得られると考える。
一方で、感染状況が落ち着いてきている中で、このような技術実証を行うことに本当に意味があるのかといった意見もあるが、それに対してどう考えるか。
【理事者】
現在、感染状況は落ち着いているが、国の通知によれば、イベントの開催制限が緩和されても、完全に制限がなくなるわけではない。
そうした中で、今回、技術実証を行い、国が行う事業評価を踏まえて、今後、イベントを開催するに当たって、例えば、PCR検査や抗原検査のオペレーション、運営方法、効果、費用等、イベントの開催制限についてどのように緩和していくのか検討を行っていく。
【委員】
知事が言っているように、国の緊急事態宣言が解除されても、感染防止対策としての規制は徐々に緩和していかなければならない。本県も独自の厳重警戒措置を取っているが、新規感染者数や医療提供体制は落ち着いており、どのような状況になればこの措置は解けるのか、判断する根拠を教えてほしい。
【理事者】
現状、感染状況はステージ1と落ち着いている。ただし、イベント等の場合でも、国は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を解除してから1か月程度は様子を見て、段階的に緩和していくとのことである。
したがって、具体的な数字を示すことはできないが、今週の感染状況等を注視して判断していくことになる。
【委員】
数字を示せないことは理解するが、感染状況を見て判断するとのことでよいか。
【理事者】
そのとおりである。感染状況や医療提供体制はどちらもステージ1の状態であるが、東京都や大阪府の状況等も踏まえて、決めていく。
【委員】
ブレイクスルー感染という言葉をよく聞くが、本県におけるデータはあるか。
【理事者】
本年10月7日時点の集計で、本年9月1日から9月30日までに発生届を受理したデータを抽出した結果、ワクチン2回接種完了者の感染、いわゆるブレイクスルー感染に係る陽性率は7.9パーセントであった。
【委員】
それは県全体の数字か。
【理事者】
そのとおりである。
【委員】
それだけ感染率が高いので気をつけなければならないが、ワクチン接種計画では、どのような目標値を掲げているのか。
現状、ワクチン接種はどの程度終わったのか。11月末には完了すると聞いているが、県としてその先の目標値もあるのか。
【理事者】
10月9日時点で、ワクチンの2回接種を完了したのは約493万人であり、接種対象である12歳以上人口の割合で見ると、接種率は約73.9パーセントである。この数は、職域接種、医療従事者、高齢者、一般住民を含めて、県で把握している数字を全て合算したものである。
今後の目標については、現時点で国から示されているとおり、11月の早い時期までに対象人口の8割がワクチン接種を受けられるように進めていく。現状、ファイザー社とモデルナ社を合わせて、対象人口の9割を超えるワクチンが供給されており、各市町村で対象人口の8割の接種を達成する前提であれば、多くの市町村で11月中旬、それ以外の市町村でも11月中には接種が完了する予定で、接種計画を立てて事業を進めている。
また、8割を超える接種率が見込まれる市町村については、接種状況を踏まえ、なるべく早い時期に少しでも多くの人が接種できるよう取り組んでいる。
【委員】
2回接種を完了した割合が約74パーセントと高くなっているが、どの年代の接種率が低いか等、年代別の接種率が分かれば教えてほしい。
また、接種を希望しない人もいると思うが、特に若年層に対してどのように接種を進めていくのか。
【理事者】
10月5日時点で、12歳から19歳の1回目接種率は56.16パーセントであり、2回目接種の接種率は30.8パーセントである。20歳代は、1回目接種が51.88パーセント、2回目接種は33.88パーセントである。30歳代は、1回目接種が57.01パーセント、2回目接種は38.80パーセントである。40歳代は、1回目接種が65.51パーセント、2回目接種は51.27パーセントである。50歳代は、1回目接種が76.10パーセント、2回目接種は67.49パーセントである。60歳から64歳までの年代では、1回目接種が81.66パーセント、2回目接種は77.66パーセントである。65歳以上の高齢者は、1回目接種が91.63パーセント、2回目接種は90.63パーセントである。
10歳代から30歳代の若い世代についても、1回目の接種率は5割を超えている。しかしながら、目標である接種率8割に達するには、若い世代に対する接種にしっかりと取り組む必要がある。
9月11日から、あいちワクチンステーション栄を開設し、9月18日からはほかの大規模集団接種会場を含めて、若者をターゲットにLINEを使った予約システムを開始した。
また、高校生については各学校単位での集団接種を進めており、職域接種を活用して、大学生に対するワクチン接種も進めてきた。加えて、妊産婦についても、予約なしでワクチンを接種できることとし、1万人を超える人がこの制度でワクチン接種を行った。
情報発信については、藤田医科大学の協力を得て、専門的な副反応の知識、SNSで流れるデマの真偽等について、医師と学生の対談形式での動画を公開した。そして、ワクチンの効果を訴える知事のメッセージ動画も公開している。
このような情報発信の成果として、10歳代から30歳代の接種率は、ほかの世代と比較して格段に伸びている。40歳代及び50歳代における1週間での伸び率は約3ポイントであるのに対して、10歳代から30歳代では7ポイントを超えている。
市町村でも若い世代に対する優先接種の機会を多く設けているが、県としても、引き続き若い世代への接種促進に取り組んでいく。
【委員】
若い人が接種できる体制を整えつつ、引き続き取り組んでほしい。
第6波に向けて、現在、感染者数が激減している中で、県の体制はどのように考えているか。
【理事者】
第5波においては、保健所等に最大で160人以上の職員の応援を得るなど体制を確保した。現在、第6波に備えて状況を注視しており、すぐに体制を整えられるようにしたい。
【委員】
宿泊療養施設や医療提供体制については、どう考えているか。
【理事者】
宿泊療養施設は現在6か所運営しているが、当面維持したいと考えている。
【理事者】
現在の確保病床については、第6波に向けて、引き続き維持、見直し等を行っていく。具体的には、これまでの感染状況等を検証しながら考えていく。
【委員】
いつ第6波が来るか分からないが、今までの課題をどのように改善していくのか。保健所は大変な状況であり、応援職員も多く入っているが、対応に難しさもあると思う。
保健所の運営について、課題をどう認識しているか。
【理事者】
応援職員が入ることで、執務室が密な状態になることや、設備面で足りないものが出てくることがある。今のうちに、スペースや資機材をどうするのか、しっかりと考えていきたい。
【委員】
対応については慣れる部分もあると思うが、新しく来た応援職員に対して、引継ぎ等どのように行っているか。
【理事者】
せっかく対応を覚えても、短期間で帰ってしまうと困るので、今回の応援は2週間いてもらうこととし、その2週間についても2週間ごとに全員が変わるのではなく、交代時期をずらして、慣れない職員が来たときには慣れた職員が教えるような体制で対応している。
【委員】
保健所の対応が一番の要である。一生懸命やっていると思うが、自宅待機者が多くなったときに、保健所において状況観察だけでなく、外来や往診、オンラインなどの様々な方法で早く薬を処方するなどの対応ができるように、第6波に向けて、マニュアルや人員も含めて、引き続き体制を整えてほしい。
第6波に向けた確保病床の増減について、各病院との調整状況はどうか。
【理事者】
第5波のピーク時に緊急的に確保したこともあり、現在1,722床を確保している。
現在は感染状況が落ち着いているが、確保病床を一般病床に戻してしまうと、再度確保病床にするのには時間がかかるため、各病院等から意見を聴きながら、第6波のときに適切に対応できるよう、協議を進めていく。
【委員】
ニューあいちスタンダード認証業務に、県職員を何人手配したのか。
【理事者】
ニューあいちスタンダードの認証業務については、全庁各局の職員の応援を得て緊急的に実施した。
9月28日から10月8日までの11日間、1日3,000件を認証する体制で実施するため、200人以上が現地調査を行うことで計画していたが、実際には2人1組で対応するなど各局がそれぞれ体制を組んでおり、現時点では人数が把握できていない。今後、集計していきたいと考えている。
【委員】
現時点で、人数は掴めていないということか。
【理事者】
現時点では把握できていない。
【委員】
認証業務に当たる職員の超過勤務手当は、どこから支払われるのか。
【理事者】
服務規程上は、平日の夜間に業務に従事する場合には、勤務時間の割り振りの変更、土日出勤の場合には、振替休日を最大8週間後までに取ることが基本原則である。しかし、実態として取れないケースは多々あるため、こうした場合に超過勤務手当を支給することになる。
現在、業務に従事した人数や代休処理の状況が把握できていないため、金額等は分からないが、超過勤務手当については、年間分を当初予算で、40億余円を計上しているため、まずはこれを使って支給していきたい。
結果的に超過勤務手当が予算不足となった場合には、ほかに予備費を一般会計当初予算で3億円計上しているため、これを使わせてもらいたい。それでもなお不足する場合は、2月補正予算の計上を検討していく。
【委員】
全体で40億円の予算があるから、それで処理するということか。
また、タクシーで回るとの話があったが、旅費もこれで補えるのか。
【理事者】
超過勤務手当を含めた人件費については、基本的には各局がその職員定数分を各科目で予算計上しているが、給料の高低があり、年度によって足りない局も出てくる。そうした場合には、総務企画費の一般管理費を使い、足りない局の人件費を賄っている。
今回の超過勤務手当についても、防災安全局の予算では足りないと思うため、まずは一般管理費から回すことを検討していく。それでも足りなければ予備費、あるいは補正予算となる。
旅費についても、まずは防災安全局の予算で支払っていくが、足りない場合には予備費、あるいは事後計上となるが、補正予算を計上して支払うことも考えている。
【委員】
ニューあいちスタンダードの認証事務に当たっては、委託事業者である株式会社JTBと約7億5,000万円で契約している。今回、県職員が認証事務に当たっているが、株式会社JTBとの契約は変更、減額するのか。
【理事者】
今回、緊急に県職員が申請の確認をした後に、委託事業者である株式会社JTBが訪問し、改めて50項目の詳細な調査を行うこととしている。
そのため、委託事業者が回る件数自体は当初の予定から変わらないが、ステッカーを郵送する経費等については減額になると考えている。
【委員】
委託契約を変更し、減額するとのことだが、議会にも報告するのか。
【理事者】
委託契約の中で、最終的な実績に応じて精算していきたい。また、その結果についても報告していきたい。
【委員】
新型コロナウイルス感染症への対応について、感染症対策局、防災安全局、経済産業局の意見がかみ合っていない。本県における事務の司令塔はどこなのか。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症対策に当たっては、知事を本部長とする愛知県新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、関係局、関係機関等が連携を取って、総合的な新型コロナウイルス感染症対策の推進に取り組んでいる。
対策本部の事務局は、昨年度、感染症対策の専門組織として設置した感染症対策局が担っている。この対策本部の下に、関係局の役割を明確にするため八つの対策チームを設置している。例えば、緊急事態宣言の発出等の業務等、新型インフルエンザ等対策特別措置法に関する事項については防災安全局、感染防止対策や医療対策については保健医療局及び感染症対策局、経済の活性化については経済産業局等で実施するよう、それぞれ個別の対策チームを設置し、全庁的な体制で取り組んでいる。
【委員】
事務の司令塔が機能を発揮できているのか心配である。知事が全部やればよいのではなく、大事なことは、現場を知っている人間が的確な判断をすることである。
保健所の関係でも、仕事量が増えすぎており、何が原因なのか考えなければいけない。医療機関との連携ができていない。保健所に事務を集中させずに、連携が取れるシステムを検討するなど、分担し合うことで楽になる。
ニューあいちスタンダード認証事務についても、市町村は声がかかるのを待ってくれていた。それなのに、市町村には何も相談をしなかった。現場を知っている市町村の協力を受ければよかったのではないか。
市町村に聞くと、県に頼まれたら全部協力すると言ってくれるが、県民事務所と市町村に身近なつながりがないため頼めない。それならば、もっと綿密な連絡体制が取れるようになれば、スムーズにできたのではないか。
新型コロナウイルス感染症はすぐに終息するものではないので、県民が混乱しないように取り組んでほしい。
【委員長】
本日の議論を踏まえ、各局長からコメントをお願いしたい。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症の関係では、昨年、感染症対策局を設置し、愛知県新型コロナウイルス感染症対策本部の下に八つのチームをつくり、全庁的な応援体制で取り組んできた。今回のニューあいちスタンダードの認証事務については、緊急的に行うことになったこともあり、市町村に頼める状況でなかった。
県だけでできること、市町村にお願いすべきことについて、議論を踏まえ、今後の対策にしっかり生かしていきたいと考えている。
【理事者】
ニューあいちスタンダードの認証事務について、全庁から多大な協力をもらった。議論のあった予算、人員の関係では、対応が後手に回ったことなど、反省すべき点がある。
認証事務は本年6月から行っており、市町村との協力関係をいかに効果的なものにするのか、関係局とも相談しながら、引き続き検討していきたい。
【理事者】
感染症対策局は、様々な仕事がある中で、防災安全局、総務局、保健医療局等と連携して取り組んできた。
今回の第5波については、ワクチン接種が進み、入院患者は若い人が特に多かったことがあり、第4波とは医療の在り方が全く違った。第4波のときは、入院患者が全然動かない状況であったが、第5波は入退院がスムーズであった。その反面、自宅療養者が非常に多くなったことで、それを管理する保健所が非常に逼迫したが、各局の応援により、非常に助かったと思っている。
また、保健医療局が保健所の体制をしっかり整備してくれたことで、病床が逼迫する前に何とか食い止めることができた。
今後は、市町村との連携が重要になることも踏まえ、総務局、防災安全局等としっかり相談しながら、感染対策のあり方について体制を整えていきたい。
【理事者】
保健医療局としても、各局と協調して取組を進めてきた。今回の第5波については、県だけでなく名古屋市、中核市の保健所も大変逼迫した。その中で、保健所のもともとの業務の軽減を行うとともに、県職員の応援だけでなく、市町村からも保健師等の応援をもらった。
自宅療養者が多数発生した8月末から9月にかけて、保健所では健康観察等の業務が非常に負担となった。そういった中でも、県庁各課と市町村からの応援がありどうにか乗り切ったのが実情である。
現在は感染状況が落ち着いているが、いつ第6波が来るか分からない状況であり、改めて応援職員に対応した部屋の確保、マニュアルや通信機器の整備等を、各局と連携してしっかりと体制を整えていきたい。
【理事者】
経済産業局は、感染防止対策協力金や中小企業者応援金など、飲食店や取引業者の経営に対してサポートする事業を行ってきた。
感染状況も改善しつつあり、これからどのように経済を回していくのかを考える中で、本日の委員会でもワクチン・検査パッケージの技術実証や、ニューあいちスタンダード認証を使った取組について議論があった。
これから本格的に経済を回していく必要がある中で、関係部局とも協力しながら、知恵を絞って対策を進めていきたい。
【理事者】
観光コンベンション局においては、昨年12月に国のGoToトラベル事業が停止したのと同時に観光消費喚起事業もストップしていたが、10か月ぶりに再開される。
しかし、また感染症が拡大する状況になれば、すぐにストップしなければならないことから、状況をしっかり見据え、各局と協力しながら進めていきたい。
一方で、観光客を受け入れる側、特に宿泊業者に関しては、この間に感染防止対策を整えており、安全、安心な受入体制となっていることも周知しながら、しっかり事業に取り組んでいく。
【委員長】
ワクチン接種率が約7割となり、集団免疫ができつつある状況において、第6波が来ても、第5波のような感染状況になることは考えにくい。これまでの経験もあり、たとえ感染が増えたとしても、いかに重症化させないかを考えていく必要がある。
また、治療薬等の開発状況も含めた新たな展開もあるが、経済対策と感染症対策を同時に進め、従前の社会生活に戻していくことが必要である。
これまで全庁的に苦労が多かったと思うが、今後も各局連携しながら、本日の議論も踏まえて、全力を挙げて頑張ってほしい。