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新型コロナウイルス感染症対策特別委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和4年12月27日(火) 午後1時2分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
直江弘文、高木ひろし 正副委員長
水野富夫、神戸洋美、川嶋太郎、飛田常年、南部文宏、丹羽洋章、
林 文夫、杉浦哲也、平松利英、安藤としき、西久保ながし、
永井雅彦、朝倉浩一、黒田太郎、加藤貴志、竹上裕子 各委員
総務局長、総務部長、防災安全局長、防災部長、保健医療局長、
同技監、健康医務部長、生活衛生部長兼医薬安全課長、
感染症対策局長、同技監、感染症対策調整監、
中小企業部長、関係各課長等
<会議の概要>
1 新型コロナワクチン接種後の副反応等について
2 新型コロナウイルス感染症の後遺症について
3 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類見直しについて
<会議の概要>
1 開 会
2 委員席の一部変更
3 議題について理事者から説明
4 質 疑
5 閉 会
(主な質疑)
【委員】
新型コロナワクチン接種の効果及び高齢者施設等でコロナ患者を診た場合の補助について伺う。
国や県はワクチン接種を推奨する立場であるが、新型コロナワクチンは危険で接種すべきではないと主張する医師もいる。
その主張は、ファイザー社やモデルナ社のワクチンを接種することにより体内に中和抗体を作ると同時にADE抗体も体内に作り、副反応による健康被害を指摘する内容である。
中和抗体とは発症や重症化を防ぐ働きを持つ抗体であるが、ADE抗体は新型コロナウイルスへの感染力を強くすることや、重症化する働きがある抗体とされている。
ただし、医師によってはファイザー社やモデルナ社のワクチン接種により、ADE抗体が体内に作られると主張する人もいれば、ADE抗体を起こすような抗体がワクチン接種によって誘導される事実はないと説明する医師もいる。
専門知識を持つ医師ですら意見が分かれ、ワクチン接種するかしないかは個人の判断とされているが、どうしたらよいのか判断に迷うのは当然のことである。
短期間で開発されたワクチンであるため、一定の安全性や有効性は確認されているものの、中長期的な有害事象がどの程度出てくるのかは未知数であり、それらを視野に入れた治験が残されている。
厚生労働省がアドバイザリーボードに報告している統計では、全年齢層で未接種者より1回接種済みの人のほうが陽性者は少なく、特に2回接種済みの人では顕著に少なくなっており、ワクチンが効果的であることを示している。しかし、その後は、ワクチンの接種者のほうが感染率が高くなる逆転現象が起きている。
逆転現象が起き始めたのは本年5月頃からで、その後は逆転現象が顕著になっているが、その頃から国は発症予防効果よりも重症予防効果を前面に押し出すようになった。
ワクチン接種により本当に重症化率と死亡率が下がっているのか、国は明らかにするべきではないか。
ワクチン接種が発症予防や重症化予防に効果があるという本県のデータはあるのか。
【理事者】
第6波の始まりである昨年12月28日から本年9月25日までの期間における県内の新型コロナウイルス感染者を、70歳以上と70歳未満に分け、新型コロナワクチン4回接種済みの人と未接種者の陽性率及び10万人当たりの重症者数について比較した。
まず、陽性率であるが、70歳以上ではワクチンの4回接種済みの人は1.5パーセントであり、未接種者の4.2パーセントの約3分の1であった。70歳未満では4回接種済みの人は2.1パーセントであり、未接種者の17.6パーセントの約8分の1であった。
次に、10万人当たりの重症者数であるが、70歳以上では4回接種済みの人は7.63人であり、未接種者の153.25人の約20分の1であった。70歳未満では4回接種済みの人は0.94人であり、未接種者の6.47人の約7分の1であった。
70歳以上、70歳未満の年齢区分を問わず、陽性率はワクチンの4回接種済みの人のほうが未接種者より低く、発症予防効果が認められる結果となった。また、10万人当たりの重症者数についても、4回接種済みの人のほうが未接種者より少なく、重症化予防効果が認められる結果となった。
【委員】
4回接種済みの人の統計は、いつの期間のものか。
【理事者】
昨年12月28日から本年9月25日までの期間で、県内のワクチン接種者数は9月25日時点の数字である。
【委員】
高齢者に対する4回目の接種は、本年6月頃から開始したのではないのか。
【理事者】
4回目接種の開始時期であるが、60歳以上の人と基礎疾患を有する人に先行的に本年5月25日から始まっている。この時点では従来株のワクチンの接種である。その後、現役世代を含めた59歳以下に対象者が広がったのが9月20日からになるので、この統計データの4回目接種の回数の中には、5月末以降の回数が含まれている。
【委員】
重症化予防効果については約20倍の差があり、県の分析では一定の効果があるということが分かった。
ワクチン接種を推奨する以上、行政としても、それを認める議員も責任を背負う。国や県が推奨しているワクチンであるため、私も副反応と闘いながらワクチン接種を続け、家族や友人、知人にも勧めてきた。
今後も、県独自で把握できる数値を慎重に分析し続けていくとともに、県民の信頼に応えるために今後も数値を公表してほしい。
次に、新型コロナウイルス感染症の分類見直しについて、現在は2類相当の措置が取られており、感染者は原則入院となっているが、第6波の感染ピーク時には、高齢者施設で感染者が発生しても入院できずに、高齢者施設にとどまらざるを得ない状況であった。これは第7波や第8波でも同様の事態が起きており、高齢者施設は感染者の対応に相当の苦労をしている。
感染者を施設内で療養している高齢者施設に対して、どのような補助を行っているのか。
【理事者】
施設内で新型コロナウイルス感染者を療養する高齢者施設に対して、愛知県介護サービス確保対策事業費補助金により助成を行っている。
その内容は、施設内療養に係る費用として、療養者1人につき1日1万円を支給するものである。さらに、施設内療養者が一定数を超えた場合は加算することができる。
加えて、緊急時の人員確保や職場環境の復旧、あるいは整備に要する費用として、療養者の介護等を行う職員に支給する危険手当や時間外勤務手当などの割増賃金、あるいは療養に使用するガウンやマスクなどの衛生材料の購入費など、通常のサービス提供では想定していない、かかり増しの費用についても助成を行っている。
【委員】
主に認知症の人を受け入れている高齢者施設内で新型コロナウイルスの感染者が発生しても、軽症であれば受け入れてもらえる医療機関がない。また、重症化しても入院ができず、施設内で最期を迎えることも少なくない。本来2類相当であれば原則入院であるが、肺炎を引き起こさなければ入院できないことに矛盾を感じる。それには医療リソースの確保と、それほど危険で重篤化するリスクは高くないからという判断も背景にあると思うが、そうであれば5類相当に下げる時期が来ていると思う。
大規模の老人ホームであれば感染者を施設内でゾーニングすることが可能であるが、比較的規模の小さいグループホームで感染者が発生したら、限られた施設内でゾーニングすることは困難である。さらに、その感染者が軽症あるいは症状が収まっていれば、部屋から出て仲間と話したい、一緒に遊びたいと思うのは当然である。しかし、認知症が進んだ人に他の人への感染リスクを説明しても理解してもらえず、部屋から出られないことに我慢できなくなり、どなったり手を上げたりするケースがある。介護士が2類相当の感染症患者を対処し続けなければならず、患者の認知症が進んでいれば、暴れる場面もあり、介護士の感染リスクは高く、介護疲れも激しくなり、精神面でも限界を迎える。
家庭内で感染者が発生した場合、他の家族を守るための宿泊療養施設が用意されている。主に認知症の人が集団生活する場となっている老人ホームなどで感染者が発生した場合に、同様に他の入居者を守るためには、介護対応の宿泊療養施設があればよいと思う。高齢で体力のない入居者を守ることができ、介護職員の負担も減ることから検討してほしい。
【委員】
データの発表方法について伺う。
県ホームページの新型コロナウイルス感染症のページに掲載されているクラスターの状況一覧表を見ると、高齢者施設等では多くのクラスターが発生しており、その次は医療機関であることが分かる。それ以外では、職場、保育施設、学校等で少し発生しており、飲食店、会食、その他では発生していない。
実際に職場や保育施設、学校等では、クラスターは発生していないのか。
【理事者】
医療機関は検査体制が整っているため、クラスターの発生を把握し、保健所に報告できる。また、高齢者施設等についても、県は職員を対象としたスクリーニング検査や陽性者が発生した場合のPCR検査体制を整備しており、保健所がクラスターの発生状況を的確に把握でき、これらが多い原因と考えられる。
一方、職場をはじめとするその他のカテゴリーのクラスターの確認数が少ないのは、本年3月から疫学調査の対象が変更となり、職場については対象外となったことが理由として考えられる。
加えて、本年9月26日から新型コロナウイルス感染者の発生届が、全数から65歳以上の人や入院を要する人など4類型に変更となったため、保健所による疫学調査が限定的となり、その他のカテゴリーについても、クラスターの発生状況の把握が困難となったことが理由として考えられる。これは県内の保健所設置市においても同様であり、感染者の発生状況の把握体制による違いが影響していると考えられる。
【委員】
医療機関や高齢者施設等と比較して、保育施設、学校や職場、飲食店などは、感染者の把握の体制が違うのか。
【理事者】
国の通知で医療機関や高齢者施設等はハイリスク施設と定義され、保健所等による迅速な積極的疫学調査を実施し、濃厚接触者の特定や行動制限など感染対策を行うこととされている。
一方、職場等については、保健所等による積極的疫学調査や濃厚接触者の特定、行動制限は求めないことになっており、保健所等の調査の違いであると認識している。
【委員】
私は3年前からこの表に注目してきたが、新型コロナウイルス感染症の流行初期は現在と比べれば陽性者数もかなり少なかったため、マンパワーの関係もあり調査しやすかった。その当時にこの表が作成され、そのまま現在に至っていると思う。疫学調査の対象が変更になったと思うが、公表している表は当初に作成したものを使用していることについて、どのように考えているのか。
【理事者】
疫学調査の対象が変わり、現在、公表している区分のうち、飲食店、会食、職場などはクラスターがほとんど発生していない。
【委員】
第6波までは、保育施設、学校等や職場でもクラスターが発生していたが、その後疫学調査の対象変更になり、公表しているクラスター数の状況が変わってきていると思う。
当初に作成した表で公表し続けることは、誤解を生む可能性があると思うがどうか。
【理事者】
例えば、第7波では職場のクラスターが14件、ほかに保育施設、学校等でもクラスターが発生したが、第8波では職場は1件であった。国の通知に基づいて調査をやめたカテゴリーもあるため、表の見直しを検討したい。
【委員】
疫学調査の対象が変更となり、当初のクラスター発生状況とは違うことを明らかにした上で公表するなど、検討をお願いしたい。
【委員】
中国では急速に新型コロナウイルス感染者が増えており、流行している新型コロナウイルス感染症はオミクロン株とは違い、肺炎や死亡者が多いと聞く。直ちに中国からの入国制限をすべきと思うが、県の考え方を伺う。
【理事者】
入国規制は検疫法に基づいて行うため、検疫所を所管する国が対応するべきものである。
【委員】
県独自で入国制限をすることはできないのか。
【理事者】
県独自で対応することはできない。
【委員】
新型コロナウイルス感染症は一昨年、中国の武漢市から発生したと言われているが、早い段階で強い入国規制をしていれば、日本における爆発的な感染は和らげることができたため、すぐにでも入国規制するべきと考える。
本年12月1日から20日までの間に、中国では2.5億人が新型コロナウイルス感染症に感染したのではないかと報道されている。本県には中部国際空港があるため、至急、国に対して入国制限を要望してほしいが、県の考えを伺う。
【理事者】
検疫の強化についてはこれまでも要望しているが、改めて要望したい。
【委員】
国に対して、いつ、どのような文面で要望したのか。そして、国はどのような態度を示したのか教えてほしい。
さらに、本県は中国で流行している新型コロナウイルス感染症に対する分析、調査を行っているのか。
【理事者】
県はゲノム解析を実施しており、それぞれの変異株の割合等を県内の感染者から分析している。現在中国で流行している新型コロナウイルス感染症で県内の感染者が分かれば、県としても検査、分析が可能となる。
【委員】
県内で感染者が発生する前に、ゲノム解析をすることは可能か。
【理事者】
県内に中国で流行しているウイルスが入っているか分からない段階での調査は難しい。
【委員】
国に対して、中国で流行している新型コロナウイルス感染症に対する調査をするよう要望してほしい。
次に、マスク着用について伺う。
本県は、県民にマスクの着用をお願いしているが、根拠は何か。
【理事者】
新型インフルエンザ等対策特別措置法第3条に、地方公共団体は新型インフルエンザ等が発生したときに、第18条第1項に規定する基本的対処方針に基づき対策を的確かつ迅速に実施するとされている。
その基本的対処方針には、感染防止策として、新型コロナウイルス感染症の感染経路はせき、くしゃみ、会話のときに排出される飛沫やエアロゾルの吸入、接触感染等と考えられていることから、基本的な感染対策が重要であるとされており、基本的な感染対策としてマスクの着用が挙げられている。
また、同基本的対処方針において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の項目に、場面に応じた適切なマスクの着脱を行うことを促すとされており、これに基づきマスクの着用をお願いしている。
【委員】
国の示したものに従い対応しているとのことであるが、屋外ではマスクの着用が必要なのか。
【理事者】
屋外では原則マスク着用は不要であるが、人との距離が保てず、会話をする場合などはマスクの着用をお願いしている。
【委員】
人との距離を具体的に伺う。
【理事者】
屋外では2メートル以上間隔を空けることをお願いしている。
【委員】
人がたくさん集まるイベントにおいては、マスクの着用が必要なイベントと、マスクの着用は原則不要なイベントがあると聞くがその違いは何か。
【理事者】
イベントにおいては、参加者の身体的距離の確保が難しいことから、原則マスクの着用をお願いしている。しかし、屋外で参加者が2メートル以上の間隔を空けることが可能な場合などは、マスクの着用は不要となる。
【委員】
サッカーのワールドカップをテレビで見て、観客がマスクをしていないことに大変驚いた。隣同士で大声で叫んで、歌っていた。仮に豊田スタジアムで開催した場合、本県は観客に対してマスクの着用を求めるのか。
【理事者】
ワールドカップのような大規模なスポーツイベントが開催される場合には、基本的対処方針に基づき主催者に対して、事前に感染防止安全計画を提出してもらう。
感染防止安全計画を策定するイベントについては、大声なしが基本であるが、エリアに分ければ大声ありのエリアを設けることも可能とされている。大声の定義については、観客等が通常よりも大きな声量で反復継続的に声を発することとされており、観客間の大声、長時間の会話や、スポーツイベントにおいて反復継続的に行われる応援歌の合唱などと例示されている。
ワールドカップの観客の状況は、大声ありのイベントに該当するため、主催者からは大声ありのエリアを設ける計画が提出されることとなるが、主催者に対して収容率を50パーセント以内にした上で、前後左右の座席を1席空けるように求めるとともに、観客にマスクの着用を徹底するための対策についてどのように行うかを確認し、対策が不十分である場合は主催者に対して対策が徹底されるように働きかけることになる。
なお、マスク着用の徹底が困難と判断された場合は、参加者の間隔を2メートル以上空けるよう求めることになる。
【委員】
本県でワールドカップの試合が開催されてもおかしくない。会場では歌わないでほしい、マスクを着けてほしいとお願いして実行できると考えているのか。
【理事者】
イベントにおけるマスク着用には、主催者等に事前販売するチケットやウェブページなどに、マスク着用を入場の条件にするなどの記載をしてもらうことや、イベント当日に会場で警備員によるモニタリングや個別に注意してもらうことによって、マスク着用の周知徹底を図る。
主催者等が参加者にマスクの着用が徹底できないと判断した場合は、座席間の間隔を2メートル程度空けることをお願いすることになる。
【委員】
優勝したアルゼンチンチームはステージに上がり、代わる代わる優勝トロフィーにキスをしていたが、この行為について県はどのように考えるのか。
【理事者】
スポーツイベントにおいても、選手やスタッフが健康管理の徹底や感染経路に応じた感染対策、参加者に感染させないための感染対策の実施など、適切な感染対策を行うようお願いすることになる。
優勝トロフィーにキスをするなどの行為は、接触感染の危険性が高まる行為であるため、主催者から選手やスタッフに事前に注意喚起をしてもらうことになる。
【委員】
県の考え方は分かるが、受ける側の世間がその理屈を認めるのか。
ワールドカップなどではマスクをしていない様子をテレビで見た。また、帰国した人も外国ではマスクをしていないと聞く。こういう状況にあっても県は、マスクを着けることは大切であるとの信念の下に、やり通してほしい。
再度、マスク着用が必要であることを説明してほしい。
【理事者】
新型インフルエンザ等対策特別措置法第3条で、地方公共団体は基本的対処方針に基づき感染防止対策を的確かつ迅速に実施するとされている。基本的対処方針では、マスクの着用などの基本的感染対策が重要であるとされている。引き続き、県民に対し場面に応じた適切なマスクの着脱をお願いする。
【委員】
新型コロナウイルス感染症に係る経口治療薬ゾコーバについて伺う。
新型コロナウイルス感染症の治療薬については、これまで点滴治療薬や経口治療薬の開発が進められてきた。本年11月22日に塩野義製薬株式会社のゾコーバが国内初となる経口治療薬として緊急承認され、東海3県でも処方が始まり1か月がたった。現在、ゾコーバの安定的な供給が難しいため一般流通は行わず、当面の間、国が買い上げてゾコーバを配分することになっている。
ゾコーバは重症化リスク因子の少ない人に対し、発症後3日以内に投与することが必要であることから、必要な患者に速やかに処方することが大変重要である。
この治療薬は現在、どのような医療機関で取り扱うことができ、医療機関が希望した場合はどのくらいの期間で医療機関に届くのか。
【理事者】
ゾコーバを処方できる医療機関は、当初は先に承認された治療薬パキロビッドの処方実績のある医療機関に限られ、本年12月7日時点で128の医療機関が登録されている。12月15日以降、ゾコーバの処方を希望する医療機関は、県を窓口としてゾコーバ登録センターへ登録を行うことで、病院や診療所にかかわらず、全ての医療機関が処方可能になった。なお、12月23日時点で548の医療機関から申請された。
また、ゾコーバ登録センターに登録している医療機関が配送を希望する場合は、配送は原則、日曜日祝日を除いて1日から2日程度で届く。
【委員】
ゾコーバは12歳以上なら重症化リスクが低い患者でも、軽症の段階から服用できるというのが特徴である。
これまでの新型コロナウイルス感染症の治療薬の処方は、重症化リスクのある人に限られていたが、ゾコーバは軽症の人に広く処方することができるので、より重症化を抑え、病床が逼迫する状況の改善にもつながると、医療関係者から期待の声が出ている。ゾコーバ登録センターに登録すれば薬が届くということだったので、各自治体の診療所のレベルまでできるだけ早く届くような対応をお願いする。
【委員】
愛西市で発生した新型コロナワクチン接種後の死亡事案を受けて、県内市町村の集団接種会場や県の大規模接種会場においてどのような対応を取ったのか。
【理事者】
本年11月5日、愛西市の集団接種会場で起きた新型コロナワクチン接種後の死亡事案を受け、県は11月10日付けで各市町村に対して、接種体制、応急措置の体制、大規模集団接種会場や集団接種会場における緊急時の救急搬送、そうした連携体制について再確認をするよう通知をした。
各市町村では再点検や再確認を実施しており、具体的には対応マニュアルの見直しや人員体制の増強、さらにはエピペンやアドレナリン注射薬の緊急時の使用物品の充実を図るなど、各市町村で様々な対応がされている。
また、県の大規模集団接種会場においても、12月1日には名古屋空港ターミナルビルの会場で応急措置の模擬訓練を実施した。模擬訓練の様子を多くの市町村が見学に来ていたが、各市町村にフィードバックするため、県でその訓練の様子を収録した動画及びアドレナリン注射薬やエピペンの使い方を解説した動画を12月8日から県ホームページやユーチューブで配信している。
【委員】
医療機関に対しては、どのような取組を行ったのか。
【理事者】
市町村に通知を発出して再確認や再点検を行うように促したが、併せて医師会にも、市町村に対して再点検を行うように周知徹底を図った旨を案内している。また、各個別接種を実施している医療機関においても、医療資材の点検や連携体制、救急搬送の連携などをしっかり行うように、市町村を通じて要請をした。
【委員】
帰宅後に自宅等で体調不良や副反応等を発症する人にはどのように対応しているのか。
【理事者】
県では、ワクチン接種後に副反応もしくは副反応を疑われる症状を示した人へのケアをするため、看護師による電話相談に加えて県内11か所の医療機関において専門的な相談窓口を開設している。
ワクチンの接種が始まってから本年11月末までに、延べ3万8,000人以上から接種後の体調不安や副反応等に関する電話相談を受けており、看護師が丁寧に対応をしている。
また、専門的医療機関に11の相談窓口を設けており、主にかかりつけ医からの相談が中心であるが、延べ614件の相談があった。このうち、かかりつけ医等を介して専門的な医療機関への医療、診療につなげた件数は463件である。
県では、接種後の体調不良や副反応が現れた人に対し、電話相談から医療提供まで幅広く細やかな対応をしている。
【委員】
市町村や医療機関とも連携を取りながら、しっかりと情報発信して、安全で安心なワクチン接種ができるよう取組を強化してほしい。
【委員】
県の新型コロナワクチン副反応等見舞金制度について、申請受理件数と支給済み件数がほとんど一致しているが、心筋炎と死亡に至った症状については1件ずつ認められていない。これは何か原因があるのか。それとも書類審査中なのか。
【理事者】
ワクチン接種の副反応に対する金銭的な補償には、国の予防接種健康被害救済制度がある。健康被害の救済申請は専門家や有識者が審査して、ワクチンとの因果関係を検証した上で、申請が認定されれば、一定額の救済金が国から支払われる。ただし、この制度の大きな課題は、審査に時間がかかることである。本県からの申請は全体で279件あるが、審査中が229件で、1年以上審査期間が経過している案件もある。
こうした中、県が独自に本年4月から新型コロナワクチン副反応等見舞金制度を創設した。国の認定結果が出る前に、実際に医療の提供を受けた段階で、因果関係が具体的に認められていなくても、一定額の財政支援を行い県民の不安を和らげる制度であり、副反応等の治療に要した医療費自己負担分の半額を支給するものである。この副反応等見舞金制度は、新型コロナワクチンとその副反応との因果関係があることを前提としているものではない。あくまで、副反応が疑われる症状が出て診療所や病院で治療を受けた段階で支払うので、結果として国の健康被害救済制度で認定がされないケースが出てくることは当然想定される。副反応が疑われる症状を発症した人が長期間審査保留のまま不安定な状況で続かないよう県独自に副反応等見舞金を整備した。
資料にある心筋炎の13件の申請受理件数に対して、支給済件数が12件で1件の差がある。提出された書類に不備があるかどうか審査している段階であるため、書類が整えば、県の見舞金を支給する。
【委員】
新型コロナワクチンを複数回接種する人には安心材料になる。
ワクチン接種後の死亡事案を今後防ぐためにも県においては、因果関係の追求、究明をしっかりしてほしい。
【委員】
ウイルス株が変異すれば接種するワクチンは変わるのか。
【理事者】
今回新しいワクチンとして登場したメッセンジャーRNAのメカニズムは、変異株に対するワクチンの作り変えが、従来の形式のワクチンに比べて難しくないと聞く。
現在、オミクロン株対応ワクチンが出ているが、今後さらに新しい変異株への対応が必要となれば、各メーカーで新しいワクチンの開発が早急にされると考えている。
【委員】
新型コロナウイルス感染症の恒久的な対策が出るまでは、ワクチンを打ち続けることになるのか。
【理事者】
その点については、現在国で議論されている。
報道等で示されているが、季節性のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症が同列に論じられにくいという要素としては、新型コロナウイルス感染症が季節型のインフルエンザと異なり年間通じて感染が広がるとともに、症状が長期にわたることが挙げられ、単純に季節性のインフルエンザのワクチン接種と同じように扱っていくことが適切なのか問題提起している専門家もいる。一方、感染症の分類と合わせて、定期接種に変えるべきであると主張する専門家もいる。
まだデータの蓄積が十分でない状況ではあるが、専門家や有識者が今後議論を積み重ねていくことだと思っており、その動向を見極めながら、ワクチン接種が来年4月以降も続くということであれば、県、市町村、医療機関と対応していきたい。
【委員】
現状では、国が一括して新型コロナワクチンを購入して全国に配分し、公費負担でワクチンを接種している。分類が変わったときに自己負担になるという問題と、自主接種になったときに、重症化リスクの高い人が確実に接種してもらえるかという問題が発生する。
それを踏まえ、感染症法上の分類見直しの議論は、都道府県からも声を上げていく必要があると思うが、県として分類見直しの議論に対してどのように考えているのか。
【理事者】
感染症法上の2類相当から5類相当への変更は不可避と考えている。
しかし、その前に公費負担の問題や全数把握をどこまでするのか問題があり、国で議論している。
本年12月23日に開催された全国知事会の会議において、大村秀章愛知県知事からこうした意見があり、全国知事会としても、国に対して地方の声を十分踏まえながら、迅速かつ丁寧に検討を進めてほしいと要望している。
【委員】
県として県民を守っていくという考え方に立てば、国の議論を待つよりも本県が意見を述べるべきだと思うがどうか。
【理事者】
今後ワクチン接種を有料化もしくは定期接種化し、一部の年齢層だけを無料化するなどの議論があるが、仮に有料化された場合、ワクチン接種率が低迷することが考えられる。
そうした場合、経口治療薬等の薬が十分に浸透していない状況においては、やはりワクチン接種の効果は、感染症対策に有用な武器の一つであると受け止めている。12月23日に開催された全国知事会において、大村秀章愛知県知事はワクチン接種の有料化が接種率を下げるという危険性があること、また、それによって感染が拡大するおそれがあることに対する懸念を示して、国においては、当面の間、無料でワクチン接種を継続することを十分に視野に入れた上で、ワクチン接種の今後の在り方について慎重に検討をするように申し入れた。
こうした発言を受けて全国知事会も、12月23日付けで国に提出した緊急提言の中で、ワクチン接種を有料化した場合に高齢者を中心に重症化する人が増えることが十分考えられることから、当面の間は全額国費負担で接種を継続するよう方針を示すとともに、今後の定期接種化を含めた対応方針の検討に当たって、慎重に検討を進めることを盛り込んだ。
こうした声をしっかりと上げていきながら、今後のワクチン接種と感染拡大に対する対応を、しっかりと進めていきたい。
【委員】
仮に国がワクチン接種の公費負担をやめた場合、県は重症化リスクの高い高齢者に対して県の負担で接種を行う考えはあるのか。
【理事者】
仮定ではあるが、インフルエンザワクチンと同じように、高齢者に対する一定の補助を出すことも選択肢の一つになると考えている。また、ワクチンの調達は現在、国において一括で行っているため、物理的、財政的な点、感染状況等を踏まえたデータ等を含めながら、様々な選択肢を検討していきたい。
【委員】
新型コロナウイルス感染症が流行して3年になるが、一向に鎮静化しないのはなぜか。
【理事者】
変異株等の発生もあり、また、感染力が高いため、様々な基本的な感染防止対策を講じても、それを上回る感染力があり、波を経るごとに感染者数が多くなっていると考えている。
【委員】
先ほどから新型コロナワクチンの副作用について議論されているが、接種する際に医者の問診はしっかり行われているのか。また、新型コロナワクチンは感染拡大防止に効果があると言っていたが、ワクチンの接種率が何パーセントまでいけば、感染拡大はある程度収まるのか。これまでに多額の交付金が使用されたが、どれだけの効果があったのか。交付金も全部我々の税金である。
自己管理を徹底するようPRを行っているのか。自己管理しないことには幾らPRしても感染は収まらない。新型コロナウイルス感染症対策を県民事務所から市町村に対して説明したことはあるのか。
ニューあいちスタンダードを開催した際は、なかなか実績が出なかったが、県職員が飲食店を回って初めて実績が上がった。もう一回チェックに回ると言っているが、受託業者はしっかり仕事をしているのか。
今でも入店すると手洗い、体温測定などの感染対策を実施している飲食店もある。県民に対する感染対策を徹底できずに、人任せ、お金任せでやる方法は改めてほしい。
新型コロナウイルス感染症を撲滅する気があるなら、県民に周知徹底すれば収まるはずである。
【理事者】
新型コロナウイルスの株が変異することによって、感染力がどんどん強くなっていることに伴い、新型コロナワクチンが効きにくくなっている。もともとは発症予防が求められていたが、それが難しいため、重症化予防に置き変わってきている。医療体制についても、現在入院が難しい状況である。
94病院に病床を確保してもらっており、新型コロナウイルス感染症専用の受入れ病床としては、現在1,690床をお願いしている。それに対して、現在入院しているのが1,221人である。病床の利用率は7割を超えているが、本県では病床を確保してもらっている病床以外にも患者を受け入れてもらっている。また、94病院以外にも、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れてもらっていることで、現在約2,000人の患者を受け入れている。
しかし、病院によっては患者を受け入れてもらえないこともあるため、新型コロナウイルス感染症の病床を増やすべきではないかという議論もあるが、冬場になると循環器系や脳血管の患者が多くなる。新型コロナウイルス感染症の専用病床を増やすことによって、新型コロナウイルス感染症の患者以外を受け入れにくくなることもあるため、新型コロナウイルス感染症以外の病気で重症化した人も受け入れられるようにしなければならないということを考えて、対応を検討している。
県庁内の各局とも協力をして、今後とも努力していく。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症が長引いている状況としては、ウイルスが変異していくということがある。また、インフルエンザと比べても、圧倒的に感染性が強いことが背景にある。
一方、これだけ重症者が少ないというのは、ウイルスの変異により弱毒化したこともあると思うが、少なくとも多くの国民が新型コロナワクチンを2回接種したことで、基本的な重症化予防の効果があると思う。とりわけ高齢者や基礎疾患がある人に対しては、追加接種を積極的に呼びかけていかなければならないと思う。
多くの感染者がいる中で、入院勧告を続けていくのかといった問題もある。ワクチンについても無料に慣れている中で、有料化した際の影響がどのように出るかも慎重に考える必要がある。
まず、県民に対して簡単にできる感染対策をしっかり行うことを、再度普及、啓発していきたい。また、飲食店への補助あるいは燃料費高騰の支援金も国民の血税であるため、大事に使っていきたい。保健医療局としては、他部局と連携して、基本に立ち返り、効果的な新型コロナウイルス感染症対策を進めていきたい。
【理事者】
オミクロン株の感染状況も踏まえ、規制のフェーズから県民及び事業者一人一人の感染防止対策の徹底や感染リスクの高い場所に留意する方向に、国も軸足が移ってきている。県としては医療逼迫を防ぐための一人一人の行動、感染防止対策の徹底、ワクチンの接種を繰り返しお願いしている。
その効果を定量的に量ることは難しいが、粘り強く、繰り返し発信していくことが大事であると考えている。
ニューあいちスタンダードについては、県民が安心して飲食店を利用できるよう、本年度も新規の認証や再調査等を株式会社JTBに受託をした。
問題があれば、県職員も出ていき、注意喚起などに取り組んでいる。
【理事者】
国民の税金である国からの交付金を活用して様々な事業を行ってきたが、今は財源の一部に県の一般財源を使っている。国の交付金を活用した施策がほとんどであるが、起債を発行しても将来の国民に負担を残すことになるため、予算編成する段階あるいは執行する段階でいろいろな工夫をしなければいけない。
自己管理の徹底については、市町村にお願いして、啓発を実施してもらうことが一番効果的であると考えている。
県民事務所は職員の定数が減っていく中で、市町村との連絡、意見交換を行う機会が減ってきていることは確かである。
市町村に啓発を実施してもらうためには、正しい情報を迅速に市町村へ伝える必要がある。日頃から県民事務所が様々な場面に参加して情報を入手し、それを的確に市町村に流すことにより、市町村は正しい啓発ができる。
今後、総務局として他局との連携をしっかり行いながら、少しでも感染者が減るよう努力していきたいと考えている。
【委員長】
中国における感染爆発をテレビで見たが、2億人も感染しているとのことであった。都市部では医療体制が整っているが、中国は日本と違って貧富の差が激しいため、田舎に行けば行くほど医療体制が脆弱で感染爆発する可能性がある。
PCR検査を行い、陽性者が出たらすぐに対処するというシミュレーションをしながら体制を整えなければならない。
3年前に中国の武漢市から発生したと言われる新型コロナウイルス感染症は、その直後に100万人単位で観光客が日本に来て、一気に感染が拡大した。
国の動向を見ながら、徹底した対策を取ってほしい。
【理事者】
中国で爆発的に流行している原因は、新型コロナワクチンを接種しても効果が少なかったことだと思う。
また、ゼロコロナ政策でずっと押さえつけていたことでどうしても抑え切れずに、今になって感染が非常に拡大している。こうした中で恐ろしいのは、中国が培地となって、新たな変異株ができることである。水際対策は国の所管であるが、防げるものは防いだほうがよいと思っている。引き続き情報収集に努めながら、国に対し検疫体制強化、充実を働きかけていきたい。
( 委 員 会 )
日 時 令和4年12月27日(火) 午後1時2分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
直江弘文、高木ひろし 正副委員長
水野富夫、神戸洋美、川嶋太郎、飛田常年、南部文宏、丹羽洋章、
林 文夫、杉浦哲也、平松利英、安藤としき、西久保ながし、
永井雅彦、朝倉浩一、黒田太郎、加藤貴志、竹上裕子 各委員
総務局長、総務部長、防災安全局長、防災部長、保健医療局長、
同技監、健康医務部長、生活衛生部長兼医薬安全課長、
感染症対策局長、同技監、感染症対策調整監、
中小企業部長、関係各課長等
委員会審査風景
<会議の概要>
1 新型コロナワクチン接種後の副反応等について
2 新型コロナウイルス感染症の後遺症について
3 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類見直しについて
<会議の概要>
1 開 会
2 委員席の一部変更
3 議題について理事者から説明
4 質 疑
5 閉 会
(主な質疑)
【委員】
新型コロナワクチン接種の効果及び高齢者施設等でコロナ患者を診た場合の補助について伺う。
国や県はワクチン接種を推奨する立場であるが、新型コロナワクチンは危険で接種すべきではないと主張する医師もいる。
その主張は、ファイザー社やモデルナ社のワクチンを接種することにより体内に中和抗体を作ると同時にADE抗体も体内に作り、副反応による健康被害を指摘する内容である。
中和抗体とは発症や重症化を防ぐ働きを持つ抗体であるが、ADE抗体は新型コロナウイルスへの感染力を強くすることや、重症化する働きがある抗体とされている。
ただし、医師によってはファイザー社やモデルナ社のワクチン接種により、ADE抗体が体内に作られると主張する人もいれば、ADE抗体を起こすような抗体がワクチン接種によって誘導される事実はないと説明する医師もいる。
専門知識を持つ医師ですら意見が分かれ、ワクチン接種するかしないかは個人の判断とされているが、どうしたらよいのか判断に迷うのは当然のことである。
短期間で開発されたワクチンであるため、一定の安全性や有効性は確認されているものの、中長期的な有害事象がどの程度出てくるのかは未知数であり、それらを視野に入れた治験が残されている。
厚生労働省がアドバイザリーボードに報告している統計では、全年齢層で未接種者より1回接種済みの人のほうが陽性者は少なく、特に2回接種済みの人では顕著に少なくなっており、ワクチンが効果的であることを示している。しかし、その後は、ワクチンの接種者のほうが感染率が高くなる逆転現象が起きている。
逆転現象が起き始めたのは本年5月頃からで、その後は逆転現象が顕著になっているが、その頃から国は発症予防効果よりも重症予防効果を前面に押し出すようになった。
ワクチン接種により本当に重症化率と死亡率が下がっているのか、国は明らかにするべきではないか。
ワクチン接種が発症予防や重症化予防に効果があるという本県のデータはあるのか。
【理事者】
第6波の始まりである昨年12月28日から本年9月25日までの期間における県内の新型コロナウイルス感染者を、70歳以上と70歳未満に分け、新型コロナワクチン4回接種済みの人と未接種者の陽性率及び10万人当たりの重症者数について比較した。
まず、陽性率であるが、70歳以上ではワクチンの4回接種済みの人は1.5パーセントであり、未接種者の4.2パーセントの約3分の1であった。70歳未満では4回接種済みの人は2.1パーセントであり、未接種者の17.6パーセントの約8分の1であった。
次に、10万人当たりの重症者数であるが、70歳以上では4回接種済みの人は7.63人であり、未接種者の153.25人の約20分の1であった。70歳未満では4回接種済みの人は0.94人であり、未接種者の6.47人の約7分の1であった。
70歳以上、70歳未満の年齢区分を問わず、陽性率はワクチンの4回接種済みの人のほうが未接種者より低く、発症予防効果が認められる結果となった。また、10万人当たりの重症者数についても、4回接種済みの人のほうが未接種者より少なく、重症化予防効果が認められる結果となった。
【委員】
4回接種済みの人の統計は、いつの期間のものか。
【理事者】
昨年12月28日から本年9月25日までの期間で、県内のワクチン接種者数は9月25日時点の数字である。
【委員】
高齢者に対する4回目の接種は、本年6月頃から開始したのではないのか。
【理事者】
4回目接種の開始時期であるが、60歳以上の人と基礎疾患を有する人に先行的に本年5月25日から始まっている。この時点では従来株のワクチンの接種である。その後、現役世代を含めた59歳以下に対象者が広がったのが9月20日からになるので、この統計データの4回目接種の回数の中には、5月末以降の回数が含まれている。
【委員】
重症化予防効果については約20倍の差があり、県の分析では一定の効果があるということが分かった。
ワクチン接種を推奨する以上、行政としても、それを認める議員も責任を背負う。国や県が推奨しているワクチンであるため、私も副反応と闘いながらワクチン接種を続け、家族や友人、知人にも勧めてきた。
今後も、県独自で把握できる数値を慎重に分析し続けていくとともに、県民の信頼に応えるために今後も数値を公表してほしい。
次に、新型コロナウイルス感染症の分類見直しについて、現在は2類相当の措置が取られており、感染者は原則入院となっているが、第6波の感染ピーク時には、高齢者施設で感染者が発生しても入院できずに、高齢者施設にとどまらざるを得ない状況であった。これは第7波や第8波でも同様の事態が起きており、高齢者施設は感染者の対応に相当の苦労をしている。
感染者を施設内で療養している高齢者施設に対して、どのような補助を行っているのか。
【理事者】
施設内で新型コロナウイルス感染者を療養する高齢者施設に対して、愛知県介護サービス確保対策事業費補助金により助成を行っている。
その内容は、施設内療養に係る費用として、療養者1人につき1日1万円を支給するものである。さらに、施設内療養者が一定数を超えた場合は加算することができる。
加えて、緊急時の人員確保や職場環境の復旧、あるいは整備に要する費用として、療養者の介護等を行う職員に支給する危険手当や時間外勤務手当などの割増賃金、あるいは療養に使用するガウンやマスクなどの衛生材料の購入費など、通常のサービス提供では想定していない、かかり増しの費用についても助成を行っている。
【委員】
主に認知症の人を受け入れている高齢者施設内で新型コロナウイルスの感染者が発生しても、軽症であれば受け入れてもらえる医療機関がない。また、重症化しても入院ができず、施設内で最期を迎えることも少なくない。本来2類相当であれば原則入院であるが、肺炎を引き起こさなければ入院できないことに矛盾を感じる。それには医療リソースの確保と、それほど危険で重篤化するリスクは高くないからという判断も背景にあると思うが、そうであれば5類相当に下げる時期が来ていると思う。
大規模の老人ホームであれば感染者を施設内でゾーニングすることが可能であるが、比較的規模の小さいグループホームで感染者が発生したら、限られた施設内でゾーニングすることは困難である。さらに、その感染者が軽症あるいは症状が収まっていれば、部屋から出て仲間と話したい、一緒に遊びたいと思うのは当然である。しかし、認知症が進んだ人に他の人への感染リスクを説明しても理解してもらえず、部屋から出られないことに我慢できなくなり、どなったり手を上げたりするケースがある。介護士が2類相当の感染症患者を対処し続けなければならず、患者の認知症が進んでいれば、暴れる場面もあり、介護士の感染リスクは高く、介護疲れも激しくなり、精神面でも限界を迎える。
家庭内で感染者が発生した場合、他の家族を守るための宿泊療養施設が用意されている。主に認知症の人が集団生活する場となっている老人ホームなどで感染者が発生した場合に、同様に他の入居者を守るためには、介護対応の宿泊療養施設があればよいと思う。高齢で体力のない入居者を守ることができ、介護職員の負担も減ることから検討してほしい。
【委員】
データの発表方法について伺う。
県ホームページの新型コロナウイルス感染症のページに掲載されているクラスターの状況一覧表を見ると、高齢者施設等では多くのクラスターが発生しており、その次は医療機関であることが分かる。それ以外では、職場、保育施設、学校等で少し発生しており、飲食店、会食、その他では発生していない。
実際に職場や保育施設、学校等では、クラスターは発生していないのか。
【理事者】
医療機関は検査体制が整っているため、クラスターの発生を把握し、保健所に報告できる。また、高齢者施設等についても、県は職員を対象としたスクリーニング検査や陽性者が発生した場合のPCR検査体制を整備しており、保健所がクラスターの発生状況を的確に把握でき、これらが多い原因と考えられる。
一方、職場をはじめとするその他のカテゴリーのクラスターの確認数が少ないのは、本年3月から疫学調査の対象が変更となり、職場については対象外となったことが理由として考えられる。
加えて、本年9月26日から新型コロナウイルス感染者の発生届が、全数から65歳以上の人や入院を要する人など4類型に変更となったため、保健所による疫学調査が限定的となり、その他のカテゴリーについても、クラスターの発生状況の把握が困難となったことが理由として考えられる。これは県内の保健所設置市においても同様であり、感染者の発生状況の把握体制による違いが影響していると考えられる。
【委員】
医療機関や高齢者施設等と比較して、保育施設、学校や職場、飲食店などは、感染者の把握の体制が違うのか。
【理事者】
国の通知で医療機関や高齢者施設等はハイリスク施設と定義され、保健所等による迅速な積極的疫学調査を実施し、濃厚接触者の特定や行動制限など感染対策を行うこととされている。
一方、職場等については、保健所等による積極的疫学調査や濃厚接触者の特定、行動制限は求めないことになっており、保健所等の調査の違いであると認識している。
【委員】
私は3年前からこの表に注目してきたが、新型コロナウイルス感染症の流行初期は現在と比べれば陽性者数もかなり少なかったため、マンパワーの関係もあり調査しやすかった。その当時にこの表が作成され、そのまま現在に至っていると思う。疫学調査の対象が変更になったと思うが、公表している表は当初に作成したものを使用していることについて、どのように考えているのか。
【理事者】
疫学調査の対象が変わり、現在、公表している区分のうち、飲食店、会食、職場などはクラスターがほとんど発生していない。
【委員】
第6波までは、保育施設、学校等や職場でもクラスターが発生していたが、その後疫学調査の対象変更になり、公表しているクラスター数の状況が変わってきていると思う。
当初に作成した表で公表し続けることは、誤解を生む可能性があると思うがどうか。
【理事者】
例えば、第7波では職場のクラスターが14件、ほかに保育施設、学校等でもクラスターが発生したが、第8波では職場は1件であった。国の通知に基づいて調査をやめたカテゴリーもあるため、表の見直しを検討したい。
【委員】
疫学調査の対象が変更となり、当初のクラスター発生状況とは違うことを明らかにした上で公表するなど、検討をお願いしたい。
【委員】
中国では急速に新型コロナウイルス感染者が増えており、流行している新型コロナウイルス感染症はオミクロン株とは違い、肺炎や死亡者が多いと聞く。直ちに中国からの入国制限をすべきと思うが、県の考え方を伺う。
【理事者】
入国規制は検疫法に基づいて行うため、検疫所を所管する国が対応するべきものである。
【委員】
県独自で入国制限をすることはできないのか。
【理事者】
県独自で対応することはできない。
【委員】
新型コロナウイルス感染症は一昨年、中国の武漢市から発生したと言われているが、早い段階で強い入国規制をしていれば、日本における爆発的な感染は和らげることができたため、すぐにでも入国規制するべきと考える。
本年12月1日から20日までの間に、中国では2.5億人が新型コロナウイルス感染症に感染したのではないかと報道されている。本県には中部国際空港があるため、至急、国に対して入国制限を要望してほしいが、県の考えを伺う。
【理事者】
検疫の強化についてはこれまでも要望しているが、改めて要望したい。
【委員】
国に対して、いつ、どのような文面で要望したのか。そして、国はどのような態度を示したのか教えてほしい。
さらに、本県は中国で流行している新型コロナウイルス感染症に対する分析、調査を行っているのか。
【理事者】
県はゲノム解析を実施しており、それぞれの変異株の割合等を県内の感染者から分析している。現在中国で流行している新型コロナウイルス感染症で県内の感染者が分かれば、県としても検査、分析が可能となる。
【委員】
県内で感染者が発生する前に、ゲノム解析をすることは可能か。
【理事者】
県内に中国で流行しているウイルスが入っているか分からない段階での調査は難しい。
【委員】
国に対して、中国で流行している新型コロナウイルス感染症に対する調査をするよう要望してほしい。
次に、マスク着用について伺う。
本県は、県民にマスクの着用をお願いしているが、根拠は何か。
【理事者】
新型インフルエンザ等対策特別措置法第3条に、地方公共団体は新型インフルエンザ等が発生したときに、第18条第1項に規定する基本的対処方針に基づき対策を的確かつ迅速に実施するとされている。
その基本的対処方針には、感染防止策として、新型コロナウイルス感染症の感染経路はせき、くしゃみ、会話のときに排出される飛沫やエアロゾルの吸入、接触感染等と考えられていることから、基本的な感染対策が重要であるとされており、基本的な感染対策としてマスクの着用が挙げられている。
また、同基本的対処方針において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の項目に、場面に応じた適切なマスクの着脱を行うことを促すとされており、これに基づきマスクの着用をお願いしている。
【委員】
国の示したものに従い対応しているとのことであるが、屋外ではマスクの着用が必要なのか。
【理事者】
屋外では原則マスク着用は不要であるが、人との距離が保てず、会話をする場合などはマスクの着用をお願いしている。
【委員】
人との距離を具体的に伺う。
【理事者】
屋外では2メートル以上間隔を空けることをお願いしている。
【委員】
人がたくさん集まるイベントにおいては、マスクの着用が必要なイベントと、マスクの着用は原則不要なイベントがあると聞くがその違いは何か。
【理事者】
イベントにおいては、参加者の身体的距離の確保が難しいことから、原則マスクの着用をお願いしている。しかし、屋外で参加者が2メートル以上の間隔を空けることが可能な場合などは、マスクの着用は不要となる。
【委員】
サッカーのワールドカップをテレビで見て、観客がマスクをしていないことに大変驚いた。隣同士で大声で叫んで、歌っていた。仮に豊田スタジアムで開催した場合、本県は観客に対してマスクの着用を求めるのか。
【理事者】
ワールドカップのような大規模なスポーツイベントが開催される場合には、基本的対処方針に基づき主催者に対して、事前に感染防止安全計画を提出してもらう。
感染防止安全計画を策定するイベントについては、大声なしが基本であるが、エリアに分ければ大声ありのエリアを設けることも可能とされている。大声の定義については、観客等が通常よりも大きな声量で反復継続的に声を発することとされており、観客間の大声、長時間の会話や、スポーツイベントにおいて反復継続的に行われる応援歌の合唱などと例示されている。
ワールドカップの観客の状況は、大声ありのイベントに該当するため、主催者からは大声ありのエリアを設ける計画が提出されることとなるが、主催者に対して収容率を50パーセント以内にした上で、前後左右の座席を1席空けるように求めるとともに、観客にマスクの着用を徹底するための対策についてどのように行うかを確認し、対策が不十分である場合は主催者に対して対策が徹底されるように働きかけることになる。
なお、マスク着用の徹底が困難と判断された場合は、参加者の間隔を2メートル以上空けるよう求めることになる。
【委員】
本県でワールドカップの試合が開催されてもおかしくない。会場では歌わないでほしい、マスクを着けてほしいとお願いして実行できると考えているのか。
【理事者】
イベントにおけるマスク着用には、主催者等に事前販売するチケットやウェブページなどに、マスク着用を入場の条件にするなどの記載をしてもらうことや、イベント当日に会場で警備員によるモニタリングや個別に注意してもらうことによって、マスク着用の周知徹底を図る。
主催者等が参加者にマスクの着用が徹底できないと判断した場合は、座席間の間隔を2メートル程度空けることをお願いすることになる。
【委員】
優勝したアルゼンチンチームはステージに上がり、代わる代わる優勝トロフィーにキスをしていたが、この行為について県はどのように考えるのか。
【理事者】
スポーツイベントにおいても、選手やスタッフが健康管理の徹底や感染経路に応じた感染対策、参加者に感染させないための感染対策の実施など、適切な感染対策を行うようお願いすることになる。
優勝トロフィーにキスをするなどの行為は、接触感染の危険性が高まる行為であるため、主催者から選手やスタッフに事前に注意喚起をしてもらうことになる。
【委員】
県の考え方は分かるが、受ける側の世間がその理屈を認めるのか。
ワールドカップなどではマスクをしていない様子をテレビで見た。また、帰国した人も外国ではマスクをしていないと聞く。こういう状況にあっても県は、マスクを着けることは大切であるとの信念の下に、やり通してほしい。
再度、マスク着用が必要であることを説明してほしい。
【理事者】
新型インフルエンザ等対策特別措置法第3条で、地方公共団体は基本的対処方針に基づき感染防止対策を的確かつ迅速に実施するとされている。基本的対処方針では、マスクの着用などの基本的感染対策が重要であるとされている。引き続き、県民に対し場面に応じた適切なマスクの着脱をお願いする。
【委員】
新型コロナウイルス感染症に係る経口治療薬ゾコーバについて伺う。
新型コロナウイルス感染症の治療薬については、これまで点滴治療薬や経口治療薬の開発が進められてきた。本年11月22日に塩野義製薬株式会社のゾコーバが国内初となる経口治療薬として緊急承認され、東海3県でも処方が始まり1か月がたった。現在、ゾコーバの安定的な供給が難しいため一般流通は行わず、当面の間、国が買い上げてゾコーバを配分することになっている。
ゾコーバは重症化リスク因子の少ない人に対し、発症後3日以内に投与することが必要であることから、必要な患者に速やかに処方することが大変重要である。
この治療薬は現在、どのような医療機関で取り扱うことができ、医療機関が希望した場合はどのくらいの期間で医療機関に届くのか。
【理事者】
ゾコーバを処方できる医療機関は、当初は先に承認された治療薬パキロビッドの処方実績のある医療機関に限られ、本年12月7日時点で128の医療機関が登録されている。12月15日以降、ゾコーバの処方を希望する医療機関は、県を窓口としてゾコーバ登録センターへ登録を行うことで、病院や診療所にかかわらず、全ての医療機関が処方可能になった。なお、12月23日時点で548の医療機関から申請された。
また、ゾコーバ登録センターに登録している医療機関が配送を希望する場合は、配送は原則、日曜日祝日を除いて1日から2日程度で届く。
【委員】
ゾコーバは12歳以上なら重症化リスクが低い患者でも、軽症の段階から服用できるというのが特徴である。
これまでの新型コロナウイルス感染症の治療薬の処方は、重症化リスクのある人に限られていたが、ゾコーバは軽症の人に広く処方することができるので、より重症化を抑え、病床が逼迫する状況の改善にもつながると、医療関係者から期待の声が出ている。ゾコーバ登録センターに登録すれば薬が届くということだったので、各自治体の診療所のレベルまでできるだけ早く届くような対応をお願いする。
【委員】
愛西市で発生した新型コロナワクチン接種後の死亡事案を受けて、県内市町村の集団接種会場や県の大規模接種会場においてどのような対応を取ったのか。
【理事者】
本年11月5日、愛西市の集団接種会場で起きた新型コロナワクチン接種後の死亡事案を受け、県は11月10日付けで各市町村に対して、接種体制、応急措置の体制、大規模集団接種会場や集団接種会場における緊急時の救急搬送、そうした連携体制について再確認をするよう通知をした。
各市町村では再点検や再確認を実施しており、具体的には対応マニュアルの見直しや人員体制の増強、さらにはエピペンやアドレナリン注射薬の緊急時の使用物品の充実を図るなど、各市町村で様々な対応がされている。
また、県の大規模集団接種会場においても、12月1日には名古屋空港ターミナルビルの会場で応急措置の模擬訓練を実施した。模擬訓練の様子を多くの市町村が見学に来ていたが、各市町村にフィードバックするため、県でその訓練の様子を収録した動画及びアドレナリン注射薬やエピペンの使い方を解説した動画を12月8日から県ホームページやユーチューブで配信している。
【委員】
医療機関に対しては、どのような取組を行ったのか。
【理事者】
市町村に通知を発出して再確認や再点検を行うように促したが、併せて医師会にも、市町村に対して再点検を行うように周知徹底を図った旨を案内している。また、各個別接種を実施している医療機関においても、医療資材の点検や連携体制、救急搬送の連携などをしっかり行うように、市町村を通じて要請をした。
【委員】
帰宅後に自宅等で体調不良や副反応等を発症する人にはどのように対応しているのか。
【理事者】
県では、ワクチン接種後に副反応もしくは副反応を疑われる症状を示した人へのケアをするため、看護師による電話相談に加えて県内11か所の医療機関において専門的な相談窓口を開設している。
ワクチンの接種が始まってから本年11月末までに、延べ3万8,000人以上から接種後の体調不安や副反応等に関する電話相談を受けており、看護師が丁寧に対応をしている。
また、専門的医療機関に11の相談窓口を設けており、主にかかりつけ医からの相談が中心であるが、延べ614件の相談があった。このうち、かかりつけ医等を介して専門的な医療機関への医療、診療につなげた件数は463件である。
県では、接種後の体調不良や副反応が現れた人に対し、電話相談から医療提供まで幅広く細やかな対応をしている。
【委員】
市町村や医療機関とも連携を取りながら、しっかりと情報発信して、安全で安心なワクチン接種ができるよう取組を強化してほしい。
【委員】
県の新型コロナワクチン副反応等見舞金制度について、申請受理件数と支給済み件数がほとんど一致しているが、心筋炎と死亡に至った症状については1件ずつ認められていない。これは何か原因があるのか。それとも書類審査中なのか。
【理事者】
ワクチン接種の副反応に対する金銭的な補償には、国の予防接種健康被害救済制度がある。健康被害の救済申請は専門家や有識者が審査して、ワクチンとの因果関係を検証した上で、申請が認定されれば、一定額の救済金が国から支払われる。ただし、この制度の大きな課題は、審査に時間がかかることである。本県からの申請は全体で279件あるが、審査中が229件で、1年以上審査期間が経過している案件もある。
こうした中、県が独自に本年4月から新型コロナワクチン副反応等見舞金制度を創設した。国の認定結果が出る前に、実際に医療の提供を受けた段階で、因果関係が具体的に認められていなくても、一定額の財政支援を行い県民の不安を和らげる制度であり、副反応等の治療に要した医療費自己負担分の半額を支給するものである。この副反応等見舞金制度は、新型コロナワクチンとその副反応との因果関係があることを前提としているものではない。あくまで、副反応が疑われる症状が出て診療所や病院で治療を受けた段階で支払うので、結果として国の健康被害救済制度で認定がされないケースが出てくることは当然想定される。副反応が疑われる症状を発症した人が長期間審査保留のまま不安定な状況で続かないよう県独自に副反応等見舞金を整備した。
資料にある心筋炎の13件の申請受理件数に対して、支給済件数が12件で1件の差がある。提出された書類に不備があるかどうか審査している段階であるため、書類が整えば、県の見舞金を支給する。
【委員】
新型コロナワクチンを複数回接種する人には安心材料になる。
ワクチン接種後の死亡事案を今後防ぐためにも県においては、因果関係の追求、究明をしっかりしてほしい。
【委員】
ウイルス株が変異すれば接種するワクチンは変わるのか。
【理事者】
今回新しいワクチンとして登場したメッセンジャーRNAのメカニズムは、変異株に対するワクチンの作り変えが、従来の形式のワクチンに比べて難しくないと聞く。
現在、オミクロン株対応ワクチンが出ているが、今後さらに新しい変異株への対応が必要となれば、各メーカーで新しいワクチンの開発が早急にされると考えている。
【委員】
新型コロナウイルス感染症の恒久的な対策が出るまでは、ワクチンを打ち続けることになるのか。
【理事者】
その点については、現在国で議論されている。
報道等で示されているが、季節性のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症が同列に論じられにくいという要素としては、新型コロナウイルス感染症が季節型のインフルエンザと異なり年間通じて感染が広がるとともに、症状が長期にわたることが挙げられ、単純に季節性のインフルエンザのワクチン接種と同じように扱っていくことが適切なのか問題提起している専門家もいる。一方、感染症の分類と合わせて、定期接種に変えるべきであると主張する専門家もいる。
まだデータの蓄積が十分でない状況ではあるが、専門家や有識者が今後議論を積み重ねていくことだと思っており、その動向を見極めながら、ワクチン接種が来年4月以降も続くということであれば、県、市町村、医療機関と対応していきたい。
【委員】
現状では、国が一括して新型コロナワクチンを購入して全国に配分し、公費負担でワクチンを接種している。分類が変わったときに自己負担になるという問題と、自主接種になったときに、重症化リスクの高い人が確実に接種してもらえるかという問題が発生する。
それを踏まえ、感染症法上の分類見直しの議論は、都道府県からも声を上げていく必要があると思うが、県として分類見直しの議論に対してどのように考えているのか。
【理事者】
感染症法上の2類相当から5類相当への変更は不可避と考えている。
しかし、その前に公費負担の問題や全数把握をどこまでするのか問題があり、国で議論している。
本年12月23日に開催された全国知事会の会議において、大村秀章愛知県知事からこうした意見があり、全国知事会としても、国に対して地方の声を十分踏まえながら、迅速かつ丁寧に検討を進めてほしいと要望している。
【委員】
県として県民を守っていくという考え方に立てば、国の議論を待つよりも本県が意見を述べるべきだと思うがどうか。
【理事者】
今後ワクチン接種を有料化もしくは定期接種化し、一部の年齢層だけを無料化するなどの議論があるが、仮に有料化された場合、ワクチン接種率が低迷することが考えられる。
そうした場合、経口治療薬等の薬が十分に浸透していない状況においては、やはりワクチン接種の効果は、感染症対策に有用な武器の一つであると受け止めている。12月23日に開催された全国知事会において、大村秀章愛知県知事はワクチン接種の有料化が接種率を下げるという危険性があること、また、それによって感染が拡大するおそれがあることに対する懸念を示して、国においては、当面の間、無料でワクチン接種を継続することを十分に視野に入れた上で、ワクチン接種の今後の在り方について慎重に検討をするように申し入れた。
こうした発言を受けて全国知事会も、12月23日付けで国に提出した緊急提言の中で、ワクチン接種を有料化した場合に高齢者を中心に重症化する人が増えることが十分考えられることから、当面の間は全額国費負担で接種を継続するよう方針を示すとともに、今後の定期接種化を含めた対応方針の検討に当たって、慎重に検討を進めることを盛り込んだ。
こうした声をしっかりと上げていきながら、今後のワクチン接種と感染拡大に対する対応を、しっかりと進めていきたい。
【委員】
仮に国がワクチン接種の公費負担をやめた場合、県は重症化リスクの高い高齢者に対して県の負担で接種を行う考えはあるのか。
【理事者】
仮定ではあるが、インフルエンザワクチンと同じように、高齢者に対する一定の補助を出すことも選択肢の一つになると考えている。また、ワクチンの調達は現在、国において一括で行っているため、物理的、財政的な点、感染状況等を踏まえたデータ等を含めながら、様々な選択肢を検討していきたい。
【委員】
新型コロナウイルス感染症が流行して3年になるが、一向に鎮静化しないのはなぜか。
【理事者】
変異株等の発生もあり、また、感染力が高いため、様々な基本的な感染防止対策を講じても、それを上回る感染力があり、波を経るごとに感染者数が多くなっていると考えている。
【委員】
先ほどから新型コロナワクチンの副作用について議論されているが、接種する際に医者の問診はしっかり行われているのか。また、新型コロナワクチンは感染拡大防止に効果があると言っていたが、ワクチンの接種率が何パーセントまでいけば、感染拡大はある程度収まるのか。これまでに多額の交付金が使用されたが、どれだけの効果があったのか。交付金も全部我々の税金である。
自己管理を徹底するようPRを行っているのか。自己管理しないことには幾らPRしても感染は収まらない。新型コロナウイルス感染症対策を県民事務所から市町村に対して説明したことはあるのか。
ニューあいちスタンダードを開催した際は、なかなか実績が出なかったが、県職員が飲食店を回って初めて実績が上がった。もう一回チェックに回ると言っているが、受託業者はしっかり仕事をしているのか。
今でも入店すると手洗い、体温測定などの感染対策を実施している飲食店もある。県民に対する感染対策を徹底できずに、人任せ、お金任せでやる方法は改めてほしい。
新型コロナウイルス感染症を撲滅する気があるなら、県民に周知徹底すれば収まるはずである。
【理事者】
新型コロナウイルスの株が変異することによって、感染力がどんどん強くなっていることに伴い、新型コロナワクチンが効きにくくなっている。もともとは発症予防が求められていたが、それが難しいため、重症化予防に置き変わってきている。医療体制についても、現在入院が難しい状況である。
94病院に病床を確保してもらっており、新型コロナウイルス感染症専用の受入れ病床としては、現在1,690床をお願いしている。それに対して、現在入院しているのが1,221人である。病床の利用率は7割を超えているが、本県では病床を確保してもらっている病床以外にも患者を受け入れてもらっている。また、94病院以外にも、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れてもらっていることで、現在約2,000人の患者を受け入れている。
しかし、病院によっては患者を受け入れてもらえないこともあるため、新型コロナウイルス感染症の病床を増やすべきではないかという議論もあるが、冬場になると循環器系や脳血管の患者が多くなる。新型コロナウイルス感染症の専用病床を増やすことによって、新型コロナウイルス感染症の患者以外を受け入れにくくなることもあるため、新型コロナウイルス感染症以外の病気で重症化した人も受け入れられるようにしなければならないということを考えて、対応を検討している。
県庁内の各局とも協力をして、今後とも努力していく。
【理事者】
新型コロナウイルス感染症が長引いている状況としては、ウイルスが変異していくということがある。また、インフルエンザと比べても、圧倒的に感染性が強いことが背景にある。
一方、これだけ重症者が少ないというのは、ウイルスの変異により弱毒化したこともあると思うが、少なくとも多くの国民が新型コロナワクチンを2回接種したことで、基本的な重症化予防の効果があると思う。とりわけ高齢者や基礎疾患がある人に対しては、追加接種を積極的に呼びかけていかなければならないと思う。
多くの感染者がいる中で、入院勧告を続けていくのかといった問題もある。ワクチンについても無料に慣れている中で、有料化した際の影響がどのように出るかも慎重に考える必要がある。
まず、県民に対して簡単にできる感染対策をしっかり行うことを、再度普及、啓発していきたい。また、飲食店への補助あるいは燃料費高騰の支援金も国民の血税であるため、大事に使っていきたい。保健医療局としては、他部局と連携して、基本に立ち返り、効果的な新型コロナウイルス感染症対策を進めていきたい。
【理事者】
オミクロン株の感染状況も踏まえ、規制のフェーズから県民及び事業者一人一人の感染防止対策の徹底や感染リスクの高い場所に留意する方向に、国も軸足が移ってきている。県としては医療逼迫を防ぐための一人一人の行動、感染防止対策の徹底、ワクチンの接種を繰り返しお願いしている。
その効果を定量的に量ることは難しいが、粘り強く、繰り返し発信していくことが大事であると考えている。
ニューあいちスタンダードについては、県民が安心して飲食店を利用できるよう、本年度も新規の認証や再調査等を株式会社JTBに受託をした。
問題があれば、県職員も出ていき、注意喚起などに取り組んでいる。
【理事者】
国民の税金である国からの交付金を活用して様々な事業を行ってきたが、今は財源の一部に県の一般財源を使っている。国の交付金を活用した施策がほとんどであるが、起債を発行しても将来の国民に負担を残すことになるため、予算編成する段階あるいは執行する段階でいろいろな工夫をしなければいけない。
自己管理の徹底については、市町村にお願いして、啓発を実施してもらうことが一番効果的であると考えている。
県民事務所は職員の定数が減っていく中で、市町村との連絡、意見交換を行う機会が減ってきていることは確かである。
市町村に啓発を実施してもらうためには、正しい情報を迅速に市町村へ伝える必要がある。日頃から県民事務所が様々な場面に参加して情報を入手し、それを的確に市町村に流すことにより、市町村は正しい啓発ができる。
今後、総務局として他局との連携をしっかり行いながら、少しでも感染者が減るよう努力していきたいと考えている。
【委員長】
中国における感染爆発をテレビで見たが、2億人も感染しているとのことであった。都市部では医療体制が整っているが、中国は日本と違って貧富の差が激しいため、田舎に行けば行くほど医療体制が脆弱で感染爆発する可能性がある。
PCR検査を行い、陽性者が出たらすぐに対処するというシミュレーションをしながら体制を整えなければならない。
3年前に中国の武漢市から発生したと言われる新型コロナウイルス感染症は、その直後に100万人単位で観光客が日本に来て、一気に感染が拡大した。
国の動向を見ながら、徹底した対策を取ってほしい。
【理事者】
中国で爆発的に流行している原因は、新型コロナワクチンを接種しても効果が少なかったことだと思う。
また、ゼロコロナ政策でずっと押さえつけていたことでどうしても抑え切れずに、今になって感染が非常に拡大している。こうした中で恐ろしいのは、中国が培地となって、新たな変異株ができることである。水際対策は国の所管であるが、防げるものは防いだほうがよいと思っている。引き続き情報収集に努めながら、国に対し検疫体制強化、充実を働きかけていきたい。