委員会情報
委員会審査状況
一般会計・特別会計決算特別委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和6年11月18日(月) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
石井芳樹、天野正基 正副委員長
横井五六、神野博史、高桑敏直、政木りか、林 文夫、宮島謙治、
高木ひろし、松本まもる、山口 健、古林千恵、末永けい 各委員
防災安全局長、防災部長、県民安全監、
政策企画局長、企画調整部長、国際監、ジブリパーク推進監、
総務局長、総務部長、財務部長兼財政課長、
人事局長、人事管理監兼人事課長、
会計管理者兼会計局長、同次長、監査委員事務局長、同次長、
人事委員会事務局長、同次長兼職員課長、議会事務局長、同次長、
関係各課長等
<付託案件等>
○ 決 算
決算第1号 令和5年度愛知県一般会計歳入歳出決算
決算第2号 令和5年度愛知県公債管理特別会計歳入歳出決算
決算第3号 令和5年度愛知県証紙特別会計歳入歳出決算
決算第4号 令和5年度愛知県母子父子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算
決算第5号 令和5年度愛知県国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
決算第6号 令和5年度愛知県中小企業設備導入資金特別会計歳入歳出決算
決算第7号 令和5年度愛知県就農支援資金特別会計歳入歳出決算
決算第8号 令和5年度愛知県沿岸漁業改善資金特別会計歳入歳出決算
決算第9号 令和5年度愛知県県有林野特別会計歳入歳出決算
決算第10号 令和5年度愛知県林業改善資金特別会計歳入歳出決算
決算第11号 令和5年度愛知県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算
決算第12号 令和5年度愛知県県営住宅管理事業特別会計歳入歳出決算
(結 果)
全員一致をもって認定すべきものと決した決算
決算第1号から決算第12号まで
<会議の概要>
Ⅰ 防災安全局関係
1 開 会
2 決算概要の説明
決算第1号 令和5年度愛知県一般会計歳入歳出決算
歳出第2款総務企画費(第6項防災安全費、第7項災害救助費)及びこれに関する歳入
3 質 疑
4 休 憩(午後2時25分)
Ⅱ 議会事務局、政策企画局、総務局、人事局、会計局、人事委員会事務局、
監査委員事務局、選挙管理委員会事務局関係
5 再 開(午後2時33分)
6 決算概要の説明
決算第1号 令和5年度愛知県一般会計歳入歳出決算
歳出第1款議会費、第2款総務企画費(第1項政策企画費~第5項選挙費、第8項監査委員費、第9項人事委員会費)、第11款公債費、第12款諸支出金、第13款予備費及びこれらに関する歳入
決算第2号 令和5年度愛知県公債管理特別会計歳入歳出決算
決算第3号 令和5年度愛知県証紙特別会計歳入歳出決算
7 質 疑
8 採 決
9 委員長報告の決定
10 閉 会
(主な質疑)
《防災安全局関係》
【委員】
令和5年度決算に関する報告書の23ページから24ページに記載されている消防連絡調整費のうち、(2)の消防団加入促進事業費について伺う。
昨今、地方部を中心に人口の減少と高齢化などが進み、また仕事とこの消防団の活動との両立の難しさなどから、私の地元知多市においても消防団に加入する若手層が減少しており、今後消防団の活動を維持していくことが年々厳しくなっている状況である。
そこで、消防団加入促進モデル事業は一体どのようなものか、また、どのように委託先市町村を選定して、どの市町村に委託したのか伺う。
【理事者】
消防団加入促進モデル事業は、消防団加入促進の取組について、他の地域のモデルとなるよう先進的な事業提案を市町村から募り、県の委託事業として実施するものである。
実施市町村については、先進性や発展性等について、外部有識者を含む選定委員会で審査し、決定している。
2023年度は、名古屋市及び豊田市から事業提案があり、審査の結果、当該2市を選定し、委託契約を締結している。
【委員】
モデル事業として選定した名古屋市と豊田市の事業内容はどのようなものなのか。
【理事者】
名古屋市においては、プロスポーツチームと連携した消防団加入促進事業を実施している。具体的には、プロサッカーチームの名古屋グランパスエイトや、プロバスケットボールチームの名古屋ダイヤモンドドルフィンズの協力の下、ショッピングモールや試合会場の周辺において、楽しく消防団活動を体験できる普及啓発イベントを開催した。
豊田市においては、ソーシャルメディア広告を活用した消防団加入促進事業を実施している。具体的には、消防団普及啓発の広告を、静止画や動画で作成し、インスタグラムで配信した。
広告の中で、イベントの告知も同時に行い、インターネット上とリアルイベントの双方で加入促進を図っている。
【委員】
モデル事業によってどのような成果があったのか。
【理事者】
名古屋市が実施したプロスポーツチームと連携した消防団加入促進事業については、1万人を超える非常に多くの人が来場する場所で、消防団活動をPRすることができたと考えている。
また、豊田市が実施したソーシャルメディア広告を活用した消防団加入促進事業については、インスタグラムで約186万回の広告を表示しているが、特に34歳未満の表示回数が多くなっており、若い世代に対して広く発信できたと考えている。
2市の取組については、2月27日に事例報告会を開催することで、県内の市町村に広く共有し、他の市町村での取組の参考としてもらっている。
【委員】
いろいろな取組をしてもらっているが、消防団の活動は地域防災の要であり、多くの人々の協力が必要となってくる。現状はいろいろな地域ごとの課題もあり、その課題に対応することは、地元としてももちろん、より多くの若者が消防団へ加入できる環境を整えて、こうした消防団の加入促進モデル事業について、引き続き実施してもらい、県内により広く共有してもらうことを要望して、私からの質問を終わる。
【委員】
今、委員から質問があったが、私も消防団加入促進事業費について質問する。
全国的に消防団員が減少傾向にあり、私の地元東海市も同じであるが、確保が本当に難しくなっていると聞く。消防団員は愛知県全体で必要人数を確保できているのか。
【理事者】
消防団員の定員については、各市町村が条例で定めているところであり、県内市町村の条例定数の合計は2024年4月1日現在で2万5,545人となっている。これに対して消防団員数は、2万991人であり、定員に対する充足率は82.2パーセントとなっている。
【委員】
100パーセントが望ましいが、82.2パーセントということで、100パーセントを目指して取り組んでもらわなければならないが、どのような取組を行い、どのような成果があったのか伺う。
【理事者】
2023年度は消防団活性化対策事業として、1月20日のあいち消防団の日を中心に、市町村と連携して、県内一斉のPRを実施した。啓発活動の実施に当たっては、若者や女性に効果が高いと考えられるコンビニのレジモニター、ラジオ及びSNS等の媒体を活用したほか、あいち消防団PR大使のOS☆Uにも啓発グッズの配布に協力してもらった。
また、消防団を地域全体で応援するあいち消防団応援の店の普及促進など企業等と連携した取組を実施している。
さらに、市町村が行う消防団の加入促進に係る取組を支援するため、消防団加入促進モデル事業の実施や、消防団加入促進事業費補助金の交付により、消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図った。
続いて、こうした加入促進の取組の成果、消防団員数の推移であるが、本県の消防団員数については、過去5年間の推移を見ると減少傾向にあり、2020年の2万2,764人が2024年には2万991人と、1,773人減少している。
一方、学生の消防団員は、2020年の613人が2024年には854人に、女性の消防団員は、2020年の934人が2024年には1,033人に増加しており、これまでの様々な加入促進の取組の成果が徐々に出てきていると考えている。
【委員】
いろいろと加入促進に向けて取組を行った結果、若い人、特に学生や女性の消防団員が徐々に増えているという成果が出てきたとのことである。これまでの取組の結果、どのような課題があり、今後どのような取組を行っていくのか伺う。
【理事者】
学生や女性の消防団員数は増加傾向が見られるものの、消防団員全体の数については、減少傾向が続いていることが最大の課題と考えている。
このため、引き続き市町村と連携して、消防団員の加入促進に取り組んでいくことが重要であると認識しており、消防団加入促進事業費補助金の交付等により、市町村が行う広報活動等の取組を支援していきたい。
また、消防団員になることのメリットを感じてもらうことも重要であり、消防団員が割引などを受けられる消防団応援の店制度のPRにも努めていきたい。
なお、今年度は、消防団員カードの電子化に取り組むなど、同制度の利便性を向上し、活用しやすい制度となるよう取り組んでいるところである。
さらに、消防団の重要性や日常の消防団の活動について、広く県民に理解してもらい、消防団活動を支援してもらうことが重要であると考えている。このため、様々な機会を捉えて、消防団活動のPRを継続して行っていきたい。
【委員】
消防団員は仕事が終わってから練習し、実際に火災等あれば緊急に出かけて、危険も覚悟した活動だと思っており、先ほどの消防団応援の店制度のようにメリットがないと思っている。
東日本大震災があった際も、消防団員が水門を閉めに行って、犠牲に遭ったこともあるが、消防団は地域の防災力の要であり、地域防災力を強化するのに不可欠だと思う。今後とも加入促進に尽力してもらうよう要望して、質問を終わる。
【委員】
決算に関する報告書の25ページ、県民安全費の不用額約3,400万円の内容について伺う。
【理事者】
主な内訳としては、自転車乗車用ヘルメット着用促進事業費補助金が1,095万9,000円、自主防犯活動促進事業費補助金が932万9,000円、犯罪被害者等支援事業費が504万2,000円となっており、不用額の75パーセントを占めている。
【委員】
26ページ、27ページ、28ページにわたる内容であるが、それぞれの項目ごとに不用額が生じた理由を伺う。
【理事者】
まず、自転車乗車用ヘルメット着用促進事業費補助金については、児童・生徒及び65歳以上の高齢者のヘルメット購入費に対し、市町村と協調して補助を実施しているものであるが、昨年4月に道路交通法が一部改正され、法律上もヘルメット着用が努力義務化された影響等により、年度当初から補助制度を活用してヘルメットを購入する人が大きく増加し、10月末時点で当初予算額に近い実績となった。
このため、市町村に対し、年度末までの所要額を確認した上で、防災安全局内の既決予算を流用して必要な予算を確保したが、年度後半の申請件数が見込みを下回る市町村が多かったため、不用額が発生することとなった。予算額に対する執行率は83パーセントとなっている。
次に、自主防犯活動促進事業費補助金については、自主防犯団体等が行う防犯カメラの整備等に対し、市町村と協調して補助を実施しているものであるが、市町村からの申請要望額が多かったものの、制度開始初年度ということもあり、市町村において申請額の見込みが難しく、年度末に交付額の減額変更を行った市町村が多くあったことが要因である。予算の執行率は83パーセントとなっている。
また、犯罪被害者等支援事業費については、犯罪被害に遭った人々などへの見舞金や支援金などであり、被害者や遺族から申請があった場合に、滞りなく支払いできる件数を見込んで予算計上しているものであるが、申請数が見込みよりも少なく、不用額が発生した。予算の執行率は59パーセントとなっている。
特に自転車乗車用ヘルメット着用促進事業費補助金と自主防犯活動促進事業費補助金については、引き続き市町村からのニーズが高いことから、今年度は市町村の実績の動向を細かく注視しながら、配分額を調整するなど、不用額ができるだけ生じないよう工夫しており、予算の適正な執行に努めていく。
【委員】
特にヘルメットについては、私も地元岡崎市にある高校の見守りに携わっているが、多分岡崎市内で一番着用率が高いと思われる高校でも4割程度の印象であり、しっかり市町村と連携して進めてもらいたい。
令和5年度愛知県歳入歳出決算及び美術品等取得基金運用状況の審査意見書の53ページの参考、不用額の多い事業の主なもので、防災ボランティア活動基金事業費について、主な理由の記載があるが、不用額1,820万8,309円の理由について伺う。
【理事者】
防災ボランティア活動基金事業費については、県民や企業からの寄附を基金へ積み立てるための積立金と、基金を財源として、愛知県社会福祉協議会を通じてボランティア団体に交付する補助金の二つの事業から成り立っている。
まず、基金への積立に関しては、予算額1,000万円に対して、寄附により収納した金額125万691円を積み立てており、不用額が874万9,309円となった。
次に、補助金の交付に関しては、2023年度の対象となる災害としては、2023年6月2日の大雨による災害と令和6年能登半島地震の2件であり、1,000万の予算額に対して、合わせて54万1,000円の支出となっており、不用額が945万9,000円となっている。
これら二つの事業を合わせて、2,000万円の予算に対して、179万1,691円となり、不用額が1,820万8,309円となった。
【委員】
防災ボランティア活動事業費の周知について、どのように行っているのか。
【理事者】
防災ボランティア活動の周知について、補助事業者である社会福祉協議会において、ウェブサイトを通じて周知し、災害ボランティアの募集を行っている。
当該事業の対象となる災害を指定した際には、その旨を県の県政記者クラブに資料を配布し、併せて県のウェブサイトに掲載し、周知を行っている。
また、防災ボランティア活動基金への寄附については、県が行う防災啓発イベント、あいち防災フェスタに募金箱を設置したほか、防災減災カレッジなどの県民が集まる機会を捉えてPRを行っている。
さらに、フリーマーケットアプリであるメルカリで売買した売上げの一部を寄附してもらうなど、様々な媒体により寄附を募っている。
【委員】
防災ボランティア補助金について、ボランティアをする人から、補助対象者が5人以上で活動する団体・グループという規定があり、それが補助金申請の妨げになっているのではないかという意見を聞いているが、なぜ5人以上で活動する団体・グループを対象としているのか。また、個人のボランティアで利用できる補助制度はないのか。
【理事者】
本事業においては、ボランティア参加を発意した人から、家族や友人、同僚などに声がけをしてもらい、より多くのボランティアに参加してもらうことを期待して、5人以上の団体・グループで行うボランティア活動を応援することとしている。
そうしたことから、県として、一人で活動される防災ボランティアへの補助制度は設けていない。
なお、現在、個人のボランティアが利用できる支援制度としては、災害ボランティア車両の高速道路等の通行料の無償措置制度が設けられているほか、一部の市町村においては、市町村社会福祉協議会が個人ボランティアへの交通費等の補助を行っている。
【委員】
県としての今の実情は理解した。
能登半島地震に対しても個人ボランティアの人のいろいろな意見等も聞いており、社会福祉協議会とも連携してもらい、少しでも多くの人が取り組みやすいよう工夫してもらいたい。
いろいろな申請書が紙媒体になっていて、タブレットなどデジタルでやれば、簡略化できるとの意見を今日もらった。
能登半島地震の際にも、民間団体が支援していたボランティアは活動調整などをデジタルで行っており、紙の申請とレベルが違った、簡略化されていてやりやすかったとの声も聴いている。
こういった声もしっかり届けたいと思うので、より良いボランティア活動支援になるよう、今後も理解と協力をお願いして、質問を終わる。
【委員】
私からは、19ページの危機管理体制整備事業、国民保護対策推進費に関連して伺う。
メディアが北朝鮮からの飛翔体、最近はミサイルと言うことが多くなっているが、日本近海に飛んできていると報じられることがある。令和5年度において、何発、そういった事案があったのか。また、飛翔体が飛んできている情報は、どこから、どのように、どんな情報が愛知県に伝達されたのか伺う。
【理事者】
令和5年度のミサイル発射は、国からの情報によると、15事案22発と認識している。
次に、ミサイルの発射情報は、内閣官房や防衛省が公表した情報が消防庁を通じて、直ちにファクス及びメールにより、ミサイルの発射情報、通過情報、落下場所情報など、状況の推移に応じた情報が都道府県に伝達されている。
なお、ミサイルが我が国の領土・領海に落下、または上空を通過する可能性がある場合には、影響がある都道府県に対して、全国瞬時警報システム、Jアラート等により情報が伝達されることとなっている。
【委員】
確認するが、愛知県への飛翔体の情報の伝達について、国からのルートのみなのか、例えば地元の航空自衛隊などから愛知県に情報が入ることはないのか。
【理事者】
ミサイルの情報については、防衛省を含む国の機関からの情報は、消防庁が集約して都道府県に伝達されることとなっている。
【委員】
この質問の主旨は、北朝鮮から飛んできているとされる飛翔体、ミサイルの事案は嘘ではないかと強く疑っている。なぜかというと、まずその飛翔体を確認しているのか、確認した人はいるのか。
本来であれば、国会で議論されて、飛んできているものがどういったものか、海上保安庁や自衛隊が確認しなければいけないが、そういったことがない。
ほかにも、為替が動く、大きく。本来、日本が危機的な状況にあるため、円安に振れなければいけないが、円高に振れており、不思議に思っている。裏で、為替でもうけてる人がいるのではないかと疑わざるを得ない。
いずれにしても、飛翔体が飛んできたことをメディアが騒ぐたびに、国全体が不安を感じている。
愛知県としては、県民が不安にならないように、何が本当なのか、真実の情報の取り方、集め方について、研究してもらいたい。
続いて、危機管理体制の整備と国民保護について伺う。
国の国民保護のホームページを見ると、いろいろな事案が例示されているが、その一つに生物剤の大量散布という項目がある。
人に知られることなく散布されるもので、発症するまでの潜伏期間、感染した人々が移動して、後に生物剤が散布されたことが判明した場合には、既に広域的に被害が発生している可能性がある。
人を媒介する生物剤による攻撃が行われた場合には、二次感染により被害が拡大することが考えられるとの説明がある。
何が言いたいのかというと、例のコロナワクチンである。
これはmRNA製剤である人類未知のものを打ち進めている状況にある。
3回目のワクチン以降、7回目、8回目は日本のみ接種を行っており、さらに今回の秋からの接種は、海外では認可されてないような、ネズミでしか治験をしていないものを打ち進めている状況にある。
国内外でいろいろな学会などにおいても、生物兵器だとの指摘も少なくない。ワクチンを打った人だけが調子が悪くなるのであれば、一万歩譲って、仕方ないが、問題なのが、シェディング、伝播することである。ワクチンを打った人から、エクソソームやスパイクタンパクなど何らかの有害物質が呼気や汗から伝播することが分かってきた。これは、コロナワクチンだけの問題ではない。
【委員長】
委員、あくまでも実施した事業に対しての決算である。この事業に関して発言するのであれば良いが、全く違う方向になっている。簡明に。
【委員】
ほかの薬剤でも、例えば抗がん剤や経口生ポリオワクチンなども、そういった伝播の事例があることは報道や論文などでも報告がある。
シェディング、伝播について、国民保護の対象になるのか、県の見解を伺う。
【理事者】
国民保護法の対象となる武力攻撃事態や緊急対処事態といった、いわゆる事態認定については、内閣総理大臣が閣議決定を経て認定することとされている。
このように事態の認定については、国が判断する事項とされており、現時点で県としては見解を持ち合わせていない。
【委員】
生物兵器などによるバイオハザードの事案が実際に起こった場合は、特に今回のコロナワクチンでもロット番号によって死亡率が違うことが分かってきており、地域によって配布されてる薬剤が違っている。大量感染などの事案が局所的に起きる可能性がある。
このため、国民保護以外、愛知県にも愛知県国民保護計画のほかに危機管理推進要綱を定めている。人命を守るために、緊急時には国の認証を得る前から、県としてあらかじめそういった事案を想定して、対処、準備を整えていかなければいけないと思う。
未知のものを今打ち進めている中、何が起きるか誰も分からない状況下にあることを念頭に置いて進めてもらうことを要望する。
【委員】
私からは、決算に関する報告書の22ページ、消防連絡調整費3,224万6,032円について伺う。
愛知県消防操法大会の開催に係る経費は、消防連絡調整費で執行されていると承知している。
消防団は、災害時においては、常備操法だけでは行えない地域での消火や救助活動など、重要な役割を担っており、こうした消火活動などを行うことができる消防団員の確保と共に、基本的な消火活動の技術である消防操法を身につけることは何よりも重要であると思っているが、操法大会に向けた訓練、練習が負担であるという現場の声も地元で聞いている。
しかし、この操法大会に出場した団員においては、結果に涙するほど一所懸命やっている人もおり、こうしたギャップを縮めないといけないと思っており、伺う。
はじめに、2023年度に実施した消防操法大会は、どのような内容で、出場した消防団数はどのようであったのか。また、近年の出場団数の推移はどのような状況であるのか。
【理事者】
2023年度の第68回大会は、8月5日土曜日に新城市で開催した。ポンプ車操法、小型ポンプ操法の2種目を実施し、県内の市町村から31団が出場した。
近年の出場団数の推移であるが、2019年度は37団が出場していたので、5年間で6団減少している。なお、2024年度の第69回大会の出場団数は27団となっており、さらに減少している。
【委員】
出場する団数が減ってきている状況であるが、消防操法大会の意義と課題をどのように捉えているのか伺う。
【理事者】
消防操法大会の意義であるが、消防操法大会は、消防団員の消防技術の向上と士気の高揚において非常に有効であると考えている。
大会においては、出場団の活動を見ると、技術レベルが向上していることや、大変士気高く活動している様子がうかがえるところである。
一方、課題について、出場団数が減少傾向にあることや、先ほど委員指摘のとおり、出場に向けての練習が負担だとの声も聞いており、課題であると認識している。
【委員】
その課題を受けて、今後の在り方についてどのように考えているのか。
【理事者】
市町村によっては、消防操法大会とは別に、または消防操法大会に代えて、競技中心ではなく、実際の災害を想定して、障害物がある際の消火訓練や、チェーンソーを使った救助訓練などを行い、こういった活動を披露する場を設けている例もある。
本県としては、出場団数が減少している状況や、市町村が行っている取組などを踏まえ、愛知県消防協会と連携して、市町村や消防団の声をしっかりと聞き、消防操法大会をより良いものにしていきたい。
また、消防操法大会の場を、消防団の活動や技術を披露する消防団のPRの場として広く展開できるよう検討していきたい。
【委員】
地元における消防団員の新規加入に向けた活動について、先ほど委員から話があったが、こうした新入団員の加入に向けた活動に対し、操法の練習など多くの労力が取られるネガティブなイメージで苦労していると地元でも聞いている。
しかし、消防団は、平時には防火防災活動、災害時には地域住民の命を守る、救う重要な役割を担っている。地域での消防団のこうした役割とその技術向上に向け、操法大会の新しい形、操法大会を通じ、そうしたものを発信するような改革を検討してもらう要望する。
次に、決算に関する報告書の25ページ、交通安全推進事業費のうち、26ページの(3)自転車安全利用促進事業費2,072万9,512円について伺う。
自転車は便利な乗り物でもあるが、その乗り方によって、時として加害者にも被害者にもなる危険があり、安全利用の推進は重要であると考えている。
自転車の安全利用促進に向け、2023年度はどのような取組を行ったのか。
【理事者】
自転車の死亡・重傷事故は、出会い頭事故によるものが多いことから、出会い頭事故のリスクを下げるため、自転車の左側通行を意識づけるためのキープレフトのスローガンを表示したLED付き反射バッジ等の啓発品を8,000個製作し、啓発イベントや出張講座などで配布した。
また、幅広い年齢層にアピールするため、人気お笑いコンビ、スピードワゴンの井戸田潤氏が、自転車の左側通行、自転車損害賠償責任保険等の加入促進やヘルメットの着用促進等を呼びかけるラッピングトラックを県内全市町村で運行すると共に、自転車乗車時のヘルメット着用の重要性を呼びかける啓発動画を制作し、県内各地のショッピングモールのデジタルサイネージなどで放映した。
さらに、昨年8月に創設した愛知県ヘルメット着用促進宣言を県民に広く周知するため、募集チラシを制作し、市町村、学校、自転車販売店などに配布すると共に、企業や団体等に対し、ダイレクトに周知するため、企業向けのプレスリリース配信サービスを活用し、PRを行った。
【委員】
昨年度の取組を通じて見えてきた課題は何か。また、その課題を踏まえて、今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
2023年中に発生した自転車の死傷者数は6,123人で、前年比325人の増加となり、年齢層別では、子供と若者世代が2,678人で全体の約4割を占める結果となった。また、法令違反別でみると、自転車の法令違反が第一原因となった死傷者数が1,148人で、全体の約2割を占めている。
このうち、死者数だけを取り出してみると、2023年中に発生した自転車の死者数は25人で、前年比5人の増加となり、年齢層別では、高齢者世代が15人で、全体の約6割を占める結果となった。また、法令違反別では、自転車の法令違反が第一原因となった死者数が11人で、全体の約4割を占めている。
こうした結果から、死傷事故の多い子供と若者世代、そして、死亡事故の多い高齢者世代に向けた自転車の交通ルールの周知徹底が課題であると認識している。
そこで、今年度はこうした世代にしっかりとアプローチしていくため、児童、生徒、高齢者のそれぞれの世代別に、自転車のルールを分かりやすく学べる教材を制作し、学校やシルバー人材センターに配布するほか、啓発イベントなどでも活用していくこととしている。
また、今年度は、子供から高齢者まで幅広い世代に訴求力のある松平健氏を起用し、啓発動画やポスターを制作の上、様々な媒体を活用し、幅広く県民に周知していくこととしており、中でも、学生数が多い県内6大学のサイネージを活用し、通学などで自転車利用の多い大学生などに対しても啓発を行った。
こうした啓発活動に加え、県民に自転車の交通ルールを分かりやすく学んでもらうため、出張講座などの交通安全教育活動にも引き続きしっかり取り組んでいく。
【委員】
自転車は幅広い世代の人が手軽に利用できる移動手段であるが、運転免許証が必要な自動車や二輪車などと異なって、交通ルールを学ぶ機会が少ないというふうに感じている。先ほど交通安全教育活動に取り組んでいるとの答弁があったが、具体的にどのような取組を行っているのか。
【理事者】
自転車は、非常に多くの人が利用している、便利な移動手段であるが、交通ルールを守り、正しく利用しないと、交通事故の加害者にも被害者にもなり得る乗り物である。
このため、県では、自転車の走行を模擬体験しながら、正しい交通ルールを学んでもらう自転車シミュレータを活用した参加体験型の自転車安全利用出張講座を開催している。昨年度は、県内の小学校や老人クラブ、企業等において46回開催し、2,424人に参加してもらった。
また、自動車や自転車の交通ルールについて、県内の交通事故情勢を交えながら学んでもらうため、座学による交通講話も開催しており、昨年度は高校や企業などにおいて7回開催し、404人に参加してもらった。
【委員】
自転車の交通ルールを分かりやすく手軽に学ぶためには、パンフレットなどの紙媒体だけではなく、映像媒体などを活用することも効果的だと思うが、そういった取組についてどのように考えているのか。
【理事者】
委員指摘のとおり、映像媒体の活用は視覚的に訴え、視聴者の印象に残りやすいこと、短時間で多くの情報が得られることなどのメリットがある。
そのため、県では2022年度に、大人向けと子供向け、外国人向けに英語、中国語、ポルトガル語の自転車交通安全教育動画を制作し、県ウェブページで公開すると共に、研修などの教材として活用できるよう、市町村や各種学校、シルバー人材センターなどにDVDを2,131枚配布した。
また、昨年度はスピードワゴンの井戸田潤氏、今年度も松平健氏を起用した自転車乗車時のヘルメット着用を呼びかける動画を制作し、様々なメディアを活用して配信している。
紙媒体と映像媒体、それぞれのメリットを生かしながら、引き続き効果的な啓発方法を検討していきたい。
【委員】
道路交通法の一部改正により、今月から自転車のながらスマートフォンや酒気帯び運転が厳罰化された。加えて、今後2年以内には、自転車の交通違反に対する交通違反通告制度、いわゆる青切符が適用される。
こういった法改正に伴う新たな交通ルールについても、紙媒体と映像媒体それぞれのメリットを生かしながら、県民に対して分かりやすい広報啓発に努めてもらいたい。
映像媒体でDVDという話があったが、スマートフォン等で身近に見られる状況にあるので、そういったものを積極的に活用して、広報・啓発を進めてもらうよう要望する。
【委員】
決算に関する報告書の21ページ、次世代高度情報通信ネットワークについて伺う。
2023年に実施設計をしたとのことであるが、これまでのネットワークとどう違うのか、どのようなネットワークなのか伺う。
【理事者】
現在のネットワークについては、災害時において、県や市町村防災関係機関などにおける防災行政情報の円滑かつ効率的な通信を確保するため、県が2002年度に整備した通信基盤である。
このネットワークは、地上系無線回線と衛星系無線回線により、通信回線の2ルート化を図っており、相互の特性を補完する形で運用している。
現在のネットワークは、2027年度までに新たな衛星通信規格への移行が必要となるほか、整備後20年以上が経過し、設備の老朽化が進んでいる。
このため、今回整備する次世代高度情報通信ネットワークでは、県庁及び県機関、市町村、防災関係機関などを結ぶ情報通信設備を全面更新する。
今回の整備では、メイン回線を自営の地上系無線から、高信頼度の民営有線へ転換を図り、衛星系無線をバックアップとする2系統のネットワークを構築する。民営有線は、中部電力パワーグリット株式会社が保有する有線の電気保安用通信回線、シーアイネットを賃借することとしている。
また、新たに災害拠点病院、通信事業者、運送事業者などをネットワーク接続機関として拡充する。
【委員】
2002年に整備したものを20年間使っていたとのことで、この20年の通信環境の進化をみると、整備が遅いくらいに感じる。今年8月の南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されたということもあり、次世代高度情報通信ネットワークの整備が現在どのような状況であるのか伺う。
【理事者】
2022年度に基本調査と基本設計を行い、2023年度に実施設計を行った。
今年度は、整備工事に着手しており、今年度から2025年度にかけて、県庁及び県機関、防災関係機関などの設備設置工事を行い、2025年度からは、市町村及び消防本部などの設備設置工事を行う。
整備が完了した機関から順次運用を開始していくこととし、全面供用開始は2027年度を予定している。
【委員】
2023年度に実施した実施設計によって固まった次世代高度情報通信ネットワークの整備の内容はどういうものになったのか。
【理事者】
今回の実施設計における次世代ネットワーク整備の内容として、主に三点説明する。
第一に、ネットワークで結ぶ機関数の増加である。現行のネットワークは、県機関、市町村、消防本部、防災関係機関等合わせて146機関を結んでいるのに対して、次世代高度情報通信ネットワークでは、新たに災害拠点病院等を加えた203機関に固定の通信設備を整備する。
また、保健所分室、県立学校をはじめ、197機関に新たに可搬型の移動無線機を整備する。
このことにより、ネットワークに接続する機関数は、現行の146機関から400機関へと大きく増加する。
第二に、現行の地上系の無線回線に代わり、通信が高速・大容量であり、電波障害が発生しない高信頼度の民営有線回線に改める整備を行う。具体的には、各機関に光回線受信機、データ中継機などを設置する。
第三に、新たな衛星通信規格に対応するため、衛星系回線に係る設備として、衛星アンテナ、衛星無線機などを設置する。
そのほか、気象情報などを受信する一斉受令用パソコン、被害情報等を報告・共有する防災情報用パソコン、IP電話機、ファクス複合機、無停電電源装置などの附属設備を設置する。
【委員】
次世代高度情報通信ネットワークの実施設計を行い、ネットワークをつなげる箇所数を400機関に増やして、ネットワーク接続が可能になるとのことであるが、設置しても、日頃使っていないと有事の際に、急には使えないと思う。日頃から使用して、不具合がないかなどをチェックしてもらうなど、それぞれ防災用パソコン、IP電話、受令用パソコンの操作にしても、せっかく計画を立てて、準備しているので、整備の移行途中であっても有効に活用できるようにしてもらいたい。
また、2027年の整備工事完了と聞いたが、当初は2028年に供用開始を予定していたものを1年前倒しして実行してもらうのは、これからアジア大会を迎える愛知県にとって良いことだと思うので、できるだけ早く整備してもらうようお願いする。
続いて、19ページの5、愛知県基幹的広域防災拠点整備費について伺う。
愛知県基幹的広域防災拠点の整備については、整備・運用に当たり民間の知恵やノウハウを最大限に取り入れることができるPFI法に基づく、BTコンセッション方式により整備を進めることとしていたと思うが、令和5年度決算の事業内容について伺う。
【理事者】
愛知県基幹的広域防災拠点整備事業費50億1,965万2,760円のうち、主なものについては、用地買収に係る費用として約42億円、敷地造成、調整池等の工事に係る費用として約7億円である。
そのうち、用地買収については、令和5年度末時点で約94パーセントの土地について用地契約が完了したところである。敷地造成については、用地取得が完了した箇所から順次造成工事に着手しており、同じく令和5年度末時点で、約23パーセントの造成が完了したところである。
また、調整池の工事については、2024年2月から工事着手しているところである。
【委員】
令和5年度の決算の事業内容については分かったが、当初予定していた入札が不落に終わっている状況で、2023年10月20日に公告して、事業者の選定手続を進めていたが、2024年3月29日の入札の結果、不落となった。
この結果をどのように分析しているのか。不落になった理由についてどのように考えているのか。
【理事者】
不落の要因については、予定価格の範囲内に至らなかったためである。その背景となっている市場環境を調査し、民間事業者に幅広くヒアリングを実施した結果、建築資材の高止まりや、電気・通信・空調設備を担う事業者の不足、2024年問題による慢性的な人手不足が生じ、さらなる価格上昇や、建設工期に影響が生じていることが分かった。そういった要因が働いたと考えている。
【委員】
当初の予定と全くずれてきているので、完成予定もずれ込んでいると思うが、今後の整備に向けたスケジュールはどうなっているのか。現在の整備の進捗状況を含めて伺う。
【理事者】
不落の結果を受け、防災拠点の早期整備に向けて、事業者の幅広い参加を促し、競争性を確保できる事業所及び事業単位を検討するため、民間事業者へ幅広いヒアリングを実施した結果、消防学校と防災公園を事業単位として進めることとした。第1期として、消防学校の整備をBTO方式により実施し、2028年度内の完成を目指していく。また、第2期の防災公園の整備については、BTO方式・一部工事県直接発注により実施し、2029年度上半期までの完成を目指していく。
現在の整備状況として、用地買収については、本年10月末において約98パーセントの土地の契約が完了しているところである。また、造成工事については、用地を取得した箇所から順次敷地造成工事に着手しているところであり、本年10月末において、約26パーセントの造成が完了している。
また、調整池工事については、本年2月に工事着手し、整備を進めてきたところであるが、想定以上の湧水が発生し、一部の工事が今年度内に完了する見込みがなくなっている。そのため、12月定例議会において、繰越明許額に係る補正予算を提案することとしており、承認をもらった後、契約を行い、2025年8月末の完了を目指し、着実に整備を進めていく。
【委員】
造成を進めていく中で、様々な難題が持ち上がっているが、当初、2025年に完成予定として令和5年度予算を決めたが、現在、完成予定は2028年、3年遅れとなっている。これ以上遅れることのないよう、しっかりやってもらいたい。
先ほど質問した次世代高度情報通信ネットワークも、2027年には運用できるよう計画しているし、アジア大会でいろいろな人たちが愛知県に来ることを考えると、全体で災害時に強い愛知県としてのまちづくり整備をしてもらいたい。
最後に、決算に関する報告書の28ページ、(6)性犯罪・性暴力被害者支援事業費について伺う。
昨年度、若年層を対象に開催した性暴力被害防止セミナーの参加者の募集方法や募集内容について伺う。
【理事者】
性暴力による被害相談の約7割が20歳代以下の若年層であり、被害を誰にも相談することができず、悩んでいる人が多くいることから、性暴力被害の実態を知り、被害防止のためにできることや、被害者への支援について学ぶ性暴力被害防止セミナーを、2019年度から大学と連携して開催している。昨年度は、愛知県立大学と名城大学で開催し、愛知県立大学では80人、名城大学では151人が参加した。
愛知県立大学での開催については、チラシを作成し、県のホームページ等で広く参加者の募集を行うと共に、愛知県立大学による学内の学生への周知に加え、県内全ての大学へチラシを配布し、学生の参加を呼びかけた。
また、セミナーは、支援者にとっても参考になる内容であることから、市町村の担当者や県の教育委員会を通じて、中学校、高等学校及び特別支援学校の教職員などにも参加を呼びかけた。
名城大学については、大学から授業の中での開催希望があり、開催したものである。
セミナーでは、愛知県警察から、痴漢や盗撮被害に遭わないための予防策について講話を行うと共に、性暴力被害者支援に取り組んでいる専門家を講師に招き、実際に被害に遭った人の実体験や、トラウマ・PTSDなどの被害の現状、また、被害者から相談を受けた際の対応方法などについて講演してもらった。
今後もこのようなセミナーを、特に若年層に向けて開催し、性暴力被害の実態や被害防止に向けた対策、被害者のための相談窓口の周知に努めていく。
【委員】
相談支援を行うワンストップ支援センターも運営を支援しているが、センターが開設されてから昨年度、2023年度までのどれくらいの相談件数があったのか伺う。
【理事者】
性暴力救援センター日赤なごやなごみについては、2019年から委託している。相談件数は、2019年度は電話相談と来所相談を合わせて2,369件、2022年度は電話相談と来所相談を合わせて2,219件、2021年度は電話相談と来所相談を合わせて2,344件、2022年度は電話相談と来所相談を合わせて2,718件、2023年度は電話相談と来所相談を合わせて3,171件を受理している。
【委員】
思ったより相談件数が多いことに驚く。電話のみならず、来所での相談する人がおり、この支援センターは大変ありがたいのではないかと思う。性暴力被害者は、なかなか自分から声を上げることができないと思うので、このような問題意識を持って取り組むことが重要と思うが、今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
委員指摘のとおり、性暴力被害者は、その多くが警察に被害を相談することができず、医療やカウンセリングなどの適切な支援に結びついていない現状がある。
このため、県では2019年度から、被害者に対して医療支援やカウンセリング等を1か所で提供するワンストップ支援センター、性暴力救援センター日赤なごやなごみの運営を、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院に委託すると共に、県内各地の救命救急センター等において、性暴力被害者支援に関する専門的な知識を持った性暴力対応看護師を、2019年度からの5年間で合計125人を養成している。
今後も、性暴力救援センター日赤なごやなごみの周知や、性暴力対応看護師の救命救急センター等への配置促進など、性暴力被害に遭った人々が相談しやすい環境整備に取り組んでいく。
【委員】
被害者に寄り添って、丁寧に、できる限り心の傷を癒すような支援を期待して質問を終わる。
【委員】
決算に関する報告書の21ページ、南海トラフ地震等対策事業費補助金について伺う。
1月の能登半島地震では、石川県を中心に大きな被害が発生した。孤立集落、道路の分断、特に断水の関係が厳しかった。寒い地域であるので、温かい風呂に入れないなど本当に苦労があったと思う。ここにいる委員も現地に視察に行き、ボランティアの一員として、微力ながらも現地でいろいろ対応したが、本当に地震の怖さを、身をもって見てきた。
大規模地震の災害による被害を少しでも減らすことは、非常に大変で、重要なことである。
それに関して日頃から資機材といったハード面の整備のほか、ハザードマップの作成、特に住民の意識向上、地域でも避難所開設訓練や宿泊型の訓練を行っており、自治会や社会福祉協議会、ボランティア団体、例えば全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)などとも協力して、いろいろなことを進めてもらっていると思う。
これら事業に当たっては、少なからず経費が必要になってくるが、県としては補助金により市町村を支援していると承知している。
そこで、まず2023年度における南海トラフ地震等対策事業費補助金の主な補助事業の内容を伺う。
【理事者】
県では、南海トラフ地震等対策事業費補助金により、市町村が実施する地震防災対策事業に要する経費に対して補助を行っている。
2023年度には、47市町村に対して1億9,424万7,000円を交付している。
主な内訳として、ハザードマップの作成、防災ラジオなどの整備や、消防団の消火・救助活動に必要な資機材・車両の整備などを支援する地域防災力強化事業が1億1,185万1,000円。
また、段ボールベッド、間仕切り、簡易トイレなどの整備を支援する避難所等環境整備事業、避難所耐震化事業などを含む建物被害軽減対策事業に6,793万2,000円を交付している。
なお、災害を取り巻く情勢の変化や市町村の要望を踏まえて、補助制度を見直しており、2023年度には災害対応DX化推進事業、医療的ケア措置事業などを補助事業として追加すると共に、避難所等環境整備事業において、ペット同行避難対策の資機材についても新たに補助の対象とした。
【委員】
先ほど2023年度に災害対応DXを補助の対象に加えたと答弁があった。
大規模災害時には、人命救助、被災者に対する情報提供や生活支援など、多岐にわたる対応が非常に大切であり、そのような状況下では、災害対応の中で新しい技術や仕組みも効果的に取り入れていくことが重要である。
デジタル技術はその代表的なものの一つであり、災害対応において大いに可能性を秘めていると考えている。
そこで、2023年度に新たに補助対象となった災害対応DX化推進事業の執行状況について伺う。
【理事者】
災害対応DX化推進事業は、先進的な情報通信技術を導入することで災害対応能力を向上する事業や、デジタル技術を活用した防災啓発・教育の事業を対象としている。
2023年度には、6市町の事業を採択し、合わせて278万2,000円を交付している。その内訳は、名古屋市、津島市、知多市、あま市、幸田町の5市町におけるドローンの整備やドローン操縦士養成講座の受講などである。
今後も市町村の災害対応におけるDX化を支援するため、補助制度の積極的な活用を促していきたい。
【委員】
ドローンの話があったが、これからはそういった最新的な技術を使いながら、災害対応をしていくべきである。そのためには、機械はあっても人がいないとならないよう、パイロットといった人々もしっかりと確保、養成する仕組みをつくってもらうよう要望して質問を終わる。
《議会事務局、政策企画局、総務局、人事局、会計局、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会事務局関係》
【委員】
令和5年度決算に関する報告書1ページ、企画事業費のうち、SDGs未来都市計画推進費について伺う。SDGs達成に向けた取組とはどのようなものがあったのか。
【理事者】
SDGsへの認知が急速に高まる中、次のステップとして、県民のSDGs達成に向けた具体的な行動や、企業等におけるSDGsを起点とした事業展開を促進する必要があることから、2023年度はSDGsの取組事例を分かりやすく紹介する動画を作成した。
動画は全部で5本作成し、環境に配慮した商品の選択や、家庭での省エネなど、個人が身近にできるSDGsの取組紹介を3本、企業による環境負荷低減などの取組紹介を2本作成した。
動画は愛知県SDGsウェブサイト、あいち SDGs Actionで公開すると共に、SDGs AICHI EXPO2023等のSDGs関係イベントでも上映しており、今後も本動画を活用しながら、SDGsの取組を促進していく。
また、企業等のSDGsの取組を促進するため、昨年10月に愛知県国際展示場において、愛知県SDGs登録制度の登録者を対象とした交流会を開催し、先進事例の紹介やグループワーク、マッチングに向けた名刺交換会等を行った。
【委員】
動画で紹介した企業の取組について、どのようなものがあったのか。
【理事者】
動画では、名古屋市西区に所在し、弁当容器などの食品包装容器を販売する株式会社折兼と、瀬戸市に所在し、運送サービスを行う大橋運輸株式会社の2社を紹介している。
株式会社折兼は、サトウキビの搾りかすであるバガスを用いた容器を開発、販売することにより、環境負荷の低減に取り組んでいる。
また、大橋運輸株式会社は、高齢者向けの生前整理サービス事業を通して、家の中の動線確保による高齢者の安全確保や、震災時の家具・家財の転倒防止など、地域住民の高齢化に対応している。
企業において、SDGsの取組を持続的に進めていくためには、本業であるビジネスの中で、社会課題の解決に向けた取組を実践していく必要があることから、引き続きこうした優良事例の発掘に努め、啓発を進めていく。
【委員】
愛知県SDGs登録制度の目的及び現状はどのようか。また、登録制度をどのように活用しているのか。
【理事者】
愛知県SDGs登録制度は、企業・団体等によるSDGsの取組を見える化する制度であり、SDGsの具体的な取組の普及を目的として、2021年9月に創設した。
2024年11月18日時点で1,644社が登録しており、登録者は現在も順調に伸びていることから、この地域におけるSDGsの取組は着実に広がっているものと考えている。
登録制度の活用については、登録者に、より一層SDGsの取組を促進してもらうよう、登録者を対象とした交流会の開催やメールマガジンによる先進事例の情報提供など行っている。
【委員】
続いて、2ページ目の6、スマートシティモデル事業費、約5,700万円について伺う。
選定された7市町村ではどのようなモデル事業が実施されたのか。
【理事者】
2023年度のスマートシティモデル事業は、7市町において実証実験を実施した。
岡崎市では、大河ドラマ館からまちなかへの人の流れを波及させるため、まちなか各所における石碑などにおいて、拡張現実(AR)を提供し、回遊を促進する実証実験を実施した。併せて、メタバース上でもリアル空間と仮想空間の連携・相乗効果を創出する検討を行った。
春日井市では、高蔵寺ニュータウン内の交通結節点にモビリティポートを設置し、高齢者でもデマンドタクシーや電動自転車、電動車いすのシェアサービスを気軽に利用し、ニュータウン内を移動できる環境の機能実証を行った。
刈谷市では、歩行動画のAI解析により、歩行姿勢の評価、アドバイスを行うと共に、健康管理アプリを活用し、日常における姿勢に対する意識づけを促し、若い世代の健康づくりへの意識向上を図る実証実験を実施した。
蒲郡市では、生命の海科学館のコンテンツを活用し、クイズやイベントへの参加などの学習に対して、ブロックチェーンを活用したデジタル報酬を付与する取組を実施した。併せて、メタバース上でのコミュニケーションの場をつくることで、学習者コミュニティーの形成に取り組んだ。
大府市では、医療・介護関係者のICT連携ツールにより、骨折した患者の退院情報、治療経過の情報を共有すると共に、患者本人や家族も参加することができる機能を活用し、切れ目のないケアを患者に提供し、二次性骨折予防に取り組んだ。
日進市では、災害発生時に買い物難民等の発生が予見される住宅地において、ドローンを活用した買物代行サービスの実証を行った。併せて、スマートフォンアプリにより市民にデジタル防災サービスの提供を行い、平時における防災知識の向上を図った。
幸田町では、高齢者向けタクシー料金助成手続へのICカード導入による効率化を図る実証実験を実施した。さらに、本取組により得られたデータを活用して、利用者の利便性やタクシー事業者の負担軽減効果を検証しつつ、高齢者の外出促進効果が高い制度の設計を行った。
なお、モデル事業によって得られた成果やノウハウについては、年度末の3月に成果報告会を開催することで、県全体への横展開を図っている。
【委員】
それぞれ特色があって良いと思う。成果報告会を踏まえた横展開により、それぞれが切磋琢磨して進めていただきたいと思う。
続いて、報告書の7ページ、総務企画費、国際交流費、国際交流事業費のあいち国際戦略プラン推進費の(2)留学生地域定着・活躍促進事業費に関して、昨年度は具体的にどのような事業を実施したのか。
【理事者】
留学生の県内企業への就職を促進するため、留学生向けのジョブフェアイベントや留学生インターンシップ、企業見学ツアーを実施し、また、留学生採用企業の拡大及び充実を図るため、企業向け留学生採用・定着研修会を開催した。
具体的には、まず、昨年8月から9月にかけて、留学生インターンシップを実施し、126人の留学生が52社の企業でインターンシップを行った。
企業向け留学生採用・定着研修会は、7月、10月、2月の3回開催し、テーマとしては、留学生との接点の作り方とインターンシップの有効活用、外国人留学生の採用手法、外国人社員の定着と活躍促進をそれぞれテーマとして実施し、7月は18人、10月は30人、2月は21人が参加した。
企業見学ツアーは、12月と2月の2回実施し、工場見学や外国人従業員との懇談等を行った。12月は11人、2月は12人の留学生が参加した。
さらに、留学生の県内企業への就職につなげるため、今年3月に留学生向けのジョブフェアイベントを開催し、36社の企業が出展し、313人の留学生が参加した。
また、こうした事業を実施すると共に、留学生積極採用企業紹介ウェブサイトを運営し、留学生の採用に積極的な県内企業について情報発信している。
県内の大学及び大学院で学ぶ留学生に、県内企業に就職して活躍してもらうため、引き続きこれらの事業に取り組んでいきたい。
【委員】
コロナ禍でこういった取組もやりにくかった面もあるのではないかと思う。今答弁してもらった内容をしっかりと継続・発展させてもらいたい。
決算に関する報告書13ページの自治振興事業費のうち、2元気な愛知の市町村づくり補助金、約2.9億円について伺う。
元気な愛知の市町村づくりを応援するために、約1.5億円を使って、市町村又は広域連合が行う先進的な新規事業に対して助成したと記載があるが、どのような事業に助成したのか。
【理事者】
令和5年度の元気な愛知の市町村づくり補助金は、チャレンジ枠、DX推進枠、従来枠の三つの枠を設定し、総額で2億8,832万9,000円を助成した。
このうち、委員から質問があった先進的な新規事業に対して助成するチャレンジ枠については、あいちビジョン2030に沿って、市町村又は広域連合が地域の個性を生かして、自主的・主体的に行う先進的な新規事業を補助対象としており、41市町村と1広域連合に対し、合計1億4,788万9,000円を助成している。
助成事業の主な例として、例えば常滑市は、Aichi Sky ExpoにおけるMICEの誘致を推進するため、Aichi Sky Expoの利用者向けに、市内を周遊するシャトルバスの運行や、観光コンテンツを見学・体験するエクスカーション等を実施する事業を助成対象とした。
幸田町については、名古屋大学と連携して、コミュニティバスの現状調査・分析やルートの再編、公共交通を補完する新たな交通システムの導入等について検討し、公共交通の利便性向上を図る事業を助成対象とした。
また、豊橋市については、学校に行きづらさを感じる児童・生徒の居場所として、2か所の中学校内にエールームという部屋を新たに設置し、市内の全小中学校から希望する児童・生徒を受け入れる事業を助成対象とした。
【委員】
この補助金が様々な課題に対応する市町村の前例のない新たなチャレンジを後押しするような仕組みだと理解できた。引き続き市町村に積極的な活用を促すようお願いして、質問を終わる。
【委員】
令和5年度愛知県歳入歳出決算及び美術品等取得基金運用状況の審査意見書のうち、21ページ、第1款県税に関する意見によれば、様々な取組により個人県民税の収入未済額は年々減少している一方で、県税全体の収入未済額は9,441万余円増加したとある。
そこで、県税の収入未済額の縮減に向けた主な取組について伺う。
【理事者】
収入未済額の縮減に向けた主な取組としては、納税環境の整備、個人県民税対策及び滞納整理の強化の三つを柱としている。
具体的に、一つ目の納税環境の整備では、コンビニエンスストアでの納税及び地方税統一QRコードを利用したキャッシュレス納税の環境整備など、二つ目の個人県民税対策では、個人県民税は個人市町村民税と合わせて市町村が賦課徴収することから、市町村の徴収支援を積極的に行っている。三つ目の滞納整理の強化では、民間委託による自動車税種別割の未納者に対する電話集中催告及びインターネットによる公売などを行っている。
引き続きこれらの取組を着実に進め、租税負担の公平と財源の確保を目指して、収入未済額の縮減に努めていく。
【委員】
収入未済額全体の約7割を占める個人県民税の収入未済額の縮減に向けた市町村等の徴収支援の取組内容について伺う。
【理事者】
個人県民税対策としての市町村の徴収支援の取組として、県と市町村税務職員の交流制度、市町村税徴収支援アドバイザーの設置及び個人住民税の県による直接徴収の三つの取組を行っている。
一つ目の県と市町村税務職員の交流制度では、市町村職員全体の徴収技術の向上を図るため、希望する市町村に対して、県税徴収職員を、1市町村当たり年間60日を限度に派遣し、滞納整理のための研修や市町村税滞納案件の滞納整理方針の策定、滞納整理のための助言などを行っている。
また、市町村の徴収職員の育成を目的として、希望する市町村を対象に、1市町村当たり年間60日を限度に、名古屋東部県税事務所特別滞納整理室へ職員を受け入れ、県税徴収職員の指導の下で徴収技術に関する実務的指導、OJTなどを行っている。
二つ目の市町村税徴収支援アドバイザーの設置では、市町村に対する徴収支援アドバイザーを各県税事務所に配置し、日々市町村から滞納整理の相談や徴収職員向けの研修依頼に対応しており、毎年300人前後の市町村職員に対し、研修を行っている。
三つ目の個人住民税の県による直接徴収では、地方税法の規定に基づき、市町村において滞納整理困難な案件について、県と市町村が協議の上、県に引継ぎを受け、名古屋東部県税事務所特別滞納整理室で徴収及び滞納処分を行っている。
また、案件を市町村へ返還する際には、滞納整理方針等に関する助言を行うなど、市町村職員の徴収技術の向上に努めている。
【委員】
令和5年度愛知県歳入歳出決算及び美術品等取得基金運用状況の審査意見書の16ページによれば、不納欠損額は、令和4年度と比べて1億2,500万余円減少している。
県税の不納欠損額の縮減に向けた主な取組について伺う。
【理事者】
県税の不納欠損は、地方税法第15条の7の規定に基づき、滞納処分の執行停止の処理を行い、執行停止から3年を経過した後に不納欠損を行う。
不納欠損の前提となる滞納処分の執行停止は、滞納整理における財産調査などの調査を尽くしても、滞納処分できる財産が全くない、滞納処分することにより生活困窮を招くおそれがある、または滞納者の住所及び財産が共に不明のいずれかの事実が認定された場合に行うものである。
不納欠損額の縮減に向けては、執行停止の要件ともなる、財産が全くない状態となる前の、できる限り早い時期から滞納整理に着手することが重要だと考えている。
このため、納期限経過後、速やかに納税折衝や財産調査に着手できるよう、金融機関に対する預貯金調査の電子化などの取組に加え、調査事務へのRPAの活用など、ICTを積極的に活用することで、効率的に滞納整理を進め、滞納の長期化の抑制、不納欠損額の縮減に向けて取り組んでいく。
【委員】
不納欠損の縮減には、収入未済発生時の早期の対策が重要であると思う。収入未済額の約7割を占める個人県民税について、キャッシュレス納税等、さらなる納税環境の整備と併せて、地区の滞納整理機構などを通じた市町村との連携支援によって、徴収率の向上に向けた取組の推進を要望して質問を終わる。
その中で、特に滞納整理機構について、地元の愛知県豊田尾張東部滞納整理機構が令和元年度に解散し、その後しばらく間が空いて、日進市・みよし市・豊明市・東郷町で構成される愛知尾三地区滞納整理機構が、令和4年度から5年間の時限で令和8年度まで存続することとなっている。先ほど申し上げたように、間が空くことなく市町村の徴収の支援・強化することが県にも大きな影響があると考えている。
引き続き、こうした滞納整理機構を通じて市町村の支援を要望する。
【委員】
税以外の債権の収入未済額について伺う。
このテーマについては、令和4年度に包括外部監査が行われており、包括外部監査法人の弁護士の田口勤先生が、未収金の解消に向けた取組の対象となり得る債権を中心に、債権の管理・回収の在り方の一般ルールをどう整理すべきか報告している。非常に重要なテーマだと思う。債権の管理・回収に関して、具体的な問題提起がされており、複数の局にまたがる全庁的な問題として不納欠損処分の取扱いを県で統一するべきであるなどの意見が示されている。回収見込みのない債権について、効率的でないような業務を延々と行っているのは非効率であって、今まで特に回収一本槍だったのに対して、一定のルールに基づいて、放棄や不納欠損処分することによって効率化を図るという観点が示されている。非常に大事な議論だと思う。
総務局として、この包括外部監査の結果をどのように受け止めて、税外債権の債権回収に関するルールづくりについてどのような取組をしたのか伺う。
【理事者】
税外債権の管理・回収に関して、令和4年度の包括外部監査において、債権放棄の円滑化や不納欠損処分の取扱いの統一などについて意見があり、総務局としても、全庁的な対策について現在検討を進めている。
県の債権管理は、公平公正な負担の観点が重要であるが、一方で、適正な債権管理・回収業務を行ってもなお回収可能性のない債権は、事務の効率性や人的資源の有効活用の観点から、一定の規準の下で整理することも必要であると考えている。
そこで、包括外部監査での意見も踏まえて、回収可能性がない債権についての債権放棄や不納欠損処分の統一的な基準を作成するとともに、あわせて、債権放棄または不納欠損処分までに行うべき債権回収手続の標準的な手順・手法を整理して、2024年度中に各局に周知していきたいと考えている。こうした取組を通じて、さらに適正な債権管理・回収に取り組んでいきたい。
【委員】
要望になるが、包括外部監査の報告書によると、県における税外債権の収入未済額は、このところ60億円程度であり、増減がない状態である。新たな収入未済に組み込まれる金額と、回収した収入未済金の金額が相殺され、結局60億円程度の未済額が毎年存在している状況だと思われる。
これは、税における処理の方針と基本的には同じ考え方ではあるが、中身を見ると、高等学校等奨学金貸付金のように、教育の機会均等や、憲法に基づく文化的な最低限度の生活を保障するために貸与したものの回収がある。これは一般的な税の回収とは異なる、質的な判断も必要になると思う。
そのため、各局が所管する債権にはいろいろな種類があり、高等学校等奨学金貸付金など、いろいろな課題があるため、とにかく回収一本のやり方だけではなく、行政の効率化の観点から、あるいは福祉的な配慮の面からも、債権の放棄や、不納欠損処理を行うよう、総務局において全体的なルールをまず定めてもらい、それを各局がマニュアル化して取り組んでいくことが必要だと思うので、ぜひ今年度も引き続き検討してもらいたい。先日も専門家によるヒアリングの席で傍聴させてもらったが、この作業を急いでもらい、今年度、このルールが早く示され、各局のマニュアルに生かしてもらうようにお願いする。
次に、決算に関する報告書、17ページに県会議員選挙のうち、選挙の執行費用について伺う。
これは令和5年度の選挙費として計上しているだけではなく、4月に執行された選挙である第20回の県会議員選挙の費用も含まれていると思う。そのため、予算額、決算額及びその差額について、第20回の県会議員選挙に係る費用と、4年前の第19回の県会議員選挙に係る費用との比較において、どのような状況になっているのか。
【理事者】
令和5年執行の第20回の選挙では、令和4年度補正予算及び令和5年度当初予算の合計が約25億7,816万円であったのに対して、2か年度分の決算の合計額は約15億6,951万円で、差額は約10億864万円となっている。
また、平成31年4月執行の第19回の選挙では、平成30年度補正予算及び平成31年度当初予算の合計が約22億6,667万円であったのに対して、2か年度分の決算額の合計は約13億5,236万円で、差額は約9億1,431万円となっている。
【委員】
約4割に及ぶ費用が不用額として生じているが、これだけ大きな差額が予算と決算の間に生じている理由は何か。
【理事者】
差額が大きく生じた理由として、一点目に無投票となった選挙区が多かったことが挙げられる。令和5年4月執行の選挙では、55選挙区のうち24選挙区が、平成31年4月執行の選挙では、55選挙区のうち26選挙区が無投票となっている。無投票となった選挙区の市区町村においては、投票所経費や開票所経費などが不用となったことにより、予算額との差が生じている。
また二点目として、候補者数が想定数を下回ったことが挙げられる。令和5年4月執行の選挙の候補者数は146人、平成31年4月執行の選挙の候補者数は138人であり、それぞれ予算編成時において想定した候補者数を下回ったことにより、候補者の選挙運動に要した費用を公費で負担する選挙公営費について、予算額との差が生じている。
【委員】
この大きな不用額が生じている事態は、選挙のあるべき姿からして、決して望ましいことではない。大きな不用額が生じた理由について無投票の選挙区の率が高いとのことだが、全国的に見ても、愛知県議会議員選挙は、非常に高い部類に入っている。要因はいろいろとあるため、様々な角度から議論されるべきだと思う。
昨年の第20回の県会議員選挙は、投票率が過去最低であり不名誉なものであった。投票率の向上のために、県はいろいろな工夫をしていると思うが、令和5年度の選挙の執行に当たっては、投票率の向上のためにどのような工夫をしたのか。
【理事者】
投票率の低下は、県選挙管理委員会においても危機感を持っており、投票率向上のためには、啓発活動だけでなく、有権者がより投票しやすい環境を整備することが重要である。その取組の一つとして、県選挙管理委員会では、選挙が執行される際に、市区町村の選挙管理委員会に対して、期日前投票所の増設を呼びかけており、特に利便性の高い商業施設等への期日前投票所の設置、バスなどを利用して複数の箇所を巡回する移動期日前投票所の設置など、投票環境の向上について積極的に検討してもらうよう、必要な助言を行っている。
令和5年執行の選挙では、無投票になった市区町村も含めて、県内で165か所の期日前投票所が設けられており、平成31年執行の選挙の142か所と比べて23か所増えている。
【委員】
要望になるが、投票率の向上のために投票年齢が引き下げられて、18歳から投票できることになり、最初は投票率が上がった。しかし、その後かなり落ち込んだ状態が続いている。
こうした学生などの若い人の投票率をいかに上げるかという課題と、高齢化が非常に進み、自力で投票所に行くことや認知症などで投票が非常に困難な状態になっている人が沢山いる課題がある。
郵便投票や投票時の職員による代筆など、いろいろな配慮をしているが、決して利用しやすいとはいえないため、身体や文字を書くことが不自由になり、認知能力が低下した人にも、投票がしやすい措置はさらに充実されるべきだと考えているので、工夫を重ねてもらうよう要望する。
【委員】
決算に関する報告書の3ページ、広報広聴推進事業費について、今若い人を中心にテレビ離れや新聞離れが進んでおり、SNSという新しい媒体が非常に力を発揮している。県として、テレビや新聞を読まない層に向けて、どのような広報活動を行っているのか。
【理事者】
広報広聴課では、新聞、テレビ、ラジオ等様々な広報媒体を通じて幅広く県民に県政情報を発信している。
新聞離れとも言われているが、新聞に掲載した広報あいちを、県庁舎はじめ、県民事務所などの紙面で掲示しているほか、県の公式ウェブページ、ラインやエックスなどSNSで広報あいちが発行されたことを周知することに努めている。
また、テレビ離れについても、テレビ番組を広報広聴課で作成しており、放送後にユーチューブや、在名民放テレビ局が共同で運用している無料動画配信サービス、ロキポに配信し、リアルタイムでテレビを見ない人に対しても視聴できるように努めている。
そのほか、県の公式動画サイト、インターネット情報局では定例記者会見や県の施策の紹介動画を配信しており、こちらもユーチューブを介して見ることができるため、テレビを見ない人や新聞を読まない人に対しても情報を届けるように努めている。
【委員】
紙媒体やテレビ、新聞、ラジオが必要な人も大勢いるが、若い人に関心を持ってもらうため、そういった媒体も引き続き並行して進めてもらいたい。
決算に関する報告書7ページ、(3)愛知の産業グローバル化を支える留学生受入事業費補助金について、受入国にベトナムをはじめ6か国とあるが、6か国の内訳を伺う。
【理事者】
6か国の内訳は、ベトナム、インド、バングラデシュ、マレーシア、モンゴル、カンボジアである。なお、本事業の受入対象国は、日本以外の全ての国としている。
【委員】
補助額約2,100万円の内訳を伺う。
【理事者】
愛知の産業グローバル化を支える留学生受入事業では、毎年5人を県内の大学院に留学生として受け入れており、補助の内訳としては、留学生1人当たり、滞在費としてひと月15万円のほか、日本への渡航旅費、研究生及び大学院の授業料、入学料、検定料を支給している。対象期間としては、研究生として6か月間、その後、大学院修士課程に2年間の計2年6か月であり、昨年度は研究生が5人、大学院1年生が5人、大学院2年生が1人の計11人に合計で2,125万7,086円を支給した。
ちなみに滞在費については、留学生がアルバイトなどをしなくても自己の研究に専念できるよう、国費の留学生1人当たり、ひと月14万4,000円を上回る額としている。
なお、2013年度に事業を開始して以来、これまで卒業生68人のうち、84パーセントに当たる57人が県内企業に就職している。
【委員】
国より手厚い制度のため、この制度は今後も続けてもらいたい。
【委員】
決算に関する報告書11ページ、4のテレワーク環境整備費について、報告書を見ると、職員の多様な働き方の実現や新型コロナウイルス感染症拡大防止策としての在宅勤務を支援するため配備したテレワーク専用端末1,100台の利用環境の整備を行ったとあるが、テレワーク環境整備費の事業内容及び1,100台の配置状況について伺う。
【理事者】
テレワーク環境整備費は、令和元年度に職員の柔軟な働き方の推進などを図るために試行導入したテレワーク専用端末100台と、令和2年度に新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策の一環として、職員の在宅勤務をより効率的に実施し、促進するために追加導入した1,000台の、合わせて1,100台を運用するための経費である。
いずれも5年間のリース契約としており、決算額3億8,081万6,408円は令和5年度の1年間の端末や管理サーバのリース料のほか、通信回線の使用や運用保守などに係る費用の合計となっている。端末の配備に当たっては、全庁で広く利用できるよう、原則として本庁の各課室のグループごとに1台、地方機関は各課室に1台となるように配備している。
【委員】
令和4年度の実績について、開庁日は1日当たり平均157台が利用されており、1日で最も多く利用された台数は435台と聞いた。それと比較して昨年度の利用実績についてどうであったか伺う。
【理事者】
テレワーク端末の令和5年度の利用実績は、全利用台数が延べ3万4,984台で、開庁日1日当たりの平均台数は144台である。また、1日に最も多く利用された台数は286台であった。
【委員】
1,100台の内、最大で286台とのことだが、決算額を配備台数で割ると、1台当たり約34万6,000円になるため、非効率な使い方だと思う。
次に、昨年の5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類感染症から5類感染症となり、企業でもリモートではコミュニケーションが図りにくいため、コミュニケーションが図れるような形にしていく考えが強くなりつつある。県でもテレワークの見直しが必要ではないかと思うが、今後のテレワークの環境整備について伺う。
【理事者】
テレワーク環境は、多様な働き方を実現するために有効なツールであり、周辺環境の変化に柔軟に対応できるように見直しを図りながら、引き続き維持していく必要がある。
先ほど少し説明したが、テレワーク環境を構築するために、令和元年度に100台、令和2年度に1,000台の端末とサーバなどの設備を導入したが、令和3年度から職員が庁内で使用する1人1台パソコンを薄型軽量のテレワークができるタイプに切り替えたため、今後は1人1台パソコンにテレワーク機能を統合する形で進めていきたいと考えている。
また、サーバ等の設備についても、利用可能数が調整しやすく、安全面や費用面で現状と同等レベルのクラウド型のテレワーク環境に移行することにより、今後、コロナ禍のような非常時には遅滞なく利用可能数を増やすなど、周辺環境の変化に柔軟に対応できるよう見直しを進めていきたい。
このような取組を進めながら、引き続きテレワーク環境を維持していきたいと考えている。
【委員】
要望になるが、令和元年度に導入した100台は、利用年度が終了したが、令和2年度に導入した1,000台は、令和7年度も引き続き利用できる。これが民間企業であれば、費用対効果の問題で多額の損失を被ることになるため、もう少し計画的な形にしてほしいと思うが、行政の場合は、リース契約とした以上は、稼働率を上げ、県民のためや職員のワークライフバランスのために利用するなど、何かの効果が得られなければいけない。
現状、約8割の端末が遊んでいるため、積極的に端末を活用してもらいたい。
【委員】
決算に関する報告書4ページ、(1)広報紙発行費について、県の広報紙である広報あいちは、新聞紙面の枠を購入し、新聞紙面上に印刷して発行しているが、新聞の購読者数が急速に減っている。そのような状況を受け、他県の広報の仕方を見ると、タブロイド判とかA4判で、駅頭とか公共施設などに設置してあり、誰でもそれが受け取って帰れるようになっているため、愛知県もぜひそのやり方をお願いしたいと今年の2月定例議会の本会議の議案質疑で発言した。その後、新聞を購読していない世代に対して、県政情報を伝えるため、県はどのような取組を行ったのか。
【理事者】
新聞を購読していない世帯の人に対して、広報あいちと同じ県政情報をお届けするため、県庁舎をはじめ、各県民事務所など、40か所あまりの県施設へ原寸大紙面を掲示しているほか、県公式ウェブページにも掲載している。先ほど説明したように、ラインやエックスなどSNSでお知らせを発信して、県の公式ウェブページで、それを見てもらう取組もしている。
そして新たな取組として、本年10月発行号の広報あいちから、愛知県図書館において、紙で手に取ってもらうような配架を始めた。新聞を購読していない世帯の人に対しても、広報紙を手に取ってもらうための取組として始めた。
これからも引き続き、新聞を購読していない世帯に対しても、広報あいちの掲示や県図書館のような県施設への配架を検討すると共に、広報あいちだけでなく、県の公式ウェブページをはじめ、県が制作しているテレビ番組やラジオ番組、新聞以外の媒体を効果的に組み合わせて、一人でも多くの人々に県政情報を届けられるよう努めていく。
【委員】
10月から愛知県図書館で広報あいちを新たに配架し、紙で持って帰れるような形がスタートしたため、一歩前進したと思う。この取組をさらに広げてもらいたいと思う。市町村の庁舎のほか、駅舎にも公共交通機関と協力して設置してもらうことが大事であると思っている。
実際、新聞購読者数は10年前の平成26年に県内で200万世帯あったが、直近2023年では県内で136万人に激減している。私の周りでも、新聞やテレビの報道の在り方が、ここ数年特におかしく、正しい情報を伝えていないと感じ、見ることをやめた人もかなりいる。今後その傾向はさらに進んでいくと思っている。
その中で、県内の人口が746万人、2020年の国勢調査の世帯数は326万世帯のため、326万世帯に対して136万世帯であり、県内の全世帯数の約3分の1しか届いてない。情報公開や広報活動は住民自治の基本であり、損害賠償請求や住民監査請求でこのことを指摘されたら、県は合理的な説明ができないと思う。このことを内部監査で指摘し、改善してもらいたいと思っている。
繰返しになるが、他県ではタブロイド判とかA4判で公共施設や駅舎に配架し持ち帰ることができるようになっている。このことを踏まえ、県は今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
昨年度調べたところ、他府県で半分くらいが紙での配架・配布をしており、新聞購読率が徐々に減っていることも課題として十分認識している。ただ、県政世論調査の結果において、県の広報情報をどちらからお知りになりましたかという質問に対しては、あくまでも新聞、テレビ、ラジオなどのマスコミ情報が上位に来ているという事実はある。
まだまだ新聞を取ってない人に対する情報が十分伝わってないのではないかという指摘に対しては、新聞紙面を県機関に提出し、今後、県機関で新たに広報あいちを配架してもらうところを検討していくなどのことに付け加えて、市町村の広報紙に県政情報を載せてもらうように、毎月県政情報を市町村へ提供している。
基本的に各戸配布されることが多い市町村の広報紙は、地域密着の情報誌として、広報効果は高いと考えているので、今後も市町村に取り上げてもらいやすい県政情報を提供できるように努めていきたい。
駅への配架については、例えば東京都では東京メトロの駅や市町村が駅舎に持つ広報コーナーに広報誌が置いてあり、協力がもらえる施設があれば検討していきたいと考えているが、今のところは今後も新聞掲載を続けながら、県機関で配架できるところを探していきたいと考えている。
【委員】
各部局で県民参加型の楽しいイベントをたくさんやっている。例えば農林水産局では、いいともあいちネットワークがある。県民や事業者に参加してもらえる事業をたくさん各部局でやっているため、そういったことをしっかり周知していくためにも、ぜひお願いしたい。
次に決算に関する報告書7ページ、1のあいち国際戦略プラン推進費について伺う。
最近、アメリカ大統領選挙でトランプ氏が当選した。アメリカファーストということで、またトランプ氏に期待する向きもあるが、長いスパンで見たときに、世界規模で西洋中心から東洋中心へのシフトというのはもう避けられない、アメリカの凋落はもうトランプ氏がやっても止められない状況にあると思っている。一方で、ブリックスやグローバルサウスが人口やGDPで台頭してきており、国内にいるだけでもそれをひしひしと感じている。
その中で、アメリカ、ドイツ、フランスといった西洋だけでなく、ほかの地域も含めた戦略をしっかりとスピード感を持ってやっていかなければならないが、今後のあいち国際戦略プランの推進において、国際戦略をどのように考えているのか。
【理事者】
本県では、これまでも友好提携を結んでいる国をはじめ、相互協力や経済提携の覚書を結んでいる国や、環境など特定分野を対象とした提携を結ぶ幅広い国や地域を訪問しており、まずはこうした国・地域との交流、連携を一層深めていきたい、それから併せて、本県が取り組む事業と連携できるところがあれば、積極的に検討していきたいと考えている。
また、本県では、あいち国際戦略プラン2027の中間評価を来年度に実施する計画であり、今後、次期プランの策定も見据えつつ、方針の検討や有識者のヒアリングを行っていく予定である。
【委員】
次に決算に関する報告書8ページ、2の友好提携交流事業費について、友好提携先の一覧が報告書で示されているが、愛知県としても、ブリックス、グローバルサウス、中東、アフリカ、南米とネットワークを作らなければならない。友好都市提携先をもっと増やしていくべきだと思うが、いかがか。
【理事者】
本県では、これまでアジア、オセアニア、欧米、中東の地域の国家機関あるいは地域政府との間で三つの友好提携、21の相互協力及び経済連携、並びに8つの特定分野を対象とした覚書を結ぶなど、幅広い地域の多数の国や地域と提携をしている。
まずはこうした国や地域との交流、連携を一層深めていきたい、それから併せて、本県が取り組む事業と連携できるところがあれば、積極的に検討していきたいと考えている。
【委員】
次に決算に関する報告書15ページ、6東三河「新しい人の流れによる新たな魅力と価値」創造事業費、8山村振興ビジョン推進費、9離島活性化事業費の事業について、それぞれの事業の実績と今後の課題について伺う。
【理事者】
初めに、東三河「新しい人の流れによる新たな魅力と価値」創造事業費については、県内で先行して人口が減少している東三河地域において、関係人口の創出や移住・定住を促進するものである。昨年度は、東三河地域の企業と東京圏の企業等の人材とのマッチングを図る3人のコーディネーターを設置し、東三河地域の企業と首都圏の広告代理店に勤めるPRプランナーがコーディネーターを介してマッチングし、日本酒の新たなPR方法による情報発信につながった。
また、担い手不足により、地域資源の保存や活用が難しくなっている中で、市町村と連携して、歴史資源の保存等を行うボランティアを広域的に募集し、73人に新たな担い手として参加してもらった。
次に、山村振興ビジョン推進費について、本県の面積の約3分の1を占め、水源の涵養、自然災害の防止などの重要な役割を担っている三河山間地域の振興を図るために策定した、あいち山村振興ビジョン2025に基づき、関係人口の創出や移住・定住を促進するものである。昨年度は、アフターコロナ時代の新たなライフスタイルであるワーケーション等を三河山間地域で推進するため、企業等を対象としたモニターツアーを4回実施した。
また、三河山間地域において、起業等により地域の課題解決に取り組む人材をアントレワーク実践者として募集・選定し、7人の実践者を支援したほか、集落活動を応援したい個人と集落が求める活動とマッチングする集落応援活動を10回実施し、集落機能の維持、活性化につなげた。
次に、離島活性化事業費について、人口減少や高齢化による担い手不足が進む佐久島、日間賀島、篠島の3島において、島の活性化に寄与する関係人口の創出を促進するものである。昨年度は各島の課題解決のためのスキルを持った外部人材をサポーターとして募集、選定し、例えば佐久島においては、古着等をアップサイクルする活動を行っている島民の団体が、サポーターの力を借りて、活動費をまかなうための作品販売にチャレンジすることに取り組んだ。また、佐久島をモデルとして、離島におけるワーケーション等を推進するため、企業等を対象としたワーケーションのモニターツアーを7回、大学生を対象としたスタディケーションのモニターツアーを5回実施した。
こうした様々な取組を進め、関係人口の創出や移住・定住を促進してきた結果、三河山間地域においては、2年連続で移住者が増加するなどの成果が表れているが、東三河地域、三河山間地域及び離島3島の人口は、残念ながら2023年度も引き続き減少している。
こうした中で、地方への移住や田舎暮らしへの関心が高まっていることから、今後の課題として、この関心の高まりを、東三河地域、三河山間地域、それから離島3島における関係人口の創出や移住・定住の促進につなげていくことが、より一層重要になるものと考えている。
【委員】
これらの取組はそれぞれ、共感できるものばかりで、内容的にもユニークな取組もあり、大いに進めてもらいたいと考えている。
答弁であったように、田舎暮らしの関心が高まっており、そこをしっかりと後押ししなければならないと思っている。日本の地域の豊かさというのが、山村とか漁村にあると思っている。名古屋などの都会に住んでいるだけでは、分からない価値がある。
人口減少とか担い手不足は、山村・漁村の維持にとって重大な課題であるため、予算規模を増やしてもよいのではないかと考えている。今後、どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
地方移住や田舎暮らしへの関心の高まりを、東三河地域、三河山間地域、離島3島の関係人口の創出や移住・定住の促進につなげていく必要があり、事業の対象を拡大するなど、さらなる取組を進めていく必要があると認識している。
このため、まず今年度としては、東三河地域においては、地域活動の担い手として、新たに地域課題に関心がある学生をターゲットとして、地元住民と交流しながらフィールドワークや草刈りを通じて地域活動を学ぶプログラムを実施するとともに、新たに農作業等に関心のある女性もターゲットとして、女性の農業実践者の団体と交流して、草刈りや農業を体験する取組も実施している。
また、三河山間地域においては、昨年度実施したワーケーションモニターツアーの実施結果等を踏まえて作成した、あいちの山里型ワーケーションのマニュアルを、地元市町村としっかり共有するとともに、県のウェブサイトにも掲載して、各市町村から推薦があったワーケーションが可能な施設の情報をさらに拡充し、広く情報発信していきたいと考えている。
さらに、離島においては、昨年度、佐久島において実施したワーケーション及びスタディケーションの成果を他の島へ広げていくため、今年度は日間賀島及び篠島においてもワーケーション及びスタディケーションのモニターツアーを実施している。今後も引き続き、こうした取組を進めて、関係人口の創出や移住・定住の促進に向け、積極的に取り組んでいきたい。
【委員】
鋭意進めてもらいたいと思う。
次に決算に関する付属書340ページからの公債管理特別会計のうち、342ページ及び343ページの公債管理特別会計歳入第3款、県債で約2,198億円と計上されている借換債について、借換えはどのような考え方で行われているのか伺う。
【理事者】
地方債の償還年限は、地方財政法において、当該地方債を財源として建設した公共施設、または公用施設の耐用年数を超えないようにするとしていることや、国の地方債同意等基準において、原則として償還年限は30年以内とすることが適当とされていることを踏まえて、本県の県債は基本的に30年で償還するとしている。
そうした中、実際の県債の発行に当たっては、市場環境や投資家ニーズを踏まえて、5年、10年、20年などの年限で発行しているため、発行年限が30年未満の県債については、年限到来時点における未償還の元金相当額を改めて借り入れて、トータルとして30年間で償還することとしている。
【委員】
令和5年度については、日本銀行の金融政策変更の影響による金利上昇もあった。愛知県債の利率にどのような影響があったのか伺う。また現在のような、金利上昇局面において、借換えの回数が多いと、その分リスクが高くなると思うが、そうした金利上昇のリスクに備えて、県としてどのような対策、取組を行っているのか伺う。
【理事者】
愛知県債の利率への影響であるが、本県は発行年限が10年の満期一括償還方式の県債を毎月発行しており、その利率をみると、令和4年度の平均利率は0.472パーセント、令和5年度の平均利率は0.772パーセント、令和6年度は、これまでのところ1.052パーセントまで上昇している。
こうした金利上昇局面においては、金利が借換え時のリスクとなり得るため、県債の発行に当たっては、需要と供給の偏りによる一時的な影響を抑えるために、発行時期の平準化や発行年限の多様化に取り組むほか、発行時期、年限などをあらかじめ特定しない発行枠であるフレックス枠を設け、これを市場環境に応じて機動的に活用するなど、発行の柔軟化に取り組んでいる。
( 委 員 会 )
日 時 令和6年11月18日(月) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
石井芳樹、天野正基 正副委員長
横井五六、神野博史、高桑敏直、政木りか、林 文夫、宮島謙治、
高木ひろし、松本まもる、山口 健、古林千恵、末永けい 各委員
防災安全局長、防災部長、県民安全監、
政策企画局長、企画調整部長、国際監、ジブリパーク推進監、
総務局長、総務部長、財務部長兼財政課長、
人事局長、人事管理監兼人事課長、
会計管理者兼会計局長、同次長、監査委員事務局長、同次長、
人事委員会事務局長、同次長兼職員課長、議会事務局長、同次長、
関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
○ 決 算
決算第1号 令和5年度愛知県一般会計歳入歳出決算
決算第2号 令和5年度愛知県公債管理特別会計歳入歳出決算
決算第3号 令和5年度愛知県証紙特別会計歳入歳出決算
決算第4号 令和5年度愛知県母子父子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算
決算第5号 令和5年度愛知県国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
決算第6号 令和5年度愛知県中小企業設備導入資金特別会計歳入歳出決算
決算第7号 令和5年度愛知県就農支援資金特別会計歳入歳出決算
決算第8号 令和5年度愛知県沿岸漁業改善資金特別会計歳入歳出決算
決算第9号 令和5年度愛知県県有林野特別会計歳入歳出決算
決算第10号 令和5年度愛知県林業改善資金特別会計歳入歳出決算
決算第11号 令和5年度愛知県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算
決算第12号 令和5年度愛知県県営住宅管理事業特別会計歳入歳出決算
(結 果)
全員一致をもって認定すべきものと決した決算
決算第1号から決算第12号まで
<会議の概要>
Ⅰ 防災安全局関係
1 開 会
2 決算概要の説明
決算第1号 令和5年度愛知県一般会計歳入歳出決算
歳出第2款総務企画費(第6項防災安全費、第7項災害救助費)及びこれに関する歳入
3 質 疑
4 休 憩(午後2時25分)
Ⅱ 議会事務局、政策企画局、総務局、人事局、会計局、人事委員会事務局、
監査委員事務局、選挙管理委員会事務局関係
5 再 開(午後2時33分)
6 決算概要の説明
決算第1号 令和5年度愛知県一般会計歳入歳出決算
歳出第1款議会費、第2款総務企画費(第1項政策企画費~第5項選挙費、第8項監査委員費、第9項人事委員会費)、第11款公債費、第12款諸支出金、第13款予備費及びこれらに関する歳入
決算第2号 令和5年度愛知県公債管理特別会計歳入歳出決算
決算第3号 令和5年度愛知県証紙特別会計歳入歳出決算
7 質 疑
8 採 決
9 委員長報告の決定
10 閉 会
(主な質疑)
《防災安全局関係》
【委員】
令和5年度決算に関する報告書の23ページから24ページに記載されている消防連絡調整費のうち、(2)の消防団加入促進事業費について伺う。
昨今、地方部を中心に人口の減少と高齢化などが進み、また仕事とこの消防団の活動との両立の難しさなどから、私の地元知多市においても消防団に加入する若手層が減少しており、今後消防団の活動を維持していくことが年々厳しくなっている状況である。
そこで、消防団加入促進モデル事業は一体どのようなものか、また、どのように委託先市町村を選定して、どの市町村に委託したのか伺う。
【理事者】
消防団加入促進モデル事業は、消防団加入促進の取組について、他の地域のモデルとなるよう先進的な事業提案を市町村から募り、県の委託事業として実施するものである。
実施市町村については、先進性や発展性等について、外部有識者を含む選定委員会で審査し、決定している。
2023年度は、名古屋市及び豊田市から事業提案があり、審査の結果、当該2市を選定し、委託契約を締結している。
【委員】
モデル事業として選定した名古屋市と豊田市の事業内容はどのようなものなのか。
【理事者】
名古屋市においては、プロスポーツチームと連携した消防団加入促進事業を実施している。具体的には、プロサッカーチームの名古屋グランパスエイトや、プロバスケットボールチームの名古屋ダイヤモンドドルフィンズの協力の下、ショッピングモールや試合会場の周辺において、楽しく消防団活動を体験できる普及啓発イベントを開催した。
豊田市においては、ソーシャルメディア広告を活用した消防団加入促進事業を実施している。具体的には、消防団普及啓発の広告を、静止画や動画で作成し、インスタグラムで配信した。
広告の中で、イベントの告知も同時に行い、インターネット上とリアルイベントの双方で加入促進を図っている。
【委員】
モデル事業によってどのような成果があったのか。
【理事者】
名古屋市が実施したプロスポーツチームと連携した消防団加入促進事業については、1万人を超える非常に多くの人が来場する場所で、消防団活動をPRすることができたと考えている。
また、豊田市が実施したソーシャルメディア広告を活用した消防団加入促進事業については、インスタグラムで約186万回の広告を表示しているが、特に34歳未満の表示回数が多くなっており、若い世代に対して広く発信できたと考えている。
2市の取組については、2月27日に事例報告会を開催することで、県内の市町村に広く共有し、他の市町村での取組の参考としてもらっている。
【委員】
いろいろな取組をしてもらっているが、消防団の活動は地域防災の要であり、多くの人々の協力が必要となってくる。現状はいろいろな地域ごとの課題もあり、その課題に対応することは、地元としてももちろん、より多くの若者が消防団へ加入できる環境を整えて、こうした消防団の加入促進モデル事業について、引き続き実施してもらい、県内により広く共有してもらうことを要望して、私からの質問を終わる。
【委員】
今、委員から質問があったが、私も消防団加入促進事業費について質問する。
全国的に消防団員が減少傾向にあり、私の地元東海市も同じであるが、確保が本当に難しくなっていると聞く。消防団員は愛知県全体で必要人数を確保できているのか。
【理事者】
消防団員の定員については、各市町村が条例で定めているところであり、県内市町村の条例定数の合計は2024年4月1日現在で2万5,545人となっている。これに対して消防団員数は、2万991人であり、定員に対する充足率は82.2パーセントとなっている。
【委員】
100パーセントが望ましいが、82.2パーセントということで、100パーセントを目指して取り組んでもらわなければならないが、どのような取組を行い、どのような成果があったのか伺う。
【理事者】
2023年度は消防団活性化対策事業として、1月20日のあいち消防団の日を中心に、市町村と連携して、県内一斉のPRを実施した。啓発活動の実施に当たっては、若者や女性に効果が高いと考えられるコンビニのレジモニター、ラジオ及びSNS等の媒体を活用したほか、あいち消防団PR大使のOS☆Uにも啓発グッズの配布に協力してもらった。
また、消防団を地域全体で応援するあいち消防団応援の店の普及促進など企業等と連携した取組を実施している。
さらに、市町村が行う消防団の加入促進に係る取組を支援するため、消防団加入促進モデル事業の実施や、消防団加入促進事業費補助金の交付により、消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図った。
続いて、こうした加入促進の取組の成果、消防団員数の推移であるが、本県の消防団員数については、過去5年間の推移を見ると減少傾向にあり、2020年の2万2,764人が2024年には2万991人と、1,773人減少している。
一方、学生の消防団員は、2020年の613人が2024年には854人に、女性の消防団員は、2020年の934人が2024年には1,033人に増加しており、これまでの様々な加入促進の取組の成果が徐々に出てきていると考えている。
【委員】
いろいろと加入促進に向けて取組を行った結果、若い人、特に学生や女性の消防団員が徐々に増えているという成果が出てきたとのことである。これまでの取組の結果、どのような課題があり、今後どのような取組を行っていくのか伺う。
【理事者】
学生や女性の消防団員数は増加傾向が見られるものの、消防団員全体の数については、減少傾向が続いていることが最大の課題と考えている。
このため、引き続き市町村と連携して、消防団員の加入促進に取り組んでいくことが重要であると認識しており、消防団加入促進事業費補助金の交付等により、市町村が行う広報活動等の取組を支援していきたい。
また、消防団員になることのメリットを感じてもらうことも重要であり、消防団員が割引などを受けられる消防団応援の店制度のPRにも努めていきたい。
なお、今年度は、消防団員カードの電子化に取り組むなど、同制度の利便性を向上し、活用しやすい制度となるよう取り組んでいるところである。
さらに、消防団の重要性や日常の消防団の活動について、広く県民に理解してもらい、消防団活動を支援してもらうことが重要であると考えている。このため、様々な機会を捉えて、消防団活動のPRを継続して行っていきたい。
【委員】
消防団員は仕事が終わってから練習し、実際に火災等あれば緊急に出かけて、危険も覚悟した活動だと思っており、先ほどの消防団応援の店制度のようにメリットがないと思っている。
東日本大震災があった際も、消防団員が水門を閉めに行って、犠牲に遭ったこともあるが、消防団は地域の防災力の要であり、地域防災力を強化するのに不可欠だと思う。今後とも加入促進に尽力してもらうよう要望して、質問を終わる。
【委員】
決算に関する報告書の25ページ、県民安全費の不用額約3,400万円の内容について伺う。
【理事者】
主な内訳としては、自転車乗車用ヘルメット着用促進事業費補助金が1,095万9,000円、自主防犯活動促進事業費補助金が932万9,000円、犯罪被害者等支援事業費が504万2,000円となっており、不用額の75パーセントを占めている。
【委員】
26ページ、27ページ、28ページにわたる内容であるが、それぞれの項目ごとに不用額が生じた理由を伺う。
【理事者】
まず、自転車乗車用ヘルメット着用促進事業費補助金については、児童・生徒及び65歳以上の高齢者のヘルメット購入費に対し、市町村と協調して補助を実施しているものであるが、昨年4月に道路交通法が一部改正され、法律上もヘルメット着用が努力義務化された影響等により、年度当初から補助制度を活用してヘルメットを購入する人が大きく増加し、10月末時点で当初予算額に近い実績となった。
このため、市町村に対し、年度末までの所要額を確認した上で、防災安全局内の既決予算を流用して必要な予算を確保したが、年度後半の申請件数が見込みを下回る市町村が多かったため、不用額が発生することとなった。予算額に対する執行率は83パーセントとなっている。
次に、自主防犯活動促進事業費補助金については、自主防犯団体等が行う防犯カメラの整備等に対し、市町村と協調して補助を実施しているものであるが、市町村からの申請要望額が多かったものの、制度開始初年度ということもあり、市町村において申請額の見込みが難しく、年度末に交付額の減額変更を行った市町村が多くあったことが要因である。予算の執行率は83パーセントとなっている。
また、犯罪被害者等支援事業費については、犯罪被害に遭った人々などへの見舞金や支援金などであり、被害者や遺族から申請があった場合に、滞りなく支払いできる件数を見込んで予算計上しているものであるが、申請数が見込みよりも少なく、不用額が発生した。予算の執行率は59パーセントとなっている。
特に自転車乗車用ヘルメット着用促進事業費補助金と自主防犯活動促進事業費補助金については、引き続き市町村からのニーズが高いことから、今年度は市町村の実績の動向を細かく注視しながら、配分額を調整するなど、不用額ができるだけ生じないよう工夫しており、予算の適正な執行に努めていく。
【委員】
特にヘルメットについては、私も地元岡崎市にある高校の見守りに携わっているが、多分岡崎市内で一番着用率が高いと思われる高校でも4割程度の印象であり、しっかり市町村と連携して進めてもらいたい。
令和5年度愛知県歳入歳出決算及び美術品等取得基金運用状況の審査意見書の53ページの参考、不用額の多い事業の主なもので、防災ボランティア活動基金事業費について、主な理由の記載があるが、不用額1,820万8,309円の理由について伺う。
【理事者】
防災ボランティア活動基金事業費については、県民や企業からの寄附を基金へ積み立てるための積立金と、基金を財源として、愛知県社会福祉協議会を通じてボランティア団体に交付する補助金の二つの事業から成り立っている。
まず、基金への積立に関しては、予算額1,000万円に対して、寄附により収納した金額125万691円を積み立てており、不用額が874万9,309円となった。
次に、補助金の交付に関しては、2023年度の対象となる災害としては、2023年6月2日の大雨による災害と令和6年能登半島地震の2件であり、1,000万の予算額に対して、合わせて54万1,000円の支出となっており、不用額が945万9,000円となっている。
これら二つの事業を合わせて、2,000万円の予算に対して、179万1,691円となり、不用額が1,820万8,309円となった。
【委員】
防災ボランティア活動事業費の周知について、どのように行っているのか。
【理事者】
防災ボランティア活動の周知について、補助事業者である社会福祉協議会において、ウェブサイトを通じて周知し、災害ボランティアの募集を行っている。
当該事業の対象となる災害を指定した際には、その旨を県の県政記者クラブに資料を配布し、併せて県のウェブサイトに掲載し、周知を行っている。
また、防災ボランティア活動基金への寄附については、県が行う防災啓発イベント、あいち防災フェスタに募金箱を設置したほか、防災減災カレッジなどの県民が集まる機会を捉えてPRを行っている。
さらに、フリーマーケットアプリであるメルカリで売買した売上げの一部を寄附してもらうなど、様々な媒体により寄附を募っている。
【委員】
防災ボランティア補助金について、ボランティアをする人から、補助対象者が5人以上で活動する団体・グループという規定があり、それが補助金申請の妨げになっているのではないかという意見を聞いているが、なぜ5人以上で活動する団体・グループを対象としているのか。また、個人のボランティアで利用できる補助制度はないのか。
【理事者】
本事業においては、ボランティア参加を発意した人から、家族や友人、同僚などに声がけをしてもらい、より多くのボランティアに参加してもらうことを期待して、5人以上の団体・グループで行うボランティア活動を応援することとしている。
そうしたことから、県として、一人で活動される防災ボランティアへの補助制度は設けていない。
なお、現在、個人のボランティアが利用できる支援制度としては、災害ボランティア車両の高速道路等の通行料の無償措置制度が設けられているほか、一部の市町村においては、市町村社会福祉協議会が個人ボランティアへの交通費等の補助を行っている。
【委員】
県としての今の実情は理解した。
能登半島地震に対しても個人ボランティアの人のいろいろな意見等も聞いており、社会福祉協議会とも連携してもらい、少しでも多くの人が取り組みやすいよう工夫してもらいたい。
いろいろな申請書が紙媒体になっていて、タブレットなどデジタルでやれば、簡略化できるとの意見を今日もらった。
能登半島地震の際にも、民間団体が支援していたボランティアは活動調整などをデジタルで行っており、紙の申請とレベルが違った、簡略化されていてやりやすかったとの声も聴いている。
こういった声もしっかり届けたいと思うので、より良いボランティア活動支援になるよう、今後も理解と協力をお願いして、質問を終わる。
【委員】
私からは、19ページの危機管理体制整備事業、国民保護対策推進費に関連して伺う。
メディアが北朝鮮からの飛翔体、最近はミサイルと言うことが多くなっているが、日本近海に飛んできていると報じられることがある。令和5年度において、何発、そういった事案があったのか。また、飛翔体が飛んできている情報は、どこから、どのように、どんな情報が愛知県に伝達されたのか伺う。
【理事者】
令和5年度のミサイル発射は、国からの情報によると、15事案22発と認識している。
次に、ミサイルの発射情報は、内閣官房や防衛省が公表した情報が消防庁を通じて、直ちにファクス及びメールにより、ミサイルの発射情報、通過情報、落下場所情報など、状況の推移に応じた情報が都道府県に伝達されている。
なお、ミサイルが我が国の領土・領海に落下、または上空を通過する可能性がある場合には、影響がある都道府県に対して、全国瞬時警報システム、Jアラート等により情報が伝達されることとなっている。
【委員】
確認するが、愛知県への飛翔体の情報の伝達について、国からのルートのみなのか、例えば地元の航空自衛隊などから愛知県に情報が入ることはないのか。
【理事者】
ミサイルの情報については、防衛省を含む国の機関からの情報は、消防庁が集約して都道府県に伝達されることとなっている。
【委員】
この質問の主旨は、北朝鮮から飛んできているとされる飛翔体、ミサイルの事案は嘘ではないかと強く疑っている。なぜかというと、まずその飛翔体を確認しているのか、確認した人はいるのか。
本来であれば、国会で議論されて、飛んできているものがどういったものか、海上保安庁や自衛隊が確認しなければいけないが、そういったことがない。
ほかにも、為替が動く、大きく。本来、日本が危機的な状況にあるため、円安に振れなければいけないが、円高に振れており、不思議に思っている。裏で、為替でもうけてる人がいるのではないかと疑わざるを得ない。
いずれにしても、飛翔体が飛んできたことをメディアが騒ぐたびに、国全体が不安を感じている。
愛知県としては、県民が不安にならないように、何が本当なのか、真実の情報の取り方、集め方について、研究してもらいたい。
続いて、危機管理体制の整備と国民保護について伺う。
国の国民保護のホームページを見ると、いろいろな事案が例示されているが、その一つに生物剤の大量散布という項目がある。
人に知られることなく散布されるもので、発症するまでの潜伏期間、感染した人々が移動して、後に生物剤が散布されたことが判明した場合には、既に広域的に被害が発生している可能性がある。
人を媒介する生物剤による攻撃が行われた場合には、二次感染により被害が拡大することが考えられるとの説明がある。
何が言いたいのかというと、例のコロナワクチンである。
これはmRNA製剤である人類未知のものを打ち進めている状況にある。
3回目のワクチン以降、7回目、8回目は日本のみ接種を行っており、さらに今回の秋からの接種は、海外では認可されてないような、ネズミでしか治験をしていないものを打ち進めている状況にある。
国内外でいろいろな学会などにおいても、生物兵器だとの指摘も少なくない。ワクチンを打った人だけが調子が悪くなるのであれば、一万歩譲って、仕方ないが、問題なのが、シェディング、伝播することである。ワクチンを打った人から、エクソソームやスパイクタンパクなど何らかの有害物質が呼気や汗から伝播することが分かってきた。これは、コロナワクチンだけの問題ではない。
【委員長】
委員、あくまでも実施した事業に対しての決算である。この事業に関して発言するのであれば良いが、全く違う方向になっている。簡明に。
【委員】
ほかの薬剤でも、例えば抗がん剤や経口生ポリオワクチンなども、そういった伝播の事例があることは報道や論文などでも報告がある。
シェディング、伝播について、国民保護の対象になるのか、県の見解を伺う。
【理事者】
国民保護法の対象となる武力攻撃事態や緊急対処事態といった、いわゆる事態認定については、内閣総理大臣が閣議決定を経て認定することとされている。
このように事態の認定については、国が判断する事項とされており、現時点で県としては見解を持ち合わせていない。
【委員】
生物兵器などによるバイオハザードの事案が実際に起こった場合は、特に今回のコロナワクチンでもロット番号によって死亡率が違うことが分かってきており、地域によって配布されてる薬剤が違っている。大量感染などの事案が局所的に起きる可能性がある。
このため、国民保護以外、愛知県にも愛知県国民保護計画のほかに危機管理推進要綱を定めている。人命を守るために、緊急時には国の認証を得る前から、県としてあらかじめそういった事案を想定して、対処、準備を整えていかなければいけないと思う。
未知のものを今打ち進めている中、何が起きるか誰も分からない状況下にあることを念頭に置いて進めてもらうことを要望する。
【委員】
私からは、決算に関する報告書の22ページ、消防連絡調整費3,224万6,032円について伺う。
愛知県消防操法大会の開催に係る経費は、消防連絡調整費で執行されていると承知している。
消防団は、災害時においては、常備操法だけでは行えない地域での消火や救助活動など、重要な役割を担っており、こうした消火活動などを行うことができる消防団員の確保と共に、基本的な消火活動の技術である消防操法を身につけることは何よりも重要であると思っているが、操法大会に向けた訓練、練習が負担であるという現場の声も地元で聞いている。
しかし、この操法大会に出場した団員においては、結果に涙するほど一所懸命やっている人もおり、こうしたギャップを縮めないといけないと思っており、伺う。
はじめに、2023年度に実施した消防操法大会は、どのような内容で、出場した消防団数はどのようであったのか。また、近年の出場団数の推移はどのような状況であるのか。
【理事者】
2023年度の第68回大会は、8月5日土曜日に新城市で開催した。ポンプ車操法、小型ポンプ操法の2種目を実施し、県内の市町村から31団が出場した。
近年の出場団数の推移であるが、2019年度は37団が出場していたので、5年間で6団減少している。なお、2024年度の第69回大会の出場団数は27団となっており、さらに減少している。
【委員】
出場する団数が減ってきている状況であるが、消防操法大会の意義と課題をどのように捉えているのか伺う。
【理事者】
消防操法大会の意義であるが、消防操法大会は、消防団員の消防技術の向上と士気の高揚において非常に有効であると考えている。
大会においては、出場団の活動を見ると、技術レベルが向上していることや、大変士気高く活動している様子がうかがえるところである。
一方、課題について、出場団数が減少傾向にあることや、先ほど委員指摘のとおり、出場に向けての練習が負担だとの声も聞いており、課題であると認識している。
【委員】
その課題を受けて、今後の在り方についてどのように考えているのか。
【理事者】
市町村によっては、消防操法大会とは別に、または消防操法大会に代えて、競技中心ではなく、実際の災害を想定して、障害物がある際の消火訓練や、チェーンソーを使った救助訓練などを行い、こういった活動を披露する場を設けている例もある。
本県としては、出場団数が減少している状況や、市町村が行っている取組などを踏まえ、愛知県消防協会と連携して、市町村や消防団の声をしっかりと聞き、消防操法大会をより良いものにしていきたい。
また、消防操法大会の場を、消防団の活動や技術を披露する消防団のPRの場として広く展開できるよう検討していきたい。
【委員】
地元における消防団員の新規加入に向けた活動について、先ほど委員から話があったが、こうした新入団員の加入に向けた活動に対し、操法の練習など多くの労力が取られるネガティブなイメージで苦労していると地元でも聞いている。
しかし、消防団は、平時には防火防災活動、災害時には地域住民の命を守る、救う重要な役割を担っている。地域での消防団のこうした役割とその技術向上に向け、操法大会の新しい形、操法大会を通じ、そうしたものを発信するような改革を検討してもらう要望する。
次に、決算に関する報告書の25ページ、交通安全推進事業費のうち、26ページの(3)自転車安全利用促進事業費2,072万9,512円について伺う。
自転車は便利な乗り物でもあるが、その乗り方によって、時として加害者にも被害者にもなる危険があり、安全利用の推進は重要であると考えている。
自転車の安全利用促進に向け、2023年度はどのような取組を行ったのか。
【理事者】
自転車の死亡・重傷事故は、出会い頭事故によるものが多いことから、出会い頭事故のリスクを下げるため、自転車の左側通行を意識づけるためのキープレフトのスローガンを表示したLED付き反射バッジ等の啓発品を8,000個製作し、啓発イベントや出張講座などで配布した。
また、幅広い年齢層にアピールするため、人気お笑いコンビ、スピードワゴンの井戸田潤氏が、自転車の左側通行、自転車損害賠償責任保険等の加入促進やヘルメットの着用促進等を呼びかけるラッピングトラックを県内全市町村で運行すると共に、自転車乗車時のヘルメット着用の重要性を呼びかける啓発動画を制作し、県内各地のショッピングモールのデジタルサイネージなどで放映した。
さらに、昨年8月に創設した愛知県ヘルメット着用促進宣言を県民に広く周知するため、募集チラシを制作し、市町村、学校、自転車販売店などに配布すると共に、企業や団体等に対し、ダイレクトに周知するため、企業向けのプレスリリース配信サービスを活用し、PRを行った。
【委員】
昨年度の取組を通じて見えてきた課題は何か。また、その課題を踏まえて、今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
2023年中に発生した自転車の死傷者数は6,123人で、前年比325人の増加となり、年齢層別では、子供と若者世代が2,678人で全体の約4割を占める結果となった。また、法令違反別でみると、自転車の法令違反が第一原因となった死傷者数が1,148人で、全体の約2割を占めている。
このうち、死者数だけを取り出してみると、2023年中に発生した自転車の死者数は25人で、前年比5人の増加となり、年齢層別では、高齢者世代が15人で、全体の約6割を占める結果となった。また、法令違反別では、自転車の法令違反が第一原因となった死者数が11人で、全体の約4割を占めている。
こうした結果から、死傷事故の多い子供と若者世代、そして、死亡事故の多い高齢者世代に向けた自転車の交通ルールの周知徹底が課題であると認識している。
そこで、今年度はこうした世代にしっかりとアプローチしていくため、児童、生徒、高齢者のそれぞれの世代別に、自転車のルールを分かりやすく学べる教材を制作し、学校やシルバー人材センターに配布するほか、啓発イベントなどでも活用していくこととしている。
また、今年度は、子供から高齢者まで幅広い世代に訴求力のある松平健氏を起用し、啓発動画やポスターを制作の上、様々な媒体を活用し、幅広く県民に周知していくこととしており、中でも、学生数が多い県内6大学のサイネージを活用し、通学などで自転車利用の多い大学生などに対しても啓発を行った。
こうした啓発活動に加え、県民に自転車の交通ルールを分かりやすく学んでもらうため、出張講座などの交通安全教育活動にも引き続きしっかり取り組んでいく。
【委員】
自転車は幅広い世代の人が手軽に利用できる移動手段であるが、運転免許証が必要な自動車や二輪車などと異なって、交通ルールを学ぶ機会が少ないというふうに感じている。先ほど交通安全教育活動に取り組んでいるとの答弁があったが、具体的にどのような取組を行っているのか。
【理事者】
自転車は、非常に多くの人が利用している、便利な移動手段であるが、交通ルールを守り、正しく利用しないと、交通事故の加害者にも被害者にもなり得る乗り物である。
このため、県では、自転車の走行を模擬体験しながら、正しい交通ルールを学んでもらう自転車シミュレータを活用した参加体験型の自転車安全利用出張講座を開催している。昨年度は、県内の小学校や老人クラブ、企業等において46回開催し、2,424人に参加してもらった。
また、自動車や自転車の交通ルールについて、県内の交通事故情勢を交えながら学んでもらうため、座学による交通講話も開催しており、昨年度は高校や企業などにおいて7回開催し、404人に参加してもらった。
【委員】
自転車の交通ルールを分かりやすく手軽に学ぶためには、パンフレットなどの紙媒体だけではなく、映像媒体などを活用することも効果的だと思うが、そういった取組についてどのように考えているのか。
【理事者】
委員指摘のとおり、映像媒体の活用は視覚的に訴え、視聴者の印象に残りやすいこと、短時間で多くの情報が得られることなどのメリットがある。
そのため、県では2022年度に、大人向けと子供向け、外国人向けに英語、中国語、ポルトガル語の自転車交通安全教育動画を制作し、県ウェブページで公開すると共に、研修などの教材として活用できるよう、市町村や各種学校、シルバー人材センターなどにDVDを2,131枚配布した。
また、昨年度はスピードワゴンの井戸田潤氏、今年度も松平健氏を起用した自転車乗車時のヘルメット着用を呼びかける動画を制作し、様々なメディアを活用して配信している。
紙媒体と映像媒体、それぞれのメリットを生かしながら、引き続き効果的な啓発方法を検討していきたい。
【委員】
道路交通法の一部改正により、今月から自転車のながらスマートフォンや酒気帯び運転が厳罰化された。加えて、今後2年以内には、自転車の交通違反に対する交通違反通告制度、いわゆる青切符が適用される。
こういった法改正に伴う新たな交通ルールについても、紙媒体と映像媒体それぞれのメリットを生かしながら、県民に対して分かりやすい広報啓発に努めてもらいたい。
映像媒体でDVDという話があったが、スマートフォン等で身近に見られる状況にあるので、そういったものを積極的に活用して、広報・啓発を進めてもらうよう要望する。
【委員】
決算に関する報告書の21ページ、次世代高度情報通信ネットワークについて伺う。
2023年に実施設計をしたとのことであるが、これまでのネットワークとどう違うのか、どのようなネットワークなのか伺う。
【理事者】
現在のネットワークについては、災害時において、県や市町村防災関係機関などにおける防災行政情報の円滑かつ効率的な通信を確保するため、県が2002年度に整備した通信基盤である。
このネットワークは、地上系無線回線と衛星系無線回線により、通信回線の2ルート化を図っており、相互の特性を補完する形で運用している。
現在のネットワークは、2027年度までに新たな衛星通信規格への移行が必要となるほか、整備後20年以上が経過し、設備の老朽化が進んでいる。
このため、今回整備する次世代高度情報通信ネットワークでは、県庁及び県機関、市町村、防災関係機関などを結ぶ情報通信設備を全面更新する。
今回の整備では、メイン回線を自営の地上系無線から、高信頼度の民営有線へ転換を図り、衛星系無線をバックアップとする2系統のネットワークを構築する。民営有線は、中部電力パワーグリット株式会社が保有する有線の電気保安用通信回線、シーアイネットを賃借することとしている。
また、新たに災害拠点病院、通信事業者、運送事業者などをネットワーク接続機関として拡充する。
【委員】
2002年に整備したものを20年間使っていたとのことで、この20年の通信環境の進化をみると、整備が遅いくらいに感じる。今年8月の南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されたということもあり、次世代高度情報通信ネットワークの整備が現在どのような状況であるのか伺う。
【理事者】
2022年度に基本調査と基本設計を行い、2023年度に実施設計を行った。
今年度は、整備工事に着手しており、今年度から2025年度にかけて、県庁及び県機関、防災関係機関などの設備設置工事を行い、2025年度からは、市町村及び消防本部などの設備設置工事を行う。
整備が完了した機関から順次運用を開始していくこととし、全面供用開始は2027年度を予定している。
【委員】
2023年度に実施した実施設計によって固まった次世代高度情報通信ネットワークの整備の内容はどういうものになったのか。
【理事者】
今回の実施設計における次世代ネットワーク整備の内容として、主に三点説明する。
第一に、ネットワークで結ぶ機関数の増加である。現行のネットワークは、県機関、市町村、消防本部、防災関係機関等合わせて146機関を結んでいるのに対して、次世代高度情報通信ネットワークでは、新たに災害拠点病院等を加えた203機関に固定の通信設備を整備する。
また、保健所分室、県立学校をはじめ、197機関に新たに可搬型の移動無線機を整備する。
このことにより、ネットワークに接続する機関数は、現行の146機関から400機関へと大きく増加する。
第二に、現行の地上系の無線回線に代わり、通信が高速・大容量であり、電波障害が発生しない高信頼度の民営有線回線に改める整備を行う。具体的には、各機関に光回線受信機、データ中継機などを設置する。
第三に、新たな衛星通信規格に対応するため、衛星系回線に係る設備として、衛星アンテナ、衛星無線機などを設置する。
そのほか、気象情報などを受信する一斉受令用パソコン、被害情報等を報告・共有する防災情報用パソコン、IP電話機、ファクス複合機、無停電電源装置などの附属設備を設置する。
【委員】
次世代高度情報通信ネットワークの実施設計を行い、ネットワークをつなげる箇所数を400機関に増やして、ネットワーク接続が可能になるとのことであるが、設置しても、日頃使っていないと有事の際に、急には使えないと思う。日頃から使用して、不具合がないかなどをチェックしてもらうなど、それぞれ防災用パソコン、IP電話、受令用パソコンの操作にしても、せっかく計画を立てて、準備しているので、整備の移行途中であっても有効に活用できるようにしてもらいたい。
また、2027年の整備工事完了と聞いたが、当初は2028年に供用開始を予定していたものを1年前倒しして実行してもらうのは、これからアジア大会を迎える愛知県にとって良いことだと思うので、できるだけ早く整備してもらうようお願いする。
続いて、19ページの5、愛知県基幹的広域防災拠点整備費について伺う。
愛知県基幹的広域防災拠点の整備については、整備・運用に当たり民間の知恵やノウハウを最大限に取り入れることができるPFI法に基づく、BTコンセッション方式により整備を進めることとしていたと思うが、令和5年度決算の事業内容について伺う。
【理事者】
愛知県基幹的広域防災拠点整備事業費50億1,965万2,760円のうち、主なものについては、用地買収に係る費用として約42億円、敷地造成、調整池等の工事に係る費用として約7億円である。
そのうち、用地買収については、令和5年度末時点で約94パーセントの土地について用地契約が完了したところである。敷地造成については、用地取得が完了した箇所から順次造成工事に着手しており、同じく令和5年度末時点で、約23パーセントの造成が完了したところである。
また、調整池の工事については、2024年2月から工事着手しているところである。
【委員】
令和5年度の決算の事業内容については分かったが、当初予定していた入札が不落に終わっている状況で、2023年10月20日に公告して、事業者の選定手続を進めていたが、2024年3月29日の入札の結果、不落となった。
この結果をどのように分析しているのか。不落になった理由についてどのように考えているのか。
【理事者】
不落の要因については、予定価格の範囲内に至らなかったためである。その背景となっている市場環境を調査し、民間事業者に幅広くヒアリングを実施した結果、建築資材の高止まりや、電気・通信・空調設備を担う事業者の不足、2024年問題による慢性的な人手不足が生じ、さらなる価格上昇や、建設工期に影響が生じていることが分かった。そういった要因が働いたと考えている。
【委員】
当初の予定と全くずれてきているので、完成予定もずれ込んでいると思うが、今後の整備に向けたスケジュールはどうなっているのか。現在の整備の進捗状況を含めて伺う。
【理事者】
不落の結果を受け、防災拠点の早期整備に向けて、事業者の幅広い参加を促し、競争性を確保できる事業所及び事業単位を検討するため、民間事業者へ幅広いヒアリングを実施した結果、消防学校と防災公園を事業単位として進めることとした。第1期として、消防学校の整備をBTO方式により実施し、2028年度内の完成を目指していく。また、第2期の防災公園の整備については、BTO方式・一部工事県直接発注により実施し、2029年度上半期までの完成を目指していく。
現在の整備状況として、用地買収については、本年10月末において約98パーセントの土地の契約が完了しているところである。また、造成工事については、用地を取得した箇所から順次敷地造成工事に着手しているところであり、本年10月末において、約26パーセントの造成が完了している。
また、調整池工事については、本年2月に工事着手し、整備を進めてきたところであるが、想定以上の湧水が発生し、一部の工事が今年度内に完了する見込みがなくなっている。そのため、12月定例議会において、繰越明許額に係る補正予算を提案することとしており、承認をもらった後、契約を行い、2025年8月末の完了を目指し、着実に整備を進めていく。
【委員】
造成を進めていく中で、様々な難題が持ち上がっているが、当初、2025年に完成予定として令和5年度予算を決めたが、現在、完成予定は2028年、3年遅れとなっている。これ以上遅れることのないよう、しっかりやってもらいたい。
先ほど質問した次世代高度情報通信ネットワークも、2027年には運用できるよう計画しているし、アジア大会でいろいろな人たちが愛知県に来ることを考えると、全体で災害時に強い愛知県としてのまちづくり整備をしてもらいたい。
最後に、決算に関する報告書の28ページ、(6)性犯罪・性暴力被害者支援事業費について伺う。
昨年度、若年層を対象に開催した性暴力被害防止セミナーの参加者の募集方法や募集内容について伺う。
【理事者】
性暴力による被害相談の約7割が20歳代以下の若年層であり、被害を誰にも相談することができず、悩んでいる人が多くいることから、性暴力被害の実態を知り、被害防止のためにできることや、被害者への支援について学ぶ性暴力被害防止セミナーを、2019年度から大学と連携して開催している。昨年度は、愛知県立大学と名城大学で開催し、愛知県立大学では80人、名城大学では151人が参加した。
愛知県立大学での開催については、チラシを作成し、県のホームページ等で広く参加者の募集を行うと共に、愛知県立大学による学内の学生への周知に加え、県内全ての大学へチラシを配布し、学生の参加を呼びかけた。
また、セミナーは、支援者にとっても参考になる内容であることから、市町村の担当者や県の教育委員会を通じて、中学校、高等学校及び特別支援学校の教職員などにも参加を呼びかけた。
名城大学については、大学から授業の中での開催希望があり、開催したものである。
セミナーでは、愛知県警察から、痴漢や盗撮被害に遭わないための予防策について講話を行うと共に、性暴力被害者支援に取り組んでいる専門家を講師に招き、実際に被害に遭った人の実体験や、トラウマ・PTSDなどの被害の現状、また、被害者から相談を受けた際の対応方法などについて講演してもらった。
今後もこのようなセミナーを、特に若年層に向けて開催し、性暴力被害の実態や被害防止に向けた対策、被害者のための相談窓口の周知に努めていく。
【委員】
相談支援を行うワンストップ支援センターも運営を支援しているが、センターが開設されてから昨年度、2023年度までのどれくらいの相談件数があったのか伺う。
【理事者】
性暴力救援センター日赤なごやなごみについては、2019年から委託している。相談件数は、2019年度は電話相談と来所相談を合わせて2,369件、2022年度は電話相談と来所相談を合わせて2,219件、2021年度は電話相談と来所相談を合わせて2,344件、2022年度は電話相談と来所相談を合わせて2,718件、2023年度は電話相談と来所相談を合わせて3,171件を受理している。
【委員】
思ったより相談件数が多いことに驚く。電話のみならず、来所での相談する人がおり、この支援センターは大変ありがたいのではないかと思う。性暴力被害者は、なかなか自分から声を上げることができないと思うので、このような問題意識を持って取り組むことが重要と思うが、今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
委員指摘のとおり、性暴力被害者は、その多くが警察に被害を相談することができず、医療やカウンセリングなどの適切な支援に結びついていない現状がある。
このため、県では2019年度から、被害者に対して医療支援やカウンセリング等を1か所で提供するワンストップ支援センター、性暴力救援センター日赤なごやなごみの運営を、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院に委託すると共に、県内各地の救命救急センター等において、性暴力被害者支援に関する専門的な知識を持った性暴力対応看護師を、2019年度からの5年間で合計125人を養成している。
今後も、性暴力救援センター日赤なごやなごみの周知や、性暴力対応看護師の救命救急センター等への配置促進など、性暴力被害に遭った人々が相談しやすい環境整備に取り組んでいく。
【委員】
被害者に寄り添って、丁寧に、できる限り心の傷を癒すような支援を期待して質問を終わる。
【委員】
決算に関する報告書の21ページ、南海トラフ地震等対策事業費補助金について伺う。
1月の能登半島地震では、石川県を中心に大きな被害が発生した。孤立集落、道路の分断、特に断水の関係が厳しかった。寒い地域であるので、温かい風呂に入れないなど本当に苦労があったと思う。ここにいる委員も現地に視察に行き、ボランティアの一員として、微力ながらも現地でいろいろ対応したが、本当に地震の怖さを、身をもって見てきた。
大規模地震の災害による被害を少しでも減らすことは、非常に大変で、重要なことである。
それに関して日頃から資機材といったハード面の整備のほか、ハザードマップの作成、特に住民の意識向上、地域でも避難所開設訓練や宿泊型の訓練を行っており、自治会や社会福祉協議会、ボランティア団体、例えば全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)などとも協力して、いろいろなことを進めてもらっていると思う。
これら事業に当たっては、少なからず経費が必要になってくるが、県としては補助金により市町村を支援していると承知している。
そこで、まず2023年度における南海トラフ地震等対策事業費補助金の主な補助事業の内容を伺う。
【理事者】
県では、南海トラフ地震等対策事業費補助金により、市町村が実施する地震防災対策事業に要する経費に対して補助を行っている。
2023年度には、47市町村に対して1億9,424万7,000円を交付している。
主な内訳として、ハザードマップの作成、防災ラジオなどの整備や、消防団の消火・救助活動に必要な資機材・車両の整備などを支援する地域防災力強化事業が1億1,185万1,000円。
また、段ボールベッド、間仕切り、簡易トイレなどの整備を支援する避難所等環境整備事業、避難所耐震化事業などを含む建物被害軽減対策事業に6,793万2,000円を交付している。
なお、災害を取り巻く情勢の変化や市町村の要望を踏まえて、補助制度を見直しており、2023年度には災害対応DX化推進事業、医療的ケア措置事業などを補助事業として追加すると共に、避難所等環境整備事業において、ペット同行避難対策の資機材についても新たに補助の対象とした。
【委員】
先ほど2023年度に災害対応DXを補助の対象に加えたと答弁があった。
大規模災害時には、人命救助、被災者に対する情報提供や生活支援など、多岐にわたる対応が非常に大切であり、そのような状況下では、災害対応の中で新しい技術や仕組みも効果的に取り入れていくことが重要である。
デジタル技術はその代表的なものの一つであり、災害対応において大いに可能性を秘めていると考えている。
そこで、2023年度に新たに補助対象となった災害対応DX化推進事業の執行状況について伺う。
【理事者】
災害対応DX化推進事業は、先進的な情報通信技術を導入することで災害対応能力を向上する事業や、デジタル技術を活用した防災啓発・教育の事業を対象としている。
2023年度には、6市町の事業を採択し、合わせて278万2,000円を交付している。その内訳は、名古屋市、津島市、知多市、あま市、幸田町の5市町におけるドローンの整備やドローン操縦士養成講座の受講などである。
今後も市町村の災害対応におけるDX化を支援するため、補助制度の積極的な活用を促していきたい。
【委員】
ドローンの話があったが、これからはそういった最新的な技術を使いながら、災害対応をしていくべきである。そのためには、機械はあっても人がいないとならないよう、パイロットといった人々もしっかりと確保、養成する仕組みをつくってもらうよう要望して質問を終わる。
《議会事務局、政策企画局、総務局、人事局、会計局、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会事務局関係》
【委員】
令和5年度決算に関する報告書1ページ、企画事業費のうち、SDGs未来都市計画推進費について伺う。SDGs達成に向けた取組とはどのようなものがあったのか。
【理事者】
SDGsへの認知が急速に高まる中、次のステップとして、県民のSDGs達成に向けた具体的な行動や、企業等におけるSDGsを起点とした事業展開を促進する必要があることから、2023年度はSDGsの取組事例を分かりやすく紹介する動画を作成した。
動画は全部で5本作成し、環境に配慮した商品の選択や、家庭での省エネなど、個人が身近にできるSDGsの取組紹介を3本、企業による環境負荷低減などの取組紹介を2本作成した。
動画は愛知県SDGsウェブサイト、あいち SDGs Actionで公開すると共に、SDGs AICHI EXPO2023等のSDGs関係イベントでも上映しており、今後も本動画を活用しながら、SDGsの取組を促進していく。
また、企業等のSDGsの取組を促進するため、昨年10月に愛知県国際展示場において、愛知県SDGs登録制度の登録者を対象とした交流会を開催し、先進事例の紹介やグループワーク、マッチングに向けた名刺交換会等を行った。
【委員】
動画で紹介した企業の取組について、どのようなものがあったのか。
【理事者】
動画では、名古屋市西区に所在し、弁当容器などの食品包装容器を販売する株式会社折兼と、瀬戸市に所在し、運送サービスを行う大橋運輸株式会社の2社を紹介している。
株式会社折兼は、サトウキビの搾りかすであるバガスを用いた容器を開発、販売することにより、環境負荷の低減に取り組んでいる。
また、大橋運輸株式会社は、高齢者向けの生前整理サービス事業を通して、家の中の動線確保による高齢者の安全確保や、震災時の家具・家財の転倒防止など、地域住民の高齢化に対応している。
企業において、SDGsの取組を持続的に進めていくためには、本業であるビジネスの中で、社会課題の解決に向けた取組を実践していく必要があることから、引き続きこうした優良事例の発掘に努め、啓発を進めていく。
【委員】
愛知県SDGs登録制度の目的及び現状はどのようか。また、登録制度をどのように活用しているのか。
【理事者】
愛知県SDGs登録制度は、企業・団体等によるSDGsの取組を見える化する制度であり、SDGsの具体的な取組の普及を目的として、2021年9月に創設した。
2024年11月18日時点で1,644社が登録しており、登録者は現在も順調に伸びていることから、この地域におけるSDGsの取組は着実に広がっているものと考えている。
登録制度の活用については、登録者に、より一層SDGsの取組を促進してもらうよう、登録者を対象とした交流会の開催やメールマガジンによる先進事例の情報提供など行っている。
【委員】
続いて、2ページ目の6、スマートシティモデル事業費、約5,700万円について伺う。
選定された7市町村ではどのようなモデル事業が実施されたのか。
【理事者】
2023年度のスマートシティモデル事業は、7市町において実証実験を実施した。
岡崎市では、大河ドラマ館からまちなかへの人の流れを波及させるため、まちなか各所における石碑などにおいて、拡張現実(AR)を提供し、回遊を促進する実証実験を実施した。併せて、メタバース上でもリアル空間と仮想空間の連携・相乗効果を創出する検討を行った。
春日井市では、高蔵寺ニュータウン内の交通結節点にモビリティポートを設置し、高齢者でもデマンドタクシーや電動自転車、電動車いすのシェアサービスを気軽に利用し、ニュータウン内を移動できる環境の機能実証を行った。
刈谷市では、歩行動画のAI解析により、歩行姿勢の評価、アドバイスを行うと共に、健康管理アプリを活用し、日常における姿勢に対する意識づけを促し、若い世代の健康づくりへの意識向上を図る実証実験を実施した。
蒲郡市では、生命の海科学館のコンテンツを活用し、クイズやイベントへの参加などの学習に対して、ブロックチェーンを活用したデジタル報酬を付与する取組を実施した。併せて、メタバース上でのコミュニケーションの場をつくることで、学習者コミュニティーの形成に取り組んだ。
大府市では、医療・介護関係者のICT連携ツールにより、骨折した患者の退院情報、治療経過の情報を共有すると共に、患者本人や家族も参加することができる機能を活用し、切れ目のないケアを患者に提供し、二次性骨折予防に取り組んだ。
日進市では、災害発生時に買い物難民等の発生が予見される住宅地において、ドローンを活用した買物代行サービスの実証を行った。併せて、スマートフォンアプリにより市民にデジタル防災サービスの提供を行い、平時における防災知識の向上を図った。
幸田町では、高齢者向けタクシー料金助成手続へのICカード導入による効率化を図る実証実験を実施した。さらに、本取組により得られたデータを活用して、利用者の利便性やタクシー事業者の負担軽減効果を検証しつつ、高齢者の外出促進効果が高い制度の設計を行った。
なお、モデル事業によって得られた成果やノウハウについては、年度末の3月に成果報告会を開催することで、県全体への横展開を図っている。
【委員】
それぞれ特色があって良いと思う。成果報告会を踏まえた横展開により、それぞれが切磋琢磨して進めていただきたいと思う。
続いて、報告書の7ページ、総務企画費、国際交流費、国際交流事業費のあいち国際戦略プラン推進費の(2)留学生地域定着・活躍促進事業費に関して、昨年度は具体的にどのような事業を実施したのか。
【理事者】
留学生の県内企業への就職を促進するため、留学生向けのジョブフェアイベントや留学生インターンシップ、企業見学ツアーを実施し、また、留学生採用企業の拡大及び充実を図るため、企業向け留学生採用・定着研修会を開催した。
具体的には、まず、昨年8月から9月にかけて、留学生インターンシップを実施し、126人の留学生が52社の企業でインターンシップを行った。
企業向け留学生採用・定着研修会は、7月、10月、2月の3回開催し、テーマとしては、留学生との接点の作り方とインターンシップの有効活用、外国人留学生の採用手法、外国人社員の定着と活躍促進をそれぞれテーマとして実施し、7月は18人、10月は30人、2月は21人が参加した。
企業見学ツアーは、12月と2月の2回実施し、工場見学や外国人従業員との懇談等を行った。12月は11人、2月は12人の留学生が参加した。
さらに、留学生の県内企業への就職につなげるため、今年3月に留学生向けのジョブフェアイベントを開催し、36社の企業が出展し、313人の留学生が参加した。
また、こうした事業を実施すると共に、留学生積極採用企業紹介ウェブサイトを運営し、留学生の採用に積極的な県内企業について情報発信している。
県内の大学及び大学院で学ぶ留学生に、県内企業に就職して活躍してもらうため、引き続きこれらの事業に取り組んでいきたい。
【委員】
コロナ禍でこういった取組もやりにくかった面もあるのではないかと思う。今答弁してもらった内容をしっかりと継続・発展させてもらいたい。
決算に関する報告書13ページの自治振興事業費のうち、2元気な愛知の市町村づくり補助金、約2.9億円について伺う。
元気な愛知の市町村づくりを応援するために、約1.5億円を使って、市町村又は広域連合が行う先進的な新規事業に対して助成したと記載があるが、どのような事業に助成したのか。
【理事者】
令和5年度の元気な愛知の市町村づくり補助金は、チャレンジ枠、DX推進枠、従来枠の三つの枠を設定し、総額で2億8,832万9,000円を助成した。
このうち、委員から質問があった先進的な新規事業に対して助成するチャレンジ枠については、あいちビジョン2030に沿って、市町村又は広域連合が地域の個性を生かして、自主的・主体的に行う先進的な新規事業を補助対象としており、41市町村と1広域連合に対し、合計1億4,788万9,000円を助成している。
助成事業の主な例として、例えば常滑市は、Aichi Sky ExpoにおけるMICEの誘致を推進するため、Aichi Sky Expoの利用者向けに、市内を周遊するシャトルバスの運行や、観光コンテンツを見学・体験するエクスカーション等を実施する事業を助成対象とした。
幸田町については、名古屋大学と連携して、コミュニティバスの現状調査・分析やルートの再編、公共交通を補完する新たな交通システムの導入等について検討し、公共交通の利便性向上を図る事業を助成対象とした。
また、豊橋市については、学校に行きづらさを感じる児童・生徒の居場所として、2か所の中学校内にエールームという部屋を新たに設置し、市内の全小中学校から希望する児童・生徒を受け入れる事業を助成対象とした。
【委員】
この補助金が様々な課題に対応する市町村の前例のない新たなチャレンジを後押しするような仕組みだと理解できた。引き続き市町村に積極的な活用を促すようお願いして、質問を終わる。
【委員】
令和5年度愛知県歳入歳出決算及び美術品等取得基金運用状況の審査意見書のうち、21ページ、第1款県税に関する意見によれば、様々な取組により個人県民税の収入未済額は年々減少している一方で、県税全体の収入未済額は9,441万余円増加したとある。
そこで、県税の収入未済額の縮減に向けた主な取組について伺う。
【理事者】
収入未済額の縮減に向けた主な取組としては、納税環境の整備、個人県民税対策及び滞納整理の強化の三つを柱としている。
具体的に、一つ目の納税環境の整備では、コンビニエンスストアでの納税及び地方税統一QRコードを利用したキャッシュレス納税の環境整備など、二つ目の個人県民税対策では、個人県民税は個人市町村民税と合わせて市町村が賦課徴収することから、市町村の徴収支援を積極的に行っている。三つ目の滞納整理の強化では、民間委託による自動車税種別割の未納者に対する電話集中催告及びインターネットによる公売などを行っている。
引き続きこれらの取組を着実に進め、租税負担の公平と財源の確保を目指して、収入未済額の縮減に努めていく。
【委員】
収入未済額全体の約7割を占める個人県民税の収入未済額の縮減に向けた市町村等の徴収支援の取組内容について伺う。
【理事者】
個人県民税対策としての市町村の徴収支援の取組として、県と市町村税務職員の交流制度、市町村税徴収支援アドバイザーの設置及び個人住民税の県による直接徴収の三つの取組を行っている。
一つ目の県と市町村税務職員の交流制度では、市町村職員全体の徴収技術の向上を図るため、希望する市町村に対して、県税徴収職員を、1市町村当たり年間60日を限度に派遣し、滞納整理のための研修や市町村税滞納案件の滞納整理方針の策定、滞納整理のための助言などを行っている。
また、市町村の徴収職員の育成を目的として、希望する市町村を対象に、1市町村当たり年間60日を限度に、名古屋東部県税事務所特別滞納整理室へ職員を受け入れ、県税徴収職員の指導の下で徴収技術に関する実務的指導、OJTなどを行っている。
二つ目の市町村税徴収支援アドバイザーの設置では、市町村に対する徴収支援アドバイザーを各県税事務所に配置し、日々市町村から滞納整理の相談や徴収職員向けの研修依頼に対応しており、毎年300人前後の市町村職員に対し、研修を行っている。
三つ目の個人住民税の県による直接徴収では、地方税法の規定に基づき、市町村において滞納整理困難な案件について、県と市町村が協議の上、県に引継ぎを受け、名古屋東部県税事務所特別滞納整理室で徴収及び滞納処分を行っている。
また、案件を市町村へ返還する際には、滞納整理方針等に関する助言を行うなど、市町村職員の徴収技術の向上に努めている。
【委員】
令和5年度愛知県歳入歳出決算及び美術品等取得基金運用状況の審査意見書の16ページによれば、不納欠損額は、令和4年度と比べて1億2,500万余円減少している。
県税の不納欠損額の縮減に向けた主な取組について伺う。
【理事者】
県税の不納欠損は、地方税法第15条の7の規定に基づき、滞納処分の執行停止の処理を行い、執行停止から3年を経過した後に不納欠損を行う。
不納欠損の前提となる滞納処分の執行停止は、滞納整理における財産調査などの調査を尽くしても、滞納処分できる財産が全くない、滞納処分することにより生活困窮を招くおそれがある、または滞納者の住所及び財産が共に不明のいずれかの事実が認定された場合に行うものである。
不納欠損額の縮減に向けては、執行停止の要件ともなる、財産が全くない状態となる前の、できる限り早い時期から滞納整理に着手することが重要だと考えている。
このため、納期限経過後、速やかに納税折衝や財産調査に着手できるよう、金融機関に対する預貯金調査の電子化などの取組に加え、調査事務へのRPAの活用など、ICTを積極的に活用することで、効率的に滞納整理を進め、滞納の長期化の抑制、不納欠損額の縮減に向けて取り組んでいく。
【委員】
不納欠損の縮減には、収入未済発生時の早期の対策が重要であると思う。収入未済額の約7割を占める個人県民税について、キャッシュレス納税等、さらなる納税環境の整備と併せて、地区の滞納整理機構などを通じた市町村との連携支援によって、徴収率の向上に向けた取組の推進を要望して質問を終わる。
その中で、特に滞納整理機構について、地元の愛知県豊田尾張東部滞納整理機構が令和元年度に解散し、その後しばらく間が空いて、日進市・みよし市・豊明市・東郷町で構成される愛知尾三地区滞納整理機構が、令和4年度から5年間の時限で令和8年度まで存続することとなっている。先ほど申し上げたように、間が空くことなく市町村の徴収の支援・強化することが県にも大きな影響があると考えている。
引き続き、こうした滞納整理機構を通じて市町村の支援を要望する。
【委員】
税以外の債権の収入未済額について伺う。
このテーマについては、令和4年度に包括外部監査が行われており、包括外部監査法人の弁護士の田口勤先生が、未収金の解消に向けた取組の対象となり得る債権を中心に、債権の管理・回収の在り方の一般ルールをどう整理すべきか報告している。非常に重要なテーマだと思う。債権の管理・回収に関して、具体的な問題提起がされており、複数の局にまたがる全庁的な問題として不納欠損処分の取扱いを県で統一するべきであるなどの意見が示されている。回収見込みのない債権について、効率的でないような業務を延々と行っているのは非効率であって、今まで特に回収一本槍だったのに対して、一定のルールに基づいて、放棄や不納欠損処分することによって効率化を図るという観点が示されている。非常に大事な議論だと思う。
総務局として、この包括外部監査の結果をどのように受け止めて、税外債権の債権回収に関するルールづくりについてどのような取組をしたのか伺う。
【理事者】
税外債権の管理・回収に関して、令和4年度の包括外部監査において、債権放棄の円滑化や不納欠損処分の取扱いの統一などについて意見があり、総務局としても、全庁的な対策について現在検討を進めている。
県の債権管理は、公平公正な負担の観点が重要であるが、一方で、適正な債権管理・回収業務を行ってもなお回収可能性のない債権は、事務の効率性や人的資源の有効活用の観点から、一定の規準の下で整理することも必要であると考えている。
そこで、包括外部監査での意見も踏まえて、回収可能性がない債権についての債権放棄や不納欠損処分の統一的な基準を作成するとともに、あわせて、債権放棄または不納欠損処分までに行うべき債権回収手続の標準的な手順・手法を整理して、2024年度中に各局に周知していきたいと考えている。こうした取組を通じて、さらに適正な債権管理・回収に取り組んでいきたい。
【委員】
要望になるが、包括外部監査の報告書によると、県における税外債権の収入未済額は、このところ60億円程度であり、増減がない状態である。新たな収入未済に組み込まれる金額と、回収した収入未済金の金額が相殺され、結局60億円程度の未済額が毎年存在している状況だと思われる。
これは、税における処理の方針と基本的には同じ考え方ではあるが、中身を見ると、高等学校等奨学金貸付金のように、教育の機会均等や、憲法に基づく文化的な最低限度の生活を保障するために貸与したものの回収がある。これは一般的な税の回収とは異なる、質的な判断も必要になると思う。
そのため、各局が所管する債権にはいろいろな種類があり、高等学校等奨学金貸付金など、いろいろな課題があるため、とにかく回収一本のやり方だけではなく、行政の効率化の観点から、あるいは福祉的な配慮の面からも、債権の放棄や、不納欠損処理を行うよう、総務局において全体的なルールをまず定めてもらい、それを各局がマニュアル化して取り組んでいくことが必要だと思うので、ぜひ今年度も引き続き検討してもらいたい。先日も専門家によるヒアリングの席で傍聴させてもらったが、この作業を急いでもらい、今年度、このルールが早く示され、各局のマニュアルに生かしてもらうようにお願いする。
次に、決算に関する報告書、17ページに県会議員選挙のうち、選挙の執行費用について伺う。
これは令和5年度の選挙費として計上しているだけではなく、4月に執行された選挙である第20回の県会議員選挙の費用も含まれていると思う。そのため、予算額、決算額及びその差額について、第20回の県会議員選挙に係る費用と、4年前の第19回の県会議員選挙に係る費用との比較において、どのような状況になっているのか。
【理事者】
令和5年執行の第20回の選挙では、令和4年度補正予算及び令和5年度当初予算の合計が約25億7,816万円であったのに対して、2か年度分の決算の合計額は約15億6,951万円で、差額は約10億864万円となっている。
また、平成31年4月執行の第19回の選挙では、平成30年度補正予算及び平成31年度当初予算の合計が約22億6,667万円であったのに対して、2か年度分の決算額の合計は約13億5,236万円で、差額は約9億1,431万円となっている。
【委員】
約4割に及ぶ費用が不用額として生じているが、これだけ大きな差額が予算と決算の間に生じている理由は何か。
【理事者】
差額が大きく生じた理由として、一点目に無投票となった選挙区が多かったことが挙げられる。令和5年4月執行の選挙では、55選挙区のうち24選挙区が、平成31年4月執行の選挙では、55選挙区のうち26選挙区が無投票となっている。無投票となった選挙区の市区町村においては、投票所経費や開票所経費などが不用となったことにより、予算額との差が生じている。
また二点目として、候補者数が想定数を下回ったことが挙げられる。令和5年4月執行の選挙の候補者数は146人、平成31年4月執行の選挙の候補者数は138人であり、それぞれ予算編成時において想定した候補者数を下回ったことにより、候補者の選挙運動に要した費用を公費で負担する選挙公営費について、予算額との差が生じている。
【委員】
この大きな不用額が生じている事態は、選挙のあるべき姿からして、決して望ましいことではない。大きな不用額が生じた理由について無投票の選挙区の率が高いとのことだが、全国的に見ても、愛知県議会議員選挙は、非常に高い部類に入っている。要因はいろいろとあるため、様々な角度から議論されるべきだと思う。
昨年の第20回の県会議員選挙は、投票率が過去最低であり不名誉なものであった。投票率の向上のために、県はいろいろな工夫をしていると思うが、令和5年度の選挙の執行に当たっては、投票率の向上のためにどのような工夫をしたのか。
【理事者】
投票率の低下は、県選挙管理委員会においても危機感を持っており、投票率向上のためには、啓発活動だけでなく、有権者がより投票しやすい環境を整備することが重要である。その取組の一つとして、県選挙管理委員会では、選挙が執行される際に、市区町村の選挙管理委員会に対して、期日前投票所の増設を呼びかけており、特に利便性の高い商業施設等への期日前投票所の設置、バスなどを利用して複数の箇所を巡回する移動期日前投票所の設置など、投票環境の向上について積極的に検討してもらうよう、必要な助言を行っている。
令和5年執行の選挙では、無投票になった市区町村も含めて、県内で165か所の期日前投票所が設けられており、平成31年執行の選挙の142か所と比べて23か所増えている。
【委員】
要望になるが、投票率の向上のために投票年齢が引き下げられて、18歳から投票できることになり、最初は投票率が上がった。しかし、その後かなり落ち込んだ状態が続いている。
こうした学生などの若い人の投票率をいかに上げるかという課題と、高齢化が非常に進み、自力で投票所に行くことや認知症などで投票が非常に困難な状態になっている人が沢山いる課題がある。
郵便投票や投票時の職員による代筆など、いろいろな配慮をしているが、決して利用しやすいとはいえないため、身体や文字を書くことが不自由になり、認知能力が低下した人にも、投票がしやすい措置はさらに充実されるべきだと考えているので、工夫を重ねてもらうよう要望する。
【委員】
決算に関する報告書の3ページ、広報広聴推進事業費について、今若い人を中心にテレビ離れや新聞離れが進んでおり、SNSという新しい媒体が非常に力を発揮している。県として、テレビや新聞を読まない層に向けて、どのような広報活動を行っているのか。
【理事者】
広報広聴課では、新聞、テレビ、ラジオ等様々な広報媒体を通じて幅広く県民に県政情報を発信している。
新聞離れとも言われているが、新聞に掲載した広報あいちを、県庁舎はじめ、県民事務所などの紙面で掲示しているほか、県の公式ウェブページ、ラインやエックスなどSNSで広報あいちが発行されたことを周知することに努めている。
また、テレビ離れについても、テレビ番組を広報広聴課で作成しており、放送後にユーチューブや、在名民放テレビ局が共同で運用している無料動画配信サービス、ロキポに配信し、リアルタイムでテレビを見ない人に対しても視聴できるように努めている。
そのほか、県の公式動画サイト、インターネット情報局では定例記者会見や県の施策の紹介動画を配信しており、こちらもユーチューブを介して見ることができるため、テレビを見ない人や新聞を読まない人に対しても情報を届けるように努めている。
【委員】
紙媒体やテレビ、新聞、ラジオが必要な人も大勢いるが、若い人に関心を持ってもらうため、そういった媒体も引き続き並行して進めてもらいたい。
決算に関する報告書7ページ、(3)愛知の産業グローバル化を支える留学生受入事業費補助金について、受入国にベトナムをはじめ6か国とあるが、6か国の内訳を伺う。
【理事者】
6か国の内訳は、ベトナム、インド、バングラデシュ、マレーシア、モンゴル、カンボジアである。なお、本事業の受入対象国は、日本以外の全ての国としている。
【委員】
補助額約2,100万円の内訳を伺う。
【理事者】
愛知の産業グローバル化を支える留学生受入事業では、毎年5人を県内の大学院に留学生として受け入れており、補助の内訳としては、留学生1人当たり、滞在費としてひと月15万円のほか、日本への渡航旅費、研究生及び大学院の授業料、入学料、検定料を支給している。対象期間としては、研究生として6か月間、その後、大学院修士課程に2年間の計2年6か月であり、昨年度は研究生が5人、大学院1年生が5人、大学院2年生が1人の計11人に合計で2,125万7,086円を支給した。
ちなみに滞在費については、留学生がアルバイトなどをしなくても自己の研究に専念できるよう、国費の留学生1人当たり、ひと月14万4,000円を上回る額としている。
なお、2013年度に事業を開始して以来、これまで卒業生68人のうち、84パーセントに当たる57人が県内企業に就職している。
【委員】
国より手厚い制度のため、この制度は今後も続けてもらいたい。
【委員】
決算に関する報告書11ページ、4のテレワーク環境整備費について、報告書を見ると、職員の多様な働き方の実現や新型コロナウイルス感染症拡大防止策としての在宅勤務を支援するため配備したテレワーク専用端末1,100台の利用環境の整備を行ったとあるが、テレワーク環境整備費の事業内容及び1,100台の配置状況について伺う。
【理事者】
テレワーク環境整備費は、令和元年度に職員の柔軟な働き方の推進などを図るために試行導入したテレワーク専用端末100台と、令和2年度に新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策の一環として、職員の在宅勤務をより効率的に実施し、促進するために追加導入した1,000台の、合わせて1,100台を運用するための経費である。
いずれも5年間のリース契約としており、決算額3億8,081万6,408円は令和5年度の1年間の端末や管理サーバのリース料のほか、通信回線の使用や運用保守などに係る費用の合計となっている。端末の配備に当たっては、全庁で広く利用できるよう、原則として本庁の各課室のグループごとに1台、地方機関は各課室に1台となるように配備している。
【委員】
令和4年度の実績について、開庁日は1日当たり平均157台が利用されており、1日で最も多く利用された台数は435台と聞いた。それと比較して昨年度の利用実績についてどうであったか伺う。
【理事者】
テレワーク端末の令和5年度の利用実績は、全利用台数が延べ3万4,984台で、開庁日1日当たりの平均台数は144台である。また、1日に最も多く利用された台数は286台であった。
【委員】
1,100台の内、最大で286台とのことだが、決算額を配備台数で割ると、1台当たり約34万6,000円になるため、非効率な使い方だと思う。
次に、昨年の5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類感染症から5類感染症となり、企業でもリモートではコミュニケーションが図りにくいため、コミュニケーションが図れるような形にしていく考えが強くなりつつある。県でもテレワークの見直しが必要ではないかと思うが、今後のテレワークの環境整備について伺う。
【理事者】
テレワーク環境は、多様な働き方を実現するために有効なツールであり、周辺環境の変化に柔軟に対応できるように見直しを図りながら、引き続き維持していく必要がある。
先ほど少し説明したが、テレワーク環境を構築するために、令和元年度に100台、令和2年度に1,000台の端末とサーバなどの設備を導入したが、令和3年度から職員が庁内で使用する1人1台パソコンを薄型軽量のテレワークができるタイプに切り替えたため、今後は1人1台パソコンにテレワーク機能を統合する形で進めていきたいと考えている。
また、サーバ等の設備についても、利用可能数が調整しやすく、安全面や費用面で現状と同等レベルのクラウド型のテレワーク環境に移行することにより、今後、コロナ禍のような非常時には遅滞なく利用可能数を増やすなど、周辺環境の変化に柔軟に対応できるよう見直しを進めていきたい。
このような取組を進めながら、引き続きテレワーク環境を維持していきたいと考えている。
【委員】
要望になるが、令和元年度に導入した100台は、利用年度が終了したが、令和2年度に導入した1,000台は、令和7年度も引き続き利用できる。これが民間企業であれば、費用対効果の問題で多額の損失を被ることになるため、もう少し計画的な形にしてほしいと思うが、行政の場合は、リース契約とした以上は、稼働率を上げ、県民のためや職員のワークライフバランスのために利用するなど、何かの効果が得られなければいけない。
現状、約8割の端末が遊んでいるため、積極的に端末を活用してもらいたい。
【委員】
決算に関する報告書4ページ、(1)広報紙発行費について、県の広報紙である広報あいちは、新聞紙面の枠を購入し、新聞紙面上に印刷して発行しているが、新聞の購読者数が急速に減っている。そのような状況を受け、他県の広報の仕方を見ると、タブロイド判とかA4判で、駅頭とか公共施設などに設置してあり、誰でもそれが受け取って帰れるようになっているため、愛知県もぜひそのやり方をお願いしたいと今年の2月定例議会の本会議の議案質疑で発言した。その後、新聞を購読していない世代に対して、県政情報を伝えるため、県はどのような取組を行ったのか。
【理事者】
新聞を購読していない世帯の人に対して、広報あいちと同じ県政情報をお届けするため、県庁舎をはじめ、各県民事務所など、40か所あまりの県施設へ原寸大紙面を掲示しているほか、県公式ウェブページにも掲載している。先ほど説明したように、ラインやエックスなどSNSでお知らせを発信して、県の公式ウェブページで、それを見てもらう取組もしている。
そして新たな取組として、本年10月発行号の広報あいちから、愛知県図書館において、紙で手に取ってもらうような配架を始めた。新聞を購読していない世帯の人に対しても、広報紙を手に取ってもらうための取組として始めた。
これからも引き続き、新聞を購読していない世帯に対しても、広報あいちの掲示や県図書館のような県施設への配架を検討すると共に、広報あいちだけでなく、県の公式ウェブページをはじめ、県が制作しているテレビ番組やラジオ番組、新聞以外の媒体を効果的に組み合わせて、一人でも多くの人々に県政情報を届けられるよう努めていく。
【委員】
10月から愛知県図書館で広報あいちを新たに配架し、紙で持って帰れるような形がスタートしたため、一歩前進したと思う。この取組をさらに広げてもらいたいと思う。市町村の庁舎のほか、駅舎にも公共交通機関と協力して設置してもらうことが大事であると思っている。
実際、新聞購読者数は10年前の平成26年に県内で200万世帯あったが、直近2023年では県内で136万人に激減している。私の周りでも、新聞やテレビの報道の在り方が、ここ数年特におかしく、正しい情報を伝えていないと感じ、見ることをやめた人もかなりいる。今後その傾向はさらに進んでいくと思っている。
その中で、県内の人口が746万人、2020年の国勢調査の世帯数は326万世帯のため、326万世帯に対して136万世帯であり、県内の全世帯数の約3分の1しか届いてない。情報公開や広報活動は住民自治の基本であり、損害賠償請求や住民監査請求でこのことを指摘されたら、県は合理的な説明ができないと思う。このことを内部監査で指摘し、改善してもらいたいと思っている。
繰返しになるが、他県ではタブロイド判とかA4判で公共施設や駅舎に配架し持ち帰ることができるようになっている。このことを踏まえ、県は今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
昨年度調べたところ、他府県で半分くらいが紙での配架・配布をしており、新聞購読率が徐々に減っていることも課題として十分認識している。ただ、県政世論調査の結果において、県の広報情報をどちらからお知りになりましたかという質問に対しては、あくまでも新聞、テレビ、ラジオなどのマスコミ情報が上位に来ているという事実はある。
まだまだ新聞を取ってない人に対する情報が十分伝わってないのではないかという指摘に対しては、新聞紙面を県機関に提出し、今後、県機関で新たに広報あいちを配架してもらうところを検討していくなどのことに付け加えて、市町村の広報紙に県政情報を載せてもらうように、毎月県政情報を市町村へ提供している。
基本的に各戸配布されることが多い市町村の広報紙は、地域密着の情報誌として、広報効果は高いと考えているので、今後も市町村に取り上げてもらいやすい県政情報を提供できるように努めていきたい。
駅への配架については、例えば東京都では東京メトロの駅や市町村が駅舎に持つ広報コーナーに広報誌が置いてあり、協力がもらえる施設があれば検討していきたいと考えているが、今のところは今後も新聞掲載を続けながら、県機関で配架できるところを探していきたいと考えている。
【委員】
各部局で県民参加型の楽しいイベントをたくさんやっている。例えば農林水産局では、いいともあいちネットワークがある。県民や事業者に参加してもらえる事業をたくさん各部局でやっているため、そういったことをしっかり周知していくためにも、ぜひお願いしたい。
次に決算に関する報告書7ページ、1のあいち国際戦略プラン推進費について伺う。
最近、アメリカ大統領選挙でトランプ氏が当選した。アメリカファーストということで、またトランプ氏に期待する向きもあるが、長いスパンで見たときに、世界規模で西洋中心から東洋中心へのシフトというのはもう避けられない、アメリカの凋落はもうトランプ氏がやっても止められない状況にあると思っている。一方で、ブリックスやグローバルサウスが人口やGDPで台頭してきており、国内にいるだけでもそれをひしひしと感じている。
その中で、アメリカ、ドイツ、フランスといった西洋だけでなく、ほかの地域も含めた戦略をしっかりとスピード感を持ってやっていかなければならないが、今後のあいち国際戦略プランの推進において、国際戦略をどのように考えているのか。
【理事者】
本県では、これまでも友好提携を結んでいる国をはじめ、相互協力や経済提携の覚書を結んでいる国や、環境など特定分野を対象とした提携を結ぶ幅広い国や地域を訪問しており、まずはこうした国・地域との交流、連携を一層深めていきたい、それから併せて、本県が取り組む事業と連携できるところがあれば、積極的に検討していきたいと考えている。
また、本県では、あいち国際戦略プラン2027の中間評価を来年度に実施する計画であり、今後、次期プランの策定も見据えつつ、方針の検討や有識者のヒアリングを行っていく予定である。
【委員】
次に決算に関する報告書8ページ、2の友好提携交流事業費について、友好提携先の一覧が報告書で示されているが、愛知県としても、ブリックス、グローバルサウス、中東、アフリカ、南米とネットワークを作らなければならない。友好都市提携先をもっと増やしていくべきだと思うが、いかがか。
【理事者】
本県では、これまでアジア、オセアニア、欧米、中東の地域の国家機関あるいは地域政府との間で三つの友好提携、21の相互協力及び経済連携、並びに8つの特定分野を対象とした覚書を結ぶなど、幅広い地域の多数の国や地域と提携をしている。
まずはこうした国や地域との交流、連携を一層深めていきたい、それから併せて、本県が取り組む事業と連携できるところがあれば、積極的に検討していきたいと考えている。
【委員】
次に決算に関する報告書15ページ、6東三河「新しい人の流れによる新たな魅力と価値」創造事業費、8山村振興ビジョン推進費、9離島活性化事業費の事業について、それぞれの事業の実績と今後の課題について伺う。
【理事者】
初めに、東三河「新しい人の流れによる新たな魅力と価値」創造事業費については、県内で先行して人口が減少している東三河地域において、関係人口の創出や移住・定住を促進するものである。昨年度は、東三河地域の企業と東京圏の企業等の人材とのマッチングを図る3人のコーディネーターを設置し、東三河地域の企業と首都圏の広告代理店に勤めるPRプランナーがコーディネーターを介してマッチングし、日本酒の新たなPR方法による情報発信につながった。
また、担い手不足により、地域資源の保存や活用が難しくなっている中で、市町村と連携して、歴史資源の保存等を行うボランティアを広域的に募集し、73人に新たな担い手として参加してもらった。
次に、山村振興ビジョン推進費について、本県の面積の約3分の1を占め、水源の涵養、自然災害の防止などの重要な役割を担っている三河山間地域の振興を図るために策定した、あいち山村振興ビジョン2025に基づき、関係人口の創出や移住・定住を促進するものである。昨年度は、アフターコロナ時代の新たなライフスタイルであるワーケーション等を三河山間地域で推進するため、企業等を対象としたモニターツアーを4回実施した。
また、三河山間地域において、起業等により地域の課題解決に取り組む人材をアントレワーク実践者として募集・選定し、7人の実践者を支援したほか、集落活動を応援したい個人と集落が求める活動とマッチングする集落応援活動を10回実施し、集落機能の維持、活性化につなげた。
次に、離島活性化事業費について、人口減少や高齢化による担い手不足が進む佐久島、日間賀島、篠島の3島において、島の活性化に寄与する関係人口の創出を促進するものである。昨年度は各島の課題解決のためのスキルを持った外部人材をサポーターとして募集、選定し、例えば佐久島においては、古着等をアップサイクルする活動を行っている島民の団体が、サポーターの力を借りて、活動費をまかなうための作品販売にチャレンジすることに取り組んだ。また、佐久島をモデルとして、離島におけるワーケーション等を推進するため、企業等を対象としたワーケーションのモニターツアーを7回、大学生を対象としたスタディケーションのモニターツアーを5回実施した。
こうした様々な取組を進め、関係人口の創出や移住・定住を促進してきた結果、三河山間地域においては、2年連続で移住者が増加するなどの成果が表れているが、東三河地域、三河山間地域及び離島3島の人口は、残念ながら2023年度も引き続き減少している。
こうした中で、地方への移住や田舎暮らしへの関心が高まっていることから、今後の課題として、この関心の高まりを、東三河地域、三河山間地域、それから離島3島における関係人口の創出や移住・定住の促進につなげていくことが、より一層重要になるものと考えている。
【委員】
これらの取組はそれぞれ、共感できるものばかりで、内容的にもユニークな取組もあり、大いに進めてもらいたいと考えている。
答弁であったように、田舎暮らしの関心が高まっており、そこをしっかりと後押ししなければならないと思っている。日本の地域の豊かさというのが、山村とか漁村にあると思っている。名古屋などの都会に住んでいるだけでは、分からない価値がある。
人口減少とか担い手不足は、山村・漁村の維持にとって重大な課題であるため、予算規模を増やしてもよいのではないかと考えている。今後、どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
地方移住や田舎暮らしへの関心の高まりを、東三河地域、三河山間地域、離島3島の関係人口の創出や移住・定住の促進につなげていく必要があり、事業の対象を拡大するなど、さらなる取組を進めていく必要があると認識している。
このため、まず今年度としては、東三河地域においては、地域活動の担い手として、新たに地域課題に関心がある学生をターゲットとして、地元住民と交流しながらフィールドワークや草刈りを通じて地域活動を学ぶプログラムを実施するとともに、新たに農作業等に関心のある女性もターゲットとして、女性の農業実践者の団体と交流して、草刈りや農業を体験する取組も実施している。
また、三河山間地域においては、昨年度実施したワーケーションモニターツアーの実施結果等を踏まえて作成した、あいちの山里型ワーケーションのマニュアルを、地元市町村としっかり共有するとともに、県のウェブサイトにも掲載して、各市町村から推薦があったワーケーションが可能な施設の情報をさらに拡充し、広く情報発信していきたいと考えている。
さらに、離島においては、昨年度、佐久島において実施したワーケーション及びスタディケーションの成果を他の島へ広げていくため、今年度は日間賀島及び篠島においてもワーケーション及びスタディケーションのモニターツアーを実施している。今後も引き続き、こうした取組を進めて、関係人口の創出や移住・定住の促進に向け、積極的に取り組んでいきたい。
【委員】
鋭意進めてもらいたいと思う。
次に決算に関する付属書340ページからの公債管理特別会計のうち、342ページ及び343ページの公債管理特別会計歳入第3款、県債で約2,198億円と計上されている借換債について、借換えはどのような考え方で行われているのか伺う。
【理事者】
地方債の償還年限は、地方財政法において、当該地方債を財源として建設した公共施設、または公用施設の耐用年数を超えないようにするとしていることや、国の地方債同意等基準において、原則として償還年限は30年以内とすることが適当とされていることを踏まえて、本県の県債は基本的に30年で償還するとしている。
そうした中、実際の県債の発行に当たっては、市場環境や投資家ニーズを踏まえて、5年、10年、20年などの年限で発行しているため、発行年限が30年未満の県債については、年限到来時点における未償還の元金相当額を改めて借り入れて、トータルとして30年間で償還することとしている。
【委員】
令和5年度については、日本銀行の金融政策変更の影響による金利上昇もあった。愛知県債の利率にどのような影響があったのか伺う。また現在のような、金利上昇局面において、借換えの回数が多いと、その分リスクが高くなると思うが、そうした金利上昇のリスクに備えて、県としてどのような対策、取組を行っているのか伺う。
【理事者】
愛知県債の利率への影響であるが、本県は発行年限が10年の満期一括償還方式の県債を毎月発行しており、その利率をみると、令和4年度の平均利率は0.472パーセント、令和5年度の平均利率は0.772パーセント、令和6年度は、これまでのところ1.052パーセントまで上昇している。
こうした金利上昇局面においては、金利が借換え時のリスクとなり得るため、県債の発行に当たっては、需要と供給の偏りによる一時的な影響を抑えるために、発行時期の平準化や発行年限の多様化に取り組むほか、発行時期、年限などをあらかじめ特定しない発行枠であるフレックス枠を設け、これを市場環境に応じて機動的に活用するなど、発行の柔軟化に取り組んでいる。