委員会情報
委員会審査状況
経済労働委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和7年6月30日(月) 午後0時58分~
会 場 第7委員会室
出 席 者
日高 章、細井真司 正副委員長
直江弘文、久保田浩文、近藤裕人、田中泰彦、神谷和利、宮島謙治、
かじ山義章、桜井秀樹、阿部洋祐、大久保真一、神谷まさひろ 各委員
企業庁長、企業次長、技術監、管理部長、水道部長、企業立地部長、
関係各課長等
<付託案件等>
○ 議 案
なし
○ 閉会中継続調査申出案件
1 中小企業の振興、次世代産業の育成及び産業交流の促進について
2 労働者福祉の向上、職業能力開発の推進及び雇用対策について
3 観光振興及び国際会議等の誘致について
4 水道事業及び工業用水道事業について
5 用地造成事業について
6 経済産業局、労働局、観光コンベンション局、企業庁及び労働委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 一般質問
3 閉会中継続調査申出案件の決定
4 閉会中の委員会活動について
5 閉 会
(主な質疑)
《一般質問》
【委員】
私からは県営水道、工業用水道の老朽化施設の更新について伺う。
今年の1月28日に埼玉県八潮市において老朽化した下水道管の破裂に起因する道路の陥没事故が発生したことは皆も承知のことかと思うが、その際に通行中の車両が巻き込まれるという深刻な事態となった。いろいろな新聞報道等によると、全国各地においても老朽化した水道管の破損による漏水事故が相次いで発生しており、これに伴い、水道及び工業用水道施設の老朽化が深刻な社会課題となっている。こうした事象は生活のインフラとして、また、水の安定供給に支障を来すだけでなく、産業活動への影響や、さらには災害時の水利用への対応力の低下といった問題にもつながりかねない。特に高度経済成長期に整備された多くの施設が一斉に更新時期を迎えていることから、今後ますます老朽化への対応が急務となっており、全国的に施設の更新が課題となっている。
そこで、企業庁では老朽化施設の更新にどのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
県営の水道・工業用水道事業では、水を製造する浄水場と水を送り届ける管路を整備し、1961年度に愛知用水地域の市町や事業所への給水開始を手始めに事業を展開し、60年以上が経過しており、浄水場等の設備や管路の老朽化が進んでいる。老朽化設備の更新について、より計画的に行うため、使用年数や点検結果に基づく老朽度などから優先順位を定めて方針計画を策定し、1990年度から計画に基づく設備更新に取り組み始めた。また、管路の更新についても同様に更新計画を策定し、2012年度から取り組み始めた。現在は2030年度までを計画期間とする老朽化施設更新計画に基づき、計画的に設備、管路の更新に取り組んでいる。
【委員】
2012年度から管路についても取り組んでいるということで、次に管路について伺うが、管路は道路下に埋設されていて、劣化状況を把握することが難しいと素人的に私も思うが、令和7年3月の経済労働委員会において委員からの質問で、県営水道の管路点検がどのような方法で行われているかという質問に対して、AIを活用した水道管の劣化度診断に取り組んでいると答弁していた。
そこで、このAIによる劣化度診断は実際にどのように診断されているのか。また、診断結果をどのように活用していくのかを伺う。
【理事者】
AIによる管路劣化度診断については、2022年度から2024年度までの3か年で、県内全域の水道管、工業用水道管の合計約1,600キロメートルを対象に、四つの地域に分けて診断業務委託を発注し、業務を受託した三つの企業が診断を行った。劣化診断の業務の手順としては、3社に多少の差異はあるが、おおむねデータ準備、機械学習及び劣化診断の三段階で実施されている。
まずデータ準備では、水道管に関するデータとして、管種、口径、延長、埋設年や漏水事故履歴などの項目が、環境に関するデータとして、人口密度、降水量、交通量、土質や地下水位など、管路の劣化に影響を与える物理的、化学的な項目が準備される。
二つ目の機械学習では、管路データ及び環境データをデジタル化するとともに、データの修正や補完といった処理が行われ、AIが学習しやすいデータに整理され、学習が行われる。
三つ目の劣化診断では、各社が独自に構築したAIが学習データを基に解析を行い、5年先程度の水道管破損確率が計算される。その結果は、地理情報システム上の管路に段階的に色分けして表示され、視覚的にリスクの高い場所を把握できるように取りまとめられている。
次に、診断結果をどのように活用していくのかについてである。
AIの診断結果については、現状管路の実態との比較検証を行うため、2022年度からAIによる劣化度診断とは別に、実際に水道管工事により埋設管を掘り起こした際に、水道管の外面塗覆装の状態など、劣化状況を直接的に調査することにも取り組んでいる。これら調査結果や最新の漏水事故実績により、AIの診断結果の検証を行いながら、次に管路更新計画を作成する際に更新順位を検討するための基礎資料として活用し、より効果的、効率的な計画作成に努めていく考えとしている。
【委員】
管路更新ではAIという新しい技術を活用した新たな取組をしていることを確認させてもらったが、次に、私の地元知多市には知多半島へ大切な水を供給している知多浄水場がある。知多浄水場は昭和52年10月に水道を供給開始して48年経過していることから、浄水場内の設備も順次更新していると思うが、設備更新において、新たに取り組んでいることがあれば教えてほしい。
【理事者】
委員から話もあったように、知多浄水場では河川から取り入れた水をきれいにする水処理工程全体を監視制御する計装設備や各設備を動作させるための電気を供給する電気設備が老朽化し、更新する時期に来ている。また、知多浄水場の水道は長良川から取水し、弥富市にある弥富ポンプ場及び飛島村にある筏川取水場を経由し、導水しているが、知多浄水場から遠隔で監視制御を行っているこれら2施設の計装設備や電気設備も同様に老朽化しているため、今年度中に知多浄水場はじめ3施設の計装設備及び電気設備の一括更新に着手する計画としている。
今回の更新は、浄水場での水処理と市町や事業体への水供給を継続しながら、3施設の設備を順次更新する難易度の高い工事となることから、民間企業が有する技術力、施工ノウハウの活用により、効率的な施工が期待できることに加え、更新した設備のメンテナンスを含めることで、ライフサイクルコストの抑制も期待できる設計施工メンテナンス一括発注方式を初めて採用し、事業期間は工事期間とメンテナンス期間を合わせた25年間とする予定としている。
さらに、浄水場等の運転管理業務の効率化、高度化や維持管理業務のコスト縮減を図るため、IoTやAIをはじめとするデジタル技術や新技術の提案を受け付け、審査した上で導入することを考えている。今後7月中の入札公告を目指し、その後、入札申込書の審査、技術提案書の審査を行った上で、今年度中に契約できるよう手続を進める予定としている。
【委員】
では、最後に要望させてもらう。
先ほど説明してもらった知多浄水場だが、長良川から取り入れた水を家庭などで使用される水道水に浄化するとともに、木曽川から愛知用水を経て佐布里池に入れた水を工場で使用される工業用水に処理する知多半島にとっては大切な浄水場でもある。水道水は知多半島4市の半田市、常滑市、東海市、知多市と、そして5町の阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町へ供給しており、各家庭にはそれぞれ市町の水道水として配っており、工業用水は東海市、知多市にある名古屋南部臨海工業地帯や阿久比町、東浦町の工場へも配ってもらっており、我々知多半島にとっては非常に大切な命の水である。
また、県営水道管の総延長約817キロメートルにおいてもAIによる劣化度診断など、今後もAIをさらに活用して予測してもらって、その結果を基に引き続きしっかりと2030年度以降の更新計画を立て、老朽化施設更新の予算確保と、それから安全で良質な水の安定供給ができるように努めてもらうことを要望して私の質問を終わる。
【委員】
私からは県営水道のPRについて伺う。
今、委員から県営水道の上水道をはじめとする施設、あるいは管路の更新について質問があった。その中で、IoTやAIなどを使ってやっていくことで、省力化あるいは高効率化を図っていく話を今聞くことができたが、やはり維持管理にお金がかかる、固定費がかかってくるので、今後水道料金は上がることはあっても下がることはないだろうと思う。そのためにも水道に対して県民から理解をもらわないといけない。そのような観点で質問をさせてもらう。
今日で6月が終わるが、実は6月1日から7日までが水道週間となっていた。ネットで調べさせてもらった水道週間の趣旨というものがある。水道は国民の健康で文化的な日常生活を支える最も重要な施設の一つであり、また、社会的、経済的な諸活動を支える必要不可欠の施設である。しかしながら、水源の確保、水質の保全、料金問題を含む経営関係等、様々な種々の問題があり、水道事業を取り巻く周囲の環境は極めて厳しく、早急に解決を図るべき多くの課題を抱えている。これらの問題解決には県民の理解と協力を得ることが必要であるが、水道週間の行事を通じて県営水道の理解と関心を高めると同時に、県営水道の必要性、重要性を再認識してもらうと水道週間の趣旨が述べられていた。
そこでまず質問させてもらう。
水道週間には具体的にどんな事業を展開しているのか伺う。
水道週間の取組であるが、1959年から始まった水道週間では、水道の現状や課題、今後の取組について理解と協力を得ることを目的に、国土交通省や都道府県をはじめ、市町村の水道事業者など、全国の水道関係団体が様々な広報活動を行っている。広報活動の一環として、毎年度ポスターやスローガンの広報も行われ、今年度のスローガンは透き通る誇れる水に感謝するが選定された。県営水道においても、県民の生活に不可欠である水の大切さを再認識し、県営水道についての理解と関心を高めてもらうため、水道事務所や浄水場において県営水道PR用の横断幕や水道週間のポスターを掲示するとともに、浄水場の一般開放や街頭PR活動など、広報活動を実施している。具体的には、浄水場の一般開放では職員がガイドとなり、沈澱池やろ過池など水処理工程を見学してもらうほか、水道水が各家庭に届くまでを分かりやすく説明した動画や下水道の事業に関する展示パネルを見てもらっている。浄水場の来場者にはボトルウォーターあいちの水や浄水場カードなどを配布している。また、街頭PR活動では、水道週間の直前にはなるが、駅前広場や大型スーパー周辺で水道週間に関するチラシ等の配布を行っている。
【委員】
今の答弁の中でボトルウォーターあいちの水の話があった。目の前にも置いてあるが、このボトルウォーターあいちの水は、県営水道のPRのために、1985年からもう40年間作成されていると聞いている。
そこで伺う。
あいちの水のデザイン、去年と違っていると思うが、デザインで工夫している点は何か。また、この缶はどのように活用されているか伺う。
【理事者】
ボトルウォーター、あいちの水は現在400ミリリットルの通常缶と290ミリリットルの小型缶の2種類を製作している。通常缶のデザインは2011年の県営水道50周年、2021年の県営水道60周年を機に変更した。これらのデザインは、官学連携により、愛知県立芸術大学に製作を依頼し、同大学から複数案の提示を受け、職員による投票等により決定した。また、委員の手元に配られている小型缶のデザインはあいちの水という文字以外は県の主要プロジェクトに関するロゴマークを掲載するなど、県庁内関係課と調整を図りながら当庁がデザインを決定している。今年度は2026年開催のアジア・アジアパラ競技大会を契機に、地元を盛り上げる独自のロゴマークと2005年の開催から20周年の節目を迎える愛・地球博のモリゾーとキッコロを掲載している。
次に、あいちの水の活用についてである。
あいちの水は県民に県営水道のPRを行うことを目的に製作しているので、企業庁が主催するイベント等で配布するほか、受水市町や県庁内、各局、各課が主催する、主に県民を参加者としたイベントや会議等でも配布してもらい、広く県営水道についての理解と関心を高めることに努めている。
【委員】
非売品なのでなかなか見る機会が一般の県民はないと思うが、できるだけPRしてもらいたい。
この水道事業に関することをネットで見ていたら、実はイメージソングあいちの水が載っていて、そこをクリックすると歌が流れてきたが、実は全然聴いたことがなかった。県営水道50周年を契機に広く県民に親しみを持ってもらえるよう作成したと書いてあった。
そこで伺う。
イメージソングあいちの水はどのようにPRに活用されているのか伺う。
【理事者】
PRソングであるが、以前、県内のイベントやお昼休み等に流して広く県民に理解してもらえるように作成した。
【委員】
PRについていろいろ聞いてきた。聞いた趣旨は冒頭言ったとおりである。最初の委員の冒頭のときに、埼玉県八潮市の下水道の陥没事故の話があった。下水道は傾斜によって流れていくだけだが、水道のほうは水圧をかけているので、特に県水はすごい水圧がかかっている。おととい皆もニュースで見たかと思うが、鎌倉で水道の漏水事故があって、あっという間に道路が川のように流れてしまい、1万世帯が断水したというニュースがあった。本当に日本という国にいると、蛇口をひねれば飲料水が出てくる。これが当たり前だと我々は思っているが、そんな国はほかに地球の中であまりないと聞いている。ぜひとも企業庁にはそんな当たり前を守ってもらうことを切にお願いして、質問を終わる。
【委員】
今、委員から、水道料金は上がることはあっても下がることはないという話があって、いや、そんなことはないだろうということで質問させてもらうが、東京都が無償化にすると言っていると承知している。そして、愛知県内でも岩倉市、江南市、稲沢市、大口町、扶桑町といった自治体が検討しているのか、もうしたのか定かではないが、そういった方向があると承知しているが、こういった事象に対して県としてはどのような考えであるか伺う。
【理事者】
無償化に関する質問であるが、県営水道の現在の経営状態は、物価上昇等による経営状況の悪化のため、令和6年と令和8年の2段階で値上げを行っている状況である。令和6年の決算見込みでは辛うじて黒字を確保する状況である。その後の経営の見通しとしては、老朽化施設更新等による費用の増加や人口減少による収入の減少により、経営環境は徐々に厳しくなると見込んでいる。したがって、水道料金の減免を現在行える状況ではないと考えている。引き続き健全な経営を確保し、老朽化施設更新などの事業を着実に進め、安全・安心な水道水の供給に努めていきたい。
【委員】
今話があったことが私は通常の考え方だと思うが、申し訳ない。これは都道府県でいうと東京都がやることなので、どのような形態なのか分からないが、上水道の料金を無償化するというのは、下水道の料金だけ徴収するということなのか。
【理事者】
水道の料金制度、事業体によって多少の差異はあるが、基本料金と使用料金の二段構えになっていることが多いと思っている。基本料金は、水道は浄水場をつくったり管路を整備したりするので、そういった施設整備にかかった費用を基本料金で回収し、使用料金については浄水場の運転だとか施設の維持管理に要した費用を使用料金として回収している。
東京都は都民に供給する末端供給事業を行っているが、そのうちの基本料金の部分を無償化し、使用料金についてはこれまでどおり使った分は徴収するということなので、先ほど委員から下水道料金の話があったが、水道の使用料金と下水道料金を合わせて徴収されるのかと思う。
【委員】
何を言いたかったかというと、このような本当に人間生活に必要不可欠なもの、これを行政がサービスとして供給し、それを税金で賄ってやっているので、あえてこれを無償化、無償化といって何でもかんでもただにしていく方向が今果たしていいのか。自治体間でこんな競争しているとみんな東京に行ってしまう話になってしまうし、愛知県だけで抵抗していてもいけないのかもしれない。
ただ、先ほど言ったように市町でもそのようなことをやるところがある。実は私の地元の日進市は今年度だと思うが、基本料金を上げた。そうしたら随分いわゆる市民派と言われる皆から、ほかはそのような下げる話もあるのにどうして上げるんだと言われることがある。もちろん努力して上がらないようにはするが、先ほど委員が質問してくれたように、老朽化対策や、維持していかなければいけないので、そうしたことをしっかり理解してもらって、やはりどうしても必要であることをPRするのはとても大事なことだと思う。
東京都のやること、あるいはほかの市町がやることについて、とやかくはあまり言いたくないが、巻き込まれずに、やるべきことをきっちりやる。愛知県は特にこのようなことをやっていると明確にしてもらって、そして、委員が言ったように、蛇口をひねれば水が出てきて、しかも飲める。最近は実はコンビニエンスストアはじめスーパーマーケットで売っている水がよく売れていると思うが、そのようなもったいないことをしなくても十分飲めるんだとPRして、ペットボトルを買うぐらいだったら水道を使ってほしいと。よほど安いだろうとアピールができるくらいのほうが減税や、あるいは無償化にするなど、そんなことよりもよほどよろしいのかと思うので、そういったPRを併せてやってもらえればありがたい。
【委員】
今、愛知県は総務局にDX推進本部を置いて、県庁を挙げてデジタル化に取り組むという方向で動いていると思うが、企業庁の建前は独立採算だろうから、企業努力によって大きく収支も変わるし、経費も変わってくると思う。また、豊橋浄水場がPFIでやる。民間のノウハウと知恵を借りてやるという、大変よいことだと思うが、これを契機に私は、企業庁そのものの組織の情報の見える化、デジタル化を早急に進めるべきだと思う。日本の企業は大企業も中小企業も余剰人員を抱えているから、なかなか給料も上げられない。生産性ももちろん上がらないから、これからデジタル化によって業務の改革、生産性の向上、そして無駄を省いて給料を上げていく。また、人手不足の解消にもなるので、今DX推進本部の指示を受けて、企業庁がDXに向けてどのような努力をしているか、現状を伺う。
【理事者】
DXの導入については、水道では設備台帳や管路情報の各システムのクラウド化など、重点的にこれらの取組を進めている。また、水道及び工業用水道事業では、先ほどの話にあるように、老朽化施設更新などの需要が高まって、これからこれらの更新ペースを加速化させていかなければならない。そのため、これらの施設更新も重点的に取り組んでいる。また、これから人口減少社会になる。我々の技術職員の確保も困難となるので、先ほどの話にあるように、豊橋浄水場再整備等事業などで官民連携の手法を活用しながら、施設更新、新技術やDXの導入も図っていく。
そのほか、PFOS、PFOAなどの水質に関する課題もあるので、これらの対応もある。今後、人口減少、施設の老朽化、また、物価高、災害の激甚化など、水道と工業用水を取り巻く環境は厳しさを増しているので、DX、施設更新、災害対応力の向上や水道水質の確保など、事業運営全体のマネジメントを行い、将来にわたる持続可能なインフラ事業の運営体制を構築し、業務の効率化を図りながら、安定供給に努めていきたい。
【委員】
一番大きいのは人件費だと思うので、皆が思う以上にある程度デジタル化していく。人件費のコストが抑えられる。別に首にせよという話ではない。新しく入れるほうを少なくすればよいのだから。そのような形で企業努力して、今話があったように新たな老朽化の投資もしなければいけないし、安定供給もしなければいけないし、それはやはり役所の仕事、役目もあると思う。豊橋浄水場のPFIを契機に、どの企業が受注するか分からないが、彼らの持っているいろんなノウハウを利用させてもらい、もっと内部努力を、企業努力をしてもらいたい。
それと、私は高度経済成長の波に乗って企業庁の果たした役割というのは大きいと思う。市町村から企業団地をつくってもらいたい。それも製造業だということで、一定の役割を果たしてきた。しかし、この数十年で経済も社会も大きく変わった。途中で物流やいろんな業種も増やしながら努力したと思うが、今業種は何業種ぐらいに広がっているか。
【理事者】
現在、製造業、物流業がメインであるが、まず初めに分譲中の現在の面積について説明させてもらうと、内陸は1.8ヘクタール、臨海用地は82.4ヘクタールであり、合計で84.2ヘクタールである。
これまで製造業、物流業を中心に誘致活動を進めてきたが、分譲用地が多く残っている臨海用地については、企業の業種の幅をさらに拡大していくことが重要である。近年では使用済みの食用油をバイオディーゼル燃料につくり換える企業や、リチウムイオン電池をテストする企業とも契約していて、また、再生プラスチック製造企業や水素供給基地の建設を検討する企業からも具体的に相談を受けている状況である。産業構造の変化がスピードを増していく中、製造業や物流業にこだわることなく、今後進展する資源循環型社会や脱炭素型社会のニーズに合わせて、今後様々な業種の企業を幅広に取り込むことを念頭に置いて、民間企業のノウハウを活用し、地元市町の理解を得つつ、調整を図りながら企業誘致に努めていきたい。
【委員】
それだけの広大な売れ残りの土地があるわけであるから、前から言っているが、不動産業界、宅建業界がいろんな企業とのつながりを持っているし、情報も持っているから、彼らに相談して何とか売れる商品をつくってもらって売っていく。莫大な維持費を使ってやっているわけだから、彼らのほうが情報を持っている。営業部門もあると思うが、少なくして、プロの力を借りて、とにかく余剰の土地を売り切ることをやってもらわないと、いつまで抱えているのか。それに対して経費がかかっているわけだろう。もう少し本気になってやってもらわないと困る、県費を使っているわけだから。そのような民間の力と知恵を借りてやるように考えてはどうか。
【理事者】
民間企業のノウハウの活用については、県の職員だけではなかなか営業力、情報力が足らないところもあるので、三つほどあって、平成16年度から不動産業者に土地の仲介を委託する仲介委託制度を導入したものと、民間企業のOBの広い見地と人脈を生かしてアドバイスを受けるという企業誘致アドバイザー制度を設けている。また、これが最もメインになるが、企業訪問を通じて、東京に常駐する企業庁の職員が首都圏に本店機能を持つ金融機関や建設業者のほか、全国の産業団地の立地条件等を収集する研究機関である一般財団法人日本立地センターなどからも情報を聞き取って営業に回っている。こうした聞き取り等を踏まえて、潜在的な建て替え需要を掘り起こすことを目的として、企業による生産体制の見直しや生産設備の老朽化などの情報を集めており、継続的に情報交換、企業情報を集めることを常に心がけながら企業誘致活動を進めている。
【委員】
八十数ヘクタールの用地があるというのは、企業庁、これは問題である。企業庁長が新しく着任されたので、この代で全部売り切ると。そのくらいの意欲を示してほしい。
【理事者】
委員からの指摘を常に念頭に置きながら、先ほど担当課長が答弁したように、コンサルタントや研究機関などの専門家の意見をしっかりと聴くことは非常に重要だと考えているので、そういった専門家の意見をしっかりと聞きながら、企業誘致活動に、企業庁として全力で取り組んでいくので、引き続き指導をお願いする。
【委員】
今IT革命が起こって、そして、もうこれからAI革命である。あらゆるものがネットにつながって、それをAIで加速する時代になった。したがって、AIがもう社会の隅々まで行き渡りつつある。今年の1月にエヌビディアのフアン氏というCEOと、ソフトバンクの孫正義氏の対談をユーチューブで見ていたら、半導体はかつて日本が隆盛を誇っていた。基本的な技術は日本からもらった。だから、これから日本に力を入れていくんだとフアン氏は言っていた。それを受けて、ソフトバンクの孫正義氏は、私のカスタマイズで私のAIを、ロボットを1億台作ると言っていた。大ぼらとも思えないことは、それだけ日本の社会に普及させると10億人の仕事ができると言っていた。ということは、あらゆるところにAI搭載のロボットが動き回る時代が来る可能性がある。そうすると、ソフトバンクは情報と通信と融合させる、つまり、5Gなどの基地をサーバーにする。クラウドなどはまた大きなデータセンターが要る。そして、この前新聞に出ていたKDDIがローソンというコンビニエンスストアを買収した。その2万店あるコンビニエンスストアを小さいデータセンターにするという。なぜかというと、大中小できてくると小さいところは近くにサーバーというかデータセンターがないと遅延が起こると記者会見していた。それほどデータセンターの需要が高くなってくると考えられる。
そこで、今の臨海が適しているかどうか分からないが、だんだん小型化していくから、データセンターの誘致も一つの業種に入れて、可能性を追求してもらいたいがどうか。
【理事者】
委員の言うとおり、AIの急速な普及によってデータ量が急増しているような状況を背景として、そのデータを処理する施設である大規模なデータセンターの建設計画が全国で進められていると認識している。そのデータセンターの稼働には膨大な電力を必要とするので、立地場所によっては電力を供給する送電網の新設や増設が必要となって、工事が長期化するようなケースもあるが、AIの進歩によって、AIのフェーズが学習から推論へと移り変わることで、小規模なデータセンターでも対応できるようになる動きもある。また、政府からこのほど電力と通信インフラを連携させる構想が打ち出されて、発電所の周辺にデータセンターの立地を促すなどの、電力と情報通信インフラの一体化のための整備を進める旨の計画が発表されたので、こうした国の動向もこれまで以上に注視する必要があると認識している。企業庁としては、本県の産業振興をより一層促進し、世界の一歩先を行く産業首都あいちを実現するためには、AIの利用を促進するための基盤整備は極めて重要であると認識している。本日委員からもらった提案を常に念頭に置きながら、AI時代の要請に応えるため、国の動向にも注視しつつ、一生懸命に情報の収集を行い、研究を進めて、最新の企業ニーズに沿った良質な工業用地を提供できるように、企業庁として全力で取り組んでいきたい。
【委員】
さすが新任の企業庁長はやる気がある。期待しているので、時代に合わせて、これからソフトがハードをリードする時代なので、職種もいろいろとソフトに力を入れ、あとは民間の力を大いに利用させてもらうことで、まず82ヘクタール、何としてでも売り切る。それこそ東京へ営業に行くわけだから。そのような企業にこのような土地があり、どんどん小型化していくからと、頑張って営業をやってもらうようにお願いして終わる。
( 委 員 会 )
日 時 令和7年6月30日(月) 午後0時58分~
会 場 第7委員会室
出 席 者
日高 章、細井真司 正副委員長
直江弘文、久保田浩文、近藤裕人、田中泰彦、神谷和利、宮島謙治、
かじ山義章、桜井秀樹、阿部洋祐、大久保真一、神谷まさひろ 各委員
企業庁長、企業次長、技術監、管理部長、水道部長、企業立地部長、
関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
○ 議 案
なし
○ 閉会中継続調査申出案件
1 中小企業の振興、次世代産業の育成及び産業交流の促進について
2 労働者福祉の向上、職業能力開発の推進及び雇用対策について
3 観光振興及び国際会議等の誘致について
4 水道事業及び工業用水道事業について
5 用地造成事業について
6 経済産業局、労働局、観光コンベンション局、企業庁及び労働委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 一般質問
3 閉会中継続調査申出案件の決定
4 閉会中の委員会活動について
5 閉 会
(主な質疑)
《一般質問》
【委員】
私からは県営水道、工業用水道の老朽化施設の更新について伺う。
今年の1月28日に埼玉県八潮市において老朽化した下水道管の破裂に起因する道路の陥没事故が発生したことは皆も承知のことかと思うが、その際に通行中の車両が巻き込まれるという深刻な事態となった。いろいろな新聞報道等によると、全国各地においても老朽化した水道管の破損による漏水事故が相次いで発生しており、これに伴い、水道及び工業用水道施設の老朽化が深刻な社会課題となっている。こうした事象は生活のインフラとして、また、水の安定供給に支障を来すだけでなく、産業活動への影響や、さらには災害時の水利用への対応力の低下といった問題にもつながりかねない。特に高度経済成長期に整備された多くの施設が一斉に更新時期を迎えていることから、今後ますます老朽化への対応が急務となっており、全国的に施設の更新が課題となっている。
そこで、企業庁では老朽化施設の更新にどのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
県営の水道・工業用水道事業では、水を製造する浄水場と水を送り届ける管路を整備し、1961年度に愛知用水地域の市町や事業所への給水開始を手始めに事業を展開し、60年以上が経過しており、浄水場等の設備や管路の老朽化が進んでいる。老朽化設備の更新について、より計画的に行うため、使用年数や点検結果に基づく老朽度などから優先順位を定めて方針計画を策定し、1990年度から計画に基づく設備更新に取り組み始めた。また、管路の更新についても同様に更新計画を策定し、2012年度から取り組み始めた。現在は2030年度までを計画期間とする老朽化施設更新計画に基づき、計画的に設備、管路の更新に取り組んでいる。
【委員】
2012年度から管路についても取り組んでいるということで、次に管路について伺うが、管路は道路下に埋設されていて、劣化状況を把握することが難しいと素人的に私も思うが、令和7年3月の経済労働委員会において委員からの質問で、県営水道の管路点検がどのような方法で行われているかという質問に対して、AIを活用した水道管の劣化度診断に取り組んでいると答弁していた。
そこで、このAIによる劣化度診断は実際にどのように診断されているのか。また、診断結果をどのように活用していくのかを伺う。
【理事者】
AIによる管路劣化度診断については、2022年度から2024年度までの3か年で、県内全域の水道管、工業用水道管の合計約1,600キロメートルを対象に、四つの地域に分けて診断業務委託を発注し、業務を受託した三つの企業が診断を行った。劣化診断の業務の手順としては、3社に多少の差異はあるが、おおむねデータ準備、機械学習及び劣化診断の三段階で実施されている。
まずデータ準備では、水道管に関するデータとして、管種、口径、延長、埋設年や漏水事故履歴などの項目が、環境に関するデータとして、人口密度、降水量、交通量、土質や地下水位など、管路の劣化に影響を与える物理的、化学的な項目が準備される。
二つ目の機械学習では、管路データ及び環境データをデジタル化するとともに、データの修正や補完といった処理が行われ、AIが学習しやすいデータに整理され、学習が行われる。
三つ目の劣化診断では、各社が独自に構築したAIが学習データを基に解析を行い、5年先程度の水道管破損確率が計算される。その結果は、地理情報システム上の管路に段階的に色分けして表示され、視覚的にリスクの高い場所を把握できるように取りまとめられている。
次に、診断結果をどのように活用していくのかについてである。
AIの診断結果については、現状管路の実態との比較検証を行うため、2022年度からAIによる劣化度診断とは別に、実際に水道管工事により埋設管を掘り起こした際に、水道管の外面塗覆装の状態など、劣化状況を直接的に調査することにも取り組んでいる。これら調査結果や最新の漏水事故実績により、AIの診断結果の検証を行いながら、次に管路更新計画を作成する際に更新順位を検討するための基礎資料として活用し、より効果的、効率的な計画作成に努めていく考えとしている。
【委員】
管路更新ではAIという新しい技術を活用した新たな取組をしていることを確認させてもらったが、次に、私の地元知多市には知多半島へ大切な水を供給している知多浄水場がある。知多浄水場は昭和52年10月に水道を供給開始して48年経過していることから、浄水場内の設備も順次更新していると思うが、設備更新において、新たに取り組んでいることがあれば教えてほしい。
【理事者】
委員から話もあったように、知多浄水場では河川から取り入れた水をきれいにする水処理工程全体を監視制御する計装設備や各設備を動作させるための電気を供給する電気設備が老朽化し、更新する時期に来ている。また、知多浄水場の水道は長良川から取水し、弥富市にある弥富ポンプ場及び飛島村にある筏川取水場を経由し、導水しているが、知多浄水場から遠隔で監視制御を行っているこれら2施設の計装設備や電気設備も同様に老朽化しているため、今年度中に知多浄水場はじめ3施設の計装設備及び電気設備の一括更新に着手する計画としている。
今回の更新は、浄水場での水処理と市町や事業体への水供給を継続しながら、3施設の設備を順次更新する難易度の高い工事となることから、民間企業が有する技術力、施工ノウハウの活用により、効率的な施工が期待できることに加え、更新した設備のメンテナンスを含めることで、ライフサイクルコストの抑制も期待できる設計施工メンテナンス一括発注方式を初めて採用し、事業期間は工事期間とメンテナンス期間を合わせた25年間とする予定としている。
さらに、浄水場等の運転管理業務の効率化、高度化や維持管理業務のコスト縮減を図るため、IoTやAIをはじめとするデジタル技術や新技術の提案を受け付け、審査した上で導入することを考えている。今後7月中の入札公告を目指し、その後、入札申込書の審査、技術提案書の審査を行った上で、今年度中に契約できるよう手続を進める予定としている。
【委員】
では、最後に要望させてもらう。
先ほど説明してもらった知多浄水場だが、長良川から取り入れた水を家庭などで使用される水道水に浄化するとともに、木曽川から愛知用水を経て佐布里池に入れた水を工場で使用される工業用水に処理する知多半島にとっては大切な浄水場でもある。水道水は知多半島4市の半田市、常滑市、東海市、知多市と、そして5町の阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町へ供給しており、各家庭にはそれぞれ市町の水道水として配っており、工業用水は東海市、知多市にある名古屋南部臨海工業地帯や阿久比町、東浦町の工場へも配ってもらっており、我々知多半島にとっては非常に大切な命の水である。
また、県営水道管の総延長約817キロメートルにおいてもAIによる劣化度診断など、今後もAIをさらに活用して予測してもらって、その結果を基に引き続きしっかりと2030年度以降の更新計画を立て、老朽化施設更新の予算確保と、それから安全で良質な水の安定供給ができるように努めてもらうことを要望して私の質問を終わる。
【委員】
私からは県営水道のPRについて伺う。
今、委員から県営水道の上水道をはじめとする施設、あるいは管路の更新について質問があった。その中で、IoTやAIなどを使ってやっていくことで、省力化あるいは高効率化を図っていく話を今聞くことができたが、やはり維持管理にお金がかかる、固定費がかかってくるので、今後水道料金は上がることはあっても下がることはないだろうと思う。そのためにも水道に対して県民から理解をもらわないといけない。そのような観点で質問をさせてもらう。
今日で6月が終わるが、実は6月1日から7日までが水道週間となっていた。ネットで調べさせてもらった水道週間の趣旨というものがある。水道は国民の健康で文化的な日常生活を支える最も重要な施設の一つであり、また、社会的、経済的な諸活動を支える必要不可欠の施設である。しかしながら、水源の確保、水質の保全、料金問題を含む経営関係等、様々な種々の問題があり、水道事業を取り巻く周囲の環境は極めて厳しく、早急に解決を図るべき多くの課題を抱えている。これらの問題解決には県民の理解と協力を得ることが必要であるが、水道週間の行事を通じて県営水道の理解と関心を高めると同時に、県営水道の必要性、重要性を再認識してもらうと水道週間の趣旨が述べられていた。
そこでまず質問させてもらう。
水道週間には具体的にどんな事業を展開しているのか伺う。
第67回水道週間ポスター
水道週間の取組であるが、1959年から始まった水道週間では、水道の現状や課題、今後の取組について理解と協力を得ることを目的に、国土交通省や都道府県をはじめ、市町村の水道事業者など、全国の水道関係団体が様々な広報活動を行っている。広報活動の一環として、毎年度ポスターやスローガンの広報も行われ、今年度のスローガンは透き通る誇れる水に感謝するが選定された。県営水道においても、県民の生活に不可欠である水の大切さを再認識し、県営水道についての理解と関心を高めてもらうため、水道事務所や浄水場において県営水道PR用の横断幕や水道週間のポスターを掲示するとともに、浄水場の一般開放や街頭PR活動など、広報活動を実施している。具体的には、浄水場の一般開放では職員がガイドとなり、沈澱池やろ過池など水処理工程を見学してもらうほか、水道水が各家庭に届くまでを分かりやすく説明した動画や下水道の事業に関する展示パネルを見てもらっている。浄水場の来場者にはボトルウォーターあいちの水や浄水場カードなどを配布している。また、街頭PR活動では、水道週間の直前にはなるが、駅前広場や大型スーパー周辺で水道週間に関するチラシ等の配布を行っている。
【委員】
今の答弁の中でボトルウォーターあいちの水の話があった。目の前にも置いてあるが、このボトルウォーターあいちの水は、県営水道のPRのために、1985年からもう40年間作成されていると聞いている。
そこで伺う。
あいちの水のデザイン、去年と違っていると思うが、デザインで工夫している点は何か。また、この缶はどのように活用されているか伺う。
【理事者】
ボトルウォーター、あいちの水は現在400ミリリットルの通常缶と290ミリリットルの小型缶の2種類を製作している。通常缶のデザインは2011年の県営水道50周年、2021年の県営水道60周年を機に変更した。これらのデザインは、官学連携により、愛知県立芸術大学に製作を依頼し、同大学から複数案の提示を受け、職員による投票等により決定した。また、委員の手元に配られている小型缶のデザインはあいちの水という文字以外は県の主要プロジェクトに関するロゴマークを掲載するなど、県庁内関係課と調整を図りながら当庁がデザインを決定している。今年度は2026年開催のアジア・アジアパラ競技大会を契機に、地元を盛り上げる独自のロゴマークと2005年の開催から20周年の節目を迎える愛・地球博のモリゾーとキッコロを掲載している。
次に、あいちの水の活用についてである。
あいちの水は県民に県営水道のPRを行うことを目的に製作しているので、企業庁が主催するイベント等で配布するほか、受水市町や県庁内、各局、各課が主催する、主に県民を参加者としたイベントや会議等でも配布してもらい、広く県営水道についての理解と関心を高めることに努めている。
【委員】
非売品なのでなかなか見る機会が一般の県民はないと思うが、できるだけPRしてもらいたい。
この水道事業に関することをネットで見ていたら、実はイメージソングあいちの水が載っていて、そこをクリックすると歌が流れてきたが、実は全然聴いたことがなかった。県営水道50周年を契機に広く県民に親しみを持ってもらえるよう作成したと書いてあった。
そこで伺う。
イメージソングあいちの水はどのようにPRに活用されているのか伺う。
【理事者】
PRソングであるが、以前、県内のイベントやお昼休み等に流して広く県民に理解してもらえるように作成した。
【委員】
PRについていろいろ聞いてきた。聞いた趣旨は冒頭言ったとおりである。最初の委員の冒頭のときに、埼玉県八潮市の下水道の陥没事故の話があった。下水道は傾斜によって流れていくだけだが、水道のほうは水圧をかけているので、特に県水はすごい水圧がかかっている。おととい皆もニュースで見たかと思うが、鎌倉で水道の漏水事故があって、あっという間に道路が川のように流れてしまい、1万世帯が断水したというニュースがあった。本当に日本という国にいると、蛇口をひねれば飲料水が出てくる。これが当たり前だと我々は思っているが、そんな国はほかに地球の中であまりないと聞いている。ぜひとも企業庁にはそんな当たり前を守ってもらうことを切にお願いして、質問を終わる。
【委員】
今、委員から、水道料金は上がることはあっても下がることはないという話があって、いや、そんなことはないだろうということで質問させてもらうが、東京都が無償化にすると言っていると承知している。そして、愛知県内でも岩倉市、江南市、稲沢市、大口町、扶桑町といった自治体が検討しているのか、もうしたのか定かではないが、そういった方向があると承知しているが、こういった事象に対して県としてはどのような考えであるか伺う。
【理事者】
無償化に関する質問であるが、県営水道の現在の経営状態は、物価上昇等による経営状況の悪化のため、令和6年と令和8年の2段階で値上げを行っている状況である。令和6年の決算見込みでは辛うじて黒字を確保する状況である。その後の経営の見通しとしては、老朽化施設更新等による費用の増加や人口減少による収入の減少により、経営環境は徐々に厳しくなると見込んでいる。したがって、水道料金の減免を現在行える状況ではないと考えている。引き続き健全な経営を確保し、老朽化施設更新などの事業を着実に進め、安全・安心な水道水の供給に努めていきたい。
【委員】
今話があったことが私は通常の考え方だと思うが、申し訳ない。これは都道府県でいうと東京都がやることなので、どのような形態なのか分からないが、上水道の料金を無償化するというのは、下水道の料金だけ徴収するということなのか。
【理事者】
水道の料金制度、事業体によって多少の差異はあるが、基本料金と使用料金の二段構えになっていることが多いと思っている。基本料金は、水道は浄水場をつくったり管路を整備したりするので、そういった施設整備にかかった費用を基本料金で回収し、使用料金については浄水場の運転だとか施設の維持管理に要した費用を使用料金として回収している。
東京都は都民に供給する末端供給事業を行っているが、そのうちの基本料金の部分を無償化し、使用料金についてはこれまでどおり使った分は徴収するということなので、先ほど委員から下水道料金の話があったが、水道の使用料金と下水道料金を合わせて徴収されるのかと思う。
【委員】
何を言いたかったかというと、このような本当に人間生活に必要不可欠なもの、これを行政がサービスとして供給し、それを税金で賄ってやっているので、あえてこれを無償化、無償化といって何でもかんでもただにしていく方向が今果たしていいのか。自治体間でこんな競争しているとみんな東京に行ってしまう話になってしまうし、愛知県だけで抵抗していてもいけないのかもしれない。
ただ、先ほど言ったように市町でもそのようなことをやるところがある。実は私の地元の日進市は今年度だと思うが、基本料金を上げた。そうしたら随分いわゆる市民派と言われる皆から、ほかはそのような下げる話もあるのにどうして上げるんだと言われることがある。もちろん努力して上がらないようにはするが、先ほど委員が質問してくれたように、老朽化対策や、維持していかなければいけないので、そうしたことをしっかり理解してもらって、やはりどうしても必要であることをPRするのはとても大事なことだと思う。
東京都のやること、あるいはほかの市町がやることについて、とやかくはあまり言いたくないが、巻き込まれずに、やるべきことをきっちりやる。愛知県は特にこのようなことをやっていると明確にしてもらって、そして、委員が言ったように、蛇口をひねれば水が出てきて、しかも飲める。最近は実はコンビニエンスストアはじめスーパーマーケットで売っている水がよく売れていると思うが、そのようなもったいないことをしなくても十分飲めるんだとPRして、ペットボトルを買うぐらいだったら水道を使ってほしいと。よほど安いだろうとアピールができるくらいのほうが減税や、あるいは無償化にするなど、そんなことよりもよほどよろしいのかと思うので、そういったPRを併せてやってもらえればありがたい。
【委員】
今、愛知県は総務局にDX推進本部を置いて、県庁を挙げてデジタル化に取り組むという方向で動いていると思うが、企業庁の建前は独立採算だろうから、企業努力によって大きく収支も変わるし、経費も変わってくると思う。また、豊橋浄水場がPFIでやる。民間のノウハウと知恵を借りてやるという、大変よいことだと思うが、これを契機に私は、企業庁そのものの組織の情報の見える化、デジタル化を早急に進めるべきだと思う。日本の企業は大企業も中小企業も余剰人員を抱えているから、なかなか給料も上げられない。生産性ももちろん上がらないから、これからデジタル化によって業務の改革、生産性の向上、そして無駄を省いて給料を上げていく。また、人手不足の解消にもなるので、今DX推進本部の指示を受けて、企業庁がDXに向けてどのような努力をしているか、現状を伺う。
【理事者】
DXの導入については、水道では設備台帳や管路情報の各システムのクラウド化など、重点的にこれらの取組を進めている。また、水道及び工業用水道事業では、先ほどの話にあるように、老朽化施設更新などの需要が高まって、これからこれらの更新ペースを加速化させていかなければならない。そのため、これらの施設更新も重点的に取り組んでいる。また、これから人口減少社会になる。我々の技術職員の確保も困難となるので、先ほどの話にあるように、豊橋浄水場再整備等事業などで官民連携の手法を活用しながら、施設更新、新技術やDXの導入も図っていく。
そのほか、PFOS、PFOAなどの水質に関する課題もあるので、これらの対応もある。今後、人口減少、施設の老朽化、また、物価高、災害の激甚化など、水道と工業用水を取り巻く環境は厳しさを増しているので、DX、施設更新、災害対応力の向上や水道水質の確保など、事業運営全体のマネジメントを行い、将来にわたる持続可能なインフラ事業の運営体制を構築し、業務の効率化を図りながら、安定供給に努めていきたい。
【委員】
一番大きいのは人件費だと思うので、皆が思う以上にある程度デジタル化していく。人件費のコストが抑えられる。別に首にせよという話ではない。新しく入れるほうを少なくすればよいのだから。そのような形で企業努力して、今話があったように新たな老朽化の投資もしなければいけないし、安定供給もしなければいけないし、それはやはり役所の仕事、役目もあると思う。豊橋浄水場のPFIを契機に、どの企業が受注するか分からないが、彼らの持っているいろんなノウハウを利用させてもらい、もっと内部努力を、企業努力をしてもらいたい。
それと、私は高度経済成長の波に乗って企業庁の果たした役割というのは大きいと思う。市町村から企業団地をつくってもらいたい。それも製造業だということで、一定の役割を果たしてきた。しかし、この数十年で経済も社会も大きく変わった。途中で物流やいろんな業種も増やしながら努力したと思うが、今業種は何業種ぐらいに広がっているか。
【理事者】
現在、製造業、物流業がメインであるが、まず初めに分譲中の現在の面積について説明させてもらうと、内陸は1.8ヘクタール、臨海用地は82.4ヘクタールであり、合計で84.2ヘクタールである。
これまで製造業、物流業を中心に誘致活動を進めてきたが、分譲用地が多く残っている臨海用地については、企業の業種の幅をさらに拡大していくことが重要である。近年では使用済みの食用油をバイオディーゼル燃料につくり換える企業や、リチウムイオン電池をテストする企業とも契約していて、また、再生プラスチック製造企業や水素供給基地の建設を検討する企業からも具体的に相談を受けている状況である。産業構造の変化がスピードを増していく中、製造業や物流業にこだわることなく、今後進展する資源循環型社会や脱炭素型社会のニーズに合わせて、今後様々な業種の企業を幅広に取り込むことを念頭に置いて、民間企業のノウハウを活用し、地元市町の理解を得つつ、調整を図りながら企業誘致に努めていきたい。
【委員】
それだけの広大な売れ残りの土地があるわけであるから、前から言っているが、不動産業界、宅建業界がいろんな企業とのつながりを持っているし、情報も持っているから、彼らに相談して何とか売れる商品をつくってもらって売っていく。莫大な維持費を使ってやっているわけだから、彼らのほうが情報を持っている。営業部門もあると思うが、少なくして、プロの力を借りて、とにかく余剰の土地を売り切ることをやってもらわないと、いつまで抱えているのか。それに対して経費がかかっているわけだろう。もう少し本気になってやってもらわないと困る、県費を使っているわけだから。そのような民間の力と知恵を借りてやるように考えてはどうか。
【理事者】
民間企業のノウハウの活用については、県の職員だけではなかなか営業力、情報力が足らないところもあるので、三つほどあって、平成16年度から不動産業者に土地の仲介を委託する仲介委託制度を導入したものと、民間企業のOBの広い見地と人脈を生かしてアドバイスを受けるという企業誘致アドバイザー制度を設けている。また、これが最もメインになるが、企業訪問を通じて、東京に常駐する企業庁の職員が首都圏に本店機能を持つ金融機関や建設業者のほか、全国の産業団地の立地条件等を収集する研究機関である一般財団法人日本立地センターなどからも情報を聞き取って営業に回っている。こうした聞き取り等を踏まえて、潜在的な建て替え需要を掘り起こすことを目的として、企業による生産体制の見直しや生産設備の老朽化などの情報を集めており、継続的に情報交換、企業情報を集めることを常に心がけながら企業誘致活動を進めている。
【委員】
八十数ヘクタールの用地があるというのは、企業庁、これは問題である。企業庁長が新しく着任されたので、この代で全部売り切ると。そのくらいの意欲を示してほしい。
【理事者】
委員からの指摘を常に念頭に置きながら、先ほど担当課長が答弁したように、コンサルタントや研究機関などの専門家の意見をしっかりと聴くことは非常に重要だと考えているので、そういった専門家の意見をしっかりと聞きながら、企業誘致活動に、企業庁として全力で取り組んでいくので、引き続き指導をお願いする。
【委員】
今IT革命が起こって、そして、もうこれからAI革命である。あらゆるものがネットにつながって、それをAIで加速する時代になった。したがって、AIがもう社会の隅々まで行き渡りつつある。今年の1月にエヌビディアのフアン氏というCEOと、ソフトバンクの孫正義氏の対談をユーチューブで見ていたら、半導体はかつて日本が隆盛を誇っていた。基本的な技術は日本からもらった。だから、これから日本に力を入れていくんだとフアン氏は言っていた。それを受けて、ソフトバンクの孫正義氏は、私のカスタマイズで私のAIを、ロボットを1億台作ると言っていた。大ぼらとも思えないことは、それだけ日本の社会に普及させると10億人の仕事ができると言っていた。ということは、あらゆるところにAI搭載のロボットが動き回る時代が来る可能性がある。そうすると、ソフトバンクは情報と通信と融合させる、つまり、5Gなどの基地をサーバーにする。クラウドなどはまた大きなデータセンターが要る。そして、この前新聞に出ていたKDDIがローソンというコンビニエンスストアを買収した。その2万店あるコンビニエンスストアを小さいデータセンターにするという。なぜかというと、大中小できてくると小さいところは近くにサーバーというかデータセンターがないと遅延が起こると記者会見していた。それほどデータセンターの需要が高くなってくると考えられる。
そこで、今の臨海が適しているかどうか分からないが、だんだん小型化していくから、データセンターの誘致も一つの業種に入れて、可能性を追求してもらいたいがどうか。
【理事者】
委員の言うとおり、AIの急速な普及によってデータ量が急増しているような状況を背景として、そのデータを処理する施設である大規模なデータセンターの建設計画が全国で進められていると認識している。そのデータセンターの稼働には膨大な電力を必要とするので、立地場所によっては電力を供給する送電網の新設や増設が必要となって、工事が長期化するようなケースもあるが、AIの進歩によって、AIのフェーズが学習から推論へと移り変わることで、小規模なデータセンターでも対応できるようになる動きもある。また、政府からこのほど電力と通信インフラを連携させる構想が打ち出されて、発電所の周辺にデータセンターの立地を促すなどの、電力と情報通信インフラの一体化のための整備を進める旨の計画が発表されたので、こうした国の動向もこれまで以上に注視する必要があると認識している。企業庁としては、本県の産業振興をより一層促進し、世界の一歩先を行く産業首都あいちを実現するためには、AIの利用を促進するための基盤整備は極めて重要であると認識している。本日委員からもらった提案を常に念頭に置きながら、AI時代の要請に応えるため、国の動向にも注視しつつ、一生懸命に情報の収集を行い、研究を進めて、最新の企業ニーズに沿った良質な工業用地を提供できるように、企業庁として全力で取り組んでいきたい。
【委員】
さすが新任の企業庁長はやる気がある。期待しているので、時代に合わせて、これからソフトがハードをリードする時代なので、職種もいろいろとソフトに力を入れ、あとは民間の力を大いに利用させてもらうことで、まず82ヘクタール、何としてでも売り切る。それこそ東京へ営業に行くわけだから。そのような企業にこのような土地があり、どんどん小型化していくからと、頑張って営業をやってもらうようにお願いして終わる。