委員会情報
委員会審査状況
子ども・子育て対策特別委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和6年11月21日(木) 午後1時1分~
会 場 第7委員会室
出 席 者
神戸洋美、福田喜夫 正副委員長
川嶋太郎、神戸健太郎、丹羽洋章、辻 秀樹、宮島謙治、柳沢英希、
鈴木まさと、阿部洋祐、大久保真一、阿部武史 各委員
木村 仁美 参考人(保護者)
永井 颯太 参考人(大学生)
本田 遥 参考人(高校生)
西岡 莉々子 参考人(高校生)
小島 正士 参考人(大学生)
永尾 瞳和 参考人(高校生)
本間 誠久 参考人(保護者)
毛利 英暉 参考人(大学生)
今井 里佳 参考人(保護者)
県民文化局長、県民生活部長、学事振興監、
福祉局長、福祉部長、子ども家庭推進監、関係各課長等
<議 題>
本県の子ども・子育て支援に関する諸問題について
<会議の概要>
1 開 会
2 委員席の一部変更
3 参考人意見聴取(子どもを産み育てる環境整備・多子世帯への支援について)
4 質 疑(同上)
5 参考人意見聴取(高校生・大学生に対する経済的支援について)
6 質 疑(同上)
7 休 憩(午後1時56分)
8 再 開(午後2時4分)
9 参考人意見聴取(子どもの居場所づくりや社会とのつながりについて)
10 質 疑(同上)
11 参考人意見聴取(発達障害、知的障害、ヤングケアラー支援策について)
12 質 疑(同上)
13 参考人意見聴取(不登校支援について)
14 質 疑(同上)
15 閉 会
<子どもを産み育てる環境整備・多子世帯への支援について>
《参考人の意見陳述》
【参考人】
今日は、このような機会をいただきありがとうございます。木村仁美と申します。愛知県で生まれ育ち、小中高大まで愛知県の学校に通わせていただきました。その後、大学を出て、愛知県の教員として10年余り勤め上げて、今は、違う職業に就いているんですけれども、愛知県が大好きな人間でございます。
私生活でいいますと、今は4人の子育て真っ最中です。子供たちができるだけ安心して伸び伸びと育っていけるような国、愛知県にしていただきたいというのが私の一番の思いです。今日はかなり緊張しておりますが、しっかりと役割を果たせるように頑張りたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、私の意見を述べさせていただきます。私が一番興味を持っている施策は、子育て家庭、子供、若者への切れ目ない支援の中の子供の教育です。
現在、学費に対する支援はかなり充実してきていると感じます。しかし、大学費用に関する支援は、民間等が行う奨学金制度に頼っている部分が大きいと思います。ただ、奨学金も保護者の年収によっては借りられないものがあるなど、まだまだ利用しやすいものではありません。大学の進学率が60パーセント弱と高い水準に日本はなっているのに、親にとって大学の学費はかなりハードルが高いものです。私の周りでも、大学進学までのトータル教育費を考え、子供を増やすことを諦める人もたくさんいます。
国を背負っていく子供への先行投資として、大学費も含めた支援をさらに充実させる必要があると感じています。また、子供が2人以下と3人以上で教育支援に明確な差をつけることで、人口増加が期待できるようになるのではないかと考えています。限られた予算の中、人口増に一番リターンが得られそうな部分にお金を使うべきだと感じています。
今は、子供にお金がかかるから人数を絞り、幼児教育から数少ない子供にお金と時間を使い、育て上げることが、賢い選択肢のような風潮があるのではないかと感じております。どうか乳幼児期から社会に出るまで子供の教育を保障していただきたいです。複数人の子供がいても、安心して教育を受けさせてあげられる社会の実現を強く望んでおります。お願いいたします。
【参考人】
本日は、貴重な機会を設けていただきまして誠にありがとうございます。中京大学3年生の永井颯太と申します。本日は、若者の意見を議会に反映していただけるという本当に貴重な議会ですので、私のざっくばらんな意見をぜひお聴きいただけたらなと思います。よろしくお願いします。
私自身、双子を含む3人兄弟の家庭で育っています。そのため多子世帯が抱える特有な課題について身をもって感じることが多く、これらの家庭を支援する政策に強い関心を持っています。多子世帯では、教育費や生活費の負担が大きいことはもちろん、親が子供一人一人に十分な時間をかけることが難しく、精神的、時間的な余裕が限られている家庭も少なくありません。特に双子の場合は、同じタイミングで進学や成長に係る費用が重なるため、家計への負担が大きくなります。
こうした状況から、私は、多子世帯に対する支援がもっと拡充されるべきだと考えています。例えば、保育や教育に係る費用のさらなる軽減措置や育児休業の柔軟化、地域社会での支援体制の強化が求められていると感じます。現在、少子高齢化対策として様々な支援策が進められていますが、多子世帯に焦点を当てた施策は、まだまだ十分ではないと思います。
実際に我が家でも、親の負担がとても大きいと感じることがあります。私自身も双子の兄も私立の大学に通っており、両親は、私たちの学費を賄うために、朝早くから夜遅くまで働いてくれており、正直なところ申し訳ない気持ちでいっぱいです。多子世帯が少しでも安心して子育てできる環境が整うことを強く望んでいます。
(主な質疑)
【委員】
永井颯太参考人に伺う。
先ほど多子世帯に対する支援の拡充として、兄弟姉妹が同時に進学をする場合の費用負担を軽減する特別な制度の導入とあったが、県立高等学校に導入されるとよいと思う制度と、その理由を併せて伺う。
【参考人】
私が導入を望むのは、高校入学時の初期費用の負担軽減措置についての制度である。多子世帯となると、入学のときの制服代、教科書代、かばんの費用が発生する。また最近は、ICT化でタブレットを購入する家庭も多く、それに関係する費用も生じる。双子の場合、費用が2倍必要となるため、本当に家計の負担が重くなる。私の親にも先日聞いたところ、高校の授業料や入学金は安くなっているが、それ以外に要する初期費用により、とても家計に負担がかかったと言っていたため、例えば双子の場合であったら、2人の分を1人分と同じ負担額にするとまでは言わないものの、双子ではない家庭と不公平な部分がないような制度を導入してほしい。
【委員】
木村仁美参考人に伺う。
木村仁美参考人指摘のとおり、子育てに係る経済的な負担を軽減していくことは、非常に重要である。中でも子育て、特に大学の入学と通学の費用負担は重い。今や、大学進学者の2人に1人は奨学金を借りているといわれているため、ここの負担を軽減していくことが重要である。中でも木村仁美参考人からの指摘にあったとおり、複数の子供を育てる家庭が、教育その他に係る経済的負担が重くなっているため、そのような世帯への支援策が重要である。
この点は、国も同様の問題意識を持っており、昨年12月に閣議決定されたこども未来戦略においては、2025年度から子供が3人以上の多子世帯の学生については、授業料を無償化するような案も出ている。限りある財源であるほか、大学に進学しない子供たちとの公平性も考え、全ての大学進学者に一律ではなく、給付型奨学金、返済不要の奨学金は、支給対象者をある程度、成績優秀者などに絞ったほうがよいのではないかという議論も行われている。
こうしたことから、給付型の奨学金について、多子世帯に対する授業料の無償化措置として、一定の成績優秀者などの要件を絞る学業要件を設けることについて、意見を伺う。
【参考人】
先ほど自己紹介のときに、子供が4人いると伝えたが、その中には双子も含まれている。
長男の次に中学1年生の双子がいるため、先ほど永井颯太参考人の意見について、大変共感し、本当に初期費用は大変であったと思いながら聞いていた。
今の質問について、私の考えとしては、限られた財源の中で、今の日本では全員の大学費用無償化は難しいと感じている。ただ、学業要件で対象者を決めていくとなれば、幼児教育からの支援がとても大事になると考える。
例えば、私の家庭は4人の子供を、今、私と夫で養育しているが、1人の子供を共働きの夫婦が育てている家庭では幼少時から多くの習いごとに通わせている。私たち夫婦は家計や今後の貯蓄のこともあるため、本人の意思を尊重しながら家計が許す限りで子供たちに習い事をさせている。そのような家庭への支援があれば、1人の子供と同じステージで、学業要件により給付金が受けられるように大学の試験を受けさせてあげたいと考えるが、親としては、我が子を、幼少時から塾に通い、充実した幼児教育を受けてきた子供と同じ環境に入れると、自分がしてあげられなかったことを悔やむと思う。子供が多い家庭にも、幼少時から才能を伸ばすことができるような支援が実施されるのであれば、多子世帯への授業料無償化措置は賛成である。
【委員】
木村仁美参考人に伺う。
私も子供が3人おり、現在、大学3年生と1年生で、2人大学に通っており、経済的な負担を実感している。多様な支援制度がある中で、所得制限により対象者が分かれてしまうことについて、子供の人数も見ていく必要があると感じている中、来年から子供が3人以上の多子世帯では大学授業料の免除などの制度も進んでおり、一歩ずつ前に進んできていると実感している。
一方で、学校教育の質を向上させる必要もある。その中で、今年9月、東京大学が来年度から20年ぶりに授業料を値上げすると発表した。財務状況が逼迫しているという背景があるようである。
先ほど述べていた意見のように、充実した教育を幼少時から実施するに当たり、質の高い教育を維持していく必要もあると考える。
今回の東京大学の授業料値上げに対しての考えを伺う。
【参考人】
国公立大学が財政難ということは、ニュースなどでも目にしている。教員時代には、少子化が進む中で、高校も大学もかなり生徒を取り合い、また高校であれば定員割れを起こさないように一生懸命生徒を募集していることをよく耳にしていた。統廃合をしながら予算が分散しないように措置してほしい。
北欧やドイツやフランスなど、大学費用が大きく軽減されている諸外国の前例が多くあると思うので、参考になる部分があると考える。
【委員】
木村仁美参考人に伺う。
私はまだ結婚していないが、木村仁美参考人の意見を聴く中で、国や県も子育てのための施策を講じる中で、現状では、10月から第3子以降の3歳から15歳までの月額1万5,000円の児童手当が3万円に倍増されるということと、所得制限の撤廃と、支給対象となる子供の年齢制限を15歳年度末から18歳年度末まで引き上げるとのことである。先ほど、幼児教育から大学までの話があったが、多子世帯で子育てをする中で、児童手当の支給方法や支給額などの改善点を伺う。
【参考人】
自身の意見の中でも述べたが、多子世帯では大学費用の負担がとても大きいため、大学に関する費用の手厚い支援があるとありがたい。私の家庭もこのままいくと、長男と下の双子が3人同時に大学に通う時期がやってくる。夫とは、その時期を乗り越えるために夫婦で頑張ろうと話している。
もう一点として、今年、現金で児童手当の増額があり、とてもありがたいと感じているが、日本の子育て支援がいつも現金給付というところにとても疑問を感じている。現金は、私を含め子育て中の親が子供のために一生懸命工面していると思うが、使い道が不明瞭である。県や国から多額の手当を支給してもらっているが、本当にそれが子供に使われているのか私はなかなか不明瞭だと思っており、今、子育て中でない人たちも、自分たちが納めた税金が正しく使われているのかが分かりにくいと感じている。
そのため、私は、授業料無償化のように現物給付となると、子供の教育費として税金が使われていることが目に見えると感じているため、大学用に何らかの形で金銭の支援をしてもらうより、先ほどからの主張のように、授業料の減額や免除をしてもらえると、多子世帯にはとてもありがたい支援になると感じている。
【委員】
木村仁美参考人に伺う。
子供2人以下と3人以上で教育支援に明確な差をつけるというような意見があった。1人目より2人目、2人より3人目のように、階段的に上げていく手法や、1人目、2人目よりも3人目を大幅に増額することで3人目を目指してもらう手法もある。
また、その手法によっては、3人目を希望せず、子供を1人だけ持つという考え方にもなってしまうとも考えるが、増額手法についてどのような重点の置き方がよいと考えているのか。
【参考人】
まず、増額手法については、現在の児童手当も、同様に3人目以降にかなりの増額があると感じている。ただ、どちらがよいかはすごく私も難しいと考える。例えば3人目以降を手厚くする場合、当面の予算はかなり抑えられると考える。1人目や2人目を産み、その後3人目を産まないという人がいても予算の痛手は大きくはならないと考えると、3人目からの大幅の増額のほうが現実的ではあると考える。
次に、二点目の、手当を増額しても子供が増えないのではないかとの質問について、実際に、今の世の中は、子育て支援のことを考え取り組んでいるとは思うが、実際には思うように成果が上がっていないと感じている。その原因を考えたときに、ある程度、肝を据え長い目で見ることが必要ではないかと感じた。今年児童手当を増額したからといって、短絡的に来年子供をたくさん産もうとは思わない。そのため、長い目で見て徹底的に政策を実施していくという方針がないと、成果が出なければすぐ取りやめてしまうということがまた起こるのではないか。
大学無償化が2025年度から開始されると聞いたときも、自分の子供が通学するときに、この制度が継続していないかもしれないと感じている。そのような政策が今まで多くあり、今0歳の子供を産み、今の政策がこの子が大学に行くまであるか分からない中、3人目を産もうとはなかなか思えないと感じるので、ここは肝を据えて実施するということを打ち出し、併せて、よい政策は宣伝してほしい。
子供について行政や議員が考え、皆で育てていくように変わるということを、さらに打ち出してほしい。私の中で、今の子育てはとても暗いイメージになってしまっていると感じる。子供が4人いるというと、子供はお金も時間もかかる、大変だという言葉をよく言われるが、大変なだけではない。
ただ、本当に時間もお金もかかる。時間は、私の子供を育てる時間を誰かに代わりにお願いすることはなかなかできないが、お金の面を支援してもらえると変わってくるのは自分ではとても感じているので、イメージづくりや、世の中の風潮を変えるために行政や議員の活動を今以上に宣伝し、安心できるように、自分がこれから子供を産んで育てても、自分の子が社会に出るまで、自分が一人の責任だけで育てていかなくても大丈夫だと思えるように力を注いでほしい。
今の政策がひそやかに進んでいる印象を受けている。また、今の世の中は悪い意見ばかりが目立っていると思うので、施策や自身の考えを世の中に発信してほしい。
【委員】
続いて、永井颯太参考人に伺う。
多子世帯の支援についての意見があった。子供が多い多子世帯と、双子、三つ子という多胎児世帯だと、大変さが異なってくるとのことであるが、多子世帯と多胎児世帯に対する支援を分けて考えるべきだと考えるか、それとも、同じ視点で充実をさせていくという方向で施策を考えたほうがよいと考えるか。
【参考人】
分けてほしいと考えている。多子世帯も多胎児世帯も子供が多いという点は一緒であるが、経済的負担が一度に急増する点が大きく異なる。例えば双子が生まれた場合は、育児用品、ミルク代とかおむつ代とかが一度に2人分必要となる。また、多子世帯であれば、きょうだいからのお下がりがあるが、双子はお下がりがないため、一度に二つ準備しなければならず、費用負担が急増する点が大きく異なるので、その費用面も考えてほしい。
また、親の精神的・身体的負担が相当大きいと感じている。自分は子育てをしたことがないため分からないが、1人でさえ夜泣きやミルクなどで夜も起きて世話することが大変だと思うし、それが2人分と考えると、自分だったら育児を続ける自信がないし、自分の親も2人も同時に育ててくれた点で感謝の気持ちでいっぱいである。
このように、多子世帯とはまた違った負担があるので、支援施策を分けてほしいと考える。
【委員】
今回このような形で意見がもらえるのは大変ありがたいと思っているが、子供や若者の意見を行政へ伝える方法として、永井颯太参考人が希望する手法があれば教えてほしい。
【参考人】
今回、この委員会については、学校からの周知で知ったが、正直、学校からの周知がなければ、このような機会があることは全く知らなかった。若者は高齢者とは異なり、政治や行政との距離が遠いため、自分から何か発信しようとは思わない。若者に身近な媒体はSNSだと思うので、SNSのプラットフォームを設けてほしい。
少し話がずれるが、先日、文部科学省が実施した「♯教師のバトン」も、教師という立場上、意見は匿名でないと言いづらい。しかも教育現場の反対意見を言った場合、正直、立場が弱くなってしまうと思う。ただ、短時間であれだけの意見が集まったことは、匿名性があった点が大きいと考える。また、SNSだからこそ発信しやすい、ありのままの自分の意見を発信しやすいという点があったと考えるので、そのようなX(旧ツイッター)などのSNSでハッシュタグをつけて若者の意見を募集する機会があれば、若者も匿名で安心して意見を発信できると考える。
【委員】
木村仁美参考人に伺う。
先ほどの意見の中に、今は子供にお金がかかるから人数を絞り、幼児教育から一人の子供にお金と時間を使い育てるのが賢い選択肢という風潮があるとのことである。これは、多分そのとおりであると私も考えているが、ほかにも賢い選択肢としてどのようなものがあるか。
【参考人】
子供が欲しいと思っている人が、私の意見のように子供の人数を絞り、親も充実した生活を送る、老後のことも考えて貯蓄もして、子供も欲しいから子供を持つということが、全員ではないものの今の主流になっていると考えるが、もう一点は、その前段階として、結婚も選ばない、一人で過ごしていくこともかなり主流になっていると考える。
今回この委員会では、私は、1人から2人、2人から3人という部分を、前面に出して主張したが、この委員会までに自分の中で考えたときに、実は、この0人から1人の部分、1人を産み、育てている人も、時間やお金を使って、自分の子供を一生懸命育てていることに変わりはない。そのため、そこを蔑ろにしてしまうと、今度、この1人が0人になってしまうと感じた。
実際に、今は独身でも、自分の生活が困らないため、自分のために自分の稼いだお金は使って、自分の休みは自分の有意義に使うという考えも、かなり主流になっていると感じている。そのため、そこの0人から1人の差も一つネックであると考える。素人ながら私が考えた案としては、子供を何人育てても子供を産まなくても平等という場合、子育て支援だけでは差をつけるのが難しいと感じるため、年金と紐づけることである。
年金は、働いた世代の給与から天引きされ、引退世代に支給されるというお金の流れであるが、子供を1人、2人、3人と育ててきた人は、自分たちの給与で子供たちを育て、次世代の労働者を輩出しているという考えに基づくと、1人育てた人は、1人の年金の納め口を育てたという考えを基に、1人も子供がいない人を0とし、1、2、3、4、5のように、人生トータルとして、平等とまではいかないが、子供の人数ばかりを話していると、独身のほうが有意義となり、それこそ1人、2人子供を育てる人からすると、面白くない話であると感じるので、人生のトータル期間を考えて、皆がうまくいく手法となると、老後に差が出るような支援も必要ではないかと感じている。
今の質問の答えとしては、この1人主義が賢い選択肢の一つとして浮上していると感じている。
<高校生・大学生に対する経済的支援について>
《参考人の意見陳述》
【参考人】
名古屋経済大学市邨高校2年の本田遥です。今回は、このような機会を設けていただきありがとうございます。本日はよろしくお願いします。
私は、なごや子ども・子育てわくわくプラン2024の施策で、特に生活の安定に資するための支援に関心を持ちました。きっかけは、ニュースで報じられる貧困問題が私にとって身近に思え、興味を持ちました。調べてみると、相対的貧困率は2021年に15.7パーセントで、およそ6人に1人が貧困であると分かりました。また、近年、日本の子供の貧困も深刻化しています。ふだん何気なく生活している中でも、多くの子供たちが経済的に困っていることを知り、胸が痛くなりました。私なりにどのような仕組みがあるとよいかを考えてみました。
まず、一つ目は、部活動用具費用の支給です。運動部など道具が不可欠で、部活動に入りたいけれど、道具などお金の面で無理と思って諦めなくていい世の中にしてほしいです。現在、私は弓道部に所属していますが、最初の用具をそろえるために7万円ほどかかりました。私から見るとすごく大金です。このような現実は、家庭の状況で部活動参加の道を阻まれているのだと気づきました。私たちにとっては、部活動で友人関係の広がりも変わってきます。部活動応援支援として費用をサポートするという仕組みがあれば、家庭の状況にかかわらず、子供がやりたい部活を自由に選択することができ、様々な素質を伸ばせ、人間関係も広げることにつながるはずだと考えました。
二つ目は、コミュニティーのサポートです。児童館やコミュニティーセンターはありますが、青少年と大人を対象とした施設を増やすべきだと思いました。私の住んでいる地域には、青少年交流プラザという施設があります。そこでは、友達とゲームをしたり勉強をしたりなど、友達同士で気軽に集まれる施設です。さらに、中高生、大人の方まで様々な年代の人が過ごしやすい場所をつくることで、世代を超えてコミュニケーションが図れ、様々な大人と何気ないイベント等で交流することで、学校以外の場でも進路やキャリアを考えるきっかけになると考えました。
【参考人】
東邦高校3年西岡莉々子です。本日はよろしくお願いします。
私は、現在、私立高校の美術科に通っています。高校生活では、小学生のときからずっと学びたかった美術を学び、様々な自主活動にも参加して、毎日すごく充実しています。しかし、私には、ずっと心に残っていることがあります。それは、中学生の進路決定目前に母が言った、本当は公立高校に行ってほしいという言葉です。この言葉を聞いた日から、自分が私立高校を選択することは、いけないことなのだろうかと考えてしまいました。美術を学びたいから美術科のある高校を選択した、たったそれだけなのに、高い学費に対し、親への負い目をずっと抱えたまま高校生活を送ってきました。
そんな高校生活の中で、私学助成について知る機会がありました。そこで私は、私の家庭は、年収の関係で助成金はもらえていないということを知りました。ですが、私は3人兄弟の真ん中で、姉も私立高校に入学し、その後は東京の私立大学に通っています。そして、私は現在、高校3年生で、私立の美術大学への進学を希望しています。なので、決して余裕があるわけではありません。私は、幸いにも両親が、私たちの選択する私たちの学費を惜しみなく出してくれているので、希望する進路を選択することができています。本当に感謝しています。
でも、今の愛知県には、学ぶ機会すら得られない中高生が本当に多くいます。私と同じ美術科で美術を学びたかったけど、学費の関係で諦めた友人もいます。私立高校へ進学した結果、学費を払えないという理由で、大学進学ができずに就職した友人もいます。私立高校も公立高校も同じ教育の場なので、学費に差があるのは、おかしいのではないかと思います。中高生が学びたいことを学びたい場所で学ぶ、誰もが自由に学校を選択することができる、そんな社会になっていってほしいと思っています。
そして、今、私の弟は現在中学2年生で、来年は高校受験で進路を決めていくんですけど、弟が高校生になると、両親により学費の負担が多くなってきてしまいます。私の弟にも自分の行きたい学校に入ってほしいなと思っています。自分も自分の行きたい美術科のある私立高校を選んだからこそ、すごく楽しい学校生活を送れているからこそ、弟にも自分の行きたい場所で自分の学びたいことを学んでほしいです。両親に学費のことで負い目を抱えてほしくないなと思っています。
(主な質疑)
【委員】
本田遥参考人に部活動への補助について伺う。部活動だと、活動の内容によって必要な費用が異なるため費用に大きな差が出るが、どのような形での補助がよいと考えるか。
【参考人】
部活動は、運動部や文化部、種類も様々であるため、不公平さが広がらないような仕組みがよいと考える。例えば、私の所属している弓道部では、矢や袴などの道具、別の場所で練習するための遠征費等が必要である。可能であれば、これら全ての金額を補助してほしい。しかし、部活が合わないなどの理由で、途中で退部してしまうと補助金がもったいないため、例えば、最初の数か月は購入せずに学校で道具を借りるなどして活動し、それから本格的にやりたい人のみに補助金を支給し、それでも退部した人は、道具は学校に返還する仕組みにしてほしい。
また、特に親の収入によって対象を決めずに、全ての対象者が自由に申請できる仕組みにしてほしい。経済的に困っている家庭の生徒だけが申請する仕組みでは、経済的に困っていることが分かってしまい、適切でないと考える。
【委員】
続けて、コミュニティーのサポートについて伺う。
世代を超えたコミュニケーションの重要性は、非常に大切なことであるが、具体的には、どのような場所がよいと考えているか。また、どのような場面を設定してもらえると、本田遥参考人が望む形が実現すると考えるか。
【参考人】
私の考えた取組は、二つある。
一つ目は、コミュニティーセンターや青少年交流センターで手話講座等の講座を受ける取組である。私が在籍する名古屋経済大学市邨高校では、放課後に手話講座がある。これは、講師を招き、手話を教わるものである。手話を教わりながら周りとコミュニケーションが取れるため、様々な世代の聴覚に障害のある人と関われる機会が広がると考える。これを応用すると、手話に限らず、それぞれの地域に増えてきた外国人の言葉について、地域の学校を利用して、長く住んでいた外国人に先生役を依頼して、地域の日本の子供から大人までが学んだり、勉強したり、イベントを開催したりする機会をつくることができれば、双方の理解が深まってよいと考えた。様々な世代の人だけでなく、障害を持っている人、外国人とも気軽に交流を深める新たな場所づくりができれば理想的である。
二つ目は、地域のスポーツセンターで、多くの人と一緒にボッチャなどをするのも楽しいと考える。以前、学校でボッチャを体験したが、とても簡単にでき楽しむことができた。スポーツを通じて幅広い年齢の人と関わることができ、コミュニティーをつくることができる。しかし、スポーツやレクリエーションなど広い場所となると活動場所が心配である。私の通う学校なども、夜にもスポーツができるように開放するなど、活動場所を少しでも多くしてほしい。そして、このようなことを、私の学校でも導入されているラーケーションの実施日を増やして、積極的に活動できる日が大人から子供までつくれたらよいと考える。
【委員】
続けて、西岡莉々子参考人に伺う。
美術科に通っているとのことであるが、学科により特別に費用が発生する場合がある。工業高校においても材料費等が発生する。そのような学科により発生する特別な費用を補助する方法もあると考えるが、この方法は、西岡莉々子参考人が考える学校選択の自由に寄与するか。
【参考人】
寄与すると考える。中学のときには美術部に入っていて、美術科に進学したいと希望していた子が何人かいたが、学費の負担が上乗せされるという理由で美術科に進学できなかった子がとても多く、結局、美術科に進学したのは私1人だけだった。好きなことを高校からでも学べるように支援してほしい。
【委員】
本田遥参考人に伺う。
提案のとおり、世代を超えたコミュニケーションをサポートできる場所を地域に創設していくことは非常に重要である。
先日、先ほどの青少年交流プラザと同様に、中学生、高校生が気軽に集える施設である東京都調布市にある調布市青少年ステーション(CAPS)を視察した。そこでも友達とのゲームや勉強、また、防音施設の整ったスタジオでのバンド活動やダンス等、中学生、高校生が放課後の時間を利用して、学生がそれぞれ伸び伸びと自由な時間を過ごしており、とてもよい施設、よい雰囲気であった。
また、この施設の特徴として、中高生世代が持つ創造性と主体性を地域の活動に生かしてもらうために、施設の学生や卒業生が地域のボランティア活動に参加する取組を実施している。
直近では、地域で行われた夏祭りの企画や運営に携わることにより、高齢化で活力を失いつつある地域のイベントを、中高生の元気で大いに盛り上げたという話を聞いた。
今後の日本社会において、特に高齢化による担い手不足の影響で、地域の様々なイベントが縮小しているほか、地域コミュニティーの絆も薄れていくことが懸念されている中で、本田遥参考人から提案があった世代を超えた交流が図れる場所を増やして、若者が持っている想像力とパワーを今後のよりよいまちづくりに生かしてほしいと考えるが、このような地域の行事やボランティア活動に参加してもらうことに対しての意見を伺う。
【参考人】
高校生が地域行事やボランティア活動をすることで、ふだん関わることのない大人と関わることができるため、社会での関わり方を学べ、とてもよいと考える。また、地域の町内会、子供会などの活動は弱体化しており、このような町内会、子供会などの年代別の会を発展的に地域のボランティアの機関、学校と連携しやすい団体にするとよいと考える。
また、地域行事を地域の学校で行うことで、人が集まりやすいので継続的に続けられるほか、世代を超えて集まり活動する場があることで、小学生は中学生の姿、中学生は高校生の姿、高校生は大学生や大人の姿を見ているので、様々な行事も受け継がれていくのではないかと考える。
【委員】
本田遥参考人に伺う。
部活の費用の件について、私は弓道ではなく、アーチェリー部に入部したいと思い親に相談したところ、最初は、学校にある道具を使って練習をしていたが、途中から弓や矢など買いそろえると50万円ほど発生することがわかり、親に怒られて部活を辞めた経験があるため、非常に親近感を持って意見を聴いていた。その後、軽音楽部に入った際、自分で貯金してドラムセットを買ったりしていたが、音楽も非常にお金がかかることから、部活を存続させていくため、部活を引退するときに、道具を学校において行った。
そのように、先輩や使わなくなった人から道具を譲り受けて再利用し、当面使うという仕組みについての考えを伺う。
【参考人】
寄贈する場合、もう使えないもの、修理やメンテナンスが必要な道具も出てくるかもしれない。そして、どのくらいの数の道具を寄贈してもらえるか分からず、確実に全ての子供たちに渡るとは限らないので、寄贈する仕組みは難しそうだなと感じた。県職員がそうした確認をし、寄贈する人と使いたい人の橋渡しをする仕組みがあればうれしいと考える。
<子どもの居場所づくりや社会とのつながりについて>
《参考人の意見陳述》
【参考人】
中京大学経済学部4年の小島正士と申します。本日はよろしくお願いします。
私は、4年間の大学生活を通じて、ただ単に学問的な知識を得るだけではなく、様々な社会問題についても学び、考える機会が増えました。そこで、特に中京大学のフレンズというサークルで行った子供たちと交流するボランティア活動やレクリエーションの活動が、子育てなどに関心を持つきっかけとなりました。
私は、サークル活動の一環として、現在、毎月、子ども食堂の手伝いに行っております。子ども食堂では、ただ単に食事を提供するだけではなくて、子供たちの触れ合いや、地域の交流を目指しております。この子ども食堂を通じて、私は、子供たちが健やかに成長し、人々と交流できる環境の提供というのが重要ではないかなと考えております。この子ども食堂の経験から、私は、学校や家庭以外の第三の居場所をつくる必要があると考えております。
これは、主に二点の理由からです。
一点目です。子供たちにとって安心できる環境が、第三の居場所はできると思っております。特に子ども食堂ですが、単に食事を提供するではなく、イベントなどを通して様々な世代の子供たちや別の学区の友達、子供たちと交流することによって、家庭や学校では得られないコミュニティーや経験を学び、提供することができます。
二点目に関してですが、子供たちが自分の興味や関心を広げられると思っております。例えば、地域のクラブ活動やワークショップ、ボランティア活動など、多様なプログラムを提供することによって、子供たちが自分の才能やスキルを発見し伸ばすことができます。これによって自己肯定感や達成感を得ることができ、健全な成長を促すことができます。
また、私自身の話ですが、小学校の頃に学校になじめない時期がありました。そのときは、当時、自分が好きだったクラシックバレエの教室が自分の心地よい居場所となりました。大学生や大人は、自分のコミュニティーや居場所を自分で決めることができますが、子供たちは自分で決めることができません。また、子供たちの居場所は狭い世界になりがちで、子供たちは、その世界が全てだと考えてしまっています。
以上の二点の理由から、私は、子ども食堂など第三の居場所をつくり、子供たちの成長を支えることができると考えております。
【参考人】
名古屋経済大学市邨高校1年の永尾瞳和です。本日はよろしくお願いします。
子供や高校生がもっと活躍し、暮らしやすい社会をつくるためには、私たち未成年の声をもっと社会に届けられるような仕組みが必要だと考えています。子供が直面する問題として、学校生活や家庭環境のストレス、そして進路に関する不安などが挙げられますが、これらの問題は、子供たちだけの力では解決することが難しいため、社会全体で支援する仕組みが必要だと考えています。
例えば、子供自身が自らの意見を書き込むことができるようなサイトがあればいいなと考えています。大人の意見は、選挙のときなどに議員の方に届ける機会があるのに対して、子供の要望は届きづらいように感じています。しかし、子供だからこそ気がつけることや疑問に思うことはたくさんあると思います。大人は気にならなくても、子供目線で考えてみると不自由に感じることだってあると思っています。そこで、インターネットなどで子供の意見や希望、不自由な点などを議員の方に伝えられるようなサイトがあればいいなと考えました。
次に、将来のことを考えるに当たって、知らない仕事や職業がとても多いと感じます。何をやったらいいか、自分に何が向いているのかということが分からないという子もたくさんいます。なので、少しでも早い年齢から社会での体験を積む機会がさらに増えたらいいなと思います。
例えば、高校生が企業にインターンシップできるということは、働くことの意義を実感する機会が増えて、自分の将来について明確なビジョンを描きやすくなると思います。しかし、取組自体がない学校があったりとか、体験できる職業にも限りがあったりなど、社会全体として見ると、まだ完全に充実しているとはいえないのではないでしょうか。若者は政治に関心が低いというようなニュースを見ると、あまり知られていない公務員の分野や議員さんの活動など、ふだん体験することができない職業の体験ができるようになればいいのではないかなと感じます。このように、子供が活躍しやすい社会をつくっていくためには、子供の声が届く仕組みをつくる、関わる機会を増やす仕組みが必要不可欠なのではないかと思います。
(主な質疑)
【委員】
永尾瞳和参考人に伺う。
先ほど子供が活躍しやすい社会をつくるためにということで、子供の声が届く仕組みをつくる。例えば、子供自身が意見を書き込めるサイトをつくる意見をもらったが、仮にそのサイトをつくるとした場合、例えば、対象年齢や、運営方法などのよいアイデアはあるか。
【参考人】
対象年齢は、小学校高学年から高校生までである10歳から18歳程度を対象にすればよいのではないかと考えている。そして、運営方法としては、今のところ五つの運営方法を考えている。
一つ目は、匿名で行うことである。匿名制で行うことにより、誰でも気軽に自分の意見を書き込みやすくなるほか、保護者も子供が投稿したことで面倒なことになるということを心配することなく書き込めるというようなメリットがあると思う。
二つ目は、月や季節ごとにテーマを設定するということである。テーマの設定方法としては、子供からの意見募集等、自由に募集する形である。また、大まかなテーマについて、例えば4月、9月は学校生活について、5月、10月は地域の問題について、6月、11月は社会、未来に向けて提言したいこと、また、夏であれば、真夏の遊び場や活動場についてのアイデアというように、一定期間ごとにテーマを設定してコンテスト式に募集すると、クラスや生徒会などで、自分たちにとってよりよい社会をつくるための話合いをするきっかけにもなるのではないかと考える。また、子供自身がテーマを提案できる機能を導入してもよいのではないかと思う。
三つ目は、多言語対応で行うということである。より多くの意見を反映させたいと考えている。外国にルーツを持つ子供たちも地域には増えているので、うまく共生していくためには、外国人の子供の意見も反映できるよう、多言語対応で書き込めるようにするとよいと思う。
四つ目は、ネットトラブルを未然に防ぐために、意見書き込みサイトを開いた際に、イラスト付きで意見を書き込むときのルール表などを表示するとよいと考える。
そして、五つ目は、投稿された意見を定期的にまとめて、分かりやすい形でサイト上において公開するものである。例えば、子供のアイデア通信や、声の玉手箱などのように親しみやすい名前を使って意見をまとめて表などにすることで、自分の意見が実際にそのような場所に届いていることが実感しやすくなる。
【委員】
小島正士参考人に伺う。
今、小島正士参考人から意見をもらったとおり、子供たちに第三の居場所をつくる必要があることは、私も同じ意見である。今、愛知県では、愛知県子ども食堂推進事業費補助金という助成金を通じて、小島正士参考人も取り組んでいる子ども食堂をサポートしている。今もらった意見や、事前に提出された作文にも記載されていたように、まさしく子供の頃の体験と、大学生になってからサークル活動や勉強を通じて体験したことだと思うが、大人は自分の居場所を決めることができるが、子供はその自分の居場所を決めることができない。そして、子供の世界は狭い世界になりがちで、その世界が全てとなりがちであるという意見は大学生らしく、とてもすばらしい意見だと感じた。
私も地元で子ども食堂に幾つか訪れる中で、母親の口コミで多く集まるところもあれば、児童虐待により独り親になった世帯や、貧困家庭が子ども食堂を使うケースもある。また、地元のピザ屋がピザを子供に無償提供した取組が、周囲に広がり、そのピザ屋の売上げが上がったという報告もあった。子ども食堂の取組もすばらしいことである一方で、どうしたら子供たちが自分で選んでこの場所に行きたいか選択できるようにするにはどうすればよいかを我々も考えている。
小島正士参考人の子供の頃、それから大学時代の経験も踏まえ、学校、家庭以外の第三の居場所をつくるに当たり、この社会にはどのような課題があると考えているか。また、その課題を乗り越えていくためのアイデアや意見を伺う。
【参考人】
実際に子ども食堂に参加している中で、支援の減少が課題として挙げられると考えている。委員に紹介したい事例として、私が行っている子ども食堂では、以前は食料の無料配布、いわゆるフードパントリーを実施していた。
これは、企業から提供された、野菜や米、また、少し高価な食料を配っており、利用者から大変好評であった。しかし、企業などが食品ロス減少などにより無駄を省く動きで、十分な食料が最近集まらず、中止してしまったため、このような運営の支援の減少が挙げられる。そのため、解決策の一例としては、県でそのような支援をする企業への優遇をお願いしたい。
【委員】
小島正士参考人に伺う。
先ほどの意見の中に、子供たちと交流するボランティア活動へ参加し、子供たちが直面する問題やニーズを直接感じたとのことだが、その後の小島正士参考人の人生で、ボランティア活動などの経験が生かされた体験談を伺う。
【参考人】
子供たちと交流する中で、相手と同じ目線を向くことが、今の人生で活かされていると感じている。特に人の話を聞く傾聴スキルや、イベントの企画力、実行力が、人生で役立っている。
自分の体験談として、子供たちは、毎月開催を重ねていく中で、会うたびにいろいろなことを聞いてくれるほか、だんだんと口数が増えていくので、そのときに、非常に傾聴スキルが上がったと感じる。
また、イベントの企画力、実行力に関して、このサークルに入る前までは、同じ世代の人と交流していたので、違った世代の人と関わる機会が少なかった。年上のボランティアの人や子供たちと交流する中で、どうすれば皆が分かりやすい企画ができるのかということを考える力がついてきたと考えている。
【委員】
小島正士参考人に伺う。
子供たちに学校や家庭以外の居場所をつくることは重要で、特に子ども食堂の役割は大きいと感じている。私も地元豊田市で子ども食堂に度々参加している。そこには、小島正士参考人のように大学生がボランティアとして度々参加し、小学生の子供たちと一緒に遊んで、おいしいご飯を食べて、大人とは違った視点で子供たちを導いている。
子ども食堂のボランティア活動に若者、大学生などいろいろな人に参加してもらうためには、先ほどの小島正士参考人の発言のように、子ども食堂のボランティアで参加して感じたことや、学校や家庭では得難い経験はできることをほかの人に伝えて、また新たな担い手を巻き込む活動が重要になってくると考える。子ども食堂の経験を通じて得た経験や、また楽しかった思い出について伺う。
【参考人】
毎月行く中で、本当に楽しい思い出しかない。感情の部分で、子供の成長に驚いたこと、子供たちがだんだんと心を開いてくれること、子供たちの笑顔の三点の思い出を語らせてほしい。
子供の成長の驚きについては、毎月、子ども食堂に来る保育園児の子がいて、会うたびに言葉の数がだんだんと増えてきたほか、最初は質問をしなかったが、数か月後には、何で、何でといろいろ聞いてくれるようなことがあり、子供は本当に数か月で成長する実感があった。
二点目の子供たちがだんだんと心を開いてくれることについては、最初は口数が少なくて親の後ろに隠れていた子でも、毎回、挨拶するとだんだんと向こうから来るようになってきて、学校でこんなことがあったと話をしてくれるようになり、そういった何気ない交流が自分の力になった。
三点目の子供たちの笑顔については、子ども食堂で縁日を企画したことがあり、ボール投げをした際、そのボール投げで子供たちがきらきらした目でボールを投げ、またやりたいと言ってくれたのが本当にうれしく、心からすごく楽しめたよい経験であった。
【委員】
小島正士参考人に伺う。
先般行われた県の子ども・子育て会議においても、子供、若者の居場所づくりの重要性ということを強調していた。また、本日も、居場所の重要性についての意見であった。今、国も県も、子供、若者のウェルビーイングを実現しようとする中で、居場所づくりが非常にこれから重要になってくると考えている。ただ、そのウェルビーイングは、それぞれの子供、若者によってそれぞれ考え方が違うため、大人や社会が勝手に決められる内容ではない。
我が家においても、子供が3人おり、大学生の長男は、大学に設置をされているグローバルプラザという、大学に来る留学生と日本人の学生が交流できる国際交流の場所を自分自身のウェルビーイングにつないで居場所づくりにしている。次男は高校生で、友人との交流を非常に大事にしており、現在通っている高校の友人のほか、卒業してみんな進路がばらばらになったが、小中学校のときの友人との交流の居場所をそれぞれ別に設けて、自分自身のウェルビーイングを実現する居場所づくりをしている。3人目の長女は体を動かすことが好きであるため、学校の部活動と、友人との外でのスポーツで体を動かすことを通じて自分自身のウェルビーイングにつないで居場所づくりに結びつけている。
我が家の3人の子供たちだけでもウェルビーイングの考え方とそれに伴う居場所が全く異なっているように、これからの子供、若者のウェルビーイング、居場所という考え方は、非常に多種多様であると考えている。これが国や県の施策において、その多種多様な子供たちのニーズ、ウェルビーイング、居場所に応えていくためには、どのようなことを実際に提案・提供していくことがふさわしいと考えているか。
【参考人】
私も委員と同じように、どのような場所が適しているのかは、子供一人一人の性格や興味関心により異なるため、本当に多様な場所が選択肢として必要であると考えている。そこで、複合施設をつくることが面白いと考えている。
具体例としては、私は岐阜市在住で、ドリームシアター岐阜という施設が岐阜市にある。これは、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団が運営していて、ここでは様々な遊びや体験ができ、小学校のときによく行っていた。
この施設には、テレビゲームや大道芸、ボードゲームまたは本格的な木やドライバーを使った工作など様々なものがあり、いろいろな興味関心を持っている子がここに集まると、本当にいろいろなことができる施設であった。いろいろなコンテンツがあると、興味のないものにも触れることができ、新たな発見にもつながると思うほか、学校以外のコミュニティーができることにより、コミュニティーの分散にもなるので、このような複合施設をつくるのが、子供たちの多様なニーズに応えることができると考えている。
【委員】
永尾瞳和参考人に伺う。
企業インターンシップの意見について、これは、授業の一環としてインターンシップを行うというような形をイメージしているのか、それとも、例えばラーケーションのように、休日を利用した形での自主的な取組でのイメージで考えているのか。
【参考人】
企業インターンシップについては、授業の一環として行うべきと考えている。
理由は二つある。
一つ目は、より多くの生徒が参加できるようにするためである。例えば、自主的な取組の場合、学力や家庭の経済状況などによって参加できるインターンシップに限りが出ることも起きてしまうのではないか。このため、授業の一環として公平な機会の提供をすべきと考えている。
二つ目は、学校が関わることで、多様な業界や職業に安心して参加できると思う。興味のある分野はもちろん体験したいが、例えば製造業や福祉業、農業など、ふだん私の関心が向かないような業界、分野でのインターンシップ体験などをすることで、イメージや先入観とは違うことが分かり、知らなかっただけで、実は興味を持てるようなきっかけにつながると考える。
また、今回のような政治の分野に携わることができる機会など、生徒個人では知ることが難しい分野にも、学校を通して行うことで、安心してチャレンジしやすくなると思う。そのため、少しでも早い年齢から幅広い職業の体験をすることで、視野が広がり、自分の適性や興味を発見しやすくなると考えている。
【委員】
続いて、小島正士参考人に伺う。
第三の居場所づくりについて、全ての子供たちにとって有用なことであると感じるが、特に必要な子供たちがいるのも事実であると考えている。その場合、居場所づくりをした後に、その特に必要な子供たち、またはその親にどう情報を届けるのか、また、どのような形で参加を促していくかがポイントになると考えている。切実にサービスを必要とする子供たちにどのように情報を届け、また、参加してもらうためにどのような工夫をしたらよいか。
【参考人】
切実にサービスを必要とする人は、家庭環境や経済的な理由で孤立しがちな子供たちだと考える。どのように情報を伝えるのか、またどのように参加してもらうかという二点に分けて意見を述べる。
まず、どのように情報を伝えるのかについては、学校を通じた周知と行政や地域コミュニティーを通じた周知が必要であると考える。
学校という場所は、子供たちにとって日常的に通って信頼できる大人、先生がいる。先生が困っていそうな子に直接声をかけることにより、また行きやすくなると考える。
また、行政や地域コミュニティーでの声かけとしては、できるか分からないが、学校と不登校の子の場所を共有して、自宅に赴き、直接的に声をかけることが大事だと考える。今、メールやLINEなどで簡単に情報を届けられるからこそ、直接的に人の声で伝えることが大切であると考える。
また、どのように参加してもらうかは、子供たちや親が、敷居が低いと感じてもらうことが大切だと考えている。中には、支援を求めること自体に抵抗を感じる人もいると思うので、初めてでも参加しやすい雰囲気や匿名性の確保が大切であると考える。
【委員】
永尾瞳和参考人に伺う。
先ほど委員からも話があった、インターンシップの体験を少しでも早い年齢で実施することについて、実際、学校で高校1年生、高校2年生になると、理系や文系などの選択肢が出てくる中で、インターンシップなどを経験し、様々な職業があることを自分で判断できないと、文系に進むのか理系に進むのかを、判断しづらいときもあると考える。例えば学校などで相談する体制もあるとは思うが、実際、生徒から見た場合、足りているのか不足しているのか、また学校に求める部分があるのか、併せて、少しでも早い年代で実施することについて、例えばもう小学校や中学校から、ある程度、地域のいろいろな職場などを見るような環境があるともっとよいか。
【参考人】
他校の高校生とか中学生、小学生などとの交流の機会を増やしてほしいと感じている。例えば、私が所属している名古屋経済大学市邨高校のエクスプローラー・コースでは、毎年、盲学校の生徒との交流会がある。私は、今年の6月に実際にその盲学校の生徒との交流の機会を通して学んだことや感じたこと、感動したことなどが幾つもあった。その経験を通して、もっといろいろな環境で育った様々な年齢の子供と交流してみたいと感じるようになった。
しかし、現在は、学校間で交流できる機会、活動は、僅かな日数に限られているため、例えば、名古屋経済大学市邨高校では、近隣の盲学校や聾学校、小学校や中学校などのイベントや行事が実施しやすくなるとよいと思う。また、愛知県内も広いので、例えば三河地区の学校と交流して、名古屋の学校と三河地区の学校で、数日から1週間程度の交換留学のような体験をして、愛知県内でも知らない学校や地域のことを知ることができれば、意外と知らなかった自分たちの愛知を深く知るよい機会となり、他県の人とか外国の人たちと関わる際に、自分の住む愛知県のことを発信できるために役立つと思う。
加えて、そのような多くの学生と交流を積むことで、職業選択についても相談相手が見つかるなどの仕組みが充実するとよいと考える。
<発達障害、知的障害、ヤングケアラー支援策について>
《参考人の意見陳述》
【参考人】
3人の子育てをしております本間誠久と言います。一番上は受験を控えた高校3年生、その下に市内の私立特別支援学校に通う15歳の女の子、その下に県内の県立の特別支援学校に通う8歳の男の子、3人の子育てをしております。大学の講師をしておりましたが、現在休職中で、そういった立場からいろいろと意見を言わせていただく機会を持ちたいと思って参加させていただきました。よろしくお願いします。
では、引き続き、私の意見を申し上げます。
例えば、放課後子供教室推進事業あるいは成年後見制度、愛知県のヤングケアラー実態調査など、それらの立ち上げから意見交換、調査、調整などを経ての施策へ向けた動きにタイムラグを感じ、実態との距離感を生んでいないかと感じています。PTA役員も務めてみて、時代遅れの制度、制約の多いことなどにも考えを巡らし、また、実際の家庭像、障害児に対する現状と合致していない仕組みなどについても訴えさせていただきたいと思いました。広く認知してもらう方法を、今よりも直接的に対策する場面をさらに範囲を絞るなどして、行政と家庭の距離を縮めて、タイムリーな有効策を打ち出してほしいと考えています。
先ほど子ども食堂の話を聞いていて胸がいっぱいになってしまって、私の娘と息子は、恐らくお父さん、ありがとうなどの言葉を発することは、この先もないと思っています。40年前ぐらいの障害のある子供を育てた体験を聞く機会がありました。当時は、本当に社会から分断された理解のない中での子育てで、そういった話を聞かせていただいたことは本当に尊敬しているんですが、例えば、行政において子供の意見を広く聴くといいますけれど、障害のある子供は、意見を言うことができません。代弁をする必要があるんですが、それは親の仕事でしょうか。
今回もたくさんのママさんたちから意見を伺ってきましたが、例えば、春日井市には市長に向けての目安箱があると聞きました。例えば、それが市役所にあるとして、そこに意見を書き込んで、そして投函できるというのは、実は恵まれた環境でもあって、また、親に限らず障害のある子に触れる周辺の人、そういった方々がどういった意見を持っているかとか、そういったことからも本当に実質的な障害者を取り巻く環境、障害者を持つ親が立っている立場のそういったものに触れる機会にしてもらえたらという気持ちもあります。
また、受験生のお兄ちゃんは、下に2人の障害児がいて、ある程度、制約のある中で受験勉強を強いられています。決してそのことを悲観するでもなくて、日常からそういった環境で過ごしていますが、そんな彼を見ていた中で出てきた意見なども発信したいとも思いましたし、たくさんの苦労をされているママさんたちの意見を伝えたい気持ちもあり、参加させていただきました。分断のない社会になってきていると思いますが、幾つかの制度がより分断を生んでいないか、そういったことについても気づいていただける機会になったらいいなと思っております。よろしくお願いします。
【参考人】
南山大学より参りました法学部4年の毛利英暉と申します。よろしくお願いいたします。
私は、これまで名古屋市が主体となって実施している学習支援事業に学習サポーターとして参加し、愛知県知多市にある祖父母の家の一室にて、自ら地域の小中学生の子供たちの勉強をサポートするなど、子供たちの教育を通じて子供施策に関する興味関心を抱いてきました。
そうした子供たちの学習のサポートという経験を通して実感したのが、発達障害のグレーゾーンと呼ばれる子供たちのニーズでした。教室で大人数で学習することの難しさから、学校側からは、通級制度の利用や特別支援学級への移行を進められる一方で、子供たち自身が、急に学ぶ環境が変わるという環境の変化や、保護者の方々にとっては、学習内容が本当にその子の成長につながるのか不安に感じる思いなど、発達障害のグレーゾーンと呼ばれる子供たちへの教育支援に対する子供たち、保護者の方々の戸惑いを目の当たりにし、必要な支援は確かに提供されているにもかかわらず、その支援が必ずしも個々のニーズに応え切れていない実態があるのではないかと考えるようになりました。
また、名古屋市と知多市、市をまたいで子供たちの教育に関して知る機会を得たことで、そうした支援に対する地域間の格差も実感するようになりました。例えば、ある地域では無料で使える映像授業のアプリが、ほかの地域では使うことができず、学習進度に合わせた学年を遡って復習をすることのハードルが上がっている点や、中学校の通知表の扱いについて、内申点に反映されるのかどうか地域による違いがあり、支援学級で支援を受けることをためらう場合がありました。こうした子供たちの将来を考える上で重要になる情報については、小学校・中学校間で十分に共有されていないことにより、必要な情報を簡単に得ることができないことで、悩みを増やしてしまっているのではないかとも感じました。
以上の経験を通して得た気づきを踏まえて、次のとおり、発達障害のグレーゾーンと呼ばれる子供たちに対する学習に関する施策に関して意見を述べたいと思います。
まず、一点目に、特に中学校での学びについて、支援学級で学ぶことで将来の進路に与える影響に関する情報、具体的には、通知表の評価が内申点に反映されるのか、卒業後の進路の情報など、子供たちの将来を考える上で必要となる情報に保護者の方々がアクセスしやすいよう、小学校・中学校間で情報共有をして、小学校の段階で中学校での学びも踏まえた支援や相談を受ける機会が確保できているか検証し、そうした機会の不足が認められる場合には、施策の充実化が図られるべきではないかと考えます。
二点目に、地域間で学習に使えるツールが異なることにより、子供たちが学ぶ上での効率や学びやすさに影響が生じていないか検証し、何らかの影響が生じていると考えられる場合には、効果的であると認められる同様の施策を県内で広く実施する手だてはないか、検討すべきだと考えます。
三点目に、発達障害のグレーゾーンとされる子供たちが、支援学級等での支援が必要であり移行するとなった際に、支援学級に移行する当事者の子にとっても、これまで同じ教室で学んできた子供たちにとっても、大きく環境が変わることになるかと思います。私自身も小学校で学んでいた際に、ある日突然、一緒に学んでいた友人が教室からいなくなり、支援級の教室で学んでいたことを知り、それ以降、今までどおり一緒に遊ぶことや学ぶことがなくなった経験があります。
そこで、支援を求める子供たちとこれまで一緒に学んできた子供たちとの交流を制約することになっていないか、交流の機会は十分に確保できているか、検証をする必要があるのではないかと感じます。また、違う教室で学ぶこと自体が子供たちの中での分断を助長することとなっていないか、慎重に検討していく必要があるのではないかと考えます。
そして、最後に、今、知多市の中学校で学ぶ中学生の教室での学びに関する問題意識を共有させていただきたいと思います。
本年度10月8日より、8回にわたり、私を含めた大学生3人と知多市在住の中学生2人の計5人でディスカッショングループをつくり、教室での学びをテーマにディスカッションを繰り返してまいりました。中学生からの主な意見としては、特に中学校になってからの勉強面を最重要視されることが大きな悩みの種になっているとの声が聴かれました。例えば、中学校になるとテストだけで評価されるみたいで違和感を覚えるなど、どれだけ頑張っても順位が出て比べられると自信がなくなるなど、勉強だけが評価の対象とされることが学校の居心地の悪さになっているとの声がありました。
一方で、友達や先生たちと毎日顔を合わせることのできる学校は、楽しいものとして中学生たち自らも成長の場としても捉えている意見も多く聴かれました。
そこで、私たちのディスカッションの現段階での到達点としては、教室で学ぶ全員が居心地よくなるよう、教室の在り方を考えていく必要があるとの考えに達しました。具体的には、誰もが勉強で苦手があることを前提に、特別なニーズのある子供たちを対象とした、個々に応じて提供されてきた合理的配慮を、教室みんなの勉強の悩みの解消に役立てることができれば、誰にとってもより居心地のよい教室をつくれるのではないかと私たちは考えました。教室の在り方は、社会を映す鏡であるように感じられます。学校での学びが子供たちにとって、ひいては社会全体の居心地のよさをもたらすことを願っています。私からの意見は以上です。
(主な質疑)
【委員】
本間誠久参考人に伺う。
先ほどの発言で、いろいろなタイムラグや時代遅れの制度や制約、現代とまるで合致しない前時代の仕組みという言葉があったが、具体的に伺う。
また、そうしたことからの脱却と話していたが、何か意見や具体策などがあれば伺う。
【参考人】
意見交換、調査、調整を経て、施策の実施の間に実態調査が行われると思うが、この実態調査から実際の施策を決定し、実行するまでの間に空白期間ができているのではないかと考えている。例えば患者が病院に行って問診、触診する。病名が決定するまで一旦お帰りくださいと言われて帰ることもあるかもしれないが、待っている間も苦しんでいる。病名が決定するまでの、それまで一旦お帰りくださいの間に、必ず何らかの助言や対処療法などを施すと思うが、そのような実態を調査してから実際に行政が行動に立ち上がるまでの間、そういったところを想定して、すぐに実行できる、対症療法的なものを用意した上での実態調査が好ましいのではないかと考える。
ある程度、現場で対応できるものは、予期できるものがあると思う。また、愛知県教育委員会特別支援教育課に意見を寄せた母親の話では、もっと強くしつこく学校に訴えてほしい、学校に戻ってしっかりと意見を伝えてほしいと言っていたが、結局、門前払いとは言わないものの、その意見がどこに酌み取られたか、その後、何に反映されたか分からないままの対応にもなっている。すぐに効果的な対処はないかもしれないが、そういった質問や要望に対して、まずどうすべきなのか、そういったところの検討は足りているのか、それによって空白は生まれていないのだろうかということを感じている。
【委員】
本間誠久参考人に伺う。話している中で、タイムラグとタイムリーがキーワードだと思うが、PTAの役員を務めてみてという具体例があった。私たちにとって耳の痛い言葉だと思うが、どのようなことが時代遅れと感じたのか。
【参考人】
例えば、PTAの次期役員のアンケートの欄に、やる、条件付でやる、別の誰かを推薦するの三つの項目しかない場合がある。やらないという項目は、もう最初から設けられていないものもある。単純に考えれば、やらないと書いたらみんなやらないに丸をつけるのではないか、今やっている人たちも嫌でもやっているのに、安直にやらないというのは、無責任ではないかということかもしれないが、それが物語っているのは、結局、多くの人に嫌なことを強いているのではないか。例えば、単純に嫌なことや辞めたいものであったら、そのように辞めてしまうこともできるかもしれないが、できない理由も二つほどあると思う。
例えば、次年度のスケジュールが決まっていることである。持ち回りで地域の担当なども決まっており、どこどこだけが来年のPTA活動はありませんとはできないようになっている。家族旅行を例に挙げると、いつ、どこに何人で行くと決まっているが行く人だけが決まっていないようなものである。そんな予定は成り立たない。既に決まっている予定がある以上、選出しなければならないのも、結局、誰かがやるだろう、これまでもやれていたということである。それはなぜかというと、ある程度、画一的な労働体系や、地域の中での共通認識が働いていた時代のものだと思っている。
辞められないもう一つの理由は、繰越金の多さである。予算の中でも、前年からの繰越金や、今年の予算を活動の中でやりくりした上でできた繰越金が残っている以上、宙に浮かせたまま辞められない状況もあり、使い切らないと終わりが見えないが、使い切ることはないため、結果、終わらない。それに関しても、どこかで使い切る、あるいは返却するなど、何か方法を取るべきだと思う。
PTA役員や母親たちのコミュニティーの中で、母親の中で誰かが辞めた、誰かから話が広まったなど、言いづらい部分もあるし、学校単位では決められないことも多いため、そういったことを地域や県のPTAなどから柔軟に対応し、選択肢を示していけたらよいと思う。
1,000年続く伝統の祭りも、担い手不足やコンプライアンス違反などで中止・変更するところが多い中で、1年間ある学区内のPTA役員が変わらないのはおかしな話だと思うが、さらに、障害児を取り巻く環境について言うと、学校の中での分断だけでなく、地域の中でも、学区の子供と触れ合いのない他地域の支援学校の子供たち、PTAではカバーし切れない部分が非常に多く、学区内でのPTA活動に限界があるのではないかと考えている。地域や県で地域の子供たちを広く見る視点を持って活動できるように、多くの選択肢をPTAに与えるような、そういったアドバイスを県からも出してもらえたらありがたい。
【委員】
毛利英暉参考人に伺う。
先ほど、地元の中学校でディスカッションした内容について、合理的配慮を踏まえた教室の在り方や雰囲気は非常に大事だと私も思っているため、知多市の教育委員会と一度話をしたいと考えている。
毛利英暉参考人の発言に、知多市にある祖父母の家の一室を自らの地域の小中学生の子供たちの勉強のサポートをしているとあったが、私も非常に興味を持った。初めに、実際にそこでは、何人の小中学生が通っているのか、利用時間はどうなっているのか伺う。
【参考人】
小中学生の子供たちの勉強のサポートの活動については、利用している小中学生は、現在小学生5人、中学生2人の計7人で、利用時間は毎週土曜日、中学生は13時40分から15時までの80分間、小学生は15時から17時までの2時間実施している。
【委員】
作文の二点目に、地域間で学習に使えるツールが異なるとあったが、具体的にどう違うのか、また、どのような施策を県内で広く実施をするとよいか、考えがあれば伺う。
【参考人】
学習に使えるツールについては、特に、自分の意思で映像授業を視聴し、学ぶことのできるスタディサプリというアプリ等の利用が、子供たち全員が使えることが望ましいのではないかと考える。私自身も高校時代、コロナ禍での臨時休校に際して学校全体で利用するようになり、学年横断的に予習・復習をすることができる同サービスに大変助けられた。また、私の妹も同時期に名古屋市立の中学校で学んでいた際に、学校全体で同サービスを利用し、学びやすさが格段に広がっているように感じた。
現在でも同サービスは、特定の地域では利活用が広く推進されているようである。こうしたサービスを全員に利用できるようにすることで、例えば、塾に通う子供たちのみが予習・復習をしやすい現状に対し、同サービスを利用すれば、自由に自分の意思で映像授業を主張するなどして、苦手単元の復習や得意科目の予習を進めていくことができるなど、より公平な学習環境をつくることが期待できるほか、特に苦手な教科がある場合には、学年を遡って学習をするなど、特別なニーズに応えた学習も、より効率的に推進していくことができるのではないかと考えている。
【委員】
私の地元が知多市であるため、機会があれば、そういった勉強をサポートしている中身を一度見学させてもらえたらと思う。
<不登校支援について>
《参考人の意見陳述》
【参考人】
半田市在住の今井と申します。不登校選択中の中学生の子供を持つ母親ですが、何とか仕事も続けさせていただいており、社会福祉士として老人保健施設で支援相談員をさせていただいております。日々、貧困問題やヤングケアラーの問題を、利用者様を通して、本当に個人の困り事を社会資源につなげる必要性が重要だということを、仕事を通して日々感じております。
今日はこのような貴重な機会をいただき、本当に実際の施策に生かしていただいて社会が変わっていくきっかけの一つになればという気持ちで参加させていただきました。よろしくお願いします。
まず、現在、不登校選択中の子供を持つ母親として感じたことをお話しします。子供は、現在、民間のフリースクールで友人もでき、穏やかに過ごせております。ただ、この状態にたどり着くまでは、我が家の場合は1年以上の時間が必要でした。我が子の不登校のきっかけとしては、少々特殊ですが、家族を突然亡くしたという経験をしたところからでした。私自身も含め、家族がそれぞれに大きな喪失と向き合う中で、子供自身もこれから自分がどうしていったらいいか、どう生きたらいいのかという基盤を失って、不安にさいなまれているような状況ということが、親の私からも見て取れるような状況でした。そのように家族を亡くしたという特殊性から、特殊な寄り添いが必要だと学校側からは考えられて、そういったケアの経験がない学校側との距離ができてしまったことが、不登校を選択した一因となってしまったと私は感じています。
少々特殊なきっかけなので、不登校生徒の保護者代表というわけではないですが、私自身もどうしたらいいか分からないという中で、各地の親の会に参加させていただいた中で、多くの保護者の方とお話しさせていただきました。その中で、お話の中で出てきた中で感じたことは共通しているなということが一つありまして、子供が学校に行けないというだけで、親も子も本当に社会と断絶されたような孤独感にまずさいなまれるということが共通していると感じました。まず、親も子も普通という枠から外れて、これまでの日常が一変してしまうんですね。そのことに混乱して、どうしたら元に戻れるのか考えて、どうしてもプレッシャーを与えてしまうんですね。子供も行かなければならない、でも行けないんだという気持ちと日々闘っているということが、スタートとしてあります。
全国に数十万人と不登校を選択した生徒・児童がいると報道されていますが、そういった子は、普通に学校に行っている近所の子も学校に朝登校しているのを見た場合に、どこに相談していいか分からない。ほかにもいるだろうけど、どこにいるのだろうか、ほかの人は一体どうしているのかということが全く分からない。学校にまず相談しようとするものの、窓口である担任の先生は学校に来ている生徒さんの対応で手いっぱいです。
個人情報の問題もありますから、ほかに学校に来られてない子はいますかといって聞いたところで、教えてもらえるわけはないんですね。もしかしたら学校で自分だけかもしれない、うちだけかもしれないという状況の中で特別な対応を求めるということが、わがままなのではないか、手間をかけ過ぎてしまうのではないか、じゃあ家庭で何とかしなくてはならない、親が何とかしなくてはと考えがちですが、どうしたらいいか分からないというところで、親も混乱が続く。
結局、我が家の場合は、学校側に配慮や居場所を求めることをちょっと諦めまして、学校以外の学習機会の確保と居場所を求めて不登校を選択するに至りました。そして、学校を一歩離れてみて、学校以外で支援を受けようとすることによって、教育にはマンパワーがまず必要だということを実感しました。そして、このように個別で手厚い支援を受けるということには、費用もかかることも分かりました。公立学校におきましては、合理的配慮の提供が義務化されるという、これは新しい概念だと思います。それが導入されても、それに伴って学級人数の変更も予算の関係でできませんし、教員の数も、支援員の数ですら増やせないという実情の中で配慮を求めるという行動自体が、学校に対して負担だと感じさせてしまうと思います。それだけ学校の人員も時間も環境も、もう全て余裕がないことが実感として分かりました。
具体的な配慮、我が家の場合の配慮の一つとしては、もう板書を写すことが追いつかないのでノートテイクの方法を工夫したい、中学生ですからノート提出を求められるのですが、それについて配慮をしてほしいということを求めました。それが当時、担任の先生には大変特殊な配慮を求めたとお感じになられたようで、ちょっとあれもできない、これもできないということで、結果、できないという回答でした。みんなと同じようにやって、みんなと同じように提出してくださいと。できないならできないなりに出して、その評価をしますということしかありませんでした。どうしたらできるようになるかという話し合いの時間を、担任や学年主任の先生にもないということで、結局、これしかできないんですという回答をいただくに至るのですが、当初は、もう本当にどうしてなんだと、話し合いをさせてくれないのかと怒りすら覚えました。
しかし、先生の側に立ってみれば、前例や具体例もない、個別対応をすればほかの生徒からずるいと不満が出るのではないかという不安もある中で、どうしたらいいのか分からないというのは、先生も同じなんじゃないかということが分かりました。合理的配慮を行うことが義務なのであれば、それが負担にならないような体制づくりも義務としなければならないのではないかと考えます。
そして、学校と保護者が対立する、一方的に要望を伝え合うのではなくて、どうしたらいいか、どうしたらできるようになるかというアイデアを出し合える機会、話し合う時間的な余裕、これを生む工夫が、どうしても必要になってくると思います。
子供たちが不登校を選択するに至る背景というのは、本当に千差万別です。この方法が有効だったから全員に有効かという構図は、全く成り立たないと思います。私の子供が選択しているフリースクールにみんな来ればいいじゃない、そういうことではないですね。必要なのは、選択肢だと考えます。例えば、オンライン授業に出席する仕組みでしたり、フリースクールの利用料の支援など、学校、とりわけ教室内以外での教育機会の確保を行うことで、不登校を特殊とする価値観を変えていく必要があるのではないかと考えています。
先生方が教室で自分の授業を受けられない子供の評価などできないというお考えであれば、ほかの方法がないか模索していきたいと思います。こうやって選択肢を与えるというのは、わがままと捉えられてしまう、自分勝手だと考えられてしまう傾向というのは、あるかと思います。
しかし、社会というのは、どんどん多様化が進んでいます。働き方一つ取っても、本当に様々だと感じていますので、学校に登校して教育を受けなければならないという価値観のままのほうが、子供の希望も、大人がほかの価値観に気づく気づきを得る機会もないのではないかと感じています。学校は、学習をする場所であることには違いないですが、それ以上に、人との関わりの中で社会性を学ぶことが大きな目的となっていると考えています。その場所が、社会の厳しさを経験する前に理不尽さを経験する場所ではなく、個人として尊重される経験を積み重ねることで、子供自身が自己を肯定して、主体的に社会で生きていく準備をする場所であってほしいと私は思っています。
従来のように管理が中心とした環境では、大人も子供も個人が尊重されて人権が守られるという環境かどうかというのは、私はちょっと疑問に思っておりまして、そういった中で、学校の在り方や教育について社会全体で考え直す時期に来ているのではないかと考え、今回、意見を述べさせていただきたいと思います。
(主な質疑)
【委員】
今井里佳参考人に伺う。
私の地元知多市でも年々不登校の児童・生徒の数が増えてきたこともあり、定期的に不登校の子を持つ保護者から話を聞く機会を設けている。来月も12月7日に15人程度の保護者を呼び、話を聞く機会を設けている。
不登校になる理由は、今井里佳参考人が先ほど話したように千差万別であり、なかなかよい解決策が見つからないのが現状であると私も感じており、保護者からは、選択肢として居場所が欲しいという声を本当によく聞く。また、フリースクールなどでは費用がかかるため、補助が欲しいとの声などを聞くが、こうした多様化が進む中で学校の在り方について、今後どのようになっていくのが理想の学校教育だと考えているのか。
【参考人】
居場所が欲しい、フリースクールの補助があったほうがよいことについて、私の意見を述べる。
まず、幼児期や小学生までは、子育て支援という考えで学童保育など、いろいろな場があると思うが、中高生になると、学校と家庭以外の場所は意外と少ないと感じている。
私が住んでいる半田市でも、部活動の地域移行が進む方向だが、なかなか受皿となる地域の活動が充実していないという現状がある。居場所づくりをと考える地域の人が、本当に安心・安全な活動を提供できるのかは、残念ながらどんな人が地域にいるのかは分からないため、不透明な部分があると思う。提供する側も自分たちを信頼してほしいため、公的なチェックをした上で補助金を提供する形で報告も義務づけるやり取りをすることで、責任感を持って地域の子供たちに関わってもらう仕組みがあれば、居場所づくりをしたい人が増えるのではないかと考えている。
また、フリースクールの補助については、あると本当にありがたいと実感している。現在、正規・非正規にかかわらず、共働きの家庭が多数だと思う。母親、父親ともに働いている家庭が多数だと思う。
学校に行くか、行けるのか行けないのか分からない時期、今日休むかどうしようという話を聞いている時期というのは、子供の状態が不安定なので、親は仕事を休んで付き添うことになる。その期間が長い場合、低学年の場合、親が仕事を辞めるという選択肢を選ぶ人が大変多い。
そうなると、世帯収入も減少するため、そういった場合に支援を受けたい、こういったフリースクールに通いたい、ここなら居場所として合っているのではないかと考えても、費用面で諦めてしまう可能性があると考えている。また、フリースクールも運営形態が様々である。その代表者が何を大事にしているか、本当に多種多様なため、料金設定も様々であるが、これも学習支援の一つであり、居場所として公的に認めてもらう仕組みがあれば、ここも学校以外の選択肢の一つとして保護者側も考えやすくなるのではないかと思う。
補助金が出ることに関しては、運用方法には慎重にならざるを得ないのか、条件が必要なのかというところは、どうしても必要になってくる。そこは、議論が必要になってくると思うため、県で検討をお願いしたい。
また、選択肢が増えることについて、保護者側、仕事をしている側からも思うところがある。こういった選択肢が増えるという考えが教育現場から広がれば、社会に普及していく可能性があると感じている。
私自身は、たまたま職場の理解があり、子供や私自身の体調に合わせて現在も柔軟に勤務することができている。本来であれば、正社員なので1日8時間、月20日勤務をしなければならず、休めば減収にもなっているが、ほかの社員に迷惑をかけているという申し訳なさも感じている中で、何とか雇用してもらえている状況である。
そのため、十分に働けない中で、上司には何度も辞めさせてもらいたいと話しているが、そのたびに、「いろいろな働き方ができるという実例を積み重ねることで、たくさんの人に無理なく長く働いてほしいと私は思っている。その先例になってほしいので、どういう形で働けるか一緒に考えよう」という言葉をもらった。それが本当にありがたく、社会に出て長いが、そのように言われたことは初めてだったため、大変ありがたく思い、細々と勤務を続けている。ここまでのことを言ってもらえる企業は少ないと思う。
私は特に福祉・介護業界なので、人手不足というのは、世間一般に知られているとは思う。あらゆる業界で人材不足が叫ばれているため、子供が不登校になって心身の調子を崩す中で、それに伴い親の就業もできなくなるのは、社会全体の損失につながっているのではないかと、少し言い過ぎかもしれないが考えている。
そういった場合に活用できる一つ法律として、少しずれてくるかもしれないが、育児休業法がある。その法律によって、看護休暇を年5日、長期で休むことができるというよりは、病院、感染症などで登校できないときのために使うという考え方だと思うので、結局、働き方を変える、退職するという選択肢のほうが、圧倒的に多いと思っている。
そのため、テレワークやフレックスタイム制など、何とか柔軟な働き方でも雇用を継続する方法が社会に広がってもらえないか、それをやることで、企業側に支援があることで導入がしやすくなるのではないかと訴えていきたい。
また、学校の在り方についても考えがある。学校の中にも居場所がある、居場所を選択できるという形になっていくのが理想である。学校の中でも教室にいなければならないという窮屈さが耐えられないほどの苦痛になっている子もいる。その場合に、学校へは来たものの、教室にいるのはつらいという生徒のために、居場所の選択肢が教室以外にもあるということが、学校の可能性を広げる一つの手段ではないかと考える。
今年度から半田市で、県の事業と聞いているが、校内教育支援ルーム(Aiルーム)という校内フリースクール事業を導入しており、先日見学にも行った。目的がすごく盛りだくさんである。学校側からの資料によると、目的が五つあり、教室復帰ではなく社会的自立をしていく場所だということ、通常学級と同じように一つの学級として扱うこと、いつでも温かく生徒を迎え入れる体制づくりをしていくこと、画一的を押しつけず、多様性を受け入れること、生徒が育てるから生徒が共に育つ教室を目指すことという五つの考え方が示された。
ただ、この社会的自立とは何か、改めて考えさせられるすごく大きなテーマで、大風呂敷を広げているように私は思った。先日、見学に行き、開設から半年程度たっている状況としては、年度当初からは変わったことをAiルームの担当教員から話を聞いている。当初は、一つの学級として扱うことから、教室のように前に向けて机を並べ、体調不良を訴える子は断っていた。保健室に行って休むような状況ではないが、教室にいられないという子は断っていた現状があった。
また、このAiルームが、学校内フリースクールという立ち位置上、入室許可証が必要で、どうしても関所のような、親の説得が必要で一つハードルがあるため、いつでも温かく迎えることは、少し難しい。しかし、半年程度たち、試用期間を設けることや、普通の教室のように個々の机が並んでいるところから少し机を減らし、大きなダイニングテーブルのようなものを置き、学年を超えて教え合うことができるような環境をつくり、白湯を飲んで、カフェのような雰囲気で、ほっと一息できる時間もあることを教えてもらった。
利用している生徒の祖父が元教員で、付き添い登校をするついでに聞きたいことがあったら教えるというスタンスで静かに座ってもらっている。そういった形で地域との交流も生まれ始めており、本当にいろいろな窓口が開けていったらよい。そのような場所になりつつあることが分かった。
現在の登録人数としては30人、初年度としては、大変よいスタートではないかというくらい、大変多くの子がこの場所を必要としていることが分かったが、一つの教室でやるには機能が多過ぎるというのが居場所づくりとしては課題だと当事者として感じており、我が子は、この教室には行けないと言っていた。なぜかというと、この一つの学級と見られても、きちんとしたい、さぼっているわけではないと通っている子たちが考えがちで、いい加減にしている、甘えていると見られたくないことから、制服着用は絶対であり、カフェという役割ではないところが学校側もあるため、居場所というよりは、一つの教室という役割のほうが強い状況である。
そうとはいえ、きちんと教室に入ることができないが、ほかの場所では学習したい子供のニーズには応えていると思うため、これはこれで一つ運用を続けて形を保ってほしい一方で、居場所、カフェのようなフリーでゆとりある空間が学校の中にあってもよいという考えもある。
【委員】
今井里佳参考人に伺う。
家族の喪失を社会全体で向き合っていかなければならず、学校とやり取りする中でいろいろなことを感じたとのことである。そういった保護者や学校、フリースクールの三者の関係についても併せて触れながら質問する。
今、今井里佳参考人が話したように、不登校になった背景は本当に千差万別で、今井里佳参考人は不登校を選択したとのことであるが、そういった選択肢が必要であると感じている。私も不登校の相談を受けるなど、フリースクール、オルタナティブスクールの開設事業者から陳情をもらうこともあるが、正解が一つではない時代に、それぞれの立場に立った支援が必要だと強く感じている。
また、オンライン授業については、愛知県では春日市や名古屋市、大府市でメタバースを使った取組もしているが、まだ県内54市町村の中では限られた自治体になっている。
そして、フリースクール利用料の支援についても、先ほどからいろいろなところで触れている学校内、とりわけ教室以外での教育機会の確保が重要である。
この点について、文部科学省でも令和元年10月25日の通知で、不登校児童への支援は、学校に登校するという結果のみを目標とするのではなく、児童・生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す必要があるとしている。
一方で、同通知にも、不登校は学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意するとしているように、先ほど半田市ではいろいろな目的が盛り込まれていると聴いたが、この通知では社会的自立がどうしても大事になっており、フリースクールは、本当に学習の機会が確保されているのか、あるいは社会的自立を担う施設なのかが判断基準になっている。
東京都で令和6年度、今年から申請した人にフリースクールに通う費用として2万円の補助が始まっている。これは東京が先駆け的に進んでいるが、愛知県でも、令和5年度にフリースクールの協議会を進めており、許可を得たフリースクールをホームページで周知している。先ほどの通知が令和元年であり、フリースクールについて、この5年間で不登校の状況が進展しているため現場の状況も変わっている。
今井里佳参考人から、次男とのやり取りで、学校との間に距離ができてしまったとのことだが、学校の先生もいろいろなことで悩んでいる。不登校の生徒について、私も地元の清須市の小学校の校長に相談したことがあるが、校長は、普通に通学している生徒も不登校の生徒も、どちらも自分たちの学区の大切な生徒だと話していた。もちろん今井里佳参考人が感じた中で、冷たく感じる場合もあれば、学校によっては考え方も異なり、学校現場もこのような校長の言葉は心強いものの、こういったことが本当に広がらなければならず、政治、行政としても、どのようにサポートしていくのか、まさに過渡期にあると思う。
そこで伺うが、いま一度、この学校の在り方、社会全体に考え直すべき状況が来ていると思うが、今井里佳参考人は、先ほどの話も含めて、保護者、学校の在り方についてどうすべきと考えているか。また、フリースクールについてはどのように考えているのか。
【参考人】
学校の在り方について、学校に求められる機能や役割が、本当に多くなってしまったとの声は、先生からも上がっており、私たち保護者から見ても、本当に大変だと感じている。先生だけでは対応し切れないほど、不登校問題一つ取っても、背景はいろいろあり過ぎており、担任の先生が1クラス約40人という中では、一人では対応し切れない状況にあると思う。そのため、先生もどう対応してよいか分からない、どう相談してよいか分からないという中で、いろいろ活動し、支援してもらっている中で、何でも屋にならざるを得ない状況になっていると感じている。
それを解消できるかどうかは分からないが、一つの方法としては、保護者からの相談窓口をクラス担任の教員に一元化しないのが一案ではないかと考える。現状、地域にスクールソーシャルワーカーや社会福祉協議会発信のコミュニティーソーシャルワーカーがいる。こういった人も、保護者からは学校を通して相談し、学校からつなげてもらう形で存在していると思うが、一歩踏み込んで、学校と家庭の間に入ってつなげる役割ができれば、相談先の一つとして、保護者としても選択肢を増やすことができれば、先生だけにあれやこれやと求め過ぎて、お互いにストレスにならないと思う。
これで本当に解消できるか、この人が一体どのような人か、先生以外に相談してほしいという方向に持っていくにはなかなか時間が必要だと思うが、現状、仕組みとしては、そういった存在の人は各自治体にいるため、学校側にも、多様な専門職の人と一緒に働く体制づくりもしてもらえるとありがたい。また、地域で子供を育てるというように、学校の側からも意識を変えてもらう必要があると考えている。
事前に質問として聞いていた保護者の在り方についても、私としては、本当に一個人の考え方になるが、自分自身が経験したことのない出来事、例えば私自身も不登校の経験がない形で社会に出ており、一般的な問題として議論されるようになったのは、ここ最近で、親世代は、不登校を経験した人はまだ少ない。
このような経験のない出来事に直面すれば、誰でも混乱すると思う。保護者としては、ざっくり言うと、いろいろな固定概念を手放すことがスタートと感じている。
多様な学び方や生き方について、まず親自身が知って、それを受け入れることから、生きていれば可能性は多様にあると、言葉では分かっていても、本当に心から信じて子供に伝えていくことが、親としてそのような視点、覚悟が必要になってきたと考える。
フリースクールについては、様々な役割を持ってそれぞれ民間や個人で設営している。塾のように学校に代わる学習機会をとにかく提供しようと設営されている場所もあれば、とにかく人とのつながりをつくろうと、オンラインのみだがつながれるもの、一方で、安心・安全な環境を提供することが目的になっていることなど、どれを一番重要視しているのか、設置者がどのように考えているのかは、本当にそれぞれだと思う。
このため、先ほど話したように、補助金を出して支援する場合には、どうしても基準や条件が必要になってくると思う。ただ、懸念しているのが、選択肢が狭まることである。財源も限りがあり、一体ここは何をやっているのか分からないというところまでお金は出せるのかという考えはあると思うため、いろいろな議論が必要になっており、私としては、これがよいという提案がないが、どんどん議論を進めて、支援が必要な分野ではないかと考える。
ただ、学校という公の機関の仕組みを変える、例えば、スクールソーシャルワーカーを学校と保護者の間につなげようとか、仕組みを変えることは、本当に時間がかかると思う。そのため、タイムラグという部分で、民間や個人が受皿になっていると見るのであれば、今後もフリースクールの多様化や増加の流れは止められないと思う。
そういった現状があることから、保護者にとってもフリースクール側にとっても、金銭面や体制づくりの支援をお願いしたい。
【委員】
社会福祉士という立場もあり、様々な点に配慮して発言してもらい、理事者にも議員にも伝わり、本当にありがたいと思う。一母親として今回フリースクールを選択したとのことで、それについてどのような感想を持っているのか。
【参考人】
フリースクールを選択した経緯としては、とにかく家から出られない状況に陥ってしまったからである。そのため、人とのつながりを絶やさないためにはどうしたらよいのか、現状、オンラインのみで授業を受け、学習状況報告書をフリースクール側から学校にメールで報告書を送ってもらい、出席認定をしてもらうという形で、週に2回登校している形で通知表が出ており、学習機会と人との交流を図っている。
作文には友人ができたと書いているが、これもオンラインのつながりである。そのため、よりどころとして現在はそこしかないのは、親としても不安な気持ちはあるため、地域とも、実際の人と人とのつながりもつくっていきたいと思いながら、各地の地域のフリースクールや地域のイベントに参加し、何とか外に出ていけるようになった。人とも交流ができるような機会を何とかつくろうと働きかけているが、迷いは常にある。現状、フリースクールで何とか穏やかに、今、生活のリズムとしては、落ち着いているものの、現状これでよいのか、進学についても本当にオンラインだけでよいのだろうか、迷いはある。そのため、先ほど保護者の覚悟という話もしたが、私自身もずっと迷って、子供と話しながら、どうすればよいかを進めていくしかないと考えている。
( 委 員 会 )
日 時 令和6年11月21日(木) 午後1時1分~
会 場 第7委員会室
出 席 者
神戸洋美、福田喜夫 正副委員長
川嶋太郎、神戸健太郎、丹羽洋章、辻 秀樹、宮島謙治、柳沢英希、
鈴木まさと、阿部洋祐、大久保真一、阿部武史 各委員
木村 仁美 参考人(保護者)
永井 颯太 参考人(大学生)
本田 遥 参考人(高校生)
西岡 莉々子 参考人(高校生)
小島 正士 参考人(大学生)
永尾 瞳和 参考人(高校生)
本間 誠久 参考人(保護者)
毛利 英暉 参考人(大学生)
今井 里佳 参考人(保護者)
県民文化局長、県民生活部長、学事振興監、
福祉局長、福祉部長、子ども家庭推進監、関係各課長等
委員会審査風景
<議 題>
本県の子ども・子育て支援に関する諸問題について
<会議の概要>
1 開 会
2 委員席の一部変更
3 参考人意見聴取(子どもを産み育てる環境整備・多子世帯への支援について)
4 質 疑(同上)
5 参考人意見聴取(高校生・大学生に対する経済的支援について)
6 質 疑(同上)
7 休 憩(午後1時56分)
8 再 開(午後2時4分)
9 参考人意見聴取(子どもの居場所づくりや社会とのつながりについて)
10 質 疑(同上)
11 参考人意見聴取(発達障害、知的障害、ヤングケアラー支援策について)
12 質 疑(同上)
13 参考人意見聴取(不登校支援について)
14 質 疑(同上)
15 閉 会
<子どもを産み育てる環境整備・多子世帯への支援について>
《参考人の意見陳述》
【参考人】
今日は、このような機会をいただきありがとうございます。木村仁美と申します。愛知県で生まれ育ち、小中高大まで愛知県の学校に通わせていただきました。その後、大学を出て、愛知県の教員として10年余り勤め上げて、今は、違う職業に就いているんですけれども、愛知県が大好きな人間でございます。
私生活でいいますと、今は4人の子育て真っ最中です。子供たちができるだけ安心して伸び伸びと育っていけるような国、愛知県にしていただきたいというのが私の一番の思いです。今日はかなり緊張しておりますが、しっかりと役割を果たせるように頑張りたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、私の意見を述べさせていただきます。私が一番興味を持っている施策は、子育て家庭、子供、若者への切れ目ない支援の中の子供の教育です。
現在、学費に対する支援はかなり充実してきていると感じます。しかし、大学費用に関する支援は、民間等が行う奨学金制度に頼っている部分が大きいと思います。ただ、奨学金も保護者の年収によっては借りられないものがあるなど、まだまだ利用しやすいものではありません。大学の進学率が60パーセント弱と高い水準に日本はなっているのに、親にとって大学の学費はかなりハードルが高いものです。私の周りでも、大学進学までのトータル教育費を考え、子供を増やすことを諦める人もたくさんいます。
国を背負っていく子供への先行投資として、大学費も含めた支援をさらに充実させる必要があると感じています。また、子供が2人以下と3人以上で教育支援に明確な差をつけることで、人口増加が期待できるようになるのではないかと考えています。限られた予算の中、人口増に一番リターンが得られそうな部分にお金を使うべきだと感じています。
今は、子供にお金がかかるから人数を絞り、幼児教育から数少ない子供にお金と時間を使い、育て上げることが、賢い選択肢のような風潮があるのではないかと感じております。どうか乳幼児期から社会に出るまで子供の教育を保障していただきたいです。複数人の子供がいても、安心して教育を受けさせてあげられる社会の実現を強く望んでおります。お願いいたします。
【参考人】
本日は、貴重な機会を設けていただきまして誠にありがとうございます。中京大学3年生の永井颯太と申します。本日は、若者の意見を議会に反映していただけるという本当に貴重な議会ですので、私のざっくばらんな意見をぜひお聴きいただけたらなと思います。よろしくお願いします。
私自身、双子を含む3人兄弟の家庭で育っています。そのため多子世帯が抱える特有な課題について身をもって感じることが多く、これらの家庭を支援する政策に強い関心を持っています。多子世帯では、教育費や生活費の負担が大きいことはもちろん、親が子供一人一人に十分な時間をかけることが難しく、精神的、時間的な余裕が限られている家庭も少なくありません。特に双子の場合は、同じタイミングで進学や成長に係る費用が重なるため、家計への負担が大きくなります。
こうした状況から、私は、多子世帯に対する支援がもっと拡充されるべきだと考えています。例えば、保育や教育に係る費用のさらなる軽減措置や育児休業の柔軟化、地域社会での支援体制の強化が求められていると感じます。現在、少子高齢化対策として様々な支援策が進められていますが、多子世帯に焦点を当てた施策は、まだまだ十分ではないと思います。
実際に我が家でも、親の負担がとても大きいと感じることがあります。私自身も双子の兄も私立の大学に通っており、両親は、私たちの学費を賄うために、朝早くから夜遅くまで働いてくれており、正直なところ申し訳ない気持ちでいっぱいです。多子世帯が少しでも安心して子育てできる環境が整うことを強く望んでいます。
(主な質疑)
【委員】
永井颯太参考人に伺う。
先ほど多子世帯に対する支援の拡充として、兄弟姉妹が同時に進学をする場合の費用負担を軽減する特別な制度の導入とあったが、県立高等学校に導入されるとよいと思う制度と、その理由を併せて伺う。
【参考人】
私が導入を望むのは、高校入学時の初期費用の負担軽減措置についての制度である。多子世帯となると、入学のときの制服代、教科書代、かばんの費用が発生する。また最近は、ICT化でタブレットを購入する家庭も多く、それに関係する費用も生じる。双子の場合、費用が2倍必要となるため、本当に家計の負担が重くなる。私の親にも先日聞いたところ、高校の授業料や入学金は安くなっているが、それ以外に要する初期費用により、とても家計に負担がかかったと言っていたため、例えば双子の場合であったら、2人の分を1人分と同じ負担額にするとまでは言わないものの、双子ではない家庭と不公平な部分がないような制度を導入してほしい。
【委員】
木村仁美参考人に伺う。
木村仁美参考人指摘のとおり、子育てに係る経済的な負担を軽減していくことは、非常に重要である。中でも子育て、特に大学の入学と通学の費用負担は重い。今や、大学進学者の2人に1人は奨学金を借りているといわれているため、ここの負担を軽減していくことが重要である。中でも木村仁美参考人からの指摘にあったとおり、複数の子供を育てる家庭が、教育その他に係る経済的負担が重くなっているため、そのような世帯への支援策が重要である。
この点は、国も同様の問題意識を持っており、昨年12月に閣議決定されたこども未来戦略においては、2025年度から子供が3人以上の多子世帯の学生については、授業料を無償化するような案も出ている。限りある財源であるほか、大学に進学しない子供たちとの公平性も考え、全ての大学進学者に一律ではなく、給付型奨学金、返済不要の奨学金は、支給対象者をある程度、成績優秀者などに絞ったほうがよいのではないかという議論も行われている。
こうしたことから、給付型の奨学金について、多子世帯に対する授業料の無償化措置として、一定の成績優秀者などの要件を絞る学業要件を設けることについて、意見を伺う。
【参考人】
先ほど自己紹介のときに、子供が4人いると伝えたが、その中には双子も含まれている。
長男の次に中学1年生の双子がいるため、先ほど永井颯太参考人の意見について、大変共感し、本当に初期費用は大変であったと思いながら聞いていた。
今の質問について、私の考えとしては、限られた財源の中で、今の日本では全員の大学費用無償化は難しいと感じている。ただ、学業要件で対象者を決めていくとなれば、幼児教育からの支援がとても大事になると考える。
例えば、私の家庭は4人の子供を、今、私と夫で養育しているが、1人の子供を共働きの夫婦が育てている家庭では幼少時から多くの習いごとに通わせている。私たち夫婦は家計や今後の貯蓄のこともあるため、本人の意思を尊重しながら家計が許す限りで子供たちに習い事をさせている。そのような家庭への支援があれば、1人の子供と同じステージで、学業要件により給付金が受けられるように大学の試験を受けさせてあげたいと考えるが、親としては、我が子を、幼少時から塾に通い、充実した幼児教育を受けてきた子供と同じ環境に入れると、自分がしてあげられなかったことを悔やむと思う。子供が多い家庭にも、幼少時から才能を伸ばすことができるような支援が実施されるのであれば、多子世帯への授業料無償化措置は賛成である。
【委員】
木村仁美参考人に伺う。
私も子供が3人おり、現在、大学3年生と1年生で、2人大学に通っており、経済的な負担を実感している。多様な支援制度がある中で、所得制限により対象者が分かれてしまうことについて、子供の人数も見ていく必要があると感じている中、来年から子供が3人以上の多子世帯では大学授業料の免除などの制度も進んでおり、一歩ずつ前に進んできていると実感している。
一方で、学校教育の質を向上させる必要もある。その中で、今年9月、東京大学が来年度から20年ぶりに授業料を値上げすると発表した。財務状況が逼迫しているという背景があるようである。
先ほど述べていた意見のように、充実した教育を幼少時から実施するに当たり、質の高い教育を維持していく必要もあると考える。
今回の東京大学の授業料値上げに対しての考えを伺う。
【参考人】
国公立大学が財政難ということは、ニュースなどでも目にしている。教員時代には、少子化が進む中で、高校も大学もかなり生徒を取り合い、また高校であれば定員割れを起こさないように一生懸命生徒を募集していることをよく耳にしていた。統廃合をしながら予算が分散しないように措置してほしい。
北欧やドイツやフランスなど、大学費用が大きく軽減されている諸外国の前例が多くあると思うので、参考になる部分があると考える。
【委員】
木村仁美参考人に伺う。
私はまだ結婚していないが、木村仁美参考人の意見を聴く中で、国や県も子育てのための施策を講じる中で、現状では、10月から第3子以降の3歳から15歳までの月額1万5,000円の児童手当が3万円に倍増されるということと、所得制限の撤廃と、支給対象となる子供の年齢制限を15歳年度末から18歳年度末まで引き上げるとのことである。先ほど、幼児教育から大学までの話があったが、多子世帯で子育てをする中で、児童手当の支給方法や支給額などの改善点を伺う。
【参考人】
自身の意見の中でも述べたが、多子世帯では大学費用の負担がとても大きいため、大学に関する費用の手厚い支援があるとありがたい。私の家庭もこのままいくと、長男と下の双子が3人同時に大学に通う時期がやってくる。夫とは、その時期を乗り越えるために夫婦で頑張ろうと話している。
もう一点として、今年、現金で児童手当の増額があり、とてもありがたいと感じているが、日本の子育て支援がいつも現金給付というところにとても疑問を感じている。現金は、私を含め子育て中の親が子供のために一生懸命工面していると思うが、使い道が不明瞭である。県や国から多額の手当を支給してもらっているが、本当にそれが子供に使われているのか私はなかなか不明瞭だと思っており、今、子育て中でない人たちも、自分たちが納めた税金が正しく使われているのかが分かりにくいと感じている。
そのため、私は、授業料無償化のように現物給付となると、子供の教育費として税金が使われていることが目に見えると感じているため、大学用に何らかの形で金銭の支援をしてもらうより、先ほどからの主張のように、授業料の減額や免除をしてもらえると、多子世帯にはとてもありがたい支援になると感じている。
【委員】
木村仁美参考人に伺う。
子供2人以下と3人以上で教育支援に明確な差をつけるというような意見があった。1人目より2人目、2人より3人目のように、階段的に上げていく手法や、1人目、2人目よりも3人目を大幅に増額することで3人目を目指してもらう手法もある。
また、その手法によっては、3人目を希望せず、子供を1人だけ持つという考え方にもなってしまうとも考えるが、増額手法についてどのような重点の置き方がよいと考えているのか。
【参考人】
まず、増額手法については、現在の児童手当も、同様に3人目以降にかなりの増額があると感じている。ただ、どちらがよいかはすごく私も難しいと考える。例えば3人目以降を手厚くする場合、当面の予算はかなり抑えられると考える。1人目や2人目を産み、その後3人目を産まないという人がいても予算の痛手は大きくはならないと考えると、3人目からの大幅の増額のほうが現実的ではあると考える。
次に、二点目の、手当を増額しても子供が増えないのではないかとの質問について、実際に、今の世の中は、子育て支援のことを考え取り組んでいるとは思うが、実際には思うように成果が上がっていないと感じている。その原因を考えたときに、ある程度、肝を据え長い目で見ることが必要ではないかと感じた。今年児童手当を増額したからといって、短絡的に来年子供をたくさん産もうとは思わない。そのため、長い目で見て徹底的に政策を実施していくという方針がないと、成果が出なければすぐ取りやめてしまうということがまた起こるのではないか。
大学無償化が2025年度から開始されると聞いたときも、自分の子供が通学するときに、この制度が継続していないかもしれないと感じている。そのような政策が今まで多くあり、今0歳の子供を産み、今の政策がこの子が大学に行くまであるか分からない中、3人目を産もうとはなかなか思えないと感じるので、ここは肝を据えて実施するということを打ち出し、併せて、よい政策は宣伝してほしい。
子供について行政や議員が考え、皆で育てていくように変わるということを、さらに打ち出してほしい。私の中で、今の子育てはとても暗いイメージになってしまっていると感じる。子供が4人いるというと、子供はお金も時間もかかる、大変だという言葉をよく言われるが、大変なだけではない。
ただ、本当に時間もお金もかかる。時間は、私の子供を育てる時間を誰かに代わりにお願いすることはなかなかできないが、お金の面を支援してもらえると変わってくるのは自分ではとても感じているので、イメージづくりや、世の中の風潮を変えるために行政や議員の活動を今以上に宣伝し、安心できるように、自分がこれから子供を産んで育てても、自分の子が社会に出るまで、自分が一人の責任だけで育てていかなくても大丈夫だと思えるように力を注いでほしい。
今の政策がひそやかに進んでいる印象を受けている。また、今の世の中は悪い意見ばかりが目立っていると思うので、施策や自身の考えを世の中に発信してほしい。
【委員】
続いて、永井颯太参考人に伺う。
多子世帯の支援についての意見があった。子供が多い多子世帯と、双子、三つ子という多胎児世帯だと、大変さが異なってくるとのことであるが、多子世帯と多胎児世帯に対する支援を分けて考えるべきだと考えるか、それとも、同じ視点で充実をさせていくという方向で施策を考えたほうがよいと考えるか。
【参考人】
分けてほしいと考えている。多子世帯も多胎児世帯も子供が多いという点は一緒であるが、経済的負担が一度に急増する点が大きく異なる。例えば双子が生まれた場合は、育児用品、ミルク代とかおむつ代とかが一度に2人分必要となる。また、多子世帯であれば、きょうだいからのお下がりがあるが、双子はお下がりがないため、一度に二つ準備しなければならず、費用負担が急増する点が大きく異なるので、その費用面も考えてほしい。
また、親の精神的・身体的負担が相当大きいと感じている。自分は子育てをしたことがないため分からないが、1人でさえ夜泣きやミルクなどで夜も起きて世話することが大変だと思うし、それが2人分と考えると、自分だったら育児を続ける自信がないし、自分の親も2人も同時に育ててくれた点で感謝の気持ちでいっぱいである。
このように、多子世帯とはまた違った負担があるので、支援施策を分けてほしいと考える。
【委員】
今回このような形で意見がもらえるのは大変ありがたいと思っているが、子供や若者の意見を行政へ伝える方法として、永井颯太参考人が希望する手法があれば教えてほしい。
【参考人】
今回、この委員会については、学校からの周知で知ったが、正直、学校からの周知がなければ、このような機会があることは全く知らなかった。若者は高齢者とは異なり、政治や行政との距離が遠いため、自分から何か発信しようとは思わない。若者に身近な媒体はSNSだと思うので、SNSのプラットフォームを設けてほしい。
少し話がずれるが、先日、文部科学省が実施した「♯教師のバトン」も、教師という立場上、意見は匿名でないと言いづらい。しかも教育現場の反対意見を言った場合、正直、立場が弱くなってしまうと思う。ただ、短時間であれだけの意見が集まったことは、匿名性があった点が大きいと考える。また、SNSだからこそ発信しやすい、ありのままの自分の意見を発信しやすいという点があったと考えるので、そのようなX(旧ツイッター)などのSNSでハッシュタグをつけて若者の意見を募集する機会があれば、若者も匿名で安心して意見を発信できると考える。
【委員】
木村仁美参考人に伺う。
先ほどの意見の中に、今は子供にお金がかかるから人数を絞り、幼児教育から一人の子供にお金と時間を使い育てるのが賢い選択肢という風潮があるとのことである。これは、多分そのとおりであると私も考えているが、ほかにも賢い選択肢としてどのようなものがあるか。
【参考人】
子供が欲しいと思っている人が、私の意見のように子供の人数を絞り、親も充実した生活を送る、老後のことも考えて貯蓄もして、子供も欲しいから子供を持つということが、全員ではないものの今の主流になっていると考えるが、もう一点は、その前段階として、結婚も選ばない、一人で過ごしていくこともかなり主流になっていると考える。
今回この委員会では、私は、1人から2人、2人から3人という部分を、前面に出して主張したが、この委員会までに自分の中で考えたときに、実は、この0人から1人の部分、1人を産み、育てている人も、時間やお金を使って、自分の子供を一生懸命育てていることに変わりはない。そのため、そこを蔑ろにしてしまうと、今度、この1人が0人になってしまうと感じた。
実際に、今は独身でも、自分の生活が困らないため、自分のために自分の稼いだお金は使って、自分の休みは自分の有意義に使うという考えも、かなり主流になっていると感じている。そのため、そこの0人から1人の差も一つネックであると考える。素人ながら私が考えた案としては、子供を何人育てても子供を産まなくても平等という場合、子育て支援だけでは差をつけるのが難しいと感じるため、年金と紐づけることである。
年金は、働いた世代の給与から天引きされ、引退世代に支給されるというお金の流れであるが、子供を1人、2人、3人と育ててきた人は、自分たちの給与で子供たちを育て、次世代の労働者を輩出しているという考えに基づくと、1人育てた人は、1人の年金の納め口を育てたという考えを基に、1人も子供がいない人を0とし、1、2、3、4、5のように、人生トータルとして、平等とまではいかないが、子供の人数ばかりを話していると、独身のほうが有意義となり、それこそ1人、2人子供を育てる人からすると、面白くない話であると感じるので、人生のトータル期間を考えて、皆がうまくいく手法となると、老後に差が出るような支援も必要ではないかと感じている。
今の質問の答えとしては、この1人主義が賢い選択肢の一つとして浮上していると感じている。
<高校生・大学生に対する経済的支援について>
《参考人の意見陳述》
【参考人】
名古屋経済大学市邨高校2年の本田遥です。今回は、このような機会を設けていただきありがとうございます。本日はよろしくお願いします。
私は、なごや子ども・子育てわくわくプラン2024の施策で、特に生活の安定に資するための支援に関心を持ちました。きっかけは、ニュースで報じられる貧困問題が私にとって身近に思え、興味を持ちました。調べてみると、相対的貧困率は2021年に15.7パーセントで、およそ6人に1人が貧困であると分かりました。また、近年、日本の子供の貧困も深刻化しています。ふだん何気なく生活している中でも、多くの子供たちが経済的に困っていることを知り、胸が痛くなりました。私なりにどのような仕組みがあるとよいかを考えてみました。
まず、一つ目は、部活動用具費用の支給です。運動部など道具が不可欠で、部活動に入りたいけれど、道具などお金の面で無理と思って諦めなくていい世の中にしてほしいです。現在、私は弓道部に所属していますが、最初の用具をそろえるために7万円ほどかかりました。私から見るとすごく大金です。このような現実は、家庭の状況で部活動参加の道を阻まれているのだと気づきました。私たちにとっては、部活動で友人関係の広がりも変わってきます。部活動応援支援として費用をサポートするという仕組みがあれば、家庭の状況にかかわらず、子供がやりたい部活を自由に選択することができ、様々な素質を伸ばせ、人間関係も広げることにつながるはずだと考えました。
二つ目は、コミュニティーのサポートです。児童館やコミュニティーセンターはありますが、青少年と大人を対象とした施設を増やすべきだと思いました。私の住んでいる地域には、青少年交流プラザという施設があります。そこでは、友達とゲームをしたり勉強をしたりなど、友達同士で気軽に集まれる施設です。さらに、中高生、大人の方まで様々な年代の人が過ごしやすい場所をつくることで、世代を超えてコミュニケーションが図れ、様々な大人と何気ないイベント等で交流することで、学校以外の場でも進路やキャリアを考えるきっかけになると考えました。
【参考人】
東邦高校3年西岡莉々子です。本日はよろしくお願いします。
私は、現在、私立高校の美術科に通っています。高校生活では、小学生のときからずっと学びたかった美術を学び、様々な自主活動にも参加して、毎日すごく充実しています。しかし、私には、ずっと心に残っていることがあります。それは、中学生の進路決定目前に母が言った、本当は公立高校に行ってほしいという言葉です。この言葉を聞いた日から、自分が私立高校を選択することは、いけないことなのだろうかと考えてしまいました。美術を学びたいから美術科のある高校を選択した、たったそれだけなのに、高い学費に対し、親への負い目をずっと抱えたまま高校生活を送ってきました。
そんな高校生活の中で、私学助成について知る機会がありました。そこで私は、私の家庭は、年収の関係で助成金はもらえていないということを知りました。ですが、私は3人兄弟の真ん中で、姉も私立高校に入学し、その後は東京の私立大学に通っています。そして、私は現在、高校3年生で、私立の美術大学への進学を希望しています。なので、決して余裕があるわけではありません。私は、幸いにも両親が、私たちの選択する私たちの学費を惜しみなく出してくれているので、希望する進路を選択することができています。本当に感謝しています。
でも、今の愛知県には、学ぶ機会すら得られない中高生が本当に多くいます。私と同じ美術科で美術を学びたかったけど、学費の関係で諦めた友人もいます。私立高校へ進学した結果、学費を払えないという理由で、大学進学ができずに就職した友人もいます。私立高校も公立高校も同じ教育の場なので、学費に差があるのは、おかしいのではないかと思います。中高生が学びたいことを学びたい場所で学ぶ、誰もが自由に学校を選択することができる、そんな社会になっていってほしいと思っています。
そして、今、私の弟は現在中学2年生で、来年は高校受験で進路を決めていくんですけど、弟が高校生になると、両親により学費の負担が多くなってきてしまいます。私の弟にも自分の行きたい学校に入ってほしいなと思っています。自分も自分の行きたい美術科のある私立高校を選んだからこそ、すごく楽しい学校生活を送れているからこそ、弟にも自分の行きたい場所で自分の学びたいことを学んでほしいです。両親に学費のことで負い目を抱えてほしくないなと思っています。
(主な質疑)
【委員】
本田遥参考人に部活動への補助について伺う。部活動だと、活動の内容によって必要な費用が異なるため費用に大きな差が出るが、どのような形での補助がよいと考えるか。
【参考人】
部活動は、運動部や文化部、種類も様々であるため、不公平さが広がらないような仕組みがよいと考える。例えば、私の所属している弓道部では、矢や袴などの道具、別の場所で練習するための遠征費等が必要である。可能であれば、これら全ての金額を補助してほしい。しかし、部活が合わないなどの理由で、途中で退部してしまうと補助金がもったいないため、例えば、最初の数か月は購入せずに学校で道具を借りるなどして活動し、それから本格的にやりたい人のみに補助金を支給し、それでも退部した人は、道具は学校に返還する仕組みにしてほしい。
また、特に親の収入によって対象を決めずに、全ての対象者が自由に申請できる仕組みにしてほしい。経済的に困っている家庭の生徒だけが申請する仕組みでは、経済的に困っていることが分かってしまい、適切でないと考える。
【委員】
続けて、コミュニティーのサポートについて伺う。
世代を超えたコミュニケーションの重要性は、非常に大切なことであるが、具体的には、どのような場所がよいと考えているか。また、どのような場面を設定してもらえると、本田遥参考人が望む形が実現すると考えるか。
【参考人】
私の考えた取組は、二つある。
一つ目は、コミュニティーセンターや青少年交流センターで手話講座等の講座を受ける取組である。私が在籍する名古屋経済大学市邨高校では、放課後に手話講座がある。これは、講師を招き、手話を教わるものである。手話を教わりながら周りとコミュニケーションが取れるため、様々な世代の聴覚に障害のある人と関われる機会が広がると考える。これを応用すると、手話に限らず、それぞれの地域に増えてきた外国人の言葉について、地域の学校を利用して、長く住んでいた外国人に先生役を依頼して、地域の日本の子供から大人までが学んだり、勉強したり、イベントを開催したりする機会をつくることができれば、双方の理解が深まってよいと考えた。様々な世代の人だけでなく、障害を持っている人、外国人とも気軽に交流を深める新たな場所づくりができれば理想的である。
二つ目は、地域のスポーツセンターで、多くの人と一緒にボッチャなどをするのも楽しいと考える。以前、学校でボッチャを体験したが、とても簡単にでき楽しむことができた。スポーツを通じて幅広い年齢の人と関わることができ、コミュニティーをつくることができる。しかし、スポーツやレクリエーションなど広い場所となると活動場所が心配である。私の通う学校なども、夜にもスポーツができるように開放するなど、活動場所を少しでも多くしてほしい。そして、このようなことを、私の学校でも導入されているラーケーションの実施日を増やして、積極的に活動できる日が大人から子供までつくれたらよいと考える。
【委員】
続けて、西岡莉々子参考人に伺う。
美術科に通っているとのことであるが、学科により特別に費用が発生する場合がある。工業高校においても材料費等が発生する。そのような学科により発生する特別な費用を補助する方法もあると考えるが、この方法は、西岡莉々子参考人が考える学校選択の自由に寄与するか。
【参考人】
寄与すると考える。中学のときには美術部に入っていて、美術科に進学したいと希望していた子が何人かいたが、学費の負担が上乗せされるという理由で美術科に進学できなかった子がとても多く、結局、美術科に進学したのは私1人だけだった。好きなことを高校からでも学べるように支援してほしい。
【委員】
本田遥参考人に伺う。
提案のとおり、世代を超えたコミュニケーションをサポートできる場所を地域に創設していくことは非常に重要である。
先日、先ほどの青少年交流プラザと同様に、中学生、高校生が気軽に集える施設である東京都調布市にある調布市青少年ステーション(CAPS)を視察した。そこでも友達とのゲームや勉強、また、防音施設の整ったスタジオでのバンド活動やダンス等、中学生、高校生が放課後の時間を利用して、学生がそれぞれ伸び伸びと自由な時間を過ごしており、とてもよい施設、よい雰囲気であった。
また、この施設の特徴として、中高生世代が持つ創造性と主体性を地域の活動に生かしてもらうために、施設の学生や卒業生が地域のボランティア活動に参加する取組を実施している。
直近では、地域で行われた夏祭りの企画や運営に携わることにより、高齢化で活力を失いつつある地域のイベントを、中高生の元気で大いに盛り上げたという話を聞いた。
今後の日本社会において、特に高齢化による担い手不足の影響で、地域の様々なイベントが縮小しているほか、地域コミュニティーの絆も薄れていくことが懸念されている中で、本田遥参考人から提案があった世代を超えた交流が図れる場所を増やして、若者が持っている想像力とパワーを今後のよりよいまちづくりに生かしてほしいと考えるが、このような地域の行事やボランティア活動に参加してもらうことに対しての意見を伺う。
【参考人】
高校生が地域行事やボランティア活動をすることで、ふだん関わることのない大人と関わることができるため、社会での関わり方を学べ、とてもよいと考える。また、地域の町内会、子供会などの活動は弱体化しており、このような町内会、子供会などの年代別の会を発展的に地域のボランティアの機関、学校と連携しやすい団体にするとよいと考える。
また、地域行事を地域の学校で行うことで、人が集まりやすいので継続的に続けられるほか、世代を超えて集まり活動する場があることで、小学生は中学生の姿、中学生は高校生の姿、高校生は大学生や大人の姿を見ているので、様々な行事も受け継がれていくのではないかと考える。
【委員】
本田遥参考人に伺う。
部活の費用の件について、私は弓道ではなく、アーチェリー部に入部したいと思い親に相談したところ、最初は、学校にある道具を使って練習をしていたが、途中から弓や矢など買いそろえると50万円ほど発生することがわかり、親に怒られて部活を辞めた経験があるため、非常に親近感を持って意見を聴いていた。その後、軽音楽部に入った際、自分で貯金してドラムセットを買ったりしていたが、音楽も非常にお金がかかることから、部活を存続させていくため、部活を引退するときに、道具を学校において行った。
そのように、先輩や使わなくなった人から道具を譲り受けて再利用し、当面使うという仕組みについての考えを伺う。
【参考人】
寄贈する場合、もう使えないもの、修理やメンテナンスが必要な道具も出てくるかもしれない。そして、どのくらいの数の道具を寄贈してもらえるか分からず、確実に全ての子供たちに渡るとは限らないので、寄贈する仕組みは難しそうだなと感じた。県職員がそうした確認をし、寄贈する人と使いたい人の橋渡しをする仕組みがあればうれしいと考える。
<子どもの居場所づくりや社会とのつながりについて>
《参考人の意見陳述》
【参考人】
中京大学経済学部4年の小島正士と申します。本日はよろしくお願いします。
私は、4年間の大学生活を通じて、ただ単に学問的な知識を得るだけではなく、様々な社会問題についても学び、考える機会が増えました。そこで、特に中京大学のフレンズというサークルで行った子供たちと交流するボランティア活動やレクリエーションの活動が、子育てなどに関心を持つきっかけとなりました。
私は、サークル活動の一環として、現在、毎月、子ども食堂の手伝いに行っております。子ども食堂では、ただ単に食事を提供するだけではなくて、子供たちの触れ合いや、地域の交流を目指しております。この子ども食堂を通じて、私は、子供たちが健やかに成長し、人々と交流できる環境の提供というのが重要ではないかなと考えております。この子ども食堂の経験から、私は、学校や家庭以外の第三の居場所をつくる必要があると考えております。
これは、主に二点の理由からです。
一点目です。子供たちにとって安心できる環境が、第三の居場所はできると思っております。特に子ども食堂ですが、単に食事を提供するではなく、イベントなどを通して様々な世代の子供たちや別の学区の友達、子供たちと交流することによって、家庭や学校では得られないコミュニティーや経験を学び、提供することができます。
二点目に関してですが、子供たちが自分の興味や関心を広げられると思っております。例えば、地域のクラブ活動やワークショップ、ボランティア活動など、多様なプログラムを提供することによって、子供たちが自分の才能やスキルを発見し伸ばすことができます。これによって自己肯定感や達成感を得ることができ、健全な成長を促すことができます。
また、私自身の話ですが、小学校の頃に学校になじめない時期がありました。そのときは、当時、自分が好きだったクラシックバレエの教室が自分の心地よい居場所となりました。大学生や大人は、自分のコミュニティーや居場所を自分で決めることができますが、子供たちは自分で決めることができません。また、子供たちの居場所は狭い世界になりがちで、子供たちは、その世界が全てだと考えてしまっています。
以上の二点の理由から、私は、子ども食堂など第三の居場所をつくり、子供たちの成長を支えることができると考えております。
【参考人】
名古屋経済大学市邨高校1年の永尾瞳和です。本日はよろしくお願いします。
子供や高校生がもっと活躍し、暮らしやすい社会をつくるためには、私たち未成年の声をもっと社会に届けられるような仕組みが必要だと考えています。子供が直面する問題として、学校生活や家庭環境のストレス、そして進路に関する不安などが挙げられますが、これらの問題は、子供たちだけの力では解決することが難しいため、社会全体で支援する仕組みが必要だと考えています。
例えば、子供自身が自らの意見を書き込むことができるようなサイトがあればいいなと考えています。大人の意見は、選挙のときなどに議員の方に届ける機会があるのに対して、子供の要望は届きづらいように感じています。しかし、子供だからこそ気がつけることや疑問に思うことはたくさんあると思います。大人は気にならなくても、子供目線で考えてみると不自由に感じることだってあると思っています。そこで、インターネットなどで子供の意見や希望、不自由な点などを議員の方に伝えられるようなサイトがあればいいなと考えました。
次に、将来のことを考えるに当たって、知らない仕事や職業がとても多いと感じます。何をやったらいいか、自分に何が向いているのかということが分からないという子もたくさんいます。なので、少しでも早い年齢から社会での体験を積む機会がさらに増えたらいいなと思います。
例えば、高校生が企業にインターンシップできるということは、働くことの意義を実感する機会が増えて、自分の将来について明確なビジョンを描きやすくなると思います。しかし、取組自体がない学校があったりとか、体験できる職業にも限りがあったりなど、社会全体として見ると、まだ完全に充実しているとはいえないのではないでしょうか。若者は政治に関心が低いというようなニュースを見ると、あまり知られていない公務員の分野や議員さんの活動など、ふだん体験することができない職業の体験ができるようになればいいのではないかなと感じます。このように、子供が活躍しやすい社会をつくっていくためには、子供の声が届く仕組みをつくる、関わる機会を増やす仕組みが必要不可欠なのではないかと思います。
(主な質疑)
【委員】
永尾瞳和参考人に伺う。
先ほど子供が活躍しやすい社会をつくるためにということで、子供の声が届く仕組みをつくる。例えば、子供自身が意見を書き込めるサイトをつくる意見をもらったが、仮にそのサイトをつくるとした場合、例えば、対象年齢や、運営方法などのよいアイデアはあるか。
【参考人】
対象年齢は、小学校高学年から高校生までである10歳から18歳程度を対象にすればよいのではないかと考えている。そして、運営方法としては、今のところ五つの運営方法を考えている。
一つ目は、匿名で行うことである。匿名制で行うことにより、誰でも気軽に自分の意見を書き込みやすくなるほか、保護者も子供が投稿したことで面倒なことになるということを心配することなく書き込めるというようなメリットがあると思う。
二つ目は、月や季節ごとにテーマを設定するということである。テーマの設定方法としては、子供からの意見募集等、自由に募集する形である。また、大まかなテーマについて、例えば4月、9月は学校生活について、5月、10月は地域の問題について、6月、11月は社会、未来に向けて提言したいこと、また、夏であれば、真夏の遊び場や活動場についてのアイデアというように、一定期間ごとにテーマを設定してコンテスト式に募集すると、クラスや生徒会などで、自分たちにとってよりよい社会をつくるための話合いをするきっかけにもなるのではないかと考える。また、子供自身がテーマを提案できる機能を導入してもよいのではないかと思う。
三つ目は、多言語対応で行うということである。より多くの意見を反映させたいと考えている。外国にルーツを持つ子供たちも地域には増えているので、うまく共生していくためには、外国人の子供の意見も反映できるよう、多言語対応で書き込めるようにするとよいと思う。
四つ目は、ネットトラブルを未然に防ぐために、意見書き込みサイトを開いた際に、イラスト付きで意見を書き込むときのルール表などを表示するとよいと考える。
そして、五つ目は、投稿された意見を定期的にまとめて、分かりやすい形でサイト上において公開するものである。例えば、子供のアイデア通信や、声の玉手箱などのように親しみやすい名前を使って意見をまとめて表などにすることで、自分の意見が実際にそのような場所に届いていることが実感しやすくなる。
【委員】
小島正士参考人に伺う。
今、小島正士参考人から意見をもらったとおり、子供たちに第三の居場所をつくる必要があることは、私も同じ意見である。今、愛知県では、愛知県子ども食堂推進事業費補助金という助成金を通じて、小島正士参考人も取り組んでいる子ども食堂をサポートしている。今もらった意見や、事前に提出された作文にも記載されていたように、まさしく子供の頃の体験と、大学生になってからサークル活動や勉強を通じて体験したことだと思うが、大人は自分の居場所を決めることができるが、子供はその自分の居場所を決めることができない。そして、子供の世界は狭い世界になりがちで、その世界が全てとなりがちであるという意見は大学生らしく、とてもすばらしい意見だと感じた。
私も地元で子ども食堂に幾つか訪れる中で、母親の口コミで多く集まるところもあれば、児童虐待により独り親になった世帯や、貧困家庭が子ども食堂を使うケースもある。また、地元のピザ屋がピザを子供に無償提供した取組が、周囲に広がり、そのピザ屋の売上げが上がったという報告もあった。子ども食堂の取組もすばらしいことである一方で、どうしたら子供たちが自分で選んでこの場所に行きたいか選択できるようにするにはどうすればよいかを我々も考えている。
小島正士参考人の子供の頃、それから大学時代の経験も踏まえ、学校、家庭以外の第三の居場所をつくるに当たり、この社会にはどのような課題があると考えているか。また、その課題を乗り越えていくためのアイデアや意見を伺う。
【参考人】
実際に子ども食堂に参加している中で、支援の減少が課題として挙げられると考えている。委員に紹介したい事例として、私が行っている子ども食堂では、以前は食料の無料配布、いわゆるフードパントリーを実施していた。
これは、企業から提供された、野菜や米、また、少し高価な食料を配っており、利用者から大変好評であった。しかし、企業などが食品ロス減少などにより無駄を省く動きで、十分な食料が最近集まらず、中止してしまったため、このような運営の支援の減少が挙げられる。そのため、解決策の一例としては、県でそのような支援をする企業への優遇をお願いしたい。
【委員】
小島正士参考人に伺う。
先ほどの意見の中に、子供たちと交流するボランティア活動へ参加し、子供たちが直面する問題やニーズを直接感じたとのことだが、その後の小島正士参考人の人生で、ボランティア活動などの経験が生かされた体験談を伺う。
【参考人】
子供たちと交流する中で、相手と同じ目線を向くことが、今の人生で活かされていると感じている。特に人の話を聞く傾聴スキルや、イベントの企画力、実行力が、人生で役立っている。
自分の体験談として、子供たちは、毎月開催を重ねていく中で、会うたびにいろいろなことを聞いてくれるほか、だんだんと口数が増えていくので、そのときに、非常に傾聴スキルが上がったと感じる。
また、イベントの企画力、実行力に関して、このサークルに入る前までは、同じ世代の人と交流していたので、違った世代の人と関わる機会が少なかった。年上のボランティアの人や子供たちと交流する中で、どうすれば皆が分かりやすい企画ができるのかということを考える力がついてきたと考えている。
【委員】
小島正士参考人に伺う。
子供たちに学校や家庭以外の居場所をつくることは重要で、特に子ども食堂の役割は大きいと感じている。私も地元豊田市で子ども食堂に度々参加している。そこには、小島正士参考人のように大学生がボランティアとして度々参加し、小学生の子供たちと一緒に遊んで、おいしいご飯を食べて、大人とは違った視点で子供たちを導いている。
子ども食堂のボランティア活動に若者、大学生などいろいろな人に参加してもらうためには、先ほどの小島正士参考人の発言のように、子ども食堂のボランティアで参加して感じたことや、学校や家庭では得難い経験はできることをほかの人に伝えて、また新たな担い手を巻き込む活動が重要になってくると考える。子ども食堂の経験を通じて得た経験や、また楽しかった思い出について伺う。
【参考人】
毎月行く中で、本当に楽しい思い出しかない。感情の部分で、子供の成長に驚いたこと、子供たちがだんだんと心を開いてくれること、子供たちの笑顔の三点の思い出を語らせてほしい。
子供の成長の驚きについては、毎月、子ども食堂に来る保育園児の子がいて、会うたびに言葉の数がだんだんと増えてきたほか、最初は質問をしなかったが、数か月後には、何で、何でといろいろ聞いてくれるようなことがあり、子供は本当に数か月で成長する実感があった。
二点目の子供たちがだんだんと心を開いてくれることについては、最初は口数が少なくて親の後ろに隠れていた子でも、毎回、挨拶するとだんだんと向こうから来るようになってきて、学校でこんなことがあったと話をしてくれるようになり、そういった何気ない交流が自分の力になった。
三点目の子供たちの笑顔については、子ども食堂で縁日を企画したことがあり、ボール投げをした際、そのボール投げで子供たちがきらきらした目でボールを投げ、またやりたいと言ってくれたのが本当にうれしく、心からすごく楽しめたよい経験であった。
【委員】
小島正士参考人に伺う。
先般行われた県の子ども・子育て会議においても、子供、若者の居場所づくりの重要性ということを強調していた。また、本日も、居場所の重要性についての意見であった。今、国も県も、子供、若者のウェルビーイングを実現しようとする中で、居場所づくりが非常にこれから重要になってくると考えている。ただ、そのウェルビーイングは、それぞれの子供、若者によってそれぞれ考え方が違うため、大人や社会が勝手に決められる内容ではない。
我が家においても、子供が3人おり、大学生の長男は、大学に設置をされているグローバルプラザという、大学に来る留学生と日本人の学生が交流できる国際交流の場所を自分自身のウェルビーイングにつないで居場所づくりにしている。次男は高校生で、友人との交流を非常に大事にしており、現在通っている高校の友人のほか、卒業してみんな進路がばらばらになったが、小中学校のときの友人との交流の居場所をそれぞれ別に設けて、自分自身のウェルビーイングを実現する居場所づくりをしている。3人目の長女は体を動かすことが好きであるため、学校の部活動と、友人との外でのスポーツで体を動かすことを通じて自分自身のウェルビーイングにつないで居場所づくりに結びつけている。
我が家の3人の子供たちだけでもウェルビーイングの考え方とそれに伴う居場所が全く異なっているように、これからの子供、若者のウェルビーイング、居場所という考え方は、非常に多種多様であると考えている。これが国や県の施策において、その多種多様な子供たちのニーズ、ウェルビーイング、居場所に応えていくためには、どのようなことを実際に提案・提供していくことがふさわしいと考えているか。
【参考人】
私も委員と同じように、どのような場所が適しているのかは、子供一人一人の性格や興味関心により異なるため、本当に多様な場所が選択肢として必要であると考えている。そこで、複合施設をつくることが面白いと考えている。
具体例としては、私は岐阜市在住で、ドリームシアター岐阜という施設が岐阜市にある。これは、公益財団法人岐阜市教育文化振興事業団が運営していて、ここでは様々な遊びや体験ができ、小学校のときによく行っていた。
この施設には、テレビゲームや大道芸、ボードゲームまたは本格的な木やドライバーを使った工作など様々なものがあり、いろいろな興味関心を持っている子がここに集まると、本当にいろいろなことができる施設であった。いろいろなコンテンツがあると、興味のないものにも触れることができ、新たな発見にもつながると思うほか、学校以外のコミュニティーができることにより、コミュニティーの分散にもなるので、このような複合施設をつくるのが、子供たちの多様なニーズに応えることができると考えている。
【委員】
永尾瞳和参考人に伺う。
企業インターンシップの意見について、これは、授業の一環としてインターンシップを行うというような形をイメージしているのか、それとも、例えばラーケーションのように、休日を利用した形での自主的な取組でのイメージで考えているのか。
【参考人】
企業インターンシップについては、授業の一環として行うべきと考えている。
理由は二つある。
一つ目は、より多くの生徒が参加できるようにするためである。例えば、自主的な取組の場合、学力や家庭の経済状況などによって参加できるインターンシップに限りが出ることも起きてしまうのではないか。このため、授業の一環として公平な機会の提供をすべきと考えている。
二つ目は、学校が関わることで、多様な業界や職業に安心して参加できると思う。興味のある分野はもちろん体験したいが、例えば製造業や福祉業、農業など、ふだん私の関心が向かないような業界、分野でのインターンシップ体験などをすることで、イメージや先入観とは違うことが分かり、知らなかっただけで、実は興味を持てるようなきっかけにつながると考える。
また、今回のような政治の分野に携わることができる機会など、生徒個人では知ることが難しい分野にも、学校を通して行うことで、安心してチャレンジしやすくなると思う。そのため、少しでも早い年齢から幅広い職業の体験をすることで、視野が広がり、自分の適性や興味を発見しやすくなると考えている。
【委員】
続いて、小島正士参考人に伺う。
第三の居場所づくりについて、全ての子供たちにとって有用なことであると感じるが、特に必要な子供たちがいるのも事実であると考えている。その場合、居場所づくりをした後に、その特に必要な子供たち、またはその親にどう情報を届けるのか、また、どのような形で参加を促していくかがポイントになると考えている。切実にサービスを必要とする子供たちにどのように情報を届け、また、参加してもらうためにどのような工夫をしたらよいか。
【参考人】
切実にサービスを必要とする人は、家庭環境や経済的な理由で孤立しがちな子供たちだと考える。どのように情報を伝えるのか、またどのように参加してもらうかという二点に分けて意見を述べる。
まず、どのように情報を伝えるのかについては、学校を通じた周知と行政や地域コミュニティーを通じた周知が必要であると考える。
学校という場所は、子供たちにとって日常的に通って信頼できる大人、先生がいる。先生が困っていそうな子に直接声をかけることにより、また行きやすくなると考える。
また、行政や地域コミュニティーでの声かけとしては、できるか分からないが、学校と不登校の子の場所を共有して、自宅に赴き、直接的に声をかけることが大事だと考える。今、メールやLINEなどで簡単に情報を届けられるからこそ、直接的に人の声で伝えることが大切であると考える。
また、どのように参加してもらうかは、子供たちや親が、敷居が低いと感じてもらうことが大切だと考えている。中には、支援を求めること自体に抵抗を感じる人もいると思うので、初めてでも参加しやすい雰囲気や匿名性の確保が大切であると考える。
【委員】
永尾瞳和参考人に伺う。
先ほど委員からも話があった、インターンシップの体験を少しでも早い年齢で実施することについて、実際、学校で高校1年生、高校2年生になると、理系や文系などの選択肢が出てくる中で、インターンシップなどを経験し、様々な職業があることを自分で判断できないと、文系に進むのか理系に進むのかを、判断しづらいときもあると考える。例えば学校などで相談する体制もあるとは思うが、実際、生徒から見た場合、足りているのか不足しているのか、また学校に求める部分があるのか、併せて、少しでも早い年代で実施することについて、例えばもう小学校や中学校から、ある程度、地域のいろいろな職場などを見るような環境があるともっとよいか。
【参考人】
他校の高校生とか中学生、小学生などとの交流の機会を増やしてほしいと感じている。例えば、私が所属している名古屋経済大学市邨高校のエクスプローラー・コースでは、毎年、盲学校の生徒との交流会がある。私は、今年の6月に実際にその盲学校の生徒との交流の機会を通して学んだことや感じたこと、感動したことなどが幾つもあった。その経験を通して、もっといろいろな環境で育った様々な年齢の子供と交流してみたいと感じるようになった。
しかし、現在は、学校間で交流できる機会、活動は、僅かな日数に限られているため、例えば、名古屋経済大学市邨高校では、近隣の盲学校や聾学校、小学校や中学校などのイベントや行事が実施しやすくなるとよいと思う。また、愛知県内も広いので、例えば三河地区の学校と交流して、名古屋の学校と三河地区の学校で、数日から1週間程度の交換留学のような体験をして、愛知県内でも知らない学校や地域のことを知ることができれば、意外と知らなかった自分たちの愛知を深く知るよい機会となり、他県の人とか外国の人たちと関わる際に、自分の住む愛知県のことを発信できるために役立つと思う。
加えて、そのような多くの学生と交流を積むことで、職業選択についても相談相手が見つかるなどの仕組みが充実するとよいと考える。
<発達障害、知的障害、ヤングケアラー支援策について>
《参考人の意見陳述》
【参考人】
3人の子育てをしております本間誠久と言います。一番上は受験を控えた高校3年生、その下に市内の私立特別支援学校に通う15歳の女の子、その下に県内の県立の特別支援学校に通う8歳の男の子、3人の子育てをしております。大学の講師をしておりましたが、現在休職中で、そういった立場からいろいろと意見を言わせていただく機会を持ちたいと思って参加させていただきました。よろしくお願いします。
では、引き続き、私の意見を申し上げます。
例えば、放課後子供教室推進事業あるいは成年後見制度、愛知県のヤングケアラー実態調査など、それらの立ち上げから意見交換、調査、調整などを経ての施策へ向けた動きにタイムラグを感じ、実態との距離感を生んでいないかと感じています。PTA役員も務めてみて、時代遅れの制度、制約の多いことなどにも考えを巡らし、また、実際の家庭像、障害児に対する現状と合致していない仕組みなどについても訴えさせていただきたいと思いました。広く認知してもらう方法を、今よりも直接的に対策する場面をさらに範囲を絞るなどして、行政と家庭の距離を縮めて、タイムリーな有効策を打ち出してほしいと考えています。
先ほど子ども食堂の話を聞いていて胸がいっぱいになってしまって、私の娘と息子は、恐らくお父さん、ありがとうなどの言葉を発することは、この先もないと思っています。40年前ぐらいの障害のある子供を育てた体験を聞く機会がありました。当時は、本当に社会から分断された理解のない中での子育てで、そういった話を聞かせていただいたことは本当に尊敬しているんですが、例えば、行政において子供の意見を広く聴くといいますけれど、障害のある子供は、意見を言うことができません。代弁をする必要があるんですが、それは親の仕事でしょうか。
今回もたくさんのママさんたちから意見を伺ってきましたが、例えば、春日井市には市長に向けての目安箱があると聞きました。例えば、それが市役所にあるとして、そこに意見を書き込んで、そして投函できるというのは、実は恵まれた環境でもあって、また、親に限らず障害のある子に触れる周辺の人、そういった方々がどういった意見を持っているかとか、そういったことからも本当に実質的な障害者を取り巻く環境、障害者を持つ親が立っている立場のそういったものに触れる機会にしてもらえたらという気持ちもあります。
また、受験生のお兄ちゃんは、下に2人の障害児がいて、ある程度、制約のある中で受験勉強を強いられています。決してそのことを悲観するでもなくて、日常からそういった環境で過ごしていますが、そんな彼を見ていた中で出てきた意見なども発信したいとも思いましたし、たくさんの苦労をされているママさんたちの意見を伝えたい気持ちもあり、参加させていただきました。分断のない社会になってきていると思いますが、幾つかの制度がより分断を生んでいないか、そういったことについても気づいていただける機会になったらいいなと思っております。よろしくお願いします。
【参考人】
南山大学より参りました法学部4年の毛利英暉と申します。よろしくお願いいたします。
私は、これまで名古屋市が主体となって実施している学習支援事業に学習サポーターとして参加し、愛知県知多市にある祖父母の家の一室にて、自ら地域の小中学生の子供たちの勉強をサポートするなど、子供たちの教育を通じて子供施策に関する興味関心を抱いてきました。
そうした子供たちの学習のサポートという経験を通して実感したのが、発達障害のグレーゾーンと呼ばれる子供たちのニーズでした。教室で大人数で学習することの難しさから、学校側からは、通級制度の利用や特別支援学級への移行を進められる一方で、子供たち自身が、急に学ぶ環境が変わるという環境の変化や、保護者の方々にとっては、学習内容が本当にその子の成長につながるのか不安に感じる思いなど、発達障害のグレーゾーンと呼ばれる子供たちへの教育支援に対する子供たち、保護者の方々の戸惑いを目の当たりにし、必要な支援は確かに提供されているにもかかわらず、その支援が必ずしも個々のニーズに応え切れていない実態があるのではないかと考えるようになりました。
また、名古屋市と知多市、市をまたいで子供たちの教育に関して知る機会を得たことで、そうした支援に対する地域間の格差も実感するようになりました。例えば、ある地域では無料で使える映像授業のアプリが、ほかの地域では使うことができず、学習進度に合わせた学年を遡って復習をすることのハードルが上がっている点や、中学校の通知表の扱いについて、内申点に反映されるのかどうか地域による違いがあり、支援学級で支援を受けることをためらう場合がありました。こうした子供たちの将来を考える上で重要になる情報については、小学校・中学校間で十分に共有されていないことにより、必要な情報を簡単に得ることができないことで、悩みを増やしてしまっているのではないかとも感じました。
以上の経験を通して得た気づきを踏まえて、次のとおり、発達障害のグレーゾーンと呼ばれる子供たちに対する学習に関する施策に関して意見を述べたいと思います。
まず、一点目に、特に中学校での学びについて、支援学級で学ぶことで将来の進路に与える影響に関する情報、具体的には、通知表の評価が内申点に反映されるのか、卒業後の進路の情報など、子供たちの将来を考える上で必要となる情報に保護者の方々がアクセスしやすいよう、小学校・中学校間で情報共有をして、小学校の段階で中学校での学びも踏まえた支援や相談を受ける機会が確保できているか検証し、そうした機会の不足が認められる場合には、施策の充実化が図られるべきではないかと考えます。
二点目に、地域間で学習に使えるツールが異なることにより、子供たちが学ぶ上での効率や学びやすさに影響が生じていないか検証し、何らかの影響が生じていると考えられる場合には、効果的であると認められる同様の施策を県内で広く実施する手だてはないか、検討すべきだと考えます。
三点目に、発達障害のグレーゾーンとされる子供たちが、支援学級等での支援が必要であり移行するとなった際に、支援学級に移行する当事者の子にとっても、これまで同じ教室で学んできた子供たちにとっても、大きく環境が変わることになるかと思います。私自身も小学校で学んでいた際に、ある日突然、一緒に学んでいた友人が教室からいなくなり、支援級の教室で学んでいたことを知り、それ以降、今までどおり一緒に遊ぶことや学ぶことがなくなった経験があります。
そこで、支援を求める子供たちとこれまで一緒に学んできた子供たちとの交流を制約することになっていないか、交流の機会は十分に確保できているか、検証をする必要があるのではないかと感じます。また、違う教室で学ぶこと自体が子供たちの中での分断を助長することとなっていないか、慎重に検討していく必要があるのではないかと考えます。
そして、最後に、今、知多市の中学校で学ぶ中学生の教室での学びに関する問題意識を共有させていただきたいと思います。
本年度10月8日より、8回にわたり、私を含めた大学生3人と知多市在住の中学生2人の計5人でディスカッショングループをつくり、教室での学びをテーマにディスカッションを繰り返してまいりました。中学生からの主な意見としては、特に中学校になってからの勉強面を最重要視されることが大きな悩みの種になっているとの声が聴かれました。例えば、中学校になるとテストだけで評価されるみたいで違和感を覚えるなど、どれだけ頑張っても順位が出て比べられると自信がなくなるなど、勉強だけが評価の対象とされることが学校の居心地の悪さになっているとの声がありました。
一方で、友達や先生たちと毎日顔を合わせることのできる学校は、楽しいものとして中学生たち自らも成長の場としても捉えている意見も多く聴かれました。
そこで、私たちのディスカッションの現段階での到達点としては、教室で学ぶ全員が居心地よくなるよう、教室の在り方を考えていく必要があるとの考えに達しました。具体的には、誰もが勉強で苦手があることを前提に、特別なニーズのある子供たちを対象とした、個々に応じて提供されてきた合理的配慮を、教室みんなの勉強の悩みの解消に役立てることができれば、誰にとってもより居心地のよい教室をつくれるのではないかと私たちは考えました。教室の在り方は、社会を映す鏡であるように感じられます。学校での学びが子供たちにとって、ひいては社会全体の居心地のよさをもたらすことを願っています。私からの意見は以上です。
(主な質疑)
【委員】
本間誠久参考人に伺う。
先ほどの発言で、いろいろなタイムラグや時代遅れの制度や制約、現代とまるで合致しない前時代の仕組みという言葉があったが、具体的に伺う。
また、そうしたことからの脱却と話していたが、何か意見や具体策などがあれば伺う。
【参考人】
意見交換、調査、調整を経て、施策の実施の間に実態調査が行われると思うが、この実態調査から実際の施策を決定し、実行するまでの間に空白期間ができているのではないかと考えている。例えば患者が病院に行って問診、触診する。病名が決定するまで一旦お帰りくださいと言われて帰ることもあるかもしれないが、待っている間も苦しんでいる。病名が決定するまでの、それまで一旦お帰りくださいの間に、必ず何らかの助言や対処療法などを施すと思うが、そのような実態を調査してから実際に行政が行動に立ち上がるまでの間、そういったところを想定して、すぐに実行できる、対症療法的なものを用意した上での実態調査が好ましいのではないかと考える。
ある程度、現場で対応できるものは、予期できるものがあると思う。また、愛知県教育委員会特別支援教育課に意見を寄せた母親の話では、もっと強くしつこく学校に訴えてほしい、学校に戻ってしっかりと意見を伝えてほしいと言っていたが、結局、門前払いとは言わないものの、その意見がどこに酌み取られたか、その後、何に反映されたか分からないままの対応にもなっている。すぐに効果的な対処はないかもしれないが、そういった質問や要望に対して、まずどうすべきなのか、そういったところの検討は足りているのか、それによって空白は生まれていないのだろうかということを感じている。
【委員】
本間誠久参考人に伺う。話している中で、タイムラグとタイムリーがキーワードだと思うが、PTAの役員を務めてみてという具体例があった。私たちにとって耳の痛い言葉だと思うが、どのようなことが時代遅れと感じたのか。
【参考人】
例えば、PTAの次期役員のアンケートの欄に、やる、条件付でやる、別の誰かを推薦するの三つの項目しかない場合がある。やらないという項目は、もう最初から設けられていないものもある。単純に考えれば、やらないと書いたらみんなやらないに丸をつけるのではないか、今やっている人たちも嫌でもやっているのに、安直にやらないというのは、無責任ではないかということかもしれないが、それが物語っているのは、結局、多くの人に嫌なことを強いているのではないか。例えば、単純に嫌なことや辞めたいものであったら、そのように辞めてしまうこともできるかもしれないが、できない理由も二つほどあると思う。
例えば、次年度のスケジュールが決まっていることである。持ち回りで地域の担当なども決まっており、どこどこだけが来年のPTA活動はありませんとはできないようになっている。家族旅行を例に挙げると、いつ、どこに何人で行くと決まっているが行く人だけが決まっていないようなものである。そんな予定は成り立たない。既に決まっている予定がある以上、選出しなければならないのも、結局、誰かがやるだろう、これまでもやれていたということである。それはなぜかというと、ある程度、画一的な労働体系や、地域の中での共通認識が働いていた時代のものだと思っている。
辞められないもう一つの理由は、繰越金の多さである。予算の中でも、前年からの繰越金や、今年の予算を活動の中でやりくりした上でできた繰越金が残っている以上、宙に浮かせたまま辞められない状況もあり、使い切らないと終わりが見えないが、使い切ることはないため、結果、終わらない。それに関しても、どこかで使い切る、あるいは返却するなど、何か方法を取るべきだと思う。
PTA役員や母親たちのコミュニティーの中で、母親の中で誰かが辞めた、誰かから話が広まったなど、言いづらい部分もあるし、学校単位では決められないことも多いため、そういったことを地域や県のPTAなどから柔軟に対応し、選択肢を示していけたらよいと思う。
1,000年続く伝統の祭りも、担い手不足やコンプライアンス違反などで中止・変更するところが多い中で、1年間ある学区内のPTA役員が変わらないのはおかしな話だと思うが、さらに、障害児を取り巻く環境について言うと、学校の中での分断だけでなく、地域の中でも、学区の子供と触れ合いのない他地域の支援学校の子供たち、PTAではカバーし切れない部分が非常に多く、学区内でのPTA活動に限界があるのではないかと考えている。地域や県で地域の子供たちを広く見る視点を持って活動できるように、多くの選択肢をPTAに与えるような、そういったアドバイスを県からも出してもらえたらありがたい。
【委員】
毛利英暉参考人に伺う。
先ほど、地元の中学校でディスカッションした内容について、合理的配慮を踏まえた教室の在り方や雰囲気は非常に大事だと私も思っているため、知多市の教育委員会と一度話をしたいと考えている。
毛利英暉参考人の発言に、知多市にある祖父母の家の一室を自らの地域の小中学生の子供たちの勉強のサポートをしているとあったが、私も非常に興味を持った。初めに、実際にそこでは、何人の小中学生が通っているのか、利用時間はどうなっているのか伺う。
【参考人】
小中学生の子供たちの勉強のサポートの活動については、利用している小中学生は、現在小学生5人、中学生2人の計7人で、利用時間は毎週土曜日、中学生は13時40分から15時までの80分間、小学生は15時から17時までの2時間実施している。
【委員】
作文の二点目に、地域間で学習に使えるツールが異なるとあったが、具体的にどう違うのか、また、どのような施策を県内で広く実施をするとよいか、考えがあれば伺う。
【参考人】
学習に使えるツールについては、特に、自分の意思で映像授業を視聴し、学ぶことのできるスタディサプリというアプリ等の利用が、子供たち全員が使えることが望ましいのではないかと考える。私自身も高校時代、コロナ禍での臨時休校に際して学校全体で利用するようになり、学年横断的に予習・復習をすることができる同サービスに大変助けられた。また、私の妹も同時期に名古屋市立の中学校で学んでいた際に、学校全体で同サービスを利用し、学びやすさが格段に広がっているように感じた。
現在でも同サービスは、特定の地域では利活用が広く推進されているようである。こうしたサービスを全員に利用できるようにすることで、例えば、塾に通う子供たちのみが予習・復習をしやすい現状に対し、同サービスを利用すれば、自由に自分の意思で映像授業を主張するなどして、苦手単元の復習や得意科目の予習を進めていくことができるなど、より公平な学習環境をつくることが期待できるほか、特に苦手な教科がある場合には、学年を遡って学習をするなど、特別なニーズに応えた学習も、より効率的に推進していくことができるのではないかと考えている。
【委員】
私の地元が知多市であるため、機会があれば、そういった勉強をサポートしている中身を一度見学させてもらえたらと思う。
<不登校支援について>
《参考人の意見陳述》
【参考人】
半田市在住の今井と申します。不登校選択中の中学生の子供を持つ母親ですが、何とか仕事も続けさせていただいており、社会福祉士として老人保健施設で支援相談員をさせていただいております。日々、貧困問題やヤングケアラーの問題を、利用者様を通して、本当に個人の困り事を社会資源につなげる必要性が重要だということを、仕事を通して日々感じております。
今日はこのような貴重な機会をいただき、本当に実際の施策に生かしていただいて社会が変わっていくきっかけの一つになればという気持ちで参加させていただきました。よろしくお願いします。
まず、現在、不登校選択中の子供を持つ母親として感じたことをお話しします。子供は、現在、民間のフリースクールで友人もでき、穏やかに過ごせております。ただ、この状態にたどり着くまでは、我が家の場合は1年以上の時間が必要でした。我が子の不登校のきっかけとしては、少々特殊ですが、家族を突然亡くしたという経験をしたところからでした。私自身も含め、家族がそれぞれに大きな喪失と向き合う中で、子供自身もこれから自分がどうしていったらいいか、どう生きたらいいのかという基盤を失って、不安にさいなまれているような状況ということが、親の私からも見て取れるような状況でした。そのように家族を亡くしたという特殊性から、特殊な寄り添いが必要だと学校側からは考えられて、そういったケアの経験がない学校側との距離ができてしまったことが、不登校を選択した一因となってしまったと私は感じています。
少々特殊なきっかけなので、不登校生徒の保護者代表というわけではないですが、私自身もどうしたらいいか分からないという中で、各地の親の会に参加させていただいた中で、多くの保護者の方とお話しさせていただきました。その中で、お話の中で出てきた中で感じたことは共通しているなということが一つありまして、子供が学校に行けないというだけで、親も子も本当に社会と断絶されたような孤独感にまずさいなまれるということが共通していると感じました。まず、親も子も普通という枠から外れて、これまでの日常が一変してしまうんですね。そのことに混乱して、どうしたら元に戻れるのか考えて、どうしてもプレッシャーを与えてしまうんですね。子供も行かなければならない、でも行けないんだという気持ちと日々闘っているということが、スタートとしてあります。
全国に数十万人と不登校を選択した生徒・児童がいると報道されていますが、そういった子は、普通に学校に行っている近所の子も学校に朝登校しているのを見た場合に、どこに相談していいか分からない。ほかにもいるだろうけど、どこにいるのだろうか、ほかの人は一体どうしているのかということが全く分からない。学校にまず相談しようとするものの、窓口である担任の先生は学校に来ている生徒さんの対応で手いっぱいです。
個人情報の問題もありますから、ほかに学校に来られてない子はいますかといって聞いたところで、教えてもらえるわけはないんですね。もしかしたら学校で自分だけかもしれない、うちだけかもしれないという状況の中で特別な対応を求めるということが、わがままなのではないか、手間をかけ過ぎてしまうのではないか、じゃあ家庭で何とかしなくてはならない、親が何とかしなくてはと考えがちですが、どうしたらいいか分からないというところで、親も混乱が続く。
結局、我が家の場合は、学校側に配慮や居場所を求めることをちょっと諦めまして、学校以外の学習機会の確保と居場所を求めて不登校を選択するに至りました。そして、学校を一歩離れてみて、学校以外で支援を受けようとすることによって、教育にはマンパワーがまず必要だということを実感しました。そして、このように個別で手厚い支援を受けるということには、費用もかかることも分かりました。公立学校におきましては、合理的配慮の提供が義務化されるという、これは新しい概念だと思います。それが導入されても、それに伴って学級人数の変更も予算の関係でできませんし、教員の数も、支援員の数ですら増やせないという実情の中で配慮を求めるという行動自体が、学校に対して負担だと感じさせてしまうと思います。それだけ学校の人員も時間も環境も、もう全て余裕がないことが実感として分かりました。
具体的な配慮、我が家の場合の配慮の一つとしては、もう板書を写すことが追いつかないのでノートテイクの方法を工夫したい、中学生ですからノート提出を求められるのですが、それについて配慮をしてほしいということを求めました。それが当時、担任の先生には大変特殊な配慮を求めたとお感じになられたようで、ちょっとあれもできない、これもできないということで、結果、できないという回答でした。みんなと同じようにやって、みんなと同じように提出してくださいと。できないならできないなりに出して、その評価をしますということしかありませんでした。どうしたらできるようになるかという話し合いの時間を、担任や学年主任の先生にもないということで、結局、これしかできないんですという回答をいただくに至るのですが、当初は、もう本当にどうしてなんだと、話し合いをさせてくれないのかと怒りすら覚えました。
しかし、先生の側に立ってみれば、前例や具体例もない、個別対応をすればほかの生徒からずるいと不満が出るのではないかという不安もある中で、どうしたらいいのか分からないというのは、先生も同じなんじゃないかということが分かりました。合理的配慮を行うことが義務なのであれば、それが負担にならないような体制づくりも義務としなければならないのではないかと考えます。
そして、学校と保護者が対立する、一方的に要望を伝え合うのではなくて、どうしたらいいか、どうしたらできるようになるかというアイデアを出し合える機会、話し合う時間的な余裕、これを生む工夫が、どうしても必要になってくると思います。
子供たちが不登校を選択するに至る背景というのは、本当に千差万別です。この方法が有効だったから全員に有効かという構図は、全く成り立たないと思います。私の子供が選択しているフリースクールにみんな来ればいいじゃない、そういうことではないですね。必要なのは、選択肢だと考えます。例えば、オンライン授業に出席する仕組みでしたり、フリースクールの利用料の支援など、学校、とりわけ教室内以外での教育機会の確保を行うことで、不登校を特殊とする価値観を変えていく必要があるのではないかと考えています。
先生方が教室で自分の授業を受けられない子供の評価などできないというお考えであれば、ほかの方法がないか模索していきたいと思います。こうやって選択肢を与えるというのは、わがままと捉えられてしまう、自分勝手だと考えられてしまう傾向というのは、あるかと思います。
しかし、社会というのは、どんどん多様化が進んでいます。働き方一つ取っても、本当に様々だと感じていますので、学校に登校して教育を受けなければならないという価値観のままのほうが、子供の希望も、大人がほかの価値観に気づく気づきを得る機会もないのではないかと感じています。学校は、学習をする場所であることには違いないですが、それ以上に、人との関わりの中で社会性を学ぶことが大きな目的となっていると考えています。その場所が、社会の厳しさを経験する前に理不尽さを経験する場所ではなく、個人として尊重される経験を積み重ねることで、子供自身が自己を肯定して、主体的に社会で生きていく準備をする場所であってほしいと私は思っています。
従来のように管理が中心とした環境では、大人も子供も個人が尊重されて人権が守られるという環境かどうかというのは、私はちょっと疑問に思っておりまして、そういった中で、学校の在り方や教育について社会全体で考え直す時期に来ているのではないかと考え、今回、意見を述べさせていただきたいと思います。
(主な質疑)
【委員】
今井里佳参考人に伺う。
私の地元知多市でも年々不登校の児童・生徒の数が増えてきたこともあり、定期的に不登校の子を持つ保護者から話を聞く機会を設けている。来月も12月7日に15人程度の保護者を呼び、話を聞く機会を設けている。
不登校になる理由は、今井里佳参考人が先ほど話したように千差万別であり、なかなかよい解決策が見つからないのが現状であると私も感じており、保護者からは、選択肢として居場所が欲しいという声を本当によく聞く。また、フリースクールなどでは費用がかかるため、補助が欲しいとの声などを聞くが、こうした多様化が進む中で学校の在り方について、今後どのようになっていくのが理想の学校教育だと考えているのか。
【参考人】
居場所が欲しい、フリースクールの補助があったほうがよいことについて、私の意見を述べる。
まず、幼児期や小学生までは、子育て支援という考えで学童保育など、いろいろな場があると思うが、中高生になると、学校と家庭以外の場所は意外と少ないと感じている。
私が住んでいる半田市でも、部活動の地域移行が進む方向だが、なかなか受皿となる地域の活動が充実していないという現状がある。居場所づくりをと考える地域の人が、本当に安心・安全な活動を提供できるのかは、残念ながらどんな人が地域にいるのかは分からないため、不透明な部分があると思う。提供する側も自分たちを信頼してほしいため、公的なチェックをした上で補助金を提供する形で報告も義務づけるやり取りをすることで、責任感を持って地域の子供たちに関わってもらう仕組みがあれば、居場所づくりをしたい人が増えるのではないかと考えている。
また、フリースクールの補助については、あると本当にありがたいと実感している。現在、正規・非正規にかかわらず、共働きの家庭が多数だと思う。母親、父親ともに働いている家庭が多数だと思う。
学校に行くか、行けるのか行けないのか分からない時期、今日休むかどうしようという話を聞いている時期というのは、子供の状態が不安定なので、親は仕事を休んで付き添うことになる。その期間が長い場合、低学年の場合、親が仕事を辞めるという選択肢を選ぶ人が大変多い。
そうなると、世帯収入も減少するため、そういった場合に支援を受けたい、こういったフリースクールに通いたい、ここなら居場所として合っているのではないかと考えても、費用面で諦めてしまう可能性があると考えている。また、フリースクールも運営形態が様々である。その代表者が何を大事にしているか、本当に多種多様なため、料金設定も様々であるが、これも学習支援の一つであり、居場所として公的に認めてもらう仕組みがあれば、ここも学校以外の選択肢の一つとして保護者側も考えやすくなるのではないかと思う。
補助金が出ることに関しては、運用方法には慎重にならざるを得ないのか、条件が必要なのかというところは、どうしても必要になってくる。そこは、議論が必要になってくると思うため、県で検討をお願いしたい。
また、選択肢が増えることについて、保護者側、仕事をしている側からも思うところがある。こういった選択肢が増えるという考えが教育現場から広がれば、社会に普及していく可能性があると感じている。
私自身は、たまたま職場の理解があり、子供や私自身の体調に合わせて現在も柔軟に勤務することができている。本来であれば、正社員なので1日8時間、月20日勤務をしなければならず、休めば減収にもなっているが、ほかの社員に迷惑をかけているという申し訳なさも感じている中で、何とか雇用してもらえている状況である。
そのため、十分に働けない中で、上司には何度も辞めさせてもらいたいと話しているが、そのたびに、「いろいろな働き方ができるという実例を積み重ねることで、たくさんの人に無理なく長く働いてほしいと私は思っている。その先例になってほしいので、どういう形で働けるか一緒に考えよう」という言葉をもらった。それが本当にありがたく、社会に出て長いが、そのように言われたことは初めてだったため、大変ありがたく思い、細々と勤務を続けている。ここまでのことを言ってもらえる企業は少ないと思う。
私は特に福祉・介護業界なので、人手不足というのは、世間一般に知られているとは思う。あらゆる業界で人材不足が叫ばれているため、子供が不登校になって心身の調子を崩す中で、それに伴い親の就業もできなくなるのは、社会全体の損失につながっているのではないかと、少し言い過ぎかもしれないが考えている。
そういった場合に活用できる一つ法律として、少しずれてくるかもしれないが、育児休業法がある。その法律によって、看護休暇を年5日、長期で休むことができるというよりは、病院、感染症などで登校できないときのために使うという考え方だと思うので、結局、働き方を変える、退職するという選択肢のほうが、圧倒的に多いと思っている。
そのため、テレワークやフレックスタイム制など、何とか柔軟な働き方でも雇用を継続する方法が社会に広がってもらえないか、それをやることで、企業側に支援があることで導入がしやすくなるのではないかと訴えていきたい。
また、学校の在り方についても考えがある。学校の中にも居場所がある、居場所を選択できるという形になっていくのが理想である。学校の中でも教室にいなければならないという窮屈さが耐えられないほどの苦痛になっている子もいる。その場合に、学校へは来たものの、教室にいるのはつらいという生徒のために、居場所の選択肢が教室以外にもあるということが、学校の可能性を広げる一つの手段ではないかと考える。
今年度から半田市で、県の事業と聞いているが、校内教育支援ルーム(Aiルーム)という校内フリースクール事業を導入しており、先日見学にも行った。目的がすごく盛りだくさんである。学校側からの資料によると、目的が五つあり、教室復帰ではなく社会的自立をしていく場所だということ、通常学級と同じように一つの学級として扱うこと、いつでも温かく生徒を迎え入れる体制づくりをしていくこと、画一的を押しつけず、多様性を受け入れること、生徒が育てるから生徒が共に育つ教室を目指すことという五つの考え方が示された。
ただ、この社会的自立とは何か、改めて考えさせられるすごく大きなテーマで、大風呂敷を広げているように私は思った。先日、見学に行き、開設から半年程度たっている状況としては、年度当初からは変わったことをAiルームの担当教員から話を聞いている。当初は、一つの学級として扱うことから、教室のように前に向けて机を並べ、体調不良を訴える子は断っていた。保健室に行って休むような状況ではないが、教室にいられないという子は断っていた現状があった。
また、このAiルームが、学校内フリースクールという立ち位置上、入室許可証が必要で、どうしても関所のような、親の説得が必要で一つハードルがあるため、いつでも温かく迎えることは、少し難しい。しかし、半年程度たち、試用期間を設けることや、普通の教室のように個々の机が並んでいるところから少し机を減らし、大きなダイニングテーブルのようなものを置き、学年を超えて教え合うことができるような環境をつくり、白湯を飲んで、カフェのような雰囲気で、ほっと一息できる時間もあることを教えてもらった。
利用している生徒の祖父が元教員で、付き添い登校をするついでに聞きたいことがあったら教えるというスタンスで静かに座ってもらっている。そういった形で地域との交流も生まれ始めており、本当にいろいろな窓口が開けていったらよい。そのような場所になりつつあることが分かった。
現在の登録人数としては30人、初年度としては、大変よいスタートではないかというくらい、大変多くの子がこの場所を必要としていることが分かったが、一つの教室でやるには機能が多過ぎるというのが居場所づくりとしては課題だと当事者として感じており、我が子は、この教室には行けないと言っていた。なぜかというと、この一つの学級と見られても、きちんとしたい、さぼっているわけではないと通っている子たちが考えがちで、いい加減にしている、甘えていると見られたくないことから、制服着用は絶対であり、カフェという役割ではないところが学校側もあるため、居場所というよりは、一つの教室という役割のほうが強い状況である。
そうとはいえ、きちんと教室に入ることができないが、ほかの場所では学習したい子供のニーズには応えていると思うため、これはこれで一つ運用を続けて形を保ってほしい一方で、居場所、カフェのようなフリーでゆとりある空間が学校の中にあってもよいという考えもある。
【委員】
今井里佳参考人に伺う。
家族の喪失を社会全体で向き合っていかなければならず、学校とやり取りする中でいろいろなことを感じたとのことである。そういった保護者や学校、フリースクールの三者の関係についても併せて触れながら質問する。
今、今井里佳参考人が話したように、不登校になった背景は本当に千差万別で、今井里佳参考人は不登校を選択したとのことであるが、そういった選択肢が必要であると感じている。私も不登校の相談を受けるなど、フリースクール、オルタナティブスクールの開設事業者から陳情をもらうこともあるが、正解が一つではない時代に、それぞれの立場に立った支援が必要だと強く感じている。
また、オンライン授業については、愛知県では春日市や名古屋市、大府市でメタバースを使った取組もしているが、まだ県内54市町村の中では限られた自治体になっている。
そして、フリースクール利用料の支援についても、先ほどからいろいろなところで触れている学校内、とりわけ教室以外での教育機会の確保が重要である。
この点について、文部科学省でも令和元年10月25日の通知で、不登校児童への支援は、学校に登校するという結果のみを目標とするのではなく、児童・生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す必要があるとしている。
一方で、同通知にも、不登校は学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意するとしているように、先ほど半田市ではいろいろな目的が盛り込まれていると聴いたが、この通知では社会的自立がどうしても大事になっており、フリースクールは、本当に学習の機会が確保されているのか、あるいは社会的自立を担う施設なのかが判断基準になっている。
東京都で令和6年度、今年から申請した人にフリースクールに通う費用として2万円の補助が始まっている。これは東京が先駆け的に進んでいるが、愛知県でも、令和5年度にフリースクールの協議会を進めており、許可を得たフリースクールをホームページで周知している。先ほどの通知が令和元年であり、フリースクールについて、この5年間で不登校の状況が進展しているため現場の状況も変わっている。
今井里佳参考人から、次男とのやり取りで、学校との間に距離ができてしまったとのことだが、学校の先生もいろいろなことで悩んでいる。不登校の生徒について、私も地元の清須市の小学校の校長に相談したことがあるが、校長は、普通に通学している生徒も不登校の生徒も、どちらも自分たちの学区の大切な生徒だと話していた。もちろん今井里佳参考人が感じた中で、冷たく感じる場合もあれば、学校によっては考え方も異なり、学校現場もこのような校長の言葉は心強いものの、こういったことが本当に広がらなければならず、政治、行政としても、どのようにサポートしていくのか、まさに過渡期にあると思う。
そこで伺うが、いま一度、この学校の在り方、社会全体に考え直すべき状況が来ていると思うが、今井里佳参考人は、先ほどの話も含めて、保護者、学校の在り方についてどうすべきと考えているか。また、フリースクールについてはどのように考えているのか。
【参考人】
学校の在り方について、学校に求められる機能や役割が、本当に多くなってしまったとの声は、先生からも上がっており、私たち保護者から見ても、本当に大変だと感じている。先生だけでは対応し切れないほど、不登校問題一つ取っても、背景はいろいろあり過ぎており、担任の先生が1クラス約40人という中では、一人では対応し切れない状況にあると思う。そのため、先生もどう対応してよいか分からない、どう相談してよいか分からないという中で、いろいろ活動し、支援してもらっている中で、何でも屋にならざるを得ない状況になっていると感じている。
それを解消できるかどうかは分からないが、一つの方法としては、保護者からの相談窓口をクラス担任の教員に一元化しないのが一案ではないかと考える。現状、地域にスクールソーシャルワーカーや社会福祉協議会発信のコミュニティーソーシャルワーカーがいる。こういった人も、保護者からは学校を通して相談し、学校からつなげてもらう形で存在していると思うが、一歩踏み込んで、学校と家庭の間に入ってつなげる役割ができれば、相談先の一つとして、保護者としても選択肢を増やすことができれば、先生だけにあれやこれやと求め過ぎて、お互いにストレスにならないと思う。
これで本当に解消できるか、この人が一体どのような人か、先生以外に相談してほしいという方向に持っていくにはなかなか時間が必要だと思うが、現状、仕組みとしては、そういった存在の人は各自治体にいるため、学校側にも、多様な専門職の人と一緒に働く体制づくりもしてもらえるとありがたい。また、地域で子供を育てるというように、学校の側からも意識を変えてもらう必要があると考えている。
事前に質問として聞いていた保護者の在り方についても、私としては、本当に一個人の考え方になるが、自分自身が経験したことのない出来事、例えば私自身も不登校の経験がない形で社会に出ており、一般的な問題として議論されるようになったのは、ここ最近で、親世代は、不登校を経験した人はまだ少ない。
このような経験のない出来事に直面すれば、誰でも混乱すると思う。保護者としては、ざっくり言うと、いろいろな固定概念を手放すことがスタートと感じている。
多様な学び方や生き方について、まず親自身が知って、それを受け入れることから、生きていれば可能性は多様にあると、言葉では分かっていても、本当に心から信じて子供に伝えていくことが、親としてそのような視点、覚悟が必要になってきたと考える。
フリースクールについては、様々な役割を持ってそれぞれ民間や個人で設営している。塾のように学校に代わる学習機会をとにかく提供しようと設営されている場所もあれば、とにかく人とのつながりをつくろうと、オンラインのみだがつながれるもの、一方で、安心・安全な環境を提供することが目的になっていることなど、どれを一番重要視しているのか、設置者がどのように考えているのかは、本当にそれぞれだと思う。
このため、先ほど話したように、補助金を出して支援する場合には、どうしても基準や条件が必要になってくると思う。ただ、懸念しているのが、選択肢が狭まることである。財源も限りがあり、一体ここは何をやっているのか分からないというところまでお金は出せるのかという考えはあると思うため、いろいろな議論が必要になっており、私としては、これがよいという提案がないが、どんどん議論を進めて、支援が必要な分野ではないかと考える。
ただ、学校という公の機関の仕組みを変える、例えば、スクールソーシャルワーカーを学校と保護者の間につなげようとか、仕組みを変えることは、本当に時間がかかると思う。そのため、タイムラグという部分で、民間や個人が受皿になっていると見るのであれば、今後もフリースクールの多様化や増加の流れは止められないと思う。
そういった現状があることから、保護者にとってもフリースクール側にとっても、金銭面や体制づくりの支援をお願いしたい。
【委員】
社会福祉士という立場もあり、様々な点に配慮して発言してもらい、理事者にも議員にも伝わり、本当にありがたいと思う。一母親として今回フリースクールを選択したとのことで、それについてどのような感想を持っているのか。
【参考人】
フリースクールを選択した経緯としては、とにかく家から出られない状況に陥ってしまったからである。そのため、人とのつながりを絶やさないためにはどうしたらよいのか、現状、オンラインのみで授業を受け、学習状況報告書をフリースクール側から学校にメールで報告書を送ってもらい、出席認定をしてもらうという形で、週に2回登校している形で通知表が出ており、学習機会と人との交流を図っている。
作文には友人ができたと書いているが、これもオンラインのつながりである。そのため、よりどころとして現在はそこしかないのは、親としても不安な気持ちはあるため、地域とも、実際の人と人とのつながりもつくっていきたいと思いながら、各地の地域のフリースクールや地域のイベントに参加し、何とか外に出ていけるようになった。人とも交流ができるような機会を何とかつくろうと働きかけているが、迷いは常にある。現状、フリースクールで何とか穏やかに、今、生活のリズムとしては、落ち着いているものの、現状これでよいのか、進学についても本当にオンラインだけでよいのだろうか、迷いはある。そのため、先ほど保護者の覚悟という話もしたが、私自身もずっと迷って、子供と話しながら、どうすればよいかを進めていくしかないと考えている。