委員会情報
委員会審査状況
総務企画委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和7年3月17日(月) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
今井隆喜、日高 章 正副委員長
水野富夫、高桑敏直、辻 秀樹、杉江繁樹、杉浦正和、富田昭雄、
日比たけまさ、福田喜夫、島 孝則、木藤俊郎 各委員
政策企画局長、企画調整部長、国際監、ジブリパーク推進監、
総務局長、デジタル戦略監、総務部長、財務部長兼財政課長、
人事局長、人事管理監兼人事課長、
会計管理者兼会計局長、同次長、
監査委員事務局長、同次長、
人事委員会事務局長、同次長兼職員課長、
議会事務局長、同次長、関係各課長等
<付託案件等>
〇 議 案
第 1 号 令和7年度愛知県一般会計予算
第1条(歳入歳出予算)の内
歳 入
歳 出
第1款 議会費
第2款 総務企画費の内
第1項 政策企画費
第2項 総務管理費
第3項 徴税費
第4項 市町村振興費
第5項 選挙費
第8項 監査委員費
第9項 人事委員会費
第11款 公債費
第12款 諸支出金
第13款 予備費
第3条(債務負担行為)の内
豊田加茂総合庁舎・豊田加茂福祉相談センター集約化整備工事
設楽公舎実施設計
自治センター無停電電源装置更新工事
自治センター空調設備改修工事
奥三河総合センター施設設備整備工事
地方債証券の共同発行によって生じる連帯債務保証
第4条(県債)
第5条(一時借入金)
第6条(歳出予算の流用)
第2号 令和7年度愛知県公債管理特別会計予算
第3号 令和7年度愛知県証紙特別会計予算
第 18 号 刑法等の一部を改正する法律等の施行に伴う関係条例の整理等に関する条例の制定について
第 21 号 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例等の一部改正について
第 22 号 財政状況の公表に関する条例の一部改正について
第 23 号 愛知県手数料条例の一部改正について
第 24 号 愛知県県税条例等の一部改正について
第 25 号 愛知県職員定数条例の一部改正について
第 26 号 職員の退職手当に関する条例等の一部改正について
第 27 号 職員の給与に関する条例等の一部改正について
第 28 号 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正について
第 29 号 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部改正について
第 30 号 知事等の給与の特例に関する条例の一部改正について
第 31 号 職員等の旅費に関する条例の一部改正等について
第 57 号 教育委員会の委員の選任について
第 58 号 監査委員の選任について
第 59 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(小林俊雄)
第 60 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(黒田勝春)
第 61 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(山下三千男)
第 62 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(鈴木惣和)
第 63 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(川口正康)
第 64 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(中根靜夫)
第 65 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(榊󠄀原満男)
第 66 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(山本 忍)
第 67 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(山本昌弘)
第 68 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(石井克也)
第 69 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(岩田靖宏)
第 70 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(深井淳二)
第 71 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(磯貝政男)
第 72 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(長谷川桂子)
第 73 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(鈴木敏且)
第 74 号 包括外部監査契約の締結について
第 99 号 教育委員会教育長の選任について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第1号から第3号まで、第18号、第21号から第31号まで及び第74号
全員一致をもって同意すべきものと決した議案
第57号から第73号まで及び第99号
○ 請 願
第 81 号 「『消費税5%引き下げを求める意見書』採択を求める」について
第 82 号 「『インボイス制度廃止を求める意見書』採択を求める」について
(結 果)
賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
第81号及び第82号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 行財政について
2 国際交流の推進について
3 地域振興について
4 地域及び県行政の情報化の推進について
5 防災対策及び安全なまちづくりの推進について
6 政策企画局、総務局、人事局、防災安全局、会計局、選挙管理委員会、監査委員及び人事委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(34件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 請願審査(2件)
4 委員長報告の決定
5 2025年度の税制改正に伴う愛知県県税条例等の一部改正についての説明
6 一般質問
7 閉会中継続調査申出案件の決定
8 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
第28号議案、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正について伺う。
少子高齢化が進み、労働力人口が減少し始めた状況において、企業が持続可能な成長を続けるためには働き方の改革が必要との認識の下で、労働時間の短縮や労働環境の改善を目指すために企業に対して様々な法改正や政策が導入されている。本県の職員においても、今年4月1日からは勤務間インターバル制度の運用開始や、来年1月からはフレックスタイム制度と併せ週休3日制の働き方も可能とする制度の導入を1月15日に公表している。
特に、フレックスタイム制度は、多様な働き方としてリカレント教育、子育てや介護、ボランティア活動、プライベートの時間に充てることによるメンタルのリフレッシュなど、ワーク・ライフ・バランスの観点からも効果的な働き方と理解している。一方、新たな勤務制度導入は、各部局の担当業務が滞ることのないよう慎重に進めていくことも重要である。
そこで、来年1月からのフレックスタイム制度を進めるに当たり、勤務間インターバル制度は、今年4月から開始するとのことだが、フレックスタイム制度の運用開始が2026年1月1日である理由を伺う。
【理事者】
フレックスタイム制度が職員に活用される制度となるためには、各職員が制度についての理解を深めるとともに勤怠管理を行う班長などの管理監督者の負担も配慮する必要がある。このため、制度の内容はもとより、職場全体で相互理解や協力体制を構築していくための周知期間を十分に設けることとし、また勤怠管理を自動化するためのシステム改修を行った上で2026年の1月1日から導入することとした。
なお、勤務間インターバル制度は終業時刻と翌日の始業時刻との間を11時間空けることを努力義務としているが、比較的制度が分かりやすい、制度の周知に時間を要しない、システム改修が必要ないことにより、速やかに制度を導入する。
【委員】
フレックスタイム制度が導入されると、年次休暇を消化しなくとも週休3日にすることができるなど柔軟な働き方が可能になる一方で、年次休暇の取得率に影響が及ぶ可能性もある。年次休暇取得率を低下させないための取組について伺う。
【理事者】
年次休暇の取得促進は、従来から総勤務時間の縮減に向けた取組として、時間外勤務の縮減や定時退庁の徹底などと併せて継続的に取り組んできた。フレックスタイム制度の導入により、年次休暇の取得が減少する方向に作用する可能性はあるが、総勤務時間を縮減させるためには引き続き年次休暇の取得促進を進めていく必要がある。
本県では2023年度から職員の休み方改革の取組を進めており、年末年始などの大型連休に合わせた連続休暇の取得促進や、職員が希望する時期に連続休暇を設定するあいちマイ・ウィーク・プランを実施している。引き続き、こうした休み方改革の取組などを通じ、職員の総勤務時間の縮減やワーク・ライフ・バランスの一層の向上を目指していく。
【委員】
フレックスタイム制度下で業務を進めるに当たり、コアタイムが設定されているが、勤務時間の変化から担当者が不在になり業務が滞ることが心配されることもある。こうしたことを懸念し、制度の活用をためらう職員が出てくるのではないかと考えられるが、これらの点について今後どのように取り組むのか。
【理事者】
フレックスタイム制度の導入に当たり、制度を利用しやすい職場環境づくりを進めるとともに、制度を利用しない職員に過度な負担を与えることがないよう、職場全体で支え合う体制を構築することも必要である。そのためには、制度を利用する職員の責任感と自律心の醸成や管理監督者のマネジメント力の向上、さらには職場全体で制度に対する職員間の相互理解、協力が重要となる。
適切な制度設計や勤怠管理システムの改修に加え、研修の実施やマニュアルの整備などを通じ、職員一人一人が制度についての理解を深めて意識改革につなげられるように取り組んでいく。
【委員】
最後に要望する。フレックスタイム制度のメリットを生かすため、仕事の進捗状況やチームとの連携を調整する必要があるが、上手に活用すれば非常に快適に働ける環境が整えられるものと理解している。来年1月からの運用までの限られた時間だが、日々の業務対応においての課題の洗い出しを進めてもらいながら、特に全員が同時に勤務していない時間があることから、リアルタイムでのコミュニケーションが取りにくくなり情報共有の遅れや意思疎通の問題が発生することがないよう、効果的なコミュニケーションの仕組みづくりを願う。
また、勤務管理においては、業務管理ツールを導入するなど個人ごとの適切な勤怠管理と併せ、積み上がった時間外労働時間に対して下命により強制的に休日を取得させることや週休3日制の運用が担当者ベースで偏らないような勤怠管理を推進してもらいながら、真の柔軟な働き方改革になるよう要望する。
【委員】
歳出第2款総務企画費の第2項総務管理費第10目財産管理費のうち、西庁舎長寿命化改修費について伺う。
県庁の西庁舎は、1回目の東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開通した1964年、昭和39年に建築されたものであり、今年度で築60年、言わば還暦を迎えた庁舎である。2004年度に免震化による耐震改修が行われているが、建物の外部、内部共にこれまでまとまった改修工事は行われていないと聞いている。
今回、西庁舎について長寿命化改修工事が行われるが、改修においては施設の老朽化対策だけではなく、行政庁舎としての機能強化についても併せて実施するとされている。具体的な機能強化としては、オープンフロア型オフィスの導入など、昨年12月に策定されたあいち行革プラン2025でも掲げられているより働きやすい執務空間の確保や職員のウェルビーイングの実現につながる内容も検討されていくと認識している。
そこで伺うが、まず今回の西庁舎長寿命化改修におけるオープンフロア型オフィス導入の効果についてどのように考えているのか。
オープンフロア型オフィスの導入の効果として、まず現在の課室間などにある間仕切り壁が取り払われることで、執務スペースとして活用できる面積が広がり、オフィス空間に開放感やゆとりが生まれ、快適性が向上すると考えている。また、配席の自由度を向上させるため、床の段差を解消するとともにOA機器等の配置に合わせて電源の位置を変更できるよう、電気・通信の配線類を天井から引き込むことを検討している。
こうしたことにより、組織の改編や職員数の変化に合わせた課室面積の調整が可能となることや、各課室における業務を効率的に行うための配席、また固定席を設けないフリーアドレスの導入が行いやすくなるなど、執務スペースの運用の柔軟性が高まるといった効果も期待できる。
【委員】
効果について理解した。自分自身もソフトバンク株式会社などの民間企業を視察した際には、どこもオープンフロア型の様式でオフィスが整備されており、行政も見習わなければいけないと思っていた。
オープンフロア型オフィスの導入により様々な効果を見込んでいることは理解したが、働きやすい執務空間とするためには、昨今の温暖化による夏の酷暑、あるいは今年のような厳冬に対応する室内の快適な温熱環境の確保も必要である。
今回の西庁舎長寿命化改修において、冷房や暖房といった空調面についてどのように考えているのか。
【理事者】
今回の西庁舎長寿命化改修において、執務スペースの空調設備について全館空調方式から個別空調方式への変更を検討しており、これにより必要な時間帯に必要なスペースで空調設備を運転できるなどの効率化が図られると考えている。加えて、外壁や外部建具について断熱仕様のものへの更新を検討しており、これにより夏は涼しく、冬は暖かい快適な室内空間が創出され、執務環境のさらなる改善が期待できると考えている。
【委員】
執務空間の改善について理解した。一方で、職員の働く環境は執務空間のみならずトイレなどの衛生環境の改善も重要である。昨今の新入職員などは、これまでの人生の中で和式トイレなどを利用することもあまりなかっただろうし、障害を持つ人などはバリアフリーのトイレが当然必要となると思うが、今回の西庁舎長寿命化改修ではトイレの改修も検討しているのか。
【理事者】
西庁舎に現在ある多くのトイレは、25年前の1999年度、平成11年度に更新されたものであるが、洋式トイレの数が少ないことに加え、衛生面の改善やバリアフリーへのさらなる対応といった課題が生じているため、利用者のニーズに合わせた快適なものに更新していく必要がある。そのため、洋式トイレの増設、衛生面の向上のための床の乾式化を行うとともに、車椅子使用者等の要配慮者の利便性を増進するためのバリアフリートイレの増設や、性別を問わず誰もが利用できる独立個室型のトイレの設置について検討している。併せて、人感センサー付きのLED照明の導入を検討し、省エネ性や利便性の向上を図る。
【委員】
これまで、執務空間とトイレの改善について質問したが、このほかにも、より働きやすい執務空間の確保や、来庁者へのサービスの向上などにつながる機能強化として考えていることがあれば伺う。
【理事者】
執務空間としては、オープンフロア型オフィス導入のほか、多様で柔軟な働き方への対応に向けた機能強化としてテレワークやオンライン会議に使用可能なブースや、来客対応、打合せなど課室の枠を超えて利用可能なワークスペースの設置、会議室専用フロアの整備などを検討している。これらは、先ほど答弁したオープンフロア型オフィスの導入に伴う間仕切り壁の撤去や、個別空調化に伴う空調機械室の廃止の結果、新たに創出されるスペースを活用することを想定している。さらに、来庁者の利便性向上を図るため、先ほど答弁したトイレの整備のほか、玄関に至るスロープの増設や扉の自動ドア化を実施することでバリアフリーを推進していく。
来年度実施する西庁舎長寿命化改修基本設計の中において、これらの機能強化についてより詳細な検討を行い、職員にとって働きやすく、また県民にとって利便性の高い行政庁舎の実現を目指す。
【委員】
我が国の少子化が進む中、官民を問わず優秀な人材確保が課題になっている。若い人材に選ばれる職場になるためには、働きやすい環境づくりがどうしても必要である。また、オフィススペースの確保には現在フロアの多くを占めている紙資料の整理も必要である。民間企業ではコピー機の使用を控えるなど、紙資料削減の工夫がされている。これはSDGsの観点からも重要な取組であり、西庁舎の改修だけではなかなか難しいと思うので、これは全体の行政改革として考えてほしい。
西庁舎については、これから長寿命化改修を行うわけだが、単なる老朽化対策ではなく行政庁舎としての機能強化を図り、そして現代に求められる職場環境を基本設計段階でしっかり検討し、改修計画に反映していくことを要望し、この件については質問を終了する。
続いて、第2款総務企画費第4項市町村振興費の第2目自治振興費、東三河振興ビジョン推進費について伺う。
東三河地域は県内でも先行して人口の減少局面に入っていたことから、2014年度から東三河人口問題連絡会議を毎年開催し、人口問題への対応を市町村と議論するとともに、2022年度からは東三河振興ビジョン2030の重点プロジェクトとして、移住・定住の促進や関係人口の創出に産学官が連携して取り組むなど、人口減少に伴う地域社会の担い手不足には積極的に対応してきたと認識している。
しかし、今後、人口減少がさらに進行していくと、担い手不足の影響は地域社会の担い手にとどまらず、市町村職員にも及んでいくと想定される。報道によると、沖縄の離島の渡名喜村では新年度、定年退職などで職員の数が減少し、定数の半分ほどが欠員となるおそれがあるとのことである。自治体の職員不足は、全国的にも話題になっている。
本県においても、職員数の最も少ない奥三河地域の3町村の職員数は、2024年4月1日現在の総務省地方公共団体定員管理調査結果によると、設楽町では106人、東栄町は94人、豊根村は51人となっている。
地方分権が進み、各団体が地域の特性やニーズに応じた政策を実施しやすくなった一方で、財政基盤の脆弱な団体は規模が小さく、その持続可能な行財政運営が非常に大きな課題となっている。
今後、人口減少が一層進むとその傾向はさらに強くなる。従来と同じ規模で職員を確保し続けることは難しいため、現在と同じ水準で行政サービスを提供し続けることができるのか心配である。地方分権を前提に、都道府県がどのように支援していくのかを地方分権との緊張関係の中でしっかりと検討し、問題意識を共有していくことは非常に重要なことである。
こうした中、本年2月21日に開催された議案説明会では、来年度の東三河振興ビジョン推進費に関し、人口減少下おける小規模市町村との連携に関する調査研究を行うとの説明があった。はじめに、この調査研究の県の予算額、財源及び目的を伺う。
【理事者】
県の予算額、財源について、本調査研究は一般財団法人地方自治研究機構と共同で実施するものであり、総事業費は1,500万円、このうち6割に当たる900万円を一般財団法人地方自治研究機構が負担し、4割に当たる600万円を県が負担する。この600万円が県の予算計上額であり、財源は全額一般財源である。
次に、目的について、北設楽郡の3町村においては少子化により年少人口が減少しており、行財政基盤の担い手である新たな職員を確保することが今後さらに難しくなっていくことが想定される。こうした状況を踏まえ、東三河県庁と一般財団法人地方自治研究機構が共同で、人口減少下において小規模市町村が持続可能な行財政基盤を確立していくための都道府県と市町村との連携方法について、調査研究を行うものである。得られた知見を報告書として取りまとめ、本県は今後の具体的な検討に生かしていくとともに、一般財団法人地方自治研究機構は報告書をホームページに掲載し、全国の地方公共団体に向けて情報提供する。
【委員】
調査目的、財源などを理解した。今回の調査研究では、人口減少下における小規模市町村の持続可能な行財政基盤の確立について、都道府県と市町村との連携方法についての調査研究を行うということである。そこで、今回共同して調査研究を行う一般財団法人地方自治研究機構とはどのような団体であるのか、また、調査研究はどのような体制で進めていくのか伺う。
【理事者】
一般財団法人地方自治研究機構は、地方自治の充実発展に寄与するとともに、活力ある地域社会の実現に資することを目的として、地方公共団体が少子高齢化、国際化、経済構造の変化等に伴い対応を迫られる課題に関する調査研究を実施している。これまでに約400件に上る共同調査研究を実施しており、調査研究について豊富な知見を持つ団体である。
次に、調査研究体制について、モデル市町村の職員、一般財団法人地方自治研究機構の研究員、東三河県庁職員で構成する研究チームを設置し、様々な情報の収集、分析、検討を行う。さらに研究チームの構成員に加え、研究テーマに精通した学識経験者や東三河ビジョン協議会委員も参画する調査研究委員会を開催し、研究チームと意見交換を行う。こうした体制により、研究チームが調査研究委員会の有識者の専門的な指導・助言を受けながら調査研究を行うことができる体制を整備する。
【委員】
団体の概要、そして調査研究の体制について理解した。
効果的な調査研究を行うためには、適切なスケジュール管理も重要になる。先ほどの答弁で、研究チームと有識者等による調査研究委員会を設置するとのことだが、どのような検討日程とする予定か伺う。
【理事者】
本年4月からモデル市町村の選定作業に入り、市町村の意向を確認し、5月にモデル市町村を決定する。モデル市町村の選定と並行し、調査研究委員会の委員に就任する市町村行財政関係の学識経験者も選定する。6月には調査研究委員会と実働部隊となる研究チームを立ち上げ、調査研究をスタートさせる。以降は、研究チームから調査研究委員会への中間報告、最終報告を経て、来年3月に調査研究委員会が報告書を取りまとめる予定である。
この調査研究を実りあるものとするため、県職員のほかに市町村、一般財団法人地方自治研究機構の職員や学識経験者、東三河ビジョン協議会委員などの様々な立場の人に参画してもらい、連絡調整を密に行って年度内に調査結果を報告することができるようしっかりと進捗管理して進めていく。
【委員】
県の予算も投入する以上、調査研究の内容が実態に即した実効性のあるものになることが重要である。全体事業費1,500万円、この4割に当たる600万円は本県の負担となる。調査研究については、県としても責任を持つ必要があるが、具体的な調査研究の内容はどのようなものを想定しているのか。
【理事者】
今回の調査研究は、モデル市町村の現在の行財政状況や事務執行、行政サービス提供の状況を把握した上で、人口減少の進行に伴い、今後発生する行財政運営上の課題を整理分析し、広域連携、民間企業との連携、デジタル技術の活用、外部人材の確保など様々な観点から解決に向けた方策を検討していく。その結果を踏まえ、都道府県による人口減少下における小規模市町村との連携方法などについて提言を取りまとめる。
調査研究を進めるに当たり、モデル市町村の意向や実情を十分に把握し調査結果に反映させるなど、市町村にとっても有意義な調査研究内容となるよう、県として責任を持ってしっかりと取り組んでいく。
【委員】
今後、人口減少、高齢化の急速な進行により、退職者が増えて必要な職員が確保できず行政サービスの水準の維持が難しくなる団体が近い将来必ず出てくると思われる。対応は今から考えておく必要があり、そうした団体が出てから検討するのでは遅い。行政サービスが維持できないと住民は他地域に行ってしまい、人口減少がまた一層進む。何とかしなければならないが、都道府県も職員の確保は厳しく、こうしたことを支援することは難しい。
こうした中で、本県の東三河県庁が外部資金をうまく活用してこの調査研究を行うとのことであるため、着実に提言を取りまとめもらい、本県として活用してほしい。その上で全国に情報提供することは、大変意義のあることだと思う。しっかりとした取組を期待する。
【委員】
歳出第2款総務企画費のうち第1項政策企画費の第3目国際交流費の(4)ビクトリア州・江蘇省友好提携45周年記念事業費について伺う。
まずはこのビクトリア州・江蘇省友好提携45周年記念事業費について、具体的な事業内容を伺う。
【理事者】
記念事業として、知事等を団長とする使節団がビクトリア州及び江蘇省に渡航し、それぞれの地域において州や省が主催する記念行事に参加し、州や省の政府高官との会談を行う。また、県内ではビクトリア州及び江蘇省から政府高官を招聘し、知事との会談や県主催の歓迎会を実施するほか、愛知万博20周年記念事業と連携して今年7月に愛・地球博記念公園で開催を予定している地球大交流フェスタにおいて、ビクトリア州及び江蘇省の文化芸術を広く県民に紹介するブース出展やステージイベントを行う。
こうした事業の実施を通じ、両地域との友好交流のさらなる発展を図っていきたい。
【委員】
使節団が両州と省を訪問して政府高官と会談を行う、またはこちらに招聘して、特に愛知万博20周年記念事業と提携した地球大交流フェスタでブース出展やステージイベントを行うとのことだが、愛知万博20周年記念事業における地球大交流フェスタはどのようなイベント内容なのか。
【理事者】
愛知万博20周年記念事業の地球大交流フェスタにおけるブース出展及びステージイベントについては、ビクトリア州及び江蘇省の文化芸術を広く県民に紹介するものとしたい。例えば、2020年度に実施した愛知県・ビクトリア州・江蘇省友好提携40周年記念フェスティバルでは、アボリジニアートの絵付けや中国こまを体験できるブースを出展したほか、ステージイベントとしてアボリジニの管楽器ディジュリドゥや中国の伝統的な弦楽器二胡の演奏を実施した。
来年度の愛知県・ビクトリア州・江蘇省友好提携45周年記念事業におけるブース出展やステージイベントの具体的な内容については、ビクトリア州及び江蘇省とも調整して決定していく。
【委員】
文化芸術を広く県民に紹介するイベントを目指しており、詳細の内容については両州、省と検討していくとのことであるが、本年2月に自由民主党愛知県議員団畜産振興議員連盟でオーストラリアを訪問した際、在メルボルン日本国総領事館を訪問し総領事と懇談したところ、この愛知県・ビクトリア州・江蘇省友好提携45周年記念事業をしっかり成功させたいと言っていたため、今後の取組についてはよろしくお願いしたいと思う。県内においては、オーストラリアでは大府市とポート・フィリップ市、知立市とウインダム市、豊明市とシェパトン市が文化交流を行っており、江蘇省に関しては半田市と徐州市、常滑市と宜興市で友好交流を行っている。
ぜひ、この愛知県・ビクトリア州・江蘇省友好提携45周年記念事業が一過性のイベントに終わることなく、これを機会にしっかりと国際交流の輪が広がっていくように取り組んでもらうことを要望する。
【委員】
第31号議案の職員等の旅費に関する条例の一部改正等について伺う。
旅費は、旅行中に必要となる交通費、宿泊料等の経費に充てるため支給される費用、いわゆる実費弁償の一種であり、地方自治法第204条の規定によりその額並びにその支給方法は条例でこれを定めなければならないとされている。
これを受け、本県では職員等の旅費に関する条例を制定して旅費の種類や計算を規定しているが、具体的には交通費は鉄道賃、船賃、航空賃、その他として宿泊料、旅行雑費、移転料等について定めており、過去においては2002年に国内旅行について交通費の実費支給を実施し日当を廃止するといった、社会情勢の変化に対応した見直しを行ってきたと認識している。また、こうした見直しを行うに当たり、国家公務員の旅費制度を参考に他の都道府県における措置状況なども考慮した上で、かつ県民の理解と納得が得られるものとなるよう検討が進められたものと認識している。
今回の職員等の旅費に関する条例の一部改正は、宿泊料の実費支給を行うものであるが、今回、条例改正を行い、制度を見直すこととした経緯や考え方について伺う。
【理事者】
現在は全国的に交通機関の多様化が進み、また近年では急激な物価上昇による宿泊料金の高騰、規定額との乖離といった経済社会情勢の変化が認められる。こうした中、国は経済社会情勢の変化に対応するとともに事務負担を軽減するため、国家公務員等の旅費に関する法律を一部改正し2025年4月から実施することとした。そして、各都道府県も同様に旅費制度の見直しを検討している。
本県の旅費制度は国の制度を参考に定めていることから、法の改正趣旨を踏まえ、国と同じタイミングで見直しを行うこととした。
【委員】
今回の見直しは、経済社会情勢の変化に対応するとともに、事務負担軽減を図るために行われた国の旅費法の改正の趣旨を踏まえたこと、また、他の都道府県においても同様に見直しが検討されていることが主な理由とのことで理解した。
今回の見直しは比較的大規模になると思うが、主な項目及び改正内容について、どのようなものか改めて確認する。
【理事者】
主な見直し項目は、五点である。
一点目は、鉄道賃、特急利用の距離制限の廃止である。
二点目は、宿泊料の実費支給化である。定額支給を実費支給とし、名称を宿泊費に変更する。
三点目は、日当の見直しである。諸雑費を賄うため1日ごとに支給する日当を、宿泊旅行に限り1泊ごとに支給する宿泊手当に改める。
四点目は、旅行雑費の定額支給の廃止である。三点目の宿泊手当の支給に伴い廃止する。
五点目は、移転料の実費支給化である。二点目の宿泊料と同様、定額支給を実費支給とし、名称を転居費に改める。
【委員】
主な見直し項目は、特急利用の距離制限の廃止、宿泊料の実費支給化、日当の見直し、旅行雑費の定額支給の廃止、そして移転料の実費支給化とのことである。今回の見直しの大きなポイントは、宿泊料と移転料の二つの旅費で従来の定額支給から実費支給に改めることであると思われるが、宿泊料及び移転料の実費支給化について、見直しに至った考え方を伺う。
【理事者】
宿泊料及び移転料を定額支給としていた理由について、証拠資料に係る実務の簡素化が挙げられる。しかしながら、今日ではウェブサイトによる宿泊申込みの場合など領収書の入手は難しくないこと、業務プロセスの改善により事務負担の軽減を図ることから、実費支給とした場合にも大きな問題は生じないと考える。また、繁忙期の料金高騰にも対応できるメリットもある。
旅費の費用弁償の性格、県費の適切な支出の観点、そして経済社会情勢の変化への対応を総合的に踏まえると、宿泊料及び移転料についても制度本来の趣旨である実費支給とすることが適当と考える。
【委員】
宿泊料及び移転料については、旅費の費用弁償の性格、県費の適正な支出の観点等を踏まえ、制度本来の趣旨である実費支給とすることが適当と判断したと理解した。
宿泊料及び移転料については、今回の実費支給の実施に伴い名称をそれぞれ宿泊費と転居費に改めるとのことだが、このうち宿泊費について確認する。
これまで、宿泊料は定額支給のため、旅行者は規定の金額内で宿泊先を確保していたと思う。ただし、最近の宿泊費の高騰を鑑みると、旅行者の持ち出しが生ずる場合があった可能性もある。これが実費支給となれば、持ち出しがなくなるため大変よいことではないかと思う。しかし、実費支給といっても旅費は公費であるため、無制限に、必要以上に華美な宿泊先に宿泊してよいものではないのは当然である。
よって、公費の支給の観点を踏まえ、今後宿泊費はどのように支給することになるのか改めて伺う。
【理事者】
宿泊費については公費の支給であり、無制限に、必要以上に華美な宿泊先に宿泊してよいものではないことから、実費支給の実施に当たり国と同様、上限を設けることを検討している。
具体的な上限額は、国が地域の実情や職務を勘案して財務省令で定める国家公務員の金額を参考に規定し、国や他の地方公共団体との均衡を図りたい。
【委員】
宿泊費は公費の支給であり、実費支給に当たり上限額を設けることを確認した。そして、その上限額については、国が地域の実情等を勘案して財務省令で定める国家公務員の金額を参考に規定し、国や他の地方公共団体との均衡を図ることで理解した。
宿泊料及び移転料の実費支給化について、今回の改正条例案が可決された際には、申請を行う職員には証拠書類の確保が求められ、支払い事務を行う職員には証拠書類の内容確認などの事務が新たに必要になると思う。先ほどの答弁において、業務プロセスの改善により事務負担の軽減を図るとのことだが、少なくとも申請を行う職員と支払い事務を行う職員、双方の手間が増えることは間違いない。宿泊費及び転居費に限ったことではないが、職員の手間が大きく増えるようなことであれば結果的に人事行政全体のコストが増加し、せっかくの見直しの効果が薄れてしまうことも考えられる。
したがって、実務においては可能な限り申請側及び支払い側に不便を生じさせない、双方が支障なく手続を進められるようしっかり手順を定めてもらい、事務負担の軽減を図るなど、制度改正の実施を円滑に進められるよう確実に準備を進めてほしい。
今後も引き続き社会情勢の変化を踏まえ、旅費制度の不断の見直しに取り組んでもらうよう要望する。
《請願関係》
なし
《一般質問》
【委員】
来年度当初予算案の一般会計予算総額は2兆9,413億100万円である。来年度の当初予算案の歳出のうち、今後の財政運営を考える上で最も注視すべきは、いわゆる義務的経費の増加にある。人件費、扶助費、公債費、いわゆる義務的経費は来年度当初予算の一般会計予算総額のうち、実に46.4パーセントを占めている。
そこで、まず人件費、扶助費、公債費の義務的な経費は、来年度当初予算案ではそれぞれどのように計上されているのか、計上額の前年度対比、これまでの動きと比較してどうであるのか、その理由もそれぞれ伺う。
【理事者】
2025年度当初予算においては、人件費は6,447億円と前年度対比134億円の増加、扶助費については3,592億円と前年度対比127億円の増加、公債費は3,605億円と前年度対比69億円の減少を計上している。
人件費については、定年年齢の段階的な引上げにより、2025年度は定年退職者が生じない年度であるため、退職手当の減少を145億円見込む一方、1992年以来32年ぶりの水準となった2024年度の給与改定の影響で194億円増加していること等により、人件費全体としては増加となった。
扶助費については、2025年にかけて団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になることに加え、子ども・子育て支援の強化などに伴い、後期高齢者医療費負担金や施設型教育・保育給付費をはじめとする事業費が増額となっていること等により、引き続き増加となっている。
公債費については、2024年12月の普通交付税の再算定により、臨時財政対策債を償還するための基金の積立ての実施に要する経費が措置され、2024年度に前倒しして満期一括償還分の減債基金へ146億円積み立てることなどから減少するものの、引き続き高止まりしている状況である。
【委員】
今年度策定したあいち行革プラン2025では、財政運営の今後の取組についての進捗管理指標として、健全化判断比率、通常の県債の実質的な残高、そして基金残高が設定されているが、これらを指標とした理由とこれまでの行革大綱における指標との比較、そしてこれまでとの違いについて伺う。
【理事者】
本県の財政運営については、単年度の歳入だけでは歳出を賄えず、毎年度の当初予算で多額の基金取崩しを計上せざるを得ない厳しい財政状況が続いている。健全化判断比率は、総務省が定めている財政指標であり、他団体との比較が可能であること、通常の県債の実質的な残高については、その償還費が100パーセント交付税措置される特例的な県債である臨時財政対策債の残高や、満期一括償還分の減債基金の積立額等を控除することで将来の財政負担をより的確に表せることから、それぞれ指標として採用したものである。
また、基金残高を進捗管理指標に掲げている理由だが、本県は年度によって県税収入が大きく変動する財政運営上の特徴があることに加え、大規模災害など年度途中の不測の財政需要に機動的に対応できるよう、一定規模の基金残高を確保することを目的にしているためである。
いずれの進捗管理指標についても、依然として厳しい財政状況が続いていることから、前行革大綱であるあいち行革プラン2020から継続して進捗管理指標として設定しており、歳入、歳出全般にわたる不断の行財政改革に取り組み、健全で持続可能な財政基盤の確立を図っていく。
【委員】
あいち行革プラン2025の柱の一つである健全で持続可能な財政基盤の確立に向け、今後の財政運営を展望すると、引き続き増加が見込まれる扶助費に加え、民間企業の賃上げや定年年齢の引上げの影響を受ける人件費、金利上昇の影響を受ける公債費といった義務的経費の状況を注視していく必要があるとされている。また先ほどの答弁のように、本県においては自然災害のおそれも増してきている。
こうした状況の急激、急速な変化を受け、工夫した点、意を用いた取組について伺う。
【理事者】
人件費や扶助費といった義務的経費については、2025年度当初予算においても前年度対比で上昇しており、今後の状況を注視する必要がある。また、自然災害のおそれも増している中で、その防止につながる必要な公共投資等は確保する必要がある。
こうした中で、例えば人件費は、定年年齢が60歳から65歳に段階的に引き上げられる影響で退職者数が年度間で大きく変化することになるため、退職手当が大きく増減することのないよう、2023年度に退職手当平準化基金を設置し、2032年度にかけて退職手当の支払いが一定の水準となるように財政負担の平準化を図る工夫をしている。
また、金利上昇による公債費負担を抑制する観点からも、通常の県債の実質的な残高の維持・抑制に努める一方で、2025年度当初予算においては公共事業を1,674億円計上し、2024年度当初予算と同水準を確保するなど、必要な公共投資を確保したほか、可能な限り交付税措置のある県債を活用するなどの取組を進めた。
【委員】
様々な情勢の急激、急速な変化を受け、現在も県は様々な取組を工夫しているが、今後のデフレからの脱却、金利ある世界への回帰、急速な人口減少、高齢化の進行、身近に迫る自然災害の脅威などを考えると、強固な税財政基盤を確立することが急務である。そこで、従来型の緊縮財政の考え方にとどまるのではなく、今後の財政運営は成長社会の実現に向けてより一層知恵を絞っていく、いわゆるワイズスペンディングを志向すべきではないかと提案したい。
このワイズスペンディングは、経済学者のケインズの言葉で賢い支出という意味だが、これを財政に置き換えると、政策効果が乏しい歳出を削減し、政策効果の高い歳出に転換するものであり、歳出の内容を前向きに、不断に見直していくものである。
従来型の緊縮、歳出の縮減を考えていく後ろ向きの考え方から、前向きな考え方であるワイズスペンディングを今後県は志向していくべきだが、これに対する考えを伺う。
【理事者】
本県を取り巻く環境や社会経済情勢に様々な変化が生じている中で、健全で持続可能な財政基盤を確立することが不可欠である。こうした中、今後の財政運営に際してはワイズスペンディングを志向し、政策効果が乏しい歳出を徹底して削減して政策効果の高い歳出に転換するため、歳出の内容を前向きに、不断に見直していくことが重要である。
また、あいち行革プラン2025において、国による財政支援の最大限の活用を新たな取組として掲げており、各種施策を着実に進めるため、緊急防災・減災事業債といった交付税措置率の高い県債をはじめとする国の財政支援を積極的に活用している。
今後とも、歳入歳出全般にわたり、不断の行財政改革に全力で取り組むことに加え、本県の将来を見据えつつ、事務事業の見直しを行いながら、真に必要な分野に限られた財源を重点的かつ効率的に配分する予算編成に努めていく。
【委員】
2020年7月8日の国の経済財政諮問会議に提出されたワイズスペンディングに関する資料を見ると、ワイズスペンディングの徹底に向けてエビデンスを構築して検証すべきであること、またエビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング(EBPM)の仕組みと予算の重点化、複数年にわたる取組等の予算編成との結びつきを強化すべきであること、その際には地方自治体等によるエビデンスの構築の取組を支援すべきであり、また、EBPMの枠組みを強化し、有識者や研究機関等の協力を得て、政策の質を高めるためのエビデンスを継続的に構築すべきことなどが提案されていた。
これを本県に置き換えて考えた場合、理事者の答弁のとおりワイズスペンディングを徹底し、そうした志向をしていくためには、もちろん県庁内部での検討、そしてエビデンスの検証なども重要であるが、やはり外部の有識者の知恵など、客観的にエビデンスを構築していくことも有効、必要であると考える。
あいち行革プラン2025には、新規の個別取組事項として、国による財政支援の最大限の活用等もあり、ワイズスペンディングの志向に向けてエビデンスの構築などを国の施策に求めていくことになると、県もワイズスペンディングの志向やその施策効果のエビデンスの構築をしっかり行った上で、国に要望していくことが必要になってくる。また、そうしたエビデンスの構築をするためには、やはり県庁内部だけではなくて外部の取組、意見を参考としてもらうことで、新たな発想や思考が生まれ、有力な考え方を県庁内部に取り入れていくこともできると思う。
地方税収や義務的経費の状況に十分に注意を払う必要がある一方で、必要以上に萎縮することなく、インフラをはじめ公共施設等の維持管理の更新に必要な予算など、投資的経費はしっかりと確保しながら、新しい発想、多様な視点からのワイズスペンディング、強固な税財政構造上の構築、安定した財政運営に向けてのさらなる取組を要望する。
【委員】
県有施設のLED化について質問する。
令和7年2月定例議会における3月3日の一般質問で、県有施設のLED化について質問を行った。2023年の水銀に関する水俣条約第5回締約国会議で、2027年末までに水銀を使用した蛍光灯の製造、輸出入が禁止されることが決定された。この問題は蛍光灯の2027年問題と呼ばれ、対策が必要となっている。
そこで、本庁地区の本庁舎、西庁舎及び自治センターと県総合庁舎について、それぞれの施設における照明器具のLED化の現状を伺う。
【理事者】
本庁地区のLED化について、県有施設の省エネ化及び温室効果ガスの排出削減を図るため、2017年度に従来型の蛍光灯の設置本数が多く点灯時間が長い自治センターの蛍光灯についてLED照明への切替えを行った。これにより、自治センターにおいては執務室や会議室、廊下などで長時間点灯が見込まれる照明がLED化され、照明器具総数に占めるLED照明の割合は約65パーセントである。
一方、本庁舎及び西庁舎については、一部にLED照明が導入されているものの、照明器具総数に占めるLED照明の割合は1パーセント未満となっている。
【理事者】
県総合庁舎のLED化については、2017年度に先ほどの答弁にもあった自治センターと同様に西三河総合庁舎に導入し、翌2018年度に新城設楽総合庁舎を除く五つの総合庁舎に導入した。この取組により、執務室や会議室、廊下、トイレなど、職員や県民が使用する場所はほとんどLED照明に切り替わっている。
新城設楽総合庁舎については、2011年度に執務室や会議室などの照明器具を明るく省エネ効果の高い蛍光灯に切り替えていたこともあり、2018年度は庁舎全体のLED化は行わず、同年度に実施した長寿命化改修において天井改修を行ったエントランスホールやトイレなど、一部のLED化を行った。現在、新城設楽総合庁舎を含めた七つの総合庁舎全体で約82パーセントの照明器具をLED化している。
なお、現在建て替え中の知多及び豊田加茂総合庁舎については、新庁舎の照明は全てLED照明を採用する予定である。
【委員】
答弁のあった各施設の、今後のLED化の取組を伺う。
【理事者】
本庁舎及び西庁舎については、現在検討を行っている長寿命化改修において天井等の内装改修時に照明設備の取り外しが想定されることから、そのタイミングに合わせて全ての照明のLED化を進めていく。
また、自治センターについては、来年度、既にメーカーにおいて生産が終了しているナトリウムランプを使用した玄関ホール等の照明について、交換部品の調達が困難になっていることからLED照明への交換を行うこととしており、これにより自治センターのLED照明の割合は約72パーセントとなる見込みである。残る約28パーセントは、倉庫や機械室など点灯時間の限られる場所の照明が中心となるが、こうした照明についても今後の不具合の発生状況、蛍光灯製造禁止後の流通やストックの状況などを見極めながら引き続きLED化を進めていく。
【理事者】
総合庁舎については、既に8割以上の照明をLED化しているが、倉庫などの点灯時間が限られる場所を中心に蛍光灯が2割程度残っている。今後、総合庁舎の業務に支障が生じないよう、照明器具の状態や蛍光灯の在庫状況等を見極めながらLED照明への切替えを進めていく。
【委員】
蛍光灯の在庫なども、本庁舎は蛍光灯が切れるとすぐ在庫を持ってきて取り替えてくれることを見聞きしており、相当数在庫を持っていると思う。在庫はあえて捨ててしまう必要もないことに加え、LED照明に比べ電気代はその分かかるが、廃棄物にならないようにすることも大事である。在庫状況も重要であるため、使用できるものは使用して廃棄すべきではないことも要望する。
あわせて、基本的なことだが、照明器具が不足することはないと思うが、県政の執行に支障が出ないよう、場合によっては、リース契約をしてでもしっかりと期限までに管理ができるよう要望する。
別の質問に移るが、パブリックコメント制度は、県が重要な計画等を作成する際に、県民が直接県の計画案などに意見を伝えることができる大変意義のある制度である。
パブリックコメント制度の概要や県民の意見提出方法を伺う。
【理事者】
県では、広く県民生活に影響を与え、県行政執行上重要な施策や事業の展開方針を定めるに当たり、幅広く県民から意見を聞くパブリックコメントを実施している。意見を募集する際には記者発表を行い広く周知するほか、県ウェブサイトや県広報紙広報あいちへの掲載、県民相談情報センターなどへの計画案等の配布などにより、少しでも多くの意見が寄せられるよう努めている。
また、パブリックコメントの実施に当たり、広報広聴課が策定した実施要領では、意見募集の期間は30日以上、意見の提出方法は郵便、ファクス、電子メールによることとしている。
なお、提出された意見は計画指針等作成の参考にするとともに、提出された意見に対する県の考え方を取りまとめ、県ウェブサイトに掲載している。
【委員】
この質問をするきっかけとなったのは、来年度スタートする愛知県の子育て支援計画、いわゆるはぐみんプラン2029のパブリックコメントを見たことがきっかけであり、最近は業務においてDX化、デジタル化を推進しているが、次期はぐみんプランのパブリックコメント募集では子供、若者からの意見も大人からの意見も共に募集していた。
しかし、回答方法に違いがあり、子供、若者からの意見募集ではウェブによる回答を可能としていた一方、大人からのものでは、ファクス、電子メール、郵便のみ可能でウェブは不可となっていた。なぜ大人はウェブ回答できないかを子育て支援課に確認したところ、子供、若者からのデジタル回答方法は独自にシステムを作成したが、原則はファクス、電子メール、郵便との説明がった。
パソコンやスマートフォンは仕事でも一般生活でも普及しており、様々な手続がウェブによることが多くなっているため、原則をファクス、電子メール、郵便とすることは、今の時代にはそぐわないのではと思った。
意見の提出方法について県の実施要領で郵便、ファクス、電子メールによることとしているとのことだが、デジタル化が進展しSNSなど新しいデジタル技術、サービスも普及する中で、県民がふだん使用している情報伝達ツールも様々である。したがって、提出方法を広げることにより、より多くの県民の意見を募集しやすくなると考えるが、県としての考えを伺う。
【理事者】
パブリックコメント制度実施要領作成当時は、郵便、ファクス、電子メールによる提出方法で十分対応できていたと考えており、この募集方法としていた。しかしながら、LINEやエックス、インスタグラムなど、SNSの普及によりこれらを日常的な連絡ツールとして使用する人が増加しており、こうした人の中には電子メールを使用せずメールアドレスも持っていない人もいる。広報広聴課としても、県民の意見提出方法の選択肢を増やし、利便性の向上を図る必要がある。
このため、例えば愛知県電子申請・届出システムやマイクロソフトフォームズやグーグルフォームなどのオンライン上のアンケートフォームなど、意見募集を行う所属が適切と考える提出方法を追加で定めることができるよう、来年度早々にも実施要領の変更を検討する。なお、インターネットを利用しない、利用できない県民にも意見を提出してもらえるよう、引き続き郵送、ファクスなどの従来の提出方法も維持する。
パブリックコメントの制度趣旨を鑑み、少しでも県民が県の計画等に意見を提出しやすくなるよう、今後も必要に応じて募集の周知から意見提出方法まで、時代に合ったものとなるようアップデートしていく。
【委員】
自分自身、様々な会議に参加する際などに、今例示のあったグーグルフォームをよく使用するようになり、QRコードを読み込むと該当するサイトに飛ぶことが一般的になった。
このグーグルフォームは、専門技術を持つ人が設定しないと使用できないかというとそうではなく、個人でも設定できるようにグーグルフォームの作り方がユーチューブで閲覧できるほどに一般的になってきている。
そのため、来年度早々にも一選択肢としてデジタル回答も可能とすることを目指すとのことだが、県民の利便性向上、また、パブリックコメントを回収・分析する職員の働き方改革にもつながるのではないかと思う。新年度から早急に対応してもらうよう要望する。
【委員】
近年、自治体だけでなく民間企業も人材不足であるため、職員の確保は喫緊の課題であり、新卒者を中心に人材の確保競争が激しくなっている。名古屋市において、職員採用試験で社会人枠を新設し、適性検査を導入して試験の見直しなどが行われるとの新聞記事が載っており、そういう時代かと思った。
本県も同様の採用試験を実施していると聞いているが、社会人を対象とする試験の種類と試験概要を伺う。
【理事者】
本県においても、新規学卒者に限らず多様な経験や価値観、視点を有する者など幅広く人材を確保するため、社会人採用を実施している。実施している社会人を対象とした主な試験は、民間企業等職務経験者試験、社会人試験、国家公務員総合職等行政実務経験者選考がある。
各試験の概要は、まず民間企業等職務経験者試験については、民間企業等で職務経験を有する者を対象とした試験であり、即戦力となる人材の確保を目的として2007年度から実施している。
次に、社会人試験については、就職氷河期世代を中心に、やむなく非正規雇用にとどまっている者を対象とした学歴や職務経験を不問とする試験であり、2016年度から実施している。
最後に、国家公務員総合職等行政実務経験者選考については、国、都道府県等での行政実務経験者を対象とした試験であり、即戦力として困難な行政課題に取り組む人材の確保を目的として、2022年度から実施している。
【委員】
近年の受験者数の状況並びにその状況を踏まえた試験の見直しの内容を伺う。
【理事者】
近年の受験者数の状況については、競争試験全体で2021年度に2,933人と3,000人を割り込んだが、2022年度に日程を1か月程度前倒ししたことにより、3,948人と対前年度比で1,000人以上増加した。その後、民間企業における旺盛な採用意欲などを背景として減少傾向となっており、2023年度では3,568人、2024年度では2,929人と推移している。
こうした状況を受け、社会人試験において、2025年度から氷河期世代に加え、育児や介護、病気などでやむなく非正規雇用にとどまっている人も受験できるよう、受験年齢について38歳から54歳までを30歳から61歳までに拡大することとしており、募集数についても前年度より増やす予定としている。
【委員】
本県であっても、5倍、6倍あった倍率が下がっており、試験を前倒しして少し上がったが、また下がってきており、これからもさらに下がっていくと推測される。その中で、社会人枠は非常に有効だと思っているが、今後どのように社会人採用を進めていくのか伺う。
【理事者】
社会人採用については、先ほど答弁した取組のほか、2025年度から第1回試験の事務職において適性検査SPI3を活用した試験区分行政Ⅲの創設や、かつて愛知県職員であった者を対象とした職員再採用(カムバック採用)選考の導入といった新たな取組を始めた。職員の確保に当たり、新規学卒者だけでなく、第二新卒などの転職希望者、本県で腰を据えて働きたい職務経験者などを積極的に採用する必要があるものと認識しており、今後も国や他の都道府県などの動向を注視しつつ、多様な方策を取り入れながら、社会人採用にもしっかりと取り組んでいく。
【委員】
経験豊富な人材を採用することは非常に重要であり、これからはそういう時代だと思うため、社会人枠を広げてもらい、積極的に取り組んでほしい。
もう一点、人材を確保した後の離職をどう止めるかについて、職員のモチベーションを保つためにも、人事は大変重要である。最近、民間の人と話をすると、総合職から職能型、ジョブ型、最近はスキル型まで細分化していて、一つの事業を1人で最初から最後までやるのではなく、個々に持つスキルをうまくはめ込んでいくやり方が増えていると聞いている。
また、従業員のモチベーションを上げる目的で社内公募やフリーエージェント制などを取り入れている企業もあると認識しているが、今後、本県の職員のモチベーション向上に向けた取組についての考えを伺う。
【理事者】
現在、職員の人材確保、離職防止が大変重要となっている。特に職員のやる気やモチベーション向上については、その職員の能力や経験を生かし、主体的にキャリア形成しながらしっかりと働いてもらうことが重要である。
そこで、具体的な取組として、上司と部下の対話を通じて職員のやる気を引き出すために、1оn1ミーティングを実施している。加えて、職員のチャレンジ精神を尊重した庁内公募であるやりたい仕事挑戦制度を実施している。加えて、今後の職員のキャリアの形成の道しるべとなるキャリアプランを職員に示しており、これらを活用しながら計画的、効果的に取り組んでいる。
今後も、愛知県人材育成基本方針に基づく、人を育てる施策を通じた総合的な人材育成の推進やワーク・ライフ・バランスの向上などにしっかりと取り組みながら、職員のやる気やモチベーション向上につなげ、業務に当たらせていく。
【委員】
人を育てることが重要であり、これからは自治体を取り巻く環境が大きく変化するとともに、県だけで解決できる問題が少なくなると思う。それに対応するために専門性を持つNPOなどの様々な団体とどう連携していくかが一番大事である。そういう意味では、専門知識を持った外部の人と連携し、社会課題を克服していくためのスキルをどう身につけるかも大事なことだと思う。
従来の単純作業はさらにDXで機械化、単純化されていくため、その余ったパワーをどのように社会問題に向け、そして、現場で起きていることは何かをしっかり身につけた上で、県庁内だけではなく外部の団体と課題を解決していく力が県には必要だと思う。
自治体の中でも、市町村は現場があるわけだが、県は中間管理職のような立ち位置であるため、全体の絵を描いていくことが重要な役割だと思う。それを踏まえ、今後の職員の育成をどのように行うのか伺う。
【理事者】
人材育成については、各個人の問題もあるが、組織としても、しっかりと取り組んでいかなければならない。特に若手職員は、入庁してから育成して、長く離職せずに勤められるように、また、中堅職員についてもさらに上を目指すようにモチベーションを維持しながらしっかりと仕事に当たらせていく。
個別具体的な取組については、今後様々に検討していくが、県庁を運営するために、現在、人事交流なども国、他県、市町村、民間企業などと行っているため、そのような経験を通じた職員の育成にも努めていく。
【委員】
ハラスメントの種類も増え、今後さらに価値観が多様化することが予想されるなど、環境の変化はすさまじいものがあるため、それにしっかり対応できるよう、勉強会や研究会の開催による情報のやり取り、意見交換、若手の意見を聴くなど、上司から部下への一方通行ではなく、相互理解を図るための取組をしっかりと行ってもらい、人材育成に努めてほしい。
( 委 員 会 )
日 時 令和7年3月17日(月) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
今井隆喜、日高 章 正副委員長
水野富夫、高桑敏直、辻 秀樹、杉江繁樹、杉浦正和、富田昭雄、
日比たけまさ、福田喜夫、島 孝則、木藤俊郎 各委員
政策企画局長、企画調整部長、国際監、ジブリパーク推進監、
総務局長、デジタル戦略監、総務部長、財務部長兼財政課長、
人事局長、人事管理監兼人事課長、
会計管理者兼会計局長、同次長、
監査委員事務局長、同次長、
人事委員会事務局長、同次長兼職員課長、
議会事務局長、同次長、関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
〇 議 案
第 1 号 令和7年度愛知県一般会計予算
第1条(歳入歳出予算)の内
歳 入
歳 出
第1款 議会費
第2款 総務企画費の内
第1項 政策企画費
第2項 総務管理費
第3項 徴税費
第4項 市町村振興費
第5項 選挙費
第8項 監査委員費
第9項 人事委員会費
第11款 公債費
第12款 諸支出金
第13款 予備費
第3条(債務負担行為)の内
豊田加茂総合庁舎・豊田加茂福祉相談センター集約化整備工事
設楽公舎実施設計
自治センター無停電電源装置更新工事
自治センター空調設備改修工事
奥三河総合センター施設設備整備工事
地方債証券の共同発行によって生じる連帯債務保証
第4条(県債)
第5条(一時借入金)
第6条(歳出予算の流用)
第2号 令和7年度愛知県公債管理特別会計予算
第3号 令和7年度愛知県証紙特別会計予算
第 18 号 刑法等の一部を改正する法律等の施行に伴う関係条例の整理等に関する条例の制定について
第 21 号 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例等の一部改正について
第 22 号 財政状況の公表に関する条例の一部改正について
第 23 号 愛知県手数料条例の一部改正について
第 24 号 愛知県県税条例等の一部改正について
第 25 号 愛知県職員定数条例の一部改正について
第 26 号 職員の退職手当に関する条例等の一部改正について
第 27 号 職員の給与に関する条例等の一部改正について
第 28 号 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正について
第 29 号 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部改正について
第 30 号 知事等の給与の特例に関する条例の一部改正について
第 31 号 職員等の旅費に関する条例の一部改正等について
第 57 号 教育委員会の委員の選任について
第 58 号 監査委員の選任について
第 59 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(小林俊雄)
第 60 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(黒田勝春)
第 61 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(山下三千男)
第 62 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(鈴木惣和)
第 63 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(川口正康)
第 64 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(中根靜夫)
第 65 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(榊󠄀原満男)
第 66 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(山本 忍)
第 67 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(山本昌弘)
第 68 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(石井克也)
第 69 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(岩田靖宏)
第 70 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(深井淳二)
第 71 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(磯貝政男)
第 72 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(長谷川桂子)
第 73 号 愛知海区漁業調整委員会の委員の選任について(鈴木敏且)
第 74 号 包括外部監査契約の締結について
第 99 号 教育委員会教育長の選任について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第1号から第3号まで、第18号、第21号から第31号まで及び第74号
全員一致をもって同意すべきものと決した議案
第57号から第73号まで及び第99号
○ 請 願
第 81 号 「『消費税5%引き下げを求める意見書』採択を求める」について
第 82 号 「『インボイス制度廃止を求める意見書』採択を求める」について
(結 果)
賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
第81号及び第82号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 行財政について
2 国際交流の推進について
3 地域振興について
4 地域及び県行政の情報化の推進について
5 防災対策及び安全なまちづくりの推進について
6 政策企画局、総務局、人事局、防災安全局、会計局、選挙管理委員会、監査委員及び人事委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(34件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 請願審査(2件)
4 委員長報告の決定
5 2025年度の税制改正に伴う愛知県県税条例等の一部改正についての説明
6 一般質問
7 閉会中継続調査申出案件の決定
8 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
第28号議案、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正について伺う。
少子高齢化が進み、労働力人口が減少し始めた状況において、企業が持続可能な成長を続けるためには働き方の改革が必要との認識の下で、労働時間の短縮や労働環境の改善を目指すために企業に対して様々な法改正や政策が導入されている。本県の職員においても、今年4月1日からは勤務間インターバル制度の運用開始や、来年1月からはフレックスタイム制度と併せ週休3日制の働き方も可能とする制度の導入を1月15日に公表している。
特に、フレックスタイム制度は、多様な働き方としてリカレント教育、子育てや介護、ボランティア活動、プライベートの時間に充てることによるメンタルのリフレッシュなど、ワーク・ライフ・バランスの観点からも効果的な働き方と理解している。一方、新たな勤務制度導入は、各部局の担当業務が滞ることのないよう慎重に進めていくことも重要である。
そこで、来年1月からのフレックスタイム制度を進めるに当たり、勤務間インターバル制度は、今年4月から開始するとのことだが、フレックスタイム制度の運用開始が2026年1月1日である理由を伺う。
【理事者】
フレックスタイム制度が職員に活用される制度となるためには、各職員が制度についての理解を深めるとともに勤怠管理を行う班長などの管理監督者の負担も配慮する必要がある。このため、制度の内容はもとより、職場全体で相互理解や協力体制を構築していくための周知期間を十分に設けることとし、また勤怠管理を自動化するためのシステム改修を行った上で2026年の1月1日から導入することとした。
なお、勤務間インターバル制度は終業時刻と翌日の始業時刻との間を11時間空けることを努力義務としているが、比較的制度が分かりやすい、制度の周知に時間を要しない、システム改修が必要ないことにより、速やかに制度を導入する。
【委員】
フレックスタイム制度が導入されると、年次休暇を消化しなくとも週休3日にすることができるなど柔軟な働き方が可能になる一方で、年次休暇の取得率に影響が及ぶ可能性もある。年次休暇取得率を低下させないための取組について伺う。
【理事者】
年次休暇の取得促進は、従来から総勤務時間の縮減に向けた取組として、時間外勤務の縮減や定時退庁の徹底などと併せて継続的に取り組んできた。フレックスタイム制度の導入により、年次休暇の取得が減少する方向に作用する可能性はあるが、総勤務時間を縮減させるためには引き続き年次休暇の取得促進を進めていく必要がある。
本県では2023年度から職員の休み方改革の取組を進めており、年末年始などの大型連休に合わせた連続休暇の取得促進や、職員が希望する時期に連続休暇を設定するあいちマイ・ウィーク・プランを実施している。引き続き、こうした休み方改革の取組などを通じ、職員の総勤務時間の縮減やワーク・ライフ・バランスの一層の向上を目指していく。
【委員】
フレックスタイム制度下で業務を進めるに当たり、コアタイムが設定されているが、勤務時間の変化から担当者が不在になり業務が滞ることが心配されることもある。こうしたことを懸念し、制度の活用をためらう職員が出てくるのではないかと考えられるが、これらの点について今後どのように取り組むのか。
【理事者】
フレックスタイム制度の導入に当たり、制度を利用しやすい職場環境づくりを進めるとともに、制度を利用しない職員に過度な負担を与えることがないよう、職場全体で支え合う体制を構築することも必要である。そのためには、制度を利用する職員の責任感と自律心の醸成や管理監督者のマネジメント力の向上、さらには職場全体で制度に対する職員間の相互理解、協力が重要となる。
適切な制度設計や勤怠管理システムの改修に加え、研修の実施やマニュアルの整備などを通じ、職員一人一人が制度についての理解を深めて意識改革につなげられるように取り組んでいく。
【委員】
最後に要望する。フレックスタイム制度のメリットを生かすため、仕事の進捗状況やチームとの連携を調整する必要があるが、上手に活用すれば非常に快適に働ける環境が整えられるものと理解している。来年1月からの運用までの限られた時間だが、日々の業務対応においての課題の洗い出しを進めてもらいながら、特に全員が同時に勤務していない時間があることから、リアルタイムでのコミュニケーションが取りにくくなり情報共有の遅れや意思疎通の問題が発生することがないよう、効果的なコミュニケーションの仕組みづくりを願う。
また、勤務管理においては、業務管理ツールを導入するなど個人ごとの適切な勤怠管理と併せ、積み上がった時間外労働時間に対して下命により強制的に休日を取得させることや週休3日制の運用が担当者ベースで偏らないような勤怠管理を推進してもらいながら、真の柔軟な働き方改革になるよう要望する。
【委員】
歳出第2款総務企画費の第2項総務管理費第10目財産管理費のうち、西庁舎長寿命化改修費について伺う。
県庁の西庁舎は、1回目の東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開通した1964年、昭和39年に建築されたものであり、今年度で築60年、言わば還暦を迎えた庁舎である。2004年度に免震化による耐震改修が行われているが、建物の外部、内部共にこれまでまとまった改修工事は行われていないと聞いている。
今回、西庁舎について長寿命化改修工事が行われるが、改修においては施設の老朽化対策だけではなく、行政庁舎としての機能強化についても併せて実施するとされている。具体的な機能強化としては、オープンフロア型オフィスの導入など、昨年12月に策定されたあいち行革プラン2025でも掲げられているより働きやすい執務空間の確保や職員のウェルビーイングの実現につながる内容も検討されていくと認識している。
そこで伺うが、まず今回の西庁舎長寿命化改修におけるオープンフロア型オフィス導入の効果についてどのように考えているのか。
愛知県庁西庁舎
オープンフロア型オフィスの導入の効果として、まず現在の課室間などにある間仕切り壁が取り払われることで、執務スペースとして活用できる面積が広がり、オフィス空間に開放感やゆとりが生まれ、快適性が向上すると考えている。また、配席の自由度を向上させるため、床の段差を解消するとともにOA機器等の配置に合わせて電源の位置を変更できるよう、電気・通信の配線類を天井から引き込むことを検討している。
こうしたことにより、組織の改編や職員数の変化に合わせた課室面積の調整が可能となることや、各課室における業務を効率的に行うための配席、また固定席を設けないフリーアドレスの導入が行いやすくなるなど、執務スペースの運用の柔軟性が高まるといった効果も期待できる。
【委員】
効果について理解した。自分自身もソフトバンク株式会社などの民間企業を視察した際には、どこもオープンフロア型の様式でオフィスが整備されており、行政も見習わなければいけないと思っていた。
オープンフロア型オフィスの導入により様々な効果を見込んでいることは理解したが、働きやすい執務空間とするためには、昨今の温暖化による夏の酷暑、あるいは今年のような厳冬に対応する室内の快適な温熱環境の確保も必要である。
今回の西庁舎長寿命化改修において、冷房や暖房といった空調面についてどのように考えているのか。
【理事者】
今回の西庁舎長寿命化改修において、執務スペースの空調設備について全館空調方式から個別空調方式への変更を検討しており、これにより必要な時間帯に必要なスペースで空調設備を運転できるなどの効率化が図られると考えている。加えて、外壁や外部建具について断熱仕様のものへの更新を検討しており、これにより夏は涼しく、冬は暖かい快適な室内空間が創出され、執務環境のさらなる改善が期待できると考えている。
【委員】
執務空間の改善について理解した。一方で、職員の働く環境は執務空間のみならずトイレなどの衛生環境の改善も重要である。昨今の新入職員などは、これまでの人生の中で和式トイレなどを利用することもあまりなかっただろうし、障害を持つ人などはバリアフリーのトイレが当然必要となると思うが、今回の西庁舎長寿命化改修ではトイレの改修も検討しているのか。
【理事者】
西庁舎に現在ある多くのトイレは、25年前の1999年度、平成11年度に更新されたものであるが、洋式トイレの数が少ないことに加え、衛生面の改善やバリアフリーへのさらなる対応といった課題が生じているため、利用者のニーズに合わせた快適なものに更新していく必要がある。そのため、洋式トイレの増設、衛生面の向上のための床の乾式化を行うとともに、車椅子使用者等の要配慮者の利便性を増進するためのバリアフリートイレの増設や、性別を問わず誰もが利用できる独立個室型のトイレの設置について検討している。併せて、人感センサー付きのLED照明の導入を検討し、省エネ性や利便性の向上を図る。
【委員】
これまで、執務空間とトイレの改善について質問したが、このほかにも、より働きやすい執務空間の確保や、来庁者へのサービスの向上などにつながる機能強化として考えていることがあれば伺う。
【理事者】
執務空間としては、オープンフロア型オフィス導入のほか、多様で柔軟な働き方への対応に向けた機能強化としてテレワークやオンライン会議に使用可能なブースや、来客対応、打合せなど課室の枠を超えて利用可能なワークスペースの設置、会議室専用フロアの整備などを検討している。これらは、先ほど答弁したオープンフロア型オフィスの導入に伴う間仕切り壁の撤去や、個別空調化に伴う空調機械室の廃止の結果、新たに創出されるスペースを活用することを想定している。さらに、来庁者の利便性向上を図るため、先ほど答弁したトイレの整備のほか、玄関に至るスロープの増設や扉の自動ドア化を実施することでバリアフリーを推進していく。
来年度実施する西庁舎長寿命化改修基本設計の中において、これらの機能強化についてより詳細な検討を行い、職員にとって働きやすく、また県民にとって利便性の高い行政庁舎の実現を目指す。
【委員】
我が国の少子化が進む中、官民を問わず優秀な人材確保が課題になっている。若い人材に選ばれる職場になるためには、働きやすい環境づくりがどうしても必要である。また、オフィススペースの確保には現在フロアの多くを占めている紙資料の整理も必要である。民間企業ではコピー機の使用を控えるなど、紙資料削減の工夫がされている。これはSDGsの観点からも重要な取組であり、西庁舎の改修だけではなかなか難しいと思うので、これは全体の行政改革として考えてほしい。
西庁舎については、これから長寿命化改修を行うわけだが、単なる老朽化対策ではなく行政庁舎としての機能強化を図り、そして現代に求められる職場環境を基本設計段階でしっかり検討し、改修計画に反映していくことを要望し、この件については質問を終了する。
続いて、第2款総務企画費第4項市町村振興費の第2目自治振興費、東三河振興ビジョン推進費について伺う。
東三河地域は県内でも先行して人口の減少局面に入っていたことから、2014年度から東三河人口問題連絡会議を毎年開催し、人口問題への対応を市町村と議論するとともに、2022年度からは東三河振興ビジョン2030の重点プロジェクトとして、移住・定住の促進や関係人口の創出に産学官が連携して取り組むなど、人口減少に伴う地域社会の担い手不足には積極的に対応してきたと認識している。
しかし、今後、人口減少がさらに進行していくと、担い手不足の影響は地域社会の担い手にとどまらず、市町村職員にも及んでいくと想定される。報道によると、沖縄の離島の渡名喜村では新年度、定年退職などで職員の数が減少し、定数の半分ほどが欠員となるおそれがあるとのことである。自治体の職員不足は、全国的にも話題になっている。
本県においても、職員数の最も少ない奥三河地域の3町村の職員数は、2024年4月1日現在の総務省地方公共団体定員管理調査結果によると、設楽町では106人、東栄町は94人、豊根村は51人となっている。
地方分権が進み、各団体が地域の特性やニーズに応じた政策を実施しやすくなった一方で、財政基盤の脆弱な団体は規模が小さく、その持続可能な行財政運営が非常に大きな課題となっている。
今後、人口減少が一層進むとその傾向はさらに強くなる。従来と同じ規模で職員を確保し続けることは難しいため、現在と同じ水準で行政サービスを提供し続けることができるのか心配である。地方分権を前提に、都道府県がどのように支援していくのかを地方分権との緊張関係の中でしっかりと検討し、問題意識を共有していくことは非常に重要なことである。
こうした中、本年2月21日に開催された議案説明会では、来年度の東三河振興ビジョン推進費に関し、人口減少下おける小規模市町村との連携に関する調査研究を行うとの説明があった。はじめに、この調査研究の県の予算額、財源及び目的を伺う。
【理事者】
県の予算額、財源について、本調査研究は一般財団法人地方自治研究機構と共同で実施するものであり、総事業費は1,500万円、このうち6割に当たる900万円を一般財団法人地方自治研究機構が負担し、4割に当たる600万円を県が負担する。この600万円が県の予算計上額であり、財源は全額一般財源である。
次に、目的について、北設楽郡の3町村においては少子化により年少人口が減少しており、行財政基盤の担い手である新たな職員を確保することが今後さらに難しくなっていくことが想定される。こうした状況を踏まえ、東三河県庁と一般財団法人地方自治研究機構が共同で、人口減少下において小規模市町村が持続可能な行財政基盤を確立していくための都道府県と市町村との連携方法について、調査研究を行うものである。得られた知見を報告書として取りまとめ、本県は今後の具体的な検討に生かしていくとともに、一般財団法人地方自治研究機構は報告書をホームページに掲載し、全国の地方公共団体に向けて情報提供する。
【委員】
調査目的、財源などを理解した。今回の調査研究では、人口減少下における小規模市町村の持続可能な行財政基盤の確立について、都道府県と市町村との連携方法についての調査研究を行うということである。そこで、今回共同して調査研究を行う一般財団法人地方自治研究機構とはどのような団体であるのか、また、調査研究はどのような体制で進めていくのか伺う。
【理事者】
一般財団法人地方自治研究機構は、地方自治の充実発展に寄与するとともに、活力ある地域社会の実現に資することを目的として、地方公共団体が少子高齢化、国際化、経済構造の変化等に伴い対応を迫られる課題に関する調査研究を実施している。これまでに約400件に上る共同調査研究を実施しており、調査研究について豊富な知見を持つ団体である。
次に、調査研究体制について、モデル市町村の職員、一般財団法人地方自治研究機構の研究員、東三河県庁職員で構成する研究チームを設置し、様々な情報の収集、分析、検討を行う。さらに研究チームの構成員に加え、研究テーマに精通した学識経験者や東三河ビジョン協議会委員も参画する調査研究委員会を開催し、研究チームと意見交換を行う。こうした体制により、研究チームが調査研究委員会の有識者の専門的な指導・助言を受けながら調査研究を行うことができる体制を整備する。
【委員】
団体の概要、そして調査研究の体制について理解した。
効果的な調査研究を行うためには、適切なスケジュール管理も重要になる。先ほどの答弁で、研究チームと有識者等による調査研究委員会を設置するとのことだが、どのような検討日程とする予定か伺う。
【理事者】
本年4月からモデル市町村の選定作業に入り、市町村の意向を確認し、5月にモデル市町村を決定する。モデル市町村の選定と並行し、調査研究委員会の委員に就任する市町村行財政関係の学識経験者も選定する。6月には調査研究委員会と実働部隊となる研究チームを立ち上げ、調査研究をスタートさせる。以降は、研究チームから調査研究委員会への中間報告、最終報告を経て、来年3月に調査研究委員会が報告書を取りまとめる予定である。
この調査研究を実りあるものとするため、県職員のほかに市町村、一般財団法人地方自治研究機構の職員や学識経験者、東三河ビジョン協議会委員などの様々な立場の人に参画してもらい、連絡調整を密に行って年度内に調査結果を報告することができるようしっかりと進捗管理して進めていく。
【委員】
県の予算も投入する以上、調査研究の内容が実態に即した実効性のあるものになることが重要である。全体事業費1,500万円、この4割に当たる600万円は本県の負担となる。調査研究については、県としても責任を持つ必要があるが、具体的な調査研究の内容はどのようなものを想定しているのか。
【理事者】
今回の調査研究は、モデル市町村の現在の行財政状況や事務執行、行政サービス提供の状況を把握した上で、人口減少の進行に伴い、今後発生する行財政運営上の課題を整理分析し、広域連携、民間企業との連携、デジタル技術の活用、外部人材の確保など様々な観点から解決に向けた方策を検討していく。その結果を踏まえ、都道府県による人口減少下における小規模市町村との連携方法などについて提言を取りまとめる。
調査研究を進めるに当たり、モデル市町村の意向や実情を十分に把握し調査結果に反映させるなど、市町村にとっても有意義な調査研究内容となるよう、県として責任を持ってしっかりと取り組んでいく。
【委員】
今後、人口減少、高齢化の急速な進行により、退職者が増えて必要な職員が確保できず行政サービスの水準の維持が難しくなる団体が近い将来必ず出てくると思われる。対応は今から考えておく必要があり、そうした団体が出てから検討するのでは遅い。行政サービスが維持できないと住民は他地域に行ってしまい、人口減少がまた一層進む。何とかしなければならないが、都道府県も職員の確保は厳しく、こうしたことを支援することは難しい。
こうした中で、本県の東三河県庁が外部資金をうまく活用してこの調査研究を行うとのことであるため、着実に提言を取りまとめもらい、本県として活用してほしい。その上で全国に情報提供することは、大変意義のあることだと思う。しっかりとした取組を期待する。
【委員】
歳出第2款総務企画費のうち第1項政策企画費の第3目国際交流費の(4)ビクトリア州・江蘇省友好提携45周年記念事業費について伺う。
まずはこのビクトリア州・江蘇省友好提携45周年記念事業費について、具体的な事業内容を伺う。
【理事者】
記念事業として、知事等を団長とする使節団がビクトリア州及び江蘇省に渡航し、それぞれの地域において州や省が主催する記念行事に参加し、州や省の政府高官との会談を行う。また、県内ではビクトリア州及び江蘇省から政府高官を招聘し、知事との会談や県主催の歓迎会を実施するほか、愛知万博20周年記念事業と連携して今年7月に愛・地球博記念公園で開催を予定している地球大交流フェスタにおいて、ビクトリア州及び江蘇省の文化芸術を広く県民に紹介するブース出展やステージイベントを行う。
こうした事業の実施を通じ、両地域との友好交流のさらなる発展を図っていきたい。
【委員】
使節団が両州と省を訪問して政府高官と会談を行う、またはこちらに招聘して、特に愛知万博20周年記念事業と提携した地球大交流フェスタでブース出展やステージイベントを行うとのことだが、愛知万博20周年記念事業における地球大交流フェスタはどのようなイベント内容なのか。
【理事者】
愛知万博20周年記念事業の地球大交流フェスタにおけるブース出展及びステージイベントについては、ビクトリア州及び江蘇省の文化芸術を広く県民に紹介するものとしたい。例えば、2020年度に実施した愛知県・ビクトリア州・江蘇省友好提携40周年記念フェスティバルでは、アボリジニアートの絵付けや中国こまを体験できるブースを出展したほか、ステージイベントとしてアボリジニの管楽器ディジュリドゥや中国の伝統的な弦楽器二胡の演奏を実施した。
来年度の愛知県・ビクトリア州・江蘇省友好提携45周年記念事業におけるブース出展やステージイベントの具体的な内容については、ビクトリア州及び江蘇省とも調整して決定していく。
【委員】
文化芸術を広く県民に紹介するイベントを目指しており、詳細の内容については両州、省と検討していくとのことであるが、本年2月に自由民主党愛知県議員団畜産振興議員連盟でオーストラリアを訪問した際、在メルボルン日本国総領事館を訪問し総領事と懇談したところ、この愛知県・ビクトリア州・江蘇省友好提携45周年記念事業をしっかり成功させたいと言っていたため、今後の取組についてはよろしくお願いしたいと思う。県内においては、オーストラリアでは大府市とポート・フィリップ市、知立市とウインダム市、豊明市とシェパトン市が文化交流を行っており、江蘇省に関しては半田市と徐州市、常滑市と宜興市で友好交流を行っている。
ぜひ、この愛知県・ビクトリア州・江蘇省友好提携45周年記念事業が一過性のイベントに終わることなく、これを機会にしっかりと国際交流の輪が広がっていくように取り組んでもらうことを要望する。
【委員】
第31号議案の職員等の旅費に関する条例の一部改正等について伺う。
旅費は、旅行中に必要となる交通費、宿泊料等の経費に充てるため支給される費用、いわゆる実費弁償の一種であり、地方自治法第204条の規定によりその額並びにその支給方法は条例でこれを定めなければならないとされている。
これを受け、本県では職員等の旅費に関する条例を制定して旅費の種類や計算を規定しているが、具体的には交通費は鉄道賃、船賃、航空賃、その他として宿泊料、旅行雑費、移転料等について定めており、過去においては2002年に国内旅行について交通費の実費支給を実施し日当を廃止するといった、社会情勢の変化に対応した見直しを行ってきたと認識している。また、こうした見直しを行うに当たり、国家公務員の旅費制度を参考に他の都道府県における措置状況なども考慮した上で、かつ県民の理解と納得が得られるものとなるよう検討が進められたものと認識している。
今回の職員等の旅費に関する条例の一部改正は、宿泊料の実費支給を行うものであるが、今回、条例改正を行い、制度を見直すこととした経緯や考え方について伺う。
【理事者】
現在は全国的に交通機関の多様化が進み、また近年では急激な物価上昇による宿泊料金の高騰、規定額との乖離といった経済社会情勢の変化が認められる。こうした中、国は経済社会情勢の変化に対応するとともに事務負担を軽減するため、国家公務員等の旅費に関する法律を一部改正し2025年4月から実施することとした。そして、各都道府県も同様に旅費制度の見直しを検討している。
本県の旅費制度は国の制度を参考に定めていることから、法の改正趣旨を踏まえ、国と同じタイミングで見直しを行うこととした。
【委員】
今回の見直しは、経済社会情勢の変化に対応するとともに、事務負担軽減を図るために行われた国の旅費法の改正の趣旨を踏まえたこと、また、他の都道府県においても同様に見直しが検討されていることが主な理由とのことで理解した。
今回の見直しは比較的大規模になると思うが、主な項目及び改正内容について、どのようなものか改めて確認する。
【理事者】
主な見直し項目は、五点である。
一点目は、鉄道賃、特急利用の距離制限の廃止である。
二点目は、宿泊料の実費支給化である。定額支給を実費支給とし、名称を宿泊費に変更する。
三点目は、日当の見直しである。諸雑費を賄うため1日ごとに支給する日当を、宿泊旅行に限り1泊ごとに支給する宿泊手当に改める。
四点目は、旅行雑費の定額支給の廃止である。三点目の宿泊手当の支給に伴い廃止する。
五点目は、移転料の実費支給化である。二点目の宿泊料と同様、定額支給を実費支給とし、名称を転居費に改める。
【委員】
主な見直し項目は、特急利用の距離制限の廃止、宿泊料の実費支給化、日当の見直し、旅行雑費の定額支給の廃止、そして移転料の実費支給化とのことである。今回の見直しの大きなポイントは、宿泊料と移転料の二つの旅費で従来の定額支給から実費支給に改めることであると思われるが、宿泊料及び移転料の実費支給化について、見直しに至った考え方を伺う。
【理事者】
宿泊料及び移転料を定額支給としていた理由について、証拠資料に係る実務の簡素化が挙げられる。しかしながら、今日ではウェブサイトによる宿泊申込みの場合など領収書の入手は難しくないこと、業務プロセスの改善により事務負担の軽減を図ることから、実費支給とした場合にも大きな問題は生じないと考える。また、繁忙期の料金高騰にも対応できるメリットもある。
旅費の費用弁償の性格、県費の適切な支出の観点、そして経済社会情勢の変化への対応を総合的に踏まえると、宿泊料及び移転料についても制度本来の趣旨である実費支給とすることが適当と考える。
【委員】
宿泊料及び移転料については、旅費の費用弁償の性格、県費の適正な支出の観点等を踏まえ、制度本来の趣旨である実費支給とすることが適当と判断したと理解した。
宿泊料及び移転料については、今回の実費支給の実施に伴い名称をそれぞれ宿泊費と転居費に改めるとのことだが、このうち宿泊費について確認する。
これまで、宿泊料は定額支給のため、旅行者は規定の金額内で宿泊先を確保していたと思う。ただし、最近の宿泊費の高騰を鑑みると、旅行者の持ち出しが生ずる場合があった可能性もある。これが実費支給となれば、持ち出しがなくなるため大変よいことではないかと思う。しかし、実費支給といっても旅費は公費であるため、無制限に、必要以上に華美な宿泊先に宿泊してよいものではないのは当然である。
よって、公費の支給の観点を踏まえ、今後宿泊費はどのように支給することになるのか改めて伺う。
【理事者】
宿泊費については公費の支給であり、無制限に、必要以上に華美な宿泊先に宿泊してよいものではないことから、実費支給の実施に当たり国と同様、上限を設けることを検討している。
具体的な上限額は、国が地域の実情や職務を勘案して財務省令で定める国家公務員の金額を参考に規定し、国や他の地方公共団体との均衡を図りたい。
【委員】
宿泊費は公費の支給であり、実費支給に当たり上限額を設けることを確認した。そして、その上限額については、国が地域の実情等を勘案して財務省令で定める国家公務員の金額を参考に規定し、国や他の地方公共団体との均衡を図ることで理解した。
宿泊料及び移転料の実費支給化について、今回の改正条例案が可決された際には、申請を行う職員には証拠書類の確保が求められ、支払い事務を行う職員には証拠書類の内容確認などの事務が新たに必要になると思う。先ほどの答弁において、業務プロセスの改善により事務負担の軽減を図るとのことだが、少なくとも申請を行う職員と支払い事務を行う職員、双方の手間が増えることは間違いない。宿泊費及び転居費に限ったことではないが、職員の手間が大きく増えるようなことであれば結果的に人事行政全体のコストが増加し、せっかくの見直しの効果が薄れてしまうことも考えられる。
したがって、実務においては可能な限り申請側及び支払い側に不便を生じさせない、双方が支障なく手続を進められるようしっかり手順を定めてもらい、事務負担の軽減を図るなど、制度改正の実施を円滑に進められるよう確実に準備を進めてほしい。
今後も引き続き社会情勢の変化を踏まえ、旅費制度の不断の見直しに取り組んでもらうよう要望する。
《請願関係》
なし
《一般質問》
【委員】
来年度当初予算案の一般会計予算総額は2兆9,413億100万円である。来年度の当初予算案の歳出のうち、今後の財政運営を考える上で最も注視すべきは、いわゆる義務的経費の増加にある。人件費、扶助費、公債費、いわゆる義務的経費は来年度当初予算の一般会計予算総額のうち、実に46.4パーセントを占めている。
そこで、まず人件費、扶助費、公債費の義務的な経費は、来年度当初予算案ではそれぞれどのように計上されているのか、計上額の前年度対比、これまでの動きと比較してどうであるのか、その理由もそれぞれ伺う。
【理事者】
2025年度当初予算においては、人件費は6,447億円と前年度対比134億円の増加、扶助費については3,592億円と前年度対比127億円の増加、公債費は3,605億円と前年度対比69億円の減少を計上している。
人件費については、定年年齢の段階的な引上げにより、2025年度は定年退職者が生じない年度であるため、退職手当の減少を145億円見込む一方、1992年以来32年ぶりの水準となった2024年度の給与改定の影響で194億円増加していること等により、人件費全体としては増加となった。
扶助費については、2025年にかけて団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になることに加え、子ども・子育て支援の強化などに伴い、後期高齢者医療費負担金や施設型教育・保育給付費をはじめとする事業費が増額となっていること等により、引き続き増加となっている。
公債費については、2024年12月の普通交付税の再算定により、臨時財政対策債を償還するための基金の積立ての実施に要する経費が措置され、2024年度に前倒しして満期一括償還分の減債基金へ146億円積み立てることなどから減少するものの、引き続き高止まりしている状況である。
【委員】
今年度策定したあいち行革プラン2025では、財政運営の今後の取組についての進捗管理指標として、健全化判断比率、通常の県債の実質的な残高、そして基金残高が設定されているが、これらを指標とした理由とこれまでの行革大綱における指標との比較、そしてこれまでとの違いについて伺う。
【理事者】
本県の財政運営については、単年度の歳入だけでは歳出を賄えず、毎年度の当初予算で多額の基金取崩しを計上せざるを得ない厳しい財政状況が続いている。健全化判断比率は、総務省が定めている財政指標であり、他団体との比較が可能であること、通常の県債の実質的な残高については、その償還費が100パーセント交付税措置される特例的な県債である臨時財政対策債の残高や、満期一括償還分の減債基金の積立額等を控除することで将来の財政負担をより的確に表せることから、それぞれ指標として採用したものである。
また、基金残高を進捗管理指標に掲げている理由だが、本県は年度によって県税収入が大きく変動する財政運営上の特徴があることに加え、大規模災害など年度途中の不測の財政需要に機動的に対応できるよう、一定規模の基金残高を確保することを目的にしているためである。
いずれの進捗管理指標についても、依然として厳しい財政状況が続いていることから、前行革大綱であるあいち行革プラン2020から継続して進捗管理指標として設定しており、歳入、歳出全般にわたる不断の行財政改革に取り組み、健全で持続可能な財政基盤の確立を図っていく。
【委員】
あいち行革プラン2025の柱の一つである健全で持続可能な財政基盤の確立に向け、今後の財政運営を展望すると、引き続き増加が見込まれる扶助費に加え、民間企業の賃上げや定年年齢の引上げの影響を受ける人件費、金利上昇の影響を受ける公債費といった義務的経費の状況を注視していく必要があるとされている。また先ほどの答弁のように、本県においては自然災害のおそれも増してきている。
こうした状況の急激、急速な変化を受け、工夫した点、意を用いた取組について伺う。
【理事者】
人件費や扶助費といった義務的経費については、2025年度当初予算においても前年度対比で上昇しており、今後の状況を注視する必要がある。また、自然災害のおそれも増している中で、その防止につながる必要な公共投資等は確保する必要がある。
こうした中で、例えば人件費は、定年年齢が60歳から65歳に段階的に引き上げられる影響で退職者数が年度間で大きく変化することになるため、退職手当が大きく増減することのないよう、2023年度に退職手当平準化基金を設置し、2032年度にかけて退職手当の支払いが一定の水準となるように財政負担の平準化を図る工夫をしている。
また、金利上昇による公債費負担を抑制する観点からも、通常の県債の実質的な残高の維持・抑制に努める一方で、2025年度当初予算においては公共事業を1,674億円計上し、2024年度当初予算と同水準を確保するなど、必要な公共投資を確保したほか、可能な限り交付税措置のある県債を活用するなどの取組を進めた。
【委員】
様々な情勢の急激、急速な変化を受け、現在も県は様々な取組を工夫しているが、今後のデフレからの脱却、金利ある世界への回帰、急速な人口減少、高齢化の進行、身近に迫る自然災害の脅威などを考えると、強固な税財政基盤を確立することが急務である。そこで、従来型の緊縮財政の考え方にとどまるのではなく、今後の財政運営は成長社会の実現に向けてより一層知恵を絞っていく、いわゆるワイズスペンディングを志向すべきではないかと提案したい。
このワイズスペンディングは、経済学者のケインズの言葉で賢い支出という意味だが、これを財政に置き換えると、政策効果が乏しい歳出を削減し、政策効果の高い歳出に転換するものであり、歳出の内容を前向きに、不断に見直していくものである。
従来型の緊縮、歳出の縮減を考えていく後ろ向きの考え方から、前向きな考え方であるワイズスペンディングを今後県は志向していくべきだが、これに対する考えを伺う。
【理事者】
本県を取り巻く環境や社会経済情勢に様々な変化が生じている中で、健全で持続可能な財政基盤を確立することが不可欠である。こうした中、今後の財政運営に際してはワイズスペンディングを志向し、政策効果が乏しい歳出を徹底して削減して政策効果の高い歳出に転換するため、歳出の内容を前向きに、不断に見直していくことが重要である。
また、あいち行革プラン2025において、国による財政支援の最大限の活用を新たな取組として掲げており、各種施策を着実に進めるため、緊急防災・減災事業債といった交付税措置率の高い県債をはじめとする国の財政支援を積極的に活用している。
今後とも、歳入歳出全般にわたり、不断の行財政改革に全力で取り組むことに加え、本県の将来を見据えつつ、事務事業の見直しを行いながら、真に必要な分野に限られた財源を重点的かつ効率的に配分する予算編成に努めていく。
【委員】
2020年7月8日の国の経済財政諮問会議に提出されたワイズスペンディングに関する資料を見ると、ワイズスペンディングの徹底に向けてエビデンスを構築して検証すべきであること、またエビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング(EBPM)の仕組みと予算の重点化、複数年にわたる取組等の予算編成との結びつきを強化すべきであること、その際には地方自治体等によるエビデンスの構築の取組を支援すべきであり、また、EBPMの枠組みを強化し、有識者や研究機関等の協力を得て、政策の質を高めるためのエビデンスを継続的に構築すべきことなどが提案されていた。
これを本県に置き換えて考えた場合、理事者の答弁のとおりワイズスペンディングを徹底し、そうした志向をしていくためには、もちろん県庁内部での検討、そしてエビデンスの検証なども重要であるが、やはり外部の有識者の知恵など、客観的にエビデンスを構築していくことも有効、必要であると考える。
あいち行革プラン2025には、新規の個別取組事項として、国による財政支援の最大限の活用等もあり、ワイズスペンディングの志向に向けてエビデンスの構築などを国の施策に求めていくことになると、県もワイズスペンディングの志向やその施策効果のエビデンスの構築をしっかり行った上で、国に要望していくことが必要になってくる。また、そうしたエビデンスの構築をするためには、やはり県庁内部だけではなくて外部の取組、意見を参考としてもらうことで、新たな発想や思考が生まれ、有力な考え方を県庁内部に取り入れていくこともできると思う。
地方税収や義務的経費の状況に十分に注意を払う必要がある一方で、必要以上に萎縮することなく、インフラをはじめ公共施設等の維持管理の更新に必要な予算など、投資的経費はしっかりと確保しながら、新しい発想、多様な視点からのワイズスペンディング、強固な税財政構造上の構築、安定した財政運営に向けてのさらなる取組を要望する。
【委員】
県有施設のLED化について質問する。
令和7年2月定例議会における3月3日の一般質問で、県有施設のLED化について質問を行った。2023年の水銀に関する水俣条約第5回締約国会議で、2027年末までに水銀を使用した蛍光灯の製造、輸出入が禁止されることが決定された。この問題は蛍光灯の2027年問題と呼ばれ、対策が必要となっている。
そこで、本庁地区の本庁舎、西庁舎及び自治センターと県総合庁舎について、それぞれの施設における照明器具のLED化の現状を伺う。
【理事者】
本庁地区のLED化について、県有施設の省エネ化及び温室効果ガスの排出削減を図るため、2017年度に従来型の蛍光灯の設置本数が多く点灯時間が長い自治センターの蛍光灯についてLED照明への切替えを行った。これにより、自治センターにおいては執務室や会議室、廊下などで長時間点灯が見込まれる照明がLED化され、照明器具総数に占めるLED照明の割合は約65パーセントである。
一方、本庁舎及び西庁舎については、一部にLED照明が導入されているものの、照明器具総数に占めるLED照明の割合は1パーセント未満となっている。
【理事者】
県総合庁舎のLED化については、2017年度に先ほどの答弁にもあった自治センターと同様に西三河総合庁舎に導入し、翌2018年度に新城設楽総合庁舎を除く五つの総合庁舎に導入した。この取組により、執務室や会議室、廊下、トイレなど、職員や県民が使用する場所はほとんどLED照明に切り替わっている。
新城設楽総合庁舎については、2011年度に執務室や会議室などの照明器具を明るく省エネ効果の高い蛍光灯に切り替えていたこともあり、2018年度は庁舎全体のLED化は行わず、同年度に実施した長寿命化改修において天井改修を行ったエントランスホールやトイレなど、一部のLED化を行った。現在、新城設楽総合庁舎を含めた七つの総合庁舎全体で約82パーセントの照明器具をLED化している。
なお、現在建て替え中の知多及び豊田加茂総合庁舎については、新庁舎の照明は全てLED照明を採用する予定である。
【委員】
答弁のあった各施設の、今後のLED化の取組を伺う。
【理事者】
本庁舎及び西庁舎については、現在検討を行っている長寿命化改修において天井等の内装改修時に照明設備の取り外しが想定されることから、そのタイミングに合わせて全ての照明のLED化を進めていく。
また、自治センターについては、来年度、既にメーカーにおいて生産が終了しているナトリウムランプを使用した玄関ホール等の照明について、交換部品の調達が困難になっていることからLED照明への交換を行うこととしており、これにより自治センターのLED照明の割合は約72パーセントとなる見込みである。残る約28パーセントは、倉庫や機械室など点灯時間の限られる場所の照明が中心となるが、こうした照明についても今後の不具合の発生状況、蛍光灯製造禁止後の流通やストックの状況などを見極めながら引き続きLED化を進めていく。
【理事者】
総合庁舎については、既に8割以上の照明をLED化しているが、倉庫などの点灯時間が限られる場所を中心に蛍光灯が2割程度残っている。今後、総合庁舎の業務に支障が生じないよう、照明器具の状態や蛍光灯の在庫状況等を見極めながらLED照明への切替えを進めていく。
【委員】
蛍光灯の在庫なども、本庁舎は蛍光灯が切れるとすぐ在庫を持ってきて取り替えてくれることを見聞きしており、相当数在庫を持っていると思う。在庫はあえて捨ててしまう必要もないことに加え、LED照明に比べ電気代はその分かかるが、廃棄物にならないようにすることも大事である。在庫状況も重要であるため、使用できるものは使用して廃棄すべきではないことも要望する。
あわせて、基本的なことだが、照明器具が不足することはないと思うが、県政の執行に支障が出ないよう、場合によっては、リース契約をしてでもしっかりと期限までに管理ができるよう要望する。
別の質問に移るが、パブリックコメント制度は、県が重要な計画等を作成する際に、県民が直接県の計画案などに意見を伝えることができる大変意義のある制度である。
パブリックコメント制度の概要や県民の意見提出方法を伺う。
【理事者】
県では、広く県民生活に影響を与え、県行政執行上重要な施策や事業の展開方針を定めるに当たり、幅広く県民から意見を聞くパブリックコメントを実施している。意見を募集する際には記者発表を行い広く周知するほか、県ウェブサイトや県広報紙広報あいちへの掲載、県民相談情報センターなどへの計画案等の配布などにより、少しでも多くの意見が寄せられるよう努めている。
また、パブリックコメントの実施に当たり、広報広聴課が策定した実施要領では、意見募集の期間は30日以上、意見の提出方法は郵便、ファクス、電子メールによることとしている。
なお、提出された意見は計画指針等作成の参考にするとともに、提出された意見に対する県の考え方を取りまとめ、県ウェブサイトに掲載している。
【委員】
この質問をするきっかけとなったのは、来年度スタートする愛知県の子育て支援計画、いわゆるはぐみんプラン2029のパブリックコメントを見たことがきっかけであり、最近は業務においてDX化、デジタル化を推進しているが、次期はぐみんプランのパブリックコメント募集では子供、若者からの意見も大人からの意見も共に募集していた。
しかし、回答方法に違いがあり、子供、若者からの意見募集ではウェブによる回答を可能としていた一方、大人からのものでは、ファクス、電子メール、郵便のみ可能でウェブは不可となっていた。なぜ大人はウェブ回答できないかを子育て支援課に確認したところ、子供、若者からのデジタル回答方法は独自にシステムを作成したが、原則はファクス、電子メール、郵便との説明がった。
パソコンやスマートフォンは仕事でも一般生活でも普及しており、様々な手続がウェブによることが多くなっているため、原則をファクス、電子メール、郵便とすることは、今の時代にはそぐわないのではと思った。
意見の提出方法について県の実施要領で郵便、ファクス、電子メールによることとしているとのことだが、デジタル化が進展しSNSなど新しいデジタル技術、サービスも普及する中で、県民がふだん使用している情報伝達ツールも様々である。したがって、提出方法を広げることにより、より多くの県民の意見を募集しやすくなると考えるが、県としての考えを伺う。
【理事者】
パブリックコメント制度実施要領作成当時は、郵便、ファクス、電子メールによる提出方法で十分対応できていたと考えており、この募集方法としていた。しかしながら、LINEやエックス、インスタグラムなど、SNSの普及によりこれらを日常的な連絡ツールとして使用する人が増加しており、こうした人の中には電子メールを使用せずメールアドレスも持っていない人もいる。広報広聴課としても、県民の意見提出方法の選択肢を増やし、利便性の向上を図る必要がある。
このため、例えば愛知県電子申請・届出システムやマイクロソフトフォームズやグーグルフォームなどのオンライン上のアンケートフォームなど、意見募集を行う所属が適切と考える提出方法を追加で定めることができるよう、来年度早々にも実施要領の変更を検討する。なお、インターネットを利用しない、利用できない県民にも意見を提出してもらえるよう、引き続き郵送、ファクスなどの従来の提出方法も維持する。
パブリックコメントの制度趣旨を鑑み、少しでも県民が県の計画等に意見を提出しやすくなるよう、今後も必要に応じて募集の周知から意見提出方法まで、時代に合ったものとなるようアップデートしていく。
【委員】
自分自身、様々な会議に参加する際などに、今例示のあったグーグルフォームをよく使用するようになり、QRコードを読み込むと該当するサイトに飛ぶことが一般的になった。
このグーグルフォームは、専門技術を持つ人が設定しないと使用できないかというとそうではなく、個人でも設定できるようにグーグルフォームの作り方がユーチューブで閲覧できるほどに一般的になってきている。
そのため、来年度早々にも一選択肢としてデジタル回答も可能とすることを目指すとのことだが、県民の利便性向上、また、パブリックコメントを回収・分析する職員の働き方改革にもつながるのではないかと思う。新年度から早急に対応してもらうよう要望する。
【委員】
近年、自治体だけでなく民間企業も人材不足であるため、職員の確保は喫緊の課題であり、新卒者を中心に人材の確保競争が激しくなっている。名古屋市において、職員採用試験で社会人枠を新設し、適性検査を導入して試験の見直しなどが行われるとの新聞記事が載っており、そういう時代かと思った。
本県も同様の採用試験を実施していると聞いているが、社会人を対象とする試験の種類と試験概要を伺う。
【理事者】
本県においても、新規学卒者に限らず多様な経験や価値観、視点を有する者など幅広く人材を確保するため、社会人採用を実施している。実施している社会人を対象とした主な試験は、民間企業等職務経験者試験、社会人試験、国家公務員総合職等行政実務経験者選考がある。
各試験の概要は、まず民間企業等職務経験者試験については、民間企業等で職務経験を有する者を対象とした試験であり、即戦力となる人材の確保を目的として2007年度から実施している。
次に、社会人試験については、就職氷河期世代を中心に、やむなく非正規雇用にとどまっている者を対象とした学歴や職務経験を不問とする試験であり、2016年度から実施している。
最後に、国家公務員総合職等行政実務経験者選考については、国、都道府県等での行政実務経験者を対象とした試験であり、即戦力として困難な行政課題に取り組む人材の確保を目的として、2022年度から実施している。
【委員】
近年の受験者数の状況並びにその状況を踏まえた試験の見直しの内容を伺う。
【理事者】
近年の受験者数の状況については、競争試験全体で2021年度に2,933人と3,000人を割り込んだが、2022年度に日程を1か月程度前倒ししたことにより、3,948人と対前年度比で1,000人以上増加した。その後、民間企業における旺盛な採用意欲などを背景として減少傾向となっており、2023年度では3,568人、2024年度では2,929人と推移している。
こうした状況を受け、社会人試験において、2025年度から氷河期世代に加え、育児や介護、病気などでやむなく非正規雇用にとどまっている人も受験できるよう、受験年齢について38歳から54歳までを30歳から61歳までに拡大することとしており、募集数についても前年度より増やす予定としている。
【委員】
本県であっても、5倍、6倍あった倍率が下がっており、試験を前倒しして少し上がったが、また下がってきており、これからもさらに下がっていくと推測される。その中で、社会人枠は非常に有効だと思っているが、今後どのように社会人採用を進めていくのか伺う。
【理事者】
社会人採用については、先ほど答弁した取組のほか、2025年度から第1回試験の事務職において適性検査SPI3を活用した試験区分行政Ⅲの創設や、かつて愛知県職員であった者を対象とした職員再採用(カムバック採用)選考の導入といった新たな取組を始めた。職員の確保に当たり、新規学卒者だけでなく、第二新卒などの転職希望者、本県で腰を据えて働きたい職務経験者などを積極的に採用する必要があるものと認識しており、今後も国や他の都道府県などの動向を注視しつつ、多様な方策を取り入れながら、社会人採用にもしっかりと取り組んでいく。
【委員】
経験豊富な人材を採用することは非常に重要であり、これからはそういう時代だと思うため、社会人枠を広げてもらい、積極的に取り組んでほしい。
もう一点、人材を確保した後の離職をどう止めるかについて、職員のモチベーションを保つためにも、人事は大変重要である。最近、民間の人と話をすると、総合職から職能型、ジョブ型、最近はスキル型まで細分化していて、一つの事業を1人で最初から最後までやるのではなく、個々に持つスキルをうまくはめ込んでいくやり方が増えていると聞いている。
また、従業員のモチベーションを上げる目的で社内公募やフリーエージェント制などを取り入れている企業もあると認識しているが、今後、本県の職員のモチベーション向上に向けた取組についての考えを伺う。
【理事者】
現在、職員の人材確保、離職防止が大変重要となっている。特に職員のやる気やモチベーション向上については、その職員の能力や経験を生かし、主体的にキャリア形成しながらしっかりと働いてもらうことが重要である。
そこで、具体的な取組として、上司と部下の対話を通じて職員のやる気を引き出すために、1оn1ミーティングを実施している。加えて、職員のチャレンジ精神を尊重した庁内公募であるやりたい仕事挑戦制度を実施している。加えて、今後の職員のキャリアの形成の道しるべとなるキャリアプランを職員に示しており、これらを活用しながら計画的、効果的に取り組んでいる。
今後も、愛知県人材育成基本方針に基づく、人を育てる施策を通じた総合的な人材育成の推進やワーク・ライフ・バランスの向上などにしっかりと取り組みながら、職員のやる気やモチベーション向上につなげ、業務に当たらせていく。
【委員】
人を育てることが重要であり、これからは自治体を取り巻く環境が大きく変化するとともに、県だけで解決できる問題が少なくなると思う。それに対応するために専門性を持つNPOなどの様々な団体とどう連携していくかが一番大事である。そういう意味では、専門知識を持った外部の人と連携し、社会課題を克服していくためのスキルをどう身につけるかも大事なことだと思う。
従来の単純作業はさらにDXで機械化、単純化されていくため、その余ったパワーをどのように社会問題に向け、そして、現場で起きていることは何かをしっかり身につけた上で、県庁内だけではなく外部の団体と課題を解決していく力が県には必要だと思う。
自治体の中でも、市町村は現場があるわけだが、県は中間管理職のような立ち位置であるため、全体の絵を描いていくことが重要な役割だと思う。それを踏まえ、今後の職員の育成をどのように行うのか伺う。
【理事者】
人材育成については、各個人の問題もあるが、組織としても、しっかりと取り組んでいかなければならない。特に若手職員は、入庁してから育成して、長く離職せずに勤められるように、また、中堅職員についてもさらに上を目指すようにモチベーションを維持しながらしっかりと仕事に当たらせていく。
個別具体的な取組については、今後様々に検討していくが、県庁を運営するために、現在、人事交流なども国、他県、市町村、民間企業などと行っているため、そのような経験を通じた職員の育成にも努めていく。
【委員】
ハラスメントの種類も増え、今後さらに価値観が多様化することが予想されるなど、環境の変化はすさまじいものがあるため、それにしっかり対応できるよう、勉強会や研究会の開催による情報のやり取り、意見交換、若手の意見を聴くなど、上司から部下への一方通行ではなく、相互理解を図るための取組をしっかりと行ってもらい、人材育成に努めてほしい。